ついに…念願の日がやって来たんだ!
共に闘ってきた仲間たち… そして、兄上の仇を…
今こそ…!!
勇者「魔王…!お前の悪行もこれまでだ、今日ここでお前を討ち取る!!」チャキッ!
そう言い放ち、俺は魔王の鼻先に白銀の剣をつきつけた
魔王「ほう…面白い 小童が我に挑むか?」ニヤ
そんな俺に対して魔王は玉座に踏ん反り帰り、余裕の笑みを浮かべている
随分と舐められたもんだな… ふつふつと俺の中に怒りが込み上げてくるのが分かった
魔王「こんな安い挑発に乗せられるとはな…失望したぞ、勇者よ?」
魔王はそんな俺に興味を失ったという口調で告げた
魔王「今の貴様には我に挑戦する資格などない とっとと失せよ」
ふざ…けるな…!!
勇者「ふざけるな!!」
俺は魔王を一刀のもとに斬り捨てようとしたが、金縛りにでもあったかのように体がまるで言うことを聞いてくれなかった…
魔王「勇者よ 貴様に問う」
魔王「貴様は一体何のために闘っている?」
勇者「そんなの…決まってるだろ…!!」ギリ
皆の仇を…復讐を果たすため!!
魔王「勇者」
魔王「己の怨恨のみで闘おうとするものが果たして真に強き者と言えるのかな?」
勇者「なにが言いたい…?」
魔王「先代の勇者ならきっと違う答えを口にしていただろうに…」ボソ
勇者「なに?」
魔王「…ふんっ!」クンッ
魔王が手を振り上げた瞬間、俺は強い風に身を包まれ一瞬のうちに意識を失っていた…
勇者「俺はこの世界も救ってみせる!」
勇者「う…が…」
目覚めたときには俺は灰色の固い地面の上に寝そべっていた ここは…どこだ?
ギャル「なに…あの変な人~、マジきめぇ!」
不良「ああいうのって確か…コスプレイヤーって言うんだよな、マジありえねえわ」
オタク「すごーい、この衣装実によく出来てますねー!手作りですかー?」キラキラ
俺の周囲には大きな人だかりが出来ていた 民を愛するのも勇者の務め、俺はにこやかに語りかけた…
勇者「安心するがいい、我が親愛なる民よ 私は魔王に1度は敗れさえはしたが、この命燃え尽きるまで闘い抜くと決めたのだ」
ギャル「ぷっ!」
不良「は?」
オタク「え?」
だが俺の言葉は民の心には響かなかったようだった…
不良「ぎゃははははは、こいつ真性のキ○ガイだよ!!」ゲラゲラ
ギャル「まじアリエンティー!超うけるー!」キャハハハ
オタク「わーすごーい!役を完璧に演じ切るなんてー!ひょっとしてあなたプロの方ですか?プロの方なんですね?握手してください!!」キラキラ
民は俺の理解出来ない単語をつらつらと並べているが、なんとなく馬鹿にされてるのは伝わってきた
そんな時だった
上からこちらへ何かが向かってくるのが見えた
あれは…ガーゴイルか?あの程度の手合い俺には容易いものだが、民たちには危険すぎる!
勇者「いかん、伏せろーーーーっ!!」
俺は即座に警告したが、彼らは聞く耳を持たなかった…
サラリーマン「すげー、映画の撮影かよ!本格的だなぁ」
ガーゴイル「グギャアアアアアアアッ!!」ヒュン
ガーゴイルが正装の男性に向かって腕を振り下ろした
サラリーマン「えうっ…?ごぶ…」パックリ
ガーゴイルの剣によって彼の胴体は分断された
勇者「メラ!!」バッ
ガーゴイル「キシェアアアア…!」ジュッ
勇者「くそっ…遅かったか…!」ギリッ
俺はすぐさまにガーゴイルを焼き払ったが、間に合わず犠牲者を1人だしてしまった…
周囲の民は実際に何が起こったのか理解することが出来ずパニックに陥っていた
そして一部の者を残して皆逃げ出してしまった
不良「なん…なんだよ…これは?ワケが…ワケがわかんねえよ!」ガクガク
金色の長髪の男は目に見えて狼狽していた 目の前の惨状に足をガタガタと震わせている
ギャル「う…ひぐ…うぇ…」ポロポロ
男の取り巻きの茶色の癖のある髪の女は泣き出してしまっていた
無理もない 斬り殺された男性の鮮血をその全身に浴びてしまっているのだから…
オタク「……」ポカーン
黒髪の女はまだ今の状況に頭が追いついていないのだろう 呆然としている
不良「一体、何者なん…だよ?あんたは…」
男が震えた声で俺に問いかける
勇者「お前たちに頼みたいことがある、この世界を救うために俺に協力してくれないか…?」
俺はそんな彼に対して協力を仰いだ
不良「馬鹿か?あんたは… こんなの普通、信用出来るわきゃねえだろ…!」
勇者「そうか?なら勝手にすればいい きっと、のたれ死ぬのが関の山だろうけどな?」
男は悔しそうに唇を噛みしめ、こちらを睨んできた
不良「…名乗れよ」
不良「あんたの名前を名乗れよ!」
勇者「俺か?俺の名は…」
勇者「勇者だ」
第1話 終わり
以上で投下を終わります
お付き合いくださった方ありがとうございました!
ではでは
これはまだ続くんだよな?
>>13で終了、読んでくれてありがとー!!
……としか見えないんだがwww
>>14
まだ続ける予定です
言葉足らずでごめんなさい
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