マミ「ビューティフルジョーは面白いわね」 (135)

ある日の休日、家でまどかに勧められたアニメを観ながらお菓子を頬張るマミ。

マミ「普段アニメなんて観ないけど、面白いわねこれ」

マミ「あ、そこよ!危ない!」

マミ「周りがスローになって攻撃を避けたわ!今よ!」

マミ「レッドホットパンチ!」

ズガーン!
ビューティフル!

マミ「かっこいいわね?。私もマスケット銃で殴る時の必殺技の名前考えましょ」

QB「やぁマミ、珍しいね。君がアニメを観ているなんて」

マミ「ビューティフルジョーっていうアニメなのよ。鹿目さんから勧められてハマっちゃったわ」

マミ「私もあんな風にアメコミな戦いしたいわ。キュゥベえどうにかして」

QB「無理。それよりマミ、お腹すいたよ。晩ごはんの食材買いに行こうよ」

マミ「全く、食欲だけは旺盛なんだから…」

QB「まどかとは暫く契約出来ないし暇なんだよ。今はマミのご飯を食べるのとひなたぼっこするのと昼寝するのが僕の生きがいさ」

マミ(完全にペット化してるわね…)


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~スーパーからの帰り道~



マミ「今日はお肉が安かったからすき焼きね」

QB「きゅっぷいきゅっぷい!」グルグル

マミ「キュゥべぇ、走り回ったら危ないわよ」

QB「食べる前に運動して、お腹をすかさないと沢山食べられないじゃないか!」グルグルグルグル…

マミ「もう。キュゥべぇったら」

コテ。

QB「あいた」

マミ「ほら、だから危ないって言ったのに。怪我はない?」

QB「大丈夫だよ。でも誰なんだいこんな所に時計なんて捨てたのは…」

マミ「ほんとね、まだ使えそうなのに…」ヒョイ

マミ「あらこれ、ビューティフルジョーに出てたvウォッチにそっくりだわ」

マミ「折角だから貰っちゃいましょ」

QB「君もまだまだ子供っぽいよね。そんなガラクタの何が良いんだい?」

マミ「良いでしょ別に。ご飯あげないわよ」

QB「(´・ω・`)」

マミ(完全に感情芽生えているわねこれ)

次の日、魔女退治にて…


さやか「えい!」

杏子「ナイスさやか!マジさやか!」

ほむら「巴さん、そっちにいったわよ」

マミ「任せて!ティロ…」

魔女「ウボアー」

ほむら「危ない!」

マミ「あ…」

その瞬間、マミの周りがゆっくりとした動きになる。
突然の事に驚いたが、何故か考える前に身体は動きだし、華麗に魔女の攻撃を避けていたのだった。

マミ「はぁはぁ…」

ほむら「!?一体どうやって…」

さやか「さやかちゃんでも眼に捉えられなかった…だと…」

杏子「すげぇ」

マミ「ティロ…レッドホットパンチ!」ボコオ

ほむら「グーで殴った!?」

魔女「ビューティフルッ!」シュウウ…

マミ「何とか倒したわね」

さやか「マミさん凄いですね!まさかあんな距離から華麗に魔女の攻撃を避けるなんて」

ほむら「巴さん、貴女一体いつの間に時間を操れるようになったのかしら?」

マミ「違うわ…私も何がなにやら…はっ!?」

戸惑いながらもマミは思い出した。
昨日拾った『vウォッチ』の存在を。
今も左手首に着けているそれは、ゆっくりと針を刻んでいる。

マミ「暁美さん、私を殴ってみて」

ほむら「ほむ?」

さやか「何いってんのマミさん?」

マミ「とにかく、やってみて。もしかしたら…」

ほむら「…分かった」

杏子「あたしが代わりに殴ろうか?」ワクワク

マミ「嫌よ、佐倉さん絶対分身とかして殴りそうだし。じゃなくても、もしやる気なら金輪際ケーキはなしよ」

杏子「(´・ω・`)」

マミ(そういえばキュゥべぇ言ってたわね、『佐倉杏子が一番話しやすい』って)

ほむら「…いくわよ」

マミ「ええ」

ほむら「オラァ!」

スロー…

マミ「やっぱりそうだわ。これは…」

マミ「vウォッチのお陰ね!」ヒラリ…

ビューティフルッ!

