魔王「冒険の書?俺も欲しいな」 (101)

側近「冒険の書を、でございますか?」

魔王「ああ。勇者一行が不死身なのはそれがある為なのだろう?」

魔王「俺も欲しい」

側近「しかし、それは初代勇者一行の賢者が彼の生涯をかけて作ったものでございます」

魔王「知っておる。ならば譲り受ければよいだろう」

側近「譲り受ける?勇者からですか?」

魔王「どうせ勇者が冒険の書を持ち続けていては俺が不利な状況に陥る可能性がある」

魔王「だから俺のものにする」

側近「なるほど。では、「勇者を倒せ」という命令を「勇者から冒険の書を奪え」というものに変えましょう」

魔王「それは違う」



SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1426002702

期待

魔王「俺は勇者の同意を得て冒険の書を譲り受けたい」

魔王「奪う?そんなことは許さないぞ」

側近「ですが...勇者一行にとって冒険の書は文字通り旅の生命線でございます」

魔王「そうだな。ならばこうしよう」




ーー草原ーー

僧侶「勇者様、このメイス良いですよ!すごい回復力です!!」

勇者「そっか、ちょっと高いけど買ってよかったな」

魔法使い「ん?...結界が揺れてる」

勇者「魔法使い、どうした?」

魔法使い「結界に誰かが触れたみたいです」

勇者「そうか...何枚目だ?」

魔法使い「3枚目の結界です。1、2枚目が破れたことには気付けませんでした」

僧侶「ということは、魔将軍級ですか...」

魔法使い「恐らく...逃げますか?」

勇者「いや、迎え撃つ」

僧侶「なら、北に集落があります。少し離れたところに移動しましょう」

魔法使い「っ!」

側近「その必要はありません」

魔王「なかなか出来た結界だ。ここまで旅を進められただけはある」

魔王「だが、魔将軍に勝てるほどの実力とはあまり思えんな...」

勇者「お前らは...」

魔王「お前が勇者か。初めて会うな」

僧侶「いっ、一体何なんですか...」

魔法使い「(結界は破れたものを合わせて7枚張っていた)」

魔法使い「(いくらなんでも...ありえない。こいつら、魔将軍より強い!)」

魔王「勇者一行、貴様らはどうやって魔将軍を倒した?」

魔王「魔将軍の部下も全滅させられたせいで誰からの報告もないんだ」

魔王「答えろ、どうやって倒したんだ?」

勇者「僧侶!」

僧侶「はい!補助呪文・超!」

側近「落ち着いてください、その呪文はキャンセルです」

僧侶「なっ、呪文をかき消された!?」

魔法使い「ならば、これはどうです?強炎呪文・大!」

魔王「やかましい!」

勇者「!嘘だろ、魔法使いの魔法を片手で...」

魔王「俺は目的があって貴様らの元にわざわざ出向いてやった」

魔王「聞け。俺は魔王、貴様らの最後の敵だ」

勇者「魔王、だと?」

側近「魔王様と私がここに来たのは戦うためではありません。みなさん、落ち着いてください」

>>2ありがとう!

最近勇者もの減ってたから嬉しいな
期待

魔法使い「...本当に魔王かどうかは分かりませんが」

魔法使い「異常です。こいつら、強すぎます」

勇者「ああ。結界を1枚破るだけでも並の敵ではできない所業なのに、お前が反応に遅れる速度で一気にここまでたどり着く。俺たちではまだ勝てない敵ということだろうな」

僧侶「...どうしますか、勇者様?」

勇者「(...仕方ない、今回は死ぬしかないか)」

勇者「(だが、只では死なない。情報を集めてやる!)」

魔王「おい、側近が落ち着けといっているんだ。敵意をおさめろ」

勇者「っ!」ゾクッ

魔王「出向いた目的は貴様らと戦うことではない、欲しいものがある」

勇者「...欲しいもの?何が言いたい?」

魔王「冒険の書だ」

魔法使い「え...」

僧侶「なん...!」

勇者「(こいつっ!なんで書のことを知ってる!?)な、何を言っている、冒険の書?それはなんだ、冒険日記かなにかのことか?」

魔王「とぼけなくてもいい、俺はお前の所持している冒険の書が欲しいのだ」







>>6そうなんですよね、もっと読みたいんですがめっきり減っちゃってて...

期待

勇者「(...)」

勇者「それは絶対に叶わない望みだ。この書はどうしても譲れない」

魔王「それはそうだろうな」

魔法使い「勇者様、私がこの男をひきつけます。僧侶」

僧侶「はい、私はこっちを相手します。冒険の書を持って逃げてください」

側近「私のことはこっち呼ばわりですか」

魔王「お前が名乗らんからだろ。おい、俺のことは魔王と呼べ」

側近「確かに名乗っていませんでした。私は側近です」

魔王「...この2人を残して逃げ、逃げた先で自害でもするつもりか?ここで全滅すれば復活しようとする前に俺が冒険の書を奪い取る。それを3人とも察したか、面白いチームワークだな。それとも似たような状況に陥ったことがあるのか?」

