提督「十人十色」 (331)


一か月ごとに別々の艦娘と過ごすだけのSS

イチャラブ、日常系路線
キャラ崩壊あるかもです


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1月 神通




◇初詣◇



提督「さすがに寒いなー」

神通「そ、そうですね……」

提督「……手袋もマフラーもしないでそう言われても、当たり前としか返せない」

神通「忘れてしまいました……」

提督「この寒いのにその二つって忘れるんだ…。ネックウォーマーならもう一つあるけど、使うか?」

神通「そんな、悪いですよ」

提督「悪いもんかよ、二つも要らんし」

神通「で、でも……」


提督「ほら、風邪引くぞ」

神通「あ…………急に被せないでください……」

提督「こうでもしないと神通さんは断り続けそうだし」


神通「…………ありがとうございます」



神通「これ、暖かいんですね」

提督「そりゃ寒かったらしょうもないしな」

神通「いえ、そうじゃなくて……。私はマフラーが多いんです」

神通「みなさんこれしてますけど、どうも寒そうで……」

神通「でも暖かいんですね」

提督「かさばらないしいいもんだぞ」


提督「……でもたしかに、神通さんはマフラーしか見ないな」

神通「これは今日が初めてです」

提督「でも似合ってるよ」

神通「そ、そうでしょうか……?」

提督「おう。凛々しさに磨きがかかった感じ」

提督「余計に神々しくもなったな」

神通「神々しいなんてそんな……」

提督「そもそも名前に『神』ってあるし」

神通「そ、それは関係ないですよ!」

提督「いや、あるかもしれないぞ?」



提督「……ん、てか着いたな」

神通「あ…………」

提督「お参りして、帰って暖まるかね」

神通「…………はい」



────────────

─────────

──────

───



提督「いやー、さすがに凄い人混みだったな」


提督「ところで、おみくじどうだった?」

神通「……中吉、です」

提督「あれ、俺と同じか」

神通「提督もなんですか?」

提督「まあ下手に大吉とか引いて運を使い果たすよりはいいだろ」

神通「でも、大凶なんて引いても……」

提督「…………つまり、これが一番良かったんじゃないかな」

神通「…………そうかもしれませんね……」


提督「よし……じゃあ帰るか」

神通「……はい!」



神通(今年も……平穏に過ごせそうです)



◇求婚の日◇



神通「……提督、今日って何の日か知ってますか?」

提督「伊勢型戦艦二番艦、日向の進水日」

神通「ち、違います!…いえ、そうでもあるんですけど……」

提督「他にもあるのか?」

神通「あ、あの…あるというか……その…………」

神通「や、やっぱりなんでもないです!」

提督「そこまで言って止めるとか気になるんだが」

神通「いいんです、気にしないでください……」


提督「てか、俺がその日を知ってたらどうしようと?」

神通「え、知ってるんですか!?」

提督「皆目見当もつかぬ」

神通「じ、じゃあいいです……」

提督「えー、気になるから教えてくれよ」

神通「き、気にならないでください!」

提督「それは無理がある」



提督「あ、じゃあこうしよう。教えてくれたら何か一つ言うことを聞いてあげる」

神通「…………本当ですか?」

提督「本当だとも」

神通「……じゃあ、今から言う『今日』に相応しい行動を期待しますね」

提督「・・・?お、おう任せとけ」


神通「…………」

提督「…………」

神通「今日は…………」

提督「…………」

神通「…き、き……きゅう……」



神通「やっぱりなんでもありません!」

提督「なんなんだよ……」


神通(さすがに言えそうもないですね……)


提督「んー、後で調べてみるかな」

神通「っ!?そ、それはダメです!」

提督「どうして?」

神通「どうしてもです!!」


提督(面白そうだから調べてみよう)



────────────

─────────

──────

───



提督「さっきのあれ、調べてみた」

神通「…………えええええ!?」

提督「そんな驚かなくても……」

神通「わ、私が『相応しい行動を』とか言ってしまったのは忘れてください!」

提督「相応しい行動、ねぇ……」

神通「お願いですから忘れて……!」


提督「相応しい行動……してもいいかな」

神通「……………………え?」






提督「神通────────」



神通「そ、そんな急に…。私、混乱しちゃいます……」

神通「でも嬉しい…♪」








































提督「…………なんて日が来るといいですね」

神通「ムードぶち壊しですよ!」



◇炬燵◇



神通「提督」

提督「なんでしょう」

神通「寒いです」

提督「知ってる」

神通「暖めてください」

提督「炬燵に入ってるじゃん」

神通「でも上半身は寒いんです」

提督「炬燵だからしゃーない」

神通「何か方法はないんですか?」

提督「ないです」



神通「……嘘つき」



神通「こうすれば暖かいですよ?」ピタッ

提督「……何も炬燵の中を潜ってくることないんじゃ」

神通「出たらどうなると思ってるんですか?」

提督「移動しやすい」

神通「それ以前に寒いと思うんです」

提督「いや、そこは我慢しようよ」

神通「嫌です。寒いの嫌なんです」


提督「…………」

神通「…………」



提督「でさ、神通さん」

神通「なんでしょうか?」

提督「それで暖かくなったのか?」

神通「はい、とっても」

提督「そうか……」


神通「提督は……寒い、ですか?」

提督「…………暖かい」

神通「じゃあうぃんうぃんですね!」

提督「なんかぎこちないがWin-Winな」

神通「いいんです。意味が通じれば」

提督「…………それもそうか」

神通「はい……♪」



神通「提督、みかん食べませんか?」

提督「みかん?」

神通「炬燵といえばこれです!」

提督「まあそうだな……。食べますかね」

神通「はい!じゃあ今持ってきますね」


提督「…………あ、そこは立ち上がるのね」

神通「寒いけど平気ですよ」



神通「また、『提督で』暖まりますから」

投下終了
一日につき一ヵ月(つまり一人分)を目標に投下していく予定です

それでは失礼します

神通が1月なのは意味があるの?

>>22
神通さんと初詣に行ったり、おふざけしたり、炬燵に入ったりして過ごしたいというれっきとした理由があります!!



