由比ヶ浜「つけると言うことを聞くようになる首輪?」 (315)

露店商「そうだよ、お嬢ちゃん。ほら、例えばお嬢ちゃんが連れてるそのわんちゃん」

露店商「物は試しだ。この首輪の効果を、そのわんちゃんで見せてあげよう」

由比ヶ浜「おじさん、それほんとぉ?」

露店商「はい、まずこの小型犬用の首輪をつけてね」

由比ヶ浜「はーい」カチャカチャ

露店商「そして、ご主人様がこっちのセットの指輪をつける。そして」

露店商「よーし、わんちゃん。お座りだ」

サブレ「……」スッ

由比ヶ浜「え!すごーい!なんでー!?」

露店商「まだまだ、はい次はふせ、おて、ちんちん!!」

由比ヶ浜「うそー、サブレそんなことできたんだー」

露店商「どうだいお嬢ちゃん、この首輪の魔力は。これをつけたら、物理的に可能ならなんでもするよ」

露店商「あとそうそう、ここだけの話……首輪をつけられさえすれば、犬じゃなくても……例えば、猫でも、豚でも、人間でも……言うことをきくよ」

由比ヶ浜「え」

露店商「首輪は大型犬のもあるけど、どうするね?」

由比ヶ浜「買っちゃった……しかも大型犬用……」

由比ヶ浜「あはは、こんな大きいの、サブレじゃくぐり抜けちゃうね!どうしよー」

由比ヶ浜「……」

由比ヶ浜「首輪を相手につけて、自分が指輪をつけて命令すると……言うことを聞く……」

由比ヶ浜「確かにサブレは言うこと聞いてたけど、ほんとだったのかな、あれ」

由比ヶ浜「今考えるとちょっとうさんくさかったかも……」

由比ヶ浜「ちょっと、試してみるくらい……いいよね。せっかく買ったんだもんね」

由比ヶ浜「ヒッキーヒッキー!ちょっと聞いてー、昨日変なもの買っちゃった!」

比企谷「変なものってわかってるに買うって相当おばかさんじゃね?乳酸菌取ってるぅ?」

由比ヶ浜「変だけどすごかったの!あのね、この首輪なんだけど」

比企谷「首輪……?お前、かわいい顔してそんな趣味が……やっぱビッチじゃねえか」

由比ヶ浜「ビッチでも趣味でもないし!!」

由比ヶ浜「で、でもか、かわいいって……」

比企谷「いや、定型文だからそれ。特に他意とかないから」

由比ヶ浜「もう!ふざけてないで聞いて!この首輪をつけるとね、その子は何でも言うこと聞いちゃうんだよ!」

比企谷「……プレイ的な意味で?」

由比ヶ浜「プレイってなんだし!そういうんじゃなくて、ほんとに、なんでも言うこと聞くの!」

由比ヶ浜「これつけたサブレなんて、昨日それ売ってた知らないおじさんの言うこと、なんでも聞いちゃったんだから」

比企谷「ふーん。あっそ」

由比ヶ浜「うわ、ちょー興味ないし!」

比企谷「いや、胡散臭さ爆発してんじゃんその話。どうせなんかトリックでもあったんだろ。上田教授にでも調べてもらえよ」

比企谷「だいたい、この首輪大型犬用じゃん。お前んちの犬じゃすり抜けるだろ」

由比ヶ浜「あ、うん。サブレには小型犬用のつけて見せてくれたよ」

比企谷「じゃあなんで大型犬用の買ってんだよ……ほんとにばかなのこの子」

由比ヶ浜「実はね、それでそのおじさんが……それつけたら、犬じゃなくても言うこと聞くっていうから」

