【ラブライブ】海未「ラブアローシュートが撃てるようになってしまいました」 (26)

――高坂家 穂乃果の部屋

穂乃果「お茶持ってくるからちょっと待っててねー!」ガラッ

海未「……」

海未「…………」

海未「……………………よし」



海未「皆のハート撃ち抜くぞぉ~!ばぁん!!」キャッキャ

海未「ラブアローシュートッ!」スッ...ッドゴォォォォ!!

海未「きゃああ!?」

ガラッ

穂乃果「何か今凄い大きな音g――うわああ!?壁に穴があああ!?ベッドも吹っ飛んでる!?」

海未「ほ……ほのかぁ!」

穂乃果「な、何があったの!?何なのこれ!?」

海未「私にも分かんないです!手からビームみたいなのがあああ!?」

穂乃果「!?」

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――数十分後

ヒデコ「壁とかベッドとか、完璧に直しておいたよ!」

フミコ「また何かあったら気軽に呼んでね!」

ミカ「それじゃ、あたし達はこの辺で!じゃあね!」

穂乃果「ありがとねー!」

海未「うぅ……申し訳ありません……」

穂乃果「大丈夫だよ、ちょうどお父さん達居なかったから怒られずに済んだし」

海未「しかし……」

穂乃果「それより、さっきのは何だったの?」

海未「私にもよく分らないのですが……手から何かが出たのです」

穂乃果「何か?」

海未「はい……。空に向けてもう一度やってみますね」ガラッ

穂乃果「う、うん……?」

海未「ら……らぶあろーしゅーと……」ドガァアアアアア!!

穂乃果「!?!?」

海未「これなんですが……」

穂乃果「い、意味わかんないよこれ!?」

海未「私はこれからいったいどうすれば……」

穂乃果「その前に1つ聞いていい?」

海未「な、なんでしょう」

穂乃果「ラブアトーシュート、って何?」

海未「……気にしないでください」

穂乃果「気になるよぉ〜!!」

海未「だから気にしないでください!う、撃ちますよ!?」

穂乃果「ひぃ!?」



ことり「2人とも遅くなってごめぇん!聞いて聞いて!さっきね、なんか凄い大きな音がしたんだ!」


海未「あ、それ私です」

ことり「!?」

穂乃果「なんかね、海未ちゃんがね、ラブアローシュート撃てるようになったんだって!」

ことり「らぶあろー……何?」

海未「空に向かって撃ちますね……」

チュィイイン.....ッッドゴォォォォッ!!

海未(あ、詠唱なしで撃てるようになりました)

ことり「!?」

穂乃果「ね!凄いでしょ!?」

ことり「凄いなんてもんじゃないよ穂乃果ちゃん!?え!?何!?なんなの!?」

海未「ラブアローシュートです」

ことり「何でそんなに冷静なの!?」

穂乃果「2発も3発も見たら飽きてきたかなって」

海未「もうすっかり慣れました」

ことり「慣れねえよ!!」

海未「うるさいですね、撃ちますよ」

ことり「!?」

穂乃果「あんまり人に向けて撃っちゃだめだよ?」

海未「分かっていますよ。それより、これはどう役立てればよいのでしょうか……」

ことり「役立てるつもりなの?」

海未「せっかく撃てるのですから、何かに役立てたいのです」

穂乃果「が、害虫駆除とか……」

ことり「熊退治とか……?」

海未「あまり私には馴染みのないものばかりですね……」


<キャーーー!ドロボー!!!


海未「な、何でしょう!?」

穂乃果「外に出てみよう!」

ことり「うん!」


――玄関前

穂乃果「な、何かあったんですか!?」

穂むら常連さん「ドロボーよ!あ、あの人が私のバッグを……」

海未「っ!」ダッ

海未「待ちなさい!!」ダッダッダツ


泥棒「……」


海未「こうなったら撃つしか……」

ことり「ダメだよ海未ちゃん!」

穂乃果「さすがに撃ったらあの人死んじゃうよ!?」

海未「で、ですが!……!そうです、人に向けて撃つのがダメなら!」

穂乃果「海未ちゃん?」

海未「地面に撃ってその反動で!!」ドンッ!!ドヒャァ!!

