【艦これ】吹雪「パンツ…ですか?」その2 (339)

前作

【艦これ】吹雪「パンツ…ですか?」
【艦これ】吹雪「パンツ…ですか?」 - SSまとめ速報
(http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1422274453/)


前回スレには時系列にしてこの編が終了した後の番外編も収録しております

投下は遅めです
すいません


SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1423364067

提督「…朝か…」


吹雪「おはようございます司令官!いい朝ですね!」


提督「おお吹雪、おはよ(ry



ドゴォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォン!!!


ドガラガッシャァァァァァァァァァァァァァァァァァァン!!!!


提督「だから何なんだよもう!また深海棲艦なの?もう嫌だよ畜生!」


秋月「何なんですか一体…?何があったんですか司令?」


提督「おお!秋月もおはよう!ってうわああ揺れる揺れる!」


提督「死んじゃうよおおお!!」


???「情けない奴だなあ君は。全く呆れるよ」


金剛「提督ゥ~…眠いデース…沖ノ島海域突破で今日は1日休みを取った筈デース」


???「そりゃ金剛、僕はあいつと違ってヘタレてもハゲてもいないからな。約束は守れるんだ」


金剛「流石提督デース!かっこいいデース!」


吹雪「…」


秋月「司令、あの方は?」


提督「ああ、うん、君の作り方を教えてくれた人だよ」

エリ提督「やあ提督君!君はまだ寝ていたのかい!?提督たるもの朝五時には起きなければいけないじゃないか!ダメだな、実にダメだ」


提督「あっ、エリ提督さん!今日はどのようなご用件で?」


エリ提督「決まってるじゃないか!君のみすぼらしい鎮守府を改築してやるんだ!僕を見習って優秀な提督になりたいんだろう?」


提督「突然びっくりしましたよ…」


エリ提督「昨日電話をしたじゃ無いか!髪だけで無く記憶も抜け落ちてしまったのかい?」


提督「いえいえ!ありがとうございます!」


エリ提督「フン、僕のポケットマネーでやってやるんだからせいぜいありがたく思うんだな」


提督「ありがとうございます!」ドゲザッ


吹雪「司令官…」


秋月「司令…」


提督「(お前ら黙っててくれよ、風呂も作ってやるからな…)」


吹雪「(情けないですよ司令官…)」


提督「(使えるものは親でもボンボンでも使うんだよ!そうして俺ぁ生きてきた)」


秋月「(なんだか大変ですね…)」


吹雪「(私も何かあのエリ提督さんに言い返してやりたいんですが…)」


秋月「(いいえ!秋月はわかります!頂けるものはありがたく頂戴した方がいいんです)」


提督「(見ろ吹雪、秋月はきちんと分かってくれたぞ)」


吹雪「(そういう問題じゃありません!)」


提督「(でも吹雪、あんなボロボロの風呂とはもうおさらば出来るんだぞ?部屋も広くなるし家具だって…)」


秋月「(そうですよ吹雪さん!施設が広くなればより多くの深海棲艦を倒すことができます)」


吹雪「(…はい)」

エリ提督「おや、そこにいるのは秋月じゃ無いか。一発で建造出来るとは僕の秘密のレシピが良かったのかな?」


秋月「初めまして!よろしくお願いします!」


エリ提督「フン、挨拶はきちんて出来るようだな」


提督「それにしてもエリ提督さん、どうして秋月は建造が出来たのでしょうか…?
まだ発見されたばかりの筈では…?」


エリ提督「僕のコネを舐めてもらっちゃ困る。勿論企業秘密だがな」


提督「そんなことが出来るなんてすごいですね…私はあなたに一生ついて行きます!
これからもよろしくお願いします!」


エリ提督「ハッハッハ!いい心がけだ!もっと僕を敬ってくれてもいいんだぞ?」


提督「はい!」


エリ提督「フッフッフ、ハッハッハッハッハッ!!」


吹雪「(やっぱり我慢出来ません!)」


提督「(頼む吹雪~耐えてくれ~)」

エリ提督「さて、君たちはさっさとここから出てくれないかな?基礎から工事をやり直すからな」


提督「あっ、はい!」


エリ提督「とりあえず着替えたまえ!」


提督「(スーツしかない…)」


エリ提督「着替えはそこにある!」


提督「あっこれが着替えですか!すぐに着替えます!(なんか汚れそうな服だ)」


エリ提督「さあ、始め!」

設備妖精さん「ふっふっふ、ぼろちんじゅふにあらわれていちねん…いよいよねんがんの、ろーまぶろがつくれるね…」


入渠妖精さん「しんかいせいかんどもに、ぶちこわされたにゅうきょどっぐ、いよいよふっかつね…」


家具職人「ついにわれわれのでばんね。いちからこうあんした、ばーかうんたーをやっとつくれるね」


妖精ズ「「「「「「さあ、つくるね!!!」」」」」」

提督「うひゃあ…すっげえなあ…これが妖精さんパワーか…」


吹雪「どんどん建物が新しくなってます!」


提督「にしても…バンバン拡張されて行く…」


エリ提督「どうだい?これが僕の力さ
貧乏な君には絶対に出来ない筈だな…」


提督「(俺も貰ってた方だとは思うんだがな…)」


秋月「すごいですね!エリ提督さん!ありがとうございます!」


エリ提督「見なさい、秋月は僕の凄さをよく分かっている…君たち艦娘の力を生かせるなら本望だよ!」


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提督「終わった…」


エリ提督「終わりだ…さて、結局1日仕事になってしまったが君の鎮守府は無事リニューアルを遂げた訳だ。喜びたまえ」


金剛「提督ゥー…貴重な休日が潰れてしまったデース…いい加減にこの男に構うのはやめるデース…」


エリ提督「僕の信奉者が一人増えたんだ…いいじゃ無いか。それに今日は金剛と二人っきりでいれただろう?」


金剛「ハッ…て、提督ゥー!!大好きデース!」


エリ提督「さあ帰るか…」


提督「ありがとうございました!」


エリ提督「入渠ドッグと建造ドッグは最大限拡張しておいた。あとは君の頑張り次第だ。まあせいぜいやるんだな」


提督「ありがとうございます!ありがとうございます!ほら、吹雪も」


吹雪「あ…ありがとうございます!」

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提督「帰ったか…疲れた…」


吹雪「司令官!早く中に入りましょうよ!すごいですよ!」


秋月「はい!行きましょう司令!」


提督「分かった分かった、行こう行こう」

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提督「いやあ…すっごいなあ…」


秋月「うわあ…広い!」

提督「なんだよこれ…どこの迎賓館だよ」


提督「うわあ無茶苦茶部屋多いし…」


設備妖精さん「よばれてないけど、とびでるね!」


提督「うおあ!びっくりしたあ…妖精さんどうしたんですか?」


設備妖精さん「いやいや、あのきまえのいいおとこにおれいがいいたいね!


提督「は、はあ」


設備妖精さん「みーこだわりの、ろーまぶろがつくれたね!なにからなにまであたらしいね!」


提督「そいつはよかった、これであの風呂も使えるようになったな」


設備妖精さん「にゅうきょどっぐと、いったいになった、あたらしいふろができたね!」


提督「じゃあその風呂にまずいってみようか」


設備妖精さん「りょうかいしたね!あんないするね!」

提督「…これなんてテル○エ・ロ○エ?」


大浴場 \デェェェェェェェェェェェン/


設備妖精さん「どうだね!すごいね!」


提督「いやあ…これもう風呂じゃないですよ浴場ですよ」


設備妖精さん「これで、かんむすがふえてもだいじょうぶね!」


提督「ところで妖精さん、俺の風呂は?」


設備妖精さん「…まだしざいがあまってるね…なんとかきょうには、かんせいさせるね!」


提督「忘れてたのかよ…」

細かいけどドッグだと犬じゃね

~一段落して~


秋月「しかし吹雪さん…」


吹雪「どうしたんですか?」


秋月「なんだか…落ち着きませんね」


吹雪「確かに…でもこれからですよ!」


秋月「でも何で真っ先にお風呂に入るんですか?」


吹雪「それは!ほら、昨日入れなかったじゃないですか」


秋月「うっ」


吹雪「秋月さん?」

>>19
すいません誤字でした
ドックと改めて下さい

秋月「なんだか…目の前が…」


吹雪「えっ?っと秋月さん?」


秋月「ごめん…なさい…」


吹雪「どうしたんですか?大丈夫ですか?」


秋月「…はひ~……」


吹雪「秋月さん!しっかりしてください!秋月さん!」


秋月「」


吹雪「秋月さん!秋月さん!」


吹雪「秋月さああああああああああああああああああああああああああああああああああん!!!!」

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設備妖精さん「で、どんなふろがいいね?まだしざいはたくさんあるね」


提督「ん~…悩む…風呂なし安アパートで暮らして早15年…自分の広い風呂がほしい…」


設備妖精さん「はやくするね、きょうじゅうに、かんせいさせたいね」


提督「ローマ風呂は別にいいしなあ…」


設備妖精さん「むっ、きさまは、ろーまぶろがきらいなのね?」


提督「いや、いつも行ってるスーパー銭湯がローマ風なんだよな」


設備妖精さん「では、わふうのふろはどうね?」


提督「サウナも欲しいなあ…でも…うん!決めた!」


提督「檜の(ry







吹雪「秋月さあああああああああああああああああああああああああああああああああああん!!!!」

提督「なんだ!?また風呂がどうかしたのか?!」


設備妖精さん「そんなやわにつくってないね!ひゃくにんのってもだいじょうぶね!」


提督「とりあえず風呂に行こう!妖精さんもついてきてくれ!」


設備妖精さん「りょうかいしたね!」

提督「吹雪ぃ!無事かあああああ!?」


設備妖精さん「だいじょうぶかね!?」


吹雪「秋月さんが!秋月さんが!」


提督「秋月がどうしたんだ!?」


吹雪「真っ赤なんです!」


提督「は?」
設備妖精さん「は?」


吹雪「とにかくこっちに来てください!」


提督「お、おう、その、行っても、いいの?」


吹雪「緊急事態なんです!」


提督「わかった、行く、行くから」

設備妖精さん「あの、その、こっちには、こないほうがいいね…」


提督「いや、でも!」




秋月「」スッポンポーン


提督「うわあ!ああああ!」


設備妖精さん「いわんこっちゃないね、とりあえず、ほかのようせいに、たすけをよぶね。とりあえずここをはなれるね」


設備妖精さん「しかし、みごとに、ゆだってるね。ひどいゆあたりね」


提督「すいませんでした!すいませんでした!」


設備妖精さん「だからさっさとでていくね!」


吹雪「秋月さあん!秋月さあん!」


設備妖精さん「すこしおちつくね!のぼせただけだね!」

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提督「秋月、大丈夫か?」


吹雪「秋月さん!」


秋月「吹雪さん、と司令、ですか?」


入渠妖精さん「まったく、すこしのぼせただけで、えらいさわぎね」


提督「お世話になりました…」


入渠妖精さん「きょうもおそいし、みーはとりあえずねるね。そこのかんむすは、ひとばんねてればなおるね。おだいじにね」


吹雪「ありがとうございました」


提督「その、秋月、どうしたんだ?本当に」


秋月「その…秋月はあんなに大きくて豪華なドックに入ったことが無いですから、あの…その…うう…」


吹雪「いいえ!わかります!私だってあんなに大きいお風呂は初めてです!」


提督「うむむ…とりあえず今日はここで休んでくれ秋月」


秋月「はい…申し訳ありません」


吹雪「申し訳ないです」


提督「気にすることは無い。明日こそ出撃は出来ないがのんびりやればいいさ」


提督「それと秋月…さっきはまた…その…」


吹雪「あれは事故みたいなものです!」


提督「そうかもしれないが、すまん秋月」


秋月「?…はい」

提督「さて…吹雪も今日は休んでくれ」


吹雪「あの、司令官?」


提督「どうしたんだ?」


吹雪「部屋が多すぎです…」


提督「あっ」


吹雪「とりあえず、司令官の部屋と一番近い場所で寝ることにします」


提督「おお分かった、うん。おやすみ」


吹雪「おやすみなさい」



提督「さて、俺の部屋はっと…」


扉ガチャッ


提督「うへぇ~…スイートルームかよ」


提督「バーカウンターにグランドピアノとか…いやピアノ弾けねえよ」


提督「和洋折衷の贅を尽くした部屋、嫌いじゃないが…執務室かこれもう」


提督「おっ、テレビがあるな…今は九時か…なんかドラマやってたっけ」


リモコンポチー

ワーワー


提督「プロ野球か…去年は確か中止されてたな…まあ仕方ないか」


提督「もう九回か。試合も終盤だな」

実況「さあ試合も終盤!さあキャッチャーは外角に構えました!ピッチャー、第5球を投げた!」

キェェェェイ!


