天竜人「さっさと服を脱ぐえ」 コアラ「……はい」ニコニコ (25)

そうジャルマック聖に命じられて、私は素直に服を脱いだ。

下着も与えられず、着ているのは薄汚れたワンピース一枚だから、脱衣は簡単だ。

服を脱ぎ終えると、ニコニコと笑顔のままジャルマック聖に向き直る。


ジャルマック「……」


なぜかジャルマック聖は椅子に座り込んだまま動かない。

私の心に焦りの感情が生まれた。

きっとまだ何かやらなければいけないことがあるんだ。それを私は忘れている。

もう何度も繰り返した作業。なのに、次にするはずのことがどうしても思い出せない。


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その時、脇腹に強烈な痛みが走った。

ジャルマック聖が持っていた杖で思い切り私を殴りつけたのだ。


コアラ「……ぁ……か」


思わず蹲った。痛みで声が出ない。


ジャルマック「このノロマが!!」

コアラ「きゃあ……ッ!」


蹲る私に対し、椅子から立ち上がったジャルマック聖は容赦なく杖を振り下ろし、今度は背中をしたたかに打つ。


ジャルマック「さっさと! 私の! 服も脱がせんか!!」


言いながら二度、三度と立て続けに打った後、ぜえぜえと肩で息をしながら、ようやく椅子へ戻ってくれた。

ジャルマック「まったく……おい! グズグズしとらんでさっさとするえ!!」


怒鳴られて、私は立ち上がろうと努力する。

身体に激痛が走り、体勢を崩しかけたけど何とか踏みとどまることが出来た。

よろよろと立ち上がり、すぐにジャルマック聖に謝罪する。


コアラ「……す、みま、せん。すぐ、やります」ニコニコ


お腹が痛くて、声を出すのも辛かったけど、笑顔が崩れないように頑張った。

つらそうな顔をしていると、きっとますますジャルマック聖を怒らせてしまっていただろう。

ジャルマック聖に歩み寄り、着物に手を掛ける。


……どうして私は脱がせることを忘れてしまっていたんだろう。

もう何度もやったことなのに。

でも、それも仕方のない話ではあった。

当時、まだ8歳だった私にとって、この夜のご奉仕は辛くて辛くて堪らないものだったから。

いつもの私のままでは、心が耐えきれない。

だから、処女を奪われた次の夜から、私はジャルマック聖の寝室に行く前に、心を奴隷部屋に置いて行くことにしていた。

そうすれば、痛みも、気持ち悪さも、どこか遠い場所の出来事のように、思いこむことが出来ると思っていた。


だけど、そのせいで時々こうやって粗相をしてしまい、ジャルマック聖を怒らせることもあったけれど。

ジャルマック「ようし、まずは口でするえ」

服を脱がし終わると、ジャルマック聖は次の要求をしてきた。

私は笑顔で「はい」と答えると、教えられた通りの台詞を言った。


コアラ「ジャルマック聖の立派なものに、どうかご奉仕させてください」ニコニコ


ジャルマック聖が「うむ」と鷹揚に頷くのを確認し、私は彼の足の間に跪いた。

既に勃起しているものに手を伸ばす。

ジャルマック聖のオチンチンはそんなに大きくはない。

何度か他の天竜人達の相手をさせられた時にそれを思い知らされた。

特に大きな天竜人とさせられた時は、顎が外れそうになったり、お尻から出血したりして、いつもの何倍も辛かった。


それ以来、ジャルマック聖に買われたことは幸運なんだと思うようにしていた。

8歳の私にとっては、ジャルマック聖のものでも、十分大きすぎたんだけどね。

少しの間、掌で撫でながら時間を稼ぐと、私は覚悟を決め、それに舌をはわせた。

何度やっても慣れることはない。今でも気を抜くと吐きそうになるので、堪えるのに必死だ。

最初に口でさせられた時には我慢しきれずに吐いてしまい、鞭で何度も叩かれる羽目になった。


先っぽから舐め初めて、徐々に奥の方に舌を移動させていく。

根本まで辿り着くと、今度は袋に取りかかった。

袋を口に咥え、チロチロと舐めながらジャルマック聖の反応を伺う。

顔は見えないけれども、声の調子からすると気持ちが良いみたいだ。

私の口ではオチンチン全てを咥えることは出来ないので、他の手段でなるべく彼の興奮を高めておかなければならなかった。