ことり(海未ちゃんが瞬間移動した……)

穂乃果(ネ●ストみたい……)



海未「犯人をとっ捕まえてきました」

穂むら常連さん「お、おぅ……」

穂乃果「人助けだよ海未ちゃん!」

海未「はい!役に立ててよかったです!」

ことり「う、うん……?」

――翌日 通学路

穂乃果「あ、海未ちゃん!おはよう!」

ことり「おはよー」

海未「はい、おはようございます」

穂乃果「あれからどうだった?」

海未「いろいろと練習してみまして、威力調整ができるようになりました」

ことり「そんなさらっと言われても……」

穂乃果「おー!やってやって!」

海未「はい!では……」

ことり「何でちょっと嬉しそうなの……?」

海未「ではまず弱めに……えい」っぽん

小石「ゴロッ...」

穂乃果「おぉ?石がちょっと動いたくらいだ」

海未「では強めに……でぇえええええええい!!」チュイイイイイイ.......ッドゴォォォォオオオオ!!

ことり「ぴゃああああ!?」

穂乃果「おぉ!?雲が吹っ飛んだ!!っていうかロボットアニメの主人公みたい!!」

海未「えへへ……」

ことり「だから何で嬉しそうなの!?」

――放課後 屋上

絵里「――よし、全員揃ったわね。練習を始めましょう。じゃあまず柔軟から――」

海未「その前に……皆さんに聞いていただきたいことがあります」

希「んー?どうしたん?」

凛「何かあったの??」

海未「実は……突然ですが――」

真姫(また留学とか言わないでしょうね……)

海未「――ラブアローシュートが撃てるようになりました」

真姫(……まさか)

花陽「らぶあろー……ふぇ?」

にこ「突然のキャラ変とか何か?んなのいきなり言われても困るわよ」

ことり「海未ちゃん……その言い方じゃよく分らないよ」

穂乃果「よし!試し撃ちしよう!」

ことり「また撃つの!?」

海未「そうですね……実際にやってみないと通じませんね。では……」

穂乃果「どっかーん!だよ海未ちゃん!」

ことり「だ、だめ――」

海未「でりゃあああああああ!!!」ッドゴォオオオオオオオオオ!!!

絵里「うひゃあああ!?」

にこ「いひゃあああ!?」

希「ほ、ほほぅ……」ガタガタ

凛「うにゃああああ!?」

花陽「ぴゃあああああ!?」

真姫「っ!」ビクッ

真姫(……そう。あなたなのね、海未)

海未「これです」えっへん

ことり「だから何で嬉しそうなの!?」



理事長「いったい何の音ですか!?」

海未「おや、理事長」

理事長「おや。ではありません!説明しなさい!」

海未「は、はい!実は――」

真姫「理事長、海未がチカラに目覚めました」

理事長「……そう、でしたか。海未さん、あなたが」

海未「??」

ことり「お母さん?」

理事長「これで……皆が助かるのですね……」

真姫「で、ですが!あれを使えば!」

海未「あの……なんの話でしょうか?」

絵里「そ、そうよ。2人は何か知っているの?」

理事長「ええ、皆さんには話しておかなければなりませんね」

ことり「お、母さん……?」

理事長「――今、地球は滅亡の危機に瀕しています」

穂乃果「え!?どういうこと!?」

凛「かよちん死んじゃうの!?」

絵里「あの、理事長?冗談はそれくらいにして――」

理事長「冗談などではありません。……現在、地球に超巨大隕石が接近しています。このまま衝突すれば、地球から生命は居なくなるでしょう」

にこ「……へ?」

理事長「これを受け、各国は対策を練りました。巨大レールガンを作りこれを破壊する案。ミサイルを撃ち込む案――しかし、どれも無理と判断されました。
     軌道を逸らすほど高威力のミサイルは現在ありません。核兵器は宇宙では役に立ちませんからね。
      巨大レールガンなど建造する時間もありません。衝突は……3日後なのですから」