実況「ストライク!試合終了!」


提督「もうおしまいか…」


提督「今日は早いけど寝るか」

???「残念ですね…」


???「まだ寝かせる訳には行きませんよ…」


提督「…!?」


???「来てみたら無茶苦茶ですよ。何だって秋月がこんな零細鎮守府にいるんですか?」


???「全く…大本営に何と報告すれば良いか…」


提督「ちょっと待った…あんた達は…?」


???「ああ、申し遅れました。私、この鎮守府の指揮系統補助を務める、大淀と申します」


???「同じく、工廠を担当する、明石です」

提督「い、いつからそこに?」


大淀「今日一日ずっといましたよ」


明石「にしても、工廠がきれいになっちゃって…これは仕事のし甲斐がありますよお!」


大淀「全く明石さんは…とにかくお世話になります。それで本題に入りますが…」


大淀「秋月」


大淀「どうして彼女がまだ出来たばかりの鎮守府にいるんですか?」


明石「そうですよ!どうしてですか?私が妖精さんに聞いても秋月を建造することなんて不可能だって言ってましたよ?」


提督「あっ、はい、うん、それは…」


大淀「説明をお願いします。提督」

提督「あ~そ(ry


大淀「場合によっては…大本営に報告の上解体と言う方向になるかもしれません」


提督「(どうしよう…ここでエリ提督をチクるって手もあるが…明らかに権力者とのパイプあるっぽいし多分握り潰されるだろうな…)」


提督「(バレたらそれまで…何とか切り抜けろってことかい…)」


提督「(いやいや!秋月を解体する訳にはいかんでしょう…どうしよう)」


提督「…!?」


ピ-ン


大淀「どうしました?早く答えて下さい」


提督「安価」


大淀「は?」


提督「安価神と言うものを知ってるかい、大淀さんよ」

提督「なんでもこの世ではあり得ない、ご都合主義的な奇跡、悲劇、その他諸々をありとあらゆる世界線で気まぐれに起こしているらしい」


提督「安価神ってやつは、ある日突然、頭の中に神託と言うのもあれだが何かアドバイスをする時もあれば、人間や現象に直接働きかけることもあるらしい」


提督「とにかく俺は、安価神に従っただけさ。この世の成功者のほとんどには、何かしら安価神が働きかけを行ってるらしいぞ」


明石「…」


大淀「…」

明石「…私、聞いたことあります!その話…そんなことが提督にもあったんですね!」


大淀「…?」


提督「話を飲み込めないかも知れんが、とにかく大本営には安価神の為、と書類を作って報告しておいてくれ…これは命令だ。命令には従うもんだろ?」


大淀「…はい」


提督「分かったならよろしい。今日は休んでくれ。生憎、部屋は腐る程あるんでね」


明石「わかりました!失礼します」


大淀「失礼します…」

~翌朝~

提督「ん…眩しい…」


吹雪「司令官、朝ですよ!って、どうして執務室の床で寝ているんですか!?寝巻きにも着替えていない…」


提督「あれ?…いや昨日、明石と大淀って2人の娘が…」


吹雪「はい、私の部屋に挨拶にいらっしゃいましたよ」


提督「いや、俺の執務室にも来た筈だがな…」


吹雪「はい、執務室に挨拶に伺ったと仰ってました」


吹雪「なんでも、早速大本営と言う場所に報告書を提出するということで、二人とも忙しそうにしていましたね」


提督「えっ!マズイマズイ!ちょっとここにいてくれ!」


吹雪「司令官?あっ、ちょっ(ry


提督「すぐ戻る!」

提督「大淀!何処だ!」


大淀「お呼びになりましたか?提督」


提督「あっ!大淀さん!申し訳無いです!すみません!見逃して下さい!秋月は一期一会、うちに来てくれた仲間なんです!どうか!どうか!報告書は!」


大淀「…?報告書は昨日既に大本営に提出しましたよ?」


提督「嘘だろ…そんなのって無いだろ!いや、俺も悪いんだ…でも…」


大淀「仰られていることの意味がよくわかりません…提督は昨日命令された筈ですよ?」


大淀「『あんかしん』と言うものを宿毛湾泊地における秋月の存在の矛盾の理由として大本営に報告書を提出せよ、と」


提督「へ?」


大淀「覚えていらっしゃらないんですか?命令だ、とまで念を押した筈なのに…」


提督「あ、うん、そうだな。命令した(『あんかしん』ってなんだよ…そんなの知らんぞ…)」


提督「それで…受理されたのか?」


大淀「ええ、何の滞りもなく迅速に処理されました。その際に幹部の方から太鼓判を押していただいた程です」


大淀「『安価なら仕方ない』と」

~大講堂~


提督「ゴホン、え~艦娘の皆、おはよう」


吹雪、秋月「「おはようございます!」」


提督「皆と言っても二人しかいないがな…」


提督「秋月、調子はどうだ?」


秋月「はい、一晩寝たらすっかり良くなりました!もう出撃もできます!」


提督「そうかそうか、初出撃は延期かと思っていたが…よし。今日は正面海域に二人で出撃してもらおう」


吹雪、秋月「「はい!」」


提督「秋月、本当に大丈夫か?」


秋月「心配ご無用です司令!」


提督「なら良かった…早速行くか!」


提督「(しかし…)」


大講堂 ガラ-ン


提督「(なあに、これからさ)」

大淀「駆逐艦秋月、吹雪は第一艦隊を結成。結成後、直ちに鎮守府正面海域に出撃ですね?」


提督「うん、よろしく頼む」


大淀「了解しました」


提督「さあて、初めての出撃だ…気合い入れて行こう!」

吹雪「第一艦隊、出撃します!」


ゴーガチャングゥイングゥイングゥインガチャガチャ


ザパーン!


~海上~


秋月「しかし吹雪さん…」


吹雪「どうしました?」


秋月「いえ、ただ、艦隊、と言うよりかまだ駆逐隊かなって少し思っただけです」


吹雪「確かに今のままでは少し不安ですね…」


提督「おいおい、最初からそんなにネガティブになっててどうするんだよザ-ッ」


吹雪「し、司令官!?」


提督「いや無線だよ無線ザ-ッ」


提督「確か艦娘は生身でも電波の送受信が可能って聞いてたがなザ-ッ。艤装を付ければの話だがザ-ッ」


吹雪「そうでしたか…」


提督「動画の送信も確か出来たと思うぞザ-ッ。とにかく俺が付いてるから心配すんなザ-ッ。まあ殆ど指揮は大淀さん頼みだがなザ-ッ。心配せずやればいいさザ-ッ。」


吹雪「…はい!」


吹雪「秋月さんも聞こえてましたか?」


秋月「はい。頑張りましょう!」

吹雪「あっ!」


秋月「どうしました?」


吹雪「敵駆逐艦、見ゆ、です!」


提督「状況確認!大淀!」


大淀「はい!視野カメラ並びに後方カメラより情報を受信!」


大淀「敵は…深海棲艦駆逐艦イ級一隻!」


提督「よおし吹雪秋月ザ-ッ!敵は一隻だザ-ッ!落ち着いて行けザ-ッ!」


秋月「はい!」


吹雪「第一射、撃ちます!行っけえ!」


妖精さん「もくひょー、てきくちくかん、いきゅう。てっ!」


ズドォン!ドドォン!

妖精さん「だんちゃーく、いま!」


ドッパァン!ザッパァン!


妖精さん「きょうさ!」


吹雪「外しましたか…次は当てます!」

秋月「行きます!」


秋月「長10センチ砲ちゃん!」


長10センチ砲ちゃん「アイサ!」


秋月「撃ち方始め!」


ドォン!ドォン!


妖精さん「だんちゃーく、いま!」


ドゴォン!ボゴォン!


妖精さん「めいちゅう!」


提督「攻撃して来るぞザ-ッ!気を付けろザ-ッ!」


吹雪「あっ」


ドッカァァァァァァァァァン!


提督「貰ったな…大丈夫かザ-ッ!?」


吹雪「くぅぅ…」


大淀「駆逐艦吹雪、大破!」


秋月「吹雪さん!」


吹雪「大丈夫です!行っけえ!」


ドォン!


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~入渠ドック~


吹雪「はあ…」


吹雪「初戦撤退…かあ…」


吹雪「秋月さん、強かったなあ…」


吹雪「…」


ガラガラッ


吹雪「誰ですか?って秋月さんですよね」


秋月「はい、司令から吹雪さんに伝言があるそうです」


秋月「落ち込むな…だそうです」


吹雪「…」


秋月「俺もまだまだひよっこだから、一緒に強くなって行こう、と仰ってました」


秋月「なんでも、南洋のとある鎮守府では、陸軍の特殊潜航艇のみで強力な深海棲艦を倒している提督がいらっしゃるそうです」


秋月「強さに艦種は関係無い、と司令は笑ってらっしゃいました…だから…その…頑張りましょう!」


吹雪「…」


吹雪「…はい!」

さて、先程の海域は撤退しましたがドロップ艦はありました

ここで何がドロップしたか安価で決めたいと思います

駆逐艦・軽巡限定で


安価↓4

1-1で春雨に出会えるとは…
ちょっと行って来る(錯乱)

すみません

春雨ですね
それではぼちぼち投下して行きます

提督「それで…春雨ちゃんだったかな?俺麻婆春雨が好物で(ry


春雨「そっちの春雨とは違います!」


提督「ああっ、すまんすまん。気にしてたんだな…」


春雨「…」


提督「…ごめんなさい」


大淀「提督、吹雪の入渠が終わりました」


提督「おお、ありがとう。(助かった…)」


提督「(しかしこの春雨ちゃん…通常海域には現れなかったんじゃ無いか…?)」


提督「まあ…いいか」

提督「春雨ちゃんも好きな部屋を使ってくれ…何しろ部屋が多くて困る。とりあえず案内するよ」


春雨「はい…ありがとう…ございます」


提督「それじゃ、大淀、あとは頼んだ」


大淀「はい」


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


大淀「しかし…」



大淀「不思議ですねえ…」


大淀「春雨は…」


ピ-ン


大淀「安価…神…」


大淀「報告書を書かないといけませんね…」

テクテク


提督「春雨ちゃん」


春雨「は、はい!」


提督「どの部屋にする?一応今の所は和風の二人部屋に吹雪と秋月が入っているが…」


提督「今日はもう一度午後に早速出撃してもらう予定だが、その時に一緒になった子と二人部屋に入ってもらうことになる。それでもいいかな?」


春雨「はい!」


提督「妖精さん気合が入り過ぎなんだよなあ…和洋中そして何故かローマ風って何処の豪華ホテルだよ…春雨ちゃんはどうする?」


春雨「わ、私はなんでも、なんでもいいです!」


提督「じゃあ吹雪達の部屋の隣に入ってもらおう。あっ和風ねそこ。それじゃあこの後出撃だから準備しておいてね」

☆katuai☆


~夜~

提督「午後の出撃も終わって、何とか二つの海域を攻略出来たな…出来過ぎじゃ無いかと思うが…」


提督「秋月つよい」


提督「吹雪が自信を無くさないといいんだがな…」


提督「さて…そこのお二人さん、どうぞ入って来て下さいな」


駆逐艦・軽巡限定で
安価↓4↓6

ちょっと矢矧掘って来る

では無く

矢矧と木曾ですね
投下して行きます

提督「むむむ…」


提督「まさか軽巡が二隻も出てくるとはな…春雨ちゃんぼっちじゃん」


提督「ん?そう言えば確か姉妹艦用の4人部屋があったな…」



矢矧「提督…?」


提督「あっ!悪かった。自己紹介を頼む」


矢矧「阿賀野型軽巡三番艦の矢矧よ」


木曾「5500t級、球磨型の木曾だ。よろしくな」


提督「よろしく頼む…それで部屋なんだが…和洋中ローマ風全部揃っているが…」


木曾「和風で頼む」


矢矧「どこでもいいわ」


提督「んじゃあ和風と空きが多い洋風の一人部屋に案内するからついて来てくれ」


提督「さて、ここが木曾の部屋だ」


木曾「何だか…落ち着かないな」


提督「何しろ広いし無駄に豪華だからな…まあ無理も無いです」


木曾「まあいい、広い部屋も乙なもんだ。ゆっくり休ませてもらおう」


提督「気に入ってくれたなら幸いです」


提督「(つい敬語になっちまう)」

提督「ここが矢矧の部屋だな」


矢矧「わあ…広いのね…」


提督「天蓋付きベッドとかもうね…気合入れ過ぎだよ妖精さん」


矢矧「いい…気に入ったわ!私はここの部屋にするわね!」


提督「いいのか?気に入ってくれたのなら幸いだよ」


矢矧「お姫さまのベッドみたいね…うふふっ」



提督「(かわいい)」

~翌朝~

~大講堂~


提督「さて…おはようだ」


艦娘一同「「おはようございます!」」


木曾「いい朝だな、提督」


矢矧「おはよう、よく眠れたわ」


提督「今日も鎮守府周辺海域に出撃だ。それに運が良ければ南西海域にも出撃出来る様になるだろう。正直2日でここまで進むとは思ってなかった。これも吹雪達艦娘の頑張りのおかけだ。しかし、先は長い。焦らず行こう」


艦娘一同「はい!」

~数日後~


提督「にしても…トントン拍子に進んで行くな…ありがたや…ありがたや…」


提督「しかし秋月に矢矧は強い強い」


提督「一週間中に南西海域にも進出出来そうだ…」


大淀「艦隊、帰投しました」


提督「おお、ありがとう。戦果は?」


大淀「十分です。南西海域に進出可能になりました」


提督「!いよいよか!良かった良かった!今日はお祝いだな!噂の給糧艦って奴を呼んでみるか。大淀も一緒にどうだ?」


大淀「いいえ、結構です」


提督「書類関係なら俺がさっき終わらせといたぞ?」


大淀「私も、まだまだ勉強不足なので…」


提督「…」


提督「…そうか。いつも、ありがとな」


提督「来たくなったらいつでも来てくれ」

ドロップ安価の時間です


軽巡・駆逐艦限定で

安価↓5お願いします

んほお野分ちゃん

と言う訳で第一艦隊が揃いました

吹雪
秋月
春雨
野分
木曾
矢矧

これで暫くは進んで行きます



提督「さてさてみんなのお陰で一週間足らずで南西海域へ進出することが出来た。なんでも対岸のエリート提督に次いで全鎮守府中で二番目に早いスピードで進出したらしい。先人達の血の滲むようなデータ収集のお陰で我々もこの様なスピードで攻略出来たのだ。感謝しなくちゃな」