2月 那智



◇布団◇



那智「貴様、そろそろ布団から出たらどうだ?」

提督「そういうお前も出てないだろうが」

那智「……なぜわかった」

提督「声がこもってる」

那智「そうか、よし」



那智「これならどうだ!声はこもっていないぞ。早く布団から出ろ!」

提督「顔だけ出したのがバレバレじゃねーか」

那智「なぜだ……なぜわかるのだ!?」

提督「だって、普通は叩き起こす時って寝てる奴の近くで起こすじゃん」


那智「…………」

提督「…………」



那智「…………」ゴロゴロ

那智「近くまで来たぞ。さあ起きろ!」

提督「転がって来ただけで布団に包まってるじゃねーか」

那智「だ、だって……」

提督「ほう、何か言い分が?」




那智「…………寒い」


提督「……ふふっ」




那智「なっ、何がおかしい?」

提督「いやお前、なんか可愛いな」

那智「くっ……!か、からかうな!」

提督「からかっちゃいないさ、事実だ」

那智「……っ!私は暑くなってきた。もう布団を片付ける!」

提督「それはそれはお疲れさん」



───

──────

─────────

────────────



那智「……ひとつよろしいか」

提督「どうした」

那智「率直に言う。…………やっぱり寒い」

提督「もう一回布団を出せばいい」

那智「それは二度手間なうえに、すでに冷え切っているから寒いだけだ」

那智「それよりもっと効率的な方法があると考える」

提督「ほう」


那智「貴様と同じ布団で暖まることだ」

提督「……随分さらっと言うんだな」


那智「なに、簡単なことだ。貴様の隣に入ればいい。失礼する」



提督「…………」

那智「なぜ黙るのだ?」

提督「お前、すごく顔が赤いぞ」

那智「なっ!?…よ、酔いが回っただけだ、気にするな」

提督「今朝どころか昨日すら飲んでないが」

那智「う、うるさい!5日前のが回ってきたのだ!」

提督「超理論すぎる」




◇バレンタイン◇




那智「貴様、今日は何日か知っているな?」

提督「2月14日」

那智「そうだ。では何の日かも見当はついているだろう?」

提督「ビスマルク級戦艦1番艦、ビスマルクの進水日」

那智「そうじゃない」

提督「給糧艦伊良湖の進水日」

那智「そうでもない!」


那智「世間一般的に考えろ!常識では何の日だ?」

提督「もう一回言って」

那智「だから、今日は何の日だ!」

提督「もう一回」


那智「……!今日は何の日!」



提督「子日だよー」


那智「…………」

提督「…………」



提督「……バレンタインだろ」

那智「そうだ、その通りだ」

提督「まさか那智がチョコを用意するなんてないよなーって思ってな。あえて言わなかった」


那智「……そのまさかだ。受け取ってくれ」

提督「え…………まじか!これは予想外だった。ありがとう!」

那智「私だってこれくらいは用意するさ」


提督「食べてみてもいいか?」

那智「もちろんだ。味は保証するぞ!」

提督「じゃあいただこう」




提督「…………うむ」

那智「……どうだ?」

提督「やたらと甘いなこれ」

那智「なんだ……甘いのは嫌いだったか?」

提督「いや大好きだけどさ、那智がこんなチョコを作るんだなぁ」

那智「チョコレートとは甘いものだと思っている。違うか?」

提督「ここまで苦さの欠片もないと凄いな」



提督「ちなみに一応聞くが、これ何チョコだ?」


那智「貴様に渡すチョコなど本命以外になにが──────」

提督「────────」






那智「い……今のは言い間違いだ!義理に決まっているだろう!」

提督「義理と本命って言い間違えるのか……」

那智「うるさい!あまりしつこいと私が食べてしまうぞ!」

提督「…………」


那智「………………甘い」

提督「だろ?」

那智「分量を完全に間違えた……」

提督「仕様じゃないのかよ」




◇雪◇




那智「──────外が一面の銀色だ……」

提督「この辺では雪がこんなに降るんだなぁ」

那智「む?貴様の故郷はあまり降らぬのか?」

提督「生憎な。降ってもどうせすぐ溶ける」

那智「そうなのか…。これくらいあれば雪だるまの一つや二つは作れそうだな」

提督「……作りたいならそう言いなさい」

那智「そ、そんなことはない!作ってもいいかなーとだ……」

提督「その割には用意周到じゃないですかね那智さん?」

那智「う…うるさい!早く作るぞ!」

提督「へいへい」











提督「…………で、どうしてこうなった」

那智「暖かいだろう?」

提督「かまくらなんて作る予定じゃなかっただろ……」

那智「予定を変えたのではない、追加したのだ」


提督「いや、確かに雪だるまも作ってるけどさ…。5体も」

那智「それでは少し物足りなかった。こんな理由じゃ気に食わぬか?」

提督「やっぱ遊びたかったんじゃねーか」

那智「ち、違う!これは貴様に付き合ってやっただけでだな……」

提督「俺は那智に付き合ったんだが」

那智「うっ…………」




提督「………………でもまあ、楽しかったしいいか」

那智「──────────!?」



提督「暖かいな、ここ」

那智「……もっと暖かくするか?」

提督「どうするつもりだ」

那智「簡単だ、火で暖を取ればいい」

提督「…………もし溶けて崩れたら」

那智「…………貴様となら埋もれてやっても構わぬ」

提督「雪に埋もれるのは御免だ」



那智「…………ならば私に埋もれさせてやる」

提督「おま、何を言ってっ!?────────」



那智「ふふ…………どうだ、私に埋もれた感想は?」

提督「………………酒でも入ってるのか」

那智「飲んではないさ、いたって正気だ」

提督「行動がもう正気の沙汰には思えないんだが……」


那智「そうか…。ではもっと正気ではないことをしよう」

提督「…………え?」

那智「なに、悪いようにはしないさ」






那智「どうやら暑くなりそうだな……覚悟はいいか?」

提督「………………お手柔らかに」




那智「それは…………………………保証できない」


投下終了です
何があったかはご想像にお任せします

それではこのへんで



3月 雲龍



◎さくら◎




雲龍「提督…。春、ね」

提督「まだ寒いけどな」

雲龍「でもほら、もう桜の花も────」

提督「桜の花、か……」

雲龍「そう、桜の花……」

提督「…………」

雲龍「…………」




提督「雲龍……」

雲龍「提督、私はもう大丈夫」

雲龍「今はもう、桜の花を見ても憂鬱になったりはしない」


提督「……ごめんな、気にしすぎてた」

雲龍「ううん。ありがとう」



提督「それにしても、そろそろこの花も満開になるな」

雲龍「そうね…。また、来てみたいわね」

提督「満開の頃にまた来るか」

雲龍「いいの?」

提督「もちろんだ。お前が良ければ」

雲龍「本当に?……嬉しいわね」

提督「時間が取れればな」

雲龍「時間なら任せて。私たちが早く仕事を片付ければいいのでしょう?」

提督「はは、まあそうだな」


雲龍「………………提督」

