吹雪「この鎮守府はおかしいって皆言ってますよ!!」 (1000)

吹雪「吹雪です!本日もよろしくお願いします!」ビシィ!!

提督「おう、よろしく」ビシッ

吹雪「……」ピシーンッ

提督「……」ピシィッ

吹雪「……あの、もういいですか?」


※長くなるかもしれないが↓から読んでってくれ……すまねぇ……!
1スレ目「この鎮守府はおかしいです!!」 
吹雪「この鎮守府はおかしいです!!」 - SSまとめ速報
(http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1422813372/)

2スレ目「やっぱりこの鎮守府はおかしいです!!」
吹雪「やっぱりこの鎮守府はおかしいです!!」 - SSまとめ速報
(http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1424708332/)

3スレ目「どう考えてもこの鎮守府はおかしいです!!」
吹雪「どう考えてもこの鎮守府はおかしいです!!」 - SSまとめ速報
(http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1426297599/)

4スレ目「この鎮守府はおかしすぎます!!」
吹雪「この鎮守府はおかしすぎます!!」 - SSまとめ速報
(http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1427736104/)

SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1428504320


二丁目鎮守府

吹雪「……ふぅ、これで取り敢えず応急修理は出来たかな……」ガシャッ

提督「まぁ、ボロボロのあれよりはマシだな……魚雷発射管は新しいの注文したからそれ捨てといてくれる?」

吹雪「は、はい、でも何ゴミに捨てればいいんでしょうか?」

提督「鉄くず回収に回収してもらうから玄関先にビニールヒモで縛って置いといてくれる?」

吹雪「は、はい!……えっと……これでいいですか?」ガランガランッ ギュッ

提督「オッケーっと……ふぅ……」ボスッ

吹雪「修理、手伝ってくれてありがとうございます」

提督「なーに、礼には及ばんよ、古鷹ちゃんは?」

吹雪「多分上で艤装の整備の最中だと思いますけど……あれだけ大きいと一部屋じゃ無理みたいです……」

提督「腕一本と肩にまたがる巨大な艤装だからなぁ……パーツも多いだろうに……」

吹雪「私、手伝ってきますね!」

提督「あ、じゃあ俺も行こうかな」

吹雪「司令官はいいですよ、あの部屋に3人も入ったら狭いですし」

提督「そうか……じゃあ任せた」

吹雪「はーい」ガチャッ バタンッ ギィッギィッギィッ

提督「……そろそろMI終わったかな……」ポケーッ





横須賀鎮守府 工廠

摩耶「で、姫っての?それ、何だ?」

空母ヲ級「……まぁ、言ってしまえば私達のような個性のない深海棲艦を管理し、指揮するお方だ」

摩耶「……北方棲姫や空母棲姫みたいな奴らか?」

空母ヲ級「そうだ、各所に居る様々な姫はその種類によって管理する深海棲艦が変わってくる」

戦艦レ級「……まぁ、それ以上にすげぇタイプもいるけどアタシたちはよく知らねぇ、水……何だったか」

空母ヲ級「水鬼様だ馬鹿、不敬罪で殺されるぞ」

戦艦レ級「あ、そうだった、水鬼だ水鬼、姫が崇める姫みてぇなもんだよな?」

空母ヲ級「まぁ、そんな所だ」

摩耶「……水鬼……ねぇ……どんなやつなんだ?

空母ヲ級「……さぁな、私も名前しか聞いたことがない、ただ私の主も水鬼様には頭が上がらないみたいだ」

戦艦レ級「元主だけどな……ってかあの偉っそうな姫がヘコヘコするほどの相手なのか?」

空母ヲ級「顔は見たことないが、テレパシーでの会話を盗み聞きしたことがある、北方様が涙目になってたぞ」

戦艦レ級「マジかよ……あの北方様が涙目になんのか!?」

空母ヲ級「あぁ、港湾様も同じような顔してたぞ」

戦艦レ級「へぇ~……見てみたかったなぁ……」

摩耶(……ついていけねぇ……深海棲艦ってほぼ全員無表情だろ……)

戦艦レ級「……で、どこまで話したっけ?」

摩耶「姫ってのは種類によって管理する深海棲艦が変わってる、だろ」

空母ヲ級「あぁ……そうだったな、まぁ例を挙げると空母ヲ級である私は艦載機運用に特化したMI島中間棲姫派閥に所属している」

摩耶「MI島の中間棲姫?飛行場姫じゃないのか?」

空母ヲ級「あぁ、飛行場姫はあくまでMI島の艦載機を管理する姫だ、中間棲姫派閥の一員に過ぎん」

空母ヲ級「……だが中間棲姫も空母水鬼様が管理して……そこまで説明すると長くなるから省くぞ」

摩耶「あ、あぁ……」メモメモ

戦艦レ級「メモって理解できんのか?」

空母ヲ級「お前と一緒にするな、脳味噌が水準並みの生き物ならメモなり記憶なりして理解できる」

戦艦レ級「……一応理解はしてんだけどなぁ……」

摩耶「……んー……まぁあれか、水鬼が提督、姫が隊長、お前らは兵士って感じでいいか?」

空母ヲ級「少し違うが、大きく分ければそんなものだ」

摩耶「……はぁーん……何かよく分かんねぇけど、後でまとめるか」

摩耶「で、さ……そのさっきから言ってる派閥ってのはなんなんだ?過激派ってのがあるらしいけど」

空母ヲ級「派閥か、派閥と言うのは姫達が作った制度だ、分かるか?」

摩耶「……まぁ派閥についてはあたしら艦娘たちにもあるからな、大体は」

戦艦レ級「やり方に共感してついていく仲間……艦種の管理の崩壊を意味するんだっけか?」
                                                    バカ
空母ヲ級「あぁ……お陰で今では駆逐棲姫様がル級を管理するようになったり、北方様がレ級を管理するようになってしまった……」

戦艦レ級「今なんつったお前」

摩耶「……って事は昔はレ級も違う姫の下で働いてたのか?」

戦艦レ級「ま、昔はな、戦艦棲鬼の元でヘーコラしてた時があった」

摩耶「戦艦棲姫?」

戦艦レ級「鬼だ、鬼、派閥ができてすぐに抜けだしたけどな、あんなゴミ処理チームなんざ二度とゴメンだ」

摩耶「あぁ、鬼の方か……どんなことやってたんだ?」

空母ヲ級「戦艦棲鬼の艦隊と言えば深海棲艦の中では『出来損ない処理係』として有名だったそうだ、そうだな?」

戦艦レ級「あぁ、戦艦姫の実験の失敗作が海上に出ねぇように処分する為だけに結成された艦隊だ」

戦艦レ級「……ふざけた艦隊だったぜ、純粋なレ級はアタシだけ、他は千切れば増えるような奴ばっかだ」

摩耶「……考えただけで気持ち悪いな……それ……」カキカキカキ

空母ヲ級「派閥ができたと同時にそこを抜けだしたんだよな」

戦艦レ級「まぁな、お前と会ったのはもうちょっと後だけど」

空母ヲ級「……お前と会ったのっていつだっけ?」

戦艦レ級「忘れたのかよ、ほら、学業の時隣同士だったろ、そん時だ」

摩耶(……学業……重要な単語だな……深海棲艦が勉強だ?)カキカキカキ

空母ヲ級「あー……あれか?お前あの時から私に目つけてたのか?」

戦艦レ級「横顔がミョーに気になってな、それが面白くて次の時間からべったり……今思えば恥ずかしいな」ハハハ

空母ヲ級「……なにか付いてたのか?」

戦艦レ級「そりゃもう、思いっきり帽子の触手の跡がさ、お前あん時触手枕にして寝てたろ、その後が全然取れねぇんだよ」

空母ヲ級「な……お前!言えよ!!」

戦艦レ級「だってそりゃ今なら普通に言うけどさ、あん時おもいっきり赤の他人じゃん、言えねぇって」

摩耶「触手が枕……って!!お、オメェら!アタシ忘れて普通に会話すんじゃねぇよ!お前らの出会いなんざどうでもいいっての!」ケシケシッ

                                                       バカ
空母ヲ級「あぁ……お陰で今では駆逐棲姫様がル級を管理するようになったり、北方様がレ級を管理するようになってしまった……」

が正しい、でち公貴様……!!

摩耶「いいから派閥について教えろっての!中間棲姫派閥ってなんだよ!!」

戦艦レ級「あぁ、悪い悪い……」

空母ヲ級「中間棲姫派閥を簡単に説明すると『人間は地上に住むべき生き物だということを分からせる派』だ」

摩耶「……つまり?」

空母ヲ級「人と深海棲艦を完全に差別化させる……と言えばよく聞こえるか?」

摩耶「んー……まぁ、言おうとしてることは分かる」

空母ヲ級「ならいい、当然だがレ級も同じ派閥に所属している、中間棲姫派閥の戦艦レ級と言えばこいつしか居なかったからな」

摩耶「……」カキカキッ

空母ヲ級「……口が疲れてきたな……」

摩耶「……少し休むか?」

空母ヲ級「そうさせてくれ、おい」

戦艦レ級「んあ?」パリッ

空母ヲ級「私にせんべいを渡せ」フッ

戦艦レ級「…………」スッ

空母ヲ級「…………おっと、ナチュラルに奪うのはなしだ」ニヤッ

戦艦レ級「…………」

空母ヲ級「さぁ、その手に持ったせんべいを私に手渡すんだ、いいな?親友である私の注文だぞ?」

戦艦レ級「……自分で取れよ」バリッモシャモシャッ

空母ヲ級「…………」ピキッ

摩耶「」

摩耶「……しっかしまぁ……深海棲艦も色々考え持ってんだな……」

空母ヲ級「……言葉の壁に阻まれてその考えを伝えられないのが残念でならない」

戦艦レ級「……んー……お茶うめ……」ズズッ

摩耶「…………言葉ねぇ……分かり合える時代は来るのかねぇ」

空母ヲ級「恐らく無理だな、話しあう以前に姫達は前に出ない、それに人間の言葉は難しい……たとえ話せたとしても会話は成り立たないだろう」

摩耶「たしかにそうか……姫級と合うのはいつも棲地の最後とか海域の最後ばっかだよな……」

戦艦レ級「そりゃー姫様が前に出たら士気は上がるけど危険性も同時に高まるからな」

摩耶「……穏便に事を済ませたいのは人間側でも同じ意見だけどなぁ……」

空母ヲ級「……うまくいかないものだよ」スッ

戦艦レ級「…………」ジーッ

空母ヲ級「フンッ……」ササッ!! バリィッ!!

空母ヲ級「ふっ!!」モシャモシャモシャッ

戦艦レ級「……チッ!」

空母ヲ級「……私の勝ちだな、ふふ……」モシャモシャモシャッ

摩耶「一枚目おめっとさん、で、うめぇか?」

空母ヲ級「あぁ、いいものを食わせてもらった……また食いたいな」

戦艦レ級「……ごちそうさん、完食したぜ」モシャッ!モシャッ!

空母ヲ級「……また食いたかったなぁ……」ショボンッ

……眠いと頭がまわらないな、すまない、今日はここで寝かせてくれ……これからもよろしく頼む

「あぁ、 ←これが多用されすぎててなんかモヤっとする

>>53
読み直したらビビった、おっけい、気をつけよう

日頃の疲れ、染み出して、ねてる

今日はお休みだから昼ごろか午前中に再開したい

書記官のブッキーがレベル50代から抜け出さない(単冠提督)
おかしいな、毎日ログインしてるんだけど……

というわけで始めよう

横須賀鎮守府 医務室

横督「…………」ガチャッ

横督「目覚めたようだな」

………………

横督「貴様のようなチリ以下の存在にベッドを寄越してやったのだ、感謝して欲しい」

………………

横督「相変わらず返事をしない男だ、それでよく呉のトップが務まるな」

………………

横督「……この荷物か、そうだな、手短に終わらせよう」ゴソゴソッ

………………

横督「確か貴様の階級は少将だったか」バサッ

………………

横督「貴様に選択肢を与えよう」バサッゴトッ

………………

横督「自分の力で再び提督として生きるか、名誉の昇進で全てを終えるか、この場で決めろ、安心しろ。銃の痛みは一瞬だ」

横督「2分以内に決めることが出来なければ不名誉の戦死として貴様を片付ける」

………………

横督「決まったなら私の所に来い、摩耶が呉まで運ぶ、昇進を選ぶならこの場で死ね、死体は処理する」

横督「……十数年も艦娘を弄んだ罪を降格のみで片付けてくれる本営共に感謝するんだな」バタンッ

………………

ガチャッ バタンッ

横督「……」

横督「哀れな姿だな、新米少佐、そこまで命が惜しいか」

横督「貴様のその姿を見ていると他の落ちこぼれ共を見ている気分になる、何とも腹立たしい姿だ」

横督「……まぁいいだろう、貴様のような愚図の運搬に私の艦娘を使うのは非常に不本意だが、時間がない、ついてくるがいい、歩けるかな?」



工廠

横督「摩耶は居るか」バンッ

摩耶「ん?お……呉提督じゃねぇか、もういいのか?」スッ

横督「良くなくても時間だ、この屑を呉まで連れて行け」

摩耶「あいよ……ったく、人使いの荒れぇ野郎だ」カチッ

横督「……あの栄養失調共はどこに行った」

摩耶「…………?」

横督「深海棲艦だ」

摩耶「多分食堂に入ると思うけど……気になんのか?」

横督「そろそろ解析を始める、食堂にいるんだな」

摩耶「多分な、居なくても文句言うなよ、ハッチ開けてくれ」

横督「居なければ探すだけだ、さっさと連れて行け」カチッ

グィィィィィィ……

摩耶「わーかってるって、じゃ、行ってくる」ドシュゥーーーンッ

横督「頼んだぞ」

横督(……これで少しは長門の苦労が報われればいいが)

食堂

空母ヲ級「おい、焼き過ぎじゃないか?」

戦艦レ級「いいんじゃね?」ジュゥー

空母ヲ級「それにその、ふらいぱん?とかの使用許可はもらったのか?」

戦艦レ級「取ってねぇけど、でもりょーりするにゃこれが必要だって聞いたぜ?」

空母ヲ級「そうなのか……だが使い方は合ってるのか?」

戦艦レ級「……まぁ、上に物乗っけて焼く~とは聞いたけど」ジュゥー

空母ヲ級「……これじゃ落ちる危険性が出てくるな……そろそろひっくり返した方がいいと思うが……」

戦艦レ級「おうよ……」ソォーッ

戦艦レ級「あっつ!」ジュッ

空母ヲ級「そりゃ熱いだろう……貸してみろ」

戦艦レ級「頼む……」フーッフーッ

空母ヲ級「……」ソォーッ

戦艦レ級「……だ、大丈夫、だよな?」

空母ヲ級「わ、私に任せればいい、人間の知識は私のほうが豊富だ」ジュゥーッ

空母ヲ級「熱いっ!!……ひぃ……どうなってるんだこの鉄板は……!!」

戦艦レ級「おいおいどうすんだよ……」

空母ヲ級「……しかもこれ、置く向きが逆じゃないか……何か違和感あると思ったら……」

戦艦レ級「はぁ?逆ぅ?何言ってんだお前…………あ」

空母ヲ級「台のようにこう……何て言えば……」ミブリテブリ

戦艦レ級「……よく分からねぇけど、炎を蓋するんじゃなくて今食べ物置いてる方に炎を当てんのか?」

空母ヲ級「そうだ、だが今はこの食べ物を熱から助けてやらないと……えっと……挟むもの……挟むもの……」

戦艦レ級「お、おい!やべぇぞ!」ジュゥゥ

空母ヲ級「あぁもう!今度は何なんだ!!」

戦艦レ級「この食べもんなんかくせぇぞ!変な匂いが……ってか煙が?!」

空母ヲ級「何やってるんだよお前は!!早く食べ物を!」アタフタ

戦艦レ級「くそっ!どうなってやがる!早く火を止め……!」アタフタ

戦艦レ級「……あれ?アタシどうやって火ぃ付けたんだっけ……」

空母ヲ級「ばっ……バカ!!何で忘れるんだ!!どけ!!」

戦艦レ級「す、すまねぇ……」

パチッパチッボォーッ

空母ヲ級「っ!?何だ!?フライパンから火が!!」

戦艦レ級「やべっ!やべぇって!どうやって消すんだ!消火剤とかなんかねぇのか!?」

空母ヲ級「あるわけ無いだろう!ここ食堂だぞ!!人間が食事を取る所に消火剤なんか置いて誤って食べたらどうするつもりだ!」

戦艦レ級「畜生!!八方が塞がった……!横須賀もアタシ達ももうおしまいなのか……!?」

ブシュゥゥゥーーーッ!!!!

横督「はぁっ……!!はぁっ……!!お前たち……!!何をしている……!!」ガランッ

空母ヲ級「…………けほっ……助かった……のか?」ポタポタッ

戦艦レ級「うえっ……なんだこれ……白くてベトベトしてやがる……」ペッペッ

横督「……解析の時間だ、着いて来い……一刻も早く貴様らを追い出さなければこっちの身が持たん」

夕方 前浜町二丁目鎮守府
ピンポーンッ

提督「はーい」ガララッ

ドモーキョウシュクデス、ユウビンデス!ハンコオネガイシマス!
ハーイ
シツレーシマシター

提督「……横須賀からか……2人の解析結果かな」ビリッ

提督「ふむ……ふむふむ……あ、今日で大体終わらせたんだ……」

提督「へぇ……体内構造からしてかなり違うんだな……」

提督「…………」ペラッ

提督「……こ、これは!」ササッ

提督「……よ、横須賀さんもえげつないことするんだな……いや……人型を解析するなら仕方ないことだろうけど……」

提督「…………」

提督「……この写真を吹雪ちゃんに見せるのは教育上よくない……これは俺が持って保管しておこう」ススッ

ガララッ

吹雪「ただいまー、ふぅ……」ドサッ

古鷹「提督さん、戻りました!」

吹雪「えっと……人参、玉ねぎ……うん、大丈夫」

提督「お帰りー市内どうだった?」

吹雪「はい、街自体の被害はそんなになかったみたいです、所々道の工事で通れませんでしたが……」

古鷹「それと、後乃木市長さんの指示でテトラポッドの設置作業を始めるってさっき聞きました」

吹雪「はい、私達の置いたあの人達の巣穴の部分は触らないようにと言っておいたのでバレる心配はないです」

提督「……何か悪い事してるみたいで嫌だな……」

吹雪「深海棲艦の存在はやっぱり認められるものじゃないですよ」

提督「やっぱそうなのかねぇ……」

古鷹「……?」チラ

古鷹「……あ、今日も来てたんですね、お二人の解析結果」

提督「あ、そうだそうだ、これ見てくれる?」ペラッ

古鷹「?」ペラッ

古鷹「えっと……深海棲艦ヲ級の頭部(帽子)は艦載機格納庫の他艦載機のメンテナンスを自動的に…………何だかややこしいですね」

提督「あ、違う、そっちじゃないこっちだった、そっちはどうでもいいんだ」ペラッ

古鷹「……解析期間大幅短縮?」

提督「そう、何か今回の解析で大体のデータ収集を行うみたいで、残りの解析は今日のデータを元にやるみたいだ」

古鷹「と、いうことは?」

提督「明日にはこっちに来るってさ、にしても随分早い解析だったな……」

吹雪「明日……来てくれるんだ……」

古鷹「どんな人なんだろう……というか……言葉通じるのかな……?」

吹雪「あの人達、ちゃんと日本語喋れるんですよ?……ん?」ペラッ

吹雪「なんか紛れ込んで……手紙?」

提督「……?」

手紙『このバカ共をなんとかしろ』(殴り書き)

吹雪「……何したんだろう……この二人……」

よし、続きは夜にするかな……

>横督「……十数年も艦娘を弄んだ罪を降格のみで片付けてくれる本営共に感謝するんだな」

本音「十数年間の艦娘運用の功績に免じて、鎮守府壊滅の罰は降格だけだってさ。よかったな」

あーそっか、てっきり分不相応ってことじゃないかと思ってた
元々現呉督の着任を実力不足から反対していたし、現場指揮官が敵軍に生け捕りにされましたーは士気以前に情報戦略上非常にヤバい。要は上の無能さで下に要らぬ苦労をかけやがって……ってことじゃないかと
でも多分こっちのほうが正解だわ、本当にめんどくさいなヨッコさんは


それはそれとして
>戦艦レ級「うえっ……なんだこれ……白くてベトベトしてやがる……」ペッペッ
>提督「……よ、横須賀さんもえげつないことするんだな……いや……人型を解析するなら仕方ないことだろうけど……」
……非常にしょーもない誤解が生じてる気がする

さて、やりますか

夜 吹雪の部屋

吹雪「うーん……」

古鷹「どうしたの?」

吹雪「いえ……明日ヲ級さんとレ級さんが来るんですけど……」

古鷹「うん、予定通りに事が進んだらそうなるね」

吹雪「えぇ……でも……そうなると少し困ったことが起こってしまうんです……」

古鷹「困ったこと?」

吹雪「はい……実は……名前なんです」

古鷹「名前?」

吹雪「はい、今川底棲艦のヲ級とレ級はそのままヲ級とレ級って呼んでるんですけど」

古鷹「うん、私も今日からヲ級とレ級って呼んでるよ」

吹雪「でも、深海棲艦もヲ級とレ級なんです……呼びづらくなっちゃいませんか」

古鷹「……確かに……吹雪ちゃんみたいな関係だとさん付けと呼び捨てで区別できるけど……」

吹雪「……この先戦艦の人たちや空母の人たちも来ちゃって……そうなったらどっちも呼び捨てになりますよね……」

古鷹「どっちかに名前……考えるべきだよね……」

吹雪「えぇ……でも……」

古鷹「?」

吹雪「問題は、川底の方も深海棲艦の方もお互いを艦種で呼び合っちゃってるんです……」

古鷹「……どういうこと?」

吹雪「ヲ級さんはレ級さんの事を『ヲ級』って呼んでますし、レ級さんはヲ級さんの事を『ヲ級』って呼んでるんです」

古鷹「なるほどね……川底の方は?」

吹雪「ヲ級はレ級のことを『レ』って呼んでます、レ級はヲ級のことをちゃんと『ヲ級』って呼んでるんです」

古鷹「…………」

古鷹「同じだね……」

吹雪「えぇ……どうしよう……これじゃヲ級を呼んだらヲ級さんが振り向いちゃってしかも呼び捨てにしたと思われちゃうよ……」アワワ

古鷹「……二人が来るまでに何とか名前を変えたい所ね……あの2人を飼って何ヶ月くらい経つの?」

吹雪「確か……1ヶ月かその辺りだったと思いますけど……」

古鷹「……今更名前を変えるのは難しいか……本人同士で相談するしかないかもね」

吹雪「そうするしかないかぁ……はぁぁ……一応ヲ級たちと相談してきます……」スゥーッスゥーパタンッ

古鷹「いってらっしゃーい」

吹雪「ヲ級さんはレ級さんの事を『ヲ級』って呼んでますし、レ級さんはヲ級さんの事を『ヲ級』って呼んでるんです」

はわわわ
ごっちゃになっちゃったのです!

正しくは、ヲ級はレ級のことを『レ級』、レ級はヲ級のことを『ヲ級』なのです!

リビング

ヲ級「……ヲ」

レ級「……?」

吹雪「……だよね……分からないか……」

ヲ級「ヲヲ?ヲヲッ」ミブリテブリ

吹雪「でも、それじゃ二人の呼び名を考えないといけなくなるよ?」

ヲ級「ヲ……」タシカニ

レ級「……?」

吹雪「何かある?」

レ級「ンー……ヲキュ」ユビサシ

ヲ級「ヲ?」

レ級「ン、レキュ」ジブンユビサシ

吹雪「それじゃ何も変わってないよ……レ級さんとヲ級さんに名前を変えろってこと?」

レ級「ンッ」コクコク

ヲ級「ヲッ!」ペシッ

レ級「アウ」

吹雪「ヲ級さん達は人間の言葉をスラスラ喋れるし……それは難しいよ……」



提督「…………」ジーッ

古鷹「…………」ポカーンッ

古鷹「……川底棲艦と普通に会話してる……」ジーッ

提督「毎度毎度思うけど……なんで喋れるんだろうなぁ……あ、目の光消してくれる?眩しい」ジーッ

古鷹「は、はい……」フッ

吹雪「……レキシントン?」

レ級「……」ムスッ

吹雪「……レ……レ……」

レ級「レ……」

吹雪「……レキス……」

レ級「ウー…」フルフル

吹雪「レ……レントゲン?」

レ級「ガーッ!!」

吹雪「ご、ごめん、そんなに嫌だった?」

レ級「……ンッ!」プイッ

吹雪「はぁぁ……どうしよう……ヲ級……」

ヲ級「ヲヲ…」

吹雪「ごめん……ヲ級の名前、ヲンモラキしか思いつかなくて……」

ヲ級「ヲ!?」

ヲ級「……」ヲンモラキ…

ヲ級「……」ポワワーン


------------------------------------

ご主人様『ヲンモラキ!ごはんだよ!』

目が光る人『ヲンモラキ、今日も元気だね!』

ご主人様の使い走り『ヲンモラキとレントゲン、ちょっと出かけてくるからな』

レ級『ヲ……ヲン……』

レ級(ヲンモラキって何さ!ご主人も変な名前付けるよなぁ~!あっはっは!!)


ヲッヲヲヲヲ……ヲヲーーッ!!