提督「明日は一日休日にしようと思う。両舷上陸って奴か?外出も一日許可するぞ。ただしあまり鎮守府から離れない様にな」


提督「さて、もう一つ、新しい仲間が来てくれた。野分!入って来てくれ!」


野分「陽炎型駆逐十五番艦、野分です。よろしくお願いします」


提督「親しみを込めてのわっちと読んでやってくれ」


野分「やめてくれないでしょうか…」


提督「…ゴホン!失礼!それじゃあ今日は楽しんでくれ!」


提督「乾杯!」


艦娘一同「乾杯!」



今日はここまでです
暫く忙しくて更新がなかなか進まず、大変申し訳ありませんでした

唐突ですがキャラ設定投下です


提督・・・独身35歳。若ハゲが進行し悩み無用な植毛も視野に入れ毎朝欠かさず頭皮のケアをしている。
軍需産業にも参入する某大企業の中の子会社の営業マンとして活躍していたが、ある日、世話になっている企業の社長の頼みに応じ、現海上自衛隊特殊兵器総括部所属宿毛湾泊地を自分名義で購入してしまう。
当初、会社では問題にはなったものの、彼の日々の働きや彼の上司の嘆願書によって減給処分だけが彼に下されるところであった。しかし、あることをやらかしてしまったが為に、金なし役立たずな国の政策もあって宿毛湾泊地管理責任者兼提督として四国のド田舎に赴任することとなる。




吹雪・・・大日本帝国海軍特型駆逐艦一番艦。であったが艦娘として現代日本に復活した。
ご存知駆逐艦のドレッドノートとも称された革新的な設計(小さな体に大きな兵装、巡洋艦顔負けの外洋行動能力に凌波性もバッチリよ・)で製造されたが為に性能も良い。
艦娘として復活してからは現役時代の記憶も多少は残っている(上の遊郭のくだりを参照)。
ただ、あくまでもまだ蘇ったばかりであり、知らないことの方が多い。ただハゲ提督の愚痴を聞く程度の知識なら持っている。主に旧海軍のゴタゴタのせいだとは思うが。

こんばんわ

今晩中にも投下したいと思います


提督「しかし、大活躍だな秋月は。全く驚きだよ」


秋月「いえ!秋月はまだまだです」


提督「ムムム…でも今の所我が鎮守府のエース格なんだよな」


秋月「それは…早くからここにいましたし…」


提督「んまあ、確かにそうだな」


秋月「それに軽巡の皆さんだって…」


提督「おお、うん」


木曾「まあ、奢らずやろうぜ秋月。ただ今日ばかりは無礼講だな」


提督「そうですね!」


提督「(無礼講ってのはこの場では本来俺が言うべき言葉なんだがな…後皆さん、偉い人の無礼講ほど信用しちゃいけないものはありませんよ…)」

提督「して、野分はもうここには慣れたかな?」


野分「なんと言うか…すごく大きな鎮守府ですね」


提督「確かにな…それと野分には春雨と一緒の部屋に入ってもらおうと思ってるけどいいかな?」


野分「はい。だけど早く舞風に会いたいです」


提督「舞風…確か…そうだったな。うん、基本的に姉妹艦は一緒の部屋に入ってもらう予定だからな…なに、いつか会えるさ、のわっち」


野分「だからその呼び方は…」


提督「いかん、ついこう呼んじまうだ」


提督「春雨ちゃん、なかよくしてやってくれよ」


春雨「は、はい!分かりました…です」


春雨「よろしく…です」


野分「よろしくね春雨」

提督「矢矧もうちのエースだな。毎日お疲れ様」


矢矧「わ、私は日々最善を尽くしているだけよ」


提督「それがいいんじゃないか。俺みたく常にベストを尽くせない奴だって沢山いる。それに比べりゃ、矢矧は立派だよ」


矢矧「随分と自分を卑下するのね…」


提督「悪いが矢矧と比べるのがおこがましいくらいだ」


矢矧「提督も苦労して来たのね…」


提督「まあな…(矢矧ちゃん優しいなあ…)。」


矢矧「でも、心配することはないわ!私だって最初は不安で、右も左も分からない時期があったんですもの。まずは一日を精一杯生きることから始めてみればいいのよ」


提督「そうだな、うん。俺もやってみるよ」


提督「(なんか励まされちゃったよ)」

提督「そして吹雪…ってあれ?吹雪は?」


木曾「さっきまでいたはずだぞ」


春雨「私の隣にいました…よ?」


秋月「ご不浄ですかね?」


提督「そうか…多分トイレに行ったんかな…?」


野分「そうみたいですね。私に少し席を離れると行って出て行きましたし」


矢矧「どうかしたのかしら?」


提督「とりあえず待ってるか…」


提督「そのうち戻って来るよな」

~???~


吹雪「私は…無力…」


吹雪「エース…」


吹雪「…」





吹雪「(分かってはいたんです)」


吹雪「(最初の出撃で大破して以来、碌な活躍が出来ていないことぐらい)」


吹雪「(秋月さんは強いです)」


吹雪「(新型の駆逐艦ですし、私なんて比較になりません)」


吹雪「(司令官は強さに艦種は関係ないとおっしゃってましたが…やはり強い方が司令官も楽ですよね)」


吹雪「(少なくとも今の所、私はここの鎮守府には一切貢献出来ていません)」


吹雪「(出撃の度に、大破して、入渠して、資材ばかり消費して)」

吹雪「(私は…ここに最初からいました)」


吹雪「(設立されて、まともに出撃出来ない時から司令官と一緒にいました)」


吹雪「(私のことをいつも気にかけて下さった司令官に…)」


吹雪「(報いることは出来ないのでしょうか…?)」


吹雪「(私は兵器です)」


吹雪「(戦うことしかできません)」


吹雪「(だから、日々研鑽し、より強くなることぐらいしかできません)」

吹雪「(だから、私は強くなりたいんです)」

吹雪「(司令官の為に)」


吹雪「(貢献したいんです)」


吹雪「(エースとして)」


吹雪「(一番始めからいる艦として)」


吹雪「(後から来た皆さんに負ける訳にはいかないんです)」


吹雪「(強く…なりたい…)」

~宴会場~


提督「吹雪…トイレにしちゃ遅いな」


野分「まあ、女の子ですからね。野分もかなり戸惑っている面はあります」


提督「そりゃあ、元は無骨な鉄の塊だもんなあ…いきなり女の子になるんだから困るわな」


春雨「私も最初はかなりびっくり…しました。ただドラム缶を持って生まれ変わったのには…私らしいかなって…」


提督「いやいや、輸送作戦も大事だろ?まあだけど、駆逐艦に物資輸送はちと荷が重いか。荷だけに」


木曾「提督よ…もっと面白いことは言えないのか…それじゃあそのまんまだろ」


提督「悪かったですねえ、つまらない男で」


木曾「はっはっは!潔いな!」


提督「ぶー」


矢矧「私は面白いと思ったわよ」


提督「(ありがとう矢矧ちゃん…)」

提督「にしても、俺もまさか艦隊指揮なんぞやるとは思わんかったぜ。今のところは大淀さんのおかげで無難にこなせてるけどな…」


秋月「そう言えば、大淀さんと明石さんはいらっしゃらないんですか?」


提督「ああ、大淀は自室で勉強中だそうだ。俺が頼りないばっかりにしわ寄せがいっちまってるんだから、反省しないとな」


秋月「明石さんは…ああ…工廠の方が明るいですね…」


提督「設備の調整中だそうだ。なんでも、うちのやつは最新式だそうで、かなりはしゃいでたな」


矢矧「誰だってそうよ。私もいい武器を貰ったらそれだけで嬉しいもの」


木曾「俺もそうだな。やっぱり道具はいいものを使いたいな」


提督「やっぱそういうもんなんだね…」


野分「戦場でも、信頼できる武器があれば活躍出来ますしね!」

提督「大淀も明石もよくがんばってくれてるよ。みんなもよくついて来てくれてるな」


木曾「何だかんだで指揮官だしな!ここに来たからには、俺はあんたに命を預けるぜ!」


矢矧「そうよ。これからもついて行くに決まってるじゃない」


野分「ついていけば、いつか舞風には会えますよね!」


提督「そういう理由かよのわっち」


野分「…」


提督「すいませんすいません許して」


春雨「私も…頑張ります!」


提督「みんな、ありがとな…」


ちょっと用事が出来たんで出掛けます
すぐ戻ります

帰還
投下します

提督「ところで…吹雪はまだ帰って来ないのか?」


春雨「確かに…遅すぎます」


提督「まさかトイレで倒れてることなんて無いよな…うちの爺ちゃんはそうだったが」


秋月「私、見て来ましょうか?」


提督「おう、いや、俺も一緒に行く。みんなはここで待っててくれ。何しろ広いから迷ったらいかん」


秋月「行きましょう司令」


提督「おう!」

~???~


吹雪「(つよく…なる…)」


吹雪「(つよく…なる…)」


吹雪「(つよく…なる…)」


吹雪「(もっと…もっと…)」


吹雪「(つよく…)」


吹雪「…」


吹雪「きめた」


吹雪「わたしつよくなろう」


吹雪「あはははははははははは」


吹雪「つよくなろう」

吹雪「あはははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははは」








吹雪「つよくなろうつよくなろうつよくなろうつよくなろうつよくなろうつよくなろうつよくなろうつよくなろうつよくなろうつよくなろうつよくなろうつよくなろうつよくなろうつよく」








吹雪「あはははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははは」

提督「いたか!?」


秋月「駄目です!いません!」


提督「ちっくしょう、もうトイレは無いよな…どこ行ったんだ吹雪」


秋月「まだ吹雪さんの部屋は探していません!」


提督「分かった、いこう!」

秋月「吹雪さん!」


提督「吹雪!いるか!?」


ガチャッ











提督「何だよこれ…」




タ し ハ




ヨく







り タ い

秋月「部屋が…ぐちゃぐちゃです…」


提督「酷いな…この文字は…」


提督「わタしハ、つ、ヨく、ナ、りタい」


提督「私は強くなりたい?」


秋月「どういうことでしょうか…」


提督「この文字…血で書かれてるぞ…」

提督「ここの窓を破って外に出たのか?」


秋月「四階ですよここは…いくら艦娘でも飛び降りたら無事では済みません」


提督「でもドアは閉まってたし…窓も派手に穴が空いてるこの状況ではそうとしか考えられない…」


秋月「吹雪さん…どうしてしまったんでしょうか…?」


提督「とりあえず外も探してみよう。他のみんなにも声をかけて探すんだ。妖精さんにも協力してもらおう」


秋月「はい!」


提督「吹雪ぃ…どこ行ったんだよ…」

提督「吹雪ー!どこ行ったんだー!」


秋月「吹雪さーん!いたら返事をしてくださーい!」


提督「あっ、野分!見つかったか?」


野分「だめです…どこにもいません!」


提督「そうか…」


提督「とにかく目を皿にしてよく探してくれ…検問妖精さんからの報告がなかったから、恐らく敷地からは出ていないはず」


野分「はい!」


春雨「ふ、吹雪さーん!どこにいっちゃったんですか…?」


提督「まだ見つからないか…」

矢矧「こっちも見つからなかったわね…一体どうしてしまったのかしら…」


大淀「見つけることは出来ませんでした…すみません」


提督「謝らなくてもいいんだ。俺が気付けなかったのが悪いからな…」


明石「駄目です!こっちにもいません!」


提督「仕事中に悪いな…」


明石「いいえ、これは鎮守府の一大事です!妖精さんも総動員で捜索に当たっているそうです!」


提督「そうか…分かった。ありがとう」







提督「吹雪ー!何処だー!」

提督「畜生!どこ行っちまったんだ吹雪!」


木曾「おい提督!気になるものを見つけた。ちょっと来てくれないか?