由比ヶ浜「べ、別に誰かにつけたいとかじゃないよ!?ただ、そう言われると気になるなーって思って」

比企谷「やっぱこれ人につけようと考えてたんじゃねえか、このビッチ」

由比ヶ浜「だ、だからぁ!ただの好奇心っていうかー!ためしにっていうかー!」

比企谷「ためしで人に首輪つけさせようとしてんだろ。十分やばいわ」

比企谷「で、これ誰かでもう試したわけ?」

由比ヶ浜「ううん、まだ」

比企谷「じゃあもう二度とそれ持ち歩くなよ。ほんと引かれるぞ。俺もちょっと引いてる」

由比ヶ浜「……ヒッキー、つけてよ」

比企谷「は?話聞いてたの。マジドン引きだよ」

由比ヶ浜「ヒッキーは信じてないんでしょ?なら一回ちょっとつけるくらい平気でしょ?」

比企谷「言うことを聞く聞かない以前に、首輪をつけるっていうのが嫌なんだが」

由比ヶ浜「いいからつけてよ!一回も試さなかったら、四千九百八十円が無駄になっちゃうし!」

比企谷「お前、面白そうだからで買うのはせいぜい二千円以内にしとけよ……」

由比ヶ浜「ヒッキー、お願い……」

比企谷(女子に首輪つけてなんて懇願されるとか、マジそれなんてエロゲだよ……)

比企谷「……言うことを聞かせるために、電気ショック機能とか入ってるとかじゃねえの?指輪がスイッチで」

由比ヶ浜「サブレはつけてる間おとなしかったし、大丈夫だよ」

比企谷(由比ヶ浜マジかよ。なんか俺がつけるっていうまでひかなそうなんだが)

由比ヶ浜「……」

比企谷「じゃあ……一瞬だけだぞ。すぐ外すからな」

由比ヶ浜「ほんとに!ありがとヒッキー!」

比企谷「……」

由比ヶ浜「……」ワクワクドキドキ

比企谷(なんて希望に満ち溢れた目で見てんだよ……素質あんじゃん)

比企谷(ははは、とっととつけて終わりにしよ)カチャッ

比企谷「……ほら、つけたぞ」

由比ヶ浜「う、うん……じゃあ、命令して、いい?」

比企谷「おう」

由比ヶ浜「うーんと……お、お辞儀して?」

比企谷「え?やだよ」

由比ヶ浜「ええー!?なんで!?」

比企谷「ほら、インチキじゃん」

由比ヶ浜「あたしの四千九百八十円……」

比企谷「安い授業料だったな」

由比ヶ浜「でもほんとに、昨日はサブレ言うこと聞いてたんだよ?」

由比ヶ浜「こう、おすわり!って言うと座って――」

比企谷「……」スッ

由比ヶ浜「あれ?」

比企谷「あれ?」

由比ヶ浜「……おて」

比企谷「……」ポン

由比ヶ浜「すごーい!!」

比企谷「??」

由比ヶ浜「犬の命令じゃないとダメなのかな?……命令?」

比企谷「ゆ、由比ヶ浜?効果はわかったんだからもう」

由比ヶ浜「ヒッキー、気をつけ!!」

比企谷「……」ピーン

由比ヶ浜「やった、やった!やっぱり本物じゃん!!」

比企谷「由比ヶ浜……俺はいつまでこうしてたら」

由比ヶ浜「あ、直れ」

比企谷「ふぅ……確かにすごいな」

由比ヶ浜「ね!ほんとだったでしょ?」

比企谷「じゃあ、外すか」

由比ヶ浜「え!」

比企谷「こんな恐ろしいものいつまでもつけてられん」

由比ヶ浜「ひ、ヒッキー!首輪を自分でとっちゃだめ!!」

比企谷「え」

比企谷「……」カチャカチャ

比企谷(……とれない!?)