勇者「...勘がいいんだな。まったくその通りだ、クソ」

勇者「旅に出てすぐの頃、大臣陣営が盗賊団を雇って冒険の書を奪いに来たことがあった」

魔王「人間同士での奪い合いか、悲しいな」

魔法使い「大臣は魔族だった。お前の仲間じゃ?」

魔王「...知らない。おい」

側近「申し訳ありません、私も知りませんでした」



>>9アナタ、イイヒト。ワタシ、キタイ、コタエタイ

勇者「...俺たちが」

勇者「俺たちが魔将軍に勝てたのは、書の力のおかげだ」

魔王「ほう?」

勇者「やつの部下を全滅させた後、間髪入れずに5回戦いを挑んだ」

魔王「なるほど、5回目にしてラッキーパンチで勝ったのか」

側近「部下を全滅させたのは魔王陣営に冒険の書の存在を知られないためですね」

勇者「ああ。質問に答えたんだ、俺の質問にも答えてくれ」

魔王「いいだろう、言ってみろ」

勇者「なぜ書を知っている?俺は最大限の配慮で存在を隠していた」

僧侶「私たちが冒険の書の力を使ったのは魔将軍の時だけです、しかも魔将軍が魔王陣営に報告する前に倒せたはず」

魔王「もっともな疑問だな」

側近「その質問には私が答えます。よろしいでしょうか魔王様」

魔王「許可しよう」

側近「もう1度名乗らせていただきます。私の名は側近」

側近「初代勇者と旅をした賢者、彼の曾孫です」

魔法使い「賢者の曾孫!?」

僧侶「ということは...!あなたは人間!?なぜ魔王とともに!!」

側近「人間ではありません。人間の血は入っていますが、ベースは魔族です」

側近「賢者の妻、私の曽祖母はサキュバスで当時の魔王の側近でした。当時の魔王が倒されたのち、行き場のなくなった曾祖母を娶ったそうです」

側近「まあ、2人は子供が生まれてすぐ別れたそうですが」

勇者「...確か賢者は魔王を倒して、1人で魔界を探索したいと言って国を離れたと聞いている」

側近「はい。曾祖母と一緒になるためです。人間の国で曾祖母と暮らすことはできないと判断したんでしょう」

側近「曽祖父は魔界に来て、曾祖母と暮らしながらたくさんの実験を行いました」

側近「人間の国では制限のあることも魔界では自由にやれますから」

側近「それのせいで曾祖母が機嫌を悪くし、当時まだ15歳の赤ん坊であった祖父を連れて出ていったそうです」

魔法使い「(15歳で赤ん坊...)」

魔王「(魔族と貴様らでは寿命が段違いだからな)」

僧侶「(側近さんは何歳なんだろう...)」

側近「(私は先月240歳になりました)」

勇者「なんで無言で会話してんの、お前ら」










側近「魔王城には彼の実験結果を書いた書物が多数保管されています」

側近「冒険の書の実験の情報が書かれた書物もその1つです」

勇者「そうだったのか...」

魔王「側近の曾祖母が賢者と別れなければ冒険の書は魔界のものだったんだろうが、その後人間界に帰ってしまったからな」

側近「実験結果は置いていきましたけどね」

僧侶「それじゃ、元から書の存在も書の力もばれていた...」

魔王「実物を見たことは無かったがな。それに賢者の残したすべての書は国家機密、俺を含め数人しか読むことは許されない」

魔王「大臣に化けてた魔族、そいつは恐らく人間界で冒険の書の存在を知ったんだろうな」

魔王「さあ、これでいいな?では本題に入る。俺は冒険の書が欲しい、俺に譲れ」

勇者「...できない、俺たちがこれを手放すことはありえない」

魔法使い「勇者様...」

魔王「そうか、なら」

これはなかなか面白そうな
期待

魔王「諦めよう」

勇者「え?」

魔法使い「は?」

僧侶「ん?」

側近「...」

勇者「な、何を言ってるんだ!俺たちを、愚弄するのか!?」

魔王「?俺は冒険の書を譲り受けたいんだ。それが無理なら諦める」

僧侶「なんなんですか、わけがわかりません!あなたなら私たちから奪うことも簡単なはず!」

魔王「ああ。だが、その考えは低俗のもの。俺はそのような考えを持ち合わせていない」

魔王「さあ、帰るぞ側近」

側近「はい、魔王様」

勇者「!消えた...」

>>15ありがとう!嬉しい、あなたも良い人

今日、というか今回はここで終わります
魔王はどうやって勇者から冒険の書を譲られるつもりなのか

奪い取るのは魔王のポリシーに反します、プライド高いので

現在のキャラの年齢・性別一覧


勇者♂  21歳       魔王♂(魔王族)  375歳
魔法使い♂  20歳     側近♀(サキュバス族)  240歳  
僧侶♀  17歳       魔将軍♂(獣士族)  890歳←あと十年で還暦だった。殉職
               大臣♂(魔人族)  402歳←勝手に殉職(大臣に成りすませという命令はされていない)

「期待」「面白そう」応援コメすごい嬉しいです、ほんとありがとう

おやすみなさい

おつ、一気読みしたい気分になった

おつ
関係する過去SSあるなら教えてくれ

読みやすいし支援


今までになかった感じで面白い

>>18そんなに長編にはならないと思うので、一気読みするには読み応えないかも...

>>19ありがとー!

>>20スレ立ての5分前ぐらいに考え付いたssなので、関係するssは無いんです...終わったら番外編は書きたい

>>21読み直したら実はいくつか文章がおかしいんです、勢いで書いたので読みやすいのかも  >>10の勇者「それは絶対に叶わない望みだ。この書はどうしても譲れない」
は本来「この書はどうしても渡せない」が正しかったり、最初魔法使いは魔王陣営に対しても敬語だったのにため口になったり...

