幼馴染「また恋文か……」(9)

男「モテモテ、だね」

幼馴染「まったく、紙に書くなら面と向かって言えというものだ」

男「幼馴染はかわいいし、かっこいいし、億劫になるのもわかるよ」

幼馴染「……迂遠だ。言ってくれたほうが完結で早く済む」

男「で、どうするの?」

幼馴染「……男の面倒を見ながらなんて私には無理だ」

男「ごめんね……でも僕はいつでも「駄目だ」

幼馴染「バカを言う暇があるなら、早くご飯を食べろ」

男「うん……ごめんね……」ズズ

男「……ごちそうさま」カチャ

幼馴染「半分以上残っている。駄目だ」

男「もう、入らないよ」

幼馴染「まったく……ホラ」ズイ

男「え、そんな」

幼馴染「はやく口を開けろ」

男「……」アーン

幼馴染「まったく、あまり困らせるんじゃない」

男「本当に、もうお腹いっぱいなんだって」

幼馴染「……食べ終わるまで、ずっとやってやるから早く口を開けろ」

男「うぅ……」

幼馴染「ようやく食べ終わったな」カチャ

男「……幼馴染」

幼馴染「ん?」

男「ありがとう……ね……」

幼馴染「私の好きでやっていることだ。礼なんて不要だ」

男「ん……」ウツラウツラ

幼馴染「……おやすみ、男」

友「よ、男」

男「やぁ友。今日も元気だね」

友「まぁな!俺から元気をとったら何も残んないぜ?」

男「羨ましいなぁ」

友「バカだな、お前も同じようになれるって」

男「あはは、そうかな」

友「そうそう、今度外に出たら釣りに行こうぜ。人があまり居なくていいところ見つけたんだよ」

男「うん、楽しみにしてる」

友「滝の見える川だから気持ちいいぜ!」

友「お前……いや、なんでもない」

男「僕は……大丈夫だよ」

友「男……」

男「大丈夫、よくなる……から」

友「……そうか、そうだよな!ほら、頼まれていた本だ!」

男「うん……ありが……とう……」ウツラウツラ

友「起きたらゆっくり読めよ」

友「……おやすみ。男」

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