比企谷「……俺を、どうするつもりだ」

由比ヶ浜「え、なにが?」

比企谷「いや、こんなもんつけて、今取れなくしただろ」

由比ヶ浜「あ、ごめん。つい」

比企谷「ついかよ。恐ろしいなお前」

由比ヶ浜「ついなの、つい!でも、そうだね。ヒッキー今、あたしの言うことなんでも聞くんだよね」

比企谷「……」ドキドキ

比企谷(やべ、なんかドキドキしてきた)

由比ヶ浜「うーん……」

由比ヶ浜「じゃあ、ジュース買ってきなさい。あ、お金は渡すね」

比企谷「パシリかよ」

比企谷「ほら、買ってきたぞ」

由比ヶ浜「ありがとー」

由比ヶ浜「次どうしようかなぁ」

比企谷(よかった、思ってたよりもバカな命令っぽい)

由比ヶ浜「ヒッキーが、普段ならしてくれないようなこと……」

比企谷(おいおい。知恵を使おうとするんじゃない。適当にして飽きろ)

由比ヶ浜「あ、そうだー」

比企谷(何を思い付いたんだ……?)

由比ヶ浜「あ、あたしのことを……結衣って呼びなさい」

比企谷(なんじゃそりゃ)

由比ヶ浜「ヒッキー?」

比企谷「なに」

由比ヶ浜「うーん……命令がわかったら返事をしなさい」

比企谷「……わかりました」

由比ヶ浜「じゃあ、ためしにあたしの名前呼んで」

比企谷「……結衣」

由比ヶ浜「」ゾクゾク

由比ヶ浜「も、もう一回」

比企谷「結衣」

由比ヶ浜「こ、今度はゆいゆいって呼んで」

比企谷「ゆいゆい」

由比ヶ浜(こ、これやばいよ!)

比企谷(何がしたいんだろう、こいつ)

由比ヶ浜「え、どうしよ。次なにしよっかなー」

比企谷(なんか知らないけどノリノリだよ……いつ終わるんだ)

由比ヶ浜「あたしに話しかける時は、や、優しい言葉遣いをしなさい」

由比ヶ浜「あたしが笑いかけたら、笑い返して」

由比ヶ浜「膝枕をしなさい」

由比ヶ浜「頭を撫でてー」


由比ヶ浜「え、えへへへ」

比企谷「……」ナデナデ

比企谷(めっちゃ幸せそうなんですけどこの子)

由比ヶ浜「ヒッキー……」

比企谷「な、なんだい、結衣?」ニコッ

比企谷(俺のキャラとして無理ありすぎだろこれ)

ゆきのんと、ガハマさんは、メールでやり取りできましたか?

由比ヶ浜「呼んでみただけー」

比企谷(砂糖はきそう……)

♪~

由比ヶ浜「あれ、メール?ゆきのんから」

雪ノ下『あなたも比企谷君も部室に顔を出さないで、どうしたのかしら?』

由比ヶ浜「あ、やっばーい!忘れてた!」

比企谷(やっと解放される……)

由比ヶ浜「どうしよ」チラッ

比企谷「結衣、いい加減いいんじゃないか?これをはずしてくれないか?」

比企谷(うげ、自分で言ってて気持ち悪くなる。葉山みたいなしゃべり方にさせやがって)

由比ヶ浜「えー……」

由比ヶ浜「はずしたら、二度とつけてくれないよね、ヒッキー」

比企谷「もちろん」

由比ヶ浜「……せっかくだし、もうちょっとつけといてよ」

由比ヶ浜「ヒッキー以外につけられそうな人もいないし」

比企谷(ひどくねそれ)

比企谷(それはさすがにひどいと思うんだけどな、結衣)

由比ヶ浜「そのしゃべり方、もういいよ。いつも通りしゃべりなさい」

比企谷「わかった……」

由比ヶ浜「これから部室に行くけど、ゆきのんには首輪のこと聞かれても、ごまかしなさい」

由比ヶ浜「ほんとのことは言っちゃダメ」

比企谷「わかった」

(コイツ、脳内に直接ッ!?)