ほむら「また避けられた…。でも分かったわ、時間を止めていないということを」

ほむら「どういうことか説明して頂戴、巴さん?」

マミ「私が『ビューティフルマミ』になった、ということよ」ドヤァ

ほむら「厨二病…厄介なものね」

マミ「マックスピードッ!」

さやか「うお!ほむらのスカートが高速で上げ下ろしされている!?」

杏子「まどかの顔つきプリントパンツ…。後で報告だな」

ほむら「やめてええぇー!」

さやか「そして余りの速さでパンツに火が着いた!?」

ほむら「まどかああぁあ!」ゴロゴロ…

杏子「いや、下半身の心配しろよそこは」

次の日…


マミ「ということがあったの」

QB「ふぅん。凄いじゃないか」ガツガツ…

マミ「これなら今の魔法と組み合わせれば無敵ね。見たところスローならダメージは3倍、マックスピードなら連射速度も速くなるみたいだし」

マミ「もうなにも怖くない!」

QB「おかわり」ヒョイ

マミ「ちょっとキュゥべぇ、少しは興味を持っても良いでしょ?」

QB「わー凄い、これならマミは無敵だねー」ガツガツガツガツ…

マミ「……」

ズームアンドスロー…

マミ「これだと威力は上がるのかしら」サッ


QB「キュプアアー!」

マミ「マスケット銃で殴っただけでこの威力!素晴らしいわ!技名は…『ティロ☆殴打』ね」

QB「きゅっぷい」オロロロロ…

マミ「吐くならトイレでして頂戴!」

今日はここまで。
今時ビューティフルジョー知ってる人いるのかなぁ。

~次の日、マミホーム~


杏子「今日もケーキが美味い」

ほむら「美味しいわ…」

QB「はむ、はむはむ!」

さやか「やっぱりマミさんのケーキが一番ですね~」

マミ「もうみんなったら、褒めても何も出ないわよ」

マミ「そういえば今日は鹿目さんいないわね」

さやか「ああ、なんか急な用事が出来たみたいなんです」

ほむら「残念だわ…本当に」ホム…

QB「ズズズ…。はむはむはむ!」

杏子「ま、終わってから来るっしょ。それよりマミ、おかわりくれ」

QB「僕にもお願いするよマミ」

マミ「二人ともそんなに食べたら太るわよ」

杏子「大丈夫大丈夫。魔女退治して消費してるし」

QB「僕もマミがいないときに家の中で走り回ったりしてるから大丈夫さ」

マミ「こらキュゥべぇ?下の人に怒られるからこの前やめなさいって言ったでしょ!」

キュゥべぇ「だって暇なんだよ」

さやか「他の少女勧誘しに行けば良いじゃない」

キュゥべぇ「マミが駄目って言うもん」

ほむら「まぁ当たり前ね」

マミ「暁美さん、キュゥべぇ貰う?」ヒョイ

ほむら「丁度良いわ。家の雑巾切らしてたの」

キュゥべぇ「(´・ω・`)」

さやか「うわぁいつから表情作れるように…」

杏子「お。魔女の気配がするな」

マミ「ほんとね…。折角のティータイム中なのに」

ほむら「行きましょうか」

キュゥべぇ「いってらしゃーい」


キュゥべぇ「…さて、余ったケーキ食べよっと」ムシャムシャ

~魔女の結界内~


ほむら「珍しい結界ね。何だかアメリカの町並みみたい」

さやか「まるで映画の中に入ってる感じだなー」

杏子「チーズバーガー食いたくなってきた」

マミ「油断は禁物よみんな。さ、進むわよ」

ほむら「…巴さん、何故変身しないの?」

マミ「ヒーローは最初っから変身しないのと一緒なのよ」

さやか「マミさんが一番油断しているような…」

杏子「ポテトフライも食いたくなってきた」

ほむら「いたわ、あの魔女ね」

さやか「さっさと倒して帰りましょ~」

マミ「待ってみんな。ここは私ひとりで行くわ」

ほむら「どうして?全員で戦った方が安全なのに」

マミ「五人がかりなんて、アメコミヒーローのする事じゃあないわ!」サッ

華麗に左腕を胸に当てたマミ。
明るい光に包まれながら、彼女が高らかに叫ぶ。

マミ「HENSIN A GO GO! BABY!」

ほむら「…なんて?」

マミ「I AM MAMI!VIEWTIFUL MAMI !」ビシッ

さやか「ビューティフルッ」

マミ「さ、いくわよ!」

魔女「ウボアー」


魔女の手から弾丸のような物が発射され、弾幕の嵐がマミに襲い掛かる!
だが、彼女は全て寸での所で躱していく!
その躱し方は見ていたほむら達も見惚れるほど、華麗で、美しく、力強い。

その戦いぶりはまさしく『ビューティフル』そのもの。

マミ「今度はこっちの番よ!」

マックスピード!

マミ「オラオラオラオラオラオラ!」

さやか「すげえパンチのRUSH!みるみる魔女がぼこぼこになってる!」

マミ「裁くのはこのわたし…はっ!?」

魔女「ウボアー!」


魔女の反撃により、マミは吹き飛ばされるが、サッと受け身をとり向かっていく。
だが再び近づこうにも、先程以上に攻撃が激しくなり、躱し続ける事しかできないマミ!

そう、俗に言う『ピンチ』だ!

ほむら「必要なら加勢するわよ巴さん!」

マミ「大丈夫よ!それにヒーローにピンチはつきもの!」


彼女は気づいていた。
あの魔女はほんの一瞬だが弾幕が途切れる瞬間があるということを。

その刹那を突けば、勝てるッ!

マミ「今ね!」

スロー…

マミ「ティロ☆ブーメラン!」

マミ「そしてマックスピードッ!」

魔女「What…!?」


スローで弾幕を掻い潜ったブーメランの形をしたリボンが、マミのマックスピードにより魔女が避ける前に身体に巻き付いた。
動きが止められた魔女の目の前にゆっくりと近づくマミ。
そして…


マミ「ティロホット☆パンチ!」

魔女「ビューティフルッ!」


ドカーン!

ほむら「す、凄い…」

マミ「ざっとこんなものよ」ヘンシンカイジョ

さやか「マミさん、痺れました…!」

マミ「うふふ♪」マミマミ

ほむら「あ!危ない!」

マミ「え?」


ほむらが叫び、マミが振り向いた瞬間、残党の使い魔が襲い掛かる。
思わずVFXパワーを使おうにも、先の消耗により力が入らない!

ビューティフルマミ、これにて完…

「まだまだ物語は序盤だよ!」


その言葉と共に何者かが使い魔とマミの間に割り込み、使い魔をアッパーでぶっ飛ばす。
そして彼女も跳び上がり、廻し蹴りを放つ!

「ピンクサンダーまどかキック!」

ビューティフルッ!

「えへへ、危なかったですね?マミさん」

マミ「あ、貴女は…」

さやか「ま、まどかぁ!?」

ほむら「ほぶううぅ!」ブシャー


なんと、そこにはピンク色のヒーロー衣装を着たまどかの姿があった。
おへそが見える可愛らしくも美しい姿の彼女は、マミと同様にVFXパワーを使い、残りの使い魔を蹴散らした。