ジャルマック「もういいえ」


しばらく舐め続けていると、ジャルマック聖から声がかかる。

どうやら今日は口で出すつもりはないみたい。


ジャルマック「四つんばいになるえ」


彼の命令通り、私は四つんばいになった。もちろん、お尻はジャルマック聖に向けて。

言われる前に、お尻を高く上げた。

もう慣れっこだったし、どうすれば入れやすいのか知ってるからね。

腰を乱暴に掴まれる。

そのまま、何の言葉もなく、入れられた。

気持ちいいと感じたことは一度もない。

ただただ、辛くて、気持ち悪くて、早く終われと思ってた。


でも、変なんだよね。

気持ち悪いのに、なのに、なぜか声が出ちゃうんだ。


ジャルマック「ふん、奴隷の癖に感じおって。この淫売が!」


違う。

感じてなんかいなかった。

気持ち悪い、気持ち悪い、気持ち悪い、気持ち悪い、気持ち悪い、気持ち悪い。


コアラ「……あ、ん……ごめん、なさい……ジャルマック聖……んんっ」


この声は私の声じゃない。

心を部屋に置いてきたから、きっと私の知らない誰かが、私の中に入ってきてしまったんだ。

私じゃない。

私じゃない。

こんなの、私じゃない。


ジャルマック聖「うっ……」


身体の奥に出される感覚は、いつまで経っても慣れなかった。


ジャルマック聖「ふぅ……おい」


声をかけられて、私は這い蹲ったままジャルマック聖に向き直った。


コアラ「はい、お掃除させていただきます」ニコッ


――――――
――――
――

コアラ「……夢」


久しぶりにあの頃の夢を見た。

革命軍に入って……彼と出会ってからは、もうほとんど見ることはなかったのに。


コアラ「……」


びっしょりと汗をかいていることに気づく。

裸のまま寝ているから、シーツが濡れていて気持ちが悪い。

行き場のない感情が胸の中でざわめいていて、私はもう一度目を瞑った。

「大丈夫か?」


コアラ「え?」


突然、声をかけられて私は跳ね起きた。


サボ「うなされていたみたいだけど」


いつの間にか目を覚ましていたサボ君が、心配そうな目でこちらを見ていた。


コアラ「…………サボ君」


どうしてだろう。

隣にサボ君がいたことを、今の今まで忘れていた。

サボ「……おい、本当に大丈夫か?」


そう言ってサボ君も身を起こした。


駄目だ。

あれは、ただの夢なんだ。

ただの夢なんかで、サボ君に心配なんかかけたくない。


私は、お姉さんなんだから。

コアラ「ううん、何でもないよ。ちょっと怖い夢でも見てたみたい。内容はもう覚えてないけどね」ニコッ


よし、ちゃんと笑えた。

笑顔を作ることは、私の得意技だ。


……でも、作り笑いを浮かべたのは、随分と久しぶりのような気がする。

サボ「……コアラ」


ス、とサボ君は私に手を伸ばすと、頬の辺りを拭った。


コアラ「え……あれ?」


湿った感触に、思わず私も顔に手を遣る。

涙だった。

知らないうちに、私は泣いていた。


コアラ「あれ、何でだろう、おかしいな……ごめんね。すぐ、泣きやむから」


だけど、涙は止まらなかった。

それどころか、泣いていることに気づいた途端に、余計に涙が溢れてくる。

コアラ「……おかしいな……な、何で……かな」

コアラ「変だよ、私……こんな……こんな、つもりじゃ」


どうしてだろう。悲しいわけじゃないのに。

夢のことなんて、もう、私は気にしてないはずなのに。

どうして、涙が止まってくれないんだろう。

サボ「コアラ」


名前を呼んで、サボ君は私を胸元に抱き寄せた。


コアラ「……あ、うああ……ああああああああっ!」


サボ君の胸にしがみつきながら、とうとう声を上げて泣き出してしまった。

ああ、これじゃ私のお姉さんのイメージが台無しになっちゃうな。


でも、今だけ……今だけは、笑顔を忘れて、思い切り泣いていたかった。


子供のように泣きじゃくる私を、サボ君はずっと、ただ黙って抱きしめてくれていた。

読んでくださりありがとうございます。
海兵以外のワンピキャラを初めて書いたわ。

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