真姫「……そこでうちの、ニシキノ・サイエンス・テクノロジーに話が来たのよ。早急に能力者を作れ、と」

希「これまたスピリチュアルな……」

真姫「うち、そういう研究もしてたのよ……。音ノ木坂周囲に能力場を形成し、誰でもいいから能力に目覚めるよう仕掛けたの」

理事長「誰かが目覚める確率は100万人に1人だけ……。時間がなかったために広範囲に能力場を形成することもできず、絶望的な状況でしたが……」

海未「運よく、私が目覚めた。そういう事ですか」

真姫「運悪く、ね……」

凛「何で?これで皆助かるんでしょ?何で運が悪いの?」

真姫「……それは」

理事長「真姫さん?」

真姫「黙っているわけにもいかないわ。……海未を、失う事になるの」

海未「……」

穂乃果「海未ちゃんを!?」

ことり「どういうこと!?」

理事長「地球を滅亡させるだけの隕石……それだけ高威力な力を必要とします。人体がその衝撃に耐えられないのです」

凛「そんな……」

花陽「酷いです……」

にこ「……なら皆で死ぬだけよ」

真姫「にこちゃん……」

にこ「当たり前でしょ?勝ってに死なれて勝手に退部されちゃ部長として困るのよ!それだけよ!」

穂乃果「穂乃果も……そう、思う。海未ちゃんが居なくなるくらいなら、一緒に居なくなる……」

ことり「ことりも……。海未ちゃんが居ないなら生きてる意味ないもん……」

海未「……」

真姫「まぁ、ここで黙っておけば誰も目覚めませんでした、でまだ隠し通せるわ。あと3日黙ってれば誰にも分からないし」

海未「……やります」

絵里「ちょっと海未!?」

海未「穂乃果やことりが助かるなら、私はそれで満足です」

理事長「……そう」

ことり「海未ちゃん!?」

海未「忘れたのですか?……何があっても2人を守る。昔そう約束したはずですが」

穂乃果「で、でもっ!」

海未「ふふっ、ありがとうございます。でも、もう決めました」

真姫「海未……」

海未「それに自分を犠牲にして皆を助けるだなんて、正義のヒーローみたいでカッコいいじゃないですか
     このチカラは、人助けに使うべきものです。」

理事長「……いいのね?」

海未「はい」

理事長「では、明日の朝に理事長室に――」

海未「いえ、今すぐで構いません」

理事長「……最期の時間なのよ?挨拶などしなくていいのですか?」

海未「要りませんよそんなもの。……迷いが生まれてしまいます」

理事長「……そう」

真姫「海未……」

海未「真姫、私の部屋の引き出しに次の曲の詩があります。次の曲を、頼みますね」

真姫「……任せなさい」

――こうして世界は救われた、彼女を失って。

そして、1週間後――

穂乃果「テレビとか、やらないんだね」

真姫「滅亡寸前でした、なんて発表できるわけないじゃない」

ことり「でも、誰も海未ちゃんの事を知らないなんて悲しいよ……」

花陽「私達、海未ちゃんのおかげで生きているのに……」

凛「凛、寂しいな……」

にこ「あのバカ……勝手に死ぬなんて絶対に許さないわ」

絵里「もう、μ’sは解散ね……」

希「そやね……。うちにとっての奇跡、短かったな……」

真姫「せめてラストライブをやってからにしましょう。海未との最期の約束をまだ果たせていないわ……」



「勝手に解散されては困ります……」

穂乃果「この声……?」

海未「それと、勝手に殺されても困ります」

ことり「海未ちゃん!!」

絵里「まさか……海未っ!」

海未「何が人体には耐えられない、ですか。あの程度で園田がやられるわけないでしょう」

真姫(あ、あの程度……?1日が26時間になっちゃったくらいの衝撃よ……?)

花陽「海未ちゃん……海未ちゃん……!」

海未「はい、海未ですよ」

凛「帰ってくるの遅いにゃ!!」

海未「なかなか帰して貰えなくて……大変でした」

にこ「まったく……勝手に1週間も部活サボったのよ?分かってんでしょうね?」

海未「すみません」

希「海未ちゃんは……やっぱり凄いなぁ……」ポロポロ

海未「希がくれたお守りのおかげかもしれませんね、ありがとうございます」

穂乃果「海未ちゃん」

海未「はい」

穂乃果「おかえり」

海未「はい、ただいま」



このSSまとめへのコメント

1 :  SS好きの774さん   2015年03月03日 (火) 17:40:04   ID: QJ8V-dn7

いやいやw 1日が26時間ってどんな衝撃だよw

2 :  SS好きの774さん   2015年03月18日 (水) 06:49:10   ID: tb2JNzor

地球が太陽との距離を今まで通り保ちながら自転の速度が少し落ちる…で合ってるなら、
そりゃあ確かにとんでもない衝撃なのかもしれんなww

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