---------------------------------------------


ヲ級「ヲッ!ヲヲヲッ!!」ダメッダメッ 

吹雪「やっぱりダメかぁ……うぅ……」シュンッ

ヲ級「……ヲ……」

吹雪「ヲ……どうしよう……ヲ級以外思いつかないよ……」

ヲ級「ヲー……」

吹雪「ヲ……ヲッきゅん……レッきゅん……あ、ダメだ……ヲ級さん達に誤解されちゃう……」

ヲ級「……ヲッ!」ミミカシテ

吹雪「?」

ヲヲッヲヲヲヲヲッヲッ……

吹雪「……ヲ級とレ級、そのままでいいの?」

ヲ級「ヲッ」

吹雪「……なるほど……それならいいかも!明日相談してみるね!」

ヲ級「……ヲッ」グッジョブ

提督(……何がいいんだ……?)ポカーンッ

古鷹(か、解決した……のかな……?)ポカーンッ

風呂場

提督「……ふぅ……」ザバーッ

提督(……いいバスロマンだな……体の隅々まであったかさが伝わる……)

提督「…………」ゴシゴシゴシッ

提督(……砲身の手入れは……うむ……いいかんじだ……今日はいい素材が手に入ったからな……)

提督(って……違う、あれは過激な危険物……そう簡単に使ってはいけない、有事のオ○○ーだけだ……)

提督(……全く……横須賀産め……うちのヲ級ちゃんとレ級ちゃんになんて事を……)

提督(隠すことも許さないなんて非人道的にも程が有るぞ、二人共顔が赤かったし……許されない!)

提督(……だが、体は正直者だな……全く、罪な砲身だ……)ザバーッ

提督「ふぅ……」ザブッ

提督「…………」

提督(……そういえば……明日なんだよなぁ……早過ぎるぞ佐世保さん……)

提督(吹雪ちゃんのトレーニングは完了した、二人共悪天候の中良くやってくれた……古鷹ちゃん本人もいい経験になったと聞いている)

提督(……だが、それだけじゃ足りないだろ……何とかならないのか……?)

提督(…………上の人の命令だから逆らうことは……無理だよなぁ……)

提督(……それに左目の視力は回復したんだろうか……?いや……あの子の事だ……治ってなくても治ったって言うだろうな)

提督(……明日……二ツ木山に行くか……いや、川に行くべきか?……ネ級の不思議な力なら……いや、無理か)

提督(川中島姫なら何か治す方法を知ってるかもしれない……な、念のため帰る時間を聞くか)

フブキチャンッテ、テイトクサンノコトドウオモッテルノ?
エ?マァ、キライジャナイデス、スキデスヨ?

提督(……?そういえば二人共風呂入ってなかったっけ……)

提督(……風呂……?あれ?風呂入るの?部屋に行くって聞いたから皆寝たものと思って……)

アレ?デンキガツイテル…マイッカ…

提督「!?え、ちょ!!待て!二人共ま」

提督(まずいぞ!すぐに出たとしてパンツはリビングに置きっぱなしだ!これは止めたい!!いや!止めねばならない!!)

カララッ

古鷹「……!?」

吹雪「…………あ……あ……!!!!」

提督「待てっ!落ち着け!!俺は悪くないぞ!?」ザバッ

古鷹「ーーーーー!!!」ピカピカピカピカッ S・O・S・H・E・L・P 

提督「……あ、すみませんすぐに隠します……」

吹雪「しれ、しれいか……す、すみま……いや……でも……」

提督「落ち着け……まずは落ち着くんだ特I型……いいか……そのまま戻って服を着るんだ……!!」

吹雪「で、でも……もう洗濯機の中に入れて洗濯機の中は……下着はありますけど……お風呂あがりに着ないと不潔に……」

提督「あぁ、そうだったな……残り湯は洗濯機の中だった…………だが俺が今風呂から出て近づいたら……」

古鷹「あぅ………………ふぅぅー…………ミラレタ……ミラレ……」ピカッピカッピカッ

提督「……」

吹雪「……」

吹雪「……あの、せめてタオルを巻かせて……」

提督「取って来なさい、一旦落ち着いたら俺はすぐ出る」

カララッピシャッ

風呂場

吹雪「……」カララッ

吹雪「司令官、タオル巻いたので出てきていいですよ……」

提督「そ、そうか、すまないな……」ザバッ

吹雪「……っ」メソラシ

吹雪「……」

古鷹「……」ジーッ

吹雪「……はっ!ふ、古鷹さん!正気に戻ってっ!」

古鷹「しょうき?何言ってるのフブキチャン、てーとくはおんなのこよ?」ギュゥー

提督「……え、ちょちょ!?」

吹雪「古鷹さん!古鷹さんしっかりしてぇ!!」

古鷹「てーとくは女の子だもん……そうだよねてー」チラ

提督の提督『……』

古鷹「……」

提督「面目ない、さすがに自己主張せざるをえないようだ」

古鷹「……」フラッ

バタッ

吹雪「古鷹さぁーーーーーーん!!!!!!」

佐世保鎮守府

佐督「っ!!」キィーンッ

佐督「んのっ!!クソ提督がぁぁーーー!!!!!」ピポパポピポパポピピピピピッ

曙「!?」

『はい、京都府警です、何か』

佐督「間違えましたぁ!!!!」ガチャーンッ!! ガチャッピポピポパポピポパ



数十分後 リビング

古鷹「うぅ……うー…………」

吹雪「古鷹さーん……大丈夫ですかー……?」パタパタッ

古鷹「……あたまが……ぼーっとする…………」

提督「氷いる?」スッ

古鷹「いただきます……」

提督「いやぁ……ビビったよ……まさか二人共お風呂入ってなかったとはなぁ……」

吹雪「司令官こそ、こんなに早い時間にお風呂に入るなんて……」

古鷹「ん……つめた……」ピトッ

古鷹「……提督さんっていつお風呂に入られるんですか?」

提督「ん?んー……10時位だな、基本的にみんなが風呂に入った後に入るけど」

古鷹「……今2100ですよ?」ヒンヤリ

提督「まぁ……今日はなんか気分が乗ったというか……二人共二階にいたしなぁ」

左手の薬指がシフトキーを押してたせいで途中送信してしまった
でち公、罰として飛行場姫を撃破してこい

古鷹「……悪意があったわけではないんですね?」

提督「断じてないぞ」

古鷹「なら……大丈夫です……」ニコリ

提督「……下心は一切ないぞ……うん」

吹雪「……」ジト

提督「何だその目は、無いといったら無いんだ」

吹雪「……なら、いいですけど」ツン

吹雪「……でも司令官、目も隠さずずっと私たちのこと見てましたよね……」ジロッ

提督「男だからな」ドヤッ

吹雪「開き直らないで下さい!変態!」

提督「男はみな変態さ」グサッ

古鷹「……仲がいいですね……」パタパタ



prrrrrr prrrrrrr


提督「……ん……こんな時間に誰だ?」ガチャッ

佐督『二丁目』

提督「は、はい」

佐督『古鷹に何したの』

提督「え?え?」

佐督『言え』

提督「え、えと……?」

佐督『いいから早く』

提督「えっとー……」

佐督『……チッ』

提督「は、はい!言います!!」

提督「えっと……お風呂を……」

佐督『もういいわ、町ごと吹き飛ばすわね』

提督「ま、まま!!まぁーー!!!待て!待って!ウェイト!!ストップ!!」

佐督『……何……』

提督「逆!逆です!!お風呂を覗かれたんです!!いや!覗いてくれt……じゃない!えっと……」

佐督『……何なの?はっきり言って、殺すわよ』

提督「じつは……」






佐督『……事故って事?』

提督「そ、そうです……えぇ……事故で……その……」

佐督『…………』

提督「……別にお互い……こう、悪意があったとかそういうのじゃないんです……えぇ……」

佐督『……もういいわ……古鷹の体調は?』

提督「…………今の所どこが悪いとかは見られないです」

佐督『トレーニングは?勘は鈍ってないでしょうね?』

提督「だ、大丈夫です」タブン

佐督『……もしあの子に何かあったら……銃殺刑は免れないと思いなさい』

佐督『じゃあ、明日1500に海から迎えに来るから、準備すること、いいわね』ガチャッ

ツーッツーッ

提督「……3時か……いけるな……」

吹雪「……大丈夫でしたか?」

提督「あぁ……まぁ、大丈夫だ……あ、明日二ツ木山の調査に行くけど、大丈夫?」

吹雪「え?明日ですか?」

古鷹「ふたつきやま?」

提督「うん、帰る前に川底棲艦の調査を体験してもらおうと思って……どう?」

古鷹「はい!時間が許すなら喜んで!」

提督「決まりだな、じゃあ明日、すぐに行こう」

吹雪「はい!」

古鷹「山かぁ……初めて登るなぁ……」

深夜 吹雪の部屋

古鷹「……」ジィーッ

古鷹「……」パチクリ

古鷹「……治ったの……かな?」ピカッ

古鷹「…………少しだけ……ぼやける……」

吹雪「……大丈夫ですか?」

古鷹「え?あ、大丈夫だよ?もう左目も大分治ったし?ほらっ」ピカァッ

吹雪「ひっ!?」バッ

古鷹「?」

吹雪「う……」ブルッ

古鷹「……ふ、吹雪ちゃん?」

吹雪「え?あ、いえ、大丈夫です……はい……大丈夫……」ヒクッ

古鷹「……あ……」

吹雪「……」カタカタ

古鷹「その……ごめんね?」

吹雪「つ、次からは……気をつけてくださいね……本当に……光が目に当たるのは……無理……ですから」

古鷹「う、うん……」

吹雪「あ、あぁ……そうだ古鷹さん、左目は大丈夫なんですか?」

古鷹「うん、大分治ってきたみたい、跡も消えたし、少しのぼやけは明日中に治るはずだから」

吹雪「良かった……うちに来て怪我が治ってなかったらどうしようかと……」

古鷹「ふふ……ここは本当にいい家だね、提督さんと吹雪ちゃんを見てたら何だか安心するもん」

吹雪「そうですか?」

古鷹「うん、だから何時もより怪我の治りが早く感じるのかも……」

吹雪「気のせいですよ……気のせい、だって鎮守府は鎮守府らしくないし……司令官は普段着だし……司令官は変態だし」

古鷹「でも、嫌いじゃないんでしょ?」

吹雪「……っ」コクッ

古鷹「……なら、やっぱりこの鎮守府のおかげだよ、少しだけでもここで泊まれてよかったなぁって思う」

吹雪「……」

古鷹「ありがとう、吹雪ちゃん」

吹雪「……!……も、もう!電気消しますよ!」

古鷹「あ、うん、じゃ、また明日」

カチッ

深夜 呉鎮守府

長門「……提督」

………………

長門「棲地MI攻略……完了しました……」

………………

長門「はい……空母赤城は腹部に投下爆弾が直撃、重傷により数ヶ月の療養を必要としています」

長門「加賀は左腕部を複雑骨折、修復に入りましたがリハビリの必要有り、数週間の療養が必要です」

長門「蒼龍、飛龍は大破、療養の必要はありません」

長門「雷巡北上、戦艦比叡、霧島、駆逐艦電、響も軽傷ながら負傷しております」

………………

長門「了解、二丁目鎮守府と連携を取り、負傷艦娘の早期復帰を心がけます」

………………

長門「えぇ……その件については承知」

………………

長門「いえ……ですが……今さらあの時と同じようには……」

………………

長門「……」

長門「なら……提督ももう少し大きな声で話されては?あの時の提督はもう少し元気が良かったはずですが」

…………!

長門「元気が無いままだというのなら、私もこの態度のままこれからも続けさせて頂きます」

長門「……どうだ?」

…………



呉督「…………か?」

長門「聞こえないな、軍人ならばもう少し大きな声を出すべきじゃないか?」

呉督「…………これくらいの声なら……大丈夫でしょうか?」

長門「……まぁ、いいだろう、普段からそのくらい出せばいい、正直苦労したぞ、今までどれだけ耳を研ぎ澄ましてたと思っている」

呉督「…………私は昔から声が小さいと言っているのに……」

長門「だとしても小さすぎる、これからは遠くにいても聞こえる声で話せ、いいな?」

呉督「……はい……全く……かなわないなぁ……あなたには」

長門「……そう思えるのも今のうちだ、現時刻より教え子の再教育を始める、覚悟しろ」

呉督「……はい、お願いします」フッ

長門「いい顔だ、さぁ、椅子に座れ」


陸奥(……あらあら、長門先生ったら……)フフ

深夜 提督の部屋

提督「……」ペラッ

提督「……」ペラッ

提督「……」カタカタカタカタ

提督「……っと」カチッ

提督「これで……大丈夫っと……」

提督「……」スゥッ

提督「……」フゥッ

提督「……」


ヴィーンッ ヴィーンッ ヴィーンッ


提督「……!スマホから?珍しいな……」 スッ

提督「……何だ……親父か……何だ今更」

提督「もっしー」

父上『もっしーじゃねぇよボケ、お前いつ帰ってくるつもりだ、一昨年も去年も帰ってこなかっただろ』

提督「武春君が毎年来てるだろ?それで満足してくれよ」

父上『うちには次郎という一人息子がいるんだがな』

提督「その次郎君は提督業で忙しいんだ、来週には帰るから安心してくれ」

父上『……何が悲しくて毎年親戚が実家でもないこの家に来るんだ、来週だな?母さん心配してたぞ』

提督「年甲斐もなく心配してんじゃないよって言っといて」

父上『むしろこの歳だから心配するんだよ……』

提督「……ま、そりゃそうか、母さん体大丈夫か?」

父上『腹立つくらい元気だ、お前が帰ってくるまでに死ぬことはまず無い』

提督「なら、せいぜい生き長らえてくれ、じゃあな」

父上『名古屋土産適当に持ってこいよ』

提督「通りもんでいいな?」

父親『博多じゃねぇか、じゃあな』

ツーッツーッツーッ

提督「……ったく……一々電話するんじゃないよ……」コトッ

よし、キリが良いし本編はこのへんで勘弁しとこう、休憩じゃ

5時まで設定とか垂れ流すけど、悲しくなるほど本編に関係ないから興味ない人は読み飛ばしてクレイモア

Q.艦娘の航行速度は?

利根「個人差があるが、吹雪を平均で考えると新幹線並みと言っておこう、
    少なくともMI島まで一晩で行ける速度は常人では考えられん速度が出ておるぞ」

睦月「確か島風ちゃんの最大戦即時の速度は480ノッ」

利根「軍事機密となっておるが故そう簡単に話せん、すまんがこれ以上は話せん」


Q.今の地球に潜む脅威は?

利根「深海棲艦だな」

睦月「深海棲艦ですね」

利根「それ以外にも霧の艦隊なる化物集団が居たがあれはイオナら蒼の艦隊の管轄じゃ、吾輩らは手出しできん
    例外として横須賀ら他の鎮守府の連中は共闘したと聞いておるが、吾輩ら呉艦娘には関係のない事じゃ」

睦月「地上には、どんな脅威がありましたっけ?」

利根「陸軍とのいざこざくらいか、二丁目も助けられん役立たずぶりだったのぅ陸軍よ」ジロッ

あきつ丸「自分には関係のないことであります、そう思ってるのは貴君ら呉鎮守府のみでありますから」フンッ

睦月「そうなんですか?」

利根「横須賀派の連中は何故か陸軍の連中と仲がいいと聞くが、吾輩は気に入らんっ」

あきつ丸「陸軍が役立たず、その考えは古いであります!!」ビシィッ

利根「古い考えだろうが気に入らんものは気に入らんのじゃ」プイッ

睦月「……?」

利根「……して、地上の一部の都市ではやたらめったらヤクザやチンピラに絡まれる件は、大丈夫なのか?」

あきつ丸「問題ないであります、都市を歩く際は白、赤のスーツ、青いジャンパー、緑のミニタリーコスチューム、
       みすぼらしい服、黒ヒョウ柄のジャージを禁止した結果、ぱったりと絡まれることは無くなったとの報告を聞いてるであります!」

睦月「ず、随分限定的な禁止令ですねぇ……」

あきつ丸「恐らくホモの間でこのような男を連れ去るように命令を……あぁ……イケメンとゴツイ躰は罪であります……」キャーッ

利根「……相手はヤクザじゃが……」

あきつ丸「ヤクザだからこそVシネ的な展開で萌えるような恋を……男同士も悪く無いであります……ふふ……」

利根「…………」

睦月「…………」

利根「この話題は一旦切るぞ、睦月にはまだ早い」

Q.川底棲艦の装備は深海棲艦でも装備できるの?

空母ヲ級「……何で私がこんなことを……」スコンッ グィーッ

空母ヲ級「……行け」 ガッ

空母ヲ級「……??」 ガッガッ

空母ヲ級「…………」スポッ ゴソゴソッ

空母ヲ級「……引っかかってるじゃないか……帽子の型にあってないんだよ全く……」ホジホジッ スポンッ

空母ヲ級「おい、お前なら装備できるか?」スッ

戦艦レ級「んぁ?んー……」カチャッ ポロッ

戦艦レ級「あー……無理だ、カタパルトが合わねぇ」

空母ヲ級「だろうな、無理だ……形が似てるからって装備できるわけじゃない」

戦艦レ級「しっかしよくもまぁこんなちっこいのを再現できるな……劣等種にしちゃ見事だ」


Q.吹雪のパンツの種類は?

吹雪「し……支給された下着が10セット……自分で買ったのが3セットです……」

提督「どれも白?」

吹雪「え、えぇ……目立つ色はやっぱり……」

提督「へぇ……」メモメモ

吹雪「……司令官、そのメモ、見せてください」

提督「?」スッ

吹雪「ありがとうございます」ビリビリビリ

提督「  」


Q利根姉さん履いてる?

利根「履いとるわ!!我輩を痴女かなんかだと思っておるのか!?」

睦月「……履いてたんだ……」

利根「改二は知らんが吾輩は少なくとも履いておる!!いや!改二も吾輩と同じ性格なら普通に履いておる!!」

利根「二度と我輩を誤解するような質問をするでない!いいな!?」



Q.蛍艦戦は今どうしてる?

吹雪「蛍艦戦は……」

ヲ級「ヲ」

レ級「っ……ン」ユビサシ

吹雪「水槽の奥の宝物入れに大切に保管してるらしいです」

提督「たまに夜中のリビングで微妙に光るんだよね、水槽の奥が」

吹雪「そうなんですか?」

提督「あぁ、そうだよな?」

ヲ級「ヲッ……ヲヲヲ」

吹雪「そのせいで夜中に起こされて若干不眠症気味な日があるそうです……」

提督「……宝箱みたいなの作ってあげようかな……」

……よし、出かける、今日は遅く買えるから投下は1時すぎるかもしれないな……では御免!
キャラ紹介とかはだいぶ終盤になってからだろう……失敬するっ

Q.駆逐艦ならなんでもいいのね!?

提督「……暁型までかなぁ、いや、ほかが駄目ってワケじゃないけど」

長門「私は駆逐艦ならなんでもいいぞ」

佐督「艦娘ならなんでもいいわ、可愛いもの」

横督「兵器に特別な感情は抱かん、強いていうなら軽巡がベストだ」

吹雪「………………変態」

では失礼!!アイヤーッ!!!!

そう言えば艦娘に下の毛が生えてるかと言うのと生理があるのか、って回答はあったっけ?

ただいま、ふぅ……始めよう

>>280
提督「何があった訳じゃないのに吹雪ちゃんの機嫌が物凄く悪い日があった……まぁそういう事だ」

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次の日 昼前 二ツ木山 上流

提督「……着いた……」

古鷹「はっ……ふぅ……ふぅ……」

吹雪「いつ来てもっ……遠いですね……ここっ……疲れた……」

古鷹「いい運動になりました……ここは……?」ヌグイッ

提督「ほれ、タオル、ここは新種の川底棲艦が沢山居るであろう場所だ、あの滝に姫級が居てね……」

古鷹「姫級……って事は、飛行場姫のような生き物でしょうか?」

提督「そんな所だ……吹雪ちゃん、呼べる?」

川中島姫「フブキ…キタノカ」ザバァッ

提督「あ、来た」

古鷹「!」ビクッ

吹雪「川中島姫ちゃん、また来たよ!」

川中島姫「ソウカ、ウレシイ」

吹雪「私も会えて嬉しい」

川中島姫「……ミナイニンゲン、ダレダ?」チラ

古鷹「……え、えと……ふ、古鷹って言うの、よろしくね?」ペコリ

川中島姫「フルタカ……ヨロシク、カワナカジマキ……」ペコッ

古鷹「よ、よろしくね?」

川中島姫「ウン……デ、ナニカヨウカ?」

提督「あ、うん……実は、君たちの生態……まぁつまり生活を聞きたいんだ、いいかな?」

吹雪「川中島姫ちゃんには悪いかもしれないけど……野生のレ級とかの生活を見たいの、いい?」

川中島姫「……ヤセイノ…ドウイウイミ?」

古鷹「……野生っていうのは、私達が育ててるんじゃなくて、かわなかじま……マキちゃんが育てて」

川中島姫「マキジャナイ、カワナカジマキ」ムスッ

古鷹「あぁ……ごめん、えっと、川中島姫ちゃんが育ててるレ級ちゃん達のことを言うの、その子達がどんな生活をしてるのかが気になって……」ビクビク

川中島姫「……レキュウタチノ?」

川中島姫「……ウーン……イイノカナ……マッテテ」ジャブッ

ブクブクブク

古鷹「……ほ、本当に……川に深海棲艦そっくりな生き物が……いるんですね……」ヘナヘナ

提督「びっくりしたろ?」

古鷹「今まで冗談だと思ってたけど……この子達は自然や人間に外は与えないんですか?」

提督「与えないらしいよ?聞いた話では前浜町の養蜂家さんが虫母のヲ級を欲しがってるらしいし……」

吹雪「そうなんですか?」

提督「あぁ、尾口さんから電話があってヲ級の飼育許可が欲しいって連絡が来てさ」

吹雪「尾口さん……あぁ……艤装を使っちゃった人でしたっけ……」

提督「……水質保全委員のお姉さんだよ、で、この間少数の飼育を許可したら養蜂家の人からの電話が殺到したらしいよ?」

古鷹「……完全に益獣……?益生物ですね……」

提督「密猟とか起こらなきゃいいけど……」タハハ

川中島姫「……」ザバァ

吹雪「どうだった?」

川中島姫「……アマリ、ヨクナイ、アノコオコリッポイ」

吹雪「そっか……」

川中島姫「ソレニ……ミンナアマリ、ニンゲンスキジャナイ……ゴメンネ」

提督「ううん、いいよ、好き嫌いがあるなら強制はできないし……何かいい方法あるかな……」

古鷹「……」トケイカクニン

古鷹「うん、まだ大丈夫……」

川中島姫「……」

川中島姫「……」ピコンッ

川中島姫「ヲヲー」


ザバッザバッザバッチャパッ


ヲ級A「ヲッ」ニコッ

ヲ級B 「ヲ?」クビカシゲ

ヲ級C「ヲ!?」ビクッ

ヲ級D「ヲヲ…」ソローリ


提督「うぉっ……!なんだ……?」

吹雪「……ヲ級がたくさん……これ……どうしたの?」

川中島姫「……コノコタチナラ……ニンゲントフレアッタコトガアル……ダイジョウブカモ…ヲ?」

ヲ級A「ヲヲッ」フンスッ

川中島姫「……ネ?」

古鷹「……で、でも……他の子達はあまり乗り気じゃないみたいだけど……」

ヲ級B「ヲ……ヲー」ナニゴト?

ヲ級C「ヲッヲヲッ!?」アワワ

提督「まぁ……確かに若干二名よく分かってなさそうだな……」

提督「大丈夫?」

ヲ級B「ヲー……?」

ヲ級C「ヲッヲヲヲーッ!!ヲッ!」コクコク

吹雪「大丈夫……みたいですね…………ん?」

ヲ級D「ヲッ……」フルフル

吹雪「……この子はちょっと怖がりさんだから無理かも……大丈夫だよ?」ダキッ

ヲ級D「ヲーッヲヲーッ……ヲヲヲーッ!!」ジタバタジタバタ

吹雪「あ、あぁ……ごめんっ……高い所は駄目なんだね……」スッ

ヲ級D「……ヲヲ……」ウルウル

吹雪「……大丈夫、私は怖い人じゃないよ」ナデナデ

ヲ級D「ヲ……ヲ……?」

吹雪「うん、本当、ごめんね?知らなかったの……許してくれる?」

ヲ級D「ヲ……」コク

川中島姫「ヲッヲヲッ……ヲ?」

ヲ級s「「「「ヲー」」」」

川中島姫「ヲヲッ?」

ヲ級A「ヲー……ヲッ」

川中島姫「ヲッ」コクッ

ヲ級B「ヲー?」ツンツン

ヲ級A「ヲ?……ヲヲ……」ハァ…

ヲ級A「ヲヲッヲヲヲッ……ヲ?」ワカッタ?

ヲ級B「……ヲー……」クビカシゲ

ヲ級A「ヲヲ……」ガクッ




提督「……」

古鷹「……」

吹雪「……人間のコミュニケーションと対して変わらない会話ですね……ふむふむ……」メモメモ

古鷹「そうなの?」

吹雪「はい、今皆で私達の生活風景を見せる時の決まり事を説明してるみたいです」

吹雪「元気のいいヲ級以外はちゃんと話を聞いていなくて、他のヲ級達に噛み砕いた説明をしてるんですけど……」ユビサシ



ヲ級A「ヲーッ!!ヲヲッ!!ヲヲーッ!!」ジタンダ!!