>>79
間違えました

○比企谷「それはさすがにひどいと思うよ、結衣」

由比ヶ浜「ゆきのんやっはろー!ごめんねー、遅くなっちゃって」

雪ノ下「構わないわ。何か用事があったんでしょう」

由比ヶ浜「うん。そうなの。ヒッキーにも手伝ってもらっちゃった。ね、ヒッキー」

比企谷「ああ……」

雪ノ下「あら、いたのね比企谷君。一瞬、背後霊でも見てしまったのかと思ったわ」

比企谷「お前絶対霊感とか信じてないだろ」

雪ノ下「あら、そう見えるかしら」

雪ノ下「って、あら……比企谷君……その首輪」

由比ヶ浜「」ギクッ

比企谷「……」

雪ノ下「ふぅ……いい加減、そういうのは卒業したらどうなのかしら」

雪ノ下「正直、痛いと思うのだけれど」

比企谷「はは、昨日中二病だった時の小道具を見つけてな、懐かしくてついつけてきたんだ」

雪ノ下「それをついでできるあなたの神経が信じられないわ」

由比ヶ浜「だよねー」

比企谷(こいつ……)

由比ヶ浜「そういえば、ゆきのん、何か依頼はあったの?」

雪ノ下「誰も来てないわ。暇をもて余していたところよ」

由比ヶ浜「あはは、そっかー」

比企谷「……」

比企谷(いつまでつけてなくちゃいけないんだ、これ)

雪ノ下「……」


由比ヶ浜「結局誰も来なかったねー」

雪ノ下「そうね。それじゃあ帰りましょう」

由比ヶ浜「うん!行こヒッキー」

比企谷「わかった……」

雪ノ下「あら、一緒に帰るの?」

由比ヶ浜「う、うん!ほら、さっきの用事のことで話があるんだー」

雪ノ下「そう。比企谷君、あなた、由比ヶ浜さんを送り狼なんてしないように」

比企谷「俺を誰だと思ってるんだよ。人畜無害で有名なんだぞ。噂するやつはいないけどな」

雪ノ下「……あなた、今日はやけに由比ヶ浜さんには聞き分けがよかったように感じたのだけど」

由比ヶ浜「」ギクッ

比企谷「そうか?」

雪ノ下「私にはこうして皮肉で返すくせに、由比ヶ浜さんにはすぐ了承していたでしょう」

比企谷「俺にだってそういう日くらいあるだろ」

雪ノ下「あと、あなた、今日はやけに由比ヶ浜さんに笑い返していたわね。気持ち悪い」

由比ヶ浜「」ギクギクッ

比企谷「やめろよ。そういうこと言われて、女の前で笑えなくなったって体験談もあるんだぞ」

雪ノ下「……まあいいわ。少し気になっただけだから」

比企谷「ていうか、そういう風に気づくなんてお前、俺のこと見すぎじゃn」

雪ノ下「では私は帰るから。それじゃ」

由比ヶ浜「はぁー、なんとかばれなかったぽいー」

比企谷「首輪で命令を絶対守るとか、普通分かるわけないだろ」

比企谷「で、いつになったらこの首輪、はずしてくれるんだよ」

由比ヶ浜「もうちょっとだけね。黙ってついて来て」

比企谷「それは命令ですか、由比ヶ浜さま」

由比ヶ浜「む……命令。黙ってついてきなさい」

比企谷「わかった」


由比ヶ浜「……」

比企谷(何を考えているんだ?)

比企谷(それにしても、黙れと言われたせいで話すこともできない。恐ろしい首輪だよほんと)


由比ヶ浜(どうしよどうしよ。いい加減はずしてあげるべきかな?)