まどか「悪い奴らは許さないよ!」キラーン☆

マミ「ま、まさか鹿目さん…キュゥべぇと契約したの!?」

ほむら「ほ…む…!?」バタリ

さやか「ほむらが鼻血滴らしながらぶっ倒れた!」

ほむら「(´;ω;`)」

さやか「いかにも絶望してる表情だ…」

まどか「違うますよマミさん。そんなリスキーな事はしないです」

まどか「実は…」サッ

マミ「vウォッチ!」

まどか「今日の帰り道、知らないおじさんがくれたんです。それでいざ着けてみたら…」

マミ「VFXパワーが使えたってことね」

まどか「はい!こんな私が、まさかヒーローになれるなんて」

ほむら「よ、良かったわ…ほんと」

まどか「驚かせてごめんねほむらちゃん。これからは私もみんなと一緒に戦うよ!」

ほむら「嗚呼…神様…まど神様ありがとう…」

さやか「取り敢えず鼻血吹いてから泣きなよ。今のあんた端からみたらヤバいよ」

マミ「お互い魔法少女ならぬビューティフルヒーローになったということね。よろしく、鹿目さん!」

まどか「こちらこそよろしくお願いします!」

ほむら「畜生羨ましいわ。あの家畜に頼んで私にも…」

マミ「さ、魔女も倒した事だし、私の家で勝利のティータイムと洒落こみましょうか!」

まどか「はーい!」

さやか「良いですな~。…そういえば、杏子さっきから一言も喋ってないような」

ほむら「ええ。佐倉杏子ならいままでこんな状態だったから」

杏子「( ・ω・)スヤァ」


さやか「寝てたのかよ!」

今日はここまでです。
見てる方に感謝。

意外とビューティフルジョー知ってる人いるもんですね。

あくる日、まどホームにてアメリカンヒーロー映画の上映会をやるということで、集まったいつもの四人。
玄関のチャイムを鳴らすと、まどかとタツヤがお出迎えしてくれた。

まどか「みんなこんにちわ!ほら、タツヤも挨拶して」

タツヤ「はろー」

マミ「あらタツヤくん、英語で挨拶出来るなんて頭良いわね~」

杏子「さやかより良いんじゃない?」ケラケラ

さやか「あんだとー!あんた小卒のくせにー!」

ほむら「嗚呼…まるでミニまどかみたい…。いま最高に幸せよ私」ホムホム

まどか「ほむらちゃん、タツヤを抱き締めるのは良いけど耳たぶはむはむしないでね」

ほむら「ほむほむよ、まどか」

まどか「どっちでも良いよほむらちゃん」

まどか「どっちでも良いよほむらちゃん」

知久「やあみんな!いらっしゃい。もうすぐ準備出来るから座って待っててね」

マミ「ありがとうございます。…それにしても、立派なシアターね」

杏子「フィルムを再生するカメラもあるぜ。まどかの親父さん、何かやってたのか?」

まどか「実はパパ昔は自作の映画とか撮ってて、将来は映画監督になりたかったみたいなの」

杏子「なら何でなんなかったんだ?自分の夢なのに」

さやか「杏子、知久さんは絢子さんを支える為に専業主夫になったんだよ?」

杏子「あ…そうか。泣けるなぁ」

マミ「素晴らしい男性よね」


まどか「ティヒ、なんか私まで照れちゃうな。…それでね、アメリカにいる親戚の叔父さんから道具を借りて、今もこうやって時々上映会や撮影してるんだ」

杏子「ふぅん。やっぱり、今でも憧れているんだなぁ」

知久「お待たせ!はい、映画には欠かせないポップコーンとコーラだよ」

杏子「イヤッフーッ!」


部屋の照明が徐々に暗くなり、知久がフィルムをセットしてカメラを回す。
オープニングが流れたあと、ゆっくりとタイトルテロップが現れる。

『CAPTAIN BLUE ~奪われたvウォッチ~』

…帰り道、今日観た映画の感想を楽しそうに話ながら帰る四人。
そろそろ日も沈みかけ、星空がちらちらと見えだしてきている。

さやか「いやー凄かったわキャプテンブルー!ちょっと古い作品ぽかったけど、全然今の映画に負けないわ!」

マミ「そうね。変なCGや漫画を無理矢理ハリウッド化してる映画なんかより内容があったし、何よりVFXの描写が秀逸だったわ!」

杏子「ポップコーンうまかった」

ほむら「今夜は魔女の気配もないし、ゆっくり眠れそうね。…それじゃ、私はこっちだから」

さやか「あたしも別の道だし、それじゃあね~」

杏子「あたしはマミんちで飯食ってから帰るわ」

マミ「しょうがないんだから~。キュゥべぇとご飯の取り合いしたら駄目よ?」

杏子「はいはい。あんなペットと喧嘩するわけねーじゃん」

マミ「ならいいけど…」

杏子「野郎ぶっ殺してやらぁー!」

QB「来いよ杏子!お箸なんて捨ててかかってこい!」


マミ(そういえば、暁美さんが言ってたわね。『争いは同じレベルの者同士でしか起こらない』って)

街灯で照らされた公園を歩くほむら。
彼女以外、人はいない。


ほむら「夜の道は良いものね。昼間の喧騒もなく、星を眺められるもの」

ほむら「あらあなたは…。どうしたんですかこんな時間に」

HEN-SIN!

ほむら「!?」

ほむら「きゃあああ!」


『すまないね、ほむらちゃん。これも僕の映画を完成させる為なんだ…』


ほむらを背負い、暗闇に消えるひとつの影。
再び静寂に包まれる公園。
街灯の上には、この時期には珍しいコウモリがぶら下がっていた…

今日はここまで。
仕事の都合上、暫く更新は出来ません…。
あしからず。

その間はビューティフルジョーのアニメやゲームをやって楽しんで頂けたら、それはとっても嬉しいなって。

時間は放課後。
今日の昼休みで昨日の映画の続編を観ようという話になり、学校から出てマミ達は鹿目邸に向かう。
その中に暁美ほむらの姿は、ない。

さやか「急なんだけど本当に良いのまどか?」

まどか「パパが大丈夫って言ったから、良いと思うよ。それより、ほむらちゃん今日どうしちゃったんだろ」

マミ「あの暁美さんが学校を無断で休むなんてねぇ…。家に行ってもいなかったし」

杏子「さらわれてたりしてな~」

さやか「あいつに限ってそれはないっしょ」

まどか「何もなければ良いんだけど…。あ、着いたね」

マミ「お邪魔します…」


いつもならまどかのパパ、知久が出迎えてくれるが、誰も現れなかった。
不思議に思いつつシアタールームに向かう四人。
そこには、昨日のままの器材と、タツヤの姿があった。

まどか「タツヤ、パパは?」

タツヤ「パパ、このなか」


タツヤが指差した方向は真っ白なシアターだった。
当然だ、カメラから映像は流れていないのだから。


さやか「タツヤくん、これはただの画面だよ」

まどか「タツヤったら…。パパはお買い物?」

タツヤ「パパこのなか。ほむらねぇちゃといっしょに」

杏子「なに?」

マミ「…!?みんな、シアターを観て!」


マミの言葉に振り返る四人。
いつの間にかカメラは動いており、シアターに写し出された映像の中には、牢屋に入れられたほむらの姿があった。

まどか「ほむらちゃん!?」

ほむら「来ては駄目よまどか!これは罠よ!他のみんなも同じ!魔法少女でも手におえないわ…」

ほむら「それに彼は…」

ほむら「あぐぅ!」


牢屋から電流が走り、意識を失ったほむらが力なく倒れる。
その前には、黒い人影が立っていた。


『余計なことは言わないでと言ったのに、悪い子だ』

マミ「貴方は誰!?姿を見せなさい!」

『知りたければこの中においで。…来なくても、彼女は死ぬけど』

まどか「そんな…」

高らかな笑い声と共に、再び画面は真っ白な状態に戻る。
動揺を隠しきれない三人。


杏子「すぐに追うよ!野郎ぶっ殺してやらぁ」

さやか「待ってよ杏子、ほむらも罠だって言ってたし、何より魔法少女でも勝てないなんて」

マミ「でもこのままじゃ暁美さんが危ないわ」

まどか「…私は、行きます。ほむらちゃんが危ないなら」

さやか「ま、待ってよまどか」


さやかが止める前に、まどかはシアターの中に吸い込まれていった。
それを見た杏子が、同じくシアターに身体を近づける。
しかし…

杏子「あいた」


ただの壁とぶつかり、痛そうな表情で顔を押さえる杏子。
何度試しても、壁を通り抜けることは出来なかった。


杏子「どうなってんだおい…」

さやか「あたしでも駄目みたい…」

マミ「もしかして…」スッ


何故かは判らないが、ここに来てからずっと、vウォッチが輝いている。
何となく出したマミの手は、難なくシアターを通り抜けた。


マミ「…やっぱりね。どうやら、この中に入るにはvウォッチが鍵みたい」

杏子「なら、あたしらはここで見てろってのかい!?」

マミ「そういう事ね」

さやか「そんな…!」

マミ「大丈夫よ美樹さん、佐倉さん。今の私なら怖いものなんてないわ。それに、今の鹿目さんはビューティフルヒーローよ」

マミ「二人はそこで私達の活躍を観ていて頂戴!」


そう言ってマミが画面に吸い込まれる。
杏子とさやかは、不安になりながらも椅子に座るしかなかった…。

颯爽と映画の中に降り立ったマミ。
するとその先では、変身したまどかが多数の雑魚キャラを相手取っていた。


まどか「あ!マミさん!」

マミ「遅れてごめんね、鹿目さん。それにしても、やっぱり可愛らしい衣装ね」

まどか「ティヒヒ。実はこれ、昔パパに作って貰ったものなんです」

マミ(娘にこれを着せるなんて、知久さんも相当ね…)


まどか「ところでマミさんは変身しないんですか?」

マミ「ええ、するわよ?」

まどか「それじゃあいつものあの魔法少女服で、早くビューティフルに戦いましょう!」

マミ「…ふふ。鹿目さん、私を甘く見てるわね?」

マミ「ちゃんと昨日でキュゥべぇに無理言って作ったのよ私も!」

マミ「行くわよ!」

マミ「HENSIN-A-GOGO-BABY!」

まどか「ひゃ//」

まどかが思わず目を隠すのにも無理はない。
マミのそれは、ピッタリと身体に張りつくスーツ仕様でありながら、大胆に胸元をぱっくりと開いていて、セクシーさが強調されている。
またスカートも短く、少しでも動けば下着が見えそうだ。


まどか「マミさん、それは流石にやばいです。子供も観ているんだし」

マミ「先輩ならこれくらい派手にやらなきゃね!さ、行くわよ!」

まどか「は、はい…」

JUST FOR GO IT!

雑魚キャラを次々に倒していく二人のビューティフルヒーロー。
可愛らしくも美しい姿のまどかが、笑顔で鋭い拳を唸らせて敵をぶっ飛ばしていく。
片やマミも負けじと、自慢の乳を揺らせながら回転蹴りを放つ。

まさしく、ビューティフルッ!


