一方通行「二万体殺ればレベル6なンだな」研究員「ああ、二万体犯ればな」 (158)




一方通行「国際法で禁止されてるクローンを大量生産して、それを殺(や)れってンだから、イイ感じに頭のネジ飛ンでんじゃねェか」

研究員「ふふふっ、君にとってはお楽しみだろう?」

一方通行「あァ、楽しみだねェ」

研究員「日に何人ぐらい相手できるかね?」

一方通行「何人でも構わねェ。10人でも20人でもな」

研究員「若いねぇ、君も」ニヤリ



一方通行「よォ、オマエが実験相手って事でイインだよなァ」

ミサカ「はい、よろしくお願いします、とミサカは返答します」

一方通行「俺もレベル5と殺(や)るのは初めてだからよォ、楽しみにしてンぜェ」

一方通行(コイツらを2万体殺(や)れば、レベル6……。先はなげェなァ)

ミサカ「では、実験を開始しましょう、とミサカはボタンを外して準備をします」

一方通行「あァ? なにしてンだァ?」

ミサカ「『実験』の準備ですが? とミサカは服を脱ぎながら答えます」

一方通行「なンで『実験』に服を脱ぐ必要があンだよ?」

ミサカ「着たままが好みなのですか、とミサカは少々戸惑いながら尋ねます」

一方通行「なめてンのか? テメェ」

ミサカ「???」

一方通行「どういう事だ、こりゃ」

一方通行が振り返ると研究員はグッと拳を前に突きだしている。

中指と人差し指の間にごっつい親指が挟まっていた。

一方通行「あァ?」



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研究員「Do it! (ヤるんだ!)」

一方通行「話が違うじゃねェか」

研究員「嘘など一つもついていないが?」

一方通行「殺(や)るンだろ?」

研究員「犯るんだ」

一方通行「逝かせろとも言ったなァ」

研究員「ああ。挿入して実験体をイかせればいい」

一方通行「……処理すンじゃなかったのか」

研究員「クローン二万体の性の処理をする事によって、この実験は成就する」

一方通行「……」

研究員「なあに、心配しなくてもいい。クローンはネットワークを通じて記憶を共有していき、二万通りの本番の間に学習し
進化していく」

研究員「最後の方は彼女らのテクニックに悶絶するかもしれんよ?」

顔には脂ぎった笑みが浮かんでいた。


【研究所内施設】


ミサカ331号「あっ……あ、くぅっ……」

一方通行「ンだァ、ケツ振って誘うこともできねェのかァ!?」

ミサカ331号「くっ……はんっ」

一方通行「だれが尻文字書けっつたンだよ」

一方通行「チッ、ンじゃ挿れるぞ」

ミサカ331号「……っ、は……あっ」

一方通行「ちったァ自分から腰を動かせよ」パンパン

ミサカ331号「んあっ、はっ……はっ」

一方通行「オラオラ、もっと締めつけろ。百年経ってもイカねェぞ」パン゚ン

ミサカ331号「ミサ、ミサカは、いっ、……」

一方通行「あァ!? なんだァ」

ミサカ331号「っ~~~」ビクンビクン

一方通行331号「テメェ、イくなら言えっていつも言ってンだろうが」

ミサカ331号「(ビクン、ビクン)」

一方通行「チッ、次だ」

ミサカ334号「今日の実験は、その検体番号331号で終了です、とミサカは説明します」

一方通行「あァッ!? なら、オマエはなンのためにいンだよ」

ミサカ334号「331号の回収のためです」

ミサカ331号「……」ビクンビクン

一方通行「俺のコレはどうすンだ?」ビンビン

ミサカ334号「……?」

一方通行「チッ」




――――最初の9802通りの『実験』は所内でも行える。

だが、残り10198の『実験』は野外で行うしかない。

最初は退屈かもしれんがじきによくなる。

ガンガン処理してくれ。

なあに、避妊などは必要ない。

相手は薬品と蛋白質で合成されたただの人形なのだから――


一方通行「ってたけどよォ、いつになったら学習すンだ、コイツら」パンパン

ミサカ683号「あっ、んんっ……ああっ」

一方通行「ヤってもヤっても、全員同じ反応じゃねェか」パンパン

ミサカ683号「ああっ、……んくぅーー!」

一方通行「オラ、とっととイけ」

ミサカ683号「い……くっ、んんんんっ」



肉と肉がぶつかる音が部屋の中にこだましている。

部屋にいるのは合計で六人。

しかし、そのうち五人はまったく同じ顔、同じ体型をしていた。

ベッドの上には白髪の少年と常盤台中学の制服を着た少女がまぐわっていた。

他の四人はフローリングの床に規律正しく正座をしており、ベッドの上の情事を無表情に眺めている。


一方通行「よし、次だ!」

ミサカ683号「(ビクン、ビクン)」

ミサカ684号「はい。では、これより第六八四次実験を――」

一方通行「ご託はイイから、さっさと脱げ」

一方通行「要するに、俺がオマエらをイかせりゃイイわけだろ?」

ミサカ684号「はい。正確に言うと挿入し、ミサカが絶頂を迎えた時点で実験は終了です、とミサカは懇切丁寧に説明します」

一方通行「オマエら全員パンツ脱いで一列に並べ」

一方通行「よし。じゃあ、四つん這いになって、こっちにケツを向けろ」

一方通行「(ズボッ)」

挿入→ベクトル操作

ミサカ684号「んあっ!!」ビクンビクン

一方通行「次!」

一方通行「(ズボッ)」

挿入→ベクトル操作

ミサカ685号「んあっ!!」ビクンビクン

一方通行「次!」

一方通行「(ズボッ)」

挿入→ベクトル操作

ミサカ686号「んあっ!!」ビクンビクン

一方通行「次!」

一方通行「(ズボッ)」

挿入→ベクトル操作

ミサカ687号「んあっ!!」ビクンビクン

一方通行「なンだこの事務作業はよォ!!」


【月日が経ち、実験は順調に進んだ】


一方通行(……なンか、コイツらにも飽きちまったな)