>>22「魔王が冒険の書持つとか新しくね?」って思いたってスレ立てました!多分既出ssではこの設定のものは存在しないはず



魔法使いは勇者陣営には敬語、魔王陣営にはため口で統一させてください、申し訳ない
実は魔法使いは魔王陣営だった!というわけではないです

おつですよー

勇者ssは今までにも一杯あったからハードル上がりまくりなのと、ネタが枯渇ぎみなんだと思う
なんにせよ期待してる

美女「あっ...!あああっ...!!」





剣士A「ん?...今の声。なあなあ、王がイカセたみたいだぜ?」

剣士B「え、マジで?ここに配置されて5年たつけどそんなこと一度もなかったぞ」

剣士B「イった演技だろ」

剣士A「いや、あの声はどう考えても演技じゃない。本物の絶頂を迎えた時の叫びだった」

剣士B「ふーん、本物の絶頂ねえ。あの王が?」

ーー王の自室ーー

美女「あっ...!あああっ...!!」

魔王「...なんだか申し訳ない」

王「な、なんだ、お前たちは」

側近「魔術の圧で精神が崩れたか...無様だな、女」

魔王「辛辣だな。おい、大国の王よ」

魔王「俺は魔王。突然の無礼を許せ」

王「魔王?な、なぜ魔王がここに。兵たちよ敵だ!は、早く来」

側近「しゃべるな」

王「っ!」ゾクッ

魔王「話を聞いてもらう。邪魔が入ると面倒だ、側近」

側近「はい」

側近「...結界を張りました。解除するまでは誰も入れません」

王「...我になんの用だ?魔王よ」

魔王「勇者が所持している冒険の書のことだ」

王「なぜお前が書のことを知っている!?」

魔王「...さあな」

魔王「とにかくだ、俺は冒険の書が欲しい。だが、勇者に譲れと打診したら断わられた」

魔王「大国の王、勇者に冒険の書を渡したのはお前だな」

王「...ああ、そうだ」

王「(そうか、勇者は魔王と既に接触していたのか。ま、まさか!)」

魔王「そのような顔をするな。勇者一行に手はだしていない、安心しろ」

王「よかった...」

魔王「勇者に命じるようお前に命じる、魔王に冒険の書を譲れとな」

王「そ、そのような...」

魔王「ただでとは言わん。いいものをやる」

側近「王、こちらを」

王「突然目の前にっ!...こ、これは金塊!これすべてが...!なんという量」

魔王「全て本物だ。お前は大国の王であって人間界の王ではないと聞く」

魔王「これを使って他の国を買えばいい。足りなければ増やそう、悪くないだろう?」

側近「下手な使い方をしなければこれで十分足りるはずです」

王「我が...人間界の、王」

魔王「悪くないだろう」

王「しかし...勇者は」

魔王「ふん」

魔王「勇者にはこの武具や鎧をやる。冒険の書を失うのは痛手だろうが、その分の補いにはなるだろう」

王「っ!...」

側近「...」

>>24人気ジャンルですもんね  ハードル上がってるのは感じてる、すでに膝を強打した

魔王「どうだ、お前は一国の王で生涯を終えたいのか?」

魔王「万が一勇者が俺に勝つことができたとしても、魔界との戦争を終えるだけ」

魔王「結局、人間同士で新たな戦争が起こるだろうな」

魔王「だが、これがあれば人間界を統治できる」

魔王「大国の王よ。お前の判断でこれからの世界が救われるんだ」



魔王「勇者に命じろ、「魔王に冒険の書を譲れ」とな」

側近「(勇者から譲られる形に飽くまでこだわるんですね)」

ーー小国の王城ーー

小国王「よく来てくれた、勇者殿!」

勇者「入場を許可いただきありがとうございます、小国王様」

小国王「うむ」

勇者「この2人は僧侶、魔法使いです」

魔法使い「お初にお目にかかります」

僧侶「勇者様とともに旅をしております。私たちまで所見の許可をいただけるとは...」

小国王「本来は勇者のみのつもりだったが、事情が変わってな」

勇者「事情、でございますか?」

小国王「...聞いておらんのか。我が小国は貴様らの故郷である大国に買われた」

勇者「!...買われたとは?」

小国王「大国から書面と大量の金塊が送られてきたのだ」

小国王「書面にはいくつかの条件がかかれていたが、話に乗る方が得だと判断した」



小国王「小国は大国の下で統治されることとなる。まあ、そう判断はしたが全て納得はしていない」

勇者「大国がそのようなことを...」

小国王「確か、他の国にも同じようなことをしているらしい」

魔法使い「...大国は豊かな資源と大きな鉱山を多数持っているので私たちは貧困に苦しんだことはありませんでしたが、国を多数買えるほどの財源があるとは知りませんでした」