提督「木曾か!何か手がかりが見つかったのか!?」


木曾「手がかりと言うか…俺は吹雪が飛び降りた窓の辺りを調べてたんだが…とにかく来い」


木曾「これを見てくれ…見辛いかも知れないが、血痕が転々と続いているんだ」


提督「本当だ…」


木曾「それで俺はこの血痕を辿ってみた」


提督「…」


木曾「血痕は海まで続いていて、そこで途切れていた。恐らく吹雪は海に出たんだと俺は思う」


提督「そんな!艤装も無しで?」


木曾「だから俺も首を傾げてるんだ。こんなことあり得ないぞってな」


提督「…何てことだ。とにかくこの事をみんなに伝えよう…」


提督「…と言う訳だ…とにかく吹雪は海に出たものと思われる」


大淀「そんな…あり得ないです!艤装は厳重に管理されています!私も見て来ました!」


提督「分かってる。だから吹雪はどうなってしまったのか…分からん」


妖精さん「…」


妖精さん「…ひとつ、いいかね?」

投下します

妖精さん「ていとく、あんたはしらないだろうね」


妖精さん「しんかいせいかんが、うまれたとどうじに、かんむすがうまれたね」


妖精さん「できすぎとはおもわないかね」


妖精さん「なにしろわれわれもまだ、すべてはわからないね」


妖精さん「ただ、すでに、ちゅうおうは、これにきづいているとおもうね」










妖精さん「しんかいせいかんは、かんむすだと」

妖精さん「このちんじゅふは、なぜかつよいかんむすがあつまるね」


妖精さん「なんのいんがかはしらないがね」


妖精さん「とにかく、たましいの、えねるぎーはぷらすにも、まいなすにもなるね」


妖精さん「ここは、ちからがつよすぎるね」


妖精さん「およそ、しょしんしゃには、てにあまる、つよさのかんむすがいるね」


妖精さん「あきづき、やはぎ、のわき、はるさめ」


妖精さん「まったくおかしいはなしね」

妖精さん「とくに、あきづき」


妖精さん「きみは、ふぶきといっしょにいすぎたね」


妖精さん「きみのたましいの、えねるぎーは、ふぶきにはつよすぎたね」


妖精さん「およそ、こんなれいは、きいたことがないが、おそらくきみが、げんいんね」

秋月「…」


妖精さん「じぶんをせめることは、ないね」


妖精さん「きみには、どうしようも、できないことね」


妖精さん「ざんねんだが、ふぶきはおそらく、かえってこないね」


妖精さん「いち、しんかいせいかんとして、どこかのていとくに、げきはされるまで、うみをただよいつづけるね」

妖精さん「はなしはここまでね」


妖精さん「これは、ごくひじこうね」


妖精さん「うえは、しんかいせいかんと、ひょうりいったいの、へいきをつかっていることが、せけんにしれたら、まずいとおもってるだろうね」


妖精さん「だから、おおっぴらに、そうさくも、できないね」


妖精さん「ふぶきのことはわすれ、しゅくしゅくと、にんむにとりくむしかないね」

提督「そりゃ…そりゃ無いですよ!」


提督「確かに…俺も…」


提督「でも、吹雪も立派な艦娘でした!」


提督「俺は強さなんて求めて無いのに…」


提督「なんだって、吹雪があんな化け物にならなくちゃいけないんですか!?」


妖精さん「ばけものとは…あなたもおろかだ」


妖精さん「かんむすと、しんかいせいかんは、おなじだと、はなしたはずね」


妖精さん「がいけんや、こうどうで、てきかみかたか、きめるのは、にんげんのえごね…」

妖精さん「そのえごで、にんげんは、かんむすの、たましいのもとである、せんそうを、おこしたね」


妖精さん「にんげんは、やってきたことの、つけをしはらってるだけね」


妖精さん「それこそ、にんげんのつかう、あることわざを、つかいたいね」


妖精さん「じごうじとく…とね」

提督「…」


提督「…知らねえよ」


提督「俺は戦争なんぞ知らねえよ!」


提督「ツケって何だよ…」


提督「…」

提督「俺は…どうすれば良いんだ…?」



安価です

提督はこの後、どうすればいいですか?


①クビ覚悟で、他の艦娘を連れて捜索に出かける

②吹雪のことは忘れ、海域の攻略や任務に集中する

③深海棲艦化のメカニズムを突き止め、海域攻略を続けつつ、吹雪を探して元に戻す


安価↓7まで多数決、数字でお願いします

では、

②吹雪のことは忘れ、海域の攻略や任務に集中する


で話を進めて行きます

妖精さん「はなしはここまでね」


妖精さん「まあ、せいぜい、ゆっくりなやむといいね」


妖精さん「にんげんは、みなこうだ」


妖精さん「じぶんはしらない、のいってんばり」


妖精さん「…」

提督「うっ…」


提督「うわあああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ!!!!!!!!!!」



提督「ああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ!!!!!!!

秋月「司令!?司令どうしたんですか!?」


木曾「提督!」


矢矧「…」


野分「…」


春雨「…」

提督「うっ…ううっ…うっ…」


提督「うっ…」


提督「…」


秋月「司令?」


提督「一人にしてくれ…頼む…」


秋月「し(ry


提督「一人にしてくれ!!」


木曾「おい提督!しっかりしろ!お前がそんなでどうするんだ!」


提督「…」


提督「すまん…」


提督「ただ、今は一人にしてくれ…」

提督「みんな、今日はありがとう」


提督「とりあえず、自分の部屋に行って休んでくれ」


提督「解散…」


矢矧「提督!」


提督「…」

~翌朝~


秋月「…」


秋月「眠れませんでした…」


秋月「一人部屋は落ち着きませんね…」


秋月「私と吹雪さんの部屋は使えないですし…」


秋月「そもそも吹雪さんはもう…」


コンコン


秋月「はい?」


提督「秋月!いつまで寝ているつもりだ!?」


秋月「あっ…す、すみません!」


秋月「すぐに!」


提督「もう集合の時間だ!遅れているぞ!」

~大講堂~


提督「みんな、おはよう」


提督「いよいよ今日からは南西海域の攻略だ」


提督「総員、気を引き締めてくれ」


提督「それと…うちにも正規空母がそろそろ欲しいからな…」


提督「それでは、出撃!」

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

~一週間~


提督「さて…今日の出撃もおしまいだ」


提督「みんな、お疲れ様だ」


提督「我が鎮守府にもいよいよ軽空母と赤城がやって来たしな」


軽空母

安価↓3

訂正

~一週間後~

ここから安価↓3でお願いします

流石に改装艦は…カバーし切れないです

再安価でお願いします

安価↓3

づほが来りゅう!?

はい、では瑞鳳で行きます

提督「それじゃあ、自己紹介宜しく」


瑞鳳「祥鳳型軽空母、瑞鳳です」


赤城「航空母艦、赤城です」


提督「みんな、空母だぞ…!やっと機動艦隊が組める様になったんだ…」


提督「今日は歓迎会を開くか!」


赤城「歓迎会と言うことは…ごはんを頂けるのでしょうか…?」


提督「はっはっは!いくらでも食べていいぞ!」


赤城「…」


赤城「よろしくお願いします!」


提督「おう、よろしくな」

瑞鳳「あら…秋月じゃない。会えてうれしいわ。ひさしぶりね!」


秋月「…」


瑞鳳「あれ?覚えていないの?」


瑞鳳「なんだか、寂しいわね…」


瑞鳳「他の駆逐艦のみんなもよろしくね!」


春雨「…」


野分「…」


瑞鳳「みんな暗いわよ?元気出しましょうよ!」


秋月「…」


秋月「…知りませんよ、あなたなんか」

赤城「貴方がたがここの鎮守府の軽巡ね…二人とも宜しくお願いします」


木曾「…どうも」


矢矧「…」


赤城「…よろしく…ね?」


矢矧「資材に見合う活躍、お願いしますね」


赤城「は…はい」

提督「空母のお二人さん!部屋に案内するからついて来てくれ」


瑞鳳「は…はい!(何なのよ!もう!)」


赤城「分かりました(助かった…怖いです…うう…)」


提督「おいお前ら!新しく来た皆さんにちゃんと挨拶をするんだ」


提督「おい!」


秋月「よろしくお願いします」ペコリ


秋月「これで宜しいでしょうか?司令」


提督「…」


提督「他もだ!」

矢矧「宜しく…」ボソッ


春雨「よろしく…です」


野分「…お願いします」


提督「全く…挨拶も出来ないのか」


提督「2時間後にここに集合だ」


提督「解散!」

提督「いやあ、あいつらが迷惑をかけたな。悪かった悪かった」


提督「部屋は…どうする?」


瑞鳳「赤城さんと…二人部屋でお願いします」


提督「良いのか?部屋は沢山あるんだぞ?」


赤城「良いです!私も二人部屋でお願いします!」


提督「ふーむ…なら広い所に案内しよう」


提督「四人部屋に2人で入ってもらうが、良いか?」


瑞鳳「はい!」


提督「そうか、じゃあこっちだ…」

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

赤城「行きましたか…」


赤城「しかし、何だか棘のあるお出迎えでしたね…」


瑞鳳「…そうですね」


赤城「二人部屋にしたのは、賢明な判断だったかもしれません」


赤城「ありがとうございます」


瑞鳳「…」


赤城「…瑞鳳さん?」


瑞鳳「…グスン」


瑞鳳「…酷いです…」


瑞鳳「酷いですよ!」


赤城「ず、瑞鳳さん?泣かないで…」


瑞鳳「……うっ……グスン」

瑞鳳「秋月とは…最後まで…最後まで…戦って…」


赤城「…」


赤城「辛いですよね…どうしてここの鎮守府の皆さんは私たちに冷たいんでしょうか…?」


瑞鳳「うっ………うっ………」


赤城「…グスン」


赤城「…加賀さん…私はどうすれば良いのでしょうか…?」

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


~????~


???「ウウ…」


???「ツヨク…ツヨク…」








???「アアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア!!!!!!」

~市ヶ谷~


防衛大臣「なんだね?!こんな夜遅くに!?深海棲艦か?中国か?ロシアか?」


幕僚長「緊急事態です…直ちに!直ちに地下へお願いします!」


防衛大臣「どうしたんだ…んん?何故ここに第7艦隊司令官殿が…」


司令官「…フフッ…」


司令官「もう私の艦隊は海の藻屑ですよ…」


防衛大臣「…は?」


幕僚長「大臣…私は首相、大統領、そしてあなたに大変残念な報告をしなくてはなりません」








幕僚長「佐世保が…壊滅しました」

総理大臣「すぐにアメリカ大統領との電話会談の準備を!待て!先に市ヶ谷に電話を回せ!」


総理大臣「官房長官は緊急会見を開いて下さい!」


官房長官「しかし…今は夜の2時ですが…」


総理大臣「国家の一大事に深夜もクソもありませんよ?!」


官房長官「…すぐに」


官僚「官房長官、まだ準備が…」


官房長官「原稿は要りません!現時点での状況を纏めたものだけあれば十分です!」


~市ヶ谷~


防衛大臣「それは…どういうことでしょうか?」


司令官「我々は深海棲艦の大規模攻勢の情報を掴んでおりました」


防衛大臣「それは我が国にも報告があったはずです。ジョージ・ワシントンを佐世保に移動させたのも…」


幕僚長「それが…何故か佐世保の目の前にソロモン海域最深部並の戦力が集まり、奇襲を開始」


防衛大臣「第7艦隊は海の底…か」


防衛大臣「艦娘がいるはずの佐世保鎮守府は…?」


幕僚長「敵の奇襲を受け…徹底的に破壊されたそうです。復旧には半年掛かります」


防衛大臣「国内四大鎮守府の一角があっさりと…」


幕僚長「空自と陸自は既に深海棲艦対策課を臨時に編成、部隊も展開しています」


防衛大臣「何とか…持ってくれよ…」

今日はここまでです

続きは明日投下します

誤字訂正

深海棲艦対策課→深海棲艦対策本部

~三沢基地~


やる夫「ほ…本気でやるんですかお?」


やる夫「しかし…本官は…」


やる夫「…分かりましたお…うちには優秀なパイロットがいますお」


やる夫「空自最初の対深海棲艦部隊の拡大のチャンス、逃す訳にはいかないお」


やる夫「やっと上が動いたんだお」






やる夫「そうだお?やらない夫」


屋良「勿論だろ」


やる夫「しかしやらない夫、ぶっつけ本番でこんなのを操縦できるのかお?


屋良「『出来る』では無く『やらなきゃ』いけないんだろ」


やる夫「しかし、まさか空自がこんなものを飛ばす日が来ようとは…だお」

屋良「B2ステルス爆撃機による敵制空権下における対深海棲艦特殊爆弾での強行爆撃…」


やる夫「しかし…あんな化け物共にステルスなんて通用するのかお?」


やる夫「一応実証実験は米空軍がやっているのだけどだお…」


屋良「たかが実験に高いステルス機を三機も使うなんて流石アメリカ様だろ」


屋良「とにかく、ある程度は見つからないと結論は出た筈だろ、心配する必要はないだろ」


やる夫「でも…完全ではないお…」


屋良「この世に完全というものは存在しないだろ。失敗の可能性は必ず付いて回るだろ。だから俺たちは毎日訓練するんだろ」


やる夫「…」


やる夫「心配なんだお…」


やる夫「同期をこんな危険な任務に駆り立てたくはないんだお…」


屋良「お前は俺と違ってエリートコース一直線だろ。お前なら空自独自で深海棲艦に対抗する部隊を作り上げられるだろ」


やる夫「机の上の勉強が出来ただけだお…他はとても敵わないだお…」


屋良「…いいじゃないかだろ」


屋良「…そろそろ準備して来るだろ」


やる夫「…」

~宿毛湾泊地~

提督「zzz…」


ジリリリリリリリリリリリリリリリリリリリリリリリリリリリリリリリリリン!!!!