一方通行「オイ」

ミサカ3691号「はい、なんでしょう」

一方通行「明日からコスプレしてこい」

ミサカ3691号「コス……プレ?」

一方通行「なに着るかはオマエらにまかせる」


【翌日】

ミサカ3691号「これより、第三六九一次実験を開始します」

一方通行「……ちょっと待て」

ミサカ3691号「?」

一方通行「オマエら並んで座れ」

ミサカ「「「「????」」」」

一方通行「なに普通に座ってンだッ! 正座だ、正座!」

一方通行「で? オマエはなンのコスプレだ」

ミサカ3961号「ノーパンしゃぶしゃぶの衣装です、とミサカは返答します」

一方通行「なンだノーパンしゃぶしゃぶって! 知らねェよ!」

一方通行「もっと普通なのがあっただろ」

一方通行「まァいい。次、オマエ」

ミサカ3692号「Rの女です、とミサカは答えます」

一方通行「なンだって?」

ミサカ3692号「Rの女です」

一方通行「(ピキッ[怒])」

一方通行「だから、何なンだよッ!!」

一方通行「Rは何のRなンだ!?」

一方通行「次、オマエ」

ミサカ3693号「ドキンちゃんです、ミサカは堂々と答えます」

一方通行「ナメてンのかァ、テメェはァァ!」

一方通行「着ぐるみじゃねェか、オオッ!?」

一方通行「俺はそれでどう興奮すりゃいいンだァ?」

一方通行「で、最後のテメェ。テメェはなンのコスプレだ?」

ミサカ3694号「森ビルです、とミサカは――」

一方通行「血の流れの向きを逆にしてやろうか!? アアン!?」

一方通行「ノーしゃぶとRの女はまだマシだ」

一方通行「だけど、オマエら二人は決定的に違う」

ミサカ3961号「そうですか。では第三六九一次実験を開始しましょう」

一方通行「軽く流してンじゃねェよ! 聞いてンのか!」

ミサカ一同「?」

一方通行「実験なンざできっかァァ!!」




ミサカ3693号「なにが不満だったドキン? とミサカは得意のモノマネを披露します」コソコソ

ミサカ3692号「3693号、やはり菌という点が気に障ったのではないでしょうか?」コソコソ

ミサカ3691号「変態のくせに注文が多いですね、とミサカは愚痴ります」コソコソ

ミサカ3692号「しかし、それではなぜ、3694号も怒られていたのでしょうか?」コソコソ

ミサカ3694号「……高さ?」

ミサカ一同「ああ」



【翌日】

一方通行「オイ」パンパン

一方通行「テメーらMNW(ミサカネットワーク)とやらで繋がってンだろ?」

ミサカ3695号「は……ぃっ、はあっ……んっ」

一方通行「昨日俺が言ったことはテメェにも伝わってるわけだ」パンパン

ミサカ3695号「んくっ……っ、は……ぃ」

一方通行「東京タワーの着ぐるみを選んだ理由を言え」パンパン

ミサカ3695号「んっ……やっぱり、スカイツリーでしたか、とミサカは――」

一方通行「建物から離れろや!」パンパンパン



【さらに月日は経過して】

ミサカ9982号(以下ミサカ)「ミサカの回収に来ました」

一方通行「オイ、ちょっと止まれ」

ぴらり。

ミサカ「コスプレの次はスカートめくりかよ、とミサカは心の中で呟きます」

一方通行「揃いもそろってダセェパンツ履いてンじゃねェよ」

ミサカ「どうせ脱がすんだから関係ないだろ、とミサカは本音を呑み込んで応じます」

一方通行「オラ、金をやるから買って来い」

一方通行(……女ものの下着っていくらぐらいすンだ?)

一方通行(まァ、このくらいあったら足りるだろ)

一方通行「行ってこい」バサバサ

ミサカ「……」


【街】

ミサカ「お姉さまは休みの度にこうして古書店で立ち読みをなさっているのですか、とミサカは落胆しながら尋ねます」

美琴「う、うるさいわね、別にいいでしょ」

美琴「そもそも、ここはアンタが来たいって言うから――」

ミサカ「お姉さまは普段、ここで何を読まれているのですか?」

美琴「……マンガ」

ミサカ「ミサカの素体は名門常盤台中学の中でも見本とされている令嬢と聞いてましたが……」

美琴「なによ」

ミサカ「ま、世の中こんなもんですよね」

美琴「お、何だコラ」



(立ち読み中……)

美琴「……」ペラ

ミサカ「……」ペラ


(10分後……)

美琴「……」ペラ

ミサカ「……」ペラ


(15分後……)

美琴「……」ペラ

ミサカ「……」ペラ


美琴「ねぇ、さっきから熱心に読んでるけど面白いの、それ?」

ミサカ「はい。世の中にはいろいろな性行為のやり方があるのですね、とミサカは驚愕しながら感想を述べます」

美琴「せ、性行為って、こらっ!」

美琴「ア、アンタはまだ、こんなの読んじゃダメだから」

ミサカ「?」

美琴「こういうのは、もっと大人になってから……」ゴニョゴニョ

ミサカ「……」

美琴「……ね、ねぇ、もしかして、その……もうこういうことを既に経験したりだとかは……」

ミサカ「ミサカは、まだです」

美琴「そ、そうよね。こういうのって焦ってする必要もないしね」

美琴「まあ、それが普通よね、普通」

ミサカ「普通……ですか」



ミサカ「お姉さま」

美琴「なに?」

ミサカ「性行為をする際、キスをする事は当然のことなのでしょうか?」

美琴「はあぁぁ!?」

ミサカ「先程読んだ漫画には性行為の際当然のようにキスをしていましたので、とミサカは付け加えます」

美琴「な、なっ、いっ」

ミサカ「そもそも、キスとはなんのためにするのでしょう? とミサカは率直な疑問を抱きます」

美琴「なんのためって、それは……」

ミサカ「……」

美琴「……」

ミサカ「……?」

美琴「こ、心が……」

ミサカ「?」

美琴「心がときめいて、相手のことをもっと知りたい、と思ったときに自然としたくなるものなんじゃない?」

美琴(は、恥ずかしい! なに言ってんだろ、私)