僧侶「しかし急ではありませんか?どうして...」



勇者「小国王様、申し訳ありません。我々は大国に戻ります」

小国王「そうか、もてなしの準備はできておったのだがな」

勇者「失礼します...それでは」

魔法使い「あっ、勇者様!」

僧侶「待ってください、置いてかないでください!!」


ーー小国から大国の王城前へーー

大臣「!勇者様、勇者様ですね?」

勇者「あなたは?お会いしたことは無いと思うが、なぜ俺の顔を知っている。悪いが急いでいる、どいてくれ」

大臣「私は新しく大臣に就任された大臣でございます。前任の大臣は勇者様たちが倒されたそうで、本当に感謝しています」

勇者「そうか、これからよろしく頼む。ならば大臣、王はどこにいる?知っているだろ?」

大臣「...王は今、城を離れ南の大国へ御自ら向かわれました」

僧侶「それは南の大国を買うために?」

大臣「はい」

魔法使い「小国王の話は本当だったか」

勇者「大臣、なぜ王はこのような暴挙に走っている!まさかお前も魔族か!?」

大臣「ち、違います!」

大臣「王はご自分の意志で行動なされています。私が意見を挟むことなどとても...」

魔法使い「財源は?小国1つならまだしも、南の大国を買える財源などこの国にはないのでは」

大臣「そのことで詳しくお話ししたいことが。どうぞ中へ」

ーー執務室ーー

大臣「防音のための結界を張ってくださいませんか?」

魔法使い「え、ええ。範囲はどのように?」

大臣「我々の周りだけに絞ってください」

勇者「随分慎重ですね」

大臣「どうかご理解いただきたいです」



全レスするのは良い印象を抱かれないから注意した方がよいぞ少年

勇者「どうして王が他国を買っているのか、どこにそんな財源があるのか。教えてもらおうか」

大臣「そのですね、勇者様たちにとっては具合の悪い話になるかもしれないのですが」

魔法使い「どうか無用なお気遣いはおやめください」

大臣「っ...実は、魔王が王に接触してきました」

僧侶「え!こ、国王様はご無事なのですか!?」

大臣「王のみならず、城の者は全員無事です。...王の現在の行動は全て魔王が仕向けたものです。その手段も魔王より与えられました」

魔法使い「なるほど...しかしなぜ」

大臣「魔王は王に見返りとして冒険の書を求めました」

勇者「冒険の書...やはりか」

大臣「知ってらっしゃったのですか?」

勇者「予想していた。あれで諦められるとは思っていなかったからな」

僧侶「勇者様...」

側近「そうでしたか、実力はまだまだですが思考力はなかなかですね」

側近「お久しぶりです、勇者一行」

魔法使い「なっ!」

側近「...もう結界張るのはやめていいんじゃないですか。私と魔王様には意味のない代物ですので」

勇者「側近か。お前の主が王をたぶらかしたそうだが本当か?」

側近「ええ、本当です。今日は冒険の書を受け取りに来ました」

勇者「...断らせてもらう」

側近「それはできません」

>>31三十路超えてるんです...レス控えた方がいいですね

僧侶「あなた一人なら私たち3人でどうにか!勇者様、魔法使い!」

魔王「まだお前たちでは勝てない、3人でもな」

王「城で暴れないでくれよ、勇者」

勇者「...王」

大臣「お、王!南の大陸へ向かったのでは!」

王「勇者よ、そう睨むな。話は聞いたな?」

勇者「はい」

王「お前が今持っている冒険の書を魔王に渡すんだ」

勇者「それは...」

魔王「冒険の書の代わりとなる戦力は用意してある。冒険の書がなくても問題ない」

王「勇者!冒険の書を魔王に渡すんだ!!」

僧侶「どうしてしまったのですか国王様!なぜ国王様が...」

王「...私は魔王に気付かされたのだ。魔王を倒すだけでは世界は良くならない、人は人と争うことになる」

王「いつまでも戦は続いてしまう。だが、我が人間界の王となれば世界は平和になる!」

王「魔王に気付かされたのは恥でしかないが、世界を平和にすることができるなら恥の一つなんともない」

勇者「そこまでのお覚悟が」

魔王「頑張れば冒険の書がなくても俺に勝てるだろ?死ぬ気でやればだけど」


魔王「冒険の書と交換で世界は俺を倒した後も平和になる。どうだい?君の王がこう言ってるんだ、あとは君の意思次第」



勇者「...今は俺が所持しているが冒険の書は本来は王のもの」

勇者「王の意思は固い。俺が蔑ろにしていいわけがない」

魔王「よし。さあ、冒険の書を俺に譲るんだ」

勇者「...冒険の書がなくても、お前に勝つ。冒険の書の力に対抗する力も手に入れてやる。これから近いうちに戦うことになるから、覚悟を決めておけ」

魔王「ふははは。いいだろういいだろう、俺を倒してみろ」

魔王「ではさらばだ。これはお前たちへのささやかなプレゼントだ、よりよく使え」

側近「それでは皆さん、失礼します」





勇者「魔法使い、いつまで脱力している、やることができた」

魔法使い「私の結界は意味をなさないんです。私はこれからの戦いについていけない...」

勇者「お前は人間界最強の魔法使いだよ。まだまだ鍛えられる、立て」

勇者「僧侶、魔法使いと一緒に城に残って王の手助けをしてくれ」

僧侶「勇者様は?」

勇者「俺は、ある人物を探す。早いうちに帰ってくるから待っていてくれ」

僧侶「ある人物ですか...?」

勇者「ああ。...賢者が死んで、随分時間が経ったからな」

大臣「?」

>>37勇者「僧侶、魔法使いと一緒に城に残って王の手助けをしてくれ」

