安価で女勇者と暗黒騎士の密会 (73)

・安価スレは初めてなので不手際あったらすみません
・長い話を作るのは苦手なので、ある程度の所で話を締める予定


勇者の設定
・クーデレ恋愛脳

暗黒騎士の設定
・心の広いナイスガイ

※ただし安価次第でキャラ崩壊の可能性あり

SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1420937098

私は禁断の恋に溺れている。罪の意識というのは、恋愛を盛り上げる究極のスパイスなのではないか。
そうとわかっていても、私は彼と離れることができない。

私は勇者で、彼は魔王軍の幹部。

私達は剣を合わせる内に惹かれ合い、愛の迷宮に迷い込んでしまったのだ。

勇者「迷い込んでしまったものは仕方ない」

そういう訳で今日は彼の非番に合わせ、こちらのパーティーも休みを取ることにした。
そう、今日は久しぶりの密会デーなのだ。

勇者「早く暗黒騎士に会いたいわ。あぁでもバレないようにしないと」

何せ私は有名人。魔王軍幹部との密会がバレたらスキャンダルどころの騒ぎじゃない。
そういうわけで今日も気を付けよう。最初に気をつけるのは、待ち合わせ場所ね。


待ち合わせ場所>>3

会員制のバー

店員「いらっしゃいませ、会員証はお持ちでしょうか」

私は会員証を見せて中に入る。ここなら少なくとも、仲間に見つかる危険はない。

バー。大人の店。
その雰囲気に紛れると、私も少し大人になったような気分になれる。
暗黒騎士と付き合うようになって初めて知った大人の社交場。
恋愛は女を大人に近づける。まぁ、私はお酒よりジュースの方が好きなんだけれど。

勇者(暗黒騎士はまだ来てないようね…)

店内の客の顔を見渡す。皆、店の雰囲気にマッチした大人達だ。
私は自分が浮いていることに気付く。

つい、いつもの服で来てしまったが、今日はデートだった。
未使用装備の入った道具袋も持ってきたし、トイレで着替えてこよう。


何に着替える?>>5

純黒のワンピース

勇者(ううぅ、股下がスースーする…)

履きなれていないスカートの違和感がもどかしい。
ワンピースに合わせて、アクセサリー系の装備も身につける。
これで総防御力はガクッと下がった…って、今日はそんなこと考えている場合じゃない。

勇者(変じゃないよね…?)

自分としては精一杯背伸びして選んだ純黒のワンピース。
一応格好は女らしくなったけど、容姿に自信が持てない。
周囲は私を笑っていないだろうか…そう自意識過剰な心配をしながら、私は隅っこのボックス席に腰を下ろす。

勇者(暗黒騎士まだ来ないなー)

メニューを見るが酒の名前は何が何だかわからない。

勇者(暗黒騎士ー、早く来てー、助けてー)

暗黒騎士「待たせたな」

勇者「あっ!」




暗黒騎士の服装>>7

鎧姿、頭に仮面を被ってる

暗黒騎士「今日は随分と、その…大人っぽい装いだな」

照れ屋な彼。声を小さくしながら、精一杯褒めてくれた。
きっと仮面の中では赤面しているに違いない。

勇者「ありがとう、嬉しい」

暗黒騎士は小さく「いや」と呟く。
一見いつもと違いはない。それはそうだ、素顔が見えないのだから。

と、周囲の客たちの視線は暗黒騎士に集まっていた。
私は誇らしく思う。彼の鎧姿はどんな騎士よりも逞しいし、強く見える。
これが世界一素敵な、私の恋人だ。

勇者「暗黒騎士きっと黒い格好で来ると思ったから、私も合わせたの」

暗黒騎士「お前は俺のことなら何でもお見通しだな」

勇者「わからないことはあるわ」

暗黒騎士「例えば?」

勇者「貴方みたいな素敵な男性が、どうして私なんかと付き合ってくれるの…?」

暗黒騎士「…フッ」

暗黒騎士は小さく笑った。

暗黒騎士「付き合ってもらっているのは俺の方だ。俺は、お前の全てに惹かれている」

勇者「暗黒騎士…」

私の熱は早くも最高潮。
仮面で顔が見えなくても、どんな表情で言っているかは想像ができる。彼はこう見えても照れ屋さん。そんな鎧の外見と中身のギャップも彼の魅力だ。


客A「なぁ何だあの不釣り合いなカップルは」ヒソヒソ
客B「最初強盗かと思ったわー…あーびっくりした」ヒソヒソ

暗黒騎士「まずは飲み物を頼もうか」

勇者「あのぅ暗黒騎士…メニュー、何が何だかわからなくて」

暗黒騎士「じゃあ俺が適当に頼んでおく」

あぁやっぱり暗黒騎士は頼りになる。
私を子供扱いすることなく、スマートに対応してくれるんだから…。

店員「お待たせしました」

勇者「…」

オレンジジュース?

