安価で女勇者と暗黒騎士の密会その2 (48)

・タイトルが思いつかなくてその2とついてますが、続きものではありません
・長い話を作るのは苦手なので、ある程度の所で話を締めます。

勇者の設定
・武装した乙女。恋愛脳。

暗黒騎士の設定
・落ち着いたナイスガイ。

但しキャラ崩壊の可能性あり。


前作(完結作品) 安価で女勇者と暗黒騎士の密会 - SSまとめ速報
(http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1420937098/)

SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1421551085

世界を救えだの魔王と戦えだの、皆私に使命を押し付けてくる。
そりゃまぁ私だって勇者とお告げがあった以上、戦わないわけじゃない。
だけども年中無休で剣の修行や魔物退治しろってのはいくら何でもひどすぎる。

勇者「あーもうやだ!!」

という訳で私は半ば家出のような形でパーティーを抜け出してきた。
逃げた先は、皆にも秘密の場所。ここを知るのは私ともう1人――私と恋仲にある男性だけ。

勇者「落ち着くなー…ここは」



秘密の場所はどこ?
↓直下

「あん、ふうっ…」「あっ、あっ」

勇者(いやー皆夢中ねー)

会場の隅っこで冷めた目で様子を見ていた。

男「お嬢ちゃん、何シケた顔してんの~?一緒にまじらねぇ?ヒヒヒヒ」

勇者「いや、私は見る専だから」

男「何だ、そういう趣味かい変わってんなぁヒヒヒ」

皆やることに夢中で、私が勇者だと気がつかない。
人が世界を救う為に頑張ってるというのに、一体何をやっているんだこいつらは!!

…とはいえ勇者としての責務に疲れを感じていた私は、この異空間にいることで現実逃避できていた。

「まじらないのか?」

勇者「だから私は見る専…あっ」

暗黒騎士「よ」

勇者「来てたんだ…」

彼は暗黒騎士。魔王軍の幹部。
何故そんな彼と知り合いかというと、彼とはここで出会ったからだ。

暗黒騎士『職務に疲れてな――』

初めてここで彼と会った時、彼は私にそう語った。
魔王軍も色々あるのだろう、きっと。

暗黒騎士「また現実逃避か?」

勇者「貴方こそ」

暗黒騎士「そうだな――最近争いも激化していて、気が滅入る」

勇者「魔王軍の敵は勇者だけじゃないものねー」

暗黒騎士「ここに来れば、お前に会えると思ってな」

勇者「へぇ」

私は素直に嬉しくて、笑う。
勇者と魔王軍幹部、敵同士だけど似たような悩みを持ち、勇者ではない私を求めてくれるのは彼だけだ。

勇者「ねぇ、暗黒騎士――」

暗黒騎士「ん?」




この後の行動
↓直下

勇者「やらないか」

暗黒騎士「…お前な、誘う時はもう少し言葉を選べ」

暗黒騎士は呆れた顔をする。

勇者「ごめんごめん、でももう言葉に気を遣う関係でもないでしょ?」

暗黒騎士「俺は雰囲気を大切にしたいんだがな」

勇者「意外とロマンチストよね~暗黒騎士って」

暗黒騎士「やかましい」

勇者(雰囲気かぁ…色気のある仕草や言葉が大事ってことかなー)

どうしたものかと、私は少し考えた。




次の行動
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wwww

最安価
>>10

やべ安価とっちゃった

安価なら乱交に参加

勇者「暗黒騎士…一緒に楽しみましょう?」

私は暗黒騎士の腕を抱き、乱交の群れを指差した。
群れでは相変わらず、男女が狂喜乱舞を繰り広げている。

暗黒騎士「…まぁ、いいだろう」

勇者「ふふふ」

私は暗黒騎士の鎧を脱がせる。複雑な構造の鎧だけど、もう慣れてきたものだ。
ゆっくり脱がせると、彼の逞しい腹筋がさらけ出された。

勇者「これこれ…大好きなんだ」

私は彼の腹筋に頬ずりし、肌に手を這わせる。
汗ばんだ肌の熱気を感じながら、手は徐々に下に降りていき…

勇者「何だ…素っ気ない振りして、結構その気なんじゃない」

暗黒騎士「…お前がそうさせた」

勇者「あっ!?」

暗黒騎士はガバッと私に抱きつき、私の服を剥ぎ取る。
まるで飢えた猛獣――私の体は彼が食らいつきたくなる程、魅力的だということか。

暗黒騎士「いい気になるなよド貧乳」

ぐさっ。

勇者「そういうこと言うと…こうするわよ」



どうする?
↓直下

勇者→暗黒騎士の言葉責めってことでおkですか?