提督「ん?」

雲龍「提督といると、苦い過去も水に流せるわね」

提督「…………」

雲龍「これからもよろしくお願いしますね?」

提督「……もちろん。こちらこそ頼んだぞ」

雲龍「任せてください……ふふっ♪」



雲龍「提督、また来ましょうね」

提督「それさっきも言ってた」

雲龍「…………来ましょうね?」

提督「……ああ」

雲龍「…………ふふっ」



雲龍「早く開かないかしら」

提督「そう簡単にいくなら苦労しないだろう」


雲龍「早く開けば……早く来れるのに」

雲龍「待ち遠しいわね」



◎転寝◎



提督「雲龍、ちょっと手伝ってくれるか?」

雲龍「執務ですか?仕方ないわね、今行きます」

提督「助かるよ」






雲龍「……これはどうすればいいの?」

提督「ん?ああ、それはウィークリー任務の通達だ」

雲龍「ふーん…。こんな任務やった覚えがないけれど」

提督「東方海域に12回とか面倒過ぎて手を付けてない」

雲龍「…………たしかに」


提督「……どうした、眠いか?」

雲龍「ん……あ、ううん。そんなことはないわ」

提督「そ、そうか?」

雲龍「平気よ…………へい…き……」


提督「────────雲龍」




雲龍「…………はっ!」

雲龍「大丈夫、大丈夫よ」


提督「……………………」
































雲龍「ん…………すぅ…すぅ…………」


提督「…………で、結局寝ると」

提督「まあこの陽気だと仕方ないか」

提督「んー、でも机に突っ伏されると作業もしにくいな」

提督「……布団まで連れてくか」


提督「よっ、と」

提督「…………案外軽いもんだな」

提督「…………………………」




提督「ダメだ。煩悩を振り払うんだ」











雲龍「ん……?」

提督「…………」カリカリ


雲龍(ああ、私は転寝して…………)

雲龍(でもどうして提督の布団に……?)

雲龍(と、とにかく早く戻らないと……)

雲龍「…………」



提督「……ん、雲龍?」

雲龍「…………すぅ…すぅ……」



提督「気のせいか」カリカリ




雲龍(…………ここ、居心地いいのね)

雲龍(…………………………)






雲龍(もう少し、寝かせてもらおうかしら)




投下終了
雲龍さんの場合どうしてもシリアスな感じor憲兵沙汰のことしか浮かばなくて危険そうなので、むしろ糖分を控えめ(のつもり)で書きました。寝てるあたりで収めておきます

それではこのあたりで失礼いたします

乙です
4月も楽しみですね

>>53
期待に添えるように頑張ります!



4月 古鷹



◎路線図◎




提督「えーと、これがここで…………」


古鷹「提督、何を見てるんですか?」

提督「電車の路線図」

古鷹「どこか行かれるんですか?」

提督「ちょっとな。こんど用事があるんだ」

古鷹「そうなんですか……あれ」

提督「どうかしたか?」

古鷹「いえ…。艦娘の名前があったものですからつい……」

提督「ん、どれどれ?」

古鷹「これです、ここ」

提督「足柄駅……」

古鷹「こんな駅もあるんですね……」


提督「他にも探せばあるのかも。やってみるか」

古鷹「え、大丈夫なんですか?遊んでて」

提督「大丈夫。もう目的のとこは見つかったし」


古鷹「…………じゃあ少し……興味があります!」



────────────

─────────

──────

───



提督「けっこうあるものなんだな」

古鷹「羽黒さん、愛宕さん、大和さん……他にもけっこうあるんですね」

提督「『さん』付けすると駅じゃないみたいだ……」


提督「あ、そういえば羽黒と大和は行ったことあるぞ」

古鷹「何か用事があったんですか?」

提督「いや、通過しただけだが。あの付近にちょっと用がね」

古鷹「そうなんですかー…………あれ!?」

提督「どうした」

古鷹「て、提督見てください!この駅!」

提督「え?どれどれ…………」













提督「──────なっ!?」




『武蔵大和』
















提督「滅茶苦茶に強そうだなおい」

古鷹「一瞬で吹き飛ばされそうですね……」



◎4月1日◎



古鷹「提督!」

提督「どうした、やたらテンションが高いな」

古鷹「聞いてくださいよ!私、改二になるみたいなんです!」

提督「……………………」

古鷹「どうですか?驚きました?」


提督「…………お前な、もう改二になってるだろ」


古鷹「……………………あ」




古鷹「間違えました、改三になるみたいです!」

提督「ビスマルクじゃないんだから……」

古鷹「もしかして…………信じてくれてないんですか?」

提督「確率で考えると望みは薄いだろ」

古鷹「うぅ…………じゃあもうとっておきでいきますからね!?」

提督「とっておき……?」

古鷹「提督、率直に言います」

提督「お、おう」






古鷹「提督好きです」

提督「……………………は!?」



古鷹「だから、提督のことが好きなんです、私!」

提督「ほんとに率直だなおい……」

古鷹(ふふっ♪提督があたふたしてる……)


提督「まあでも嬉しいな。ありがとう古鷹」

古鷹「っと、そんなところ申し訳ないんですけど……」



古鷹「提督ごめんなさい!今日はエイプリルフールなんです」

提督「…………………………」

古鷹「…………あの……怒ってます?」

提督「…………古鷹知ってるか」

古鷹「え?」


提督「エイプリルフールってな、嘘ついていいのは午前中だけなんだぞ」

古鷹「…………えっ」

提督「午後に嘘ついたら問答無用で本気って解釈に変わる」

古鷹「………………ええええええええっ!?」

提督「てことで古鷹の好意は素直に受け取っておくよ」

古鷹「あああああ!すみません提督!私そんなの知らなくてですね、えっと…その……」



提督(あたふたしてる可愛い)

提督(午前中しか嘘ついちゃいけないのは一部地域だけだし)

提督(その地域ですら午後はネタばらしの時間だし)

提督(まあエイプリルフールだから許されるだろう)



古鷹「でも提督!私としてはさっきのは本心が混じっててもいいかなーなんて……」

古鷹「あ、あの!本気にしてもらって構いませんので!」

提督「えっ」

古鷹「えっ」



提督「…………」

古鷹「…………」
















古鷹(この雰囲気どうしよう……)

提督(なんて返すのがいいんだろう……)

投下終了です
失礼します

>>皐月、五月雨と迷ったのですが、すでに別の子で書き溜めてあります
すみません……



5月 金剛




◎新緑◎




提督「随分と緑色になったなぁ」

金剛「秋の紅葉もいいケド、この時期の新緑も美しいデスネー」

提督「なんかこう、若々しいよね」

金剛「そうデース!私みたいネー」

提督「……そ、そうだな」


金剛「むぅ……私は若々しくないデスカ?」

提督「い、いやそうじゃない。金剛は生き生きしてるよ」

金剛「Yes!」


提督(自分で若々しいとか言うのは珍しいパターンだ……)