勇者「…暗黒騎士、やっぱり私を子供扱いしている?」

暗黒騎士「ノンアルコールカクテルだぞ、それ」

勇者「え、あ、そうなの?」

暗黒騎士「…ぷっ」

勇者「あー、今笑ったでしょ。仮面被っていてもわかるんだからね」ツンッ

暗黒騎士「悪い悪い…ただ、大人っぽい格好しても勇者は勇者だと思ってな」

勇者「どういう意味?」

暗黒騎士「可愛いって意味だ」

勇者「!!」

まずいまずい。熱が上がりすぎて爆発しそう!!

勇者「あ、ありが…とう」

暗黒騎士「ところで、今日はこの後どうする?」

勇者「そうねぇ…」



この後の予定(バーにとどまるなら話題を)>>10

武器屋で鎧を選んでもらおう

勇者「買い物に行きたいな」

暗黒騎士「いいだろう。俺はこの街の地理には疎いので、お前に任せる」

勇者「えぇ、それじゃあ行きましょう」

カクテル(複雑な味だった)を飲み干し、私と暗黒騎士は店を出る。

暗黒騎士「…」

勇者「!」

暗黒騎士はさり気なく私の手を握った。
彼の手は大きくて逞しい。流石彼は男らしい。私も鍛えている方だけど、彼の体と比べるとやはり女だ。
そう、勇者として戦っている私でも、彼といると女でいられる。
男らしさに溢れた彼の鎧姿は、勇者としても、女としても憧れる。

勇者「あ、ここのお店」

暗黒騎士「ここは…武器屋?」

勇者「選んで欲しいものがあるの」

私は暗黒騎士の手を引いて店に入る。
この街の武器屋は大きく、防具のコーナーも設置されている。

勇者「今使っているやつ古くなったから、新しいのが欲しくて」

暗黒騎士「鎧か?」

勇者「暗黒騎士のチョイスなら間違いないじゃない」

暗黒騎士「重圧をかけてくるなお前は。俺は俺の着たい鎧を着ているだけだしな…」

勇者「じゃあ…暗黒騎士が私に着てほしいって思うやつを選んで」

暗黒騎士「俺がお前に、か…」

暗黒騎士はそう言うと真剣に鎧を見始めた。
私の為に彼はどんなものを選ぶのか。彼の選んだ鎧を着て戦えると思うと、それだけでワクワクする。



どんな鎧を選ぶ?>>12

ビキニアーマー

暗黒騎士「これはどうだ」

勇者「ぶっ」

思わず吹き出す。
こんな、こんな…

勇者「ちょっ、暗黒騎士これは」アセアセ

暗黒騎士「む…これを身につけたお前を見たいと思っていたんだが」

勇者「そ、そう?」

暗黒騎士「だが…」

勇者「だが?」

暗黒騎士「お前がこれを着て歩き、男どもの視線がお前に集中すると思うと腹わたが煮えくり返るな」

勇者「誰も見ないわよ、こんな貧相な体」

暗黒騎士「本当に、俺以外の誰にも見えなくなればいい」

勇者「暗黒騎士ったら…」

暗黒騎士は柄にもなくムキになっている。相変わらず表情は見えないけど、そんな様子が可愛らしく見える。

勇者「わかった暗黒騎士、買うよこれ」

暗黒騎士「しかし…」

勇者「暗黒騎士にしか見せないから…ね?」

暗黒騎士「…」

あ、照れている。

暗黒騎士「さっきから気になっていたのだが、あの装飾品も似合うと思うぞ」

勇者「んー?」



どんな装飾品?>>14

鋼鉄のウサ耳

暗黒騎士が鋼鉄のウサ耳を持ってくる。
装備してみたが、案外軽い。

勇者「防御力もまあまああるし、結構実用的ね」

暗黒騎士「いや、そういう意図じゃなくてな」

勇者「ん?」

暗黒騎士「アーマーと合わせると…あ、何でもない」

勇者(変な暗黒騎士)