  勇者「僧侶、魔法使いと一緒に王の手助けをしてくれ」 です!!僧侶と魔法使いはこれから王と一緒に南の大国に行きます

レス返しなんですが、全レスはしないことにします。ただ穴だらけのssなので、「なんでこの展開?」とか「補足してほしい」というようなことを書いて下さればそれに対してのレスはします、基本的に私のミスだと思うので



魔王はついに勇者から「冒険の書を譲られ」ました。王の意思を尊重し、魔王に「譲る」ことを選んだ勇者。魔王は大変満足げですね

賢者が死んで随分時間が経った?意味深発言の裏にはなにがある?仕事終わったら続き書きます

遅くなってしまった...レスのことはもうちょい考えてみます。

金田明子マジでおもろい

魔法使い「うおぉぉぉぉおおおお!!な、んという硬度!これは、これはっ...!」

僧侶「楽しそうですね、魔法使いさん」

魔法使い「僧侶、いくらでも破壊呪文をぶつけてください!さあ、どうか!!」

王「やかましい、魔法使い」

魔法使い「ご安心ください国王様。どんな呪文もこの私が私の結界で跳ね返します、僧侶!証明させてください!!さあ呪文を!超でも極でもなんでもどうぞ!!」

王「やかましいと言っているんだ」

僧侶「私の知ってる魔法使いさんじゃない」

僧侶「...魔王が交換に置いていった私たち用の武器や防具。魔界で作られたものみたいだから呪いの類でもかかっているのではと予想できましたが」

王「まさか、杖にかかった呪いが「自分に素直になる代わりに力が引き出されやすくなる」というものだとはな」

王「ああ」

魔法使い「僧侶、一回だけでいいのでお願いします...」

王「...握った瞬間に結界呪文を使って引き篭もるとは思わなかった」

僧侶「はい。私と勇者様が数発呪文で攻撃しても結界が無効化されないのを見て自信を回復してくれるまでは困りました」

王「...そのせいで城は半壊したな」

僧侶「...申し訳ございません」

王「お前のロッドに呪いはかかっていないのか?」

僧侶「呪いはかかっていないのですが...呪文の効果範囲と到達範囲が半分になってしまいました」

王「なんと...それでは前の武器の方が良かったのでは?」

僧侶「それが、それらを犠牲にする代わりに一度の回復呪文だけで完全回復か可能になったんです」

僧侶「しかも呪文を無詠唱で発動できて...クセはありますが慣れればこっちの方が」

王「そうか。防具もなかなかの代物のようだし、良かった。しかし、冒険の書を失ったのは...」

魔法使い「国王様。我々勇者一行は国王様の考えが間違っていなかったと思っています」

魔法使い「冒険の書の力を知られていたのです、結局は役に立たないものになっていました」

僧侶「そうです!というか、もしかしたら冒険の書の力に頼って全滅、それで終わりだったかもしれません!」

魔法使い「初めて魔王と側近に会ったとき、我々は事実全滅することを作戦とみていましたから」

王「...ありがとう、お前たち」

剣士C「伝令からでございます。国王様、南の大国が見えました」

王「...ああ。分かった」

王「僧侶、魔法使い、お前たちも交渉の際は脇に控えていろ」

王「お前たちが魔王を倒す前に我は人間界の王となる。今は我に力を貸せ」

僧侶「はい」

魔法使い「もちろん、私の力などでよければいくらでも」

王「(必ず人間界を統治し、金輪際戦争を起こさない。それが俺の使命だ)」

王「よし、全力でやるぞ」

勇者「多分この遺跡後な気がする」



暗黒魔士「侵入者は、斬って、動けなくする。それが、命令」

勇者「...そうか、どうしても?」

暗黒魔士「行くぞ」

勇者「ちょっ」






暗黒魔士「が...ぎ...」

勇者「悪いな、正当防衛ってことにしてくれ」

勇者「...すごいな、この剣。素早さと攻撃翌力が前の3倍ぐらいになったような」

勇者「この防具も、斬られても傷一つ付いてないし」

暗黒魔士「」

勇者「今までだったら3人がかりでも負けてたかもな...どんだけ強くなったんだ」

勇者「多分この遺跡後な気がする」
       ↓
勇者「多分この遺跡な気がする」


少女「(今だ!)」

勇者「!?足が!ってうおお!」

少女「よくも暗黒魔士を殺したな!友達の敵、嫌と言うほど嬲ったあとに殺してやる!!」

勇者「逆さ吊りされるのは初めてだな...ちょっと聞きたいことがあるんだけど」

少女「うるさい!!まずは耳をちぎってやる、そのあと鼻だ!」

勇者「子のお国は」

>>50は間違えて書きこんでしまいました、ほんと申し訳ない

勇者「多分この遺跡後な気がする」
       ↓
勇者「多分この遺跡な気がする」


少女「(今だ!)」

勇者「!?足が!ってうおお!」

少女「よくも暗黒魔士を殺したな!お前を許さない、嫌と言うほど嬲ったあとに殺してやる!!」

勇者「逆さ吊りされるのは初めてだな...ちょっと聞きたいことがあるんだけど」

少女「うるさい!!まずは耳をちぎってやる、そのあと鼻をもぐ!」

勇者「ある人物を探しているんだけど、君は一人暮らし?」

少女「暗黒魔士と爺ちゃんと私の3人暮らしだ」

勇者「そっか。あのね、できれば俺を[ピーーー]前にその人に会わせてもらいたいんだ」

少女「そんなのダメだ!爺ちゃんも[ピーーー]気だろ!」

勇者「爺ちゃんは殺さないよ。なら「現代の勇者が会いに来た」って伝えて欲しい。俺はここで待ってるから」

少女「...分かった。けど、絶対あとで[ピーーー]からな!!」

勇者「はいはい」

少女「じいいいいちゃあああああああああんん!」

勇者「足早いな」

バーーーローー  どや?