ミサカ「ときめいて、もっと知りたい、ですか……」

美琴「あ、あんた、今笑ったでしょ!?」

ミサカ「いいえ、とミサカはお姉さまからのあらぬ嫌疑を否定します」



ミサカ「次はあのクレープという食べ物が食べたいです、とミサカはさりげないおねだりをします」

美琴「アンタねぇ……いい加減にしなさいよ! いくらおごらせるつもりよ」

ミサカ「まだ、紅茶とハンバーガーと缶ジュースしかおごってもらってませんが、とミサカは事実を述べます」

美琴「十分でしょ! あとポップコーンもおごったわよ!」

ミサカ「ふぅ……」

美琴「なによ」

ミサカ「意外と恩着せがましいんだな、と本音を胸にしまってミサカは嘆息します」

美琴「なにをーー!」


ミサカ「仕方ないですね、と落胆しながら――あっ」

美琴「今度はなに」

ミサカ「猫です」

美琴「あ、かわいい」

ミサカ「チチチッ、チチチッ」

美琴「こらっ、不用意にしゃがまないの。パンツ見えちゃうでしょ」

ミサカ「パンツ……」

美琴「どうしたのよ」

ミサカ「ミサカは当初の目的を思い出しました」

美琴「なに」

ミサカ「おつかいをしにここへ来たのでした、とミサカは説明します」

美琴「おつかいの最中だったの!」

ミサカ「はい」

美琴「それなのに何時間も私とブラブラしてたわけ!?」

ミサカ「主にお姉様のせいですねと、ミサカはお姉様に責任転嫁をします」

美琴「どうして私のせいになるのよ」

美琴「とにかく、早く行かないと店閉まるわよ。一緒に行ってあげるから行くわよ」

ミサカ「はい」


【ショップ】


美琴「下着って自分用?」

ミサカ「まあ、そうですね」

美琴「そっか。う~ん、どれにしようかなぁ」

ミサカ「お姉さま、これはミサカの買い物です」

美琴「まあまあ。あっ、これかわいいっ。どう?」

ミサカ「いや、ねーだろと、ミサカはミサカの素体のお子様センスに愕然とします」

美琴「なっ、アンタ猫好きなんじゃないの!?」

ミサカ「だからといって、猫のイラストがついたパンツは……と、ミサカは鼻で笑いながらお姉様を見下します」

美琴「べ、別にいいじゃない」

美琴「もう、いいわよ。アンタの買い物だしね」

ミサカ「……お姉さま、これですね」

美琴「なに? 買うの?」

ミサカ「はい」

美琴「ふぅん、なんだかんだ文句言いつつ、気に入ってんじゃない」

ミサカ「ふぅ……」

美琴「なによ、そのため息は」



ミサカ「お姉さまのセンスはあてにならないということが分かったところで、ミサカは自分のセンスで下着を探します」

美琴「はいはい。っていうか、何着買うつもりよ」

ミサカ「これくらいです、とミサカは財布の中身をお姉様に見せます」

美琴「ちょっと、これ10万以上入ってない!」

ミサカ「正確には18万円です。ちょうどミサカを買える値段です」

美琴「何の冗談?」

ミサカ「事実ですが」

美琴「……笑えないわ」

ミサカ「……」



美琴「で、何に使うわけ? そんな大量の下着」

ミサカ「実験に関する質問にはお答えできません」

美琴「いかがわしい実験じゃないでしょうね」

ミサカ「機密事項です」

チーン!

店員「18万3500円です」

ミサカ「足が出てしまいました、お姉さま」

美琴「知らないわよ」

ミサカ「ふぅ……」

美琴「さっきから、そのため息はなんなのよ!」

ミサカ「では、どれかを戻しましょう」

美琴「私が選んだ猫のイラストの下着を外せば、予算内に収まるんじゃない?」

ミサカ「いえ、これは必要です」

美琴「ふぅん…………あ、そう」



美琴「領収書は?」

ミサカ「?」

美琴「領収書をもらってこいって言われなかった?」

ミサカ「いえ」フルフル

美琴「でも、もらっておいた方がいいわね。アンタのお金じゃないんでしょ?」

ミサカ「はい」

美琴「すみません、領収書ください」

店員「宛名はどういたしましょう」

ミサカ「……」

美琴「宛名を聞かれてるわよ」

ミサカ「では、漢字で『いっぽうつうこう』で」

美琴(かかった。この子が所属している施設かグループの名前が漢字で『いっぽうつうこう』、それが分かれば、私ならいくらでも探せるわ)