まどか「ズーム…からのMAGICA☆RUSH!」

まどか「ティヒティヒティヒティヒティヒ!」


まどかの激しい拳の嵐に、敵は為す術もなく砕け散る!
彼等には最早、彼女を止める事は出来ないのだ!


マミ「あら鹿目さん、そんなんじゃまだまだビューティフルじゃあないわ!魅せてあげる!」

マミ「はぁっ!」

敵の一撃をスローで華麗に避け、ひらりと回転してセクシーポーズを取るマミ!
全てを魅了するその姿に、敵は目を奪われて吹き飛んだ!


マミ「ざっとこんなものね」

まどか「うぅ…マミさん卑怯です!そんなの子供が見たら大変です!」

マミ「悔しいなら鹿目さんも大きくなりなさい」ドヤァ

まどか「…同人誌に出されますよ」

マミ「控えるわ…」


なんだかんだで、先へと進む二人。
やがて、見慣れた教室へと辿り着いた。


まどか「あれ、ここって」

マミ「私達の学校の教室よね」

『その通りだよ…。鹿目さん、巴先輩』

まどか「貴方は…」

二人が見つめるその先に、教壇の上に仁王立ちで立っていた男の姿があった。
いつもクラスでは『中途半端』を貫いてきた彼が。


中沢「君達には我々の邪魔はさせ…ぶほ!」

まどか「台詞の途中で鼻血出しちゃった」

マミ「なんでかしら」プルンプルン


中沢「はぁはぁ…やるね。流石我がボスが認めた相手!」

マミ「なにもしてないわよ」

中沢「そんな中途半端な格好ならいっそ全裸で戦ってくれ!いや、戦って下さい!」

中沢「鹿目さん、そんなゴミを見るような目でみないで欲しいな…。傷つくじゃないか」

まどか「中学生ってみんなこうなの?」

マミ「男の人は大体あんなよ」

中沢「とにかく君らにはここで死んでもらうよ!死にたくないなら、僕のフィアンセになってもらう!」

中沢「Come-on!Nakazawa machine!」

その声と共に、教室の天井が開き、中沢がハリアーへと乗り込む。
現代の最新兵器との戦いに身を投じる二人だが、果たして彼女達は中沢を倒すことが出来るのか!?
そして彼のボスとは一体!?

次回も見逃すなよ!
『宿敵!大帝王T』

今日もここまで。
中沢ファンは次回にご期待下さい。

何となくビューティフルジョーやり直したんですが、やっぱり楽しいです。
ここまでストレス溜めずにビューティフルな戦い出来るゲームなんて、今時あるものなんだろうか。

教室の天井が開き、中沢が飛んできたハリアーへと乗り込む。


中沢「とうっ!」

まどか「でっかーい!」

マミ「一体どこからやってきたのかは良いとして、操縦なんて出来るのかしら」

中沢「授業中、アメリカの兵器図鑑を眺めて中途半端に勉強した賜物を味わうがいい!」


キィィィィン…

轟音と共に中沢ハリアーが空へと飛び立つ。
そしてすぐに旋回し、マミとまどかに対して機銃をぶっ放し始めた!

JUST FOR GO IT!

マミ「来たわね!それにしても凄い弾の数…!」

まどか「こんなの全部スローで避けきれますよ!」

まどか「えい!」

スロー…

二人はVFXパワーで周囲を遅くして、次々に弾を避けていく。
しかし…


マミ「…っ。駄目だわ鹿目さん、持たないわ!」

まどか「きゃあああ!」

残った弾丸が二人を襲う!
なんとか立ち上がるも、折角の衣装に穴が空いてしまった。
そんな彼女達の姿を見て、ハリアーから中沢の笑い声が響き渡る。


中沢「ざまあないね!君らのVFXパワーの限界は知っている!」

中沢「その身体が蜂の巣になる前に、早く降参したらどうだい?」

まどか「くっ!まだまだだよ!」


再びハリアーが旋回し、機銃掃射を繰り返す。
旋回する前にマックスピードで当たらない位置に逃げ込む二人だが、このままでは埒が明かない。
そんな時、ふとマミが閃いた!


マミ「こうなったら一か八か、弾丸を弾き返すわよ」

まどか「で、でもどうやって…」

まどか「まさか」

マミ「そのまさかよ。この拳でね」

マミ「ビューティフルジョーでもやってたんだし、きっとイケるわ」

まどか「…そうですね!中沢くんに目に物を見せましょう!」

くるりと振り返り立ち止まる二人。
ハリアーからの無慈悲な弾丸が、目の前に広がり迫ってくる!


マミ「行くわよ鹿目さん!」

まどか「はい!」


スロー…


マミ「はぁっ!」ドスバキィ

まどか「あっ、いけますね」ドドドドド


殆どの弾を殴り倒し、ハリアーへと向きを変えた弾丸の嵐。
そしてスローを解除した瞬間、ハリアーに命中していく!
驚いた中沢が機体の高度を上げて、一旦距離を取る。

ビューティフルッ!

中沢「な、なに!?あれだけの弾を弾き返して、僕に当てるなんて…」

マミ「穴だらけになるのは貴方の方みたいね。機銃が駄目なら、次はどうするのかしら?」

中沢「くっ、舐めるなよ!」


ハリアーが急降下し、今度はマミ達に向けて複数のミサイルを放つ!


マミ「鹿目さん、この魅せ場はあなたにあげるわ」

まどか「ティヒ、ありがとうございます!」


まどかがミサイルの前に立ち、一度ポーズを取って華麗に舞い上がる!
そして、先程と同様にミサイルを叩き上げて、ハリアーへと向け返す。
一旦スローを解いて急速にハリアーへと接近した後、再びスローがかかった!
ゆっくりと機体に被弾し、激しい爆風がハリアーを包み込む。


まどか「流石に灰燼と化したかな?ティヒ☆」

マミ「ビューティフルッ」

中沢「はぁはぁ…。まだ戦える!」キィィィィン

マミ「頑丈ね。現実ならとっくにバラバラなのに」

中沢「君らだって機銃掃射食らって生きてるじゃないか」

マミ「私達はヒーローだから良いのよ」

中沢「畜生、こうなったら…」


ハリアーの下部付近が開き、爆弾が投下される。
これをまともに食らえば、いくらビューティフルヒーローでも致命的だ!


中沢「爆弾は返せまい!消えろ!」


激しい爆音と共に、爆風がマミとまどかを包み込む。


中沢「勝ったッ!まどか☆マギカ完ッ!」

『甘いわね。爆風如きで、私達を倒そうだなんて』

中沢「なん…だと…」


なんと二人は、爆風の中を平然と、しかしモデルのように美しく歩いている!
今までにこうも爆風の中を優雅に歩ける女性がいただろうか。


マミ「スローにすれば爆風なんて、今の私を映えさせてくれる花火でしかないわ」

まどか「ビューティヒヒッ」

中沢「人間じゃねえ…!はっ!?」

呆気に取られた中沢は回避行動を忘れてしまい、気が付けばマミとまどかが真正面に立っている。
そう、彼は彼女達に所謂、『最高の魅せ場』を与えてしまったのだった。
さあ今だッ!ビューティフルに決めてくれ!


まどか「ズーム…」

マミ「&マックスピード!」

中沢「ちょ、待っ」

マミ&まどか「ティロワンハドレット☆パンチ!」

彼女達が放つ幾千もの重い拳が、みるみる内にハリアーを叩き壊していく!
やがて機体は爆発四散し、その爆風を華麗に避けて最後の決めポーズを取る二人!

