QB「ほら、やっぱり感情なんて不必要だ」 (20)

マミ「…さて」

QB「やぁ、行くのかい、マミ」 

マミ「ええ」

QB「今日くらい休めばいいのに」

マミ「そういうわけには行かないの」

マミ「今この瞬間に」

QB「魔女が現れて人を襲っているかもしれない、かい」

QB「やれやれ、恐れ入るよ」

マミ「ふふ、ありがと」

QB「褒めてないよ」

QB「行ってらっしゃい、マミ」

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QB(…人間というものは本当に興味深いね)

QB(誰にも望まれていないというのに)

QB(自分のためになんかならない筈なのに)

QB(何が君を駆り立てるんだい?マミ)

QB(その心理、僕にはきっと理解できないだろうね)

QB(…)ピクッ

QB(…また、彼女か、やれやれ)

廃工場

QB「いい加減僕を付け回すのをやめてくれないかな」

QB「見滝原のイレギュラー、暁美ほむら」

ほむら「…黙りなさい」

QB「あまり個体を減らされるのは好ましくないんだ」

QB「こんなペースで個体を減らされ続けたら僕らは死滅してしまう」

ほむら「…はぁ?」
 
QB「なんてね、嘘さ」

ほむら「…」

ほむら「とにかく、私はあなたを殺し続けるわ」  

ほむら「…あなたがまどかとの契約を諦めるまでね」

QB「やれやれ」

QB「根比べ、というわけかい」

ほむら「…根比べなら、負けない」

QB「…とにかく今の君のためにも僕を殺すのはやめた方がいいと思うね」

ほむら「…」

QB「折角彼女たちと友好な関係を築けているんだろう?」

QB「君はそれを自ら不意にするつもりかな?」

ほむら「…そんなつもりはないわ」

QB「だろうね」

QB「今彼女たちと敵対してしまったら」 

QB「貴重な戦力を失うことになる」

QB「せめて、マミの前では僕を殺すことを控えた方がいいよ」

ほむら「…巴マミは単なるあなたの鳩でしょ」

QB「…鳩?」 

ほむら「あなたの最低な考えを他の魔法少女へ伝える手段」

QB「…そうだね」

ほむら「だったらあなたも巴マミの前で殺されるわけには行かないわね」

QB「…」

ほむら「目の前で自分の死体を喰らう化物なんか誰だって気持ち悪いと思うに決まってるもの」

QB「…うるさいな」

QB「とにかくマミの前では殺さない方がいいよ」

ほむら「…」

マミの家

QB(…鳩か)

QB(いつから彼女にそう思われていたんだろうね、マミ)

QB(確かに僕は君を利用しているよ)

QB(それが僕らの目的だからね)

QB(魔法少女が絶望へ身を委ねる、その瞬間に生まれる膨大な感情エネルギー)

QB(そのエネルギーを使って宇宙の延命を図る)

QB(全く、我ながらよくできたシステムだ)

マミ「ただいまー」

QB「…!」

QB「やぁ、お疲れ様」

マミ「ありがとう、QB」

QB「どこか怪我はしてないかな?」

マミ「もう、心配しすぎよ」

マミ「これでもベテランで通ってるんだから」

QB「そうだったね」

マミ「…さぁ、そろそろ寝ようかしら」

マミ「明日は大事な用があるし、ね?」

QB「…そうだね」

QB「長時間起きていることによる君達の体への悪影響は思っているよりも大きいよ」

QB「たとえそれが魔法少女であってもね」

マミ「もう、普通にお肌に悪いとかでいいのよ、QB」

QB「肌に悪いよ」

マミ「はいはい、おやすみなさい、QB」

QB「理不尽だなぁ、おやすみ、マミ」

マミ「…すぅ…」

QB(すまないね、マミ)

QB(僕たちは君たちのように体を休めるような行為は一切必要ないんだ)

QB(壊れたらまた変えればいい)

QB(それが僕たちの考えだからね)

QB(…)

QB(…これも騙しているうちに入るのかい?)

QB(もしそうだとしたら、君は不幸だね)

QB(…不幸か)

QB(初めて会った時から君は不幸だったね)

マミ「…ぅ、ぁあ…」

マミ「…おか、さ…おと、ぅ…ん」

マミ「…ぅうう…ヤダ…」

マミ「…死にた…く、ない、よ…」

マミ「…どう、して?」

マミ「…私…が…」

QB「やぁ」ヒョコッ

マミ「…ぅ…」

QB「僕が見えているんだろう?巴マミ」

QB「それにしても大きな事故だったね」

QB「見てご覧よ、君たち家族の乗っていた車はもはや動くような物じゃない」

QB「中にいる親も即死だろうね」

QB「君が助かる可能性も薄い、下半身が潰れて内蔵が飛び出ている」

QB「生きているのが不思議なくらいだ」

QB「誰も来ちゃあくれないよ」

マミ「…ぅ、ううううう…!」

QB「君は死ぬ、直ぐにでもね」

マミ「…誰、なのよぉ…!あっちに…いってよ!」

QB「…変えたくはないかな?」  


QB「今、君に起こったこの現実を」

QB「今、君に起こったこの不幸を」

QB「無かった事にしたくないかい?」

QB「君は、生きたくはないかい?」

マミ「…」

QB「もちろん強制はしないよ、なるならないは君の自由だ」

マミ「…よ…!」

マミ「生きたいよ…!!」

QB「そうかい」

QB「だったら願うといい」

QB「今君が思っているその願いを」

QB「僕に告げてみるといい」

QB「君はこの決まった運命を書き換える力を備えているんだから」

マミ「…う、…ぁぁ…」

マミ「…たい…」

マミ「…生きたい!!」

QB「…」

QB「君の願いは確かに聞き届けられた」

QB「それが君の命の輝きだ」

QB「それが君の祈りの形だよ」  

マミ「…綺麗」



QB「さぁ、受け取るといい、不条理を覆す力と、魔法少女としての運命を」

QB(…やっぱり何度思い返してみても)

QB(君に選択の余地はなかったね)

QB(それを卑怯と呼ぶものもいるだろうけれど)

QB(…)

QB(たとえ君は魔法少女の結末を知っていたとして)

QB(あの時、僕を拒んだかな?)

QB(ねぇ、マミ、教えてよ)

QB(君は一体、何を信じてこの世界で生きているんだい?)




杏子「来るべき時に備えて我々は準備をしなければならなぁい」

さやか「何キャラだよ」

マミ「大佐、敵陣包囲しました」

ほむら「あなたまでやらないで」

杏子「だってよ、単に作戦会議なんてつまんねーよ」

さやか「つまんないとかの問題じゃないっての」

杏子「なー、ほむら、何か対策はないのかよー」

ほむら「だから何度も言ってるでしょ、ワルプルギスの夜を超えた今私に未来のことはわからないのよ」

さやか「んー…困ったね」

杏子「つーかこの会議必要か?」

杏子「いつもみたいに各自暴れりゃいいんじゃねーの?」

ほむら「各自暴れ回って勝てたら苦労しないわ」

さやか「あんたも魔法使えなくなったしね」

ほむら「…」

杏子「爆弾投げるだけじゃん」

ほむら「…」

マミ「ゴルフクラブとかで戦うのはどう?」

ほむら「…」

ほむら「…」

ほむら「…」

杏子「分かった、ごめん」

さやか「涙目にならないで」

あたま回んね
エタれエタれー

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