ヲ級D「ヲヲー……」シクシクッ

ヲ級C「ヲヲッヲヲッ」ナカナイデ

ヲ級D「ヲヲ……ヲヲヲ……」グスンッ

ヲ級B「ヲヲヲ……ヲヲッヲヲヲッ」メッ

ヲ級A「ヲヲ!!!ヲヲヲヲッ!!」ガミガミ



古鷹「中々理解されなくてイライラしてるね、あのヲ級ちゃん」

吹雪「怒りっぽいヲ級ですね、弱気なヲ級には辛いかもしれないです……もう泣いちゃってるし……」

提督「……皆同じ顔してるって訳じゃないんだな……帽子の横幅の長さとか帽子の形とか結構違う……」

川中島姫「アノボウシハ……ワタシガツクッテル、ヨクデキテイルダロウ?」

提督「へぇ……どうやって作ってるんですか?」

川中島姫「イワヲクリヌイテ、ミズクサヲ カタメテ ハリツケル……アトハ ネンジルダケ」

提督「……」

提督(それ、念じる力だけで出来るんじゃないの……?)

提督「あの子た地泣いてるけど大丈夫?」

川中島姫「イツモノコト……イズレカイケツスル」

提督「だといいけど……」

吹雪「はい、今皆で私達の生活風景を見せる時の決まり事を説明してるみたいです」×

私達「の」ではなく、私達「に」だったでござる

ヲ級A「ヲッ」ズイッ

ヲ級C「ヲッヲヲッ……」フキフキ

ヲ級B「ヲー……」ジトーッ

ヲ級A「ヲ……ヲヲ」ペコッ

ヲ級B「ヲヲッ」ニコッ


古鷹「……」ニンマリ

提督「……」メモメモ

吹雪「……」ヒソヒソ

提督「なるほど……」メモメモ

古鷹「かぁいい……」ツンツン

ヲ級D「……ヲヲ……」ヤメテ

吹雪「古鷹さん、どうですか?」

古鷹「……一人……欲しいかも……」ツンツン

ヲ級D「ヲ……?」

古鷹「……」コチョコチョ

ヲ級D「ッヲ……!?ヲヲッ……ヲヲッ……!!……ヲッ……」クネクネ

古鷹「ふふ……」

ヲ級D「ヲッ……」フゥ…

ヲ級D「ヲ……」ウルッ

古鷹「あ……嫌だったの……?ごめんね?」

ヲ級D「ヲヲ……」フルフル

ヲ級D「ヲッヲヲヲ……ヲヲッ……ヲヲー……ヲッ……」ギュゥ

古鷹「あ……あれ?何か……なつかれた……?あの……吹雪ちゃん?」

吹雪「え?えっと……簡単にいうと、私に構ってくれる人がいると思わなかった……ですって……」

古鷹「構ってくれる人間……?」

ヲ級D「ヲ……」コクッ

ヲ級D「ヲヲ」

吹雪「……人間は、怖がりだから……」

ヲ級D「ヲヲッヲヲヲ……ヲヲッ」

吹雪「姫様の言いつけを守って……人前に出てこない子がほとんど……」

ヲ級D「ヲヲヲ……ヲヲヲッヲヲッ」ウルッ

吹雪「人間に近寄っても仲良くなれない……自分の姿を見て怖がる人や、いじめる人が沢山居るから」

古鷹「……」

ヲ級D「ヲヲッ……ヲヲヲ……ヲ?」クスンッ

吹雪「人間は私達を見たら石を投げる……人間は私たちのことが嫌いなのかな……と……」

古鷹「……ヲ級ちゃん……」

古鷹「…………」ギュゥ

ヲ級D「ヲ……?」

古鷹「…………怖かったね……」

ヲ級D「ヲッ…………ヲヲ……ヲヲヲヲッ……」グスックスンッ ギュゥゥゥ

提督「……吹雪ちゃん?さっきこの子なんて言ったか……あれ?どうしたの?」

吹雪「……」ナデナデ

古鷹「ふふ……安心したのかな……?」ポンッポンッ

ヲ級D「……ン……スゥ……」スヤスヤ

ヲ級D「……ヲ……ヲヲ……」

吹雪「ふふ……この子、古鷹さんのことをご主人様って呼んでます……」

古鷹「え……え!?私が……ご主人様……?」

吹雪「えぇ……私もそう呼ばれてますから、ねぇ司令官?」

提督「ご主人……って、初耳だけど……そうだったの?」

吹雪「そうですよ?知らなかったんですか?川底棲艦は最も信頼できる相手を主人と呼ぶんですよ」

提督「……ま、マジかよ知らなかったぞそんなこと……」カキカキカキ

川中島姫「……ゴシュジンヲミツケタノカ……?ダレダ?」

ヲ級A「ヲッ!?」

ヲ級B「ヲー?」ダレダレー?

ヲ級C「ヲッヲヲヲッ!?」ワクワクワクワクウ


古鷹「あ、あの……本当に私がご主人でいいんでしょうか……?」

ヲ級D「……スゥ……スゥ……ンン……」ギュゥ

川中島姫「……コノコカ……フルタカ?」

古鷹「は、ひゃい!?」

川中島姫「……シアワセニ、オネガイシマス」ペコ

古鷹「え、あ、は、はい……分かり……ました……??」

提督「……本来ならこうやって主を決めるのか……家のヲ級とレ級とは体制が違うのかな……?」

吹雪「そうみたいですね……主が決まる=結婚のようなものなんでしょうか……?」

川中島姫「ゴシュジンハ……イッショウヲトモニスルアイテ……シンチョウニキメテル……アノコノシアワセヲイノルノハヒメノヤクメ……」

吹雪「そうなんだ……」

提督「……佐世保の皆に可愛がってもらえるかな……?」

吹雪「受け止め方次第ですね……」

提督「なんか嫌な予感がする……」

取り敢えずここで区切るぜ……暫く寝る!

さて……やりますか

二ツ木山

古鷹「……1400……そろそろ帰らないと間に合わないかも……」

ヲ級D「ヲ?」

ピーピー

古鷹「……?艤装通信?」シュルッ ゴソッカチャッ

古鷹「こちら重巡古鷹です」

佐督『古鷹?こっちは出発したけど、あなた達今どこにいるの?』

古鷹「提督?えっと……現在二ツ木山……でしたっけ?山の中腹です、すぐに戻r」

佐督『ぬわぁんですってぇぇぇ!?山ぁぁ!?二丁目に変わりなさい!!』

古鷹「っ~……て、提督さん……うちの提督です……どうぞ」ビリビリ

提督「いや、どうぞって……どうやって……」

古鷹「艤装に触れて耳に手を当てれば通信できます……」キーン

提督「こ、こうか?」スッ

佐督『二丁目!!コラ二丁目ぇ!!あんた艦娘を山に連れてってるの!?馬鹿なの!?』

提督「馬鹿とは失礼な……おr……私の任務は川底棲艦の調査ですよ?」

佐督『んだぁからって!!あんたの今の任務は古鷹の療養よ!?山で何を治療するってぇの!?』

提督「いや、目が悪いなら緑を……」

佐督『他の方法があるでしょ他の方法がぁ!!最後の日くらいゆっくりと休ませなさいよ!!』

提督「んー………イチイチウルサイナ……」ポリポリ

佐督『なんですって?』

提督「い、いや?なんでもないですよなんでも……」

提督(ま、ちょうどいいか……説明しとこう)

提督「あの、佐世保さん……実はちょっと報告したいこt」

佐督『30秒』

提督「へ?」

佐督『あんたの声で報告を聞くのは嫌なの、40秒で済ませなさい』

提督「ふ、増えてるけど……」

佐督『うっさいわね……いいから40秒、はい、スタート』

提督「え、えっと……」

佐督『37、36』

提督「あぁ~っちょっと待って!!えとえと……」






30秒後

提督「というわけで川底棲艦、虫母ヲ級4匹を授与していただくことになります以上っ!!!」

佐督『…………』

佐督『……その、川底棲艦は……無害なのね?』

提督「は、はい……」

佐督『…………分かった……少しだけ質問するわ、答えなさい』

提督「……は、は、はい……なんでもどうぞ」

提督「というわけで川底棲艦、虫母ヲ級1匹を授与していただくことになります以上っ!!!」

に保管してくんろ

佐督『……大きさは?』

提督「えーっと……抱えられるくらいですし……小型犬より小さい程度です」

佐督『……喋る?』

提督「えぇ、意思疎通が可能で表情も豊かです、言語によるコミュニケーションを取ることは不可能ですが……」

佐督『ふむふむ……じゃあ、聞くわ……かわいい?』

提督「え?何でです?」

佐督『そこが一番重要じゃないの!!答えなさい!!』

提督「……え……えぇ……まぁ……可愛いですけど……すごく」

佐督『どのくらい?』

提督「だからすごく可愛いって言ってるじゃないですか」

佐督『……見てのお楽しみってことね?』

提督「そういうことです」

佐督『……』

提督「……」

佐督『二丁目』

提督「はい」

佐督『すぐに向かうわ、詳しい飼育方法は後で聞く、今すぐ下山しなさい、あとその子は大事に連れてくること』

佐督『療養艦を山に連れ出すような鬼畜外道の所にいつまでも置いておけないわ』

提督「は、はい、すぐに向かいます!!」

佐督『じゃあ、予定通り』カチャ ザザー

提督「…………ふぅ……気むずかしい人だなぁ……」

古鷹「お疲れ様です……大丈夫でしたか?」

提督「いや、大丈夫だよ……一応理解は得られたし……多分」

古鷹「本当ですか?良かった……」

提督「あぁ、まぁ拒否されることはないだろう……っと……2時15分……そろそろ行かないとな」トケイカクニン

吹雪「え?もうそんな時間……!?」

川中島姫「イクノカ?」

吹雪「うん、ごめんね?もう行かないと……」

川中島姫「ソウカ、ジャアネ」

提督「悪いね、また今度じっくり話そう」

古鷹「あ、あの……ありがとうございます、川中島姫さん!」ペコッ

川中島姫「ヲッ」

ヲ級D「ヲッ……ヲッ!!」ニコ

川中島姫「シアワセニシテクレ」

古鷹「はい!じゃあ……失礼します!!」


ザッザッザッザ…


川中島姫「……」

川中島姫(……フルタカノヒダリメ……ダイジョウブカナ……ヨクミエテナカッタケド……)

川中島姫(……スコシ……タスケルカ……)ムムム ムッ


古鷹「……!」スゥー

古鷹「……あれ……?目が……?」キョロキョロ

吹雪「?」

古鷹「……はっきり見える……あれ?」

提督「マジ?良かったじゃん、すごいな緑って……」

古鷹「はい!よかったぁ……」

ヲ級D「……?」クルッ


川中島姫「……」グッ

川中島姫(……サテ、ヤスムカ……)ザブッ ブクブク

下山後 前浜町郊外

古鷹「ふぅ……高い山ですね……ここ……」ゼェッハァッ

提督「だなぁ……登るよりはマシだけど結構疲れるよなぁ……」

吹雪「むしろ……降りるほうが疲れませんか?」ハァッハァッ……フゥ…

提督「人によっちゃそういう人もいるかもね、でも古鷹ちゃんも吹雪ちゃんも艤装担いでそれだろ?十分すごいよ……」

古鷹「体力訓練が足りないですね……私も……すぅっ……はぁっ……落ち着いた……」

吹雪「司令官は手ぶらでいいですね……しかも今日艤装使わなかったし……」ムスッ

提督「悪い悪い、まさか川中島……マキちゃんがあんなサプライズ用意してるとは」

ヲ級D「ヲッ!ヲヲッ!!」プンスカ

吹雪「川中島姫だって怒ってますよ」

提督「うぐ……だって長いじゃん……」

ヲ級D「……ヲ~……ヲ?」

提督「……どうした?」

ヲ級D「……ヲヲッ……」ソワソワ

ヲ級D「ヲッ……」ショボン

古鷹「あれ?元気が……提督さん?」

提督「……あ、そうだ!バケツ!えっとえっと……ここから一番近いコンビニかなんかは……」キョロキョロ

提督「あった……!!ちょっと行ってくる!」


コンビニ ファミマ前浜町支店

ノボリ『夏の虫取りグッズ完備!』

提督「夏でよかったー」ウィーンッ

店員「いらっしゃいませー」

提督「えー……すみません!」

店員「はい?」

提督「……えっと……バケツとかってあります?割と大きめの」

店員「バケツ……ですか?」

提督「えぇ、大きいバケツならなんでもいいので……割と急を要するんですけど……」

店員「えぇー……バケツですか……うーん……ちょっと確認しますね?」




店員「おまったせしましたー……あのー商品としてのバケツは申し訳ないですが取り扱っていないんですけど……」

提督「まじですか……参ったな……」

店員「ですけど、店長に聞いた所、ウチで使わなくなった古い防火バケツならすぐに差し上げることが出来るらしいです」

提督「え?いいんですか!?」

店員「はい、古いですけど……これで良ければ……えっと……これだ……」ガラッ

店員「……これですけど……」

提督「ありがとうございます!すみません本当に!失礼します!」

アリガトウゴザイマシター

提督「あとは……川!あった!小川!田舎道でよかった……!!」スタタタタッ!!!


アラ……ナニカシラアノヒト……サカナツリデモスルノカシラ? ヒルマカラネッシンネー……

古鷹「ヲ級ちゃん……?大丈夫?」

ヲ級D「ヲヲー……」ウツラウツラ

吹雪「司令官……!」アセアセ

フブキチャーンッ!!フルタカチャーンンッ!!

提督「っぜぇっ……はぁっ……っくはぁっ……死ぬ……み、水!川の水!汲んできた……!!早く……!」

吹雪「司令官!ありがとうございます!古鷹さん!この子を水に!」

古鷹「う、うん!」

チャプッ

ヲ級D「……ッハァ……ヲヲッ♪」ニコッ

古鷹「そっか……ヲ級ちゃんって川の生き物だから乾燥に弱いんだ……ごめんね?」

ヲ級D「ヲヲ」フルフル

古鷹「……ということは……淡水の水槽が必要になりますね……あるかな……?」

古鷹「そういえば提督まりも飼ってたっけ……いや、グッピーだっけ……あ、いや、グッピーとまりも一緒に飼ってたような……」

古鷹「……でも昔買ってたミドリガメも居たような……今も生きてるっけ……?」

古鷹「うぅーん……でもヲ級ちゃんが……分けたほうがいいのかな……でも……でも……うーん……」

ブツブツブツ


吹雪「心配症なんですね……」

提督「まぁ、あの様子なら大事に育ててくれそうだな……」

吹雪「そうですね……あ、時間大丈夫ですか?」

提督「え?あ……やべ……急がないと!!古鷹ちゃん!急ごう!」

古鷹「ふぇ?あ、はい!!」

タッタッタッタッタ チャプッチャプッ

3時10分 前浜町灯台

佐督「…………」ゴゴゴゴゴッ

提督「…………いや、その……間に合わせる気はあったんですけど……事情が事情で……」ヘヘ

佐督「……言い訳はいらないわ、よくわかった、貴方は本当に救いようのないクズだってことがね」ジロッ

佐督「貴方……これが作戦行動だったらどうなってたと思ってるの?いいえ、これも作戦行動ね」

佐督「作戦行動で10分の時間の遅れを生み出すなどもっての他、世が世なら銃殺刑だわ」チッ

提督「も、申し訳ないです……」

佐督「申し訳ないで済んだらこの世に降格という言葉は存在しないわ……中佐、この遅れ、本営に報告するから」

提督「えぇー……わ、分かりました……」

佐督「……で、古鷹は?」

提督「あぁ、向こうに居ますよ、古鷹ちゃーん!吹雪ちゃーん!」

佐督「うちの古鷹を許可なしにちゃん付けするな!!殺すわよ!?マジで!!」ガシィィッ!!!

提督「す、すみません……」

古鷹「は、はい!提督!古鷹!治療完了致しました!!」タッタッタッ…ビシィッ

提督「うぐぐ……すみませんすみません……」

吹雪「し、司令官!?今度は何したんですか!?」タッタッタッタッ

佐督「……」バッ

提督「うぉっと……?」ットト

佐督「……」ジワァ

提督「って……え?泣いて……」

佐督「ふ る た かぁ~~!!!」タタタッ ピョンッ ギュゥウウウーッ!!!

提督「!?」

吹雪「え……」

古鷹「へっ!?ひゃぁ!?て、提督!?大丈夫!私は元気だよ?」ポンポンッ

佐督「ざびじがっだぁ~~~!!!!ふるだがぁ~~~!!!」ビェェェェェン!!

古鷹「よしよし……大丈夫ですから……あの……ふ、吹雪ちゃん、この子しばらく……むぐぐ……」ギュゥゥー

吹雪「あ、は、はい」チャプッ

ヲ級D「ヲッヲー……」

佐督「古鷹大丈夫だった?あのオッサンに変なことされてない?されたなら言ってね?ぶっ殺すからっ」

古鷹「大丈夫ですってば……そんなに心配しないで……ほら、目も治ったし……」

佐督「本当?殴られた跡とか消えてる?目も見える?包帯いる?べっこう飴たべる?」

古鷹「だ、だからほんとうに大丈夫だってば……心配症ですね……提督も……」

佐督「だってぇ……古鷹はぁ……何時もずっと一緒に居たし……怪我なんて今日が初めてで……」

佐督「古鷹が一緒に居ない日は本当に地獄だったんだからぁ……!!古鷹分が足りないのよぉ……」ギュゥゥ

古鷹「あ、あの……提督、その……くるし……気持ちは嬉しいけど苦しいですっ!」

佐督「やだ……まだ補給できてないもん……」

古鷹「……もう……」

佐督「…………ありがと……もう大丈夫よ……おかえり、古鷹……」スッ


佐督「二丁目、例の物は?」キリッ

提督「え、あ、はい……えっと……」

提督「え、えっと…………」

吹雪「…………」カタカタ

佐督「……特I!!」

吹雪「ひゃいっ!?」ビクゥンッ

ヲ級D「ヲッ……」ットト

佐督「緊張しなくていいわ」

吹雪「は、はい……この子です……」スッ

佐督「……」チャプッ

佐督「二丁目、何故防火バケツなの」

提督「物がなくて……すみません……」

佐督「ま……いいわ……」

佐督「……」

ヲ級D「ヲ……」カタカタ

佐督「…………」

佐督(何この可愛い生き物、深海棲艦?いや……これが噂に聞く人畜無害な川底棲艦……)

佐督(肌の質、帽子の硬度、触手を見る限りは普通の空母ヲ級と変わらない……だが)

佐督(……性格は……まぁ見た通りね……この子は人恋しさと人の恐怖心が混ざってる……)

佐督(それにこうして水の中に常に使っているところを見ると乾燥に弱い生き物ね……すぐに保護しないと)

佐督(マリッ子(まりも)とグッチん(グッピー)……カッちゃん(ミドリガメ)とも仲良くしてくれるかしら?)

ヲ級D「ヲッ?」クビカシゲ

佐督(   )ズキューン

佐督(愛でよう、愛でたらまた愛でれるから)

佐督「……この子は私達が大切に保護させてもらうわ」

佐督(早く帰ってチュッチュしたいよぉ……!!)ニヘラ

ヲ級D「ヲ……」ゾクッ

提督「よ、よろしくお願いします」

佐督「……降格の件は、取り下げるわ、古鷹ぁー」

古鷹「は、はい!艤装装着完了しました!」

佐督「いい子ね、じゃあ二丁目、これにサインを」

提督「は、はい」サラサラ ポンッ

佐督「……よし……じゃあ、行くわ」スットット

提督「あれ?ボートなんですか?」

佐督「ったり前でしょ、私が艤装付けられるとでも?一々口出さないでよ気色悪いわね!!」

吹雪「ちょ、ちょっと!そんなに言わなくてもいいじゃないですか!」

佐督「あんたは口出すんじゃ……っ」

佐督(……この子……純粋な子ね……あぁ……こんな男のところじゃなくて……)ニンマリ

吹雪「……?」

佐督「……じゃあ、行くわよ古鷹!」ドルルンッ…… ブゥーーンッ

古鷹「は、はい!」バシャッ ドシュゥウウーーーンッ!!

アァーーッカワイイワヲキュンチャン!! ナデナデシタイワズットナデナデシタイ!!  ヲヲ……??  テ、テイトクッ ソンナニナデタラカワイソウデスヨ!!

提督「……」ポカーンッ

吹雪「……」ポカーンッ

提督「……嵐のように過ぎてったな……いや、本当に……」

吹雪「え……えぇ……別れを惜しむ暇もありませんでした……」アハハ…

提督「……でも、何か、動物愛護家みたいな人だし……大丈夫かなー……?」

吹雪「行き過ぎた保護は人や動物を不幸にしちゃうんです」

提督「ま、そうだけどね」

吹雪「…………」フン

提督「?」

吹雪(……司令官のことをずっと悪く言って……いきなり現れて罵声を飛ばして……何様なのあの人は?)ムカムカ

吹雪「司令官」

提督「どした?」

吹雪「……私は司令官のこと……信頼していますから……」

提督「え?あ、あぁ……ありがとう」

吹雪「…………」

提督「…………」

吹雪「…………」

提督「帰ろっか、ヲ級とレ級が待ってるし」

吹雪「……はい!」


ザザーンッ ザザーンッ




太平洋 深海 岩の中

戦艦レ級(……おい、こっちで道あってんのか?)ガッガッ 

空母ヲ級(間違いない、この岩を掘り進めればこのまま前浜へ行ける)

戦艦レ級(……この岩を「アタシが」「一人で」掘り進めればな……お前も手伝え!!)

空母ヲ級(嫌だ、私は非力な乙女だからな)フッ

戦艦レ級(ちきしょう!!あたしも非力でいたかった!!クソがっ!!)ガンッ!!

ビキビキッ

空母ヲ級(ばっ!!お前何やって!!!うぎゃぁぁあーーーーー!!!!)

戦艦レ級(へ?や……きゃああああああああー!!!!!!)

バキィンッ

ガラガラガラガラッ!!

ズズゥーーンッ……

戦艦レ級(……不幸だ……)ガラッ

空母ヲ級(……お前が変なことするからだろ……全く……ん?)ガラッ

戦艦レ級(あ?)


雷巡チ級(……オマエラ……イッタイナンノツモリダ……ヒトンチブッコワシテ……!!!)ガラッ

戦艦レ級(やっべ……逃げるぞ!!)ドシュゥーンンッ!!!

空母ヲ級(あぁー!!もう!!なんでこうなるのかねぇ!!お前と居たらさぁ!!!)ドシュゥーーンッ!!!

雷巡チ級(キサマラァアアアアアア!!)ズドォーーンッ!!!

空母ヲ級(な、何だ!?雷巡のくせにやたら早いぞ!?どうなってるんだ!?)ドシュゥーーンッ!!

戦艦レ級(馬鹿!!てめぇが遅すぎんだよ!!ほら手ぇ貸せ!!最大船速でぶっちぎってやる!!!)

空母ヲ級(す、すまない!頼む!!)

戦艦レ級(障壁張ってろ!行くぜ……!!数年に1回あるかないかの戦艦レ級最大船速だ!!)キィィィンン

カッ チュドォォォーーーンッ!!!! ズドドドドォーーーーーーンッ!!!!

雷巡チ級(ナ……!?グァァアアアーーーッ!!!!!!!!)フワッ ドゴォーンッ!ブクブクブク……



戦艦レ級(へっ!ザマァ見やがれってんだ!!)ゴォォォォォオオオオ

空母ヲ級(オイお前!なんで毎回この速度で行かないんだっ!?)

戦艦レ級(後ろ見りゃ分かんだろ!周りがぶっ壊れちまうんだよ!!こんな速度じゃ方向転換も出来ねぇしさ!ブレーキも効かねぇ!!)ゴォォォ

空母ヲ級(まさに諸刃の剣というやつか……全く……戦艦レ級っていうのは本当にぶっ飛んでいるな)

戦艦レ級(アタシもこんな体に生まれたのが不思議でならねぇよ……ところで今の方角は?)

空母ヲ級(さっきの方向をずっとまっすぐ進んでいる、このまま行けば前浜町まですぐだ、ところで、今どれくらいの速度だ?)

戦艦レ級(さぁー……多分ウサ耳のガキンチョの2倍の速度らしいから……まぁ……マッハだな)

空母ヲ級(マッハか、じゃあ覚悟を決めておけ、せめて前だけは向いとくべきだな……)対ショック姿勢

戦艦レ級(あぁ?うわっ!?壁)


ドゴォォォォォォォォォォン……!!!!