【帰り道】


美琴「ちょっとじっとしてなさい」

ミサカ「なんでしょう」

美琴「今日、ガチャガチャで獲った景品でね、と。できた」

ミサカ「バッジですか……」

美琴「うん、鏡で見るよりも分かりやすいし、客観視できるわね」

美琴「こうして見ると、ありかなしかって言うと、あり……」

ミサカ「先程のパンツの件でも思ったのですが、どこまでもお子様センスなのですね、とミサカは驚愕を通り越して呆れます」

美琴「なっ、何おう!」



美琴「もういいわ今日のところは失礼させてもらうわから」

ミサカ「……」

美琴「ん? まだ何かあるの?」

ミサカ「……いえ。では、お姉さま」

美琴「ああ、うん。じゃあね」



―――
――




ミサカ「二一時〇〇分になりました。これより第九九八二次実験を開始します」

一方通行「おっと、そうだ。ちゃんと買ってきたかァ?」

ミサカ「はい」」

一方通行「どれどれ」

一方通行「……なンだこれ?」

ミサカ「猫のイラスト付きパンツですが、とミサカは返答します」

一方通行「俺が聞きてェのは、このクソダセェパンツはなんだって聞いてンだが」

一方通行「これはテメェのセンスか?」

ミサカ「違います、とミサカは即座に答えます」

一方通行「服に付けているバッジといい完全にテメェのセンスだろうが」

ミサカ「……」

一方通行「はぁ……もういい。さっさと全裸になってコレを舐めろ」

ミサカ「ソッコウで脱がすのかよ、とミサカは呆れ――」

一方通行「早くしろ」


【8月21日 路地裏】

一方通行「そろそろ実験の時間だっけかァ。メンドクセェ」

一方通行「かれこれ、何体ヤッたンだっけ。……一万と……えーと」

一方通行「まァ、やっと半分すぎたところか」

一方通行「あと一万近くもあンのかよ……」

一方通行「先が長すぎンだろ……」

一方通行「刺激がねェ……」

一方通行「ためしにアイツらを殴りながらヤッてみっか?」

一方通行「……それもすぐ飽きちまいそうだな」

一方通行「どの個体も性感帯は一緒だわ、リアクションも変わり映えねェ」

一方通行「予想外の反応なんて、なに一つねェンだよな」

一方通行「結局、一人の女と延々とヤッてるのと同じじゃねェか」

一方通行「あァ……つまンねェ」

小さなため息をつき、前方の路地に顔を上げると御坂妹の姿があった。

その隣に見知らぬ顔が見える。

一方通行「ンン?」


上条「む。そういや猫を抱えたまま店ん中に入っても大丈夫かな」

御坂妹「……果てしなく説明くさいセリフなのですがこちらに預けるのはご遠慮ください、とミサカは先手を打ちます」

上条「……食らえ必殺猫爆弾!」ポイッ

上条「すぐ戻ってくるから」

御坂妹「……まったく。一体いかなる神経で子猫を投げる事を良しとしたんでしょうか、とミサカは一人呟きます」



一方通行「へェ……」ニヤリ




御坂妹「……それを、よりにもよって放り投げるとは、とミサカはため息をつきます」

一方通行「よォ」

御坂妹「ミサカは検体番号一〇〇三二号のミサカです。今日の実験は検体番号一〇〇三一号です。一〇〇三一号のミサカでし
たらここの路地裏をまっすぐ行って――」

一方通行「いや、俺はオマエに用があるンだ」

御坂妹「『ミサカ』は互いの脳波をリンクさせ記憶を共有しているので、どの『ミサカ』に話しても同じことですが、とミサカは説明します」

一方通行は意味ありげな目をして御坂妹を見、それからゆっくりと口を緩めて言った。

一方通行「さっき一緒にいた男はオマエの彼氏か?」

御坂妹「……違います、とミサカは返答します」

質問の意図が分かりかねますが、といった表情で小首を傾けて御坂妹は一方通行の顔を覗き込む。

一方通行「ンなことはどうでもいいか」

一方通行「ちょっと、こっち来い」

一方通行は断る暇を与えないまま、御坂妹の腕を引いて路地裏へと連れ込んだ。

そもそも、御坂妹に断るという選択肢は与えられていない。



一方通行「しゃぶれ」

一方通行が囁いた。



あまりにも唐突で、一瞬、意味が分からなかった。

御坂妹「先程も言いましたが、実験相手のミサカ一〇〇三一号ならこの奥に――」

一方通行「俺はテメェに言ってんだ」

御坂妹は一方通行の考えをなにひとつ理解できずにいた。

一方通行「おら、早くしゃぶれよ」

御坂妹「……」

御坂妹の目にほんのわずかだが、困惑の色が浮かんだ。

一万体以上のミサカを見続けた一方通行にしか分からない本当に微細な変化だった。

それを見つけた一方通行は口の端で笑みを浮かべる。

一方通行「早くしねェと、さっきの男が買い物を済ませちまうぞ」

ピクッ、と反応を示して、御坂妹は一方通行の顔を見上げた。

一方通行「ツレが姿を消したンだから、当然探すよなァ」

一方通行「店の中とか、向こうの大通りとか、――この路地裏とかな」

一方通行「早くしねェとしゃぶってるオマエとばったり遭遇なンてこともあるかもなァ」

一方通行「驚くだろうな。さっきまで一緒にいた女が路地裏で男のチンコしゃぶってんだからよォ」

楽しそうに笑いながら最悪の事態を話す。

御坂妹が逡巡している様子を面白がっている。

御坂妹「なぜ、このようなことを、とミサカは問いかけます」

一方通行「別に理由なンかねェよ、これはアソビだ、アソビ」

御坂妹「理解できません、とミサカはあなたの心理状態に疑問を抱きます」

一方通行「早くしろ。テメェのせいで実験に遅れちまうだろうが」

一方通行「それともあれか? しゃぶってる姿をさっきの男に見られてェのか」


御坂妹がここでできることは一つだけだった。

一方通行の指示に従うこと。

それだけが、ここから解放される唯一の方法だった。



ぴちゃ、ぴちゃと粘着質な水音が路地裏に響く。

御坂妹は膝をついて一方通行の股間に顔をうずめていた。

「んっ……くふぅ……んんっ」

「気合い入ってンじゃねェか。そんなにコレが好きかァ、この淫売が」

嘲るように笑う白い少年。

御坂妹は一度口を離し、尿道口を舌でなぞる。

「手も使え」

尊大な命令口調。

世界での自分の立場に自信を持ち、世界は自分のものだという確信を抱いている人間だからできる傲慢さが含まれている。

御坂妹は手を使い、小指の方から力を入れて絞り出すようにリズムを付けて前後に動かした。

御坂妹は再び口を近づけて、唇で何度も噛むように刺激を与えながら、じわじわと咥え込む。

「イイねイイね、さすがに一万回も犯ってりゃそういう技も身につくわけだ」

ねっとりと舌を絡めさせつつ、御坂妹は徐々にスピードを上げていく。

「んんっ、んん」

「っく! ハハハッ」

一方通行の狂笑と淫靡な水の音だけが路地裏に響く。

「イイ線いってンだけどな! そンなのじゃ俺はイかねェな」

一方通行の声にはまだまだ余裕があった。



一方通行は悪魔じみた笑みを浮かべながら、跪き懸命に奉仕している少女を見下ろしていた。

一方通行の顔の上半分は影に包まれている。

暗い凹凸が作る地表。

目は二つのクレーターだ。

「仕方ねェ、手伝ってやるよ」

一方通行は御坂妹の頭を掴むと強引に前後へ動かした。

「うくっ、ぅぅ……んんんっ!」

苦しげなうめき声。

一方通行のブツが喉の奥にぶつかった。

一方通行はまるでモノを扱うように御坂妹を使う。

「そらそらァ」

抽送する速度を更に上げる。

「うぐっ、ぐっ……ごっ、おぼっ……」

一方通行が激しく突くたび、御坂妹の口の周りから唾液が噴きだす。

御坂妹ののどをまるで性器のように使っている。

一方通行は荒い息を吐いた。

「イイぜ、滾ってきた」

だらだらと、引き裂かれた笑みから流れるよだれを垂れ流しながら言う。

「ぐむっ……んんっ……おぼっ、ぐほっ」

喉の奥で摩擦される苦しさに、御坂妹は声にならない嗚咽を繰り返す。

一方通行が運動をやめない限り御坂妹の苦しみはつづく。

(そろそろ、イクかァ……)