ビューティフルッ!

燃え上がる機体の中から、ボロボロになった中沢が力なく倒れる。
マミ達は駆け寄って抱き起こし、彼の安否を確かめる。


マミ「良かった、まだ生きてるわ」

まどか「とどめ刺しますか?」スッ

マミ「駄目よ鹿目さん。悪役を更正させて救うのもヒーローの…」

マミ「!」

まどか「これは…魔女の口づけ!」

中沢「ここは…」


中沢の首には、魔女に魅入られた者の証がつけられていた。
しかし、マミ達によって正気に戻ったのか、みるみる内に消滅していった。

マミ「もう平気よ、安心して」

中沢「は、はい…。あれ、僕は…」

マミ「何か知っているの?」

中沢「はい。実は今日の帰り道にふと誰かに声を掛けられたと思ったら、急に激しい目眩見舞われて、意識が飛んじゃって…」

まどか「誰かは覚えてないの?」

中沢「いや…。でも確かその人は『君も大切な出演者だから』なんて言ってたんだ…ゴホ!」

マミ「だ、大丈夫?無理しないで!」


中沢が激しく咳き込み、口から血を吐く。
無理もない、爆発に巻き込まれ致命傷を負っているのだから。


中沢「げほ…彼は自身を『大帝王T』と名乗っていた。それに…」

中沢「それに鹿目さん、君の…」

中沢「……ぐは」

まどか「中沢くん!?中沢くん!」

中沢は再び大量の吐血をし、眼の焦点まで合わなくなっていた。
それでも構わず、彼は話し続ける…


中沢「はぁはぁ…。僕は…ここ…までだ。頼む…仇を…」

マミ「分かった…必ず仇を取るわ。だから、安心して逝きなさい」ムギュ

中沢「最期に…こんなムチムチな胸の中で…息を引き取れるなんて…」

中沢「……」シーン…

まどか「鼻血滴らしながら…逝っちゃった」

マミ「…さぁ、行きましょう。彼の死を無駄にしちゃいけないわ」

まどか「さよなら…中沢くん」

安らかな表情で逝った中沢。
中途半端ながらも、やはり最後の台詞まで中途半端に終わってしまった彼の勇姿を、我々は忘れてはならない。
そしてマミとまどかの胸には、大切な友を失ったような喪失感が去来するのだった…

マミ『早く帰ってシャワー浴びたいわ』
まどか『ほむらちゃん、大丈夫かなぁ』


次回、結末!
『私たちに明日はある』

今日はここまで。
若干駆け足なのはご愛嬌。

個人的にはマミさんの衣装はキューティーハニーのあれにミニスカ着けた感じですが、みなさんの妄想にお任せしますw

それから、マミ達は様々な場所でビューティフルに戦いながら大帝王Tの行方を探した。

鬱蒼と茂る密林の中にあった遺跡、灼熱の火山地帯、空挺からの脱出劇…
途中カットが入ったりしたものの、何度も息を飲むような展開、美しい戦闘シーン、撮影技法。

映画祭に出典しても良いほど、素晴らしい映画となってきた。

そして…


マミ「ブーメランッ!」シャキン

マミ「はぁっ!」

メカ上条「サヤカー」

ドカーン!
ビューティフルッ!

まどか「ティヒ☆これでさよならだよ!」

まどか「ティヒティヒティヒティヒティヒティヒッ!」

メカキュゥべぇ「キュップイ」

メメタァ
ビューティフルッ!


まどか「看守にするならもっと強い子じゃなきゃ駄目だね」

マミ「楽に越した事はないわ。…さて、漸く着いたわね…」

マミ達の前には、巨大な城が不気味に佇んでいる。
空はどす黒く雷鳴が轟き、コウモリがこちらをじっと見つめていた。


まどか「雰囲気としては申し分ないですね。きっと、ここにほむらちゃんをさらったラスボスがいるはずです」

マミ「ええ、暁美さんの為にも急ぐとしましょうか。鹿目さん、準備はいい?」

まどか「いつでも大丈夫です♪」

マミ「ビューティフルに決めるわよ~」

まどか「早くラスボス殴り倒したいなぁ」ブンブン

マミ(鹿目さん、こんなに凶暴だったかしら)

城の中に入ると、待ってましたと言わんばかりに次々と敵が襲い掛かる!
最後の砦だからだろう、敵の攻撃も激しく多様に攻めてくる。
だがしかしッ!そんな攻撃がヒーローに当たるものか!


まどか「喧嘩なら買うよ~!」

マミ「私の魅力に耐えられるかしら?」


華麗に避けてはアッパーで一網打尽にするまどか、マスケット銃でぶっ叩きながら少し過激なポーズを取るマミ。
二人を止める者など、最早皆無に等しい。
観客も拍手喝采だ!

やがて、大きな扉の前に辿り着いた。


マミ「ここが最後の部屋ね」

まどか「待っててね、ほむらちゃん…」

鈍い音を響かせながら扉を開けた二人だが、入ってすぐに驚かされた。
なんと内部はホール場のように円く広がっているものの、天井は無く、代わりに満天の星空と惑星が瞬いている。


『やぁ、待ちくたびれたよ』

マミ「道が混んでてね。でも、もう逃げられないわよ?」

まどか「ほむらちゃんを返して!今ならボディに3発で許してあげる」

マミ「ところで、暁美さんはどこかしら」

『慌てないで、ちゃんといるよ。なにしろ大切な生け贄だからね』


パチンという音と共に、中央がライトアップされる。
そこには、牢屋に入れられたほむらがこちらを覗いていた。

ほむら「まど…か」

まどか「ほむらちゃん!」

まどか「待っててね、今すぐ助けてあげるから」


マミ「さ、貴方もさっさと出てきたら?登場シーンが長いと観客も飽きるわよ」

『ふふ、威勢が良いね。お陰で最高に素晴らしいラストが飾れそうだ』

まどか「私達がほむらちゃんを助けて、悪の親玉とその計画を捻り潰して、ハッピーエンドってやつかな?」

『そんなんじゃあないよ…まどか』

もう一度パチンと指音が鳴る。
ほむらの入っている牢屋の隣に光が当たり、遂に黒幕が姿を見せた。
それは、マミとまどか、そして観客までもが予想しなかった者であった…


マミ「えっ?」

まどか「パパ!?」

知久「そう、大帝王Tとは僕の事でありこの世界の支配者さ」

まどか「う、嘘だよね?パパがほむらちゃんをさらったなんて…」

動揺しながらもゆっくりと知久に近付くまどか。
するとほむらが、ありったけの声で叫んだ!


