【オリジナル】神様「安価で募集した能力者同士を戦わせる」【安価】 (37)

神様「弱っちい連中がぺしぺし殴り合ってる様など見てもつまらん。なるべく強い能力者を考えてくれよ」

テンプレ
【名前】
【性別】
【能力名】
【能力詳細】
【性格】

下5まで募集 その中から2人採用して短編を書かせてもらいたいと思います

SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1431406077

【名前】榊崇徳 さかきすとく
【性別】男
【能力名】引斥力
【能力詳細】文字通り相手を引力で引っ張ったり斥力で相手をはじきとばしたり出来る、その力には誰も逆らえないが一度能力を使うと10秒のインターバルを空けなくては再度能力は使えない
【性格】戦略家でありあんまり人を信用しない


【名前】ユダニ
【性別】男
【能力名】クリートクリエイター
【能力詳細】イメージした生物の創造&使役(規格外の存在だと暴走するかもね☆)
【性格】能力にアグラをかく愚か者

【名前】糸田 結衣(いとだ ゆい)
【性別】女
【能力名】命なき軍勢
【能力詳細】人形に魂を宿して操る
【性格】


神様「よーし募集は締め切るぞ」

神様「ふむふむ、なかなか強そうな能力者が揃ったじゃないか」

神様「できれば全員採用したいところなんだが、神たる私にも限界がある。余力があったら新たな戦いを企画するかもしれんから、期待しておいてくれ」

神様「今、>>3>>4がいる世界を創造した。さあ、どんな戦いを見せてくれるのかな?」

 次レスから>>3さんのユダニと>>4さんの糸田 結衣のSSを投下します
 なお、ストーリーの都合上戦うまでの過程などもざっと描写しますのでご了承を

完結してから投下したいのと、これから夜まで外出しなくてはいけないのとで、大変申し訳ないのですが投下は夜になりそうです
完成までの道筋はきちんとできているので、ご安心ください
では後ほど

長らくお待たせしました
書き終わったので投下します


 ―――――――

 深夜・とある郊外の住宅地


男性「いや~酔っ払った酔っ払った。今日も飲み過ぎちまったな~あっはっは」

野良犬「ハッハッハ」尻尾フリフリ

男性「お? 何だこいつ、俺のことがそんなに気に入ったのか? 可愛い奴め」

野良犬「クゥーン」スリスリ

男性「よーしよしよし、そらおにぎりだ。食うか?」

野良犬「ワフワフ」アーン


 ブチッ!!


男性「――――えっ、はっ、あ……あ、ああ!?」

野良犬「……」ガツガツ

男性「こ……いつ、俺の、俺の腕、腕、うわあああ――――!?」

野良犬?「■■■――――!」グワッ



???「お願い、間に合って……!」タッタッタッタ

???「やめ――――」


 グシャッ!!


???「……お兄ちゃん、『震脚』!」

兄「――――――」ヒュン


 ズドンッ!