バーーーローー  こんどこそ

メール欄だった

新一

老人「なんじゃ、どうした?」

少女「じいいいいいいちゃああああああんんん!!」ガシッ

老人「これ、急に抱き着く出ない!」

少女「あのね、なんかね、いくつかね、爺ちゃんに言うんだけどね、暗黒魔士がね、殺された!だから殺すよ!あいつ!!」

老人「暗黒魔士がか?ふむ...後で手術してやるか」

少女「治るの!?」

老人「当たり前じゃ。スーパー爺ちゃんだからの」

少女「さっっっっすがじいちゃあああん!!」

老人「あいいたたた、これ、締め上げる出ない、下半身と上半身が分離してしまうじゃろ」

少女「それでね、あとね、なんかが会いに来た!」

老人「なんかとは?」

少女「え...」

少女「えっと...確か...」

少女「.........」

少女「殺し屋!!」

老人「物騒じゃな」

老人「しかしまあ...ふむ。暗黒魔士を倒すほどの殺し屋か」

老人「殺し屋はどこにおる?」

少女「エントランス!」

老人「遺跡入口か...ならば」

老人「遠隔破壊呪文・極」

少女「きゃっ」

老人「おっと、ごめんよ。」

老人「暗黒魔士を倒す...少なくとも魔王の側近級であるが、手並み拝見じゃ」

勇者「ん?...空が暗くなっ!?」

勇者「なんか落ちてくる!なにあれ...真っ直ぐここに落ちてくるの!?」

勇者「巨大な...石?」ゴシャッ







少女「おい殺し屋!爺ちゃんがリビングに来いって言ってるから行ってこい!!」

勇者「...はい。あの」

少女「なに?あ!罠はどうした!?なんで立ってんだ!!」

勇者「いや、今の隕石から身を守るため」

少女「隕石?わけわかんないこと言うな!」

勇者「(やっぱり爺ちゃんは...)じゃあ案内してくれ」

少女「少女は晩御飯の肉を取りに行くからお前は一人でいけ!!ばあか!!!」








老人「生きとったか。ほお、無傷とは」

勇者「俺を殺す気だったのか?」

老人「暗黒魔士を倒せたお前じゃ、あの程度どうにかできるじゃろう。しかし、無傷とは...どうやったんじゃ?」

勇者「衝撃波で粉々にした。ちょっと粉が目に入って痛かったから無傷ではないぞ」

老人「それはそれは...んん?その剣と防具...お前、魔界の民か?」

勇者「いや、俺は勇者だ」

老人「ほう!なるほどのう。しかし、それらは魔神族が生涯の伴侶と認めた相手に与えるものじゃぞ?どこで見つけた?」

勇者「...魔王からもらった」

老人「ほう!この代の魔王は女型か!!」

勇者「いや、男だ」

老人「なんと!!ふほほほ、男の魔王に伴侶として見初められたのか、面白いのう」

勇者「面白くないな、俺にとっては」

老人「まあそれほど気にするな。...魔神族が暴走したとき、誰にも止めることはできない。感情が高ぶれば自制も聞かなくなる」

老人「その場合伴侶に殺してもらうんじゃ」

勇者「そのための剣と防具か?」

老人「うむ、それらを装備すれば自力が何倍にも底上げされ、力ある物が装備すれば確実に殺せる攻撃力と安全に殺せる防御力を手にするのじゃ」

老人「そういえば、呪いはどんな呪いがかかっておった?」

勇者「呪いのことも知っていたのか。...右耳の聴力と嗅覚を失った」

老人「五感の一部を制限されたか」

勇者「今までと感覚が変わって文字通り違和感しかないよ」

老人「ふほほほ、慣れれば違和感など無くなるわい」

老人「さて、お前がここへ来た理由を聞くのは夕食のあとじゃ」

老人「わしは暗黒魔士を直しに行ってくるから、茶でも飲んでのんびりしといてくれ」

勇者「ああ、そうさせてもらう」

老人「ふほほほ」






老人「それではいただきます」

少女「いただきます!!」

暗黒魔士「いただき、ます」

勇者「いただきます」

少女「なあ、私の取ってきた肉美味い!?」

勇者「まだ食べてないよ、あ、スープ超美味い」

暗黒魔士「俺、何度も言うけど、菜食主義、だから、肉、食わない」

老人「お前は何度改造しても肉が食べられるようにはならんなあ」

暗黒魔士「生前、肉、食って、死んだ。トラウマ」

老人「ふほほほ」

少女「美味いか!?」

勇者「ああ、美味い」

少女「私が取ってきた肉だからな!」フンス

勇者「これ何の肉だ?さっき狩りして取ってきたにしては味が深いというか」

暗黒魔士「その肉、ドラゴンの、肉」

勇者「え」




少女「お腹いっぱいだ」ゲフー

老人「これ、行儀が悪いぞ」

暗黒魔士「ごちそう、さま」

勇者「ドラゴンの肉っていいな、また食いたい。ごちそうさま」

暗黒魔士「じゃあ、侵入者が、遺跡に入らないよう、入口を、守ってくる」

老人「うむ」






老人「さて、少女はそろそろ寝なさい」

少女「...うん。おやすみ...」

勇者「おやすみー」





老人「さて、勇者。なぜここに来たのか話してくれんか?」

勇者「...あなたに謝罪と相談があってきた」

老人「謝罪と質問、か」

勇者「まずは謝罪の方なんだが、冒険の書を魔王に渡した」

老人「ほ?」

勇者「あなたが人間界に残してくれたものなのに悪いことをしたとおもう」

老人「そうか、どうでもいいわ。質問とはなんじゃ?」

勇者「冒険の書の力を無効化する方法はないか?」

老人「奪い返せばいいじゃろ、またお前が所有者になればよいだけじゃ」

勇者「...魔王は綿密に作戦を立てて、俺が冒険の書を渡さざるを得ない状況を作った」

勇者「多分奪い返されないための対策がされてるだろうし、魔王が予想できないことをしないとどうにもならないと思う」

老人「魔王に選ばれる魔神族は力も知恵も備えておらんといかんからなあ...」

老人「そうじゃな、奪い返すことよりも無効化する方法を考えるべきじゃ」

老人「なかなか面白そうじゃ、老いぼれと魔王の知恵比べ、やってやろう」





老人「謝罪と質問、か」
     ↓
老人「謝罪と相談、か」  です



勇者「ほんとうか!ありがとう」

老人「今の世代のことに首を突っ込むべきではないと思って今までここで余生を過ごしておったが」

老人「自分の作った物のことなら話は別じゃからな」

老人「にしても、見つけたな。ここに400年は引き篭もっておったし、世間では死んだことになっているじゃろ?」

勇者「...この遺跡に来るのは2度目だ」

勇者「あの時はまだ仲間がいなくて1人旅していたころだけど、ここを探索しようと思ったら鎧騎士が切りかかってきて」

勇者「一撃で死んだ」

老人「ふほほほ、鎧騎士は暗黒騎士の改造前じゃな。それでも並の旅人じゃ相手にならんからのう」

老人「...おお、思い出したわい!そうか、あの時の侵入者は勇者じゃったのか!」

老人「少女がここに住むようになる前じゃな、今は切り殺された侵入者を処分してもらっておるが、以前はわしが処分しておった」

老人「鎧騎士に処分を頼まれて入口に行ったら」

勇者「死体がどこにも無かった」

老人「そうじゃ」

勇者「...当時俺が冒険の書の力を使ったことは王に報告しなかった。今もだけど」

勇者「恥ずかしかったんだ。勇者として旅だったのに魔王じゃなく遺跡の守護者程度に殺させたことが」

勇者「次の街で僧侶と魔法使いを仲間にした、2人に冒険の書の力を伝えて他言しないことと何があっても魔王陣営に存在を知られないことを約束させた」

老人「じゃが、魔王は知っておったんじゃな?」

勇者「ああ、あんたの実験情報が魔王城に保管されているらしい」

老人「なんと!」

勇者「仲間と旅をして色々な場所を巡り、多くの魔物や魔族と出会った」

勇者「だけど鎧騎士のような異質な存在とは出会わなかった」

勇者「なんというか...鎧騎士は魔物とも魔族とも違う存在に感じだ。誰か、多分魔法使いか賢者の中でも最上位の...俺よりも繊細な魔力を持つ人間が作った呪い人形。という位置づけが一番しっくりきた。...ただ、呪い人形は何千年も前から作ることを禁止されてる」

勇者「呪い人形の餌は製作者の寿命。危険すぎるから作るのは禁止、自然なことだ」

勇者「だけど賢者は魔界に行ってルールには縛られず自由にできた」

勇者「自由に実験でき、しかも冒険の書という寿命や生命エネルギーを自由に操作できる代物を開発した。呪い人形の餌ぐらいどうにでもなるだろ」

勇者「というか冒険の書を作ったんだ、自身が不死身でもおかしくない」

勇者「だから遺跡の奥には賢者がいると思った」

老人「なるほどのう。大正解じゃ」

老人「お主は見た感じアホじゃが頭がいいのう」

勇者「ひどいぞ、じじい」





賢者「冒険の書を無効化する...思いつかんなあ」

賢者「一日考えるから、続きは明日じゃ」

勇者「そうか、よろしく頼む」

賢者「んむ。じゃ、おやすみ」








勇者「俺、どこで寝たらいいんだ」

>>100までに終われるかな?短めにしたかったけどきつい気がする

このスレ立てて、レスのことやsagaを知れてよかった。次の時も役立てるから!!


登場人物一覧

勇者陣営              魔王陣営

勇者                魔王

魔法使い              側近

僧侶                魔将軍(殉職)

国王                元大臣(殉職)