して「もらう」だから逆かな。そっちで書き進めまていきます。

私は暗黒騎士の手に小さな胸を押し付ける。

暗黒騎士「本当に、小さいな――」

勇者「あ…」

逞しい指は無造作に動く。小ぶりな胸は彼の手の中で形を変え、その動きはわずかな痺れをもたらす。

勇者「ひ、んッ――」

暗黒騎士「小さいなりに、性感帯は活発のようだな」

勇者「そ、そんなこと…あんっ!!」

言い返そうとしたその時、胸の最も敏感な部分を彼の指が押しつぶした。

暗黒騎士「ほら、な――?」

耳元で囁くような意地悪な声は、私を更に敏感にする。

勇者「~っ…意地悪」

暗黒騎士「意地悪されて喜んでいるのか?本当にどうしようもない奴だな」

勇者「喜んでなんか…っあぁ!!」

彼の指はまた私の言葉を遮る。
悔しい――けれど頭がぼうっとして、反論の言葉も浮かばない。
言葉で反論できないなら、せめて行動で反撃してやろう…考えるより先に、体が動いた。



どうする?
↓直下

勇者「んっ――」

暗黒騎士「――っ」

意地悪な唇を塞ぐ。目の前の彼の顔は――少し、驚いている。

勇者「はむ、ちゅっ…」

水音をたてて舌を絡めていく。
彼の口からもう言葉は出ない。代わりに、荒い吐息が私の顔を撫でる。

勇者「ぢゅる、くちゅっ…」

暗黒騎士「はっ、じゅるっ…」

絡み合う舌と舌。それは互いを貪るように激しく、艶かしく。
紅潮する顔。熱くなる体。いつまでも貪っていたいという欲求と同時――

――足りない。接吻だけじゃ満足できない。




次は?
↓直下

もう裸なので、鎧を脱がせるの部分だけ省きます、すみません。

暗黒騎士「んっ――」

彼の手が私の胸を愛撫する。
さっきより優しく、まるで壊れ物を扱うかのような手つきに、私は安心感を覚える。

暗黒騎士「んっ…ぷはっ」

暗黒騎士は苦しそうに唇を離す。
頭が熱気で満ちているのか、その目はやや虚ろだ。

勇者「んっ、ちゅっ…」

暗黒騎士「勘弁、してくれ――」

強欲に彼の唇に貪りつく私に、暗黒騎士は気の抜けたような声で言う。

勇者「もう意地悪、言わない?」

暗黒騎士「あぁ…」

勇者「あ――」

彼の手は私の肌を這い、徐々に下に下りていく。
そしてその指は、もっとも敏感な部分に触れた。

勇者「ひゃうゥッ…あ、あっ…」

暗黒騎士「~っ…その声、やばいな」

勇者「暗黒騎士――も、もう…」

体が熱くて、早く彼が欲しくて、でも言葉にならなくて――涙を浮かべた目で、彼を見つめた。

暗黒騎士「目は口ほどに…とはよく言ったものだな」

彼は、にやっと笑った。

暗黒騎士「じゃあ、いいな…?」

勇者「んっ――」

頷いて、彼を強く抱きしめる。
早く来て――その思いが同じなのか、彼は焦らずに侵入してきた。

勇者「――っ」

暗黒騎士「…っ、動くぞ」

勇者「うんっ…」

まるで溜まっていたものを吐き出すかのような、激しい動き。
熱はどんどん上昇していく――熱くて、早く解き放ちたくて、それ以外のことは考えられなくなって。だけど快感を手放すのは惜しい――そんな、矛盾した気持ち。