夜 前浜町二丁目鎮守府

吹雪「ん?地震……?」

提督「たしかに今揺れたよな……?」

夜 前浜町 灯台

空母ヲ級「……大丈夫か?」

戦艦レ級「あぁ……生きてる」

空母ヲ級「そうか……なら良かった…………」キョロキョロ

戦艦レ級「…………」

戦艦レ級「なんか、すげぇ久しぶりな気がするな……ここ……」

空母ヲ級「あぁ……横須賀に入る時間がやたらと長く感じた……体の隅々まで見られてたせいか……嫌な思い出に思える」

戦艦レ級「思い出させるなよ……チッ……あの変態共が……アタシらだって女なのによ……ったく……」カァァ

空母ヲ級「深海棲艦の地点で女は捨てたようなものだ……今更……いや、今から恥を覚えるべきかもな……」

戦艦レ級「提督も言ってしな……ふぁっしょんってのを覚えれば少しはアタシたちも女らしくなるとさ」

空母ヲ級「そうなのか?……そろそろこのスーツもくたびれてきた……そろそろ替えどきかな……」

戦艦レ級「確かに……斬られた所破れてるし、そろそろ変えないとマズイぞこれ」ビヨーンッ

空母ヲ級「あまり触るな、破れが酷くなるだろ」

戦艦レ級「肌の色が同じだから隠れてるけどこれハタから見たらやべぇよなぁ、きれいな腹が丸見えだぜ?」ニマニマ サワサワ

空母ヲ級「っ!……女は捨てたと言っても恥ずかしいものは恥ずかしいんだ!!いい加減にしろ!」ゴンッ

戦艦レ級「っいて!」

空母ヲ級「くすぐったいだろう……っとにかく!今は二丁目鎮守府まで行くぞ、道は覚えてるな?」

戦艦レ級「えーっと?二丁目……?」

空母ヲ級「……着いて来い……っとに……」


二丁目鎮守府 リビング

提督「そうなの?そっか……なら、後でメールするよ、あぁ……すっかり忘れてたからなぁ、提督によろしく」

吹雪「…………」ピッ

吹雪「……ん……おいし……」カリッカリッ

吹雪「…………うーん……ドラマないかなぁ……バラエティーよりドラマだよ……」ピッ

提督「うん、じゃ、元気で、そっちのヲ級によろしく、大事にしてあげてくれ……あぁ、じゃ……おやすみ」ガチャッ

吹雪「古鷹さん、大丈夫でした?」

提督「あぁ、佐世保さんもヲ級のことを溺愛してるみたいだ、ヲ級もまんざらじゃなさそうだし、良くやっていけるってさ」ボスッ

吹雪「ふぅん……」

提督「どうでもよさそうだな……どうした?」

吹雪「別に……個人的な感情ですし……」カリッ

提督「あ、俺のポテ棒……結構食べたな?」

吹雪「いいじゃないですか、まだあるでしょ?」

提督「ま、いいけどさ……」カリッ

吹雪「…………」チラ

吹雪「佐世保さん、美人でしたね」

提督「性格以外は文句なしだな……吹雪ちゃんはあんな大人にになっちゃダメだぞ?」

吹雪「……ん……分かってますよ……もう……」ゴロンッ

提督「ちょ、狭い狭いっ足が腹に……ソファで寝転ぶのは1人の時だけだってば……」

吹雪「司令官だってよく寝転んでるでしょ?私だって寝転んでいいじゃないですかぁ」

提督「……今回だけだぞ?」

ピンポーン

提督「ん……」

吹雪「……あ、私出ます」

提督「お願い、悪いね」

吹雪「いえ、大丈夫……にしても……こんな時間に……誰だろ……」ガラッ


空母ヲ級「……やあ」

戦艦レ級「よう、ほんとに押したら出てきたな……」

吹雪「ヲ級さん!?レ級さんも!」

戦艦レ級「やっと開放された……さすがのアタシも疲れた……元気してたかぁ?」ダキッ

吹雪「はいっ!レ級さんもお元気そうで!……く、苦しいです……」

提督「色々あったみたいだな、大丈夫だった?」

空母ヲ級「……まぁ……な……写真、全部見たか?」

提督「…………」メソラシ

空母ヲ級「……そうか……あまり言わないでくれると助かる……その……向こうも悪気はなかったからな……横須賀提督を恨まないでくれ」

提督「解ってる、あ、あれは吹雪ちゃんには見せてない、それに俺も見たからって君らの接し方を変えるワケじゃないよ」

提督「だから、安心してこれからの日常を送ってくれ、な?」

空母ヲ級「……ありがとう、すまないな」

提督「……あ、取り敢えず入ってくれ、まぁでもしばらくくつろいだら君らの寝床に案内するからあまりゆっくり出来ないかも……」

戦艦レ級「お、サンキュ!吹雪!おじゃまするぜ!」ヌギッ パタパタッ

空母ヲ級「おい!靴を揃えろ!……すまない、お邪魔します」ヌギッ ススッ

提督「構わないよ、くつろいでくれ」

提督「……」チラ

ヲ級の靴『25.0(くらい) ハイヒール』

レ級の靴『23.0(くらい) スニーカー(?)』

提督「……ヲ級ちゃんのほうが足大きいんだ……しかもヒールとは……」

提督「……意外とおしゃれに気を使ってる……のか?」

提督「……にしても……レ級ちゃんのこの靴…………いや……まぁレ級ちゃんの足自体変わってるし仕方ないか……」

テイトクー?ナニヤッテンダー?

提督「あ、ごめんごめん、すぐ行く!」スタスタッ





戦艦レ級「すっげぇー!改めて見たら人間の家ってスゲェー!!」

空母ヲ級「……これは……確かに凄いな……設備の一つ一つが人間用に最適化されてる……」

戦艦レ級「なぁ吹雪!これなんだ!?」

吹雪「テレビっていうんです、ここをつけると映像を通して情報を受け取ることが出来るんです」ピッ

戦艦レ級「うぉー!人間用の一方的な無線機ってことか!」

空母ヲ級「おー……すごいな……」

提督(……テレビが珍しい……か……アニメの世界だけだと思ってた……)

……よし、吾輩はちと疲れたから暫く寝る!

さて、やりますか

リビング

空母ヲ級「……いい部屋だな……そふぁ、だったか、座っていいか?」

提督「構わないけど……何で?」

空母ヲ級「私達……湿ってるだろう?そのせいでそふぁが駄目になるかもしれないからな……許可を取ろうと思って」

提督「湿ってるって言ってもどれくらい湿ってるかだな……」スッ

空母ヲ級「…………どうだ?」

提督「……そんなに湿ってるか?」サワサワ

空母ヲ級「ん……大丈夫か」

提督「あぁ、別にソファが濡れるほどじゃないよ、生乾きの洗濯物程度だし問題ない」

吹雪「いや……表現……いや……まぁ確かに……」サワサワ

戦艦レ級「どうだ?」

吹雪「確かに……微妙な湿り具合ですね、レ級さんも座っていいですよ」ジメッ

戦艦レ級「やったぜっ!」ボスッ

空母ヲ級「じゃあ、失礼するぞ」ストッ

空母ヲ級「……なかなかいい座り心地だな、このソファっていうのも……」クテーッ

戦艦レ級「確かに……何かみょーに安心する……なんだろうなこれ…………」グッテーッ

吹雪「凄いくつろぎ方ですね……ヲ級さん、隣失礼しますっ」

空母ヲ級「……いいぞ、座ってくれ……場所をとってすまない」ススッ

戦艦レ級「…………んっ…………んぅ……」コックリッコックリッ

空母ヲ級「提督は座らないのか?」

提督「俺が座ったらレ級ちゃんが座れなくなるだろ?それにこのソファは3人掛けだ、俺はいいよ」

空母ヲ級「なら私が代わるよ、座ってくれ」

提督「いやいや、俺はここでいい、ヲ級ちゃんはしばらくゆっくりしてくれ、疲れてるだろ?」

空母ヲ級「し、しかし……」

吹雪「司令官がそう言ってるんだから、ヲ級さんは遠慮しないで下さいっ」

空母ヲ級「……分かった……」チラ

戦艦レ級「…………クカーッ……クゥーッ……」スピーッスピーッ

空母ヲ級「……なら、私も少し休むかな……」フッ

吹雪「はいっ!ゆっくりして下さい!」


虫ヲ級『ヲ……?』コポコポ

蟹レ級『……?』ジーッ

提督「……気になる?」

虫ヲ級『ヲ』コクッ

蟹レ級『レキュ?……ヲキュ?』ユビサシ

提督「うん、海に住むヲ級とレ級だ、君らの親戚っぽい生き物だ」

虫ヲ級『ヲー』フムフム

蟹レ級『ンー……』フムフム

提督「仲良くするんだぞ?吹雪ちゃんの友達だからな」

ヲ級&レ級『……』コクコク

提督「……だんだん俺の言うことも聞くようになってきたな……良かった良かった」

数十分後

空母ヲ級「……ん……寝てしまったか……」パチッ

虫ヲ級「……ヲッ」

空母ヲ級「……?」

虫ヲ級「ヲヲッ」

空母ヲ級「……えっと……?」

空母ヲ級(目が覚めたと思ったら私の目の前の机に見たことがあるような無いような気がする生き物が居た)

空母ヲ級(確かこいつは劣等種、学業で学んだ知識では戦闘能力が皆無の愛玩用生物だと記憶している……)

空母ヲ級(……フブキと提督とで寝泊まりした時に話していたな……川底棲艦だったか)

空母ヲ級(……明るい所で見ると本当に私の分身のような生き物だな……昔は似ても似つかないと思っていたが……)

虫ヲ級「ヲッヲー」ピース

空母ヲ級「……?」

空母ヲ級「こ、こんばんは……??」ピース

虫ヲ級「ヲヲ」ペコリ

空母ヲ級「…………」

虫ヲ級「…………」

空母ヲ級(……会話が通じないだと……まさか私にこれ以上勉強しろというのか……さすがに無理だぞ!?)

虫ヲ級「ヲッヲヲヲ……」モジモジ

空母ヲ級「ど……どうした?具合でも悪いのか?」アセッ

虫ヲ級「ヲヲ……」フルフル

空母ヲ級「ち、違うのか……」

虫ヲ級「ヲッ……ヲヲッヲヲヲ……?ヲヲ……ヲヲッ!!」ミブリテブリ

虫ヲ級「ヲヲヲッ?」ウルウル

空母ヲ級「え?あ、あ?あぁ……えっと……あぁ!もちろんだ!私に任せてくれ!」グッ

虫ヲ級「ヲッ!?……ヲヲッ!!ヲヲッ!!」ピョンッピョンッ!!

空母ヲ級「…………」

虫ヲ級「ヲヲッヲヲヲヲ?ヲヲヲッ!!」キラキラ

空母ヲ級「そ、そうだな、私もそう思っていた所だ!」

虫ヲ級「ヲヲ?ヲヲヲッ!!」

空母ヲ級(……誰か助けてくれ……レ級、提督……フブキ!)


提督「……あの子、なんて言ってたの?」

吹雪「……あなたが好きです、でも最初はお友達ですよね……?だから……私とお友だちになってください!」

提督「告白だったの!?」

吹雪「ヲ級……ヲ級さんに一目惚れしたみたいです……」フフ

提督「……へぇ……そんな事あるんだ……」

レ級「アゥー……」モジモジ

吹雪「レ級も……レ級さんが……?」

レ級「……レ……ウゥ……」モジモジ……コクコク

吹雪「……へぇ……以外な共通点ですね……」

提督「憧れなのか……恋心なのか……」

提督「ってかさ……助けなくていいの?」

吹雪「……もう少しだけ……」

レ級「……」ニシシ


空母ヲ級『お、おい!やめっ!くっつくな!!くすぐったいって!』

虫ヲ級『ヲヲーッ』


吹雪「……」

提督「……」

レ級「ウ?」ユビサシ

吹雪「レ級……待てだよ」

レ級「ン……」ピタッ

提督「……悪くない映像だな……いいかも……」

吹雪「ヲ級、ヲ級さんに可愛がってもらって……良かった……」ウンウン

レ級「ヲキュ……ヲキュ……サ?……ヲ?……ヲキュ……ヲキュサ……ンー?」ムムム

吹雪「ややこしい?」

レ級「ンー……」コク

吹雪「やっぱり?そうだよね……何か分ける方法ないかな……」

レ級「……」

戦艦レ級「んっ……んー……?」

レ級「ア……」シュタタターッ ステーンッ スタターッピョンッ

吹雪「あ、レ級っ……」

提督「レ級もレ級ちゃんに告白……ややこしいな……」

吹雪「ヲ級は分け方を見つけたらしいですけどレ級には難しいみたいです……」

提督「だよなぁ……なんとかして分けないとダメかもしれないな……」

戦艦レ級『ウェアアアアーーッ!?え!?何!?アタシ!?アタシが目の前に!?』

戦艦レ級『何だ!?え!?何言ってんだ!?えっと……アタシだよな?』

戦艦レ級『え?違うのか……でもアタシだろ!?違うのか……でもアタ』

戦艦レ級『あいてててっ!!挟むな!尻尾挟むな!!何で挟んでんだよお前!!やめろって!!』



階段の陰

空母ヲ級「……」

吹雪「……」

虫ヲ級「ヲヲ……」

提督「…………あの」

吹雪「?」

空母ヲ級「どうした?」

虫ヲ級「ヲ?」



提督「狭いんだけど……」ギュゥ

吹雪「我慢して下さい」

空母ヲ級「私は痩せ型だ」

虫ヲ級「ヲ……」ゴメンネ?

提督「…………」ギュゥゥ



説明後

戦艦レ級「な、なんだよ……こいつが例のかわぞこせーかんって奴だったのか……ビビらせんなよな……」

蟹レ級「……」ドヤッ

吹雪「すみません……驚かせようと思って仕掛けてみたドッキリなんですけど……」

戦艦レ級「全く心臓に悪いな……ヲ級は知ってたのか?」

空母ヲ級「まぁ、一応な、私も驚かされてから説明された……」

虫ヲ級「ヲッ」

提督「で、どう?二人共仲良く出来そう?」

戦艦レ級「あぁ……まぁ、一応な」

蟹レ級「ン」コクコク

提督「なら良かった、所でヲ級ちゃんもレ級ちゃんも体は大丈夫?乾いてないか?」

戦艦レ級「うーん……ちょっと乾いてきたな……地上で一睡すると水分の消費が激しいみたいでさ」

空母ヲ級「……私も乾いたな……提督、私達の寝床は大丈夫か?」

提督「大丈夫だ、前の日に用意しててな……そろそろ行く?」

空母ヲ級「あぁ、済まないが連れて行ってくれないか?どんな所か気になる」

戦艦レ級「それに艦娘は勿論深海の連中に悟られない場所にしないといけねぇからな、早めに行ってカモフラージュしねぇと」

吹雪「深海……」

吹雪「司令官……大丈夫でしょうか…?」ボソッ

提督「穴が完全な筒型になってたら大丈夫なはず……流石に数百メートルの深海には潜れないからなぁ……」ボソッ

空母ヲ級「どうした?」

提督「いや、大丈夫だ、取り敢えずついてきてくれ、案内するから」

空母ヲ級「分かった……」

吹雪「ヲ級、レ級、留守番お願いね?」

虫ヲ級「ヲッ」フリフリ

蟹レ級「ンッ」フリフリ

戦艦レ級「あばよ、ハサミ持ち、今度あったら覚えてろよ?」ニヤッ

蟹レ級「キシシ!」カチカチッ



ガララッガララッ ピシャッ

夜 前浜町灯台

提督「しっかしまぁ……何やらかしたんだ?横須賀すら追い出すって」

空母ヲ級「この馬鹿が横須賀内で火事を起こしそうになってな……それが引き金になって解析中に暴れまわるわ小人を蹴っ飛ばすわで……」

戦艦レ級「……好き勝手いじくり回したツケを払わせたんだよ」ケッ

空母ヲ級「火事はただのミスだがな、お前の食い意地のせいで人に迷惑をかけたんだ、反省しているな?」

戦艦レ級「だからしてるっての……何回同じこと聞くんだよ……で、提督よぉ、その寝床ってのはどこにあんだ?」

提督「前浜町の中だからそう遠くないよ、ただ見つけるのが大変かもしれないけど……」

空母ヲ級「?」

吹雪「あの工事、終わったんでしょうか?」

提督「設置自体はそう時間かからないだろうし、大丈夫じゃない?」

吹雪「だといいですけど……」


スタスタスタ




前浜町 テトラ棲地

提督「ここだ、えっと……どこだ?」

吹雪「かなり違和感なく敷き詰められてますね……どこだっけ?」キョロキョロ

提督「積まれた所が基準だと認識したのか……まぁ分かりにくくはなったけどこれじゃ俺達も分からないな……」

空母ヲ級「…………」ムムム

空母ヲ級「…………?」ムムムム

戦艦レ級「どこにあんだ…………レーダーに水深が表示されねぇ……すげぇカモフラだなこれ……」ジィーッ

戦艦レ級「……!これか?一箇所だけ妙に温度が低くなってる……ような……見てくる」バッ スタッ タンッタンッタンッ

空母ヲ級「お、おい、待て」バッ タッタッタッタッタ

吹雪「……電探の波がコンクリートを抜けないんですね……確かにこれなら見えないかも……」

提督「まぁ深海なのにテトラポッド内に住んでるって発想自体思い浮かばないだろうな……」

アッタゾーッ ズイブンデケェアナダナー

提督「あったー?ならそこに入ってくれー!さすがに中までは見れなかったからさー!」

アイヨーッ!!

吹雪「ちゃんと出来てたらいいですけど……」

提督「大丈夫だと思うけどね……」

ザパァッ ピタピタピタッ

提督「あ、出てきた」

空母ヲ級「良い所だな、これならばれずに快適に暮らせる、本当に済まない色々と」

戦艦レ級「深海底まで用意してくれるたぁお前も結構太っ腹だなぁ!サンキュー吹雪!提督!」

提督「え?あ、あぁ……」

吹雪「お二人のためなら私だって頑張ります!」

戦艦レ級「ありがとよ、吹雪、久々にぐっすり眠れそうだ」

空母ヲ級「毎日グースカ寝てるだろうが」

戦艦レ級「何時もよりよく寝れるって事だよ、深海で寝るなんて久しぶりだろ?」

空母ヲ級「……まぁ、な」

すまない、眠気が限界だ……少し早いかもしれないが寝かせていただく……
御免っ!

きょ、今日の夜は書く、すまんなぁ

さて、やりますか

灯台

吹雪「ふぁぁ……っふぅ……」ググッ

提督「なんか疲れたな……今日は……」コキコキ

吹雪「はい……でも、何とか一段落って感じですね……」

提督「そうだな……古鷹ちゃんの療養も終わったし、深海棲艦の寝床も確保したしで……やっと一息つけるな」

吹雪「他の鎮守府達からすれば毎日休みみたいなものですけどね……」

提督「周りからあまり評価されないのは仕方ない、深海棲艦について知ってるのは呉と横須賀、あと古鷹ちゃんだけだし」

吹雪「瑞鶴さんやゴーヤさんにバレたらどうなるか……あまり想像したくないですね……」

提督「まぁ棲地ごと潰されるだろうな……あの2人にはバレないようにしないと……」

吹雪「……何か、悪い事してるみたいですね……」

提督「まぁ、悪い事っちゃ悪い事だな……じゃ、帰るか~……疲れたし……」

吹雪「はい、あ、帰りどこか寄りません?久々に外食とかどうですか?」

提督「お、珍しいな……そうだな、今更なんか作る元気はないし……ラーメン屋とかあったよなこの辺」

吹雪「あの辛いラーメン屋さんですか?」

提督「あんな遠いところまで行かないよ、近場のラーメン屋だ」

吹雪「そんな所あったんですか?」

提督「んー……俺もよく知らないけど味は悪くないぞ?」

吹雪「じゃ、そこ行きましょうか、私の舌に合うかな……?」

提督「さぁどうだろうな、とにかく行こうぜ」

吹雪「はい!」


ニシテモシンカイテイッテナンダッタンダロ? サァ?






佐世保鎮守府 夜間射撃演習場

初雪「……っ」ドドンッドドンッ

カカァンッ カカァンッ

佐督「3発目が真ん中より外れたわね、もう少し反動を吸収して」

初雪「……ん……」ドドンッ カチャッ ドドォンッ

カカァン・・・カカンッ!

佐督「今の調子、もう一度」

初雪「……ふぅ……ふぅ…………っ!」ドドンッ!! ドドォンッ

カカンッ!!カカンッ!!

佐督「いいわ、これで一人前に近づいたわね、流石特I……吹雪の妹ね」

初雪「……ありがと……もういい……?」ハァッハァッ

佐督「えぇ、お疲れ様、ちゃんとお風呂に入るのよ?」

初雪「……司令官と一緒なら……入る……」

佐督「やったぁ……初雪たまのちっぱいを崇めながら……ウヘヘヘ!!」

初雪「司令官の貧乳をさり気なく触って……ウフフフ……」

初雪&佐督「「……あ……」」

深夜 提督の部屋

提督「以上のことから正式に、重巡洋艦古鷹を…………」カタカタ

吹雪「あ、そこ、古鷹じゃなくて古滝になってますよ」

提督「お、マジだ……」カチャッ カタタッ

吹雪「ん、大丈夫です……この書類って必要な物なんですか?」

提督「まぁ必要っちゃ必要だな……引き渡しの紙はあるけどマナー的な感じで……よしっと」

吹雪「へぇ……あ、出来ました?」

提督「あぁ、確認してくれる?」

吹雪「はーい」ノゾキコミ

吹雪「…………ふん……ふん……で……を……確認致しました……と……はい、大丈夫です」スッ

提督「おっけい、じゃ、提出っと……」カチッ

吹雪「はい……ふぅ……今日の仕事は終わりですか?」

提督「あぁ、ってかまぁ……仕事らしい仕事が無いからな……呉から艦娘療養の話も来てないし……」

吹雪「そうですね……」ポスッ ゴロンッ

提督「眠い?」

吹雪「いえ、別に眠くはないですけど……んん……ふぅ……でも、少しだけ体が固まったかなぁ……」ググッ…

提督「そっか、俺もそんなに眠くないしな……」

吹雪「プラモデル作っても怒りませんよ?今なら」ムクリッ

提督「……今はいいかなぁ……昨日でキリ良く終わったし……今から始めるのはな……」

吹雪「そうなんですか?ちなみに、昨日は何作ってたんですか?」

提督「そこのちっこいの、最近出た奴だ」

吹雪「……あれ?これ、この間の……白いプラモデルと一緒じゃないですか?」

提督「ロクショウじゃなくてドークスだよ、同じようなもんだろって言われたらそこまでだけど」

吹雪「……違うんですか?」

提督「何が違うかって言われたらピンと来ないけど、ピコペコハンマーじゃなくなってるってのが大きな違いかな」

吹雪「へー……よくわからないです」

提督「分かるやつだけわかればいいんだ、こういうのは」

吹雪「……ふぅん……ま、いっか……」ゴロッ

提督「あぁ……」


ホーッホーッ……リッリッリ…………ホーッ……


提督「……」

吹雪「……」

吹雪「……静かな夜ですね……」

提督「……そうだな……」

吹雪「ねぇ、司令官」

提督「ん?」

吹雪「司令官の夢って、なんですか?」

提督「夢?」

吹雪「はい、司令官の昔は知ってますけど……どんなことを目標にしてるのかなぁって思って……」

提督「夢かぁ……明確な目標は無いけど……まぁ……そうだな……」ギィッ

提督「うーん……そういう吹雪ちゃんの夢は何なのさ?」クルンッ

吹雪「え?私ですか?」

提督「あぁ、俺の夢を言う前に吹雪ちゃんの夢を知りたい、目標とか夢とかあるの?」

吹雪「あ、あります!ありますけど!……その……うーん……」

提督「?」

吹雪「えっと……し、司令官から先に言って下さい!私が聞いてるんだから!」

提督「お、俺からか……」

吹雪「言えない夢なんですか?」

提督「いや、そういうワケじゃないんだけど……あぁ……まぁいいか……言っても……」

吹雪「ど、どんな夢なんですか?」ゴクリッ

提督「……妹がほしい」

吹雪「……へ?」

提督「い、いや!そういう変な意味じゃないんだ……ほ、ほら、俺って一人っ子じゃん?」

吹雪「そ、そうですね……そんな事言ってたような気がしますけど……でも、それが夢ですか?」アキレ

提督「だから、兄弟が欲しかったんだ、いや、兄妹でもいいんだ……」

吹雪「同じじゃないですか」ジッ

提督「そんな目で見るな、いやらしい意味で妹がほしいわけじゃない……その……」

提督「……一度でもいいから誰かに兄と呼んで欲しいんだよな……」

吹雪「兄……ですか……」ジト

提督「いや、だからそういう意味じゃないって……だって俺長男だぞ?」

吹雪「……まぁ……私も長女ですけど……姉の呼び名で呼ばれるってそんなにいい事なんですか?」

提督「そりゃいい事だよ、大姉妹の長女なんてそうないぞ?それに全員からちゃんと姉として慕われてるし」

吹雪(深雪ちゃん以外はちゃんと私の事を姉って呼んでるけど……というか深雪ちゃん記憶戻ったのかな……?)

提督「……いいことだと思うけどな……俺も呼ばれてみたいよ……」

吹雪「……お兄ちゃんって呼ばれたいんですか?」

提督「まぁ……兄さんでもいいし、兄貴でもいいからそういう風に呼ばれたい」

吹雪「……ふぅん……」

提督「って……こんなこと吹雪ちゃんに話しても無駄だよな……そろそろ夜も遅いし、寝る?」

吹雪「そうですね……ふぁぁ……私もそろそろ眠くなってきました……」

提督「だな……じゃあ、おやすみー」

吹雪「はい、おやすみなさい」スゥーッ

吹雪「お兄ちゃんっ」ニコッ

提督「あぁ、お休み、吹雪……って、吹雪ちゃん!?」

吹雪「何時も頑張ってるご褒美です、じゃ」パタンッ

吹雪の部屋

吹雪「……お兄ちゃん……」

吹雪「……」

吹雪「お兄ちゃんっていうか……おじさん……?」

吹雪「どっちでもいいか……」

吹雪(……って、あんなのが夢なわけ無いよね……)

吹雪(……今度、司令官のお父さんかお母さんに聞いてみようかな……)

吹雪(……それにしても、司令官の名前って何なんだろう……確か……次……何だっけ……)

吹雪(って!同居してるのに名前知らないっておかしいよ!!)ガバッ

吹雪(免許証っていう名前を知る機会があったのにあの店員のせいで見れなかったし……!)