勇者「よし、じゃあこのアーマーとウサ耳を買うね」

暗黒騎士「待て。俺が買う」

勇者「えっ、私の装備なんだから自分で払うよ」

暗黒騎士「確かにお前の装備だが、俺の為のものだからな」

勇者「あ、暗黒騎士…」

奢ってもらって当然だと思ったことは全く無いけれど、やっぱりこういうスマートな対応には心惹かれる。
支払いの済んだ商品を受け取ろうとすると、暗黒騎士は首を横に振る。

暗黒騎士「女に荷物を持たせるのは格好悪いだろ」

勇者「まぁ…」

格好悪いなんてことはない。けど今の暗黒騎士はとてもかっこいい。
彼といると本当ドキドキする。どうしてこんなに素敵なんだろう。

勇者(私も暗黒騎士に何かお礼しないと…)



何をする?>>16

手をつないでもらう

勇者「えいっ」

私は彼の荷物の持ってない方の手を両手で握る。

暗黒騎士「どうした」

彼はきょとんとしながら尋ねた。

勇者「暗黒騎士の愛情を感じたから、次は私の愛情パワーを注入するね」

暗黒騎士「…やめろ、照れる」

暗黒騎士は手を引っ込めて先に行ってしまう。
私はすぐに追いかけて、彼の手を掴もうをする。が、暗黒騎士の手は逃げる。

勇者「どうして逃げるのー。手をつなぐくらいいいでしょ」

暗黒騎士「お前が愛情パワーだの何だの言うからだ!」

勇者「へー、そう。私の愛情パワーはしつこいからねー。えいっ」

暗黒騎士「!!」

今度は彼を逃がさないように、腕にガッチリしがみついた。

勇者「どうどう?私の愛情パワーは」

暗黒騎士「あぁ、もう感じすぎて…熱い」

勇者「仮面取れば?」

暗黒騎士「いやいやいや」

顔を見られたくないのね。全くもう、本当照れ屋なんだから…。




次の行動(行き先orスキンシップでお願いします)>>18

抱きつく

勇者「それじゃ、愛情パワー全力注入!」ギュウゥ

暗黒騎士「!?!?」

不意打ちで抱きつくと暗黒騎士の体が強ばった。
それでも私は構わずに体を暗黒騎士に押し付ける。

勇者「発火しそう?」

暗黒騎士「お…お…」

と、その時。

勇者「わっ」

体がぎゅっと締められる。暗黒騎士の腕が、彼に抱きつく私を包み込んだ。
そのままの体勢で暗黒騎士は私を引っ張っていく。

勇者「ちょっ、どこ行くのっ…」

暗黒騎士「…たく、この馬鹿娘が」

暗黒騎士が向かうのは路地裏。暗黒騎士は強引に私を壁に押し付ける。
そして――

勇者「ん――っ」

暗黒騎士「――」

強引な唇が私の声を抑える。
息を止め、瞳を閉じて唇の感触を感じた。彼の息は荒い。野性的な唇に、私は受身になる。

暗黒騎士「…ぷはっ」

暗黒騎士は少しして唇を離した。

暗黒騎士「密会だということを忘れているのか、お前は」

勇者「あはは、ごめん」

キスの為仮面を外した暗黒騎士の顔は、案の定赤くなっていた。



次の行動(行き先orスキンシップでお願いします)>>20

鍛冶屋へ

暗黒騎士「鍛冶屋に行くぞ」

勇者「えっ?」

暗黒騎士はそう言うと私の手を引いて歩き出した。
この街の地理には疎いと言っていたけど、鍛冶屋の場所は知っているみたい。

勇者「何でいきなり鍛冶屋?」

暗黒騎士「俺の用事に付き合え」

勇者「あ、うん」

鍛冶屋に着く。
さっきまでのスキンシップで体が熱くなっていたので、この熱気は正直つらいものがある。
暗黒騎士は…いつの間にかまた仮面をつけていたので、これじゃ余計熱いだろう。

暗黒騎士「親父、頼んでいたものはできたか」

鍛冶屋「おう」

勇者「何を頼んでいたの?」

暗黒騎士「俺の古い鎧を引き取ってもらって、その金属であるものを作っていてもらったんだ」

勇者「あるもの…?」

鍛冶屋「これだな!」



何を作ってもらった?>>22

ルーンブレード

勇者「これもしかしてルーンブレード?」

暗黒騎士「流石だな、知っていたか」

勇者「確か魔法力を消費して使う武器でしょ」

暗黒騎士「特殊な金属で作っただけあって、強いぞ」

勇者「暗黒騎士が更に強くなるの?私も負けられないわ!」

暗黒騎士「…」

勇者「どうしたの暗黒騎士?」

暗黒騎士「あ、いや何でもない。それよりここを出るか、暑くてかなわん」

勇者(脱げばいいのに、鎧)