金剛「こんな日に提督と二人なんて、紅茶が飲みたくなるネー」

提督「どうやってそれに繋がるのか」

金剛「提督も紅茶飲みますカ?」

提督「ん……そうだな、久しぶりに金剛の淹れた紅茶が飲みたい」

金剛「Yes!嬉しいデース!早速準備してくるヨー」



───

──────

─────────

────────────


提督「やっぱり金剛の紅茶は美味いなー」

金剛「もちろんデース!私も美味しいネ」

金剛「あ、提督と飲んでるからデスヨ?」

提督「……相変わらずだな、お前は」

金剛「What?何がデスカー?」

提督「何もかもだよ」


金剛「Hum……よくわからないけど、ありがとうネー」

提督「どこにお礼の要素があるのか」



金剛「……わかってますヨ。私が相変わらずの提督Loveだってことデスネ?」

提督「…………よくわかったな」

金剛「提督の顔見てればわかりマース!長い付き合いだからネー」

提督「そういえば、ここに来た戦艦では二番目だったっけ」

金剛「That's right!榛名の次デース」

提督「そう考えると長いなぁ」


金剛「そうデスネー…。提督、これからもよろしくネ?」

提督「どうした急に」

金剛「なんか言いたくなったヨー」

提督「まあそういうこともあるな。……よろしく、金剛」

金剛「もちろんデース!じゃあ、二人きりのティータイムを再開シマース!」


提督「そう言われると恥ずかしい」



◎夏日◎



金剛「……今日は暑いネー…」

提督「今日は夏日らしい」

金剛「ここってクーラーとかないんデスカ?」

提督「あったとしてもこれくらいでは付けなくて平気だろう」

金剛「平気じゃないデース……」


提督「ちなみにクーラーなどございません」

金剛「Oh……ちょっと期待したのにー!」

提督「あるのは団扇とか扇風機とか」



提督「…………あ、扇風機は故障中だったわ」

金剛「……つまり団扇だけデスカ・・・?」

提督「そういうこと」


金剛「…………」

提督「…………」



金剛「……提督、私に扇いでくだサーイ」

提督「嫌だよ、暑くなるし」

金剛「艦娘のケアも提督の役割デース!」

提督「団扇って自分で扇ぐものだろうが」

金剛「暑くなるのは嫌デース!」

提督「とんでもない理論だな」


金剛「…………そうだ、服を少し脱げばいいネー」

提督「えっ」

金剛「……見てもイイヨ?」

提督「見ないから安心しろ」





















金剛「────────♪」

提督「金剛」

金剛「What?」

提督「暑いから服を緩めるのはわかる」

提督「胸元が開いてしまうのも仕方がない」

提督「だが何故おまえは『暑い』と言いつつもくっついてくる?」


金剛「んー……誘惑?」

提督「思いっきりストレートに言わないで……」







金剛「あ、提督!今日はこどもの日デスヨ?」

提督「この流れでそれはちょっとまずい」



◎キスの日◎



金剛「Hi!My Admiral.How are you?」

提督「どうしてオール英語なの……」

金剛「ちょっと使いたくなったネー」


金剛「提督、今日は何の日か知ってマスカ?」

提督「なんかの記念日だっけ?」

金剛「……知らないほうが都合がいいヨー」

金剛「じゃあ、私が実践してみるネ?」

提督「…………なんか怖い」

金剛「怖くないヨ!……提督、目を瞑って?」

提督「ん、こうか?」











金剛「ふふっ──────────」

提督「っ!?──────────」




金剛「…………ぷはぁ……ふふっ♪」

提督「……………………」



金剛「今日は『キスの日』なんデスヨ?」

提督「いきなりはびっくりするだろうが……」

金剛「でも、予告したら断ってたのは目に見えてマース!」


提督「断ってたらやらなかったのか?」

金剛「No!実行しマスネ」

提督「……受け入れても」

金剛「喜んで実行シマース!」

提督「もうなにやったって結果は変わらなかったと」

金剛「Yes!どっちにしろキスされる運命だったネ」




金剛「…………嫌でしたカ?」

提督「…………そうは言ってない」

金剛「なら続行シマース!」

提督「待て待てそれは聞いてなっ───────」


金剛「ん──────────っは……」






金剛「提督のハートを掴むのは、私デース♪」




投下終了です
金剛さんくらいに提督LOVEだと、キスくらいなら許される。はず
冬イベでも大活躍してもらいます


それではこのあたりで



6月 利根



☆肩叩き☆




利根「提督よ」

提督「利根よ」

利根「真似するでない!吾輩はお主に用があって来たのじゃ」

提督「ほう、どんな用で?」

利根「うむ。聞きたいのじゃが、筑摩はどこじゃ?」

提督「筑摩?出撃中だが」

利根「…………なるほど」


利根「筑摩に肩を叩いてもらおうと思ったんじゃがのぅ」

利根「この際お主でもよかろう」

提督「え、いや、どうしてそうなる」

利根「暇そうじゃからな」

提督「…………」

利根「違うか?」

提督「……し、執務があるなぁ~」

利根「心配は無用。さっき吾輩が片付けておいたぞ」


利根「……暇じゃな?」

提督「…………はい」




────────────

─────────

──────

───



利根「あー、もう少し右じゃ」

提督(どうしてこうなった……)グッ

利根「そう、そこじゃ!」


利根「お主、なかなか上手いではないか。筑摩の次くらいに」

提督「そいつはどうも」

利根「…………よし!吾輩は満足じゃ。部屋に戻るぞ」

提督「よかったよかった」

利根「うむ!また頼むぞ!」バタン


提督「……えっ、次もあるの」



利根「…………」ガチャ

提督「……………………戻ってくるの早いな」

提督「また肩叩きか?」

利根「ち、違う!さっきやったばかりじゃろう」


利根「筑摩がいなくて退屈じゃ。だからその……」

利根「お主に構ってやっても良いぞ?」

提督「……つまり構って欲しいと」

利根「ぎ、逆じゃ、構ってやるぞ!」

提督「それはありがたいなー」


提督「じゃ、利根に構ってもらうとするか」

利根「仕方のないやつじゃのぅ」


提督(チョロい…………のか?)