暗黒騎士「勇者――もう」

勇者「うん…っ」

その言葉を合図に――

「「――っ!!」」


溜めていたものを、解放した。





場面変えます。どこに移動する?
↓直下

>薬屋

勇者「…ふぅ、事後の栄養ドリンクは最高ね」プハァ

暗黒騎士「言葉を慎め」

ごつんと頭を叩かれる。

勇者「いたた、大丈夫よ。ここの薬屋のおばあちゃん耳が遠いから」

薬屋「~?」ニコニコ

暗黒騎士「そういう問題じゃなくてな…っていうか他に何買ったんだ?」

勇者「避妊具とか媚薬とか~…」

暗黒騎士「阿呆」

またごつんと頭を叩かれた。

暗黒騎士「…それにしても今日は荒れていたな」

勇者「うん…まぁね」

彼は鋭い。体を重ねただけで、私の気持ちまでわかるんだから。
女の勘は鋭いというのは嘘で、彼の方がよっぽど勘がいい。

勇者「もう疲れちゃった、勇者の役目」

暗黒騎士「そうとは思えんような笑顔だな」

勇者「えへへ」

私は栄養ドリンクを一気に飲み干す。
明るく振舞うのは彼を心配させたくないからで、

勇者「限界かも」

弱音が出てくるのは、心配してほしくて。

暗黒騎士「限界…か」

勇者「暗黒騎士は?まだまだ元気ですかー?ん~?」

暗黒騎士「そうでもない。皆疲れながら自分の役目を果たしているんだ」

勇者「そうだね~」

誰にでも役目はある。私のは魔王を倒すという役目。人々の未来がかかっている、そんな大事な使命。

暗黒騎士「でも、まぁ…」

勇者「ん?」

暗黒騎士「その者には背負いきれない役目、というのも勿論あるだろうな」

暗黒騎士はそう言って、私の頭にポンと手を乗せた。

勇者「…ねぇ、暗黒騎士」

暗黒騎士「…何だ?」

勇者「私のこと、連れて逃げてくれないかな?」

暗黒騎士「無理だな」

きっぱり言われた。まぁ、わかっていた。
私も彼も、役目からの逃げ場がない。

暗黒騎士「俺は――守りきれん」

敵同士という関係。密会でしか並べることのできない肩。
その関係性を壊せば2人とも、人間達とも、魔王軍とも対立することになる。

暗黒騎士「だが――」

勇者「ん?」

暗黒騎士「お前と思い出を作ることはできる」

そう言って栄養ドリンクを急いで飲み干すと、彼は私の手を引いた。

暗黒騎士「思い出作りに行くか」

どこへ行くの?――その言葉を呑み込む。
今は黙って、彼について行くことにした。




どこに行く?
↓直下

>憲兵詰所

勇者「ここって…」

暗黒騎士「見ての通り、憲兵詰所だな」

勇者「まぁわかるけど」

街の人達が詰所を遠巻きにしている様子が伺える。
あぁ、ここが――噂で聞いたことはある。ここの憲兵は詰所で博打を打ってるとか、よく人々とトラブルを起こすとか、そんな問題の憲兵詰所だ。