新大臣               

賢者    ♂1302歳

少女    ♀10歳

暗黒魔士(元鎧騎士)   ♂♀800歳



魔王陣営で勇者一行と戦える実力があるのは魔王・側近だけです


少女「おい、起きろ」

少女「起きろって!聞いてんのか!!」

勇者「うお!な、なんだ敵か!?」

少女「散歩に行くからお前も来い!」

勇者「...え、散歩?まだ日も出てないじゃないか...眠いんだけど」

少女「お日様のぼったら朝御飯だからその前にお腹を空かせなきゃなんない!」

勇者「勝手に行ってくれ...」

少女「爺ちゃんが今日はお前と一緒に散歩行けって言ってたからはやく着替えろ!」

勇者「爺ちゃんが?...ああ、もう。分かったからちょっと待っててくれ」

少女「エントランスで待ってるからな!」

勇者「遺跡入口な」

少女「おはよおおおおお、暗黒魔士!」ガシッ

暗黒魔士「おはよう、少女。やめて、体が、ちぎれる」








勇者「ふああ、眠い。まあ着替えると言っても、鎧はいいか。剣だけ持っていこ」




勇者「おはよう、暗黒魔士。徹夜か?」

暗黒魔士「おはよう、ございます、勇者様。それが、命令、ですので」

勇者「...呪い人形に睡眠は必要ないのか」

少女「呪い人形?」

勇者「いや、なんでもない」

少女「じゃあ行くぞ!暗黒魔士、行ってきまああああす!」ダダダダダ

勇者「え、走るの!?ちょっと待て!じゃあ行ってくる!!」



暗黒魔士「...行って、らっしゃい。少女、勇者様」






勇者「そういば、暗黒魔士はどうして俺の名前に敬称を付けて呼んだんだろう?」

勇者「まあ、これで帰りにまた斬りかかられることは無さそうか」

少女「こっちだ!」



少女「ここからまっすぐ進むから、競争するぞ!!」

勇者「いや、もう、胃が痛い...息するのが辛いんだけど」

少女「え...大丈夫か?少女のせいか?」

勇者「いや、準備運動してないせいだよ」

少女「そうか、じゃあお前のせいだ!ダッシュ!!」

勇者「待っ...ちくしょう、負けるのは悔しいからなんかいやだ!!」



少女「ゼエ...ゼエ...」

勇者「ゼエ...ウッ...ゼエ、ハア...」

少女「速いな...お前...こんなに、速いやつ...いるなんて...」

勇者「一応、勇者...だからな...うっ、おええええええええええ」

少女「うぎゃあ!き、汚い!!」

勇者「お、俺の...勝ち、だからな」

少女「うるさい、汚い!」

勇者「ふふふ、勝った...おえ」





勇者「ふう、ようやく落ち着いた」

少女「...ここは、私の一番好きなところだ」

勇者「ただのだだっ広い草原じゃないか」

少女「ここで爺ちゃんと暗黒魔士に会った。私を拾ってくれた」

勇者「...そうだったのか。親は?」

少女「顔は知らない。爺ちゃんが言ってたけど、ここには昔、村があったらしい」

勇者「村?」

少女「うん。魔女狩り?っていうのでつ、つ...追放?された女が集まって作った村。」

勇者「(魔女狩り...魔物の子を孕んだ女性を街や村から追放する悪しき習慣か...噂には聞いたことはあるが)」

少女「多分私のお母さんはその一人かもって。村は魔王軍に潰されたって...」

勇者「そうか...」

勇者「毎朝ここまで?」

少女「うん。毎朝おはようってお母さんに言いに来てる。おはよおおおおおおう!!!!おかあああああああさあああああああんん!!!!」

勇者「...俺も挨拶しとこうかな、おはよう、少女のお母さん!」

少女「よし、帰るぞ!」ダダダダダ

勇者「また走るの?」

暗黒魔士「おかえり、なさい。少女、勇者様」

勇者「ただいま」

少女「ただいまあああああ!!」ガシッ

暗黒魔士「やめて、体が、ちぎれる」





老人「いただきます」

少女「いただきます!!」

暗黒魔士「いただき、ます」

勇者「...」

老人「?どうした、食べたいと言っておったドラゴンの肉じゃぞ?」

勇者「...俺を散歩に連れていくように言ったそうだな」

老人「おう。村の跡まで行ったかの?」

勇者「走ってな。鎧を着ていかなくて正解だった」

老人「ふほほほ、そうじゃ勇者、少女と夫婦になるのじゃ」

勇者「は?夫婦?」

少女「少女は勇者と夫婦にならないぞ!爺ちゃん!」

老人「ふほほほ。お似合いなんじゃがなあ。のう、暗黒魔士」

暗黒魔士「勇者様と、少女は、仲がいい。結婚すべきです」

勇者「なんで!?」

少女「絶対やだ!ゲロ吐くからやだ!」

勇者「あれは仕方ないことだろ」

老人「ほれ、早く食べないと冷めてしまうぞ、勇者」

勇者「ったく...」

老人「ふほほほ」




少女「ごちそうさま!!」

暗黒魔士「ごちそう、さま。じゃあ、侵入者が、遺跡に入らないよう、入口を、守ってくる」

少女「少女も!」

勇者「ごちそうさま」

老人「なんだ、全部食べれたじゃないか」

勇者「...うるさい」

老人「ふほほほ」




老人「勇者。昨日の件じゃが、いい案を思いついたぞ」

勇者「!聞かせてくれ」

老人「まあ焦るな。いい案と言うのはな...」

勇者「ああ」

老人「...暗黒魔士と少女を連れていくことじゃ!!」

勇者「え?」

今日はここまでです!!多分明日には終えられるかな?


魔王はほんとにただ冒険の書が欲しかっただけなん?さほど効果に期待してるようにも見えんし

そもそも魔王と戦う理由が無さそうなんだが

>>73

不死身になれるという効果に『興味』を持ち、物欲に負けて手に入れました
あと、勇者一行に対しての対策です。アドバンテージが冒険の書なので、冒険の書を手に入れられれば勇者一行を窮地に追い込むことができます
奪い返されない限り、勇者一行は一度も死ねなくなってしまいます

ついでになんですが、>>4で魔王が魔将軍の話題を切り出したのは、本当に冒険の書があれば復活するのかを確認するためです
今まで一度も『勇者一行が復活した!』という報告を受けたことが無かったため、多少は心配だったようで...


>>74

本当に申し訳ないです、魔王側の描写が少なすぎました。
魔王が魔王軍の中でどれ程の影響力か、魔王が死ぬとはどういうことかを書いてなかった...

魔王と側近が強いことはお伝えできたと思うんですが...




魔王側の動きから書き始めます
冒険の書を手に入れた魔王の心境やらなんやらが伝われば幸いです

では、仕事へ、行ってきます(二度寝したいな)
次の更新は夜になるかと...

魔将校A「なんで大国の兵団がここにいるんだよ!」

魔将校A「第一部隊から第四部隊は撤退、第五部隊は足止めだ!死守しろ!!」

第五部隊長「っ!...はい。」




魔将校B「聞いたか?魔将校Aが死刑になること」

魔将校C「ああ。足止め役に選んだ第五部隊長ってのが実はお亡くなりになった魔将軍様の一人娘の婚約相手だったとか」

魔将校B「そうなんだよ、第五部隊長を死なせたってことで魔王様がお怒りになられて...」




魔将校A「ま、魔王様!どうかお許しください!!」

魔将校A「知らなかったのです...どうか、どうか!!」

魔王「言い残すことはあるか?」

魔将校A「魔王様、お願いします...お許しを...」

魔王「無いようだな。側近、あれを」

側近「はい」

側近「...魔王様、どうぞ」

魔将校A「?こ、これは何でございますか...本?」

魔王「命殺呪文・極」

魔将校A「っ!...」ドサッ

魔将校A「ん...ここは...」

魔王「ほう、本当に復活したな。側近、あとは任せるぞ」




魔将校A「あの、側近様...なぜ私はここに」

魔将校A「!そうだ、私は死んだはずじゃ」

側近「死んだことは覚えているのか。これで魔族でも冒険の書の効果が発揮できることが証明できた」

側近「実験に付き合わせてすまなかった、魔将校A」

側近「命殺呪文・超」

魔将校A「な、また!...」ドサッ

側近「...極でなく超で死んでしまうとは、情けない」

側近「(あのあと6回も...楽しかったが、彼には申し訳ないことをした)お待たせしました」

魔王「ああ」

側近「報告がありました。戦況ですが、大国の軍が援軍として各地に散りばり始めました」

側近「このままいけば、近いうちに各戦場の現場指揮は大国の将校たちに任されるようになるでしょう」

魔王「そうか、ならばいい」

魔王「...ヴァンパイア族と機械族にも城に来るよう言っておけ」

側近「まだ増やすんですか?」

魔王「念には念を、だ」

側近「それでは直ぐに使いを送ります」




ヴァンパイア族長「魔王様の命なら例え日の中、水の中だ。例え灰になってしまっても本望である」

使者「そうですか、お願いしますね」




機械族長「ウケタマワッタ、キョウジュウニイク」

使者「いえ、そんなに急がなくても」

僧侶「上手くいきましたね、国王様!」

王「予定より金を多く渡すこととなったがな」

南の王「父上から受け継いだ国じゃからな、はした金で渡すわけにはいかん!」




南の王「おい、宴の用意はできておるな?明日から国の歴史が大きく変わるんじゃ!派手に騒げ!!」

家臣たち「『宴だー!』」




魔法使い「あの、国王様。もしかしたらすでに勇者様が城に戻っているかもしれません。どうかお断りを」ヒソヒソ

南の王「ん?心配するでない!転移呪文で飛ばしてやる!今日は飲んでいけ!」

魔法使い「て、転移呪文...でございますか?初めて聞く呪文です」

南の王「なら教えてやろう!この国には転移装置というのがあってな、行き先を指定すれば瞬時に移動できる便利品だ」

魔法使い「なんと!」

南の王「装置の発明者は初代勇者パーティーの賢者じゃ。城の宝物庫に製造方法が記された資料が保管されておってな、歴代の国王はこれをどうにか自分の代で再現しようと尽力した」