提督「…?何だ…?こんな夜中に」


ガチャッ


提督「はい、こちら宿毛湾泊地」


???「話がある」


???「鎮守府の入り口に来てくれ」


???「以上だ」


提督「あっ、もしもし?もしもし?」


提督「切れちゃったよ…」


提督「あ~、頭いてえ」


提督「…」


提督「行ってみるだけ…行くか」

~鎮守府正門~


???「やあ、待っていたよ」


提督「夜遅くに、こんな田舎の鎮守府に何の用事ですか?」


???「まあまあ、君の執務室の電話は外部の一般電話等の回線からは直接繋げない。つまり、そういうことだ」


提督「防衛省の…方ですか?」


???「まあ、そんなとこだ。名前は…そうだな、鈴木、とでも呼んでくれ」


提督「それで…鈴木さん、で宜しいですか?どうしてわざわざ…」


???「通信と言うものは、電波を使う以上必ず傍受される恐れがある。技術が発達したとはいえ、不便なもんだな」


提督「…?」

鈴木「という訳で、絶対に傍受されない通信を行うことは不可能、じゃあどうすればいい?直接話せばいいじゃないか」


提督「…」


鈴木「以後、私の話した内容の一切を口外、並びに媒体に記録することを禁ずる」


提督「…はい」


鈴木「悪い話と酷く悪い話があるがどちらを先に聞きたい?」


提督「悪い話からでお願いします…」


鈴木「よし、じゃあ悪い話からだ」


鈴木「佐世保が壊滅した。深海棲艦によってな」


提督「はい?」


鈴木「壊滅だ。文字通りな」


鈴木「最もこれは翌朝のニュースや新聞で報じられるだろう」


提督「佐世保には…艦娘がいるのでは…?」


鈴木「ぐうの音も出ない完璧な奇襲だったそうだ。真珠湾攻撃も真っ青のな」


鈴木「これにより事前に攻勢を察知し、佐世保近海に待機中だった米海軍第7艦隊は全滅。天下の原子力空母ジョージ・ワシントンは大破着底だそうだ」


鈴木「なお佐世保鎮守府は半年間の活動停止を余儀無くされた」


提督「はあ!?」

鈴木「航空自衛隊は特殊作戦機を投入。なんとか市街地への攻撃は食い止めた」


鈴木「とここまで悪い話だ」


提督「は、はあ…それで、酷く悪い話とは…?」


鈴木「ふむ、ここからが本題だ」











鈴木「なんでもその攻勢の引き金(トリガー)が、あなたの鎮守府の『元』艦娘だったらしい」


鈴木「私もさっき聞いた話だからな…驚いた。そもそも艦娘と深海棲艦は違うものだと思っていたが…」


鈴木「おっと、勘違いしないでくれ、私はあくまで連絡役だ。専門家では無い」

提督「そういう話でしたか…」


鈴木「心当たりがある様だな…全部あの方が話していた通り…全く怖いぐらいだ」


提督「それで…うちの艦娘は…」


鈴木「いやいや、あくまで引き金になっただけらしいな」


鈴木「ただ、それなりの力はあった様で日本の近海に、最前線、ソロモン海だったかな?最奥部クラスの深海棲艦を何体も呼び寄せてしまった様だ」


鈴木「これだけの突発的な深海棲艦の大量発生は過去に例が無いとか何とか」


鈴木「とにかくこの事実はまだあなた以外の提督にすら伏せられている最重要機密だ。そもそも艦娘=深海棲艦と言う事実すらごく一部の提督しか知らないだろうとのことだ」


鈴木「とにかく、私は当事者に今起きてることを伝えるだけの役目を仰せつかっているだからな。所謂、メッセンジャーだよ。ラーメン好きの助っ人投手ではないが」

訂正

×とにかく、私は当事者に今起きてることを

○私は当事者に今起きてることを

提督「そんな…じゃあ吹雪は…」


鈴木「恐らくエネルギーを使い果たし、漂流もしくは消滅した可能性があるとのことだ」


鈴木「辛いだろうが、事実だ。私は本当のことしか言わない」


提督「…お伝え頂き、ありがとうございます」


鈴木「私は私の仕事をしたまでだ」


鈴木「最後に、私の仕事としてでは無く、一個人として慰めの言葉を述べさせてくれ」


鈴木「頑張りたまえ。歯を食いしばるんだ。日は昇るさ。東の空を見てみろ、空が白んでいるぞ」


鈴木「以上だ」


鈴木「では、私は帰る。何か動きがあれば、またあなたの元へ来るだろう」


提督「…」

提督「…」


提督「なんてこった」


提督「吹雪が…そうか…」


提督「…」


提督「朝か…」


提督「出撃だ」


提督「俺は吹雪なんて知らん」


提督「見たこともない」


提督「しらん」


提督「しらんぞ」

~大講堂~


提督「みんな、おはよう」


提督「今日も南西海域突破を目指して出撃をするぞ」


提督「頑張ろう」


提督「解散」


秋月「…はい」


瑞鳳「は、はい!」


秋月「…」

~首相官邸~


総理大臣「恐らく、内閣は総辞職するだろう」


総理大臣「アメリカも今頃ひどい騒ぎだ」


官僚「それは…深海棲艦の攻撃とはいえ虎の子の空母が何もできずに沈んでしまったのですから…」


総理大臣「海洋汚染は無いな?」


官僚「それが…」


総理大臣「やはり、一定量は…」


官僚「はい」


総理大臣「一艦娘がこの様な事態を引き起こしたとすれば、当然政府が巨額を投じた鎮守府に批判が集まるだろう…」


総理大臣「私が辞めて済むのならばそれで良いが…深海棲艦と講話などと言う馬鹿げた事を言う輩には絶好の餌になってしまうだろうな…」

官僚「そもそも、旧軍が少しでも絡んでいる時点でデリケートな問題ですしね…」


総理大臣「シーレーンが壊滅すれば我が国はおしまいだぞ…それこそ第二次世界大戦末期じゃないか」


官僚「どうしますか…?」


総理大臣「市ヶ谷に繋いでくれ」


総理大臣「この案件は私の墓場まで持っていくことにした」

~市ヶ谷~

防衛大臣「この案件はどれだけの人間が関知している?」


幕僚長「官邸では国家安全保障会議関係者、市ヶ谷では大臣以下、数人程度であります。米政府にですら情報は渡っていません」


防衛大臣「あとは調査機関くらいか…」


防衛大臣「私は政界を引退する。近いうちに、内閣は総辞職するだろう。後はお前に頼んだぞ」


幕僚長「はっ」

~一週間後~

提督「畜生…どうして突破出来ないんだ…役立たず共め」


提督「出撃する度に大破、大破、大破…うんざりして来たぞ…」


提督「おい秋月!どうして空母を護衛しないんだ!」


秋月「…」


提督「答えろ!お前のその長10センチ砲は何のためにあるんだ!」


秋月「…」


提督「答えろ!」


バァン!


秋月「うっ…」


提督「…もういい。帰れ」


秋月「…」


秋月「…ふざけないで下さい!」

秋月「何が空母ですか!何が機動艦隊ですか!馬鹿馬鹿しい!」


提督「あ?」


秋月「まるで吹雪さんがいなかったかの様に振る舞って!歓迎会なんていりませんよ!?」


提督「おいおい、秋月」


提督「その吹雪ってのは…」


提督「誰だ…?」


秋月「…」


バチィン!


提督「秋月てめぇ!」


秋月「よくそんな口がきけますね!?見下げ果てましたよ!」


秋月「やっと秋月は気付きました…」







秋月「こんな鎮守府に来るんじゃ無かったって!」

クルンジャナカッタッテ!


バァン!


赤城「…」


瑞鳳「…吹雪?」


赤城「ええ、吹雪と言いましたね…」


赤城「恐らく私達が来る前に…」


瑞鳳「轟沈…した…?」


赤城「…」


瑞鳳「秋月…」


赤城「悪い事をしてしまったわね…」


瑞鳳「…うう」

赤城「皆さんに、会いに行きましょう…」


瑞鳳「謝らないといけないですよね…」


赤城「はい」

赤城「皆さん、申し訳ありませんでした…」


瑞鳳「ごめんなさい…事情も知らずに…」


春雨「…」


野分「…」


木曾「…」


矢矧「…」


春雨「…別に…あなたたちが謝る必要は…無いと思うです…」


春雨「むしろ…あやまりたいです…」


春雨「せっかくこの鎮守府に来てくれたのに…八つ当たりみたいになってしまって…」


春雨「だから…その…ごめんなさい!」

矢矧「私も、その、謝りたいわ」


矢矧「その、色々乗り越えなくちゃいけないのに、感情をぶつけてしまって」


矢矧「こんなことって、ないわ」


矢矧「だから…ごめんなさい」


野分「私も謝らさせて下さい!きつく当たってしまって…」


野分「ごめんなさい!」


木曾「すまなかった」


木曾「ただ、一つ訂正したい事がある」


木曾「吹雪は、沈んではいない」

赤城「…?」


瑞鳳「それは…どういう…」


木曾「いなくなったんだ」


木曾「強くなりたい、と書き置きを残してな」


木曾「俺が、もうちょっと気に掛けてやれば…」


木曾「クソッ…」


瑞鳳「つまり、行方不明なんですか…?」


矢矧「ええ、そうよ」


矢矧「提督は、まるで吹雪なんか最初からいなかったかの様に振る舞った」


矢矧「無邪気に機動艦隊が組めるなんて、歓迎会まで開いて…」


矢矧「それが許せなかった」

赤城「聞いたことの無い話ですね…」


野分「不思議に思うかもしれませんが、本当に起きた事なんです」


春雨「まだ…信じられない…です」


赤城「それと…秋月さんは何処でしょうか…?」


木曾「会いに行くのか?やめておいた方がいいぞ」


瑞鳳「いえ、会いに行きたい!このままじゃ…」


木曾「分かったよ…秋月は多分、四階の吹雪といた2人部屋にいるだろ…最近はずっとそこにいる…」


木曾「扉がいつも空いてるから、分かるはずだ…」


瑞鳳「分かりました!ありがとうございます!」


ダッ


赤城「ちょっと!瑞鳳さん!?」

秋月「…」


秋月「…」


瑞鳳「秋月!」


秋月「…はい?」


瑞鳳「…その…」


瑞鳳「ごめんなさい!」


瑞鳳「あなたの気持ちも知らないで、はしゃいでしまって…」


瑞鳳「話は聞いたわ…」


瑞鳳「吹雪のこと…私も、心配しているわ…」


秋月「…」


秋月「私のせいで、吹雪さんは…」


赤城「瑞鳳さん!?ちょっと…」

赤城「(吹雪さんは、恐らく、深海棲艦になってしまったとされているそうよ…)」


瑞鳳「(…それって…)」


赤城「(私達と深海棲艦は表裏一体…その様な事を今木曾から聞いたわ…)」


赤城「(吹雪さんは強い秋月さんにコンプレックスを感じていた…そして、強くなりたいと願い、その思いが歪んでしまった)」


赤城「(秋月さんは艦娘の中でも強いエネルギーの持ち主…吹雪さんは秋月さんのエネルギーを受け止め切れず、負にエネルギーを転移した…)」


瑞鳳「(…)」


瑞鳳「分かったわ」


瑞鳳「でも、私は秋月と最後まで一緒にいた。あの海戦で」


瑞鳳「だから、秋月の悲しみを受け止める」


瑞鳳「全部、受け止めて見せる!」

秋月「…」


秋月「瑞鳳さん…」


瑞鳳「やっと、私の目を見てくれたわね…」


瑞鳳「秋月…」


秋月「…」


秋月「…瑞鳳さん!」


秋月「苦しかったです…悲しかったです…」


秋月「だから…だから…」


秋月「ごめんなさい!」

瑞鳳「提督の所へ行きましょう…」


赤城「そんな…」


秋月「秋月たちはもう大丈夫です!」


秋月「白黒はっきりさせましょう」


秋月「とりあえず、みんなの所へ行きましょう」

提督「…」


提督「…ふ」


提督「吹雪」


提督「…」


ガチャン!


秋月「司令!」


提督「…何だ」


秋月「司令は馬鹿です!」


提督「はあ?」


秋月「大馬鹿です!」

秋月「馬鹿で、おっちょこちょいで、スケベで、私の裸を二回もみて、それで…それで…」


秋月「クソハゲ野郎です!」


提督「…」


提督「…おい、」


提督「今、ハゲっつったか?」


秋月「はい!ハゲと言いました!」


秋月「ハゲはよくないと思いますよ」


提督「…」


提督「…上等だゴラア!ええ?ハゲは罪なんですか?!え?アダムとイブが木の実食った時点で人間皆罪を抱えている筈なのに、その上、ハゲてるだけで罪に問われるとか理不尽すぎるだろうが!!俺だってなあ、好き好んでハゲてるわけじゃねえんだよボケ!!ええ?!俺はなあ、お前らみたいなのが大嫌いなんだ!?そうやって、いつもハゲハゲハゲハゲ馬鹿にしやがって!?蔑みやがって!いいじゃないか別にハゲたって!?禿げてたっていいじゃない!?禿げてたっていいじゃない!?禿げてたっていいじゃない!?人間だもの!!みつを先生は偉大だよ全く!お前らと違ってな!!いいよもう!バーカ!おたんこなす!!アホ!!」

秋月「…ふふっ」


提督「何がおかしい?」


秋月「怒れるじゃないですか…そうやって」


秋月「どうしてそうやって怒らないんです?」


秋月「私に」


秋月「私のせいで吹雪はああなってしまったんですよ?」


秋月「機動艦隊なんて、くだらないこといってないで、私に怒ってくださいよ」


秋月「吹雪なんていなかったなんて言ってる暇があったら、私に怒ればいいじゃないですか」


提督「…」


提督「…そうだよ!」


提督「お前のせいで吹雪はいなくなっちまったんだ!」


提督「お前のせいで!」


提督「お前の…」


提督「…ちくしょう…」


提督「…うっ……」


秋月「…」


秋月「…合格です」


提督「…」


秋月「提督、怒ってもいいんですよ?泣いてもいいんですよ?」


秋月「我慢してはいけません」


提督「…うっ…」


提督「…あああ…う”うっ…う”う”う…」


提督「うう”っ…う…」


提督「…もう…い”なかった…なんて…」


提督「…い”わ”っない”!!」


提督「…う”うう”う~っ」

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


提督「…すまなかった、みんな」


提督「もう、あんなことは誓って言わない」


提督「悪かった!!」


春雨「…」


野分「…」


矢矧「ふん」


矢矧「この間言ったとおり、提督やっぱり弱いじゃない」


矢矧「現実逃避なんて子供みたいなことをして…」


提督「…うう」


矢矧「けど、そんな提督も提督よ」


矢矧「これからは、吹雪と向き合って、生きていけるわね?」


提督「…はい」


矢矧「なら、頑張りましょう。いつも提督が皆を励ましてたのと同じように、みんなが提督を励ましていくわ」

木曾「全く…」


木曾「しゃんとしてくれよ。弱虫がうつっちまう」


木曾「やれるな…?提督」



木曾「できなかったら俺はお前を一生軽蔑するぞ!」


提督「おう!」


春雨「おかえり…です」


野分「おかえりなさい」


提督「…」


提督「…ただいま」

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

~????~


???「…」


???「…ウアア…」


???「シレイ…カン…」


???「アア…」

今日はここまでです
なお、必ず番外編につながりますので、辛抱願います

アナウンサー「えー、番組の途中ですが臨時ニュースを申し上げます」


アナウンサー「先程、○○総理大臣は臨時の記者会見を開き、自身の退陣と内閣の総辞職を発表しました」


アナウンサー「辞任の理由としては昨今の政治資金問題並びに先日の佐世保事件における被害対応を挙げています」


アナウンサー「また、深海棲艦対策法によって設立された佐世保鎮守府が壊滅したことから、対深海棲艦戦に対する特殊兵器、艦娘の有効性にも疑問の声が上がっており、首相の説明責任が問われます」