声には出さずに、一方通行は頭を掴み、喉の奥へと突っ込んだ。

「んんぐっっ!」

驚きのうめき声が聞こえたのと同時に、御坂妹の口に大量の絶頂感をほとばしらせた。


一方通行「飲め、一滴残らずな」

御坂妹「……」ゴクン

一方通行「そのままあの男のとこへ行け」

御坂妹「……」

一方通行「ヤることヤったら、俺の部屋に来い。今日中だ」

御坂妹「やること? それはどういう意味でしょうか、とミサカは疑問を口にします」


上条「おーい! 御坂妹ぉー? どこいったー」

一方通行「オラ、呼んでるぞ。行ってこい」

御坂妹「……」

一方通行「クククッ、イイね、楽しくなってきたぜ」


【一方通行の部屋】


御坂妹「なんの用でしょう? 用があるなら先ほどの路地裏で話してしまえばよかったのでは、とミサカは疑問を覚えながら尋ねます」

一方通行「あの後、あの男とどうなった?」

御坂妹「あの後ですか……。部屋で――」

一方通行「男と女が一つの部屋に行ったンだ。やるこたァ一つだよな」

御坂妹「?」

一方通行「テメェみたいなビッチがなにもしないなンてことねェよな」

一方通行「俺の精液の匂いをぷんぷんに漂わせてヤったのか? 傑作だな」

御坂妹「ミサカは特に――」

一方通行「他人のモノを奪うってのが最高にワクワクするよなァ」

御坂妹「発言の意図が分からないのですが、とミサカは内心の困惑を露わにします」

一方通行「自分のモノでも他人が欲しがると価値のあるもンに見えちまうから人間って不思議だよな」

御坂妹「自分のモノ……ですか」

一方通行「今まで一万体以上と犯ってきたが、オマエは最高のオモチャだ」

御坂妹「……」

一方通行「オマエは特別だ。そんなお気に入りのオモチャはとっておきのアソビ方をしないとなァ」

御坂妹「特別……」




一方通行「この場であの男のことを考えながら自慰しろ」

御坂妹「……なぜ、そのようなことを? とミサカは――」

一方通行「やれ」

一方通行が言葉をさえぎった。

有無を言わせない絶対的な命令だった。

その口調の険しさに御坂妹は言葉を呑み込んだ。

御坂妹は、自慰のやり方など知識の上でしか知らない。

実際にやってみたことなど一度もない。

一方通行の方をちらりと盗み見る。

目は爛々と輝き、口は歪な三日月を描いている。

こういった機嫌のいいときは、余計なことは口にしない方がいい。

これは妹達(シスターズ)一万体の経験から出た結論であった。

仕方なく股間に手を伸ばして自らの手で性器を刺激する。


上条当麻。

お姉さまの知り合いの男性。

お姉さまと共に窃盗の片棒を担いだ疑惑のある人。

猫の飼い方の本を買ってくれた人。

他には―――。


言われたとおりに、上条当麻のことを考えながら入り口に指を這わせ、そこをくりくりと弄る。

次第に肌が熱くなっていくのが分かった。

肌にまとっている布地の感触すら少々煩わしい。

痒みに似た、内側からの衝動は、御坂妹の全身にじんわりと広がっていった。

口の中に渇きを覚える。

呼吸が浅くなり、細い声が自然と漏れる。

「……ぁ……っ」

「オマエが今、こんなことしてるだなンて夢にも思ってないだろなァ」

サディスティックな喜びからか、語尾がかすれている。

口元には笑みが浮かび、眼光鋭く御坂妹を射抜いていた。

その視線が――どう解するのか、御坂妹にはわからない――身体に突き刺さる。

一方通行に見られているだけで、ぞくぞくとなにかが込み上がってくる。



「んっ……むっ」

声が喉を突いた。

腰をわずかに上げて、少しだけ股を開く。

この姿勢の方がやりやすい。

股間からしみ出た液体で、ショーツが濡れている。

指先が触れると小さな水音が鳴った。

ぐちゅぐちゅと自分から発生する水の音はやけに大きく耳に響いた。

この場に音源は、股間から鳴るそれか御坂妹の吐息しかない。

一方通行はただただ見下ろしているだけだ。

御坂妹の身体は初めての快感に戸惑っていた。

一〇〇三一通りのイった記憶を共有しているだけで、御坂妹自身は全て初めての体験なのだ。

疼きが止まらない。

肌を満たした熱い火照りが、全身を震わせる。

頭がぼぅ、としてきだした。

思考にまとまりがなくなる。

脳が弛緩していく。

紅茶にいれた角砂糖がドロドロに溶けていくような不思議な感覚。

御坂妹は一方通行に命令されたわけでもないのに、手を動かす速度を速めていく。

だが、どういうわけか絶頂まではいたらない。

「イきてェか?」

ふいに、上から降ってきた一方通行の声。

御坂妹は熱にうなされたかのような表情でうなずく。

「そっかそっか。イきてェいなら、いくらでもイかせてやるよ」

ひどく楽しそうだ。声がうわずっている。

「ずっと、その感覚を味あわせてやるよ」

「――何分でも、何十分でもなァ!」



一方通行は御坂妹の肩に手を置いた。

その瞬間、脳髄へ雷を落とされたかのような快感が駆け上がった。

息が全くできない。

頭の中に支離滅裂な映像が、記憶の断片が浮かぶ。

それどころか、御坂妹の身体全てが自分のものではないかように動かない。

普通の人体なら、機能が停止するであろう。

だが、それらは全て一方通行によって、停止することを止められている。

手は一ミリたりとも動かず、御坂妹のコントロール下を離れていってしまった。

混沌状態の脳に一方通行の声だけがすっと入ってきた。

「心配すンな。テメェは、"気を失いたくても失えねェから"よォ」

さらに強烈な刺激が全身を貫く。

一方通行のどこか調子の狂ったような笑い声が聞こえる。

ガラスを爪で引っ掻く音に似た、異様な哄笑。

快楽と苦痛の境界線などなくなっていた。

全てがまだらに、渦を巻き合わさっていく。

御坂妹は既に、時間と空間の感覚を失っていた。

別の世界に引き込まれるような感覚を味わった。

原始的な欲望だけの世界。

性欲と暴力しかない世界。

この男を悦ばせるためだけに存在している、そんな世界に吸い込まれていく。

「あァー、もォいいや、オマエ」

その一言の後、御坂妹の意識はぷつりと途切れた。



目が覚めると見知らぬ天井が目に入ってきた。

寝転がったまま、部屋を眺めると、一方通行の部屋であることが分かった。