南の王「儂の代でようやく作ることができたのじゃ!!」

南の王「じゃが、これはもう儂の物ではない!王、お主のものじゃ!!」

王「!...よいのか?」

南の王「よいもなにも、この国はお主に売ったんじゃ。好きにしてよい」



南の王「さあ、宴じゃ!広間に来い!!」











少女「...爺ちゃん、少女のことが嫌いになった?」

老人「そんなことは無いぞ、少女。しかし、こんな場所にずっと住んでおってはいかんのじゃ。お前はこれから世界を見て、知り、理解していかねばならん」

老人「人として生きる者にとって、成長することは義務じゃ。勇者と共に行きなさい」

少女「爺ちゃん...」グスッ

老人「ふほほほほ、泣くでない。...よろしく頼むぞ、暗黒魔士。少女を守ってやってくれ」

暗黒魔士「...」

勇者「じゃあ、行ってくるよ」

老人「ああ...」



ーー回想ーー

老人「勇者。昨日の件じゃが、いい案を思いついたぞ」

勇者「!聞かせてくれ」

老人「まあ焦るな。いい案と言うのはな...」

勇者「ああ」

老人「...暗黒魔士と少女を連れていくことじゃ!!」

勇者「え?」

老人「暗黒魔士は少女のお守として連れていけ、少女一人では寂しくてずっと泣きべそかくじゃろうからな」

勇者「い、いや、俺はこれから魔王と戦うんだぞ!?危険すぎる!」

老人「あの子は強いぞ?」

勇者「っ、強いのは分かってる!だけどまだ子供じゃないか!というか、冒険の書と何の関係が...」

老人「そのことについては既に暗黒魔士に伝えておる」

勇者「...一体なんだ」

老人「どうか頼む、勇者よ。今お前に全てを伝えることはできないんじゃ」

勇者「...しかし」

老人「お前は世界を救うためにここに来たんじゃろ?」

勇者「!」

老人「昼になったら旅立て。少女にも声を掛けておけ」

勇者「...分かった」


ーー回想終わりーー



老人「(...寂しいと思っているのはお前だけじゃないぞ)」

老人「(いってらっしゃい、愛する娘よ。お前に出会えて本当に良かった)」

老人「さあ、涙を拭うんじゃ。何時の元気な声で行ってきますと言いなさい」

少女「...うん」ゴシゴシ




少女「爺ちゃん!」

少女「行ってきます!!」




少女「勇者!遅い!!」ダダダダダ

勇者「少女が早すぎるんだ!ペースを落としてくれ!」

少女「お城って遠いんでしょ!?じゃあ走らなきゃだめだ!!」

勇者「その通りだけど、俺は暗黒魔士を担いでるんだ!そんなに早く走れない!」

暗黒魔士「勇者様、ごめんなさい」

少女「!じゃあ少女が暗黒魔士を担ぐ!」

勇者「あ」

少女「じゃあ走れ、勇者!!」ダダダダダ

勇者「ちょっ、早っ!!」








僧侶「だ、ダメです!私は聖職者なので飲酒は!?」

女兵士「つまんないこと言うなよ!ほら飲んだ飲んだ~!!」

僧侶「酒臭いですっ!ち、近い!!」



魔法使い「そうでしたか、あなたが転移装置を!」

魔法技師「まあな。たまたま作れたのだけさ」

魔法使い「たまたま!それはすごい!」

魔法技師「なんでも褒めるな、君は」



南の王「この国には美人が多いからな!結婚してるのか?適当に見繕ってやろう」

王「見繕う...う、嬉しい話だがまた今度な」

南の王「そうかそうか、いつでも頼れよ!」








側近「ヴァンパイア族、機械族が到着いたしました」

魔王「よし」

魔王「明日、戦争を終わらせる。もちろん魔王軍の勝利という形でな」

王「そろそろ帰るか。楽しかった」

南の王「もうか...もう少し一緒に飲みたいんだが」

王「申し訳ない...」

南の王「おい、お帰りだぁ!!転移装置の準備は!!」

家臣「できております!」



僧侶「女兵士さん、もう帰るので腕を離してください!」

女兵士「やだぁ~!」ギュー

僧侶「仕方ないですね...睡眠呪文!」

女兵士「」グゴァー



魔法技師「もう帰るらしいぞ」

魔法使い「もっとお話聞きたいです!」

魔法技師「早く帰れ」

南の王「一晩中飲み明かしたかったが、残念だ...また来い!」

魔法技師「じゃあ、国王様もお付の人も、全員この円の中に入ってくれ」



魔法技師「行くぞ...スイッチ、オン!!」

ズオォォォォォォォォォン!

シュンッ






一同「!!」

王「ここは...城門か!」

魔法使い「本当に...転移、できた!」

僧侶「すごいです!って大丈夫ですか!?」

魔法使い「腰が、抜けた」

剣士C「一瞬であの距離を移動したのか」

剣士D「馬車いらないな、転移装置があれば...羨ましい。あ、王の所有物になったのか」





勇者「ん?...あ、王たちがいる」

僧侶「あ!勇者様!!」

魔法使い「勇者様!私は感動しています!!」

勇者「そ、そうか。突然どうした」

王「...勇者よ、その者らは?」

僧侶「女の子と...えっと、魔物?」

勇者「少女と暗黒魔士だ。どっちも仲間だよ」

僧侶「...この子が『ある人物』だったんですか」

勇者「違う。それは賢者のことだ」

魔法使い「賢者...?」

勇者「ああ」

王「城門を通ったら城が崩壊してた」

僧侶「忘れてました、そういえば」

勇者「ああ、忘れてた。今思い出したな」



剣士C「街一番の宿屋を貸切にしました!今日はここにお泊りください」

剣士D「国王様、厳重に警備いたしますので、ご安心ください」

王「ああ、頼む。じゃあおやすみ、勇者」




僧侶「賢者様が生きてらっしゃったんですか!!」

魔法使い「書の力を無効化する方法...この子が関係しているのか?」

少女「?なんの話をしてる?」

勇者「...暗黒魔士、教えてくれないか?少女を連れていく理由を」

暗黒魔士「...まだ、言えません。けど、大丈夫です」

僧侶「...?よくわかりませんが、まだその時ではないんですね」










側近「命殺呪文・超!」

悪魔A「もう、許して...ぐっ」ドサッ

悪魔B「これ以上死にたく...うあっ!」ドサッ

悪魔C「頭がおかしくなっちまう...ぎっ」ドサッ




側近「ああ、ぞくぞくする!!何回も殺してしまう!こんな楽しいおもちゃ、初めて!」

側近「まだ60回目よ?朝までまだまだ時間はあるわ!ああ、幸せ」




魔研究員「朝までに調整を済ませるぞ!今日は眠れないからな」

助手「ええ...」

気に入った勇者ものSSがことごとくエターナって悲しい思いをすることが多い

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