プチッ


提督「すごい騒ぎだな…まさか一国の首相が辞めちまうなんて」


提督「…えらいことやっちまった」


提督「吹雪が…」


提督「…そうか」


秋月「吹雪さんがどうしたんですか?」


提督「!?」

提督「…いや、吹雪はこの事件とは関係ない」


秋月「ふーん」


秋月「吹雪さんと関係あるんですね」


提督「…ちがっ!うう…」


秋月「司令…何かまだ隠してますね?」


提督「…くそう、また一杯食わされちまったよ」


提督「秋月に限らず、艦娘ってのはどうも俺の一枚上を行くな」


提督「まあ、俺がバカなだけだと思うが」


秋月「それは…そうですよ」


提督「…?」


秋月「だって、みんな一度死んでますもん」


提督「…」


提督「それもそうだ…元はみんな軍艦だもんな。俺がいつもやられる筈だ」


秋月「…ですね」


提督「参ったなあ…」

秋月「それで…どうなんですか?」


提督「他言を禁ずって命令されたから言えない」


秋月「もう他言してるじゃないですか」


秋月「吹雪さんが佐世保の事件に関わっているんですよね?」


提督「…」


秋月「沈黙は肯定だと受け取っておきますね」


秋月「…それで…これからどうするんですか?」


提督「…攻略だな。海域の」


提督「もっと練度を上げて、強くなって…」


提督「吹雪がいつ帰って来ても恥ずかしくないような、すごい鎮守府を作ろう」


秋月「…」


秋月「…はい!」


提督「…さて、今日のところは寝て明日に備えるか…」


提督「他のみんなは?」


秋月「みんな部屋ですかね」


提督「そうか…仲良くしてくれよ?人のこと言えないけど」


秋月「はい、分かり(ry


ジリリリリリリリリリリリリリリリリリリリリリリリリリリン!!!!


秋月「電話ですか…?こんな時間に」


提督「誰だろうな…とりあえず出るぞ」


提督「はい、こちら宿毛湾泊地」

エリ提督「君か!提督君!」


提督「ああ、エリ提督さんですか…何かありましたか?」


エリ提督「逃げるんだ、提督君!」


エリ提督「艦娘を連れて海に逃げろ!」


エリ提督「とにかく宿毛湾泊地から離れるんだ!」


エリ提督「携帯電話は持ってるな?僕が避難ルートを指示するから逃げてくれ!」


エリ提督「番号を(ry


提督「もしもし?」


提督「切れちまった…」


秋月「何が(ry


ドガアアアアアアアアアアアン!!!!

提督「うわああ!?」


秋月「何が起きたんですか!?」


提督「ヤバい!ここから出るぞ秋月!」


秋月「他の皆さんは!?」


提督「連れて行くんだ!」


提督「大丈夫か皆!?」


提督「よし!全員無事だな?」


矢矧「ええ…何とか」


野分「大丈夫です!」


木曾「おい、提督!あれ!」


提督「何だ?」


木曾「なんだよ…あれ…いくらなんでも…多過ぎだろ…」


提督「…は?」


提督「なんだよ…あの数」


大淀「艦型より…敵戦艦レ級三隻その他大艦隊を確認…!」


提督「嘘だろそれって…」


提督「今度はここか…深海棲艦!!」


???「ご名答だ提督君」


???「次は君たちの鎮守府が更地になる番だ。それも…佐世保よりも徹底的にな」

提督「あ…あなたは…」


鈴木「どうも、鈴木だ」


提督「何が起きてるんです!?どうしてここに深海棲艦が!?」


鈴木「まあまあ…私は何か動きがあったらここに来ると言ったな」


鈴木「まさしく、動きがあるじゃないか」


提督「どういうことですか?」


鈴木「私はあくまで連絡役だ。当然連絡をするために来たんだろう」


鈴木「単純な、事務連絡だ」


鈴木「今日をもって、海上自衛隊特殊兵器総括部所属宿毛湾泊地は最後の囮任務を遂行後、廃止となる」


鈴木「これだけだ。シンプルだろう?」


鈴木「既に特科部隊も展開済みだ。と言うか寧ろ海自はこの行動を殆ど感知していないだろう」


鈴木「我々はあくまで陸を行くしか無いのだ」

鈴木「海からの火力投射は不可能だ」


鈴木「しかし深海棲艦はあくまで海で活動しているから、我々は手も足も出ない」


鈴木「ではどう陸に居ながらにして深海棲艦を倒す?」


鈴木「簡単だ。陸に挙げてしまえばいいじゃないか」


鈴木「と言うわけであなたの鎮守府はこれから作戦拠点から、我が部隊の攻撃目標となる訳だ」


提督「そんな…艦娘はどうなるんですか?!」


鈴木「勿論ここに残って貰う。君も残って貰うぞ。なあに、名誉の戦死だよ」


鈴木「提督君は、深海棲艦の奇襲を受け、最後まで奮戦した後死んだ」


鈴木「良かったじゃないか…英雄になれるぞ。君の今までの人生からは考えられないじゃないか」


鈴木「英雄にハゲもフサも無いしな」


提督「…拒否します」


鈴木「ほう…?」


提督「拒否します!」


鈴木「おっと、君に決定権は無いぞ?英雄に『なってもらう』んだ」

鈴木「もうすぐ攻撃が始まるだろう…」


鈴木「いいことじゃないか…」


鈴木「君たち船乗りは我々兵隊のカネを使っているのだからな」


鈴木「今砲門を向けている特科部隊は既に廃止されることが決定している…在庫処分って奴だな」


鈴木「うまい提案に乗ったもんだ。金食い虫の鎮守府が一つ消え、我々の存在感も高まる」


提督「貴方方は何をしたいのですか?!」


鈴木「なに、取り引きをしたんだよ…艦娘=深海棲艦の事実を闇に葬り去りたい市ヶ谷と、存在意義が消え掛けた、我々の利害が一致しただけのことさ」


鈴木「もっとも、すり合わせをやったのは上、私は連絡役だ」


鈴木「ただ、個人的な所感を述べさせて貰うと、言っちゃ悪いがざまあみろ、だ」


鈴木「私も元はその存在意義の消え掛けたチンケな兵隊のいち佐官なのだからな」

提督「…あんたのいた兵隊って」


鈴木「そう、用意周到・動脈硬化の陸上自衛隊さ」


鈴木「最後に、君にもう一つ伝えておきたい事がある」


鈴木「君の指揮下にいた艦娘、吹雪だったか?が今回の作戦では重要な役目を果たしてくれているんだ。そのことについて礼を言っておこう」


提督「生きているんですか!?吹雪は…」


鈴木「兵器に生きるも死ぬも無いとは思うが…生きている、と言う言葉が生きていた、と言う言葉になってしまうところかな?」


鈴木「とにかくあれは、二回も引き金を引くことになってしまったな。流石に二回目は消滅か」


提督「まさか…」


鈴木「SSS5、吹雪は佐世保事件の後、海岸に打ち上げられていた所を我々防衛省特務局が回収した」


鈴木「そして今回の作戦にも深海棲艦を呼び出す触媒として使用している…ということだ」

鈴木「まさか人為的に深海棲艦を発生させることが出来るとは…まあ、そんな技術あったところで誰も一顧だにしないだろうが、我々はそれを欲した」


鈴木「『貴重』な艦娘は使い捨てだがなんとか実用化には成功したな」


鈴木「現にうじゃうじゃ沸いてるじゃないか、深海棲艦が」


鈴木「大成功だ」


提督「そうか…」


提督「だがお前は一つ間違えていることがある」


提督「英雄にハゲもフサもある、ということだ」


提督「古代ローマのジュリアス・シーザーは月桂冠を被りたがり、フランスの英雄ナポレオン・ボナパルトは嘘まみれの絵を書かせた。それに乞食から身を起こした、中国史上、最も劇的な下克上を果たしたとも言われる明の初代皇帝、朱元璋は、『光』の文字を使っただけで文官を処刑した。ハゲは所詮ハゲなんだよ。どんな英雄もハゲると途端にそうなってしまう」


鈴木「何が言いたい?」


提督「ハゲの英雄では無く、ただのハゲでありたいということだ」


提督「だから、俺は死なない。石に齧り付いてでも、生きてやる。無様だとの罵ればいいさ」


提督「秋月!」


秋月「はい!」


ドドォン!ドオン!


ドガアアアン!!!

鈴木「グハァッ…!」


鈴木「何を…?」


提督「やはり陸に上がると途端に威力が落ちるな…」


秋月「はい、仕方ないですね…秋月達は海の兵器ですから…」


提督「やっぱ足止め程度かな…いや、構わん!撃ったれ!」


提督「お前ら!斉射だ!てー!」


鈴木「や…やめろおおおおおお!!!」

提督「よし!撤退!」


提督「大淀達はまだ艤装が無かったか…」


提督「大淀!明石と俺の分のボートは?」


大淀「海に逃げるんですか!?」


提督「当たり前だ、吹雪を迎えに行ってやらんとな…」


大淀「ええ…?そうですか…一応外洋行動能力のあるミサイル艇が一隻ありますが」


提督「そこに案内してくれ!」


大淀「…はい!」

鈴木「…クソッ」


鈴木「しょうがないな…」


鈴木「潜入中の、柊部隊に告ぐ…」


鈴木「提督を、始末せよ」

提督「しかし大淀…俺、船の操縦なんて出来ないぞ?」


大淀「大丈夫です!私、勉強しましたから!」


提督「なんだ良かった…って勉強しただけかよ!?」


大淀「…なんとかします!」


提督「まじかよ…ええい頼んだ!」


大淀「任せてください!」


大淀「見えました!あそこです!」


提督「おお…って…」



柊部隊1番「…目標…停止」


柊部隊長「包囲せよ」

木曾「オラオラァ!なんだお前らは!俺らの提督様に銃を突きつけるなんていい度胸じゃねえか!」


矢矧「やるしかないようね…」


野分「よーし!暴れてやります!」


春雨「ど…どいてください!」


木曾「撃てえ!」


柊部隊長「…まずい!散開!」


柊部隊1番「なんなんですかあの娘たちは!」


柊部隊長「知らん!俺だって急にここに呼ばれたんだ!」


柊部隊1番「う…うわあ!」

提督「みんな…今の内だ!船に乗れ!」


大淀「出発しますよ!と言うか艦娘は船に乗らなくても大丈夫です!」


提督「そうだった…」


提督「出発!」


大淀「はい!」

柊部隊1番「目標、消失!」


柊部隊長「ああ…」


柊部隊1番「どうしたんですか…?」


柊部隊長「いや、いくら特殊部隊とは言え、人を殺さずに済んだんだ…」


柊部隊長「ホッとしてな…」


柊部隊1番「はあ…」

提督「うひゃあ…すげえ数だ…」


大淀「敵戦艦!数は…6隻」


提督「撃ってきたぞ!よけろ!」


提督「このまま…このまま…」


木曾「どうして応戦しねえんだ!?」


提督「お前らの練度じゃ倒せるわけねえだろ…」


木曾「でも…」


提督「命令だ!」


木曾「…分かった」


提督「無駄な出血はやめるんだ」


大淀「なんとか振り切りました!」


提督「よし!」

提督「吹雪ぃ…何処だ…?」


秋月「司令!あれ…」


提督「なんじゃありゃ…」


矢矧「光が…浮いてる…」


野分「中に人がいます!」


春雨「あれは…吹雪さん…です!」


提督「吹雪!?」


木曾「どうやら変な箱に閉じ込められてるみたいだ!」

提督「助け出せるか!」


矢矧「ダメ!高すぎる!」


木曾「とりあえずあの箱をぶっ壊す!」


提督「よし!壊してみろ!落ちてくるかもしれん!」


木曾「了解!」


ドオン!


提督「やったか…?

野分「だめです!箱は壊せたんですが…」


春雨「まだ浮いている…です!」


提督「ちくしょう!」


大淀「そろそろ限界です!敵が近すぎます!」

提督「どうする…どうする…」


提督「吹雪は浮いてる…船は飛べない…」


大淀「敵駆逐艦イ級、接近!」


提督「イ級…」


大淀「提督!」


提督「前にある漫画を読んだことがあるんだ…」


提督「その漫画では、魚雷艇が空を飛んでヘリを撃墜するとかいうトンデモシーンが出て来る…」


提督「飛んでみる…?」


大淀「…はあ?」

提督「イ級の背中…なんかジャンプ台みたいだし…」


大淀「馬鹿言わないでください!」


提督「海に出た時点でもう大馬鹿だろ?」


大淀「確かにそうですが…」


大淀「私、今日初めてこの船を触っているんですよ!?」


提督「普通に操艦うまいじゃないか…ものは試しだ、やってみよう!」


大淀「うう…」

~宿毛湾泊地~


鈴木「取り逃がした!?馬鹿どもが!」


鈴木「お前らは特殊部隊ではないのか!?」


柊部隊長「ですが…まさか大砲を担いだ娘がいるとは知りませんでした」


鈴木「そんなの言い訳になるか!不慮の事態に対応してこその特殊部隊だろ!?」


柊部隊長「お言葉ですが…」


柊部隊長「あなたは我々になんの情報も与えてくれませんでした…右も左も分からない中でむざむざ部下を死なせろと言うんですか?」


鈴木「そうだ!死ねば良かったんだ!この無能共が!」


???「自分の部下に無能、とはひどいですね…?」


???「ホンット、最低ね!」


鈴木「…今度は何だ!?」


???「「攻撃機隊、発艦!!」」

提督「春雨!野分!イ級の背後に回り込め!」


野分「ええ!?」


春雨「…はい!」


野分「は、はい!」


ザザーッ!!