暗黒騎士「…」

暗黒騎士(俺が武器をランクアップさせたのは、魔王様より下されたある命令に関わっているからなんだ…)

一旦休止します。
魔王様より下された命令とは?>>25
次の行動(何でもおk)>>27

進行についてアドバイスや感想ありましたらお気軽にどうぞ。

再安価
魔王様より下された命令とは?>>26
次の行動(何でもおk)>>28

あー自分馬鹿だ。
魔王様より下された命令とは?>>28
次の行動(何でもおk)>>30

国境の魔物を倒してこい

騎士おすすめのレストランへ勇者を連れて行く

了解です。いつ戻ってくるかわかりませんが、考えておきます!

乙です
安価出す時は「↓直下」とか「↓3」とかにすれば位置を気にしなくてもよいかと

>>32
ありがとうございます。
早速使わせて頂きます。

>一昨日

暗黒騎士(明後日は勇者との密会か…)

魔王「暗黒騎士、悪いが明後日の非番にしご」

暗黒騎士「お断りします」

魔王「まだ何も言ってないじゃん!」

暗黒騎士「明後日は予定を入れています」

魔王「そうか…実は魔王軍にとって由々しい事態が起こってな」

暗黒騎士「由々しい事態?」

魔王「あぁ、我の統治していない地域の魔物から、第三勢力の長を名乗る者が現れてな」

暗黒騎士「第三勢力…!?」

魔王「その者達が明後日の晩、国境に現れるとの事なんだ。だから用事が終わった後で構わないから討伐してほしい」

暗黒騎士(第三勢力は魔王様にも劣らぬという噂の者らしい)

暗黒騎士(そんな相手に、俺は勝てるのか…)

勇者「暗黒騎士?どうしたの?」

暗黒騎士「あ、何でもない。それよりも食事に行かないか」

暗黒騎士(今は第三勢力のことは忘れよう)

勇者「いいわね、何食べる?」

暗黒騎士「俺のお薦めのレストランを予約している」

勇者「も、もしかして物凄く格式の高い所なんじゃあ」

暗黒騎士「いや、そうでもない。とりあえず行こう」

暗黒騎士に案内されたレストランは内装も景色も素晴らしく、恋人達が沢山来ていた。
勿論料理も暗黒騎士のお薦めだけあってとてもおいしい。
そして目の前にはいい男…って、これは暗黒騎士だった~。