☆地雨☆



提督「突然だったな」

利根「天気予報でも聞いておらぬぞ」

提督「買い出しに付き合わせちゃって悪かった……」

利根「もう済んだことじゃ。気にするでない」


利根「それより、早く雨宿りできる場所を探さねばならぬ」

提督「どっかないかなぁ……あ!」

利根「何か見つかったか?」

提督「あれとかどうだ」

利根「あれ…?ああ、あの公園か」

提督「公園の東屋な。行くぞ!」

利根「うむ!」











提督「少し雨に濡れたな…。寒くないか?」

利根「だだ、大丈夫じゃ。決して寒くなんかはないぞ」

提督「随分と震えてるが」

利根「う、うるさい!衣装的に寒いなんてことはあり得ぬからな!」

提督「衣装的に寒いのな」


提督「夏風邪とか引かれても大変だし、何か暖まるもの……」

利根「今は世間一般では夏になるのか?」

提督「少なくとも6月は春じゃないだろ」

利根「む、たしかに……」



提督「それより暖まるものだ。……なんならこれ使うか?」

利根「これは……お主の着ていた上着ではないか」

提督「いいのいいの。俺なんてまだ長袖だけど、お前は半袖だろ」

利根「年中な……」

提督「そのスカートも寒いだろうしなぁ」

利根「さ、寒くなどないぞ!」

提督「だから震えてるって。早く羽織りなさい」

利根「…………かたじけない」


利根「まだ体温も残ってて暖かいぞ」

提督「そりゃ良かった。風邪引くなよ?」

利根「大丈夫!これだけ暖かいと風邪など引くはずもなかろう」


提督「しかしこれ、雨が止む気配もないな」

利根「吾輩は当分このままでも良いぞ」

提督「まあ利根がいいならいいけどさ」


























利根「……け、決してお主と居たいとかではないからな!?」

利根「ただ単に寒くなくなったからじゃ」

提督「……誰もそんなこと聞いてないぞ」

利根「い、言うでない!」

投下終了です
失礼します



7月 村雨




☆扇風機☆



村雨「あ"~~~~~~~」

提督「……何やってんだ」

村雨「扇風機に遊んでもらってるの~あ"~~~~~~~~」

提督「そんな近くに行くと、長い髪が絡まるぞ」

村雨「大丈夫よ。あ"~~~~~~~~」

提督「……………………」



村雨「あ"~~~~~~~~」

提督「……………………」

村雨「あ"~~~~~~~~~~~~」

提督「……………………」



村雨「……提督」

提督「どうした」

村雨「そろそろ飽きちゃった……」

提督「そんな長くは続かないだろうな」

村雨「だから遊んで?」

提督「あとでねー」

村雨「…………そうですかー…」

提督「……………………」

村雨「この村雨を放置ですかー……」

提督「……………………」


村雨「ねえってば!」

提督「……………………」



村雨「……村雨そんな趣味ないから構ってー!」

提督「村雨」

村雨「やっと構ってくれる気になった?」



提督「……暑くないか?」

村雨「え?暑いけど……」

提督「アイスでも買いに行くか」

村雨「え、いいの!?」

提督「てか俺が食べたい」

村雨「私もついて行くよ!」

提督「そのつもりで誘った。じゃあ行くか」


村雨「あ、ちょっと待って!着替えてくるね」

提督「なぜ?そのままでも良くないか?」

村雨「んー、暑くて汗かいちゃったの」

村雨「汗かいたまま提督とお出かけは、ちょっと気が引けるかなーって」

提督「ああ、そういうことか。俺は気にしないけど、村雨が気にするならいいよ」

村雨「汗かいてるとくっつけないしね!じゃ、着替えてきまーす」バタン



提督「…………まあいいか、可愛いし」



























村雨「アイス、売り切れだったね~」

提督「この暑さだし飛ぶように売れるんだろうなぁ……」

提督「ごめんな、付き合わせちゃって」

村雨「ううん、大丈夫」

村雨「提督と外出できただけで満足よ」



☆七夕☆



村雨「なんか向こうで赤城さんと加賀さんが零戦片手にはしゃいでましたよ?」

提督「どういう状況…。そもそもあの二人には烈風しか戦闘機載せてないが」

村雨「よくわからないけど、引っ張り出してきたみたい」

提督「……ますますわからぬ」

村雨「ほんとほんと……」


村雨「それより提督!明日は七夕ね」

提督「そうだな」

村雨「あ、提督は楽しみじゃないんですかー?」

提督「どうせ仕事がある」

村雨「…………せっかく提督をお祭りに誘おうとしたのに……」

提督「………………村雨、それは浴衣で行くのか?」

村雨「え?そうだけど……」


提督「了解だ。明日は仕事を放棄して祭りに行くぞ!」

村雨「え、いいの!?やったぁ!」



───

──────

─────────

────────────



村雨「お待たせしましたー!」


村雨「村雨の浴衣、どう?」

提督「ありがとうございますこれでもう思い残すことはありません」

村雨「もう、そうじゃなくって!ちゃんと感想を聞きたいのよ」

提督「浴衣もよく似合ってて可愛いな」

村雨「ほんとに?ふふーん♪」


村雨「提督、早く行こうよ」

提督「まあそう慌てるな。祭りは逃げないぞ」

村雨「提督が逃げそうでしょ?」

提督「逃げるとか勿体なさすぎる」

村雨「そう?じゃあゆっくり、お話ししながらね!」

提督「そうするか」



村雨「今日はなに食べよっかなー……」

提督「いきなり食べ物から入るのかよ」

村雨「いいのいいの!提督はなに食べる?」

提督「ん、そうだな……綿飴とか?」

村雨「…………ベタすぎない?」

提督「いや、お前は好きなの食べればいいさ」

村雨「ううん!提督と一緒の食べるの!……ダメ?」

提督「い・い・け・ど」

村雨「あ!それ私のセリフ~」



村雨「おぉー!食べ物たーくさんあるねー」

提督「ほんと、けっこう置いてあるんだな」

村雨「何にしよっかなー……あ、これ!」

提督「なんか欲しいのあった?」

村雨「提督これ!これ買って?」

提督「……りんご飴か」

村雨「これ、りんご飴っていうの?」

提督「りんごの形してるだろ?」

村雨「美味しそうね!……ねえ、買って?」

提督「…………ひとつでいいな」

村雨「……うん!」











提督「結局三つも食べたのか」

村雨「なんか味がクセになっちゃった」

提督「しゃーない」


提督「そういえば、短冊になんか書いたの?」

村雨「もちろん!スタンバイOKよ」

提督「ほう。なんて書いたのかな?」

村雨「んーっとね……秘密!」

提督「……なるほど」



村雨「あ、でもね、提督に関することかなー」

提督「俺に?ますます気になるんだが……」

村雨「ダーメ!ますます秘密!」

提督「まったく見当も付かない……」


村雨「叶うといいなぁ~」

提督「いいなー」

村雨「あ、提督も願ってくれちゃいます?」

提督「だって、俺に関係するんだろ?」


村雨「正確には、私と提督に関係すること、かな!」


提督「・・・?」

村雨「ふふっ♪」

思いっきり昼間ですが投下終了です
できそうなら夜にも投下します

ひとまずこのへんで



8月 夕張


☆左利きの日☆





夕張「んー……どうもうまくいかないなぁ……」

提督「……なんだそのナメクジが這ったあとみたいな字は」

夕張「あ、提督!」

夕張「今日は左利きの日らしいので、左利きに挑戦してみようかと思いまして」

提督「それって元々左利きの人のためにあるんじゃないですかね」

夕張「関係ないです!左で書けば左利きなんです!」

提督「たぶん違うと思うぞ」


提督「それよりこれ、なんて書いてあるんだ?」

夕張「ほんとに読めないんですか?」