イ級「グオオオオオオオオオオオ!!」


野分「こっちだよー!」


春雨「…来ました!」


イ級「グオオオ!?」


提督「よっしゃ!イ級が背中を向けたぞ!」


提督「今だ!突っ込め!」


大淀「…うあーっ!!いっけー!!」


ゴガッ


ザッパアアアアアアアン!!

提督「吹雪いいいいいいい!!!!」


???「ウア…」


???「シレイ…かん?」


???「アアア…」


提督「捕まえた!」


大淀「ああああああ!!!!落ちちゃいますううううう!!!!」



ザッパアアアアアアアアアアアアアアン!!!!!!

提督「オボア!?」


大淀「カパア!?」


提督「…痛い…」


大淀「…飛んじゃい…ました」


提督「吹雪!大丈夫か!?」


???「アアア…ウアアア…」


提督「駄目だ…意識が…」


提督「吹雪!」


明石「一体何事ですか!?あんな衝撃、船が飛ばない限り起きませんよ!?」


明石「なんとか機関は動いてますけど、いつ壊れてもおかしくないですよ!?」


提督「ああ、明石!吹雪が!」


明石「って、吹雪じゃないですか!でも、ほとんど深海棲艦になってしまっていますが…」


提督「助けてやってくれ!苦しそうだ…」


明石「今は無理です!とりあえず工廠に戻らないと…それに戻っても応急処置くらいしか出来ません…」


提督「じゃあ、戻ろう!」


大淀「でも、戻ったら…」


大淀「…わかりました」

~宿毛湾泊地~


鈴木「何なんだもう!なんでまだ艦娘がいるんだ!?」


瑞鳳「この男を脅して攻撃をやめさせればいいんですよね?赤城さん」


赤城「そうね…何しろ連絡役の人がいるのだから、話は簡単よ」


赤城「とりあえず、爆弾をもう二三発、顔面に叩き込みましょう?」


瑞鳳「ええ!」


鈴木「あ…あ…」


赤城「覚悟してくださいね?」


鈴木「あ…う」

提督「行けるか!?」


大淀「駄目です!また囲まれました!」


提督「さっきので敵の艦隊のど真ん中に飛び込んじまったか…」


矢矧「提督!これ以上は無理だわ!」


木曾「クソ…俺がもっと強ければ!」


野分「囲まれちゃいましたよお!」


提督「流石に無理だったか…」


提督「死にたくねえぞ俺は…」


大淀「さらに…戦艦レ級、二隻接近中!」


提督「…ちくしょう」

~???~


???「対深海棲艦型90式艦対艦ミサイル、発射準備完了しました」


???「よし、直ちに攻撃開始!」


???「そんなに…僕たちの力が…見たいのか…?」


???「発射!」


ゴゴオオオオオオオオオオオオオオオオ!!!!

提督「…?」


ドカアアアアアアン!!!

ズドオオオオオオン!!!


大淀「…敵戦艦…た、大破炎上?」


大淀「沈黙…しました…」


提督「何が起きたんだ!?」


大淀「分かりません…けど、とにかく道は開けました!」


提督「よし、脱出!」

~宿毛湾泊地~


鈴木「わがっだ…もう”、やべでぐれ…」


鈴木「わるがっだ、わだじがわるがっだ」


鈴木「ごうげぎば、ぢゅうじざぜる」


鈴木「だがら、がいぼうじでぐれ」


赤城「…ようやく分かってくれましたか」


赤城「さあ、連絡お願いします」


鈴木「わがっだ、わがっだ」


鈴木「…フフ」


鈴木「攻撃を直ちに始めよ!!」


瑞鳳「あ、こいつ!」


鈴木「いいさ、どうせ私は犯罪者だ…最後ぐらい、派手に死んでやるさ!」


瑞鳳「だめ!止めて!」


特科隊長『あの~、艦娘さんですか?』


特科隊長『うちの隊長が迷惑かけました』


鈴木「は?」


鈴木「お前ら…どういうことだ…?」


特科隊長『やめにしましょうよ、もう』

鈴木「命令だぞ!?攻撃を始めろ!」


特科隊長『嫌です。なんで対艦ミサイル部隊まで引っ張り出して来なきゃいけないんですか』


特科隊長『だいたい、通常兵器しか持ってない我々に出来ることはたかが知れてますよ』


鈴木「命令違反だ!上官の命令だぞ!」


特科隊長『嫌です。拒否します。元、隊長』


特科隊長『あ、艦娘の皆さん、部隊は撤収中なんで安心してくださいな。うちら口うるさい元上官になんかパシられただけみたいだったんで』


特科隊長『だいたい、おかしな話ですよ。命令書一枚で部隊が出れるんですから。動脈硬化の陸自ですよ?アホみたいに書類書かされるに決まってるじゃないですか』



特科隊長『つまるところアレですよ。偽命令。大方、今回の騒動もソイツ以下数人が実行犯だと思いますよ、多分』


特科隊長『全く、226事件じゃないんだから…』


特科隊長『とにかく、そんな訳です』

鈴木「クソ!どいつもこいつも!」


赤城「残念でしたね…元部下からも見捨てられてしまいましたよ…?」


瑞鳳「滑稽ね、何が上とのすり合わせ、なよ」


鈴木「いや!俺はちゃんと幕僚長から命令を受けていた!


鈴木「深海棲艦の人為的発生の研究にも、金は出ていたんだ!」


鈴木「とにかく…」


赤城「計画は失敗ってことですね?残念でした」


瑞鳳「本当はもっと爆撃してやりたいけど、弾薬切れよ。運が良かったわね」


鈴木「ああ…あ…」


瑞鳳「とりあえず、簀巻きにして放置ね、こいつは」

提督「見えたぞ!宿毛湾だ!」


明石「急いで下さい!殆ど呼吸していません!」


大淀「はい!」


矢矧「到着だわ!」


提督「早く工廠へ!」


明石「こっちです!」


提督「分かってる!」


秋月「あ、赤城さん!」


提督「赤城!お前まさかついて来なかった…いや、俺が連れて行けば…」


赤城「いえいえ、私達は自分の意思で引き返したんです。もっとも気づかない提督もどうかと思いますが…」


提督「すまん!人生で初めて本物の銃口を向けられて焦っちまったんだ…」



赤城「全く…そうそう、私達が残ったのには理由がありましてね?」


赤城「瑞鳳さん」


瑞鳳「はい!」


ズリズリ…」


鈴木「びぎずらないでっ”」


提督「なんだこの巻き巻きされたゴザみたいな塊は…」


瑞鳳「鈴木さんです!生け捕りして簀巻きにしました!」

鈴木「わがっだ…わがっだがら」


瑞鳳「提督、どうする?もう爆撃は散々したけど…」


提督「爆撃ってなんだよ」


赤城「艦載機の皆さんによる爆撃です」


提督「おいおい…よく死ななかったな…」


赤城「生きたまま突き出すのが一番ですからね。殺したら元も子もないですから」


提督「こええ…」


明石「提督!ちょっと来て下さい!」


提督「どうした!吹雪の意識が戻ったか!?」


明石「いえ…その…」


明石「手は…尽くしましたが…」

鈴木「ハハハ!ざばあみろ”」


鈴木「だずがるわげがないだろう”!」


鈴木「もう、じにがげでいだのだがら!」


提督「…ざまあみろ?」


鈴木「ごれだがら船乗りば!兵器にじょう”を掛ける”!滑稽だ!馬鹿みだいだ!」


提督「…」


バキッ


鈴木「グバア!?」


提督「勘違いしてもらっちゃ困るな…この子達は兵器じゃない」


提督「艦娘だ!」


鈴木「…アバッ」


ドサアッ


瑞鳳「提督!いい右ストレート!」


赤城「やや角度が甘かったわね…」

提督「明石!吹雪は!?」


提督「吹雪!起きろ!」


提督「どういう事だ!吹雪息してないぞ!?」


明石「だから提督…もう…」


提督「助けられないのか!?」


明石「だから…手は尽くしました!」


明石「でも…もう目を開けてくれません…」


明石「私の力不足です…」


提督「そんな…吹雪!」


提督「…吹雪ぃ!」






???「ぴーぴーわめくなね、うるさいね」


???「まったく…」

提督「あなたは…」


工廠妖精さん「あきづきけんぞうした、あのようせいね」


工廠妖精さん「なんだ、おぼえてないのかね?」


提督「いいえ!あの時は…」


工廠妖精さん「へんなれしぴだったね…まあいいね、あかし、すこしそこどくね」


明石「は、はい」


工廠妖精さん「

工廠妖精さん「…みえたね」


工廠妖精さん「とりあえず、みーにまかせるね」


工廠妖精さん「なんとか、ふぶきは、ふっかつさせるね」


工廠妖精さん「そこでみていろね…」


提督「でも、吹雪はもう呼吸を…」


工廠妖精さん「かんむすは、にんげんとはちがうね。だまってみていろね」

???「ウウ…」


???「アアアアア!!」


???「……ウアア!」


工廠妖精さん「よおし!ふっかつしたね!おいおまえら!ばけつもってくるね!」


明石「しかし…修復剤を使えばそれをエネルギーにまた深海棲艦に…」


工廠妖精さん「しろうとはだまっておくね」


明石「は…はい」


秋月「バケツ持ってきました!」


工廠妖精さん「ありがとうね。よし、みんなはなれるね」


提督「分かりました…(何をするんだ…?)」


工廠妖精さん「いまね!」


バケツバシャアアアア!!!

???「ウウ…グアアアアアアアアアアアア!!!!」


明石「そんな!?折角艦娘に戻りかけていたのに…」


工廠妖精さん「じこじょうかね…」


提督「自己浄化?」


工廠妖精さん「みずからのエネルギーをたかめ、みずからのちからで、ふたたびかんむすにもどる」


工廠妖精さん「みーはただ、ふぶきのエネルギーをたかめるてつだいを、しただけね」


工廠妖精さん「ただし、つかうしゅうふくざいのりょうがまちまちなので、よいこはまねするなね」


工廠妖精さん「それにふぶきに、かんむすにもどりたいという、きもちがなければ、またしんかいせいかんにぎゃくもどりね」


工廠妖精さん「そのときは、ようしゃなくこうげきするね」


提督「…」

工廠妖精さん「あとは、みまもるだけね」


工廠妖精さん「あんまり、ちかよりすぎるなね」


提督「…吹雪…がんばれ!」


提督「戻ってこい!」

吹雪「(ツヨク…)」


吹雪「(アレ…?)」


吹雪「(クルシイ…)」.


吹雪「(クルシイ…!)」


吹雪「(ダメダ…ワタシハツヨク…!)」


吹雪「(ウアア…!)」


吹雪「(…!?)」


フブキ!ガンバレ!

モドッテコイ!


吹雪「(……)」


吹雪「(シレイ…カン?)」

吹雪「(ウアア…)」


吹雪「(ア…)」


吹雪「シレイ…かん」


吹雪「司令…官!」

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


提督「吹雪!」


ダキッ

ギュウウウ


吹雪「司令官…その」


吹雪「苦しいです…」


提督「うるせえ!もう絶対に離さないぞ!」


提督「悪かった…!悪かった…!」


提督「俺がバカだった…!


提督「お前を、信頼してやれなくて…」


提督「悪かった…!」


吹雪「…いえ…私が変な気を…ごめんなさい…」


吹雪「…ぁ」


ドサッ


提督「おい!吹雪!」

工廠妖精さん「いちいちさわぐなね!ふぶきはよくたたかったね、つかれただけだね」


工廠妖精さん「ゆっくりやすませてやるね」


提督「…はい」


秋月「ふ…吹雪さぁん!」


提督「おいっ、ちょ」


秋月「司令!吹雪さんを放して下さい!」


提督「嫌だ」


秋月「へ?」


提督「嫌だと言っている!誰が放すか!」


秋月「秋月の部屋に連れて行きます!」


提督「いや、吹雪は俺の部屋に連れていく」


秋月「男の人の部屋に女の子を連れ込むなんて…最低です」


提督「うるせえ!そんな邪な気持ちはねえよ!」

春雨「よかった…です…」


野分「吹雪さんが…帰ってきました!」


矢矧「本当に…よかったわ…」


木曾「俺も吹雪の所に…」


ガシッ


木曾「?」


矢矧「今は…やめておきましょう?」


ギャーギャー!
ワタシガー!
オレガー!