由比ヶ浜(ちょっとヒッキーに言うこと聞かせたかっただけだったのに、さっきのヒッキー、絶対怒ってたよね……)

由比ヶ浜(……嫌われちゃったかな。ひどいよね、こんなことする子なんて、嫌いになっても……)

由比ヶ浜(……いや。ヒッキーに、嫌われたくない……でも、首輪をはずしたら)

由比ヶ浜(はずさなくても、命令は聞いても、嫌われるんなら、あたし、どうすればいいの……)

由比ヶ浜(どうすれば……)

由比ヶ浜(……命令。命令すれば、できることなら、なんでもするって……じゃあ)

由比ヶ浜「ね、ねえ、ヒッキー。止まって」

比企谷「わかった」

由比ヶ浜「ヒッキー……あの、あのね……命令なんだけど」

比企谷「もったいぶらずに言えばいいだろ。どうせ拒否権はない」

由比ヶ浜(言っちゃ、ダメだよ。こんなこと……ほんとに嫌われる……さいてーだよ)

由比ヶ浜(……でも、どうせ嫌われたなら)

由比ヶ浜「ヒッキー、私を……好きになって……ううん、好きに、なれ!」

比企谷「……」

由比ヶ浜「……」ドキドキ

由比ヶ浜(せ、成功したのかな)ドキドキ

比企谷「……わかった」

由比ヶ浜「」ビクッ

由比ヶ浜「じゃ、じゃあ、今のヒッキーは、あたしのこと……好きなの?」

比企谷「……へ、変なこと、聞くなよ」

由比ヶ浜(て、照れてる!?照れてるの?あのヒッキーが!?)

比企谷「それで、どうするんだこの後」

由比ヶ浜「あ、うん……あれ、首輪のことは……」

比企谷「これか?別につけっぱなしでもいいんじゃないか」

比企谷「俺たちの絆だろ、これ」

由比ヶ浜(ひゃ、ひゃああああ)

黙れの命令解除を入れるのを忘れていました
>>118の止まってのあとに入れた思っておいてください

由比ヶ浜(……これ、今首輪を取ったら、どうなるんだろう?)

由比ヶ浜(あたしのこと、好きなまんまなのかな?)

由比ヶ浜(もし、好きじゃなくなるんだったら……?)

由比ヶ浜(外せない……もう、外せないよ)

比企谷「どうした、由比ヶ浜。悩みごとか?」

由比ヶ浜「あ、ううん、なんでもないよー」

由比ヶ浜「……ヒッキー、結衣って呼んでよ」

比企谷「い、いきなり名前呼びは、きついんじゃないでしょうか……」

比企谷「まあでも、そうして欲しいなら……お前もヒッキーじゃなくて名前で呼べよ」

ちょっとお客さんが来ていました

由比ヶ浜「ええ、私も!?ヒッキーでよくない?」

比企谷「愛称だろそれ。しかも普通あんまいい意味でない」

由比ヶ浜「じゃ、じゃあ……八幡?」

比企谷「おう。ゆ、結衣」

由比ヶ浜「ひぅ」

由比ヶ浜(やば、変な声出ちゃた!)

由比ヶ浜(あれ、ていうか今のって?命令じゃ、なかったよね……?)

由比ヶ浜(そっか。あたしのこと好きになったから、命令じゃなくても聞いてくれたんだ)

由比ヶ浜(……じゃあもう命令は、しないようにしよ。今さら遅いかもだけど)

由比ヶ浜(ごめんねヒッキー。偽物の気持ちで好きにさせちゃって。でも、その分、あたし、ヒッキーのために、なんでもするから……)

由比ヶ浜(首輪がなくったって、ヒッキーの、八幡のために……なんだってするよ)

由比ヶ浜(それからしばらくは、二人で、穏やかに過ごしていったけど……でも)

由比ヶ浜(あたしは次第に、怖くなっていきました)

由比ヶ浜(八幡の好きは、偽物の好き……)

由比ヶ浜(ほんとはあたしのことを怒って、嫌ってるかもしれない)

由比ヶ浜(今首輪を取ったら、あたしに笑いかけてくれているこの顔が、怒りに歪んで……)

由比ヶ浜(拒絶されて……)