吹雪(あぁ……どうしよう……今更名前知らないなんて言えないよ……どうしよう……うーん……)アワワ

吹雪(……よし、明日はなんとかして司令官の名前を覚えよう……免許証とか見れるかな……)

吹雪(できるだけ自然に名前を調べないと、怪しまれるよね……)

吹(にしても……じ……じ……うーん……次郎なわけ無いよね……長男だし……それ以前に苗字が……)

吹雪「…………うーん……」




提督の部屋

提督「夢ねぇ……」

提督「……」

提督「……」

提督「……」


ピコンッ


提督「ん?呉から?」カチッ



呉々厨『長門です』

出前二丁『あ、どうも』

呉々厨『療養艦娘の次の件について、お話してもよろしいですか?』

出前二丁『えぇ、お願いします』

呉々厨『感謝します、そちらにリストを転送するので確認をお願い致します』

出前二丁『はい』



提督「……タイピング遅いんだな……長門さん……」

呉鎮守府

呉督「長門さん……無理せず電話した方が……」

長門「う、うるさい……!黙っていろ……!!」カチャ…カチャ…

大淀「タイプは全ての指を使うのが基本ですよ?」

陸奥「それに、キーボードじゃなくて前を見るの」

長門「一々口を挟むんじゃない!!」

呉督「あの、……私が……」

長門「いいから……お前は黙って見ていろ……!あ、えっと……」カチャカチャ……

呉督「そこの右上です」

長門「……!!」カチャッ



呉々厨『呉鎮守府_療養艦娘リスト_430819txt』

出前二丁『ありがとうございます、確認させて頂きます』

呉々厨『お願い致します』

出前二丁『吹雪との相談に時間を要するため、返事は明日でよろしいでしょうか?』

呉々厨『そのリストの返信は明日で構いません、夜遅くに申し訳ございません』

出前二丁『了解しました、では明日の午前中には返信します』

呉々厨『お願い致します』



長門「ば、馬鹿な……二丁目提督のキーボードさばきはどうなっている……!?」

呉督「長門さんが遅すぎるんじゃ……会話が不自然になってます……」

長門「そんなはずは……」

陸奥「……あなたが遅すぎるのよ」

大淀「さすがにこのスピードは……」

長門「……くっ……もういい!大淀!後を頼む!」ガチャッ

大淀「な、長門秘書艦!?どこへ!?」

長門「……手書きの書類を片付けてから休む!提督!お前も来い!!」グイッ

呉督「っ……長門さ」

長門「先生と呼べ!!」バタンッ


陸奥「……あらあら……」

ピコンッ

出前二丁『申し訳ないです、添付していただいたテキストなんですけど、どうやら開けないみたいです……形式の確認をお願いします』


大淀「え?……あ、このテキスト……形式まで消してますね……」

陸奥「あら……長門ったら……名前変更の時に訳分からずOKにしたのね……直しときましょう」

大淀「そうですね、改めて送信し直さないと……」カチャカチャカチャ、カチッカチッ カタカタッタンッ


呉々厨『呉鎮守府_療養艦娘リスト_430819.txt』

呉々厨『大変申し訳ございません』


陸奥「……これで大丈夫ね」

提督「……」

提督「……く、空母が2人……駆逐艦が結構多いな……」

提督「お、夕張さんも居るのか……ふむふむ……」

提督「……ふぅん……」

提督「よし……これは明日吹雪ちゃんと相談して決めるかな……」カチッ パタンッ

提督「……寝よ」モゾッ

次の日 早朝

チュンッチュンッ……チュンッ

吹雪「………………」

ピピピピッピピピピッ

吹雪「…………んっ……んんぅ……」モゾモゾッ……カチッ

吹雪「…………っ……」モゾッ

吹雪「………………」

吹雪「………………」

吹雪「……………………」スヤァ






10分後

ピピピッピピピッ

吹雪「…………」

ピピピッピピピッ

吹雪「…………っんぅ……?」モゾッ モゾッ

吹雪「……ん」カチッ

吹雪「…………」ムクリ

吹雪「…………7時……」カチッ コトッ

吹雪「…………ふぁぁぁ…………っふぅ……」

吹雪「…………」ポケーッ

吹雪「…………」ヌギッパサッ 

吹雪「……あれ……制服……そっか……まとめて洗濯したんだっけ……」

吹雪「……運動着でいいかな…………パーカーって確か……2段目だっけ」

吹雪「……うん……たまにはいいかな……?」

吹雪「……さってと……」スゥーッ ガチャガチャッ

吹雪「行こ」スゥーッ パタンッ

ギィッギィッギィッ

ガチャッバタンッ

吹雪「いってきまーす……」

ガラララッ ガラララッ ピシャッ



家の前 

吹雪「んー……今日もいい天気…………ん?」

吹雪「あ、ゴミ出さなきゃ」

ガララッ ガララッピシャッ

1時間後 リビング

吹雪「ただいまー……」ガララッ ガララッピシャッ

吹雪「……あれ?司令官まだ起きてないのかな……」

ヲ級「……ヲ……」キュゥゥ

レ級「……ウー……」イライラ

吹雪「……お腹すいたね……司令官起こしてくるからちょっと待っててね?」

ヲ級「ヲヲ……」コクコク

レ級「アウウ……」コクッ

吹雪「司令官ったら……何時も夜更かしばっかりするから……」ガチャッバタンッ

ギィッギィッギィッ

吹雪「……司令官?」トントンッ

吹雪「…………しれいかーん?」トントンッ

提督『…………ゴホッゴホッ!!』

吹雪「司令官?どうしたんですか?」

提督『あ゛~……悪い……ちょっと風邪みたいだ……ゲホッゴホッ!!』

吹雪「え!?風邪!?大丈夫ですか?」スゥーッスゥーッパンッ



提督の部屋

提督「ばっ……入ってこないほうがいいって……うつるぞ?」

吹雪「でも……熱とかは大丈夫なんですか?」

提督「体温計がなくてな……さっき起きたばっかでよく分からないけど……ゴホッ……」

吹雪「じゃ、じゃあ私、取ってきます!えっと……救急箱に入ってますよね?」

提督「あぁ……入ってる……あと……ヲ級達のご飯……お願いしていいか?」

吹雪「は、はい!大丈夫です……し、司令官はおとなしくしてて下さい、今日のことは私がやるので……」

提督「わ、悪い……頼む……あ、俺の部屋に来る時はマスクしてから来た方がいい……えっとマスクの箱が……」ムクリッ

吹雪「あぁ、ほら、寝てて下さい……マスクは確か下にあったので」

提督「……本当に済まない……すぐ治すから……」

吹雪「ゆっくり治して下さい、後で飲み物と消化にいい食べ物持ってきますから……じゃあ」スゥーッスゥーッパンッ

提督「……窓開けたまま寝るもんじゃないな……全く……ゴホッ!!ゴホッゴホッ!!」

ってなわけで今回はここまで……しっかしまぁ展開の遅いこと遅いこと

長門「動けっ! 動けと言ってるんだ!!」ガンガン

電探「・・・ピコン!」

長門「やはり、機械はこの手にかぎるな!」

行きまーす!

リビング

吹雪「えっと……体温計……あれ……救急箱って確か……」パタッ ゴソゴソ

ヲ級「ヲ……?」モグモグ

レ級「……?」ムシャムシャ

吹雪「あ、大丈夫、気にしないで……えーっと……あ、あったあった……」ゴトッ パカッ

ヲ級「ヲー……」

吹雪「で……濡れタオル……じゃない、えっと……そうだ……熱さましだっけ……」ゴソゴソッ

吹雪(それ……と……おかゆも作らないと……でもおかゆって時間かかるよね……)

吹雪(スープでいいかな……でもインスタントじゃ……駄目だし……)

吹雪「うぅーん……」ムムム

レ級「……ン?」チラッ

ヲ級「ヲー……?」クビカシゲ

吹雪(消化に良くて、簡単でなるべく栄養価の高い食事……)ウーン

吹雪(雑炊……かなぁ……雑炊なら私でもすぐ作れるし……ご飯あったよね?)パタッ

吹雪(うん、十分……美味しく作れるといいけど……)

吹雪「ヲ級、レ級、お皿とかは机に置いといてくれる?後で片付けるから」

ヲ級「ヲッ」コトッ

レ級「ンー」コトッ









数分後

吹雪「……あとは……生姜をちょっとだけ……よし……これで」

吹雪「ふぅ……味見はしたけど……司令官の舌に合うかな……」コトッ

吹雪「お盆……お盆……あれ?あ、あった……あー……一応洗っとこ……」ジャーッ

吹雪「…………」キュッ フキフキ コトッ

吹雪「……よし……」

吹雪「あ、マスクしないと……」スッ


ガチャッ バタンッ ギィッギィッギィッギィッ

トントンッ

吹雪「司令官?開けますよ?」

スゥーッ スゥーッパタン

提督の部屋

提督「……すまないな……吹雪ちゃん……ゴホッ……」

吹雪「あれ?司令官もマスクしてるんですか?」

提督「まぁ……一応ね……昔母さんに言われてさ……風邪引いてる奴はマスクしとけって……」

吹雪「そうなんだ……あ、雑炊作ったんですけど、食べられますか?」

提督「あぁ……後で食べるよ……ありがとうな、朝っぱらからこんなに働かせちゃって……」

吹雪「いいえ、大丈夫です……あ、熱冷ましのシートと体温計、ここに置いときます……それと、後で水も……」

提督「本当に悪いな……」

吹雪「私は大丈夫ですよ……食べられますか?」

提督「それくらいは……大丈夫だ」ムクリ

吹雪「あ、今じゃなくても大丈夫です!えっと……ムリしないでくださいね?今日の仕事は私が何とかしますから……」

提督「……あぁ……じゃあ、えっと……そこのパソコン使ってくれ……画面の左上の担当者の欄を秘書艦に変えてくれれば、なんとかなるから」

吹雪「あ、は、はい……じゃあ……これ、コンセント抜いて大丈夫ですか?」

提督「大丈夫、一日は持つから、終わったら持って来てくれ」

吹雪「は、はい、失礼します」スポッ カチャッ

提督「あ、それと……今日中にその、療養艦娘決めることになってるから、えっと……その時は俺の部屋に来てくれるか?」

吹雪「分かりました……じゃあ、後でお水持ってくるので、ゆっくりしてて下さい……おやすみなさい……」スゥッスゥッパタン

提督「……はぁぁ……」

提督「……ゲホッゲホッ……ゴホッ……ッフゥ……ッゴホ……」

提督「取りあえず……食うかな……」

1時間後

吹雪「……っふぅ……取りあえず……一段落……かなぁ……」トスッ

吹雪(……司令官の体温は……↓2かぁ……)

吹雪(……うーん……どうしよう……)


突然ですが 提督の熱の具合は?

1.37℃代(1日で大丈夫)
2.38℃代(2日以上)
3.39℃代(4日以上)※呉の艦娘一人を吹雪だけで面倒見ることになる

吹雪「37.4℃……大したこと無くてよかった……」フゥ

吹雪「……司令官、無理してたのかなぁ……ちゃんと休ませてあげないと……」

吹雪「…………」

ヲ級「ヲヲ?」キョロキョロ

ヲ級「ヲッ……」クビカシゲ

吹雪「司令官は今日、具合が悪いの……だから私がお世話するからね?」

ヲ級「ヲー……」シンパイ

吹雪「……大丈夫、大したことないから、明日か明後日には元気になるよ」

ヲ級「…………」コクッ

吹雪「っにしても……どうしようかな……洗い物も済ませたし、特にやることがないと……」

吹雪「……お昼まで暇になるなぁ……」

レ級「ンッ」リモコンッ

吹雪「テレビ、見る?」

レ級「ンッ」コクコク

ヲ級「ヲッ」チョコンッ

吹雪「……じゃ、しばらく休憩しよっか……」ピッ

TV『瀬戸内海沖で発見された巨大棲地は』

吹雪「んー……」ピッ

TV『航空自衛隊の新型機、F-15改三は深海棲艦の』

吹雪「なにか面白いのないのかなぁ……」ピッ

TV『見てくださいこのスラっとしたなボディィ↑↑お値段なんと4980え』

吹雪「……」ピッ

TV『このお野菜、とてもいいんですよ?それに今は』ピッ フッ

吹雪「今は何も面白いのやってないなぁ……」カチャッ

レ級「……ウー……」ムムム

ヲ級「……ヲッ!」ピコーンッ ピョンッ スタッ……ゴソゴソ

吹雪「どうしたの?」

ヲ級「……ヲッ……ヲッ……ヲヲッ」ヨイショッ ヨイショッ トスッ

ヲ級「ヲッ!」スッ

吹雪「緑のカード入れ……ってこれ……司令官の免許証?これがどうかしたの?」

ヲ級「ヲッヲヲッヲヲヲヲ?」
              コンナジ
吹雪「司令官の所が「提督」じゃないって……名前のこと?……そりゃそうだよ、司令官だって人間なんだから名前くらいあるよ」

ヲ級「ヲヲ?」

吹雪「……そうだよ……でも何でこんなものを?」

ヲ級「……」ウーン

ヲ級「?」ワスレタ

吹雪「……まぁ……いいか……」

吹雪「…………」チラ

免許証『平井 次郎』

吹雪「…………片付けるね?」

ヲ級「ヲヲー」

吹雪(案外普通の名前だったんだ……というか、長男なのに次郎……意味があるのかな)

吹雪「……」ポケーッ

吹雪「…………」

吹雪「…………」ゴロンッ

吹雪「…………」

吹雪(……ヲ級もレ級も水槽に帰って寝ちゃったし……テレビは何も面白くないし……)

吹雪(……誰か居ないと暇だなぁ……)

ピコッ

吹雪「!」ビクッ

吹雪「……司令官のパソコンから?」ムクッ

吹雪「あ……そうだ……えっと……左上の担当者を……秘書艦に変更して……名前を……吹雪……と」カチッ

吹雪「……えっと……全員送信って事は……全部の施設に送られる文書……かな……」カチッ

吹雪「…………ふむふむ……」

吹雪(ヲ級さんとレ級さんのこと……横須賀からの情報……かぁ……)

吹雪(……深海棲艦の体内構造について……)グリッグリッグリッ

吹雪(………………)

吹雪(…………図面つきだと読みやすいなぁ……司令官もこれくらいちゃんとした資料が書けるといいけど……)

吹雪(へぇ……人型の体内構造は人と異なるんだ……骨格は一緒なのに……凄いなぁ……)

吹雪(……ふぅん……)


ピコッ


ヨッコさん『吹雪か』



吹雪「あ、横須賀の……えっと……これはチャットだから……返事しないと……えっと……」カチャカチャ


出前二丁『はい、吹雪です。』

ヨッコさん『奴はどうした』

出前二丁『風邪で、お休みしています。』

ヨッコさん『そうか』

ヨッコさん『お前では役に立たない、明日か明後日に伝える』

ヨッコさん『艦娘ごときに伝えていい内容ではないからな、消えろ』

出前二丁『分かりました。』


吹雪「……」ピキッ

吹雪「…………」パタンッ

吹雪「ふんっ」ゴロン

昼 提督の部屋

提督「…………」

提督「…………」

提督「保険証……とかって確か……水槽の下の棚だよな……」

提督「……病院行ったほうがいいかな……ゴホッゴホッ」

提督「……喉の風邪って治りにくいし……」

提督「……にしても……暇だ……」


リビング

ヲ級「……」スヤスヤ

レ級「クィー……」スピーッ

吹雪「えっと……食事と……風邪薬……あと、お水も替えとかないと……司令官ちゃんと飲んでるかな……」

ガチャッ バタンッ

ギィッギィッギィッギィッ……コトッ

トントンッ

吹雪「司令官?入りますよ?」スゥーッ スゥーッパタンッ



提督の部屋

提督「……あ、吹雪ちゃん……仕事はどう?」

吹雪「全然任されないです、秘書艦だからかなぁ……書類もないし……あ、食べてくれたんですね?」コトッ

提督「あぁ、美味かった…………そうか……まぁいつも仕事なんてあってないようなもんだし、そんなもんじゃない?」

吹雪「……いいのかなぁ……あ、そうだ……横須賀の人がなにか仕事を頼みたいそうです」

提督「あー……何か呉に伝えたい情報でもあるのかねぇ……分かった、覚えとくよ」

吹雪「はぁい……お願いします……」チャプチャプ

吹雪「……ちゃんと水分取らないとダメですよ?あまり減ってないじゃないですか」

提督「……あまり水って気分じゃないんだよなぁ……」

吹雪「お茶ですか?」

提督「味がないよりはマシかな……そういう問題じゃないけど……」

吹雪「うーん……じゃあそのお水を飲んだら次はスポーツドリンクを用意しますね?それなら飲めるでしょう?」

提督「あ、いいね、じゃあお願いしようかな……」

吹雪「はい、じゃあ買ってきておきますね?あと、熱さましは大丈夫ですか?」

提督「まだ冷たいし、大丈夫だな……熱は……まだ下がってないみたいだけど……」

吹雪「うーん……病院……この辺にありましたっけ?」

提督「薬局ならあったはずだけど……ほら、中学校の近くに」

吹雪「本当ですか?川沿いにそんな薬局あったっけ……?」

提督「正確には川沿いじゃないけど……ほら、処方箋受付のあそこ……名前は忘れたけど……」

吹雪「処方箋受付……あぁーあそこですか?」

提督「そそ……明日咳が残ってたら行こうかな……早く治さないと……」

吹雪「そうですね……これからのためにも風邪薬買っきましょうね?」

提督「そうだな……ゴホッゴホッ」

吹雪「……じゃあ、私はこれで……私、しばらく部屋に居ますね?」スゥーッスゥーッパタンッ

提督「あぁ、悪いな、迷惑かけて……」

数十分休憩するでち

数十分といったな、あれは嘘だ(すまんかった)

さて、そろそろ始めますか

昼 玄関前

ピンポーンッ ピンポーンッ ピンポーンッ ピンポーンッ

空母ヲ級(変装)「…………?」

戦艦レ級(変装)「出ねぇな……留守か?」

空母ヲ級「かも知れないな…………おい、帽子ずれてるぞ」

戦艦レ級「んあ……あぁ……悪ぃ」ススッ

空母ヲ級「……肌、大丈夫か?」

戦艦レ級「出てねぇ、顔も隠れてんだろ?お前も大丈夫だ」

空母ヲ級「そうか……」

ピンポーンッ ピンポーンッ

空母ヲ級「…………」

戦艦レ級「……やっぱ出ねぇな……鍵は……」

ガララッ

戦艦レ級「開いてんのか」

空母ヲ級「不用心だな……提督ー!入るぞー?」

戦艦レ級「………………あれ……返事がねぇな……」

空母ヲ級「ていとくー!?ふぶきー!?居ないのかー!?」

戦艦レ級「おーい!提督ー!!てー!いー!とー!くー!」


シーンッ



空母ヲ級「……おい、おまえた」

虫ヲ級『……』スヤスヤ

蟹レ級『クィー……スピッ……ンー……』スピーッ

戦艦レ級「……寝てるな……」

空母ヲ級「…………どうする?」

戦艦レ級「……何もなしで帰るのは味気ねぇだろうよ……少し休もうぜ」ドサッ

空母ヲ級「……それもそうか……変装は……取っていいか」ポスッ シュルシュルッパサッ

戦艦レ級「きっつくてしゃーねぇ……」ヌギヌギッ 


ヲ級&レ級「「ふぅーー……」」


prrrrr!!! prrrrr!!!


空母ヲ級「っ!」ビクッ

戦艦レ級「!」ビクンッ

prrrrr!!! prrrrr!!!

空母ヲ級「あ、あの箱から音がなってるのか……?確か……でんわ……?だったか……」

戦艦レ級「あ、あ、あえ?あ、あそうか……えっと……あれは確か遠くの人と話す装置……まぁ無線機だったな」

空母ヲ級「わ、私達が出るべきだろうか……?」

戦艦レ級「あ、あぁ……あ、アタシが出る、一応使い方は勉強してるからな……あれを取って「MOSHIMOSHI」って呪文を唱えるんだ……そうすれば話せる……やるぞ」

空母ヲ級「た、頼む……」

スッ スタスタスタ ガチャッ 

戦艦レ級「お、オホンッ!!……あー……MOSHIMOSHI!」

長門『……?』

長門『……も、もしもし……』

戦艦レ級「え、えっと……こちら、ま、前浜町二丁目鎮守府です!!そちらは?」

長門『あ、合ってたのか……呉鎮守府秘書艦、長門です……失礼ながらそちらは?』

戦艦レ級「え、えっと……少々お待ちください……デ、アッテタッケ……」 コトッ


戦艦レ級「お、おい……!呉の艦娘だ……呉の艦娘からデンワを通して会話しちまってるぞ……!!」ボソッ

空母ヲ級「はぁ!?な、何で……?」

戦艦レ級「あ、アタシが知るかよ!何の用事があるのかしらねぇけど向こうさんはこっちに用があるんだ……どうすんだよこれ……!」

空母ヲ級「いや、うろたえるな……呉の艦娘は提督が説得している……ハズ……臆するな、会話しろ!」

戦艦レ級「で、でもよ……!向こうにアタシのことなんて言えばいいんだよ……!」オロオロオロ

空母ヲ級「乗り切れ!私に聞くな!!」

戦艦レ級「あ、あぁ……分かった……!!」





呉鎮守府

長門「…………?……?」

長門(二丁目提督……もう療養艦娘を決めたのか……?聞いたことのない声だ……)

長門(……一体誰だ?まさか例の深海棲艦?)

長門(だとしたら……随分とフレンドリーな声だな……戦艦レ級の声だろうか?)

長門(っと……それよりも、今日の担当が吹雪になっていた件について、少し聞かなければ……)

長門(『ちゃっと』などより、電話で話したほうが早いからな……あんな機械にはもう頼らんぞ)フンス


二丁目鎮守府

戦艦レ級「も、もし、もし?」

長門『はい』

戦艦レ級「え、えっと……代わる、でしたっけ?えっと……誰に代わりゃ……代わればよろしいでしょうか?」

長門『吹雪に代わってください』

戦艦レ級「……は、はい!か、代わります……」コトッ



空母ヲ級「……今度はどうするんだ?」

戦艦レ級「吹雪を探すぞ、アイツに電話を渡さなけりゃならねぇ」

空母ヲ級「分かった、すぐに探すぞ、電話持っていけるか?」

戦艦レ級「任しとけ!」ガシッ

ブチッ

戦艦レ級「よし、行くぞ!!」

空母ヲ級「あぁ!」

ガチャッ バタンッ



呉鎮守府

長門「切れた?」

チリーンッ カチャッ

長門「もう一度かけてみるか……」

プルルルルッ プルルルルルルッ プルルルルルッ

長門「…………繋がらないか……」

二丁目鎮守府

空母ヲ級「…………」

戦艦レ級「…………」

空母ヲ級「扉が2つ……」

戦艦レ級「こっちのドアは……物置か」

空母ヲ級「……左からだな、早くしないと呉の艦娘が怒ってしまう」

スゥッ 


吹雪の部屋

吹雪「……スゥ……スゥ……」

戦艦レ級「……寝てる……な」

空母ヲ級「そうだな……だが、起こさなければ……おい、フブキ、起きてくれ」ツンツン

吹雪「ん……冷た……?」

吹雪「ふぁ!?へ?ヲ級さん!?レ級さんまで……え?どうしたんですか!?」ガバッ

空母ヲ級「お前にデンワ?が来ているようだ、ほら、受け取ってくれ」

吹雪「へ?電話?私にですか?」

戦艦レ級「そうだ、呉の艦娘からだ、ほら」スッ

吹雪「あ、は、え……え?」


電話「……」プラーンッ 


吹雪「…………」

吹雪「え、こ、え、これ……ちょ……」

戦艦レ級「どうした?ほら」

吹雪「…………」

吹雪「…………」ダラダラ

吹雪「ど、どうしよう……電話が……電話が……」アワワワワワ

空母ヲ級「……?」

戦艦レ級「…………え?」

吹雪「電話……壊しちゃった…………」サァーッ

空母ヲ級「…………」

戦艦レ級「…………」

空母ヲ級「嘘……だろ?嘘だよな?な?これ、壊れてないよな?」カチャッ

シーンッ

戦艦レ級「…………や、やっちまった……」ガクッ

空母ヲ級「…………なんという失態だ……」ガクッ

吹雪「ど、どうしよう……どうしよう……!!司令官の電話が……あぁ……何で……?何でこんな……あぁ……!!」アタマカカエ

吹雪「……」

空母ヲ級「……」

戦艦レ級「……」

空母ヲ級(おい)

戦艦レ級(な、なんだよ……)

空母ヲ級(人間の生活って……難しいんだな……)ガックシ

戦艦レ級(……だな……)ガックシ

吹雪「……怒られる……嫌われちゃう……私が起きてないから……私が……」グスッ

空母ヲ級(……悪いこと……したな)

戦艦レ級(……アタシがもっと物を大事にしないからこうなったんだ……今回は私が悪い)

空母ヲ級(私も、もっと勉強しておけば…………)

吹雪「……うぅ……ひぐっ……ぐすっ……うぅぅ……ごめんなさい司令官……司令官……っ」

戦艦レ級「……吹雪……」

吹雪「っく……うぅぅ……ひくっ……」

戦艦レ級「……その……」

空母ヲ級(やめておけ……今謝っても余計涙が溢れるだけだ……)

戦艦レ級(そ、そうは言っても……!)