暗黒騎士「こんな所が放置されているのは、政治の怠慢だな」

勇者「そうねぇ」

暗黒騎士「と、いうわけでだ」

勇者「わっ」

暗黒騎士に、顔を覆う兜を被せられる。
サイズはやや合わないが、とりあえず前は見える。

暗黒騎士「モヤモヤしている時は、暴れるのが1番だな」

勇者「…」

あぁ、そういうことか。
この兜さえあれば、暴れても勇者だとバレない。

勇者「行きましょうか」

私は剣を抜き、詰所に押し入った。




勇者「ふぅ~、スッキリした」

私と暗黒騎士、2人がかりならこんな詰所ごとき、ほんの数十分で壊滅させられる。
私達は暴れるだけ暴れた後、応援が来る前にその場から立ち去った。

勇者「でも、これだけ問題が起きれば国の方から監査が入って、こってり絞られるわね~」

暗黒騎士「それ程か?」

勇者「武器庫にコッソリと避妊具と媚薬を置いてきたの」

暗黒騎士「あぁ…それは大問題だな」

暗黒騎士は苦笑する。

暗黒騎士「じゃあ、次はもっと面白い場所に行くか」

勇者「どこ?」

尋ねるが暗黒騎士は答えない。
まぁいい、着いてからのお楽しみだ――私は内心わくわくしていた。




どこへ行く?
↓直下

勇者「ここは…?」

今度は裏道を通った所にある、寂れた建物に来た。
だけど中に入れば人が沢山いた。中にはステージがあり、皆何かを待っている様子だ。

勇者「ねぇ、ここどこ?」

暗黒騎士「まぁ見てろ」

言われるままステージに目を向け、待つこと10分。
すると正装に身を包んだ司会者らしき男が出てきた。

司会者「皆さんお待たせしました――早速ですが、最初の商品は――」

勇者「あっ!」

私の声は会場の声にかき消される。
ステージの端から出てきたのは、鎖に繋がれた少女だった。

暗黒騎士「奴隷オークションだ」

勇者「へぇ」

私は暗黒騎士の説明を受ける事には、もう既に腰の剣に手をあてていた。

暗黒騎士「やるのか?」

勇者「当然」

返事と同時、私は剣を抜く。
そして人々の群れの隙間を縫い、一気にステージ上へと駆けた――




勇者「これで裏組織の1つが壊滅したわね」

会場にいた人間を一人残らず(売られていた子達を除き)なぎ倒し、その間暗黒騎士が通報。
そして兵士達が辿り着く前に、そこを立ち去った。

勇者「でも、何でこんな場所知ってたの?」

暗黒騎士「さっきの憲兵詰所でたまたま知った。この会場について詰所に通報があったようだが、もみ消していたようだ」

勇者「どうしようもないわね」

きっと裏組織と繋がっていたのだろう。
あの詰所のお偉いさん方の首が飛ぶのも時間の問題だ。

勇者「ねぇ、次はどこに行くの?」

暗黒騎士「何だ、まだどこか行きたいのか?」

勇者「あはは、何か楽しくなってきちゃった」

暗黒騎士「やれやれ…俺は疲れてきた」

勇者「おじさん」

暗黒騎士「そんな歳じゃない!」

勇者「じゃあ、どこかで休もうか」




どこへ行く?
↓直下

暗黒騎士「…で、何でこんな所に来てるんだ?」

下水道に暗黒騎士の声が響く。

勇者「ゴタゴタあったせいで、私の顔を知ってる騎士達が街中の至る所にいるのよ」

暗黒騎士「なるほど…勇者というのは大変だな」

勇者「でしょー、いたわってよ」ゴロン

暗黒騎士「あ…オイ」

私は抵抗される前に、暗黒騎士の膝に頭を落とした。

勇者「鎧がかたーい」

暗黒騎士「勝手なことを…」

勇者「今日は勝手に過ごすって決めたんでーす」

暗黒騎士「ほう?」

勇者「朝っぱらからサカって、サカった後は暴れまくって」

暗黒騎士「…ほう」

勇者「暴れまくった後はまたサカろうかと」モゾモゾ

暗黒騎士「阿呆」

ごつんと頭を叩かれる。
下半身は…ちぇ、全く反応していない。

勇者「勇者はこーんなんですよ、全世界のみなさーん」

私の叫び声は下水道に虚しく響き、私に跳ね返ってきた。
誰にも届かない、この声。本当は全世界に向かって、声高々に叫びたいのに。

勇者「あーあ…勇者やめれたらいいのに」

暗黒騎士「そうだな」

勇者「そしたら暗黒騎士と、堂々とラブラブできるのに」

暗黒騎士「あぁ…」

暗黒騎士が私の頭を優しく撫でる。