勇者「この街にこんな所があったなんてね~」

暗黒騎士「お前と来たいと思っていたんだ」

勇者「貴方と来れて幸せ」

暗黒騎士「それから、勇者…」

勇者「うん?」

暗黒騎士「ここのレストランは予約すると、ある特別な演出をしてもらえる」

勇者「特別な演出…?」

暗黒騎士「あぁ。…これだ」



特別な演出の内容(サプライズ演出的なやつ。自分も詳しくないのでオリジナルでも構いません)
↓直下

勇者「!?」

私は目を疑う。
レストランの奥から出てきたのは何と…首輪をつけている、裸の少女だったのだ。

勇者「え…え?」

私の困惑をよそにその少女は店の中央にあるステージ上に上がる。
そして足を大きく開き…

勇者「――っ!!」

暗黒騎士「この店は裏組織が経営しているそうでな…こんな演出があって」

勇者「馬鹿!」

私は暗黒騎士の顔を思い切り殴り、仮面が吹っ飛んだ。
仮面の外れた暗黒騎士は、平然とした顔をしていた。

暗黒騎士「どうした…お気に召さなかったか?」

勇者「私がお気に召すと思ったの、こんなの!」

暗黒騎士「そうか…いや、後でお前に、俺だけに見せてもらいたいと思ってな」

勇者「馬鹿!最低!」

私は暗黒騎士をもうひと殴りすると、店を飛び出した。




暗黒騎士「…これでいい」

俺は今夜死ぬかもしれない身――だというのに勇者とこんな仲を続けていれば、決意がつかなくなる。
いっそ嫌われてしまえば、もう勇者は俺が死んでも悲しまないだろう。

店の支払いを済ませると、俺は街を出た。

暗黒騎士「国境…この辺りだな」

それらしき魔物の姿は見当たらない。
一体相手は、どんな姿をしているのか…。

コウモリ「おや?まさか魔王軍の暗黒騎士さんじゃありませんかねぇ?」

暗黒騎士「!」

コウモリの姿をした魔物が俺に声をかけてきた。
こいつからは、異質な魔力を感じる…。

暗黒騎士「…お前は第三勢力の一味か」

コウモリ「よくわかりましたね~。いやいや、それにしても魔王軍の主力がこんな所にいるとは、わざわざ狩って下さいって言ってるようなものだねぇ」

暗黒騎士「逆だ。お前達を狩りにきた」

コウモリ「言うねぇ…ま、それでもあの方に勝てるわけないけどね」

暗黒騎士(第三勢力の長か)

コウモリ「お願いします!出てきて下さい!」

暗黒騎士「!」


コウモリの掛け声で、第三勢力の長はゆっくり姿を現した。



どんな魔物?
↓直下

吸血鬼「あ~、やる気起きねーなァ。ピッチピチの処女の血を吸いたいのに、ゴッツゴツの男かよ」

暗黒騎士「お前が第三勢力を名乗る者か。魔王軍幹部として、お前を討つ」

吸血鬼「ハァ?お前1人で?なめられたもんんだねぇ~」

暗黒騎士「魔王様が俺1人でいいと判断したんだ。聞けば吸血鬼とは弱点の多い生物らしいな」

首を切り落とせ――魔王はそう言った。
吸血鬼は回復力の高い魔物だが、それで死ぬそうだ。
対吸血鬼用の特殊な呪文を彫ったルーンブレードを握り締め、吸血鬼と対峙する。

吸血鬼「ハッ!弱点のことは研究してるみてェだが、肝心なことわかってねェんじゃねーの」

暗黒騎士「肝心なこと?」

吸血鬼「夜の吸血鬼は…最強なんだよおぉぉッ!!」

暗黒騎士「っ!!」

吸血鬼は猛スピードで突進してきた。
それを受け止め切ろうとするが、さらりとかわされる。
そして吸血鬼は翼を広げ急上昇し――

吸血鬼「俺の可愛いコウモリちゃん達のおやつにしてやんよぉ!!」

暗黒騎士「!!」

風を切る勢いでの急降下。
勘だけを頼りに回避…するが、鎧の一部が破壊された。

暗黒騎士(ここまでの威力とは…!!)

吸血鬼「ビビった?ビビっちゃった?ハハハー、これだけじゃ済まねっつーの!!」

吸血鬼「アレちょうだい、アレ!」

コウモリ「はい!」

コウモリが吸血鬼にビンを投げ渡す。あれは…赤ワイン?
吸血鬼は赤ワインを一気飲みすると、ぷはぁと大きく息を吐いた。

吸血鬼「あーキタキタ…ひゃはははは、たぎってきたあああぁぁ!!」

暗黒騎士「!?」

吸血鬼の筋肉が肥大化していく。
その姿はあっという間に、先ほどより一回り大きくなり…。

吸血鬼「今度はその鎧ごと、ブッ潰してやんよおおぉぉ!!」

暗黒騎士「くっ…!!」

吸血鬼は猛スピードでこちらに向かってきて、思い切り拳を振り上げた。




1防御
2回避
3捨て身の攻撃
↓直下

間一髪、回避する。
だが次の攻撃は容赦なく襲ってくる。

吸血鬼「どうしたどうしたァ!逃げてばっかじゃ俺は討てないぜエェェ」

それでも、こちらの防御力を向こうが上回るだろうし、捨て身の攻撃をした所でこちらのダメージの方が大きい予感がする。
今は回避を続けるしかない。といっても、その素早さについて行くだけで精一杯だが。

吸血鬼「あーチョロチョロとクソうぜェなぁ…しゃーねェ、逃げ足封じてやんよ!」

暗黒騎士「――!」

吸血鬼の姿が消えた――いや、下だ。
吸血鬼は体勢を低くし足を狙ってきた。まずい…!

暗黒騎士「くっ!!」

剣を盾にして拳を防ぐ。
そして衝撃に逆らわず後ろに吹っ飛び、吸血鬼と距離を取る。

吸血鬼「あぢぢ…」

対吸血鬼用の剣に触れた手が焼け、吸血鬼は苦々しい顔をする。

吸血鬼「やってくれたねェ…怒っちゃったよ、俺ェ!!」

暗黒騎士(まずい…!)