木曾「フッ…そうだな…」


赤城「秋月…すごいわね…」


瑞鳳「あら、仲間が帰って来たんですよ?あれくらい喜んでもいいじゃないですか」


赤城「それも…そうね。私も加賀さんや二航戦のみなさんと…」


瑞鳳「秋月が笑っている。私はそれを見るだけで十分よ」

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


エリ提督「…っく…いてて…上手くいったか?」


???「はい、万事解決いたしました…ぼっちゃま」


エリ提督「それじゃあ、きちんと護衛艦は出動してくれたんだな?」


???「はい」


エリ提督「あの男…鈴木とか言ったか?僕を襲うなんていい度胸だな」


???「ぼっちゃまを傷付けようとするとは…畏れ多い。」


エリ提督「心残りは…あのハゲが無事脱出出来た事か…」


エリ提督「今頃僕が改装してやった施設は火の海…」


???「いえ、通信を傍受した所、特科部隊は攻撃せずに撤退したそうです…」


エリ提督「そうか…わざわざ僕が出向いてまで作ってやったからな…むざむざ壊されるのは惜しいだろ?」


???「はい、まったくその通りです」


エリ提督「よし、電話の準備をしてくれ」


???「何処にお繋ぎしますか?」


エリ提督「とりあえず…」


エリ提督「海上幕僚長に繋いでくれ。無理を押して船を出してくれたんだ、お礼を言わないと」


???「はい…お父様にですね…?」


エリ提督「うん…これからが本番だ」

~市ヶ谷~


海上幕僚長「統合幕僚長、一体これはどういう事ですか?」


統合幕僚長「どういうこと…とは」


海上幕僚長「皆さん、資料をご覧になって下さい」


海上幕僚長「統合幕僚長、あなたは特務局が回収した艦娘、吹雪を用いて深海棲艦発生の研究を行わせていました」


海上幕僚長「そして、その実験に、海上自衛隊特殊兵器総括部所属宿毛湾泊地を用いようとしたのです」


海上幕僚長「我々が全く関知していなかった所を見ると、恐らく自分の元部下を何人か囲い込んでいたのでしょう…」


海上幕僚長「特に、主犯格の『鈴木』には何度も密会し、助言を与えていたとか」

海上幕僚長「また、先日辞任された防衛大臣はあなたに、佐世保事件の起因であった、艦娘の深海棲艦化を隠蔽するように指示された…」


海上幕僚長「そこで、あなたは『鈴木』を利用することにした」.


海上幕僚長「『鈴木』は陸自出身で、深海棲艦の発生に伴う海自と空自の大幅な拡張、並びに陸自の大規模な縮小に恨みを持っていました」


海上幕僚長「特に最近の海自の予算の多くが費やされる、艦娘達に対しては憎悪の念すら抱いていたといいます」



海上幕僚長「彼の海自に対する恨み…それをあなたは利用したのです」

海上幕僚長「あなたは、『鈴木』にこう教唆しました」


海上幕僚長「忌々しい艦娘のいる鎮守府が一つでも減る、おまけに陸自の部隊で上陸して来た深海棲艦を討伐すれば、お前の愛する陸自も存在感を示せるじゃ無いか、と」


海上幕僚長「所謂マッチポンプ、ということですかな?」


海上幕僚長「とにかく鎮守府の存在自体が憎い『鈴木』と、深海棲艦化した艦娘が所属している鎮守府を潰し、深海棲艦発生の実験も行いたいあなたと利害が一致したのです」


海上幕僚長「そしてあなたは『鈴木』に計画を立てさせ、実行に移させた」


統合幕僚長「…証拠は?君の妄想は少々現実味が無くてね…」


海上幕僚長「私には優秀な息子がいましてね…」


海上幕僚長「なんでも、艦娘の深海棲艦化について、大分前から知っていたそうなのです」


統合幕僚長「それがどうしたのだね」


海上幕僚長「個人的に研究を重ね、深海棲艦化のメカニズムまで解明していたそうです」


海上幕僚長「全く、私はいい息子を持ったものです」


統合幕僚長「言うことの意味が分からん!」


統合幕僚長「君の息子の自慢など私は聞きたくない!馬鹿馬鹿しい」


海上幕僚長「いや、私の息子は研究の結果を報告書に纏め、防衛省に提出したそうなんですよ」


海上幕僚長「しかし、深海棲艦

ミス

統合幕僚長「…証拠は?君の妄想は少々現実味が無くてね…」


海上幕僚長「私には優秀な息子がいましてね…」


海上幕僚長「なんでも、艦娘の深海棲艦化について、大分前から知っていたそうなのです」


統合幕僚長「それがどうしたのだね」


海上幕僚長「個人的に研究を重ね、深海棲艦化のメカニズムまで解明していたそうです」


海上幕僚長「全く、私はいい息子を持ったものです」


統合幕僚長「言うことの意味が分からん!」


統合幕僚長「君の息子の自慢など私は聞きたくない!馬鹿馬鹿しい」


海上幕僚長「いや、私の息子は研究の結果を報告書に纏め、防衛省に提出したそうなんですよ」


海上幕僚長「しかし、深海棲艦

>>307
>>308

すいませんミスりました
飛ばして下さい



統合幕僚長「…証拠は?君の妄想は少々現実味が無くてね…」


海上幕僚長「私には優秀な息子がいましてね…」


海上幕僚長「なんでも、艦娘の深海棲艦化について、大分前から知っていたそうなのです」


統合幕僚長「それがどうしたのだね」


海上幕僚長「個人的に研究を重ね、深海棲艦化のメカニズムまで解明していたそうです」


海上幕僚長「全く、私はいい息子を持ったものです」


統合幕僚長「言うことの意味が分からん!」


統合幕僚長「君の息子の自慢など私は聞きたくない!馬鹿馬鹿しい」


海上幕僚長「いや、私の息子は研究の結果を報告書に纏め、防衛省に提出したそうなんですよ」




海上幕僚長「しかし、そんな事実がマスコミ辺りに嗅ぎつけられたら大変なことになります」


海上幕僚長「当然、あなたは報告書を握り潰しました」


海上幕僚長「恐らく私でも同様のものを渡されたら、即座に握り潰すでしょう」


海上幕僚長「それでも、息子は悔しがっていましたね」


海上幕僚長「しかし、あなたは握り潰したはずの報告書のある記述に注目しました」


海上幕僚長「深海棲艦化した艦娘による、深海棲艦の大規模発生の可能性について、という項目です」

統合幕僚長「仕方ないだろう…」


海上幕僚長「はい?」


統合幕僚長「仕方ないだろう!あんな記述を見れば、国防に携わる者だったら誰だってそんな考えが浮かぶ筈だ!」


海上幕僚長「そう、あなたの最終目的は…」


海上幕僚長「抑止力としての深海棲艦の利用、ですね?」

統合幕僚長「奴らは通常兵器はおろか、核すら聞かないのだぞ!?つまりそれは、日本国が、核を持たずして核に打ち勝つ最強の兵器を手に入れたということに他ならない!」


統合幕僚長「非核三原則にも抵触しない、最強の兵器を我々日本国のみが持つ!」


統合幕僚長「素晴らしい考えだとは思わないかね!?」


海上幕僚長「…」


海上幕僚長「何を馬鹿なことを仰ってるのですか…」


海上幕僚長「世界中が一つとなり、深海棲艦に対抗している今、その結束をバラバラにしてしまうような真似をするとは、愚かとしか言いようがありませんよ!」

誤字

×核すら聞かない

○核すら効かない

海上幕僚長「確かに対深海棲艦対策兵器…艦娘や特殊弾頭や特殊爆弾を擁する国世界を見渡しても、アメリカ、イギリス、日本、ドイツ、フランス、イタリアくらいしかありません」


海上幕僚長「その中でも組織的に深海棲艦に対抗し得る力があるのは、旧三大海軍国、アメリカ、イギリス、日本くらいしかないのは事実」


海上幕僚長「抑止力として深海棲艦を見るならば、非常に優秀とも言えます」


海上幕僚長「しかし、今はそんな国家としての腹の探り合いをやっている場合ではないでしょう!?」


統合幕僚長「…うう…」


統合幕僚長「しかし、深海棲艦

>>315
またミスりました
ミス多くてすみません

海上幕僚長「確かに対深海棲艦対策兵器…艦娘や特殊弾頭や特殊爆弾を擁する国世界を見渡しても、アメリカ、イギリス、日本、ドイツ、フランス、イタリアくらいしかありません」


海上幕僚長「その中でも組織的に深海棲艦に対抗し得る力があるのは、旧三大海軍国、アメリカ、イギリス、日本くらいしかないのは事実」


海上幕僚長「抑止力として深海棲艦を見るならば、非常に優秀とも言えます」


海上幕僚長「しかし、今はそんな国家としての腹の探り合いをやっている場合ではないでしょう!?」


統合幕僚長「…うう…」




統合幕僚長「しかし、深海棲艦

スマホでもメモ帳系アプリで書いてからコピペが推敲もしやすいしお勧め

>>319
すいません、ありがとうございます

すみません
ちょっと文面の構成を変えます

統合幕僚長「ゴホン!深海棲艦=艦娘の事実は変わらんぞ!」

統合幕僚長「破壊的兵器による抑止力を持たない国家など国家ではない!」

統合幕僚長「マスコミへのリークの準備は出来ている!」

統合幕僚長「罷免するならさっさと罷免したまえ!」

統合幕僚長「こんな国、深海棲艦と講話などとのたまうバカマスコミと道連れに潰されてしまえ!」

海上幕僚長「…」

海上幕僚長「総理、いや、元総理。統合幕僚長はこの様に言っております」

ガチャッ

統合幕僚長「な…まさか…」

元総理大臣「そのまさかだ、幕僚長」

元総理大臣「マスコミにリークとは…随分と考えましたな」

元総理大臣「しかし幕僚長。あなたは少々ミスを犯している」

元総理大臣「記者クラブは私の掌の上、ということだ」

元総理大臣「リーク、とは聞こえがいいが、まあ精々怪しい週刊誌に取り上げられ、たちの悪いデマとして処理されるのが関の山だろうな」

元総理大臣「話は終わりだ。ついでに、特定機密保護法たるものの存在も思い出していただこうか?」

元総理大臣「連れて行きたまえ」

???「はっ」

ゾロゾロ

ガシッ

統合幕僚長「やめろ!くそ!放したまえ!放せ!ちくしょう!」

統合幕僚長「私は諦めないぞ!」

統合幕僚長「いつか、いつか!」

統合幕僚長「くそおおおおおおお!!!」

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

海上幕僚長「やあ、無事全部終わったよ」

海上幕僚長「全てお前の考えた通り」

海上幕僚長「いやいや、あの保護法が無かったらどうなってたことやら」

海上幕僚長「何?また車を買うのか」

海上幕僚長「駆逐艦が増えたからその分だって…相変わらずだな」

海上幕僚長「いやいや、お前がいつも言う艦娘のリフレッシュの為、だろ?」

海上幕僚長「買ってやれ買ってやれ」

海上幕僚長「それじゃ、元気でな」

ガチャッ

海上幕僚長「ふう…」

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

提督「さて…」

提督「吹雪!おかえり!」

提督「乾杯!」

艦娘一同「乾杯!」

赤城「ハムっ…!モグモグ…!ガツガツ!」

春雨「どれだけ食べるんですか…あれだけ作った麻婆春雨が…」

野分「もうなくなっちゃいましたね…」

瑞鳳「私の卵焼きも…」

赤城「おなかがすいてますからね、しかたないですね」

瑞鳳「赤城さんは…」

瑞鳳「秋月!ちゃんと食べてる?」

秋月「は、はい!」

瑞鳳「沢山食べなきゃダメよ、あの頃とは違うんですもの」

秋月「…そうですね!」

瑞鳳「さあっ、どんどん食べましょ?まずは私の卵焼き、たべりゅ?」

秋月「…はい!」

秋月「ところで、攻撃の直前に電話をかけて来た、エリ提督さんはどうなったんですか?」

提督「ああ、あいつか。全部ことが終わった後にわざわざまた電話して来たよ」

提督「敵襲時に電話回線が切れるとはいけないな、君は軍隊の命綱である通信系統にすら気を使っていないのか?今度僕がいい電話機を譲ってやろう、だとさ」

秋月「なんだかんだで、いい人ですね…」

吹雪「いい人!?散々司令官に嫌味を言って来るあの人が!?」

吹雪「馬鹿も休み休み言ってください!」

提督「まあまあ…」

大淀「吹雪さんも帰って来たところで、話に水を差して悪いですが…」

大淀「誰が、この騒動を収めてくれたのでしょうか…?」.

大淀「あれだけ大きな騒ぎが起きたのに、大本営から全く情報が来ないんです」

大淀「それに、報道も全くされないですし…」

提督「そりゃあ、色々極秘情報が飛び交ってたんだ」

提督「誰かが、揉み消してくれたんだろ…」

提督「下っ端ね俺らが知らなくてもいいことだろ」

大淀「…気になりますが…」

明石「いいじゃないですか大淀さん!」

明石「細かいことは考えずに、吹雪が帰って来たことを素直に喜びましょうよ!」

大淀「…」

大淀「…そうですね」

提督「そうだ!大淀!乾杯!」

大淀「か…乾杯!」

矢矧「しかし提督、また宴会を開くなんて、懲りないわね」

提督「それを言ってくれるなよ…」

吹雪「何かあったんですか?」

提督「いや、また後でな」

吹雪「司令官、私を信頼していないんですか?」

提督「ああ、いや、その」

木曾「お前を『いなかった』ことにしようと現実逃避する為に無理矢理空母歓迎の宴会をやったんだ」

提督「恥ずかしながら…」

吹雪「全く司令官は…」

吹雪「何ですかいなかったって…どんだけメンタルよわいんですか!」

提督「ごめんなさい…」

提督「でもっ!」

ギュウウウウ

提督「もう、離さないぞ!」

吹雪「ちょっ、食事中ですよ!?もう…」

秋月「あ、司令ばっかり、ずるいです!」

ギュウウウウ

吹雪「やめてください二人とも!」

吹雪「…もう」

吹雪「…どれだけ…好きなんですか…」

提督「だーいすき!」

秋月「だーいすき!」

終結です

これの暫く後に、提督がラバウル鎮守府に見学に行く番外編が始まります

続編は気が向いたらまた

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