ほむら「離れて、まどかぁ!」

まどか「え?」

ドス、ドスドス…

まどか「……あ」


まどかが自身の腹部を見下ろす。
彼女の愛する、大切な父親が放った数本の大きなナイフは…彼女の身体に深々と突き刺さっていた。

ゆっくりと、まどかが地面に臥す…


ほむら「まどかああああぁ!」

マミ「大丈夫鹿目さん!?」

まどか「な、なんで…なの…パパ…」

知久「まどか、僕にはどうしてもやらなきゃいけない事があるんだ。…このブラックフィルムに生け贄を捧げ、外の世界を征服するという目的がね」

まどか「そんな事…考えるなんて、本物のパパじゃない…」

まどか「パ…パ」

まどか「うぁっ…」

マミ「喋らないで鹿目さん、出血が酷くなる…」


いつの間にかまどかの変身も解け、普通の少女に戻っている。
そのせいで、変身中は感じなかった痛みが蘇り、彼女を襲う。
泣きながら必死に耐えるまどか。
その涙は、痛みからか、最愛の家族に裏切られたからか、はたまた両方か。

直ぐ様マミが魔法で傷を治したものの、やがて大量に出血したまどかは、気を失ってしまった。

マミ(いくら魔法でも血は作れない…。失血死する量ではないけど、鹿目さんはもう戦闘不能ね…)

知久「僕は世界を暗黒に塗り変えてみせる!その為なら…邪魔する者なら…実の娘だって容赦しない」

マミ「な、なんて事を…!」


マミが怒りの余り普段なら絶対に見せないであろう表情を晒け出す。
抑えるんだ、マミ!
瞳に燃やしているソレが正義の炎ではなく、憎悪の怒りなら、己の拳をも鈍らせるぞッ!

マミ「…知久さん、私、貴方の事は尊敬してました。奥様の夢を応援する為に、自身の夢さえ諦めて支えてくれる素晴らしい男性だって」

マミ「でも、もうそんな目では見られません。実の家族を…傷つけたのだから」

知久「そうかい…残念だね。でも気にする事じゃないよ」

知久「君もまどかも、何もかも…僕の為に今から消えてもらうからね」

マミ「…っ!」

マミ「女子中学生として恥ずべき事だけど、今の私、巴マミはっ…!恨みを晴らす為に鹿目知久!貴方を倒す!」

知久「来るが良いっ!その命、ビューティフルに散らせてあげよう!」

ほむら「気をつけてマミ…彼は魔女以上に手強いわ!」


マミ「HENSIN-A-GOGO!BABY!」

知久「変身!」

遂に最後となる戦いの火蓋が切って落とされた。
最悪にして最強のまどかの父、知久を相手にマミが怒りを滾らせる。

大切な相棒は傷つき、倒れた。
もう後はない。
世界を、仲間を救えるのはお前しかいないのだ!
お前がやらなきゃ誰がやる!
ゆけ、ビューティフルマミ!

次回、ビューティフルマミ
『私達に明日はある ~後編~』
Coming Soon!


杏子『やっぱ映画におつまみは欠かせないよな…』ムシャムシャ

QB『頑張れマミー』パクパク

さやか『ちょ、ちょっとトイレ…』

杏子『早くしろよ~。あんまり遅いと続き観る前にポップコーン無くなっちまうから!』コーラズズー

最終回のつもりだったんですが、延びました。
いかんせん忙しくて…。

次回、次回までお待ちください!
たぶん完結させます…

二人の腕に着けられたvウォッチが光り輝く。
我らがヒーロー、ビューティフルマミ。
漆黒の衣装に包まれ、長いマントを靡かせる知久。


知久「さぁ、掛かってきなさい」

マミ「言われなくてもね!」

JUST FOR GO IT!

マミが一気に駆け寄り、拳を唸らせた!
それを余裕な表情で躱す知久もマミに対して攻撃を仕掛ける。
VFXパワーを持つ者同士、相手の隙を縫い、ビューティフルに決めるしか、勝てる術はない。

あのほむらでさえも、生唾を飲むほどの激しい戦いが繰り広げられるッ!


マミ(くっ!…分かってはいたけど、こちらが殴ればスローで避けられるし、かと言って攻撃をしなければ倒せないわ)

マミ(こうなったら短期決戦しかないわね!)

マミ「決めるわよッ!」

マックスピードッ

マミ「オラオラオラオラッ!」

知久「ほぅ、RUSHの打ち比べか。面白い」サッ

知久「無駄無駄無駄無駄ッ!」

ほむら「こ、拳がいくつも…!?いえ、早すぎて残像が残っているのね!」

ほむらの言う通り、常人には最早肉眼で捉えることなど不可能なのだ。
感じられるのは、マミと知久の拳がぶつかり合う鈍い音、当たる度に出る火花くらいだった。


知久「その程度が限界かっ!」

知久「はあああぁあ!」

マミ「くっ!」

ドスバキィッ!

マミ「あぁん!」


押し負けたマミの身体に、知久の拳が何発か叩き込まれ吹き飛ばされた!
受け身を取ろうとした、その刹那、やはり知久が追い討ちをかけるッ!
しかしそこはビューティフルマミ、ひらりと躱し飛び上がり、反撃の一撃!

マミ「ティロ☆レッドホットキックッ!」

知久「ぐはッ!」

ビューティフルッ!

ほむら「良い調子よマミ!やっちゃいなさい!」

マミ「はぁはぁ…任せといて!」

マミ(なんて言っちゃったけど、正直いってかなりキツいわ。残りのVFXパワーもギリギリよ)

知久「…ふふ。マミちゃん、君もそろそろ限界なんだろ?判るよ、ここまで戦いっぱなしだからね」

マミ「私はビューティフルヒーローよ?疲れなんて、あるわけない」

ほむら「そうよ!ヒーローが負けるなんて、誰も望まないわ!」

知久「そうかい。それじゃ僕が試してあげよう、君が本当に余裕なのかを!」

知久「マックスピードッ!」

マミ「自分の残像を何人も…」

マミ「まさか!?」

知久「勘が良いね。流石だ」

そう、マミは気づいてしまった、知久が『試す』と言った意味を。

知久が超高速に動いて現れた残像達が、マミに向かってくる!
直ぐ様スローで迎撃をするも、蹴散らすにも限界がある。
やがて、vウォッチの輝きが失われ、マミの変身が解けてしまった。
それでも残像は止まることなく、彼女に拳の嵐が襲い掛かるッ!


マミ「きゃあああぁ!」

ほむら「そ、そんな…」

知久「他愛もないな。これでよくヒーローが名乗れたものだ」

カット!カット!カット…!

眼鏡をかけ直し薄ら笑いを浮かべる知久。
ほむらが必死に呼び掛けるも、マミは眼を閉じたまま動かなかった…。
知久が止めを刺そうと、ナイフを取り出した。


ほむら「ちょっと待ちなさいよ!カットかかってるわよ!」

知久「映画の総てを統括するのは、監督。…そう、これは僕の映画だ」

知久「ここまで来るのに、本当に長かったよ。子供の頃から、ずっと憧れていたからね…」

知久「……」


知久が天井の代わりにぽっかりと空いた宇宙空間を見つめる。
ほむらは一瞬、彼の目元から光のような雫が零れたのを見た。
…が、直ぐさま知久は向き直り、再び口を開く。


知久「さぁ、君のヒーロー達は散っていった。あとは君がその命を散らす番だ…」

牢屋から出されたほむら。
彼女は知久の眼をまっすぐ見つめたまま歩いてきて、彼の前で止まった。


ほむら「……私が死ぬのは構わない。ずっと前から死ぬ覚悟は出来てるから」

ほむら「でも、それで貴方の夢が叶ったとして、貴方の家族は嬉しいのかしら」

知久「僕が世界を支配すれば全てが手に入る。欲しい物…国でも、土地でも、何もかも!」

知久「きっと大喜びするに違いないさ」

ほむら「どうでしょう…。まどかやタツヤくん、絢子さんは、他人を傷つけてまで創った世界を喜んでくれるかしら」

知久「…静かにして」

ほむら「まどかは私に言ってたわ、『今が一番幸せ』だって。優しいお父さん、頼もしいお母さん、かわいい弟がいるからって」

知久「…」

ほむら「別に変える必要なんてないはずよ。貴方だって、幸せなはず…」

知久「黙れッ!」

知久が床を殴り、地面にヒビが入る。
息遣いも荒く動揺しているのが判る。
…しかし、知久は黙ってナイフをほむらに向けた。


知久「君が[ピーーー]ば…この映画は終演だ!」

知久「[ピーーー]!」サッ

ほむら「…っ!」


自分の最期を悟って、思わず目を瞑るほむら。
ナイフが降り下ろされようとしたその瞬間…

『スロー…』

ナイフを弾き、知久からほむらを担いで引き離され!