吸血鬼の怒りが魔力となってこちらに伝わってくる。
吸血鬼からは先ほどまでのお遊びの雰囲気は、完全に消え失せた。

吸血鬼「死ねコラアアアァァ!!」

暗黒騎士「くっ」

もう1度回避だ。相手の体力を消耗させるしかない。
そう思い、後方に飛ぼうとしたが…。

暗黒騎士「あっ!?」

コウモリ「ウケケケ」

体にコウモリ達がまとわりつく。
思うように体が動かない。

吸血鬼「もらったああアァァ!!」

暗黒騎士「――っ!!」


「でりゃーっ!!」


暗黒騎士「!?」

吸血鬼「ぶへっ」

唐突に乱入してきたものの蹴りが、吸血鬼を横に大きく吹っ飛ばした。


勇者「大丈夫、暗黒騎士?」

暗黒騎士「勇者…!?」



勇者の装備
1普通の戦闘装備
2ビキニアーマー+鋼鉄のウサミミ

勇者「念の為武装してきて良かった~」

暗黒騎士「どうしてここに…」

勇者「さっきはカッとなったけど、暗黒騎士の様子が変だと思ってね。貴方が街を出たって聞いて、追いかけてきたの」

暗黒騎士「お前…」

勇者「あ、勿論あのいかがわしい店は潰してきたけどね」ニコッ

暗黒騎士「…」

笑顔が恐ろしい。
というか、まだ怒りのオーラをわずかに感じるが…。

吸血鬼「いってぇなぁオイ…お嬢ちゃん血ぃ吸われたいのォ~?」

勇者「は?」

吸血鬼「お嬢ちゃん処女ォ?それとも非処女ォ?どっちだああぁぁい!?」

勇者「…キモッ」

吸血鬼「がああああぁぁぁん」

暗黒騎士(あー、そういえば勇者は敵には辛辣だったな)

勇者「暗黒騎士、こいつを倒せばいいのね?」

暗黒騎士「危険だぞ…!」

勇者「私は勇者よ。貴方と肩を並べて戦う力はあるわ」



勇者の行動パターン
1剣で戦う
2魔法で戦う
3色仕掛け
直下

吸血鬼「勇者だとぉ!?おもしれぇ、その血ぃ吸わせろやああぁぁ!!」

勇者「馬鹿言ってんじゃないわよ」

突進する吸血鬼に、勇者は鋭い突きを放つ。剣が軽い分、自分より勇者の方が剣の振りは早い。
吸血鬼はとっさに反応し、これを後方に回避――

勇者「で、終わらせるかぁ!!」

勇者は続けざまに突きを放った。

吸血鬼「あー、これもウッゼェ」

吸血鬼は軽くかわしながら拳を握り締めた。

吸血鬼「ちょっくら痛い目に遭えや!!」

暗黒騎士「おっと」

吸血鬼「おぅわ!?」

吸血鬼が放った拳を剣で受け止める。
剣を殴った手は、また焼けた。

吸血鬼「あぢぢぃぃ!!テメエエェェ…」

暗黒騎士「2人がかりでなら倒せそうだな」

勇者「そうね」

吸血鬼「調子こくなリア充どもがァ!!行けエエェェ!!」

吸血鬼の声でコウモリ達が襲いかかってきた。



1ルーンブレードで焼き払う
2勇者の魔法で全体攻撃
3その他(行動例も具体的に)
直下(3の場合、「3」とだけコメントして安価取れてから、その次に行動内容レスしてもおkです)

暗黒騎士「邪魔だ!」

襲いかかるコウモリ達に向かってルーンブレードを振る。
剣に触れたコウモリ達には吸血鬼程の防御力は無かったらしく、すぐに発火した。

コウモリ「げげぇ!?」

生き残ったコウモリ達もその様子を見て怯んだのか、こちらに近づこうとしない。

吸血鬼「こンのやろォがアアァァ…!!」

勇者「終わりよ」

2人がかりで攻めに行く。
吸血鬼は回避するので精一杯の様子で、顔に焦りを浮かべていた。

暗黒騎士「その首、貰った!」

吸血鬼「くっ…!!」

首を狙った一撃を放つ。
しかし…。

吸血鬼「オラァ!」

吸血鬼は刃が首に当たる寸前、両手で剣を食い止めた。
手が焼けているが、そんなのお構いなしだ。

吸血鬼(力は俺の方がある…このまま剣を投げ捨てて…)