「普段見ない角度から、部屋を眺めると不思議な感覚ですね、とミサカは独り言をつぶやきます」

あまり動かない頭でそんなことを考えていると、身体にタオルケットが乗せられていることに気がついた。

この場には御坂妹と一方通行しかいない。

ならば、無意識に御坂妹がとってきたか、一方通行が被せてくれたかのどちらかである、と推理することができる。

御坂妹は、タオルケットがどこにあるのかなんて知らない。

無意識のうちにどこかから持ってきた可能性は低い。

とはいえ、一方通行がわざわざタオルケットをかけてくれたなんて想像できない。

そんなことをする人間ではないはずだが、現にタオルケットはここにある。

タオルケットを掛けたのがこの男だとすると、一方通行に対する認識が揺らいでしまう。

テクノブレイク寸前まで笑いながらいたぶっていた男と、タオルケットを掛けてくれる男がどうしても重ならない。

見る側の心構えによって書かれているものが変わるだまし絵のようだ。

花瓶のつもりで見ていたら、次の瞬間、二人の顔が浮かぶような。

一方通行に対する認識はそれに近い。

一つの像に収まらず、ぶれて定まることがない。


しかし、である。

かすかに残る気絶する直前の記憶では御坂妹はソファの上に倒れたはずだ。

けれど、今ソファの上で寝息を立てているのは一方通行だ。

御坂妹は冷たいフローリングの上に寝かされていた。

それに先程から右腕がじんじんと痛む。

ソファの上から転がり落とされた可能性が大いにある。

これは感謝すべきなのでしょうか、怒るべきなんでしょうか、と御坂妹は思索する。

答えは、当然出てこなかった。






【列車の操車場】

時刻は二〇時二七分。

実験開始まで三分を切っていた。

一方通行はまだ姿を現さない。


一方通行「よォ」

御坂妹「実験開始まで二分と一九秒です。準備は整っているのですか、とミサカは確認をとります」

一方通行「なンだァ? そンなに早くヤりたかったのかァ」

一方通行「なンなら、オマエ好みのプレイをしてやってもイイぜ」

御坂妹「被験者一方通行は所定の位置に着いて待機してください、とミサカは注意をうながします」

一方通行「ったく、やっぱオマエと会話になンねェわ。言いたいことがねェのかよ」

御坂妹「……ミサカは本当に特別なのでしょうか」

一方通行「あン?」

御坂妹「…………時間です。――これより第一〇〇三二次実験を開始します、とミサカは伝達します」



一方通行「さっき、なンっつた?」

御坂妹「実験は既に開始されています、とミサカは告げます」

一方通行「ンなこったどうでもイインだよ、なンっつたって聞いてンだ」

御坂妹「実験は既に開始されています、とミサカは再び告げます」

一方通行「チッ、分かった分かった。なら早く股開け」

短い、苛立った声だった。

御坂妹は地べたに腰を下ろしショーツを脱ぐ。

肌に触れる夜の空気は、肌寒く、張りつめ、棘を持ち、危険をはらんでいた。

一方通行「何でこんな所でヤる必要があンだよ」

一方通行は文句を言いながら、ベルトを緩めている。

一方通行「ンじゃ、挿れンぞ」

御坂妹「んんっ……」

一方通行「もっと腰を動かせよ」

御坂妹「はむぅ……んん」

一方通行「して欲しい体位とかあるか?」

御坂妹「あっ……んんっ、あっ……」

一方通行「まァ、あるわけねェか」


御坂妹はおそるおそる一方通行の背中に手を回した。

一方通行に抱きつく恰好になった。

びくっ、一方通行の身体が揺れる。

一方通行の背中から、シャツのなめらかさと、生地越しに伝わってくる体温が手のひらに伝わってきた。

なぜそんなことをしたのか御坂妹本人もわからない。

ただ、そうしたいと思った意思に従ったまでだ。

御坂妹は背中の起伏を手のひらでたどった。

華奢で、筋肉などないように見えた一方通行の身体は確かに見た目通り細かったのだけれど、なだらかに波打つ筋肉は引き締
まっていた。

自分の身体とは違い、細くても柔らかさがない。

根本的な身体のつくりが男女では違うのですね、と御坂妹は思った。



一方通行「どういうことだ、こりゃァ」

御坂妹「んっ、くっ……。ミサカの、要望を聞いてくれると言ったのは、あなたの方です、とミサカは、んんっ、ああっ」

一方通行「確かに言ったけどな」

一方通行「こういうのは、俺の趣味じゃねェンだ」

御坂妹「前言撤回ですか? とミサカは挑発的に尋ねます」

一方通行「いや、まァオマエの好きにすりゃイインだけどな」

珍しく一方通行が動揺しているように御坂妹には思えた。

その時、御坂妹の中に理解しがたい感覚が灯った。

もっと、この一方通行の困った顔を見ていたい、と。

御坂妹「キスを、してもいいでしょうか?」

一方通行「あァ!?」

御坂妹「その感嘆の言葉を了承と勝手に解釈し、ミサカは行動に移します」

一方通行「ン、ンン!?」

御坂妹「ぷはっ、……不思議な感触ですね、とミサカは感想を述べます」


一方通行「あ、あァ、そうか。例の彼氏とはこういうセックスをしてたワケだ」

一方通行「でかさはどうだっンだ? 何発ヤッたンだ?」

御坂妹「……」

一方通行「イイねェ、二人の思い出は話したくないってか?」

御坂妹「……」

一方通行「あの男とヤッた感想はどうだ? まァ、オマエなンて、ちょっと触っただけで濡れるクソビッチだもンなァ、童貞でも簡単にイかせられるよな」

御坂妹「嫉妬……しているのですか?」

一方通行「あァ?」

御坂妹「あなた以外の男性と接点があることに、あなたは嫉妬を感じているのでは? とミサカは情報を分析します」

御坂妹「嫉妬は恋のスパイスになる、とミサカは少女漫画で得た知識を惜しげもなく披露します」



一方通行「なに調子ノッてンだ、テメェ」

語気が急に荒くなった。

一方通行は御坂妹の首を掴みそのまま押しつけた。

一方通行「面白れェよ、オマエ」

御坂妹「ぐっ……んぐ」

一方通行「ヤッて捨てりゃイイ人形に俺が嫉妬? 面白すぎンじゃねェか」

クグッと一方通行の手に力が入る。

双眸は鮮血のように赤く、唇は歪に歪んでいた。

一方通行「なるほど、オマエはハードなプレイがご所望なワケだ」