彼は誰よりもわかってくれている。私の悩み、重圧、苦しみ。解き放ちたいこの気持ちを、全て受け止めてくれる。

勇者「やっぱ世の中は力よねー…」

暗黒騎士「魔王様のようなことを言うな」

勇者「ま、でも欲しいものは自分の力でつかみ取らないとね」

暗黒騎士「どうするんだ?」

勇者「秘密」

私はむくっと起き上がる。

勇者「今日はありがとう、暗黒騎士」

そして、彼に背を向けた

勇者「欲しいもの手に入れる為に――頑張る、私」

暗黒騎士「そうか…」

勇者「暗黒騎士、待っててね」

私は満面の笑顔を浮かべ、彼に振り返った。





その日を境に、私はあの乱交パーティー会場へ行くのをやめた。

そして、再会したのは――

勇者「ここを通してもらうわ」

暗黒騎士「ならば俺を倒してから行け」

魔王城で、敵としてだった。

久々の再会。互いに思うことはある。だがそれを微塵も顔には出さずに、剣を合わせる。
あれから、ひたすら頑張った。
剣の腕を上げ、功績を上げてきた。
人々は勇者が力を上げてきたと喜んだ。

だがそれは決して、平和の為ではなく――

勇者「でああぁぁっ!!」

暗黒騎士「くっ――!!」

私の望み――勇者であることを、いち早く終わらせる為。

勇者「トドメェ!!」

暗黒騎士「――!!」

そして――

暗黒騎士「カハッ…」

欲しいものを、手に入れる為。

暗黒騎士「――ぅ」

勇者「あ、暗黒騎士!目が覚めた!?」

暗黒騎士「…っ、ここは…」

ベッド上で暗黒騎士が目を覚ます。
ここは、魔王城に1番近い街の病院だ。

勇者「ごめんね暗黒騎士!手加減はしたんだけど」

暗黒騎士「確か俺は…お前に負けて」

勇者「倒したよ、魔王」

暗黒騎士「!」

暗黒騎士はガバッと起き上がる。
傷口が開くんじゃないかと、私は慌てる。

暗黒騎士「では、俺は…」

勇者「貴方の素顔を知るのは私だけだから、貴方は人間に溶け込める」

暗黒騎士「!」

そう、全てはこの為に。

勇者「私の役目も、貴方の役目も変わる――」

魔王がいなくなれば勇者は必要なくなる。魔王軍も存在することができなくなる。

勇者「魔王を倒したんだから――私のものになりなさい、暗黒騎士」

暗黒騎士「勇者…」

暗黒騎士は少し躊躇した後――黙って私を抱きしめた。



エピローグは2人が何をしている場面で締めますか?
↓直下

こうして2人は結ばれめでたくハッピーエンド…ってのは物語の話で、現実はそうはいかない。

私は魔王を倒した英雄として祭り上げられ、政治の力に利用しようという者が集まってきた。
一方全国騎士は魔王軍の残党に裏切り者として命を狙われる立場になる。

役目が終わっても、また新しい役目がやってくる。そこに安らぎも、自由もない。

勇者「あー疲れた」

暗黒騎士「本当だな」

24時間に及ぶ逃走劇の果てに辿りついた、死地への入口。
ここは死者が集まる場所と言われており、誰も近づこうとしない。

私達は誘い込まれるようにこの場所へとやってきた。ここはこの世界で唯一、私達が安らげそうな場所だ。

勇者「何か色々と損した気分」

暗黒騎士「人は平等ではないからな」

勇者「ま、でも」

私は暗黒騎士の手を握る。
暗黒騎士の顔は――まるで緊張感のない笑顔。私も、同じ顔。

勇者「貴方といれば、何とかなりそう…な気がする」

暗黒騎士「なるよ、きっと」

暗黒騎士はギュッと手を握り返す。
それはもう私を手放さないという決意がこもったような、力強い手。

暗黒騎士「お前となら、死地も楽園だ」

勇者「そうね」

まんま天国って意味じゃないか――っていうツッコミは置いておいて。

勇者「じゃ…行こうか」

暗黒騎士「あぁ」

そして私達は歩き出す。私達が安らげる、唯一の場所へ。
例えそこがどんな所であろうと、私は彼に寄り添っていくと決めた。どこまでも、どこまでも。


fin

安価&お読み頂いてありがとうございました礼
今回も楽しく書けました礼
次回があればもっと腕を上げたいと思います礼

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