勇者「首を切ればいいのね?」

吸血鬼「!」

勇者は暗黒騎士の手を握り、力を入れた。
2人がかりの力は、吸血鬼を上回る。

吸血鬼「クソ…くそ、こんな所でええぇぇぇ!!」

それが、吸血鬼の最期の言葉だった。




暗黒騎士「終わったな…」

暗黒騎士はそこにどさっと座り込んだ。
きっと緊張感が抜け、戦いの疲れが一気にきたのだろう。

しかし、私は許さない。

暗黒騎士「勇者、助かっ」

勇者「」ゴンッ

暗黒騎士「づっ!?」

勇者「心配させて…馬鹿」

暗黒騎士「勇者…」

私は本気で怒っている。私を騙すような真似もして、本当に最低。

暗黒騎士「すまなかった」

勇者「わっ」

暗黒騎士はそんな私を、強く、強く抱きしめた。

勇者「そ、そんなんじゃ誤魔化されないからっ…」

暗黒騎士「誤魔化すつもりはない。俺がこうしていたいんだ」

勇者「も、もうっ…」

そんなこと言われたら許すしかなくなる。
惚れた弱みは、本当に厄介なものだ。

勇者「…ねぇ暗黒騎士」

暗黒騎士「何だ」

勇者「今日は私、貴方と一緒に過ごせて良かった」

暗黒騎士「俺もだ」

勇者「でもね、私実は、もう1つプランを練っていたの」

暗黒騎士「もう1つのプラン…?」

勇者「そう…ねぇ、それに付き合ってくれるよね?」

暗黒騎士「あぁ、何でも付き合おう」




最後のプラン
直下

暗黒騎士「…ここは?」

私が案内したのは、街にある一軒家だった。

暗黒騎士「いいのか勝手に入って?」

勇者「いいの。ここ、私の家だから」

暗黒騎士「へぇ…いつの間に買ったんだ」

勇者「はいこれ」

暗黒騎士「…ん?何だこれ」

勇者「見ての通り、鍵よ」

暗黒騎士「何の」

勇者「この家の」

暗黒騎士「いつでも来いということか?」

勇者「じゃない。住むの、ここに」

暗黒騎士「…は?」

勇者「住むの」

暗黒騎士「待て待て!俺は魔王城に住んでいるし、お前も旅があるだろう!」

勇者「その事なんだけどね、何とかなりそう」

暗黒騎士「どう何とかなるんだ!」

勇者「私…」




1もう魔王を倒した
2魔王と和解した
3もう魔王とかどうでもいい
直下

魔王「ちっす」

暗黒騎士「魔王様!?」

勇者「さっき貴方と別れている間に遭遇したの」

魔王「いやー、吸血鬼とちゃんと戦ってくれるかなーって心配でねー」

暗黒騎士「だったら初めっから魔王様が戦って下さい!?」

勇者「でまぁ、私達が一緒にいた所バッチリ見られてたみたいで」

魔王「まさかねー、暗黒騎士と勇者が付き合っているなんてねー」

暗黒騎士「ま、魔王様…それは…」

魔王「まぁ、過ぎたこと言っても仕方ないしねー。それに話してみれば真剣に付き合ってたみたいじゃない?」

暗黒騎士「まぁ…」

魔王「で、我と勇者の対決が迫ってきたら、きっと暗黒騎士は愛を選ぶじゃない?それが若さじゃない?」

暗黒騎士「それは」

魔王「でさ、今回の吸血鬼の件で我ビビってたわけよ。正直チビったわけよ」

暗黒騎士「尿漏れする歳でしたか魔王様…」

魔王「それで勇者と暗黒騎士がタッグ組まれたらもう、大きい方も漏らしちゃうじゃん?」

暗黒騎士「知りません」

魔王「ってわけで、ここらで勇者と和解することにしたのよ」

暗黒騎士「…は?」

勇者「そういう事。良かったね暗黒騎士、私達もう公認カップルよ!」

暗黒騎士「いや、あの、魔王様人間界征服するっておっしゃっていましたよね」

勇者「あのね暗黒騎士、私としてはもう結婚してもいい所だけど結婚前に同居して相性見極めるのも大事だってね」

魔王「いやもう吸血鬼の件で心折れたわ」

暗黒騎士「脆いにも程がある!」

勇者「私料理とか掃除とか得意じゃないけど頑張るから、見捨てないでね暗黒騎士」

暗黒騎士「お前も会話の流れ読もうな?」

魔王「もう公認カップルの喜びが前に前に出ちゃってそれ所じゃないのだろう」

勇者「やなの…?暗黒騎士…」

暗黒騎士「…っ」

暗黒騎士「嫌なわけないだろ!」ギュッ

勇者「嬉しいっ!」

魔王「やれやれ、後は2人でごゆっくり」


こうして魔王の隠居により、勇者と魔王の戦いは終焉を迎えた。
突然の報せに人々は戸惑ったが、暗黒騎士との同居生活で脳内お花畑の勇者にはそんなもの関係なかった。
とにかく世界には平和が訪れたのだ――