空母ヲ級(……先にやることがあるだろう、提督に事情を説明しなきゃならない)

戦艦レ級(そう……だな……情報共有ができなくなっちまったんだ……ちょっと行ってく)

空母ヲ級(いや……待て!精神的に焦ってるお前が行ったらまた面倒になる……お前は残れ、私が行く)

戦艦レ級(じゃ……じゃあ私は何を?)

空母ヲ級(お前はフブキと一緒に居ろ、だが余計な口を挟むなよ)

戦艦レ級(……すまねぇ……頼んだ……本当にすまないな……いつもいつも……)

空母ヲ級(……罪悪感があるということは成長しているんだな、まぁ……反省を次に生かせ)スゥーッスゥーパタン



戦艦レ級「…………」

吹雪「…………」

戦艦レ級「……その……何だ……」

吹雪「…………」クスンッ

戦艦レ級「……悪いこと……したな……」シュン

吹雪「…………いいんです……知らなかったものは……仕方ないですから……」グスッ

戦艦レ級「…………」ポリポリ

戦艦レ級「……うん……その……本当に……あの……」

吹雪「……」

戦艦レ級「……」

戦艦レ級(ちったぁ……勉強しねぇとな……)


テ、テイトク!? ドウシタンダ!? ダイジョウブカ!? ツライカ? カ、カゼ!? キョウハカゼフイテナイガ……

提督の部屋

提督「……え!?」

空母ヲ級「……と言うことだ……済まない……」シュン

提督「……マジか?ゴホッ!!ゴホッ!!」

提督「……そっかー……やっちまったなぁ……」

空母ヲ級「……どうすればいい……私に出来ることがあるなら言ってくれ」

提督「うーん……じゃあ……いや……大丈夫かな……ゴホッ」

空母ヲ級「……何か、無いか……?」

提督「そうは言ってもなぁ……電話線とかは大体何とかなるし、お金なんか要求できないし……」

空母ヲ級「…………力仕事なら得意だ、棲地に取りに帰っていいなら艦載機だって出せる」

空母ヲ級「それにあの子……レ級も使っていい、何でもする……提督が望むなら……いやらしいことも……やる……」

提督「それは大丈夫だ、そこまで鬼畜じゃないよ……じゃあ、そうだな……」

提督(一番やってほしいことは……まぁ看病かな……あとは……そうだ、川の全貌も知っとかないと……)

提督(後は最近物騒になって漁船があまり出られなくなってるみたいだし……漁船の護衛……かな)

提督(後は……うーん……)


何してもらう? ↓3

1.ヲ級とレ級に看病してもらう

2.艦載機を使って川の全貌を撮影してもらう

3.これから漁船をさり気なく護衛してもらう

4.しばらくの間話し相手になってください

5.自由安価(良心的なものよ? それ以外は安価↓)

提督「看病……かな……」

空母ヲ級「かん、びょう?……すし?という食べ物に」

提督「それはかんぴょうだ、風邪っていう体の異常を直すために協力して欲しいんだ……ゴホッ」

空母ヲ級「……人間は大変だな……見るからに辛そうだ……この異常を直せばいいのか?」

提督「そう、だけど……優しくしてくれよ?」

空母ヲ級「な……!お前……それはどういうことだ……?」カァァ

提督「だぁぁぁッ違う!そういう意味じゃない!えっとだな……こう……強制的に直すんじゃなくてゆっくり……って事だ」

提督「……ゴホッ!ゴホッ!」

空母ヲ級「だ、大丈夫なのか……?」サスサス

提督「あぁ……大丈夫だ……咳さえ収まれば……」

空母ヲ級「せき?」

提督「んー……そうだな……色々教えていくか……」









空母ヲ級「……脆いのか頑丈なのかわからないな……人間というのはデリケートな生き物だ……」

提督「ヲ級ちゃんやレ級ちゃんにはそう言ったのはないの?」

空母ヲ級「特に……無いな、いつも同じ時間に起きて同じ時間に寝ているからかも知れないが……」ウーン…

空母ヲ級「だが、乾燥が進むと目がかすんだりふらついたりするな……そういうものなのか?」

提督「そういうものなのかな……深海棲艦についてはよく分からない……」

空母ヲ級「……まぁとにかく、私はお前の体が治るまで面倒を見ればいいんだな?」

提督「そういうことだな……と言っても……うーん……」

空母ヲ級「アイツも呼んでくるよ……それと、電話の件、すまなかったな……」

提督「気にするな、新しいのに変えるきっかけを作ってくれたって思えばなんてことはない」

空母ヲ級「……そうか……じゃあ、すぐに戻る」スゥーッ スゥーッパタン

数分後 提督の部屋

戦艦レ級「……まぁ……あの……色々教えてもらったから……問題無いと思う……」

吹雪「……あの……司令官……」

提督「二人共、そんなに気にしないでいい、いつも通りに振る舞ってくれ」

戦艦レ級「う……うん……じゃあ、その……汗、拭くから上、脱いでくれるか?」

提督「あぁ、分かった……」ヌギッ

戦艦レ級「……ありがと……」パタッ フキッ

吹雪「……」

空母ヲ級「……腕と背中で肌の色が違うな……フブキもそうなのか?」

吹雪「あれはTシャツ焼けって言うんです……本来の肌は背中の部分なんですって」

空母ヲ級「……へぇ……」

戦艦レ級「……でかいな……提督の背中って……力加減はどうだ?」フキフキ

提督「いい感じだ、そのままの力加減でいいよ、続けてくれ」

戦艦レ級「……あぁ……」


空母ヲ級「……少し、2人にするか……」ボソッ

吹雪「……えぇ、じゃあ、ヲ級さんには料理を覚えてもらおうかな……」ボソッ

空母ヲ級「料理か……横須賀で大失敗してしまったからな……不安だ」

吹雪「大丈夫ですよ、私が隣で見ますから、レ級さんよりは安心できるでしょう?」

空母ヲ級「アイツで安心できるところがあるなら教えてほしいな……まぁいい……教えてくれ」

吹雪「はい、あ、司令官、私達下に降りときますね?」

提督「あいよ、ヲ級ちゃんのこと任せたよ?」

吹雪「はい!では……」スゥーッ

空母ヲ級「……分ってるな?」ジロッ

戦艦レ級「…………うん」

空母ヲ級「……なら、いいんだ」フッ

戦艦レ級「……うん」

空母ヲ級「……じゃあ、失礼する」スゥーッパタンッ

シーンッ

提督「……レ級ちゃん」

戦艦レ級「提督……ごめん……アタシ、とんでも無いことしたんだよな……」フキッフキッ

提督「……まぁ、いい事ではないな、でも、反省してるだろ?」

戦艦レ級「してるけど……アタシ……馬鹿だからまた同じこと繰り返すかも……」フキッ

戦艦レ級「気をつけよう、気をつけようって思っても……アタシは……私は……馬鹿で……!!」ギュゥッ ギュッ!!!

提督「いででででっ!!?アカスリじゃないからこれっ!!もう少し優し……って!削れる削れる!!」

戦艦レ級「あ……ごめん!!私また馬鹿な事……ごめんな?痛かったか?ごめんな……?血出てないか?」

提督「あ、あぁ……大丈夫……ふぅ……まぁ、そうだな……少しずつだ、少しずつ」

戦艦レ級「…………」

提督「人間じゃない子が人間の生活を覚えるんだ、いきなり全部なんか出来ないよ」

戦艦レ級「……うん」コクッ

提督「……頑張っていこう、皆一緒ならすぐに覚えられるよ」ポンッ

戦艦レ級「……あぁ……アタシ、頑張る……」

提督「あぁ、がんばろう」

よし、一段落かな……本編はこの辺で終わろう、暫く寝る!

11時かその辺りに始めよう

さて、やりますか

深海 北方海域 

北方棲姫『…………許せない……!!』ギリッ

北方棲姫『私が……!!私がこんな屈辱を…………!!!』ギリリリッ!!!!

北方棲姫『…………くぅぅぅ!!!!何なのよ……なんだって言うのよ!!!』ダァンッ!!

重巡リ級『ひ、姫……落ち着いて……』

北方棲姫『ノーマル風情が口を挟むんじゃない!!!』ギロッ!!!

重巡リ級『っ……姫……』

北方棲姫『……あと一息……あと一息だったというのに……!!』ガンガンガンッ!!!

北方棲姫『く……全部あの役立たずのせいよ!!!アイツらが裏切らなかったら……!!!』

北方棲姫『…………あいつらのせいで……!!あんな屑……!!ヲ級……レ級……!!!!』ガシッ!!ギリギリッ!!

軽巡ツ級『姫……あの子達は……』

北方棲姫『なんで……!!なんでよりにもよってあの子達が裏切るのよ…………!!!』ガクッ

北方棲姫『ヲ級もレ級も……仲が良くて…………一緒に協力して……海を守るって……言ってたのに……!!』

北方棲姫『何で……何で人間なんかに…………海を汚す奴らの所に……あんな奴らに……うぅ……』

北方棲姫『…………なんで……』

重巡リ級『……』

軽巡ツ級『……』

北方棲姫『……出て行って……あんたらの役目は終わりよ……』グスッ

重巡リ級『……失礼します、行くよ』

軽巡ツ級『……』ペコッ




重巡リ級『……ねぇ、顔出したら?戦闘中じゃないんだし……』

軽巡ツ級『……』パカッ

軽巡ツ級『……そうね……で……どうするのよ……あれ』

重巡リ級『どうするもこうするも……あれはどう考えても時間が解決する問題じゃないし……』

軽巡ツ級『……全く……あの2人も面倒な時に裏切ってくれたわね……』

重巡リ級『……嘆いても仕方ないよ……とにかく、これからどうするか決めないと……』

軽巡ツ級『……裏切った2人を探し出して……説得でもする?』

重巡リ級『……そんなこと出来ない……でも思うんだ……本当にあの2人は裏切り行為を犯したのかなって……』

軽巡ツ級『どういうこと?』

重巡リ級『…………あんな忠誠心の塊のようなヲ級さんがいきなり裏切りなんてしないよ……レ級さんはともかく……』

軽巡ツ級『あの馬鹿ならともかく……でもあの馬鹿にそそのかされたって事も……』

重巡リ級『ボクの嘘をすぐに見抜くんだよ?あの人……ヲ級さんが騙されるなんて絶対ないよ……』

軽巡ツ級『……そう……でもあの2人が人間側に付いたのは事実……見つけたわあの2人を沈めないといけないのは変わりないわ……どうするのよ』

重巡リ級『……でも、君は今まで仲間だったあの2人を沈めるなんて……できる?』

軽巡ツ級『……』

重巡リ級『……』

重巡リ級『はぁぁ……何で裏切っちゃったのかなぁ……どうするのさ……北方艦隊の生き残りは姫とボクらだけだし……』ガックシ

軽巡ツ級『……ヲ級改先輩はどうなの?あなたが救出したんだし、生きてるんでしょ?』

重巡リ級『……まぁ……ね……でも何時起きるかわからないよ……あんな損傷じゃ……』

軽巡ツ級『……割と絶望的ね……ミッドウェーとアリューシャンでこれほどの損害が出るなんて……』

重巡リ級『……どうしょう……これじゃ次艦娘が来たら対応できないよ……』ガックシ

重巡リ級『……』

重巡リ級『…………』

軽巡ツ級『…………』

ピピピーッ!! ピピピーッ!! ピピピーッ!!

重巡リ級『!』

軽巡ツ級『侵入警報……!?』

・・・・・!!・・・・・・!!

重巡リ級『大型戦闘機影……!!例の新型……!?』

軽巡ツ級『レーダーに反応しないタイプ!あの2人のせいで散々よ!もう!!』

重巡リ級『言ってる場合じゃない!ツ級!行くよ!!』グゥゥンッ ドシュゥーッ!!

・・・・・・・!!・・・・・・・・!!!

重巡リ級『……何だって……!?港湾様が!?それは本当!?』

軽巡ツ級『本当みたいね……左見なさい』

重巡リ級『?』

ヒュンッ ヒュンヒュンッ!!・・・・・・・・・・・・バシャァッ ゴォォォォッッ!!!!

重巡リ級『あれは……港湾様の攻撃隊……?』

軽巡ツ級『……援護に行くわよ、必要ないかもしれないけど』ドシュゥーンッ!!

重巡リ級『う、うん……!』ドシュゥーッ!!

バシャァァッ!!


海上 北方海域

重巡リ級(……ツ級!あれ!!)

軽巡ツ級(あの大型機…………っ!……煙!リ級!!避けて!!)

ガガガッ!!!チュンッチュンッ!!カカカァンッ!!

重巡リ級(っ!?)

ヴヴヴーーーンッ!!!!!!!! キィィィィーンッ!!!!

軽巡ツ級(……あれが……人間の乗ってる兵器……何なのよあの機関砲の連射力……!!)

重巡リ級(……あの迷彩柄……あの猫艦戦のジェット色……間違いない……!!新型だ!!)

軽巡ツ級(くっ…………機動も猫艦戦そのものじゃない!!……あの2人のせいで……!!!)

重巡リ級(恨み言は後!今はあの兵器を倒すしかないよ!!)ジャキッ!!ドォンッドォンッ!!

軽巡ツ級(そうね……!!ったく……!やるしか無い!!)ドドドドォンッ!! バララララッ





二丁目鎮守府 提督の部屋

提督「……」グーッ

戦艦レ級「……提督……」ポンッ

提督「……」スピーッ

戦艦レ級「…………マシになってきた……な……セキも減ってきたし……」

戦艦レ級「……」

戦艦レ級「……体、乾いてきたな……一旦棲地に戻るか……」

テトラ棲地

戦艦レ級『ふぅーっ……あれ、お前も居たのか』ジワァァァッ

空母ヲ級『……フブキに事情は話している……すぐに戻るつもりだ』

戦艦レ級『そーかい…………』

空母ヲ級『…………』

戦艦レ級『…………』

空母ヲ級『……なぁ』

戦艦レ級『あん?』

空母ヲ級『……これで何度目かは知らないが……私達……これで良かったんだよな……』

戦艦レ級『良かったんだよ……それに今更戻れねぇしな……』

空母ヲ級『……お前は、いいのか?戦艦レ級としてのお前はもう存在しないんだぞ?』

戦艦レ級『……戦えなくなるのは確かに辛いけど……でも、今の生活は十分楽しい、アタシはそれで十分だ、後悔しても始まんねぇよ』

空母ヲ級『……そうか、ならいいんだ、ただ聞いてみただけ、じゃあ私は先に行くぞ』

戦艦レ級『んー、じゃあなー……』

戦艦レ級『…………』フゥ

戦艦レ級(……)ガシャッ クィーンッ

戦艦レ級(……あ、摩耶の弾……まだ持ってたんだな……)カチャッ

戦艦レ級(…………もう必要ねぇ……かな……)

戦艦レ級(……)

戦艦レ級(……)スィーッ ザバァッ

戦艦レ級「行くか……」ウィィーンッ ドシュゥゥーーンッ!!



太平洋上

戦艦レ級「……」

戦艦レ級「……」グィーンッ カチャッ 

戦艦レ級「……」ガゴォンッ グバァッ!!

戦艦レ級「景気付けに一発……過去のとのお別れの一発だ……」

戦艦レ級「…………どこに撃てば……ん?」


重巡リ級『港湾艦載機……!くっ……全滅したの……!?ツ級!大丈夫!?』

軽巡チ級『……ごめん……迷惑かけて……』

重巡リ級『大丈夫……ぐぁっ!!』ガガガガッ!!


戦艦レ級「……あ、あいつら……まさか姫の……!?」

戦艦レ級「…………と、届く……けど……!!」ジャキッ グィィィィン……

戦艦レ級「……でも……アタシは……アタシはどっちを撃てばいいんだ……!?」

戦艦レ級「……人間を撃てば……提督を裏切ることになる……!!」

戦艦レ級「でも……あいつらを撃てば……本当に姫と敵対関係に……!」

戦艦レ級「……でも……でもほっとけねぇよ……!!」カタカタ

戦艦レ級「……はぁっ……はぁ……!!どうする……!!どうすりゃいいんだアタシは……!!」

戦艦レ級「…………」

戦艦レ級「…………」

戦艦レ級「…………」

戦艦レ級「っ……っっ…………」ガゴッ…カチッ

戦艦レ級「は……はい……きょう……」ピーンッ パシッ

戦艦レ級「…………う……撃てない…………」

戦艦レ級「…………アタシは……どっちも裏切れねぇよ……」ガクッ

戦艦レ級(……姫も、提督も、どっちも信頼してんだ……)

戦艦レ級(…………)

戦艦レ級(…………リ級……ツ級……)


重巡リ級『は……ふぅ……うぅっぐ……!!』ダラダラ

軽巡ツ級『……あなた……血が……撤退を!早く!!』

重巡リ級『いい……まだ僕はやれ……あぐ……あぁぁ!!』ガクッ


戦艦レ級「……!!」


キィィィィンッ!!


戦艦レ級「やめ……やめろ……!!」


重巡リ級『……!!』

軽巡ツ級『……』ギュゥッ


戦艦レ級「――!!!」

戦艦レ級(逃げろ!!お前ら!!)


重巡リ級(はっ……レ級さ)


ドドドドドォォォォンッ!!!

ヴヴヴーーーーンッ!!!


戦艦レ級「!!」

戦艦レ級「……」

戦艦レ級「…………」バシャァッ

戦艦レ級「ひ……姫…………」

戦艦レ級「……私は……私は正しいこと……してるんだよな……?」ガクッ







吹雪の部屋

吹雪「つまり、電話っていうのは……電話線っていう線とコンセントでつながっていて……」

空母ヲ級「……ふむふむ」

夜 提督の部屋

提督「……何か……忘れてるような……」スマホトリダシ

提督「…………」

提督「……あ゛」

提督「…………」ムクリッ

提督「療養艦娘……決めとかないと……」

提督「……晩飯の時に聞くかな……呉の艦娘……誰にしようか……」

気が付いたら朝になってた、な、何が(ry

ふぅ、今日は寝落ちしないぞ、さぁ書こう

夜 提督の部屋

提督「確か、優先順位的には呉の主力になる正規空母の二人組を預かって欲しいんだっけか……」

提督「……あの2人の食いっぷりが噂通りなら……一緒に暮らすとなると……」ポクポクポクポクチーンッ

提督「……赤城さん一人でも月に数十万は食費で吹っ飛ぶな……」アハハハハ…

提督「……まぁ、吹雪ちゃんが望むなら招き入れるさ……あぁ……そうしよう」

提督「…………」


トントンッ


吹雪『吹雪です、夕食……食べられますか?』

提督「うん、大丈夫、入っていいよ」

吹雪「……失礼します」スゥーッ スゥーッパタン

提督「ありがとう、2人は?」

吹雪「……それが、レ級さんが見当たらないみたいで、ヲ級さんはレ級さんを探しに行ってます、司令官の所には来ませんでしたか?」

提督「いや、俺の所には来てないけど……え?居ないの?」

吹雪「はい……あまり遠くに行かないようには言っていますが……どこに行ったんでしょう……」ウーン

提督「…………心配だな……ゴホッ」

吹雪「……司令官、熱は?」

提督「熱は下がったけど、少し咳が残ってるみたいだ……明日薬局に言って咳止め買ってくるよ」

吹雪「下がったんだ……良かった……」

提督「吹雪ちゃんの看病が良かったからだな、ありがとう」ポンッ

吹雪「もう……心配したんですから……これからはちゃんと体調管理をしてくださいね?」

提督「善処するよ……」

吹雪「……お願いしますね?」

提督「あぁ……あ、そうだ、吹雪ちゃん、パソコン持ってきてくれない?」

吹雪「パソコン?何かやるなら私が」

提督「いや、何をするってわけじゃなくて、吹雪ちゃんと相談したいことがあるからさ……ほら、呉のあの件」

吹雪「呉……?あぁ……療養艦娘のことですね?でもそれって長門秘書艦に聞かないと」

提督「リストは昨日のうちにパソコンに入れてるからさ、それを見て一緒に考えようと思って……お願いできるか?」

吹雪「あるんですか?じゃあ、すぐに持ってきますね?」スゥーッ スゥーッパタン

提督「……さて……誰にしようかな…………」

吹雪「司令官、えっと……どこ開けばいいんでしょうか?」スゥーッスゥーッパタン

提督「あー、デスクトップの左上に療養艦娘リスト~的なメモあるだろ?それ開いてくれ」

吹雪「え、はい……えっと……これ?」トンッ

吹雪「あ、出ました、これですか?」

提督「あぁそれそれ……今回はペアでの療養も視野に入れてるみたいでさ……」

吹雪「ペア……ですか?赤城さんと加賀さん……とかでしょうか?」

提督「まぁ、そんな所だな……療養期間は艦娘に寄るらしいけど……」

吹雪「平均で2週間……今回は結構長いんですね」

提督「戦闘が一段落したからかな……重傷の加賀さんは1ヶ月の療養を希望してるみたいだ……」

吹雪「へぇ……左腕の骨折……リハビリに1ヶ月……長いような気がしますけど……」

提督「弓みたいな武器を扱うんだ、万全の状態にしておきたいんだろう、」

吹雪「……うーん……決めにくいですね……」

提督「だなぁ…………うーん……よし……俺は決めたぞ……この子にしようと思う」

吹雪「あ、私もそうしようと思ってました!」

提督「よし、じゃあ決まりだな……」


療養艦娘は誰だぁ!! ↓5

1.赤城さん

2.加賀さん

3.北上様

4.大井っち

5.ヒエー

6.金剛デース

7.響

8.赤城&加賀

9.北上様&大井っち

10.デース&ヒエー

11.ハラショー&なのです

12.電

わすれてた こっから↓5

吹雪「北上さんと大井さん……魚雷のスペシャリストであるお二人に色々教えてもらいたいです」

提督「どうせ2人で療養するなら仲の良い2人の方がいいよな……よし、この二人にしよう」

吹雪「はい!」

提督「…………」

提督(……何だ、この妙な胸騒ぎは……決めといてなんだが……すごく不安になってきたぞ……)

吹雪「司令官?」

提督「ん、いや……何でもない、とりあえずこの二人だな?言っとくよ」

吹雪「……?は、はい…………」

提督「…………」

吹雪「…………」

吹雪「…………」ゾクッ

吹雪「…………??」

提督「どうした?」

吹雪「いえ……なんだか……寒気がして……隙間風でも吹いてるのかな……」キョロキョロ

提督「それはないはずだけど……」

吹雪「……うーん……何だったんだろう……あ、司令官……電話……」

提督「携帯があるからその辺は問題ない、今から電話するよ」

吹雪「はーい、じゃあ、また来ますね」スゥーッスゥーッパタン





数十分後 呉鎮守府 医務室

大井「……北上さん、お体は大丈夫ですか?」ユサユサ

北上「んー……大丈夫だよ大井っち……いつもごめんね?」

大井「……汗、かいてますね……拭きましょうか?」

北上「ありがとね、大井っち、じゃあ……お願い」ヌギッ

大井「……」コクッ

大井「……こんなに……傷が……北上さん……」

北上「そんなに気に病まないでよ、大井っちのお陰でこれだけの傷で済んだんだからさ」

大井「……もっと私が早く来られたら……」フキフキ

大井「…………っ……あの駆逐艦共……!!北上さんを……良くも……!!」ギュッギュッギュゥゥゥゥ!!!

北上「あ、あの……大井っち?何か強くない?って強いっ強いって!?やぁめーてぇよぉー!!!!!」


ガチャ

長門「北上、大井、いるか?」

長門「……寝ているのか……カーテン開けるz」

大井「北上さんは私が守ります!!だから……!!」ギシッギシッ!!

北上「い、いやぁ……その気持はありがたいけど……つよっ!強いってぇ!!もっとやさしく……」ギシッ ギュッ


長門「……」

長門「……邪魔したな……」

ガチャッ

バタン

提督「…………」

提督(……合計12回位は聞き返されたな……)


長門【本当にあの2人でいいのですか?その選択に後悔はありませんね?】


提督「第五遊撃部隊の旗艦大井さん……そして……3番艦だったか?あ、いや違う、3番艦は白雪ちゃんだった」

提督「……何番艦かの北上さん……そんなにヤバいメンバーなのか?初対面ではそうヤバイ人には見えなかったが……」

提督「…………ど、どんな人なんだろう……?不安だな……」






呉鎮守府 司令室

北上「あたしが……前浜町の療養艦娘に?」

呉督「……の……だ……ほし……?」

大井「…………?」

北上「………………え?……ごめん、提督……もう一度……」

呉督「…………を……ほしい……………………?」

長門「二丁目提督からの要望だ、大井と北上両名の療養を認める」

北上「あ、え、はい……でも、いいんですか?加賀さんや赤城さんを先にしたほうが……」

長門「二丁目提督の希望だ、簡単に取り下げることは出来ない」

大井「わ、私も!私も療養に向かうのですか!?」ピシィッ!!