由比ヶ浜(怖かったのは、それだけじゃないの……)

由比ヶ浜(偽物の好きなんて、物語だったら、本当の好きに負けちゃう……)

由比ヶ浜(八幡が、ゆきのんや、他の女の子や、先生や、小町ちゃんとでさえ、一緒にいるのが、怖くなって……)

由比ヶ浜(あたしはついに、自分でした約束を、破った)

由比ヶ浜「八幡、帰ろ」

比企谷「……はぁ。部活は?」

由比ヶ浜「いかなくてもいいよ、八幡もそう思う。そうだよね?」

比企谷「あぁ……そうだな……」

由比ヶ浜「……それに、あたし、早く帰りたい。こんな、あたしと八幡以外の、他の人がいるところに、八幡を居させたくない」

由比ヶ浜「八幡も、あたし以外の人との付き合いなんていらない。そうだよね?」

比企谷「あぁ……そうだな……」

由比ヶ浜「だいたい、八幡はずっとぼっちでいいって言ってたじゃん」

比企谷「そうだな。俺、どうかしてた。こんなリア充だらけのところ、こっちからごめんだ……」

由比ヶ浜「そうそう。だから早く行こ、八幡」

カラオケ

店員「はい、どうぞーあちらになりまーす」


ガチャ

由比ヶ浜「八幡っ」ギュッ

比企谷「結衣……」

由比ヶ浜「抱き締めろ!もっと!もっと強く!」

比企谷「わかった」

由比ヶ浜「八幡……八幡、キス、しなさい……いっぱい、いっぱい、キスして」

比企谷「わかった」

由比ヶ浜「ん……(いちお、曲流しとかなきゃ)」

由比ヶ浜(今日は、どうしよっかな……この間は、乱暴にさせたし……この間は、あたしが上でしたし)

由比ヶ浜(今日は……ラブラブでいっか)

ちょっと落ち着こうと思う
がはまさんがおかしくなってきた

比企谷「結衣、結衣……」

由比ヶ浜(ここ、いつも何も言ってこないけど、見られてるんだよね、これ)

由比ヶ浜(監視カメラあるし、録られてんのかな……)

由比ヶ浜(録ってるの、欲しいな……)


由比ヶ浜「じゃ、帰ろっか……」

比企谷「……なあ、やっぱり、こういうの、おかしくないか?」

由比ヶ浜「え、な、なにが?」

比企谷「俺たちの付き合い方、変なんじゃないか?いつも結衣に流されるが、こういうのはいけないと」

由比ヶ浜「八幡は、そんなこと思うな!なんで、なんでまたそういうこと言うの!?」

比企谷「わかった」

由比ヶ浜「この前も、思わないように命令したのに……命令が、きかなくなってきてるの!?」

比企谷「わからない……」

由比ヶ浜「感情や、考えは、ずっと変えられないの……?」

比企谷「俺にはわからない……」

由比ヶ浜「八幡に聞いてるんじゃない!!」

由比ヶ浜「……八幡、そんなことより、あたしのこと好き?愛してる?」

比企谷「……愛してるよ。どうした最近?毎日何回も聞いてk」

由比ヶ浜「ちゃんと答えろ!」

比企谷「愛してる。心の底から、愛してる」

由比ヶ浜「そう……そうなんだ、よかった……」

由比ヶ浜「八幡は、ずっとあたしのこと、好きでいて。ずっとずっと、あたしを好きな八幡でいて」

由比ヶ浜「ヒッキーに、戻っちゃやだよぉ」

比企谷「わかった」

すいません。とりあえず終わらせたいと思いますが、
俺ガイルキャラが大分壊れていってるので
ご注意ください。

比企谷「ただいま」

小町「おかえりお兄ちゃん!今日も遅かったね!ご飯はー今日もいらない?」

比企谷「ああ。食べてきた」

比企谷「じゃ、寝るから」

小町「お兄ちゃーん。もっと兄妹のコミュニケーションを取ろうよー。小町、寂しくて泣いちゃうよー?」

比企谷「……」スタスタスタ

小町「お兄ちゃーん?……はぁ」


ガチャ

比企谷「……」バタッ

比企谷(……今日も何もできなかった)