提督「…………全くもって」

夕張「もう…。提督ですよ。て・い・と・く!」

提督「なんでよりによって俺……」

夕張「程よい難易度だからです」

夕張「私だと簡単すぎちゃって……」

提督「そうなのか?書いてみて」



夕張「……………………はい!」

提督「…………?」

夕張「簡単に書けちゃうんですよ」

提督「ごめん、読めないわ」

夕張「えっ……」


夕張「じゃあ提督も書いてみてくださいよ!」

提督「俺も右利きなんだがなぁ……やってみるか」



────────────

─────────

──────

───



提督「…………」

夕張「…………」


提督「読めねーわな」

夕張「無理ですね……」

提督「予想以上に難しかった……」

夕張「わかりました?」



夕張「じゃ、これは私が貰っておきますね!」

提督「いいけど……貰ってどうするんだ?」

夕張「宝物にします」

提督「…………えっ」

夕張「せっかく提督が『夕張』って書いてくれたんですよ?しかも左手で!」

夕張「レア度はばっちりね!」


提督「……じゃあ俺もこの大量の『提督』を貰っておくか」

夕張「い、いいですけど?」

提督「……ん、まだこっちにも紙があったのか」

夕張「あ、それは……!」



提督「───────『女』『子』……」




提督「なんでまた『女子』とか書いてんだ?」

夕張「じ、じょし……?あ、ああ!そうなんです!」

夕張「私のことを書いてみたんですっ!」

提督「……変な奴だな」

夕張「は、はははー……」



夕張「…………はぁ……」



☆花火☆



夕張「さすがの夏も、夜になると涼しいわね」

提督「この時間まで暑いとかたまったもんじゃないぞ……」

夕張「まあそうなんですけど……」


夕張「そろそろ夏も終盤ですねー」

提督「…………」

夕張「……提督?」

提督「…………」

夕張「…………!」

夕張「花火ですか!」

提督「向こうで祭りやってるみたいだしな」

提督「行きたかったか?」

夕張「……いえ」

夕張「こうして、傍で花火を見られるだけでいいです」

提督「…………そうか」


夕張「…………」

提督「…………」



夕張「…………提督」

提督「ん」

夕張「花火って……」

夕張「花火って、なんかちょっと切ないですよね」

提督「それはわかる」

夕張「ですよね!」

提督「全然切なそうじゃないけどな」

夕張「だって……提督と居るんですよ?」

夕張「切なくなるはずがないじゃないですか!」

提督「なんだそれ」

夕張「あ、でも強いて言えば……」

夕張「もっと寄ってもいいですか……?」

提督「……いいぞ」

夕張「…………失礼します」



提督「──────花火が夜空、か」

夕張「……ちょっと切ない…」

提督「…………お?」

夕張「あれ?」


夕張(もしかして……同じ曲を思い浮かべてる!?)

夕張(なんかちょっと恥ずかしいかも……)


提督(夕張と同じ思考回路か……)




((でも、悪くない))





















提督「どうした夕張。顔赤いぞ?」

夕張「てっ!提督だって!」

投下終了です
失礼します

さいこーのー

>>119
明らかにその曲を意識して盛り込みました
気づいてもらって良かった…

「女子」のくだりで砂糖吐いた

次回も楽しみにしてます

>>121
ありがとうございます!
次回は随分と砂糖たっぷりの予定です



9月 山城




■不運■



山城「不幸だわ……」

提督「いいから早くドックに行きなさい」

山城「空きがないから不幸なんですけど」

山城「それとも、提督が増設してくれますか?」

提督「…………不幸だわ」

山城「はぁ……。仕方ないから待機します」

提督「いいけど、中破してるのに寒くないか?」

山城「平気です。意外と日当たりも良さそうですから」

提督「そうか」

山城「………………」

提督「………………」

山城「………………」

提督「………………」



山城「こんな格好で提督と二人なんて……不幸だわ」

提督「じゃあ部屋に戻ってもいいんじゃ……」

山城「不幸なことにこことは違って日当たりが悪いので」


山城「……あ、変なことしたら姉さまに言い付けますよ?」

提督「お前は俺を何だと思っている」

山城「ドックを増設してくれない不幸な提督です」

提督「よくわかってらっしゃる」

山城「ほんと、不幸だわ……」



提督「……ひとついいかな」

山城「なんですか不幸提督」

提督「その呼び名はやめてください……」


提督「不幸だ不幸だ言ってるけどさ、お前いま運いくつよ?」

山城「そんなの、来た時と変わらず5に…………」



山城「……14です」

提督「大鳳と陸奥と平均的な重巡と平均的な駆逐艦と……とにかくそれ以下の子に謝ってくるべき」


山城「運が高くなっても不幸なものは不幸です」

山城「不幸じゃなかったら中破なんてしません。雪風ちゃんみたいに」

提督「あれを基準だとみんな不幸とかのレベルじゃないぞ……」

山城「もし中破したり大破しても、時雨ちゃんみたいにドックが必ず空いています」

提督「あの子も異常だから比較するのはやめなさい」






提督「ん、てかドック空いたな」

山城「あら、そう。ありがとうございました」

提督「いいから早く行ってきな」

山城「はぁ……不幸だわ」バタン


山城(いい暇つぶしにはなったのね)



山城(……もう少しいても良かったかもしれないわ)



■空はこんなに■



提督「すいみんすいみんすいみんすいみん……」

提督「睡眠不足!!」

山城「はぁ…。空はこんなに青いのに……」

提督「……山城、それは扶桑の台詞な」

提督「しかも少し違うし」


山城「…………提督に合わせたのに……不幸だわ」

提督「えっ……な、なんかごめん…………」

山城「いいんですよ、まったく……」



山城「それより、何かやることってないんですか?」

提督「睡眠不足になりつつも片付けた結果がこれだ」

山城「そうやって秘書の仕事まで奪うなんて……本当に不幸だわ」

提督「仕事なんてあるだけ面倒だぞー?」

山城「そのほうが気が楽です。やることなくて持て余すよりは……」

提督「まあいいじゃないか。適当に空を眺めるだけの日があってもさ」

山城「…………まあ、いいですけど」


提督「………………」

山城「………………」



山城「なんですか提督?さっきから視線を感じるんですけど」

提督「山城の目ってほんと赤いよなぁって」

山城「それがどうかしたんですか?」

提督「ああそーらはこんなに青いのに」

山城「…………もう合わせませんよ」


山城「まさかそれが言いたかっただけですか?」

提督「そ、そんなわけないだろ!」

提督「まあそれが大半なんですけどね」

山城「…………」

提督「…………」



山城「それで、他にも理由があるんですか?」

提督「まあな」

山城「はぁ……。言い訳くらいなら聞きます」

提督「山城の目ってさ、なんか透き通ってて綺麗だなぁって」

山城「っ……!?」


山城「な……なにか問題でも?」

提督「問題なんてないけど」

山城「じ、じゃあ見るのはやめて。気が散りますから」

提督「おっと、ごめんごめん」

山城「………………」

提督「………………」






山城(目が透き通ってる……)

山城(綺麗……)

山城(…………)



提督「なぁ山城」

山城「なっ……なんですか?」

提督「なんか視線を感じるんだけど」

山城「えっ!?…………き、気のせいですよ、きっと」

提督「だよな、山城の視線なはずはないしな」

山城「あ、当たり前です!」











山城(……どうしちゃったの山城!)