知久「ば、馬鹿な…!もうヒーローはいないはず…」

『いるよ。ここに一人ね』

知久「まさか」

ほむら「まどか…!」

まどか「はぁはぁ…。間に合って良かったよほむらちゃん」


ほむらをお姫様だっこをしていたまどかが、ゆっくりと降ろす。
ほむらは慌ててまどかが受けた傷を魔法で治療しようとするが…止められた。


まどか「駄目だよほむらちゃん。それ以上消耗すると、ほむらちゃんが死んじゃうから」

ほむら「でも…まどか、今の貴女は瀕死なはずよ!?」

まどか「大丈夫、まだちょっと痛むけど」

まどか「それに…私、ヒーローなんだから!」

まどかは知久に向き直り、見つめる。
悲しみや憎しみではなく、慈愛に満ちた瞳で。
思わず知久が目線をずらす。


知久「なんで、そんな目で見るんだい?まどか」

まどか「私分かったの。パパが今まで幸せそうにしてたけど、違ったんだって」

まどか「自分がやりたい事を我慢して、私達の為に尽くして…。それで我慢出来なくなったんだって」

知久「…分かってくれたかい」

まどか「うん。今まで気付けなくて…ごめん」

沈黙。
子と親が、互いを見つめながら。
二人が一体何を考えているか、他人のほむらにはとんと判らなかった。
しかしひとつだけ…言える。
『親子喧嘩が始まる』と…。


知久「まどか、僕の事を理解してくれたなら、分かるよね?」

まどか「ほむらちゃんには、指一本触れさせない」

知久「やるしかないか…」サッ

まどか「ごめんね、パパ」サッ


JUST FOR GO IT!


まどか「ティヒティヒティヒティヒティヒ!」

知久「無駄無駄無駄無駄無駄無駄ぁッ!」

ほむら「ひっ…!」

合図と共に、即二人がRUSHの打ち合いを始めた!
マミと知久の戦いを見ていたほむらだが、先程とは比べ物にならないほど、速く、重く、一発一発が空間に響き渡る。
ただの衝撃でさえ、身体に痛いくらいだ。


知久「そろそろ限界だろ!今度こそちゃんと死ね、まどか!」

まどか「ティヒー!」


マックスピードの世界での、拳と拳の応酬ッ!
お互いの残像同士も相手を潰すべく戦い合う!


知久「はぁっ!」

まどか「くっ…」


知久の攻撃を受け、まどかの拳にヒビが入る。
勝利を確信した知久が、最後の一撃を放つ!


知久「……動きが、ゆっくりに!?」


マックスピードを使っているはずが、知久の身体はノロい動きしかできない。
対するまどかは、知久よりも早く動いているッ!
そう、『マックスピード&スロー』だ!


知久「ば、馬鹿な…VFXパワーはこっちが上だ!」

まどか「さっきまで、はね。今の私は違う」

ほむらは見たッ!
まどかの背中に美しく生えている純白の翼を!
いつかの時間軸で見た、そのまどかの姿。
それは『女神』となった彼女の姿だったッ!


アルティメットまどか「私の内のパワーが解放されたいま…。私は、誰にも負けない」

アルティメットまどか「悪を浄化するのはヒーローしかいない。それがこの私ッ!」

ビューティフルッ!

アルティメットまどかがズーム&スローをかける!
知久には抵抗するVFXパワーは残っておらず、黙って膝を震わせるしかない…
彼女が一瞬息を吐いたあと、拳を振り上げた!


アルティメットまどか「これは中沢くんの分!」

ドゴォッ

知久「ぐは…」

アルティメットまどか「これは上条くんとキュゥべぇの分ッ」

ドゴォドゴォッ

知久「ごぼ…」

アルティメットまどか「これは巻き込まれたさやかちゃんと杏子ちゃんの分!」

ドスドゴォッ

知久「…もう…止め」

アルティメットまどか「これはマミさんとほむらちゃんの分ッッ」

ドゴォドスドスッ!

アルティメットまどか「そしてこれは…」サッ

アルティメットまどか「痛かった私の心と身体の分だーッ!!」

メメタァッ

知久「ナイスジャブッ…」


ビューティフルッビューティフルッ!

マミ「あれ…わたし」

ほむら「起きたわ」

まどか「大丈夫ですかマミさん」

マミ「鹿目さん、暁美さん、無事だったのね…!知久さんは?」

ほむら「あっちよ」

マミ「あら…」


マミが思わず口を抑えるのにも無理はない。
顔は綺麗なままだったが、身体の至るところが曲がっていたのだから。


まどか「やりすぎました…。ごめんパパ」

知久「」

マミ「だから言ったでしょ?いくら悪役でも手加減はしろって」

まどか「しましたよちゃんと!もし本気で殴ってたらパパ消し飛ばしてましたよ?」

ほむら「喧嘩は良いけど、早くマミの魔法で治してあげなさい!知久さん死んじゃうわよ!」

知久「あれ…ここは?」

まどか「大丈夫パパ?」

知久「まどか…!確か僕は…」

知久「うう、うわあぁ…」


知久がまどかを抱き寄せて泣き叫ぶ。
己がした事を思い出して、まどかを強く強く抱き締める…
まどかも大丈夫だからと言葉をくり返し、知久の背中を優しく撫でている。
その光景に、マミとほむらは目頭が熱くなっていた…

やがて、落ち着きを取り戻した彼はマミに事情を聞かれ、ゆっくりと真実を語り始めた。

知久「僕が倉庫で映画の器材を手入れしていた時、何処からか声が聞こえたんだ。探してみたら、それは一枚の古ぼけたフィルムからだったんだ」

知久「フィルムは言ったんだ『夢を叶えたくないか』ってね。そう、僕がなりたかったものにならないかって」

知久「それから僕はフィルムに吸い込まれ、映画の世界を堪能したよ。最初は楽しかった。自分がヒーローになってたんだから」

知久「でもいつしか、気付いたんだ。これじゃただの自己満足でしかないってね」

知久「僕はそれからvウォッチを造りあげ、わざとマミちゃんやまどかに渡るよう仕向けた」

マミ「貴方が映画を作る為に…ね」

知久「そう、だけど大切な家族を犠牲にするなんて考えてもいなかったのに…!」

知久「でも僕は…僕だって男として立派に働きたかった!映画を作る職業に就きたかった!」

知久「しかし、絢子さんの為に諦めたんだ。愛する人の為に…!」

ほむら「知久さん…」

知久の嗚咽が響く。
彼自身もまた犠牲者なのだ。
己の欲望に負け、正気を失っていた所を運悪く悪に魅入られたのだ。
誰も彼を責めることなど、出来はしない…
出来るとすれば、それは彼しかいないのだ…