一方通行「死ぬほどの快楽の上っつたら、気持ちよくて死ンじまうくらいしかねェよな」

一方通行「首を絞めるとよォ、アソコも絞まるらしいぜ」

御坂妹「ぐっ……はぐっ……」

一方通行「オマエの息の根を止めるまで絞め続けたら、アソコはどこまで絞まるンだろうなァ。気になるなァ、気になるよな」

一方通行「実験ついでに実験してみっか」

御坂妹「っ……ぐっ……」

一方通行「一体や二体、壊しちまっても、なンのお咎めもねェだろうからな!」


一方通行の指が喉を食い込む。

「脈拍が伝わってくる」

声がやけに遠くから聞こえてくるように感じる。

一方通行の顔は醜く歪んでいた。

濁りに濁った白の髪を振りかざし、さらに指に力を入れる。

体中の神経の先端が、酸素を取り込めとと声を張り上げている。

脈を打つ音が耳に轟く。

脈拍が、鐘を打ち鳴らすかのようだ。

心臓が皮膚を突き破って飛び出しそうだった。

喘ぎながら肺に酸素を補おうとするが、取り込めない。

頭の片隅で警鐘がくぐもった音を響かせ、警戒を訴えている。

なんとか、酸素を取り入れないと危険地帯はすぐそこまで迫っている。

さらに、クグッと一方通行の手に力が入る。

苦しい。

だが、御坂妹は抵抗しない。

抵抗できないのではなく、抵抗しようとする意思がない。

カラカラという乾いた音を聞いた。

風力発電のプロペラが回る音。

御坂妹には弔鐘のように聞こえ、死の世界へ招いているようだ。

深く、深く沈んでいく。

薄れゆく意識の元で、聞き覚えのある声を聞いた。



??「離 ろよ、テ ェ」

一方通行「あァ!? ……何 言っ か?」

??「今 ぐ御 妹 ら離れ っつ  んだ! 聞 えね  か三下ぁッ!!」











【病院】

目を覚ました時、最初に目に飛び込んで来たものは白い天井だった。

美琴「あ、起きた?」

御坂妹「お姉さま……」

美琴「身体、大丈夫?」

御坂妹「はい……」

美琴「よかった」

御坂妹「あの、お姉さま――」

美琴「実験は中止になったわ」

御坂妹「中止……ですか。……なぜでしょうか?」

美琴「さあ? わかんない」

美琴「昨日も夜通し実験の関連施設を壊し歩いていたから……よく知らないの」

美琴「なにが功を奏したのか分からないけど、とにかくよかったわ」

御坂妹「お姉さま、その傷は?」

美琴「ああ、これ? これは施設を片っ端から壊してたら、変な奴に絡まれちゃってさ」

美琴「でも平気よ、アンタの心の傷に比べれば」

御坂妹「……」



御坂妹「あの人は……どうなりましたか?」

美琴「ああ、アイツ? はす向かいの部屋にいるわよ」

美琴「自分も大怪我してるくせに、アンタをここまで運んでくれたらしいわ」

御坂妹「……」

美琴「あと、アイツからの伝言で”黒猫も元気にしてて、家で一時預かってるから”って」

御坂妹「そうですか……」

美琴「それじゃあ、そろそろ帰るわね」

御坂妹「はい……」

美琴「……もっと早くに気づいてあげられなくて、ごめんなさい」バタン





御坂妹「……」

御坂妹「"あの人"が指し示している人は"その人"のことではなかったのですが……」






【9月の終わり・大覇星祭が終わった頃】



御坂妹(ミサカ達は性行為のために造り出されました)

御坂妹(ただそれのみが存在意義であり、生み出された理由でした)

御坂妹(しかし、目的は突然失われました)

御坂妹(リストラです。無職です。絶賛路頭に迷い中です……)

御坂妹(その上、上位個体にゴーグルを奪われて……弱り目に祟り目です、とミサカはひとり愚痴ります)



一方通行「ゲッ」

御坂妹「!?」

一方通行「ン? あァ、クローンの方か」

一方通行「ちょつと、聞きてぇことがあるンだが」

御坂妹「そのまえに、とミサカは話を遮ります」

御坂妹「ミサカはゴーグルを奪われてしまったのです、とミサカは説明します」

一方通行「?」

御坂妹「どうしてオリジナルと区別できたのですか、とミサカは問いただします」

一方通行「あァ? そンなもン、見りゃあ分かンだろうがァ」

御坂妹「見ればわかる……のですか?」

一方通行「ンなことより、ラストオーダー知らねェか?」

御坂妹「……いえ」

一方通行「逆探知とかできねェのかよ」

御坂妹「できません」

一方通行「チッ、どこ行きやがったンだ」



一方通行「ここじゃねェなら、向こうか」

御坂妹「待ってください!」

一方通行「あン?」

御坂妹「ミサカは……検体番号10032号のミサカです」

一方通行「……?」

御坂妹「……」

一方通行「それで?」

御坂妹「えっ……」

一方通行「それがどうしたンだ」

御坂妹「……いえ、なんでもありません、とミサカは……ミサカは……」

一方通行「急いでンだ。行っていいか」

御坂妹「……はい」





御坂妹「……」

御坂妹「そうですか……」

御坂妹「ミサカはもう特別ではなくなってしまったのですね……」




美琴「こらっ、こんな往来のど真ん中で突っ立てたら迷惑でしょ」

美琴「って、アンタなんで泣いてんの?」

御坂妹「泣いてなどいません」

美琴「いや、現に泣いてるじゃない」

御坂妹「ミサカには感情データがインストールされていないので、泣くことはありえません、とミサカは説明します」

美琴「嫌な事でもあった?」

御坂妹「……」

美琴(今日は二人きりだと思ってたのになぁ……しょうがないか)

美琴「よし、これから気分転換に遊びに行こっか」

美琴「罰ゲームだからアンタが増えても文句を言わせないわ」

美琴「まずは、携帯ショップに行くけど、その後はどっか適当に……うん、それでいいわね」

御坂妹「お姉さま、さっきからなにを――」

美琴「ほら、行くわよ」グイッ

美琴「あと、このことは他の子達には内緒ね」

御坂妹「もう、ネットワーク通じて配信されているので不可能です、とミサカは約束をする前に既に破っている事を告白します」

美琴「げっ! まあ、今日は特別って事で」

御坂妹「特別……ですか」

美琴「なにぼーっとしてんの? 行くわよ」

御坂妹「……はい、お姉さま」





ビターエンド。


(やむオチ) ボツネタ ちんちんもげるエンド



ズキューーン!(イマジンブレーカー)