山城(貴女は扶桑お姉さま一筋のはずでしょう!?)



■櫛の日■



山城「…………提督」

提督「どうした山城」

山城「これ……持ってきたの」

提督「これ?……櫛がどうかしたか?」

山城「今日はこれの日なんですって」

提督「櫛が?へぇ……」


山城「…………はい、これ」

提督「え?」

山城「梳いてください」

提督「でもいつもは扶桑に……」

山城「私の髪を梳くのは嫌ですか?」

提督「…………嫌じゃないけど」









山城「────私の髪、変だったりしませんか?」

提督「少しクセがあるくらいだな」

山城「……そうですか」

提督「それにしても、なんで突然?」

山城「気分的にですけど」

提督「そうかぁ……」

提督「お前も変わったな」

山城「私が……ですか?」

提督「来たころは、もう扶桑にくっついてないとダメだったのに」

提督「俺なんて近付いたくらいで逃げ出されるし」

山城「…………」

提督「まあ、今ではいい思い出だな」

山城「……たしかにそうね」

提督「とにかく良かった。ずっとあのままでも困るしな」

山城「…………私、思ったんです」


山城「姉さまが一番いいけど……提督も悪くないって」

提督「そいつはどうも」

山城「絶対に本気にしてないですよね……」

提督「そりゃ、あの山城だもんな。お世辞を言うくらいにはなってくれたか」

山城「はぁ……。いいです、わかりました」



山城「姉さまと同じくらい、提督もいいと思います」

山城「……信じてくれましたか?」











提督「──────山城」

山城「ん……なんですか、急に抱き付いて」

提督「やっぱり変わったな。以前ならきっと今頃はあの世だ」

山城「そうかもしれないわね。でも……今は違います」




山城「提督も……大好きですから」


投下終了です
失礼します

コーヒーがカフェオーレに…!?

毎回楽しく拝見しとります
山城が登場して嬉しい
次回ものんびりと待っとります

>>138
そう言っていただけると励みになります!
ありがとうございます



10月 五十鈴




■五十鈴の秋■



五十鈴「そろそろ秋ね」

提督「さすがに残暑も少ないな」

五十鈴「むしろ涼しくなってきたんじゃない?」

提督「そのほうが俺はありがたい」

五十鈴「私はもっと暑くてもいいわね」

提督「暑さは強いほうなのか?」

五十鈴「私たちの仕事場は海の上よ」

五十鈴「そんなの、寒いより暑いほうがやりやすいに決まってるわ」

提督「……ごもっともです」


五十鈴「……でも、ここの鎮守府はまだマシよ」

提督「とういうと?」

五十鈴「指揮官の好みで露出の多い服のまま出撃させるところも多いみたいね」

五十鈴「その点は、防寒させてくれるし助かるわ。ありがとうね」

提督「当たり前だろ、艦娘の冬服も素晴らしいものだ」


五十鈴「…………ねえ、つまり単純に私たちの冬服が見たいだけってこと?」

提督「その通り」

五十鈴「呆れた……。さっきの『ありがとう』返してほしいくらい」

提督「いいだろそれくらい。それとも、冬に寒い恰好で海上スケートするか?」


五十鈴「…………悪賢い人ね」

提督「それはどうも」



提督「ところで五十鈴は、どんな秋になりそう?」

五十鈴「どんな秋って?」

提督「ほら、よく言うだろ?食欲だ読書だ運動だ睡眠だってさ」

五十鈴「……最後のはダメ人間にしか聞こえないんだけど」


五十鈴「そうねぇ……戦闘の秋かしら」

提督「いや、それはだいたいどの季節もやってるじゃん」

五十鈴「煩いわね、どの季節もやることは変わらないって皮肉よ!」

五十鈴「もう少し変化を付けたらどうなの?」

提督「…………はい」



五十鈴「ふん……。それで、あなたはどうするの?」

提督「五十鈴の秋」

五十鈴「…………はぁ!?なによそれ」

提督「そのまんま。今こうして五十鈴といるだろ?」

提督「だから五十鈴の秋」


五十鈴「…………呆れてものも言えないわ」



■10月29日■



五十鈴「提督、何の用?私けっこう忙しいんだけど」ガチャ


五十鈴「…………え」

提督「おお!来たか五十鈴よ」

五十鈴「あ、あなた……。これはなんのマネかしら」

提督「なんのってそりゃ、今日はお前の進水日だろ」

提督「誕生日みたいなもんだ」

五十鈴「……………………」

提督「……五十鈴?」

提督「…………泣いてるのか?」

五十鈴「ばっ……バカね、そんなわけないでしょう!」


五十鈴「それよりせっかく用意してくれたんだし、早く食べましょう?」

提督「ん、そうだな。じゃあ切り分けお願いしまーす」

五十鈴「…………仕方ないわね…。ふふっ」











五十鈴「──────このケーキ、あなたが作ってくれたの?」

提督「さすがにそれは厳しかった。ちょっと有名なところで買ってきたんだ」

五十鈴「……そう」


五十鈴(有名なとこのケーキより、手作りのほうがよかったかも……)