比企谷(首輪さえ外せばいいってのに。どうすりゃそれを伝えられる)

比企谷(由比ヶ浜はもう限界に近い。日に日に喜怒哀楽がおかしくなっていっている。早く解放しないと、ほんとに心がダメになる)

比企谷(なのに、どうして誰も気づかない。外面がいいせいか?)

比企谷(……誰か、早く由比ヶ浜を救ってくれ)


雪ノ下「やはり怪しいのは、この比企谷君の首輪と、由比ヶ浜さんの指輪……」

雪ノ下「私が最初に違和感を感じた日から、二人はこれを付けだしている」

雪ノ下「いったい何が二人を縛っているかはわからないけれど」

雪ノ下「ぜったい、助けて見せる。由比ヶ浜さん。あなたの友達として、必ず」

ID変わった?

翌日

比企谷「なあ、今日は部室に顔だしてみないか」

由比ヶ浜「……またっ!だめ!ぜったいに!」

比企谷「わかった」

由比ヶ浜「ちゃんときいてよ!使えない!この首輪!」

由比ヶ浜「……八幡。今日もこのまま帰るの。わかった?」

比企谷「わかった」

雪ノ下「なるほど。信じられないことだけれど、その首輪で比企谷君を従わせている、そういうことかしら?」

由比ヶ浜「ゆ、ゆきのん!?」

>>204
あれ、ほんとだ。いつのまに。

雪ノ下「お久しぶりね。二人とも」

由比ヶ浜「……何しに来たの」

雪ノ下「あなたたち二人が、近頃部室に顔を出さないから、様子を見にきたのよ」

由比ヶ浜「嘘だっ!」

由比ヶ浜「八幡を、取りにきたんだ……!」

雪ノ下「……なぜそうなるのかしら。いらないわ、そんな男。仮に私のものでも、熨斗をつけてあげるわよ」

比企谷「……俺はお中元の品か」

由比ヶ浜「!?」

雪ノ下「あら、まだ皮肉を返すくらいはできたのね」

由比ヶ浜「八幡!ゆきのんと喋るな!」

比企谷「わかった」

雪ノ下「あら、ありがとう、由比ヶ浜さん」

由比ヶ浜「な、何が?」

雪ノ下「私も比企谷君とは話をしたくないと思っていたってことよ」

由比ヶ浜「ふぅん、そうなんだ。じゃあ、いいよね、あたしたち行っても」

雪ノ下「由比ヶ浜さんとは、久しぶりにゆっくり話したいのだけど」

由比ヶ浜「あたしは話したくなんかないよ!!」

雪ノ下「それは残念ね。私たちは、友達だと思っていたのだけど」

由比ヶ浜「もう……無理だよ。ゆきのんだって、本当のこと知ったら、あたしのこと嫌いになる……」

由比ヶ浜「あたしたち、もう友達になんてなれない!」

雪ノ下「そんなことないわ」

すいません、途中書き込み

雪ノ下「そんなことないわ」

雪ノ下「そうだということを証明してあげる。でも、そのためには、その首輪は邪魔ね」サッ

由比ヶ浜「!八幡、首輪を守って!!」

比企谷「わかった」

雪ノ下「残念」

雪ノ下「私の狙いは、指輪の方」

由比ヶ浜「え」

ドンッ

由比ヶ浜「どいて!離して!ゆきのん!」

雪ノ下「指輪を、渡して、由比ヶ浜さん!」

由比ヶ浜「いや!いや!これがなきゃ、これがなきゃ」

由比ヶ浜「八幡!助けて!お願い!」

比企谷「……」

由比ヶ浜「八幡……?」

雪ノ下「さあ、観念して、由比ヶ浜さん……」

由比ヶ浜「いや!離して!指輪にさわらないで!これは、これはぁ!」

由比ヶ浜「絆、なのに……」スポッ

由比ヶ浜「ああっ!」

由比ヶ浜「か、返し――」

雪ノ下「比企谷君。あなたに課せられた全命令を解除。わかったら返事をして」