長門「そうだ、大井…………その……何だ……程々にな」

大井「わかっています!北上さm……さんの為ですもの!!」

大井「要するに!北上さんの療養の邪魔になるものは一つ残らず炭に」

呉督「いや!待て!待つんだ大井!!」

大井「……」キッ

呉督「……おおい……さま……その…………」モジョモジョ

長門「…………はぁ……」

呉督「せ……先生……」

長門「……大井、くれぐれも二丁目提督と吹雪に迷惑をかけないように……」

大井「勿論です、二丁目提督も吹雪も北上さんのために働いているもの!」

大井「……深海棲艦の存在しない海の上で北上さんと合いを語り……前浜町の灯台が私達の愛を……」

長門「あの灯台は壊れているがな……」アハハ

大井「そうよ……川の流れのように静かな海で……2人で……ふふふ……!深海棲艦が居ない海なんて何年ぶりかしら……」

北上「久しぶりだよねぇ……平和な海なんて……久々に羽伸ばそっかぁ」

大井「はい!」



長門「……」

呉督「……」

長門「……不安だな」

呉督「……」コクリ

テトラ棲地 海底

空母ヲ級「……こんな所に居たのか……あちこち探しても居ないと思ったら……」

戦艦レ級「…………」

空母ヲ級「…………」フゥ

空母ヲ級「どうしたんだ?さっきまであんなに元気だったじゃないか……嫌なことでもあったのか?」

戦艦レ級「…………」

空母ヲ級「……話したくない事なのか?」

戦艦レ級「…………」コク

空母ヲ級「……そうか……」

戦艦レ級「…………」

空母ヲ級「なら、無理して話す必要はない、隣、座るぞ」

戦艦レ級「…………」コクッ

空母ヲ級「…………」

コポコポ……

戦艦レ級「…………」

空母ヲ級「……久しぶりだな……こうやって海底でボーっとするのは……」

戦艦レ級「…………」

空母ヲ級「……隠れ棲地では、こんなに暗い海底じゃなかったからな……この深さでボーっとするのは……1年ぶりくらいだな」

戦艦レ級「…………」

空母ヲ級「ル級と喧嘩して棲地から一時的に追い出された時以来だったな……あの時もお前を探してたっけ……」

戦艦レ級「…………」

空母ヲ級「…………」

空母ヲ級「…………」フゥ

空母ヲ級「…………レ級」

戦艦レ級「…………」ピクッ

空母ヲ級「……この暗さじゃ暗視にしなきゃ顔が見えない」

戦艦レ級「…………」

空母ヲ級「不安なら、目を瞑っておく」

戦艦レ級「……ヲ級……」

空母ヲ級「それに、お前と私の仲だ、歯を食いしばって耐える必要はないよ」

空母ヲ級「涙が溢れそうなら、枯れるまで泣いてしまえ、ここなら泣き顔を見られる必要はないんだ、有効に使ったほうが得だぞ?」フッ

戦艦レ級「…………」

戦艦レ級「…………じゃあ……目を瞑って……耳を塞いでくれ……」

空母ヲ級「……なら、一旦離れ」

戦艦レ級「待って」ギュッ

空母ヲ級「……」

戦艦レ級「行かないで……」

空母ヲ級「……あぁ……分かった……耳を塞ぐし目も瞑る…………これでいいか……?」

戦艦レ級「…………」

----------------------------------------------------------

空母ヲ級(……何も聞こえない……何も見えないが……レ級が私に抱きついて小さな肩を震わせてるのは分かる……)

空母ヲ級(……何があったかは分からないが……辛かったんだろう……)

空母ヲ級(私に出来ることといえば……この小さな体を優しく抱き寄せる事だけか……)

夜中 提督の部屋

提督「え゛!?あ、明日ぁ!?」

提督「え、えぇ……構いませんが……」

提督「……わ、わかり……ましたぁ……じゃあ、そういう風に用意しておきます……で、何時くらいに?」

提督「夕方……ですね?ふむふむ……して、期間は?……2週間……ふむふむ……」カキカキ

提督(……実家に帰る期間は……3日だから……まぁ、一緒に行けばいいかな……)カキカキ

提督「……となると、大体8月の……終わりですね、それまでは一緒にって事で……はい、はい分かりましたー……」スッ

提督「ふむ……スマホも中々使えるもんだな……持っててよかった……」

提督「……しかし明日か……となると……夕方までに咳を直しとかないとダメってことだな……」

提督「中々……ハードな一日になりそうだ……」スッ コトッ

提督「寝る!」



リビング

ヲ級「ヲー……ヲヲヲ」

吹雪「え?そうなの?」

ヲ級「ヲッ」コクコク

吹雪「そうだったんだ……レ級は手伝ったの?」

レ級「……」フルフル

吹雪「って事は……あの水道管はヲ級一人で?」

ヲ級「……ヲヲ」シュン

吹雪「ううん、正直に話してくれてよかった、ありがとう」

ヲ級「ヲッ……ヲヲ?」

吹雪「うん、いい子っ」ナデナデ

ヲ級「ヲヲ……ヲヲヲ……」テレテレ

レ級「っ……」ナデナデ

吹雪「……いい子……いい子だよ……」ポンッ……ポンッ……

ヲ級「ヲヲッ……ヲッ……ヲー……」ウトウト

ヲ級「ヲ……ヲッ……ヲー……」カクッ

ヲ級「…………ヲ……」スヤスヤ

レ級「オー」スゴイ

吹雪「レ級もする?もう寝る時間だよ?」

レ級「ンー……」

レ級「ン」フルフル

吹雪「自分で寝るの?眠れる?」

レ級「レッ!」ニカッ

レ級「……ヲキュ……ヲキュ」ユビサシ

吹雪「うん、分かった、じゃあちゃんと寝てね?」

レ級「ンッ!」グッ

吹雪「……うん、じゃあね?」チャプッ 

ヲ級『ヲ……ヲ……』スヤスヤ

レ級『ンー』バイバイ

呉鎮守府 医務室

大井「……」

大井「……っ」ズキッ

大井「…………」

北上『どしたの?大井っち』

大井「い、いえ!北上さんは何も気にしないで!」

大井(……二丁目鎮守府で療養した艦娘は皆完治して帰ってくるって言われてるけど……)

大井(……私の肩は……治せるのかしら…………?)

北上「…………っぅあう……あぁ……うぐぅうう!!!!」ガタァンッ!!

大井「……!?北上さん!?」ガタッ シャッ!!

北上「あ、足が……っ……痛い……痛いいい!!」ググッ……!!

大井「……足!?……見せて!北上さん!」バッ

大井「……!!これ……」

北上「きっと……左足に直撃した魚雷が……っ……深海棲艦の……魚雷はぁっ……体にあたったらヤバイって……!」ズキズキ

大井「こんな……酷い……!!なんとかして治す方法は……!?」

北上「……入渠ドックで治らない傷は……何年もかけなきゃ治らない傷だし……っ……うぅ!!」ズキッ

大井「こ、この傷は……長門秘書艦や提督には……」

北上「見せれるわけ……ないじゃん……こんな傷見せたら、航行不可能で解体されちゃうよ……」

大井「で、でも!」

北上「あたしは……大井っちともっと一緒に居たいから……人間と同じ姿じゃ大井っちに会える時間が極端に減っちゃうし……」

北上「…………それに、二丁目鎮守府に行けば……きっと治せるよ……こんな傷……っくぅ……!!」ズキッ

大井「き……北上さん……」

北上「だから……さ……心配しないで……明日も一緒に居ようね……?」

大井「……はい……大好きです、北上さん……」

北上「あたしもっ……じゃあ……」シャッ

大井「…………北上さん……」

大井(……)

大井(……なんとしても北上さんを助けないと……)

大井(……二丁目……)

大井(療養鎮守府なら……北上さんを助けることくらい……出来るわね……!?)




二丁目鎮守府 提督の部屋

提督「……」ビクッ

提督「……寒気……?まだ治ってないのかな……」

危ない……ふぅ……切りが良いし、今日の所はこのへんで失敬しましょうかな……
うーむ……

さて……やりますか

次の日 朝11時 後乃木市 電器屋『河城電器』前

提督「…………」カサッ

提督「……まだ開かないのか……?」

提督「…………薬局はとっくに開いてたのになぁ……」

提督「新しい電話……はぁ……まぁ仕方ないか……」

ガチャッ バタァン

店員「……ん?」

提督「お……?」

店員「どうしたのさ、うちに開店前から来るなんて珍しいじゃない、急ぎの用?」

提督「えぇ……まぁ」

店員「どんな用さ、簡単な事なら今すぐやったげるけど」

提督「簡単……じゃないかもしれないけど……」

店員「修理?」

提督「まぁ、そんなとこかな……この電話なんですけど……」ゴソッ ジィーッ ゴソゴソッ カチャカチャッ

店員「……電話カバンに入れてきたんだ……ふむふむ……結構派手に引きちぎったねぇ……」

提督「申し訳ない……」

店員「モジュラ直結?」

提督「いえ、何か機械を経由してました」

店員「ふぅん……じゃ、新しい電話線だけでいいか……終端……ってかその機械は壊れてない?」

提督「はい、問題なかったです」

店員「んー……ちなみに今いくら持ってんの?」

提督「7万ありますけど……」

店員「修理に7万?もしかして新しいの買うつもりだったの?」

提督「え?えぇ……修理できるならお願いしたいですけど……」

店員「まだ使えるじゃん……ったく……どいつもこいつも勿体無いことするなぁ……すぐ修理するから待ってな」

提督「あ、はい……お願いします」

ミンナコワレタラスグステルケド…ダレガショリスルトオモッテンノサ…コウリンドウニモゲンカイガアルッテ…

ガチャッ バタン

提督「……」

提督(普通新しいのを勧めるものじゃないのか?電器屋って……)

ガチャッ バタン

店員「はい、終わったよ」スッ

提督「は、早……ありがとうございます……えっと……お金は……」

店員「こんな作業に金とるバカがどこに居るのよ、いらないいらない、はい、新しい電話線」スッ

提督「え、で、でも……」

店員「いいからさっさと帰んな、人間の道具の修理ごときに金なんかいらないって、ちゃんとノボリ見てる?」ユビサシ

ノボリ『電化製品修理無料サービス実施中!』

提督「……あ、あぁ……そうだったんだ……」

店員「……そういうこと、さ、帰った帰った、わたしゃ開店準備に忙しいんだ」シッシ

提督「あ、はい……すみません……ありがとうございます!」

タッタッタッタ

店員「……さって……今日の廃棄は……これとこれと……んしょ……」 ヴーン ポイッ

店員「……ホント……不気味だなぁ……このスキマ……ゴミ処理にはいいけど」

待て待て、やっとパソ子ちゃんが生き返ったんだ……すまない……本当に

済まなかったな、改めて始めよう、3時ちょっとまでは行ける

PC「休ませて貰うでち……」

昼 前浜町 リビング

提督「というわけで……無料で修理してもらったんだ…………よし、これでかかるな……」カチャッ ピポパピ…

吹雪「へぇ……今時珍しいですね……最近じゃどんなサービスも有料でしょう?」ペラッ…ペラッ…

提督「うん、最近はパソコンのセットアップから何から何まで全部有料なんだ、でもあそこは違うだよな……」ムムム

吹雪「…………」ペラッペラッ

提督「……?」

吹雪「……ん?」

提督「何それ」

吹雪「何って……漫画ですけど?」

提督「漫画?」

吹雪「えぇ、読みます?少女漫画ですけど」

提督「…………ち、ちびまるこちゃん……また古い漫画だな……」

吹雪「知ってるんですか?」

提督「国民的なアニメだったな、懐かしい……ちょっと読んでいい?」

吹雪「そうだったんだ……えぇ、どうぞ……あ、汚さないでくださいね?」

提督「汚れる要素がないだろ……」ペラッ

吹雪「……念には念を押さないと……不測の事態はいつ起きてもおかしくないですから」

提督「ま、一理あるか……」ペラッ

提督「…………」ペラッ

吹雪「…………」ペラッ











2時間後…

提督「深い話だな……割と読み応えがある……」

吹雪「でしょう?」

提督「あぁ…………って……今何時だ?」ゾクッ

吹雪「え?2時45分ですけど……」

提督「……まっじか!!」ガタッ

吹雪「へ!?あ……あぁー!!今日来るんでしたっけ!?」ガタッ

提督「そうだよ!!吹雪ちゃん!上の掃除お願い!俺はここらへん整理するから!

吹雪「は、はい!!!」

提督「それと……あ……深海の2人にしばらく家に……来ないようにするようにしなきゃ……」

提督「って、それは間に合わないな……!えっと……えっと……」


ピンポーン

オオイッチ、ハヤインジャナイノ? ソンナコトナイワ、キタカミサンハジカンニルーズナノヨ…ソコモステキダケド… イヤ、デモマダハヤイトオモウヨ…


提督「…………」

提督「……腹ぁ……くくるか……」

家の前

提督「……は、はい?」ガララッ

大井「…………二丁目提督ね?」ズィッ

提督「え、えぇ……そうですが……いきなり何かやらかした……?」

大井「……今日から2週間、お世話になるわ……わかっているとは思うけど私が軽巡大井、そして……」

大井「この麗しく、美しい女声の鏡のような軽巡洋艦のお方が……北上さん…………」キラキラ

大井「……覚えたわね?」

北上「よろしくねー」

提督「あ、え……は、はい……」

提督(前に演習に来た時と態度がぜんぜん違うじゃないか……あの短期間で何があったんだ……)

提督「え、えっと……とりあえず……」

大井「北上さんを野風に晒す訳にはいかないわ……こんな山の中で……北上さんの荷物に何かあったら……」

北上「ん?あたしはこの風好きだけどなぁ……空気は美味しいし、周りも静かだし」

大井「そうは言っても!艦娘である私達がこんな山の中で……」

提督「おっけいおっけい!!取り敢えず家の中に入りましょう……おーけい……」

提督(……前代未聞の難物だぞこりゃ……)ハハハ

提督「どうぞー」ガラララッ

大井「……随分質素な家なのね、本当に鎮守府なの?」

北上「……表札にはちゃんと書いてあるね、二丁目鎮守府って」

提督「元民家ですし……まぁ、一応鎮守府として最低限の設備は整ってますよ?」

大井「…………」

北上「へー……」

大井「……ねぇ、一つ聞きたいんだけど……」

提督「?」

大井「鎮守府じゃなくて基地じゃないの?」

提督「……」

リビング

北上「へぇー……」

大井「……どうですか?北上さん」

北上「いいところだね、あたしは好き」

大井「本当!?良かったぁ……」

大井(……)グッ

提督「?」

北上「……んー……ん?」

大井「どうしました?北上さん……」

北上「何だろこれ……漫画?」

提督「げっ」

大井「あら!片付け忘れていたのね!?すぐに片付けさせましょう!!」パパッパパパッ

提督「…………」メソラシ

大井「…………」ゴゴゴゴゴゴ

大井(……片付けなさい……今すぐ!!!)ズィィィ!!!

提督「…………は、ハヒ」スッ

ガチャッ バタンッ

ギィギィギィギィッ


吹雪の部屋

提督「ふ、吹雪ちゃん!」スゥーッスゥーッパタン!!

吹雪「え、え?な、なんですか?」

提督「……」

吹雪「……え、えっと……?」

提督「俺達は……」

吹雪「は、はぁ……?」

提督「……いや……何でもない……ま、漫画、持ってきたよ」

吹雪「え、あ、はい……ありがとうございます……」スッ

提督「……うん……がんばろう」ガシッ

吹雪「は、はい……」ギュッ

提督「……じゃあ……行ってくる」ピシッ

吹雪「…………?」ピシッ

スゥー スゥーッパタン

吹雪「……どうしたんだろう……」

提督「…………ったく……どうすんだこれ……出会って5分で敵認定かよ……」ギィッギィッギィッ

ヲヲーーッ!!! ナ、ナンデコンナトコロニシンカイセイカンガイルノヨォォォォ!!!! オ、オオイッチ、ソレテキジャナイカラ!!

提督「……ん……?」

提督「……え!?」ギィギィギィギィ ガチャッ!!!

リビング

提督「ちょ、ちょおま!!何やって!!」

北上「て、提督!大井っちを止めてよ!!」タタッ

大井「こ、このぉ!!北上さんに触るなんて生意気にも程があるでしょうが!!!あぁ!!!??」

ヲ級「ヲッヲヲ……ヲヲヲッ……!!」フルフルフル!!

大井「なぁにが違うのよ!!あぁん!?言ってみなさいよコラァ!!!」

ヲ級「ヲヲ…………」フルフル…フルフル……

大井「一音だけじゃわからないでしょうがぁ!!!!」ギュゥゥゥゥ!!!!!

ヲ級「ヲッヲヲッ!!ヲヲッ!!!」ジタバタジタバタ

提督「ストーップ!!ストォーップ!!!気持ちは分からんでもないけどストップ!!!」

大井「あ?」

提督「怯まんぞ……俺は怯まないぞ……大井さん……とりあえずその子を離してやってくれ……」

ヲ級「ヲヲ……ヲヲヲ……ヲヲ……」ピクッ ピクッ 

北上「そ、そうだよ大井っち……」

大井「…………」フゥーッ!!フゥーッ!!

大井「き、北上さんが言うなら……」パッ

ヲ級「ヲ……」ヒュー

提督「っとと!!」パシッ

ヲ級「ヲ……ヲ……」ウツラウツラ

提督「……よしよし……痛かったな……水槽で休みなよ?」チャプッ

レ級『ヲキュ……!』スィッ ナデナデ

ヲ級『ヲ……』ダイジョウブ

北上「大井っち……あの子達の説明聞いてなかったの……?」

大井「せ、説明……?」

大井「……はっ!!まさか……川底棲艦……!?」

北上「そうだよ……長門秘書艦からも夕張んからも説明受けてたじゃん……」

大井「そ、そうだった……私……なんて事を……!」アタマカカエ

提督「……全く……肝が冷えたぞ……」

大井(……川底棲艦の特殊な種には水を癒す力がある……夕張も言ってたじゃない……それなのに川底棲艦に危害を……)

大井(この子がその水を癒やす種に縁のある子だったら……私の計画……)

大井(……いいえ……それ以前に罪のない子に危害を加えるなんて……あってはならないことよ……北上さんの前でなんて事を……!!)ブンブン!!!

提督「……」

大井「提督!申し訳ございませんでした……!!ヲ級も……ごめんなさい!!」ペコォッ!!

ヲ級「……ヲ」フルフル

北上「大井っち……ちゃんと反省してる?」

大井「はい……!さっきの自分を沈めて……新しい自分に生まれ変わりました……!」

北上「……なら、提督も許してくれる……かな……?」

提督「……まぁ……ヲ級がいいって言うなら……レ級にも謝ってくれよ?」

レ級「……ガルルルル……」カチカチ

提督(……なんとか、大井さんの謝罪は受けてくれたけど……)チラ

ヲ級「……」ビクビク

レ級「ウルル……」カチカチ

提督(……心は開けないよなぁ……流石に……)

北上「あ、ちょっとあたしトイレ借りるけどいい?」

提督「ん、あ、そこのドアにあるからそこ使ってくれ、男女共用だけど我慢してくれる?」

北上「はーい」

大井「……男女共用……?」ピクッ

提督「……う」

大井「…………いいえ、さすがにそれは仕方ないわ……」ハァ

提督「……ほっ……」

大井「……」

提督「……」

大井「……」

提督(き、気まずい……)

大井(……この男が長門秘書艦と交友関係にある二丁目提督……)

提督「……お、大井さん?」

大井「……は、はい?」

大井(W島の瑞鶴改、リンガの伊58、佐世保の古鷹を完治させた療養提督……)

大井(こんな顔からは想像できないわね……)

提督「……その……なんだ……くつろいでもいいんですよ?」

大井「……」

提督「……なんて言っても……無理か……男の俺がいるんじゃ……」

大井「い、いえ……別に私は男が嫌いってわけじゃ……」

提督「え……違うの?」

大井「えぇ……」

大井「北上さん以外の存在が邪魔に感じるだけです……あなたも含めて」キッ

提督(つまり、全員消え失せろと)

提督「じゃあ……その……えっと……」

大井「……貴方達は余計なことを考えずに北上さんの治療に専念して下さい」

提督「そ、そうはいかない、大井さんもちゃんと直さないと」

大井「私のことはどうでもいいのよ!!北上さんを治しなさい!!!北上さんの艦娘としての運命がかかってるのよ!?」ギロッ

提督「運命ってそんな大げさな……」

大井「大げさですって!?」ガシッ!!!

提督「うぐぐ……ちょ、ちょい待ち……」

大井「……………っ!!」ギリギリ

提督(に、睨み方が尋常じゃない……愛情以外の何かがあるのか……?)

大井「…………北上さんの足は……!!」

北上『大井っちーいま手ぇ洗ってるから待っててー』

大井「……」バッ

大井「……また話すわ……北上さぁ~ん!」

提督「……は、はい……」

提督(……何なんだ一体……)

吹雪の部屋

吹雪「……これでよしっと……」

吹雪「……でも、3人で寝るとちょっと狭いかも……」

吹雪「まぁ、大丈夫……かなぁ」

吹雪(それにしても、大井さんと北上さんってどんな人なんだろう……)

吹雪(司令官達と話してる最中かもしれないけど……ちょっと行ってみようかな……)スゥーッ スゥーパタン

ギィッギィッギィッ

ガチャッ

吹雪「……失礼しま……」

大井「北上さんのあやし方……素敵です!!これぞ川底棲艦の保護者……いいえ……実の親……!!」

北上「ふふ、ほら、ここを撫でるといいんだよね?」

ヲ級「ヲーッ……」ポワーン

大井「かわいいです……北上さんのあやし方だからこそ出せるその顔……!!最高ですぅ……!!」

提督「ほぉ……北上ちゃ」

大井「北上さん……です」ゴゴッ

提督「北上さんはそういうのに慣れてるの?」

北上「暁や五月雨みたいなちょっと抜けた駆逐艦がよく来るからさ、こういう小さい子の扱いは得意なんだよね」

大井「あのジャリ共のせいで北上さんとの愛を邪魔されるのよ……チッ」

北上「ん?」

大井「い、いえ……何でもないですぅ……ふふふ……」

吹雪「あ、あのぉ~……」

北上「ん?」

大井「……」ギッ

吹雪「ヒッ……え、えと……」

大井「……二丁目の秘書艦……えー……と……ふぶ……なんとか?白雪の姉よね?」

吹雪「ふ、吹雪です!えっと……白雪ちゃ……白雪がお世話になっています!!」ピシィ!!

北上「あ、白雪のお姉ちゃんだよね?あたし達のこと覚えてる?」

吹雪「は、はい!大井さん率いる第五遊撃部隊とは以前演習を……」

北上「んー、そんなに固くならないでいいよ?ね?大井っち」

大井「えぇ、白雪の姉なら何か粗相をするようなことはないでしょうし……そうよね?提督」

提督「ん、あ、あぁ……勿論だ!」

吹雪「ええと……」

吹雪(……お、大井さんってこんなに怖い顔してたっけ……?)

大井「……ね?」

吹雪「え、えぇ……」

大井「…………」

吹雪「は……はい……」

吹雪(ど、どうしよう……なにか私変な事行ったのかな……?)

大井「……」ニコッ

北上「ほら、ヲ級……」ナデナデ

ヲ級「ヲー……」

北上「ふふ……かわいい……」

ふぅ……とりあえず今日はこの辺で失礼しようかしら……
大井っちと北上さんの絡みはなかなか難しいな

さて、やりますか

夜 テトラ棲地付近

空母ヲ級「…………」

戦艦レ級「……なぁ……あいつら誰だ?」ジィー

空母ヲ級「さぁ……だが、敵ではないだろう……」

戦艦レ級「そう……なのか?なんか胸騒ぎがすげぇんだけど……」

空母ヲ級「……確かに……何か物凄く嫌な予感がする……下手をすれば鎮守府そのものが壊滅しそうな予感だ……」

戦艦レ級「……あの見るからにコマい艦娘にそんな力があるようには見えねぇけどな……」

空母ヲ級「……十分注意して監視するぞ……」

戦艦レ級「あ、あぁ……」


大井『……』ニコニコ

北上『……』ニコニコ

大井『……』ピクッ

大井『……』ジロッ


戦艦レ級「!!」バッ

空母ヲ級「……!」バッ

空母ヲ級「み、見られた……?」

戦艦レ級「んなわけ……」チラ


大井『…………』ジィーーー

北上『……?』

大井『……!』ニコッ

大井『……』キッ



戦艦レ級「……」アセッ

戦艦レ級「……いや……間違いねぇ……気づかれた……」

空母ヲ級「ば、馬鹿な……!?この暗闇でか……!?どうする……!?逃げる場所なんて」

戦艦レ級「……いや、顔は割れてねぇはずだ……フラグシップ並の視認能力があるなら話は別だが……」

戦艦レ級「……だが、多分ことが一段落したらアタシらを探しに来るはずだ……一旦引き上げるぞ」

空母ヲ級「わ、分かった……何だあの艦娘は……ヲ級並みの視認能力を持っているというのか……!?」


ササッ ザブンッ ゴトッ


横須賀鎮守府 司令室


横督「……何……大井と北上を……?」

天龍「みてぇだ、あのアホ、呉の要望をすっ飛ばして自分からジョーカー引きやがった、二丁目からの報告書だ」パサッ

横督「…………」ペラッ

横督「……………………あの田舎者が……自ら破滅の道を選ぶというのか……」ガタッ

天龍「おい、どこ行くんんだ?」

横督「……佐世保と連絡を取る、あの女なら面倒な女の扱いにも慣れているだろう」

天龍「佐世保だ?……まぁ……あのコンクリ胸なら……でも何でお前が?」

横督「貴重な情報パイプを失ってなるものか、今回ばかりは奴を救う貴様も手伝え」

天龍「……珍しいな、お前が進んで人を助けるたぁ」

横督「黙れ」

いやな、事件になるね……(未来予知)

佐世保鎮守府 司令室

佐督「うぅ~ん……可愛いわ……」カタカタカタ

ヲ級「ヲー♪」ギュゥー

佐督「……古鷹ぁ……」

古鷹「はい、あ、分かりましたー」ペラッペラッ

佐督「お願いねー」

古鷹「……うん、大丈夫……じゃあ提出しておきます!」

ガチャッ バタンッ



佐督「…………きゃぁーー!!可愛い!!もう可愛すぎるわヲ級たん!」

ヲ級「ヲー……」フルフル

ヲ級「ヲヲッ!」

佐督「そう?でも私……胸が小さいから……」

ヲ級「ヲヲヲ……ヲヲーッ!」ギュッ

佐督「そ、そんな……もう……調子のいい子なんだから……」ナデナデ

ヲ級「ヲヲー……」ハニャァーン



prrrrrrrr!!! prrrrrrr!!!!