野良犬「■■……■……」パタ

???「人払いに隙間があったのかな……」

???「……ごめんなさい。私がもっと早く来ていれば」

男性「………………こ……」


???「そんな……まだ生きてるの!?」

???「こんな…………」

男性「…………し、て」

男性「こ…………ろ……」

男性「……し…………て……」

???「…………お兄ちゃん。『首狩り』」

兄「――――――」


 ――――――――――


???「……いつもそう。私は、いつも皆より遅いの」

???「お姉ちゃんだったら、助けられたのかな」

???「私なんかじゃなく、お姉ちゃんが助かればよかったのかな」

???「……でも、これで終わり」

???「ようやく見つけた」


???「結界は張った。奴はもう、この街から逃げられない」

???「待っててね、お父さん、お母さん、お姉ちゃん、お兄ちゃん。『アイツ』を今夜中にそっちに送ってあげるから」

結衣「だから、天国で結衣のこと、応援しててね」

結衣「皆が見ていてくれれば私、何も怖くないから。絶対誰にも負けないから」

結衣「全部終わったら、私も行くよ。そしたら、また皆で暮らそうね」

結衣「…………じゃあ、行ってくるよ」


 ――――――――――


???「……お前か? このウゼェ結界張ったのはよ」

???「勘弁しろよ、これから夜行バス乗ってスキーでもしに行こうと思ってたトコだってのに」

???「アンタが俺のバス代、代わりに出してくれんのかよ、なあ」

結衣「あなたにあげるものなんて、何もない」

結衣「あなたは私から全てを奪った。そんな人には、何もあげない」

???「……ああ、そういうコト」


???「つまり、テメェは俺を殺しに来たんだな?」

ユダニ「この『魔獣創生(クリートクリエイター)』のユダニを殺しに来たと、そういうわけか」

結衣「…………」

ユダニ「そう固くなるなよ、照れるじゃねえか」

ユダニ「ま、話でもしようや。かるーく身の上話の一つも聞かせてくれよ」

結衣「……あなたとする話なんてない」

ユダニ「いやいや、テメェだって語りてぇだろ? どうして俺を殺したいのかってコトくらいよ」

ユダニ「悪ぃが俺はテメェのことなんざこれっぽっちも知らねえ。面も見たことがねえ」

ユダニ「そんな俺を殺したって、テメェだってすっきりしねえだろ?」

結衣「………………5年前」

ユダニ「あ、言い忘れてたけど」


ユダニ「回想中だからって、俺は待ってやらねえからな」


魔獣「■■■■――――!」

結衣「『崩拳』!」

兄「――――――!」



 ドゴッ!


ユダニ「余所見は禁物……って、気づいてたのかよ」

結衣「姑息な手を使われるのには慣れてるから」

ユダニ「そうかい。じゃ、次は四体一気にいってみよっか」

魔獣×4『■■■■――――!』

ユダニ「一体しか出せねえと思ったか? 四方からの同時攻撃。その人形一体でどうやってさばくのか、見せてもらうぜ」

結衣「…………」クス

ユダニ「(笑った……?)」


結衣「“棍棒”“大剣”“槍”」


 ドドドドッ!!


ユダニ「……テメェ、そんなデカブツども、どこに隠し持ってやがった」

結衣「……企業秘密」

ユダニ「はっ、そりゃあいい……!」

ユダニ「いいねえ、久々に楽しくやれそうだ!」


ユダニ「ちまちま2体3体ずつじゃつまらねえ! ここは一気に――――」


ユダニ「1000体くらいドバっと出してみるか!」


 ズズズズズズズズズ……!


結衣「そんなっ……こんなにたくさん……!」

ユダニ「頭数が多いだけだと思わないでくれよな。こいつらは一体一体が不死身だぜ」

ユダニ「狼、熊、虎、獅子、鮫、鰐、恐竜、ドラゴン……あと何だったかな。適当に造ったからよく分かんねー」

ユダニ「そんじゃま、せいぜい頑張れや」

ユダニ「俺がジジイになって死ぬまで粘ってりゃ勝てるぜ? 大体50年な、ひゃっははは!」

結衣「くっ……!」


ユダニ「あー楽しいー! 最っ高に楽しいよなあ、復讐に来た奴をボッコボコに叩きのめすのは!」

ユダニ「5年前がどうとか言ってたっけ? つーことはテメェは俺を殺すために5年も地べた這いずり回ってたわけだ!」

ユダニ「その年で5年つったら……ちょうど高校生だなあ。はは、人生で一番楽しい時期をぜーんぶ血反吐吐くような修行に費やしたんだろ?

ユダニ「やりたくもねえコトやって、言いたくもねえコト言って、行きたくもねえトコ行って頑張っちゃったんだろ!?」

ユダニ「ひゃーっははははは! んで、そんなこんなで機が熟したとみて勇みかかってきたテメェに、俺はこう言ってやんのよ。『お疲れさん。キミのやってきたことはまるっと無駄だったゾ』ってなぁ!」

ユダニ「報われねー! 救われねー! あの世にいったご家族の皆さんも頭抱えるってぇの!」

ユダニ「オマエさあ、一体全体何のために今まで生きてきたんだろうな?」

結衣「……本当に、お喋りが好きなのね、あなたは」

ユダニ「あ?」

結衣「私はあんまり好きじゃなかったの。気の利いたことも言えないし、面白い冗談も言えない」

結衣「ズレたことばっかり言って、皆に笑われてた」

結衣「でもね、今は好きかな。ううん、楽しみって言った方がいいのかな」

ユダニ「……何言ってんだ、テメェ」


結衣「私にけちょんけちょんにされて、泣きべそかいてるあなたに『今どんな気持ち?』って聞くの、すっごく楽しみだから」

ユダニ「……傑作を通り越して駄作だぜ。マジで言ってんのかよ? つまんねーぞ」

ユダニ「俺が? テメェに? けちょんけちょんにされる? トロいこと言ってんじゃねーよ、ボケが」

結衣「そうだね、私はトロいし、ボケだよ。だって――――」

ユダニ「もうどーでもいいわ、オマエ。――――やっちまえ」

魔獣×1000『■■■■――――!!』


結衣「90000体の人形の『軍勢』を揃えるのに、5年近く掛かっちゃったから」


ユダニ「は?」

結衣「人形さんたち……『やっちゃって』」

人形×90000「――――――!」


 ドッッッッ!!!


