女「敬語使うな殺すぞ」(11)
男「ごめんなさい」
女「謝ってんじゃねーよカス。俺は同年代に敬語使うやつと、無駄に謝るやつがこの世でいちばん大嫌いなんだ」
男「ごめん」
女「だから謝んなカス」
男「・・・・・」
女「返事はしろよ。そこは『うん』でいいだろうが」
男「・・・はい」
男「・・・敬語使ったのは私が悪かったと思います。それはごめんなさい」
女「謝るくらいなら最初からすんじゃねーよ」
男「・・・でもね。同年代にグチグチと説教垂れたあげく、KYだの友達いないだの言うあなたも最低じゃないですか？」
女「・・・・・・」
女「……はあ。」
男「なんでため息ついたんですか」
女「お前、ズルいやつだな。呆れることしかできねえよ」
男「・・・はい？」
女「お前の敬語にも謝罪にも心がこもってないんだわ。お前は悪意しかねえずるいやつだよバーカ」
男「は？ 汚い言葉でののしるあなたよりはマシじゃないですか」
女「一緒だよ馬鹿野郎。お前の敬語と謝罪には、ドス黒い本音が透けてんだよバーカ」
男「なにが一緒なんですか」
女「相手を馬鹿にするために敬語と謝罪を使ってんだろバーカ。お前の敬語は悪口だよカス」
男「……バーカバーカうっせえんだよクソ女」
女「都合悪くなったからって敬語やめてんじゃねえよクソ男」
男「てめえなんざに敬語使ってられるか」
女「あ？」
男「ああん？」
……………
………
…
男（目の前の箱の中で眠る彼女を見て、そんな口喧嘩をしたことを思い出していた）
女「」
男（あんなに生意気だったのに、静かになりやがって）
男（自分のことを想ってくれる人がいなくなるのは寂しいんだぞ）
男「ばかやろう・・・・・」
おわり
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