佐督「あぁー……もう電話なんてぇ……ごめんねぇヲ級……ちょっと待っててね……」

ヲ級「ヲッ」セイザ

佐督「うぅー……もっとヲ級たんと話したいよぉー……」

ガチャ

佐督「佐世保鎮守府よ、何か用?」

横督『横須賀だ』

佐督「横須賀鎮守府……?何か御用でしょうか?」

横督『貴様の力を借りる、拒否は許さん』

佐督「私の?一体……」

横督『私にレズビアンの極意を教えろ』

佐督「は、は、はい?村上さん?今なんとおっしゃいました?」

横督『私にレズビアンの極意を教えろと言ったのだ、命令に従え、余計な詮索をするな』

佐督「は、はぁ…………?」

佐督(な、何?コイツ私に喧嘩売ってんの……?)

横督『……』

佐督「…………わ……分かりまし……た?」

横督『失敗は許されん、細部まで教えろ』

佐督「…………」

佐督(……ま、まぁ……命令に従えば佐世保の名が上がるだろうし……従うべきかしら……非常に不本意だけど)

横督『早くしろ』

佐督「は、はい、で、では……基本から……」

横督『……』

数十分後

横督『…………』

佐督「……と、言うことです……基本的に女性のすべてを愛すること……最初に言いましたがこれが最も重要な事です」

佐督「……」ガックシ

佐督(もう勘弁して……)

横督『……なるほど……』

横督『……貴様に頼んで正解だった、レズビアンと親しくなるためには認めることが重要、と言うことだな』

佐督「えぇ……」

佐督「……もぉいいですか……?」

横督『十分だ、では』ガチャッ

ツーッツーッツーッ

佐督「……」

佐督(…………)

佐督「え、え?ちょ、評価は!?私の評価はどうなったのよ!?ねぇ!!」

ヲ級「ヲヲー……」

佐督「…………」

佐督「ま、いっか……ヲ級ー!」

ヲ級「ヲー!」

夜 前浜町二丁目鎮守府

大井「……!」

北上「んぉ……これは……」

提督「どうかな?」

吹雪「ど、どうですか?」

大井「い、意外ね……美味しいわ……」

北上「民宿の料理って感じだね、これ、提督が作ったの?」

提督「まぁ、そうだな、一部吹雪ちゃんが手伝ってくれたところはあるけど」

大井「…………」パクッ

大井「……」

大井「……まぁ、好きな部類……かしら……北上さんは、どうですか?」

北上「んー?アタシは好きだよ、いつもの食堂で食べるご飯と違って創作感があって美味しいじゃん」

大井「そ、そうよね!私も好きです!」

吹雪「……」パクッ

吹雪「……普通の夜ご飯……じゃないんですか……?」

提督「量で出る食事はどうしても栄養バランスにこだわる傾向があるみたいだし、若干味気ないらしいよ?」

吹雪「へぇー……舞鶴では普通の食事だったけど……そうなんだ……」

提督「ま、場所によるだろうな、横須賀とかの食事ってどんなのだろ……」パクッ

提督「お……我ながらいい味だ」






夕食後 ソファ

大井「……北上さん?」

北上「ん?」

大井「具合は大丈夫ですか?」

北上「んー、今ん所は大丈夫……あれ、吹雪は?」

大井「……さぁ?」

北上「……自分の部屋かな?」

大井「私達、何処で寝るんでしょう……北上さんの一緒の部屋っていうのは前提として……」

北上「さぁ……多分ふぶきの部屋で3人で寝ると思うけど……」

大井「!?」

大井(北上さん以外の人と同じ部屋で寝る……いや……これは吹雪に北上さんの美しさをしらしめるチャンス……?)

大井(いや……万が一吹雪が北上さんに恋心を……いや……あの駆逐艦は提督第一のはず……そんなはずはない……)

大井(……でも可能性がないとは言い切れない……でもどうするの私……北上さんをリビングで寝かせるなど出来る筈がないわ……)

大井(かくなる上は……吹雪を部屋から追い出して私と北上さんで……いや、それはさすがにないわね……)

北上「大井っち?」

大井「へ?あ、はい!何でしょう?」

北上「すごい顔してたけど……大丈夫?具合悪いんじゃないの?」

大井「ふぇ?あ、いえ、そんな……でも私……北上さん以外の」


ダァッリャァアアアアーーーーー!!!!!!!! 

北上「っ!?」ビクッ

大井「ひぃぃっ!?」ビクゥッ

風呂場

吹雪「……ふぅぅ……ふっ!!」バッ!!

チラッ

北上「……」

大井「……」

吹雪「……フゥゥゥゥ……!!もう半分……っく!」

吹雪「……はっ!!」バッ!!

吹雪「はぁぁぁぁぁ!!!!」ダァンッ!!

北上「…………」

大井「……」

吹雪「……」キッ

吹雪「だぁっりゃあああああああぁぁぁぁぁ!!!!!!!!」ドォォォンッ!!!

大井「……っ!」

北上「……!?」

パチャッ

ジワァーーッ

吹雪「…………」

北上「……」ポカーン

大井「……」ポカーン

吹雪「…………」フラッ

大井「っ!吹雪……?」タタッ

吹雪「はぁっ……はぁっ……はぁっ……!!っくぅ……はぁっ……!!」

北上「……」

大井「吹雪……大丈夫?」

北上「色々と……」

吹雪「は、はい……でも……これで……お二人が笑顔になる……いいお湯が出来ました……」ゼェッハァッ

大井「……吹雪……」

吹雪「大井さん……」

大井「感動したわ……北上さんのためにここまでするなんて……」

吹雪「……いいえ、北上さんのためだけじゃないです……」

大井「……」

吹雪「大井さん……それに司令官……みんなが笑顔になれるお風呂を作ったんです……」

吹雪「みんなのお風呂はみんな笑顔にならないと……そうでしょう?」ゼェッハァッ

大井「……吹雪……」

大井「……そうよね……みんな、北上さんが大好きだもの…………お風呂だって……」

吹雪「……」コクッ

大井「……」コクッ



北上「……付き合ってらんないや」スタスタ





北上「……そういや、提督は何処に行ったんだろ……」キョロキョロ

北上「……ん?あ、この扉が階段につながってるんだ……」ガチャッ バタンッ

ギィッ ギィッ ギィッ

北上「……勝手に上がっていいのかな……まぁ……二週間暮らすんだし……これくらい大丈夫か」

北上「……」

北上「どっちが吹雪の部屋だろ……左……かな?」

スゥーッ

提督「ん?」

北上「あ、提督だ」

提督「北上ちゃん?どうしたんだ?」

北上「いやぁ~何か大井っちと吹雪が仲良くなっちゃってさ、取り付く島が無くなっちゃったんだよねぇ……」

提督「え?あの二人仲良くなれたの?」

北上「うん、普通に意気投合してるよ?お風呂談話で盛り上がっちゃって……」

提督「へぇ~……」

北上「でも、そうなるとあたしの話し相手がいなくなっちゃったんだよねー……」

提督「何なら俺が話し相手になろうか?ちょうど仕事も一段落したしさ、どう?」

北上「んー、お願いしちゃっていいかな?」

提督「よしきた、何話す?」

北上「そうだねー……」

寝落ちるところじゃった……

すまない、しばし休憩致す
申し訳ないな、運が良ければ再開するぜよ

そろそろ始めようかしら

北上「……って言っても、何話せばいいんだろ……」

提督「うーん……そうだな……」

北上「……あ、そだ……提督の生い立ちとか?」

提督「マジか……よりにもよって生い立ち?」

北上「嫌なの?」

提督「嫌じゃないけど……興味あるか?俺の生い立ち……」

北上「…………」メソラシ

提督「……だろ?」

北上「よくよく考えたらそうだよねぇ……じゃあどうする?」

提督「そうだな……そうだなぁ……」

北上「いざ話すってなると迷うよねぇ、話す話題作りが話題になったりとかない?」

提督「あぁ、あるある……で、結局そこから話題が生まれてーってなるんだよなぁ」

北上「現に今なってるもんね」

提督「確かに……所で北上ちゃん、荷物は?」

北上「荷物?吹雪の部屋においてるけど」

提督「魚雷も?」

北上「発射管は持ってきたけどさすがに魚雷は持ち歩かないでしょ、魚雷は鎮守府に置いてきたよ?」

提督「そうか……良かった」

北上「爆発物兵器で持ち歩くようなことは流石のあたしでもしないって……」ハハ

提督「…………」ポワワーン

-----------------------

着任当時

吹雪「……万が一のことも考えて武器を携帯してるんです」ガチャガチャ

提督「暴発とか勘弁してくれよ……?魚雷とか爆発したらアウトだからな……?」


-----------------------

提督「……しないよなぁ、流石に」

北上「信管にあたってどっかーんなんてシャレになんないよねぇ~」

提督「ならないよなぁ~」

提督「……」

提督「……ならないよなぁ」

北上「……?」



提督「それより気になることがあるんだけど、聞いていい?」

北上「何?」

提督「大井さんっていつもあの調子なの?」

北上「大井っち?ん~まぁ……確かに今日は機嫌が悪いねぇ」

提督「やっぱりか……何かあったの?」

北上「……ん~……多分……アタシのせいかな……」

提督「北上ちゃんが?何したんだ?」

北上「…………」メソラシ

提督「……まさか……プリン勝手に食べた?」

北上「いや……そんな幼稚な事で大井っちは怒らないよ……」

提督「じゃあ、何があったんだ?」

北上「うーん……でもこれ言っていいのかなぁ……」

提督「何でも言ってくれ、難しいかもしれないけど俺は大井さんとも仲良くなりたいんだ」

北上「…………じゃあ……見せるね……これ、なんだけど……」ヌギッ

提督「……うおっ……これは……?」

北上「……酷いでしょ……?あたしの足……」

提督「青白くっていうか……紫色……?どうなってるんだこれ……」

北上「深海棲艦の魚雷を受けた時からずっと、陸に上がってからどんどん酷くなってるんだ……」

提督「…………」スッ

北上「あぐぅっ!?」ズキィッ

提督「うぉっ……ごめん……そんなに酷いのか?」

北上「まぁー……ほっといたら足が無くなるかもね……最悪このまま死ぬかも……」

提督「マジか……で……でも、療養の理由は腹部の負傷って……」

北上「…………っ」メソラシ

提督「……隠してたのか……」

北上「……隠さなきゃ解体されちゃうしね……提督って解体された後の艦娘の末路って知ってる?」

提督「……確か、艤装を破棄して艤装適性を外す手術をした後、普通の人間として暮らすんだっけ?」

北上「教科書通りの答えだねぇ」ハハ

提督「違うのか?」

北上「……まぁ、半分合ってて半分違うって所かなぁ……」

提督「半分?じゃあ、もう半分は?」

北上「艤装を適正を外す手術までは合ってる、でもそこからが本題」

提督「……」

北上「顔を変えられて、記憶も殆ど消される……どうやって消すかは知らないけど……
    残った記憶は自分の新しい名前と今からやること、元々艦娘として生きてたってことだけらしいよ?」

提督「艦娘として生きてた……何でその記憶が居るの?」

北上「人と話す時に昔何やってたか~とか聞かれるじゃん?そこで詰まったら身元不明として変な目で見られるでしょ?その対策らしいよ」

提督「……でも、そんな怪しい人を雇う人なんか居るのか……?今の時代普通に働くのも難しいのに……」

北上「……身元の分からない女の子の自殺が増えてるのは……そういうことだよ……」

提督「……あぁ……」

北上「……あたしをそんな風にしたくないから、大井っちも気が立ってるんだ……」

提督「…………」

北上「ごめん提督、こんな面倒くさい艦娘を療養するなんて……思わなかったでしょ?ごめんね……」

提督「…………」チラッ

北上「……はぁ……うぅっ……」ズキズキ

提督「……あの子らに聞いてみるか……」

北上「……へ……?」

提督「……深海棲艦の攻撃で負った傷だろ?」

北上「……うん、まぁ……そうだけど……」

提督「だったら、深海棲艦に治療法を聞けばいい、幸いあの子は魚雷を撃てる艦種らしいからな」

北上「……へ?……え?……提督……何言ってんの?」

提督「……」ガラッ

北上「?」

提督「……えっと……スマホ……あった……」スッ


『 キ テ モ イ イ ソ ゛ 』 ピカピカピカピカッ


提督「……よし……これで分かるかな……」

北上「何したの?」

提督「……いずれ分かる」







テトラ棲地 海底


戦艦レ級「……クカーッ……クィーーッ……ムニャムニャ……」

空母ヲ級「…………ん……くぅ……くぅ……」








二丁目鎮守府

10分後

提督「……」

北上「……」

提督「……」

北上「あの……提督?」

提督「……コホンッ……よし、外に行こう」

リビング 

吹雪「そうなんですか……ヲ級さ……ヲ級を?」

大井「えぇ、あの子、たった一人で空母ヲ級を海底に沈めたのよ?それもフラグシップ級のタイプをね……」

吹雪「フラグシップ……あの目が黄色く光るタイプですか?」

大井「そう、あのタイプを沈めるには駆逐艦では至難の業とも言えるわね……私も数隻しか沈めてないわ」

吹雪「それを白雪ちゃんは一人で……凄いなぁ……」

大井「あなたはその姉よ?可能性はなくはないわ……ま、北上さんでも難しいから、沈めて1隻だろうけど」ポンッ

吹雪「……が、頑張ります!」

大井「明日から北上さんの治療と私のトレーニング相手、頑張るのよ?」

吹雪「は、はい!」


ガチャッ バタン


提督「……とにかく行けば分かるよ、行こう」グィグィッ

北上「んぁぁ……引っ張らないでってぇ……」

大井「  」

吹雪「あれ?司令官、何処に行くんですか?」

提督「あの子達に会ってくるよ、ちょっと野暮用だから二人共留守番」

吹雪「え?あ、は」

大井「よろしくお願いできる訳無いでしょうが!!私の北上さんをどこに連れてくってぇの!?」ガシィィッ!!

提督「いでででっ!大丈夫!悪いようにしない……じゃなくて、ちゃんと護衛するから!!」

大井「アンタみたいなゴミをかき集めて型どったような面した男に北上さんを任せられるわけ無いでしょうが!!」クワッ

吹雪「お、大井さん……!落ち着いて……」

大井「北上さんを何処に連れて行くつもりなの!?言いなさい!!言え!!!」ギリギリギリ

提督「と、灯台!近くに灯台があるだろ!?その近くに」

大井「灯台ですってぇ!?灯台で何するつもりなのよ!!告白!?告白するつもりなのね!?!?
    いくら北上さんが素敵すぎるからってそんな抜け駆けゆるさないわ!!!アンタみたいな糞男に北上さんは渡さないわ!!
    美しい花の蜜は美しい蝶が吸うものなのよ!!!!北上さんという名の花はハエが寄っていいような花じゃないのよ!!!分かってんの!?」

大井「分かったならその手を放しなさい……!!」ギロッ

提督「…………うぅむ……予想はしていたが……」

大井「…………」

北上「お、大井っち……」

大井「北上さん……」

吹雪「……司令官……どうするんですか?」

提督「どうするって…………こうするしか無いだろ……」


↓2

1.北上ちゃんを連れて無理にでもテトラ棲地に向かう
2.大井さんに事情を説明して合法的に向かう
3.観念して大井さんに北上さんを渡す

提督(今は事情を説明するよりこのこの足を治すのが最優先だ……この傷……尋常じゃない……)

提督(なら……今は大井さんの静止を振り切ってでも……)

提督「吹雪ちゃん!後は頼んだ!!」ガシッ

北上「うわわっ!?」トトッ

タッタッタッタッタ ガラッ!! タッタッタ!!

大井「な!!こいつっ!!!」ダッ

吹雪「大井さん待って!落ち着いて!!」

大井「放しなさい吹雪!!!!あの男……!!許さない!!!!北上さんを!!!!」

吹雪「っくぅ……!なんて力……!!」ズルズルズル

大井「っ!!」バッ!!

吹雪「ぁう!!」ドサァッ!!

大井「あいつ……!!何処行ったのよ!!!」ダダダダッ!!

吹雪「……っく……」ヒリヒリ

ヲ級『ヲッ……!?』

吹雪「っ……大井さん……あの様子だと司令官を……!」

吹雪「そ、そんなことになったら……!」

吹雪「っ!」

ガチャッ バタンッ!!







ガチャッ バタンッ

吹雪(艤装装備)「……」

吹雪「私が司令官を守るんだから……!!」ガシャコンッ

ガラッ ピシャッ

ガラッ

吹雪「鍵……っと」

ガラッ ピシャッ カチッ


タッタッタッタッタッタ!!

テトラ棲地付近

提督「……っふぅ……っふぅ……これ……辛いな……!!」タッタッタ

北上「ここって……?」

提督「っはぁ……っはぁ……ここに……もしかしたら北上ちゃんの足を治してくれる人がいるかもしれないんだ……」

北上「そ、そうなの……?でもここって……」

提督「……まぁ……テトラポッドだ……確か……ほら、あそこだ」

北上「あの盛り上がってるとこ?」

提督「あぁ、あの中に居る……行こう!」ヨイショット

北上「うん……!」ピョンッ スタッ タッタッタッタッタ

北上「……でも、何で大井っちが一緒じゃ駄目なの?」

提督「……それはな……すぐに分かる……」タッ タンッ タタッ


テトラ棲地 

提督「……」

北上「……ここ?」

提督「あぁ……おーい!!ヲ級ちゃん!レ級ちゃん!!」

北上「え」

提督「聞こえるかー!?出てきてくれ!!」

北上「え、え、え!?提督……!?」

提督「……」

ゴトッ ゴゴッ


空母ヲ級「……どうしたんだ……?水の上で大きな声を出さないでくれ……響くんだ……」ムニャ…

提督「……」

北上「……え……」

空母ヲ級「……何だ……?艦娘……って……艦娘だと!?」

北上「え、え?え?て、てて、提督……これ……!?」

提督「これが大井さんに簡単に見せられない理由だ……」

北上「で、く、空母ヲ級……!?え、これ、本物!?提督……!?」

空母ヲ級「……本物だ」

北上「でも、だって……深海棲艦って人の言葉は……」

空母ヲ級「……その辺は色々事情がある……で、提督……この艦娘を私に見せてどうして欲しいんだ?」

提督「あぁ……ちょっと見て欲しいものがあって……北上ちゃん」

北上「え……え……っと……?」

提督「……深海棲艦から負った傷なら、深海棲艦に見せれば何か分かるはず、言っただろ?」

北上「……何か最初に言った言葉と違うような……まぁ……いいや……こ、これ……なんだけど……」ヌギッ

空母ヲ級「…………?」ジィー

空母ヲ級「…………これは……」

北上「な……何か分かる……?」

空母ヲ級「……艦娘、お前、この魚雷を放った深海棲艦の艦種……覚えているか?」

北上「え……えっと……確か……駆逐艦……」

空母ヲ級「どんな格好をしていた?」

北上「え?……黄色のオーラを身にまとって……確か、駆逐艦の割にやたらと広範囲に魚雷を放ってたような……」

空母ヲ級「……チッ……奴らの駆逐艦か……また厄介な魚雷を……分かった」

空母ヲ級「…………」キョロッ

空母ヲ級「…………」ジッ

提督「?」

空母ヲ級「誰かに追われる身か?」

提督「え?何で分かるの?」

空母ヲ級「……」ユビサシ


大井『降りなさい吹雪!!この裏切り者共!!!』ジタバタジタバタ

吹雪『これには事情があるんですってば!!話を聞いて下さい!!』ウマノリ



提督「げ……吹雪ちゃん何やってるんだ……?」

北上「大井っち……」

空母ヲ級「……艤装を背負っているな……力任せに制止したか……」

提督「…………済まない吹雪ちゃん……」

空母ヲ級「……まぁ……いい……とにかく、炸薬と侵食剤をお前の体から取り除かなければならない」

提督「って事は……切るのか?」

北上「ぇ……切断……?」ゾワッ

空母ヲ級「いや、そういう訳ではない、少し待っていろ」 ゴゴッ ザブンッ





北上「…………」ペタンッ

提督「…………」

北上「……本物の空母ヲ級と話すなんて思わなかった……どうやって知り合ったの?」

提督「……家に押しかけてきたのが最初だったっけか……そっからちょくちょくと……」

北上「……まず深海棲艦が押しかけるってどうなのさ……」

提督「さぁ……」


ザバァッ

空母ヲ級「大体何処においたかもわからないってお前の私物だろうが!!」

戦艦レ級「てめぇに預けたっきりだっつってんだろ!!!!寝かせろ!!」

空母ヲ級「はぁぁ!?私に責任転嫁するつもりか!?だいたい何処にしまったって言うんだ!?」ゴソゴソッ

チャラッ チャプンッ

空母ヲ級「あ」

戦艦レ級「……」ピキィッ

戦艦レ級「……アタシになんか言うことあるんじゃねぇのか?」

空母ヲ級「……お前が何時も整理整頓しないからこうなった、私は悪くな」

ゴンッ 

空母ヲ級「……」プカー

戦艦レ級「……チッ!!」チャプッ チャラッ

戦艦レ級「……」ジロッ


北上「あ……あぅぅ……ひぃぃぅぅ……れ、れれれ……レ級……レ級じゃん……どうなってんのこの鎮守府は……」ガクガクブルブル

提督「よ、レ級ちゃん」

戦艦レ級「よぉ、提督……何だ?」

テトラ棲地付近

大井「……あ、あんた……あ、ああ、ああ、あれ、ああ、あれ……」プルプル

吹雪「……?……あ、レ級さん……」

大井「し、しりあ、知り合い……!?え、えぇ!?ちょ、ちょっ待って!!」ジタバタ!!








説明後

戦艦レ級「……はぁーん……だからこれが要るのか……」チャラッ カランッ

提督「何だそれ?針みたいだけど」

戦艦レ級「……知らねぇの?『侵食剤と炸薬を振動で体から取り除く針状の機械』だ」

提督「いや……そのまんまだな」

北上「…………」ブルブルブル

戦艦レ級「……おい、艦娘」

北上「ヒッ……」ビクビク

戦艦レ級「確か足に喰らったんだよな?足見せろ」バッ

北上「い……いや……!!ごめんなさい……ごめんなさい……!!」フルフル

戦艦レ級「いやじゃねぇよ馬鹿、いいから見せろって」

北上「は、はい……!見せます……見せます……!!」ヌギッ

戦艦レ級「……うぉ……こりゃひでぇ……結構放置しただろ……」

北上「う、うぅ……は、はい……」

戦艦レ級「…………ったく……まぁ……いいや……とりあえず治療するぞ?」スッ

北上「あ、あの!」

戦艦レ級「あ?」

北上「……その……治り……ますか?」

戦艦レ級「……まぁ……薬が抜けりゃ治る……ただ、治療の跡は残るけどな……」

北上「お、お願いします!……解体だけは嫌だ……」

戦艦レ級「そうか……よし……じゃあ、始めるぞ、今の体勢で大丈夫か?」

北上「あ、ちょ、ちょっとだけ待って下さい……えっと……よいっしょ……」ネコロビ

北上「お、お願い……します……」ドキドキ

提督(なんかエロい)

戦艦レ級「おし……じゃあ……痛いかもしれねぇけど……我慢してくれ……」スッ

北上「ふ……太い……」

戦艦レ級「……痛いぞ……?……ゆっくり刺すからな……」

大井『き、北上さん……!!北上さんにあんな大きなものが……!!やめ……やめなさいレ級!!レ級!!!』

吹雪『暴れないで下さい!!大丈夫ですから!!』


戦艦レ級「……ほっ!!」ブスッ!!! 

北上「あぐっ!!うぅぁあああーー!!!!!!!!」

大井『あ――』ポテッ ピクピク

吹雪『お、大井さん!!??』

提督「うわっ……痛そ……」

さて、吾輩はry
では、しばらく寝

このSSまとめへのコメント

1 :  SS好きの774さん   2015年04月25日 (土) 12:41:10   ID: VOytijN5

続き気になります

2 :  SS好きの774さん   2015年05月06日 (水) 21:51:19   ID: p8gHjFJ-

これは楽しみ…続きどうなんだろ…

3 :  SS好きの774さん   2015年06月22日 (月) 20:29:20   ID: CLfrB9uA

続き、結構出てるよ

4 :  SS好きの774さん   2015年10月10日 (土) 17:30:04   ID: TikhWC20

吹雪のバスロマンの入れ方毎回笑う

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