ユダニ「は……おま、な……にぃ――――!?」

結衣「不死身の動物さんたちでも、さすがにしばらくは私のところには来られないよね」


ユダニ「バカな!? テメェの能力は人形を操ることだろ! 俺みたいに、どこからでも好きなだけってわけにはいかねえはずだ!」

結衣「……世の中にはね。近所の人の死体を売って生計を立ててる人がたくさんいるの」

結衣「そういう人たちから買い取ったり、道端で行き倒れてる死体を拾ったり……人形を作るためならなんだってやった」

結衣「全ては、今日このとき、あなたを殺すために」

ユダニ「……いいね、撤回するぜ。オマエ、面白えよ」

ユダニ「なるほどな。さすがの俺も不死身の魔獣を1000体も造ったらちょいとキツいもんがある」

ユダニ「それに、いくらなんでも90倍の戦力差があったら、魔獣といえども苦戦はするだろうよ」

ユダニ「でもな、俺は負けねえのよ」

ユダニ「この『魔獣創生』のユダニはよ――――こと物量戦にかけちゃ、天下一品の男なんだぜ!!」


 ……ズズ

 ズズズズズ

 ズズズズズズズズズズズズズ!!


結衣「そ、んな……空が、隠れて……」

結衣「まるで……魔獣の津波じゃない!」

ユダニ「有象無象のかき集めで恐縮だが、数にしてざっと5000万ってとこだ」

ユダニ「一体一体は拳銃数発で息絶えるような雑兵だが、それでもこれだけ集まりゃ国だって落とせる」

ユダニ「主義も主張もご立派なお題目も! 問答無用に押し潰す数の暴力の極致、耐えてみせろよ復讐者――――!」


 ドドドドドドドドドドド!


結衣「……耐えるのには慣れてる」

結衣「だけど、私はもう我慢なんてしない」


結衣「ここであなたが倒せるのなら、私はどんなものでもなげうって見せる!」


 ゴゴゴゴゴゴゴゴゴ……!!


