狸娘「その訳を言う前にあなたのお名前を教えていただけませんか？」

男「あぁ・・・男って言います」

狸娘「男さんですね」

男「それでどうして俺の部屋にいるのかな？」

狸娘「それはですね、先ほど罠から助けていただいたではないですか」

男「あぁ、うん」

男（小学生が作ったようなつたない罠だったけど）

狸娘「助けていただいたときにですね、こう、私の中の何かがびびびっときました」

男「・・・」

狸娘「この男の人にならすべてをささげてもいいと・・・」ﾎﾟｯ

男「・・・・・・え？」

狸娘「そのあとは足を引きずりながらついてきました」

男「いやいやいや！そんな足でここまでついてきたの？！」

男「まったく、怪我してるのに無理して・・・」ｸﾙｸﾙｸﾙ

狸娘「す、すみません、手当まで・・・」

男「怪我してるのにあんまり無理しちゃだめだよ？」

狸娘「・・・はい」

男「・・・」ｸﾙｸﾙｸﾙ

狸娘（・・・・・・）ｿﾞｸｿﾞｸｿﾞｸ

男「これでいいかな」

狸娘「・・・」

男「ん？どうしたの？」

狸娘「男さんは優しいです。ここまでしてもらったら私は何をお返しすればいいのでしょう？」

男「お返しなんてそんなのいいよ。こんなことくらいで」

狸娘「それじゃあ私の気が収まりません」

男「っていわれてもなぁ・・・」