マミ「…分かったわ。真の黒幕が」

まどか「えっ?い、一体誰なんですか!?」

マミ「暁美さんも薄々気付いているはずよ」

ほむら「ええ」ファサ

ほむら「まどか、知久さん、あれを見て」


ほむらが指差した方向に顔を向ける二人。
そこには、一枚のフィルムがふわふわと宙に浮かんでいた。

知久「あれだ、あのフィルムだよ…」

まどか「まさか」

マミ「そのまさかよ。真の黒幕は…魔女よ」

杏子『な、なんだってー!』

さやか『しっ!うるさいわよ!』


マミ「……覚えているかしら鹿目さん。中沢くんの首もとに魔女の口づけがあったことを」

まどか「は、はい…。まさか、パパにも?」サッ


まどかが知久の襟を捲る。
するとやはり、彼にも同じ印が付いていた。


マミ「やっぱりね…。これで全てが繋がったわ」

マミ「さぁ姿を見せなさい!」

マミの声に驚いたのか、フィルムから魔女が顔を出す。
その魔女とは、この前倒したはずの、映画の世界のような結界を持った魔女だった。
どうやら、あの時上手くマミ達を欺いて生きながら経ていたらしい。
魔女は観念したのか、実態を現し、マミとまどかに対峙する。


ほむら「二人とも気をつけて!」

知久「よく分からないけど、必要なら本来演出で使う予定だった巨大ロボ呼ぼうか?」

まどか「えぇ!?もしかしてシックス魔神!?」

知久「ふっふっふっ!その通りだよまどか!」

まどか「やったあ!パパさすが!」

マミ「いえ、今回は遠慮させてもらいます。これ以上引き伸ばすと観客も寝ちゃうし」

まどか「え~…良いじゃないですかちょっとくらい」

マミ「アラビアンナイトは面白かったわ。くそ長くて途中寝てたけど」

まどか「確かにあれは長すぎですよね…」

ほむら「ちょっ!魔女、魔女!」

マミの声に驚いたのか、フィルムから魔女が顔を出す。
その魔女とは、この前倒したはずの、映画の世界のような結界を持った魔女だった。
どうやら、あの時上手くマミ達を欺いて生きながら経ていたらしい。
魔女は観念したのか、実態を現し、マミとまどかに対峙する。


ほむら「二人とも気をつけて!」

知久「よく分からないけど、必要なら本来演出で使う予定だった巨大ロボ呼ぼうか?」

まどか「えぇ!?もしかしてシックス魔神!?」

知久「ふっふっふっ!その通りだよまどか!」

まどか「やったあ!パパさすが!」

マミ「いえ、今回は遠慮させてもらいます。これ以上引き伸ばすと観客も寝ちゃうし」

まどか「え~…良いじゃないですかちょっとくらい」

マミ「アラビアンナイトは面白かったわ。くそ長くて途中寝てたけど」

まどか「確かにあれは長すぎですよね…」

ほむら「ちょっ!魔女、魔女!」

マミとまどかの映画談義を無視して、魔女から巨大な魔弾が射出されるッ!
二人に迫る死の予感。
その瞬間、ヒーローの本能が再び熱く燃え始め、闘志が蘇る!
マミとまどか、彼女らが真っ先に思い浮かんだのは、そう、あの言葉だ。

いつだって我々に愛と勇気をくれる、その言葉!
さぁ今こそ魂の限り叫べッ!その言葉をッ!


マミ&まどか『HENSIN-A-GOGO-BABY!』


ビューティフルマミ ~Fin~

エピローグ
「悪夢を乗り越えて」


魔女を倒したまどかとマミが、ほむらと知久を連れてスクリーンから帰ってきた。
すぐさま杏子とさやか、キュゥべぇがスタンディングオベーションで我等がヒーローを迎え入れた。


マミ「ただいまー」

杏子「ヒューッ!面白かったぜー!」パチパチ

マミ「うふふ、ありがとう」マミマミ

さやか「あたし最後は思わず泣きましたもん…まさかほむらがあんな台詞を言うなんて」

ほむら「ほ、ほっときなさい//」

QB「まど神様!まど神様!」

まどか「うざいなぁ」

知久「みんな、本当に迷惑かけてごめんね。暫く映画からは離れるとするよ」

さやか「えぇ!?そんなの嫌ですよ知久さん!あたし達、毎回楽しみにしてるんですから!」

知久「で、でも…」

ほむら「良いじゃないですか。それに私も…キャプテンブルーの続きが気になります」

マミ「知久さん、是非続けて下さい。私達いつだって応援してますから。なんなら、撮影に協力しますよ!」

知久「みんな…」

知久「まどか、君の友達は本当に良い子ばかりだね。父親としても、鼻が高いよ」

まどか「ティヒヒヒヒ☆」


杏子「てかさ、この映画、試しに出典してみれば?」タイヤキムシャムシャ

知久「それだッ!」

杏子ちゃんの一言により、パパの知り合いのブルー叔父さんが配給元にお願いして一部の映画館で上映してもらいました。
評判はかなり良く、たちまち全国ロードショー、更には日本での映画祭でも最優秀賞を授賞しました。

パパはそれで凄く満足してたんだけど、海外にまで広まっちゃって、数々の有名な映画祭で賞を総ナメ!
おかげで私とマミさんは中学生なのに、綺麗なドレスを身に纏って、憧れのレッドカーペットを歩きました。
ほんと、夢みたいだったなぁ。
あれから、もう8年経つんだね…。

パパは…
『TOMOHISA』の名前は世界に轟き、自分の夢を叶えて、泣いていました。
ママも泣いていましたが、『これで安い酒とはおさらばだ』なんて言ってました。
今、パパは新しい映画を作る為、日々撮影に勤しんでます。

マミさんは…
『ビューティフルマミ』シリーズが大ヒットしたおかげで、今や日本を代表する女優さんになりました。
元々演技力はあったらしく、様々な映画に出演しています。
でも、流石にえっちな映画に出ようとしてた時は止めました。

杏子ちゃんは…
私達のマネージャーとして、良く面倒を見て貰っています。
杏子ちゃんは最近結婚しました。
お相手は知り合いの俳優さん。
私もそろそろ、素敵な彼氏欲しいなぁ。

さやかちゃんは…
相変わらず上条くんと交際中です。
よく私にノロケ話をしてくるので、耳が痛いです…。
でも、幸せそうで何よりです!

キュゥべぇは…
何故かビューティフルマミシリーズのマスコットキャラとして人気に火がつき、今や世界中で知らない人はいないほど、有名になりました。
本人は『これで契約とりまくり』と意気込んでましたが、あえなくマミさんに釘を刺され、ションボリしてました。
(´・ω・`)って顔、どうやってやってるんだろ。

ほむらちゃんは…


『まどか、今日はいつ帰ってくるの?』

「今日は撮影終わるの早いから、夕方までには帰るよ」

『そう…。因みに今日はカレーよ』

「ほんと!?私ほむらちゃんのカレー大好きだから嬉しいな~」

『…//。早く帰ってきてね。シャンパンも冷やしておくから』

「ありがとう。…今夜は、寝かせないよ?」

『ほむ…!それじゃ…』

「じゃあね~」


スタッフ「鹿目さん、そろそろスタンバイお願いしま~す」

まどか「はーい」


…映画にしろ、人生にしろ、やっぱりハッピーエンドが一番だよね。ティヒ☆



マミ「ビューティフルジョーは面白いわね」

これにて終劇。
Thanks for watching!

これにて終演。
楽しめて頂けたら、それはとっても嬉しいなって。
つまらなかった方にはすみません。
次回で挽回します。たぶん。

みなさんも是非、ビューティフルジョーやり直して下さい。超楽しいですよw

HENSIN-A-GOGO-BABY!

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