エピローグは2人が何をしている場面で締めますか?
>>直下

勇者「」ブルブル

暗黒騎士「…なぁ、本当に大丈夫か?」

勇者「う、うん…」

灯りを消した部屋。不自由な視界の中で、愛しい人の温もりに触れる。
落ち着いているように見える彼の息は既に荒く、男の野性的本能を間近に感じる。

暗黒騎士「初めてだもんな…怖いなら、今度でも」

勇者「う、ううん!大丈夫!」

暗黒騎士「本当か…?」

勇者「うん…暗黒騎士と、本当の恋人になりたいから…」

暗黒騎士「…」

彼は何も言わず手を握ってくれた。
優しくて、力強い手。彼に包み込まれているような安心感を私は覚える。

暗黒騎士「嫌になったら、すぐ言えよ…?」

勇者「あ…」

耳元に触れるような口づけ。ぞわり、と全身の毛が逆立つような感覚。
暗黒騎士の唇は耳元から首筋へと、這うように下りていく。

勇者「…う、んっ」

暗黒騎士「…っ、その声、やばい…」

段々野生の本性を露わにするかのように、彼の舌使いは激しさを増していった。
初めて味わう感覚に、私の頭はぽうっとしてくる。
それでいて、はっきりした欲求が頭の中に浮かんだ。


彼と、もっと触れ合いたい――

勇者「暗黒騎士、来て…」

暗黒騎士は唇を離すと、躊躇したように私を見下ろす。

暗黒騎士「しかし…」

勇者「大丈夫…いいよ…」

暗黒騎士「ん…」

暗黒騎士は私の頬を優しく撫でる。そしてそれが合図だったかのように――


勇者「――っ」

暗黒騎士「…っ」


頭が狂いそうな刺激が体中を駆け巡る。

勇者「――ぁ、暗黒、騎士ぃ…」

暗黒騎士「っぁ、何だ…?」

勇者「あっ、ん…」

言葉にならない想いが頭を駆け巡る。
それでもただ嬉しくて、愛しくて――

1度ついた炎は、なかなか消えることはなかった。




勇者「…っはぁ」

暗黒騎士「ふぅ…」

疲れ果ててだらしなく横たわる2人。
シャワー浴びないと…でもまだ頭がボーっとする…。

暗黒騎士「大丈夫か…?」

暗黒騎士が私の顔をじっと見る。

勇者「だ、大丈夫!」

私は急に恥ずかしくなって顔を背けた。
さっきは熱中して気にしていなかったけど、変な顔していなかっただろうか…。っていうか、私は今、この人と…。

勇者「しゃ、シャワー浴びてくるっ…」

暗黒騎士「まぁ待て」

勇者「!!」

暗黒騎士に腕を掴まれ強引に引き寄せられる。
逃げようともがいたけど、彼は離してくれなかった。

暗黒騎士「しばらく余韻に浸っていたい」

勇者「…もう」

恥ずかしくて彼の胸に顔を埋める。

暗黒騎士「勇者」

勇者「…なに?」

暗黒騎士「…」

暗黒騎士の心臓が大きく鳴る。何だろうと思って彼の顔を見ると――真っ赤だ。
暗黒騎士はゴクリと喉を鳴らす。

暗黒騎士「その…あい――」

勇者「待って」

私は暗黒騎士の唇に人差し指を当てて、その声を止めた。

勇者「一緒に言おう?」

暗黒騎士「何でだよ」

勇者「いいから」

暗黒騎士「…わかった」



「「愛してる」」



Fin

安価を下さった皆様本当にありがとうございました礼
読んで下さった皆様も本当にありがとうございました礼
エロ描写初めてでしたが精進していきたいと思います礼
安価も初めてでしたが、楽しかったです礼

このSSまとめへのコメント

1 :  SS好きの774さん   2015年01月11日 (日) 23:01:34   ID: 4JQbejzM

良かった

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