比企谷「……わかった。雪ノ下の命令に素直に従うのは癪だが」

由比ヶ浜「ああああ……」

由比ヶ浜「……もうだめなんだ。あたしはもうだめ。死にたい」

雪ノ下「……ごめんなさい、由比ヶ浜さん」

由比ヶ浜「ゆきのn」

パチンッ

由比ヶ浜「」

雪ノ下「あなたをダメになんてさせない。私が絶対に」

由比ヶ浜「……ダメだよ。ダメなんだよ……だって、あたし、ヒッキーに」

比企谷「何がダメなんだよ」

由比ヶ浜「ヒッキー……」

比企谷「おう。あなたのヒッキーですよ」

由比ヶ浜「ごめん……なさい。ごめんなさい、ごめんなさいごめんなさい」

由比ヶ浜「あたし、ヒッキーにひどいことして……いっぱいいっぱい、ひどいことして……」

比企谷「そうだな」ポンポン

由比ヶ浜「嫌われてもしょうがないって……絶対嫌われるって……」

比企谷「普通ならそうかもな」ポンポン

由比ヶ浜「でも、嫌われたくないよぉ……ゆきのんにも嫌われたくないよぉ」

雪ノ下「あのねえ、由比ヶ浜さん」

雪ノ下「いつあなたを嫌いになると、私たちが言ったのかしら」

由比ヶ浜「だって、だってぇ……うう」

雪ノ下「とりあえず、あなたがしたことを教えてくれないかしら。それからじゃないと、嫌いになるかどうかわからないでしょう」

由比ヶ浜「……うん。言う」

比企谷(泣いて謝ってる相手に、その罪全部告白しろとか、どんだけドSだよこいつ)


雪ノ下「そう」

由比ヶ浜「え……それだけ?」

雪ノ下「そうね。あなたがしたこと一番悪いことと言えば、部活を無断で休んだことくらいでしょう」

比企谷「俺が不当に命令を聞かされ続けていたことは」

雪ノ下「別にあなた、喜んで聞いていたのでしょう。何が罪なのかしら」

グシャッグシャッグシャッグシャッ

陽乃「比企谷君は雪乃ちゃんのもの…比企谷君は雪乃ちゃんのもの…あなたはいらないの…」

グシャッグシャッグシャッグシャッ

比企谷「おい雪ノ下!由比ヶ浜が死んで…」

雪ノ下「そうね」






比企谷「そうだな」

比企谷「ま、いっか」

美柑「ちょっとリト。妹相手に出し過ぎ!」
19:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2013/10/05(土) 00:43:47.50 ID:T9BApa9s0
みかん「みかん汁ブシャアァァ!」

>>280
あーこのレスは悔やんでるんだ
みかんじゃなくて素直にナシでいく流れだと投稿してから気付いてな
その方がきれいだった
詳しくはスレ見てね

>>282
いや正直ワロタ

このSSまとめへのコメント

1 :  SS好きの774さん   2014年03月11日 (火) 18:47:51   ID: Y0Vv7J_9

発想は面白かったのに構成力が足りなかったのか。残念だな…。

2 :  SS好きの774さん   2014年05月28日 (水) 02:09:44   ID: nMajyduF

最後w

3 :  SS好きの520さん   2014年07月20日 (日) 11:45:02   ID: W13OpUi_

最後は、ちょっと笑った

4 :  SS好きの774さん   2014年08月21日 (木) 17:39:52   ID: Bu7Bo1Nb

由比ヶ浜マジ氏ね

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