ぽとり。

上条「ちんちんがもげた――だと?」

一方通行「なンだこりゃァァ!!」

一方通行「オマエ、何しやがった」

上条「俺はただ、右手で殴っただけで……」

一方通行「クソッ、くっつかねェ。どうなってンだ」

上条「ってか、それ作り物なんじゃねぇの?」

一方通行「はァ?」

上条「ちんちんって、そんな形してねぇよ」

一方通行「なン……だと」

上条「だから、えっと……」

上条(だれも見てないよな)キョロキョロ

上条「ちんちんって普通、こうじゃね?」ボロン

一方通行「なンだそのグロテスクな物体は!」

上条「普通だって」(たぶん……)

一方通行「俺がちんこだと思っていたものは、ちんこじゃなかったてことか……」

上条「お、おい。下半身丸出しのままどこ行くんだよ」

一方通行「……」フラフラ

上条「パンツ履けって」

一方通行「……」フラフラ

上条「どうする? 御坂妹をこのままにしておくわけにはいかねぇし」

上条「……」

上条「別にいいか。よく考えたら知り合いでもなんでもねぇや」

上条「大丈夫か、御坂妹」



昨日、コメント読んでこういうオチでもいいなぁとか考えてたんですけど、
改めて読み返して無いなっと思いました。

御坂妹だけはシリアスの世界の住人で、それ以外は全員コメディの世界の住人ってとこがシュールでいいな個人的に思ってたんですが、コメディ→シリアス→コメディに戻るってのも……ねぇ。

御坂妹視点では悲劇でも、それ以外の人間から見ると喜劇ってのも捨てがたかったんですが、まあ、無しだろうなって。








ハッピーエンドよこせよ

>>114
ハッピーは考えてなかったですね。すまん。


①ちんちんがもげたーとか騒いでいる裏で御坂妹は真剣に悩んでいるっていう対比でシュールなコメディエンド。

②ビターエンド。

③バットエンド。
最後このまま物語が終わっちゃうのかなーっと見せかけてどんでん返しのバットエンドっことを考えていたんですけど、

美琴が思い詰めて、御坂妹を助けるために自爆作戦を決行しちゃうみたい流れで。

御坂妹が目を覚ましたら、一方通行も美琴もいなくなっているって展開をなんとなく考えていたんですよ。

これは、みんなあっ、て驚くぞ、と思いながら、
結構ノリノリで書いてたんですけど、

鎌池先生の『鎌池和馬10周年!公式サイト』の中の「鎌池和馬の一〇年分の構造」の「実際にある文章テクニック」を気分転換に見ていたら、


以下引用――

『人を驚かせる上での注意点』

 作り手側の楽しみの一つに、読者さんを驚かせる、といったものがあります。
 ただ、その驚かしが読み手の側にとって気持ちの良い裏切られ方であるかどうか、をちょっと考えてみるだけで、作品の親切度はかなり変わってくると思います。
 これは悪趣味の極みですが、ただ人を驚かせるだけなら簡単なのです。ラスト五ページで主人公が唐突に敗北し、目の前でヒロインが無残な方法で殺されてしまえば、誰だって驚きます。……ただし、本当にその展開が望まれていたかどうかはまた別の話ですよね。

――引用ここまで。


……そうっスよね。

ころしちゃだめっすよねって思い直して、結局ビターエンド。

あと、金曜の夜にそんな陰鬱な話を書くのも、趣味が悪いですよね。




言っちゃあ何だがssって本当に軽い気持ちで読むもんだから
そこまで「作品」として真剣に悩むこともないんじゃないかな
まあssを足がけに文芸活動やってみようとか思うんなら考慮してくべきかもしれんが

何にせよ面白かった 乙

>>122
将棋みたいにごちゃごちゃ考えるのが好きなんですよ。
この手を指しててたら、どうなってたかなって検証したり考えたりすることが。


一応、せっかく書いたし、書いたところまで。

(やむオチ②) 鬱エンド 美琴特攻エンド





美琴「よっ」ニコニコ

御坂妹「お姉さま。ご機嫌ですね、とミサカは率直に感想を述べます」

美琴「機嫌? そうね、最悪の気分だわ」ニコニコ

御坂妹「えっ?」

美琴「これから実験?」ニコニコ

御坂妹「実験に関する事はお答えできません、とミサカは返答します」

美琴「まあまあ。私に少し付き合いなさいよ。話があるの」ニコニコ

御坂妹「ミサカにはこれから予定が――」

美琴「5分で済むわ。それくらいならいいでしょ?」ニコニコ

御坂妹「まあ、5分くらいなら、とミサカはしぶしぶお姉さまの要求を飲みます」

美琴「そんなに急ぐ事ないじゃない。――20時30分からなんだし」

御坂妹「お姉さま、今なんておっしゃいましたか? とミサカは――」

美琴「いいから、こっち来なさい」グイッ




御坂妹「お姉さまお話とはなんでしょうか?」

美琴「話ね、うーん。あっ!」

美琴「そのゴーグル可愛いわね」

御坂妹「そうでしょうか?」

美琴「ちょっと貸しなさい」

御坂妹「お姉さま、ミサカには時間が――」

美琴「いいから貸しなさい!!」

御坂妹「(びくっ!)」

美琴「なんてね。ほら、貸してゴーグル」ニコニコ

御坂妹「は、はい……」

美琴「どう? アンタに見えるかな?」

御坂妹「はぁ……」

美琴「そっか」バヂハチ

御坂妹「お姉さま? なにを……」

美琴「調節が難しいのよね。普通の人はこれくらいなんだけど、アンタは電撃に耐性あるでしょ?」バチバチ

御坂妹「ですから、お姉さま――」

美琴「ごめんね」

バチバチッ!

御坂妹「お……姉…さま……」ドサッ

美琴「アンタが目が覚めたときには、全部終わってるようにするから……」

美琴「落とし前は、自分でつけるわ」





美琴が御坂妹に変装して、一方通行に会う。


「挿入時に微弱の電撃を前立腺に流したらどうたら~」とか言って一方通行に反射を切ってもらう。


挿入時、美琴MAXパワーの電撃。


みたいな。

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