ユダニ「は、はは、ひゃっはははははは! すげぇよ、天才かよオマエ!」

ユダニ「何が人形揃えるのに5年掛かりましただ! 大ボラぶっこくのも大概にしやがれ!」

ユダニ「月まで届きそうなクソ馬鹿デケェゴーレムを、10体もたった今即興で作りやがったじゃねえか……!」


ゴーレム×10「――――――――!」

魔獣×5000万「■■■■――――!」


結衣「予め、この街に目星はつけてたの。地形的に、一番効率よく人払いとゴーレムの形成ができそうだったから」

結衣「能力を解いたら元に戻るようにはしてるけど……ちょっと汚しちゃうかも。街の皆さん、ごめんなさい」

ユダニ「……なあ、俺はさっき言ったよな」


結衣「……何を」


ユダニ「余所見は禁物だぜ」


 ぞぶり


結衣「……あっ、ぐ……っ、お兄ちゃん!」

兄「――――――」ブンッ

魔獣「■!」グチャッ

ユダニ「オマエがさっきまで楽しくお喋りしてたのは、俺そっくりに俺っぽいことを喋る俺っぽい魔獣だよ」

ユダニ「さすがに自動操縦じゃキツくなったんで、街回ってきっちり指揮ってきたんだわ。案外さっくり終わったぜ」

結衣「う…………」ドサッ

ユダニ「ついでに言っとくと、俺も以前俺に作られた俺そっくりの魔獣なんだわ。本体が造ったから完成度は段違いだがな」

結衣「…………」

ユダニ「世界中に何人俺がいるのか、実のところ俺自身にすら分からねー。ま、それでも構わねえんだけどよ」


ユダニ「じゃあな、復讐者。そこそこ楽しめたぜ」

ユダニ「生まれ変わったらまた挑みに来いや。何度でも受けて立ってやらあ」

結衣「……23人」

ユダニ「……あ?」

結衣「あなたは今、この地球上に、23人いたって言ったのよ」

ユダニ「……まだ喋んのかよ。中でがっつり抉ったつもりだったんだがな」

結衣「……残念だけど、元より私に痛覚なんてない。最初だったから、あんまり憑依が上手くできなかった」

結衣「だからこそ、今もこうして喋っていられるんだけど」

ユダニ「最初に……憑依が失敗した……まさか、オマエ」

結衣「うん。この身体は結衣のものじゃない。結衣の隣で死んじゃった双子のお姉ちゃんのもの」

結衣「私の身体は、落ちてきた看板に潰されてグチャグチャになっちゃった」

結衣「お姉ちゃんも、看板の破片が首に刺さって死んじゃった」

結衣「一度くらいは私がお姉ちゃんを助けてあげたかったのに……間に合わなかった」

結衣「お兄ちゃんは、単にそう名づけただけの手作りの人形だけどね」

結衣「死体からじゃなく、素材から組み立てた人形に、私は魂を憑依させて世界中に派遣した」


結衣「そして、あなたと同じ顔と能力を持つ人間を片っ端から殺していった。『自分と同じ魔獣は不死身には造れない』これだけが、あなたの無敵の能力の欠点」

結衣「誰がオリジナルで、誰が魔獣だったのかはもう分からない。だけど、これだけははっきりしてる」


結衣「あなたが最後のユダニだってことだけは」


ユダニ「…………っ!」

結衣「もうすぐ52人の私がここに応援に駆けつける。それぞれ1万の人形を従えてね」

結衣「残念だけど、あなたはここで終わり。ユダニを名乗る人間は、この世界から一人もいなくなる」

ユダニ「…………ざっけんな。ふざけんなふざけんなふざけんなふざけんなふざけんな!」

ユダニ「こんなところでこの俺が! 終わるわけねえだろうが――――!」

ユダニ「こうなりゃとっておきだ! 出てこい神代の魔獣ども! このゴミをぶち殺せ!」


 ズズズズズ!


結衣「……あなた、それしかできないのね」

結衣「せっかく背後をとったのに、不意打ちすら魔獣任せ」

結衣「もうお兄ちゃんしか人形がいない私にさえ、近づくこともできないのね」


ユダニ「うるっせええええええ!!」

魔獣×10「■■■■――――!」

結衣「どいて」


 ズパンッ!!


結衣「私のお兄ちゃんは、誰よりも強いんだから。誰にも負けないんだから」

ユダニ「ぐっ……があああああ!! くそ、身体が……! 無理な創造をしたせいか……!?」

ユダニ「くそ! くそくそくそくそ! いやだ、やめろ、死にたくねえ――――!」

結衣「やっちゃえ、お兄ちゃん!」

兄「――――!」


 ドッ…………!


 …………………………


魔獣×5000万+1000『――――――』サアアアア


結衣「…………終わった。これで、全部。何もかも」

結衣「はは……終わっちゃったら終わっちゃったで呆気ないのね。定期テストみたい」


結衣「あ、ゴーレムを元に戻さないと……」


 ゴゴゴゴゴゴゴゴゴ……


結衣「……早くこの街を出よう。私みたいな人間が、こんなところにいちゃいけない」

結衣「人払いも解けちゃったし、すぐ人が戻ってくる」

結衣「そしたら――――」


子供「う、うわあああああ!」

母親「悠一!」

魔獣「■……■■……」ズズ...


結衣「……! まだ生き残りが!」

結衣「(かなり距離がある……このままじゃ、お兄ちゃんの速さでも間に合わない!)」

結衣「お兄ちゃん! 行って!」


結衣「私の魂、全部使っていいから――――あの子を助けて!」

兄「――――」コクリ

結衣「え……お兄ちゃん、今」


 ズドッ!!


魔獣「■…………」サアアア

子供「うえええええん!」

母親「悠一……!」


結衣「よかった……間に合った。私、間に合ったよ。あは、あはは……間に合った、間に合ったんだよ……!」

結衣「うん……うん……結衣、間に合ったんだ。私だって、たまにはやるんだから……」


結衣「だから、皆もっと褒めてよ――――」


結衣「――――――――」

神様「うむ、なかなか結構な見ものだったな!」

神様「またこのような機会を設けてみるのもいいかもしれん」

神様「では、さらば」

これにて完結です
>>2さん>>3さん、そして応募してくださった皆様どうもありがとうございました
双方の能力に若干の個人的解釈を加えてしまいましたが、ストーリーの都合ということでご容赦ください
また同じようなスレを建てるかもしれないので、そのときは皆さん振るってご参加を
では読了いただきありがとうございました!

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