五十鈴「ねえ、こんど誰かの進水日……じゃなくて誕生日のときにサプライズしない?」

提督「サプライズ?」

五十鈴「きっとびっくりするわ」


五十鈴「……そのときは、私が一緒にケーキ作ってあげてもいいわよ?」

提督「喜んで参加します!!」

五十鈴「まあ……相変わらず単純ね」



提督「そうだ五十鈴、誕生日といえばプレゼントだろ?」

五十鈴「……え?」

提督「もちろんあるぞ。…………ほら!」

五十鈴「……何これ?私と同じくらいあるんじゃない?」

提督「まあ開けてみろ」


五十鈴「……………………!」

提督「このまえ欲しがってただろ?テディベアの特大抱き枕!」

五十鈴「……悪いけどこれ、抱き枕じゃなくて普通のぬいぐるみなんだけど」

提督「えっ…………あああああ!発注ミスってるっぽい……」

五十鈴「まあ、実にあなたらしいわね……」


五十鈴「でもせっかくだし貰うわ。ありがとう!」

提督「……まあ、喜んでくれりゃなんでもいいか」

五十鈴「じゃあ私は戻るわ。これは部屋にでも飾らせてもらうわね」

提督「おう、おやすみ」



────────────

─────────

──────

───



提督「睦月型のみんなに呼ばれたから何事かと思ったら、遊んで欲しかっただけという……」

提督「卯月のくすぐりはなかなかに強烈だった…………」

提督「まあいいか。終わったことだし俺も寝よう」


提督「……ん、ドアが開いてる……。五十鈴の部屋か」

提督「ちゃんと閉めとけよ……って!あいつ誰と寝てるんだ?」

提督「……………………あ」


提督「なんだ、抱き枕で使えないこともないじゃん」

提督「本来渡したかった形になって結果オーライってことにしようか」

提督「……おやすみ、五十鈴」バタン
















五十鈴「…すぅ…………すぅ……」

五十鈴「んん…………ふふっ……♪…………」

投下終了です
失礼します


艦娘達は全体的に寒そうだから冬服見てみたいな

>>152
島風だの利根型改二だのは乗り切るのが厳しそうですしね
普段は半袖の子が暖かそうな長袖を着る……冬限定でいいので実装してくれるといろいろ捗りそうです

夏服、冬服は設定があっても面白くなりそうですね
絵師さんの負担がかなり増えますけど、せめて描いてくれるって絵師さんだけでも……



11月 天津風



■ブラック■




天津風「い、いい風ね!」

提督「いや寒いだろ……」

天津風「寒くてもいい風はいい風なの!…………ックシュッ!」

提督「くしゃみしてんじゃねーか」

天津風「うるさいわね!いいでしょう?」

提督「いや、良くないから……」


提督「もう満足したろ?早く戻るぞ」

天津風「わ、私は平気よ。もっとここにいるわ」

提督「……面倒だから無理やり連れて帰る」

天津風「あ、ちょっと!腕引っ張らないでよ!……もうっ」



────────────

─────────

──────

───



提督「やっぱり室内が暖かくていいな」

天津風「もっと風に当たっていたかったのに……」

提督「あそこで凍えても誰も気づけないから……」

天津風「いいのよ、自分で戻るんだから」

提督「その割には、帰るなりすごい勢いでドックに直行してましたが?」

天津風「あ、あれは……」

天津風「今日受けたカスダメを修復しに行っただけよ」

提督「ものすごく震えてたんだが?」

天津風「…………っ!それは関係ないでしょう!?」

提督「カスダメのわりに随分と長風呂だったなぁ?」

天津風「……せっかくだからゆっくりと暖まったのよ」


提督「要約:寒かった」

提督「間違いないですね」

天津風「…………少しよ、少し」

提督「はいはい」



提督「なんか温かいもの飲むか?」

天津風「……いただくわ」

提督「コーヒーでいいか?甘めの」

天津風「それでいいわよ」

提督「まあそうだよな。暁とかに聞くと絶対に『ブラックがいい』とか言うんだけど」

提督「天津風は普通のようだな」


天津風「…………やっぱりブラックがいいわ」

提督「……張り合ってんのか?暁は飲めてないけど」

天津風「は、張り合ってないわよ!それに、私は暁とは違ってちゃんと飲めるわ」

提督「そうか、わかった」



提督「ご注文通りのブラックだ」

天津風(こ……これがブラックコーヒー……)

提督「……天津風?」

天津風「あ!…………ありがとう、美味しそうね」

天津風「さっそくだけどいただくわ」



天津風「……………………!?」











天津風「…………あなた、ちょっといいかしら」

提督「砂糖だろ?」

天津風「な、なんでわかるのよ?」

提督「表情でわかるよ。苦かったんだろ」

提督「やっぱり天津風も可愛いもんだなぁ」

天津風「くっ……!少しでいいわ、ほんの少しで」

提督「たくさんね、了解」

天津風「もう…………!」



■勤労感謝の日■



《今日は用があるから一日中いないので、留守は頼んだ。    提督》






天津風「………………」

天津風「こんな置手紙だけ置いて……そんなに大切な用事なのかしら?」

天津風「……まあいいわ。いつも通りに遠征だけやっておけばいいはずね」

天津風「…………提督代行なんだし、座っても平気、よね」

天津風「…………」


天津風「い、いい椅子ね!」

天津風「これなら仕事も捗るはずだわ。第一艦隊、出撃!」ビシッ

天津風「……似てないかしら」



天津風「そういえば今日って、勤労感謝の日だったかしら?」

天津風「私たちも働いてるけど……」

天津風「あの人も私たちのために働いてくれてるのよね」

天津風「……いつも言えないけど」

天津風「ありがとう…………ね」


天津風「………………ふあ~っ、あぁ……」

天津風「座り心地良くて眠くなっちゃった……」



────────────

─────────

──────

───



提督「ただいまー。留守番ご苦労さん」

提督「…………あれ」

提督「俺の椅子で寝ちゃってるし」

提督「まあ、天津風も疲れてるよな、そりゃ」

提督「動かすと起きそうだし……毛布だけでも掛けてやるか」


提督「………………よし」バサッ

天津風「……ありが、と……う…………」

天津風「……すぅ………すぅ……」


提督「寝言でまでお礼を言ってくれるとか天使か」



提督「……寝てる時くらい髪を触ってもばれないはず」




『いやだ、髪は触んないでよ……。吹き流しが取れちゃうでしょ?』




提督「……………………」

提督「いつも言われるしなぁ……やめておこう」


提督「そうだ、まだ俺が言ってなかったな」

提督「いつもありがとう、天津風」

天津風「…………すぅ……すぅ…………」

提督「じゃ、俺も寝るか」





















天津風「昨日は寝ちゃって言えなかったけど……」

天津風「いつもありがとう。感謝してるわ」

提督「……それな、昨日寝言で聞いたぞ」

天津風「えっ」

提督「寝言でまで感謝してくれるなんて、天津風はいい子だなぁ」

天津風「ね、寝言で…………そんな!私が……?」


提督「天津風もありがとうな」ナデナデ

天津風「ん………………」

提督「……あれ、今日は髪に触れても怒らないのか」

天津風「…………っ!?」




天津風「……悪い気はしないわ」

投下終了です
失礼します



12月 Prinz Eugen



◇漢字の日◇




プリン「あ、提督!」

提督「おお、オイゲンか。どうした?」

プリン「見て見てー!頑張って漢字を書いてみたの!」

提督「漢字?なんでまた?」

プリン「さっきテレビでやってたの!今年の漢字はーって」

提督「なるほどそういうことか」


提督「それで、自分でも書いてみたと」

プリン「そうそう!それに漢字って、なんかクールじゃない?」

提督「たしかにやたら際立つものもあるな」

プリン「でしょ?だからね、艦娘でもカッコイイ漢字を選んで書いてみたんだー」

提督「ほう、興味がある」

プリン「提督に見てもらいたくて呼んだんです!見て見てー」


提督「『朧』『曙』『漣』『潮』…………」


プリン「どう!?」

提督「七駆スキーかな?」

プリン「よくわからないけど……みんなクールじゃないですか?」

提督「たしかに強そうではある」



提督「でも、比較的難しいのによく頑張ったな」

プリン「えへへ♪上手に書けてますか?」

提督「ぱっと見で読めるくらいには上手いな。『漣』なんて読める人は少ないと思うぞ」

プリン「提督は?」

提督「初期艦の名前を読み書きできずにどうする」

提督「そもそも提督は総じて読める。はず」

プリン「そうなんだぁ……」


プリン「でも、ちゃんと読んでもらえて嬉しいです!」

提督「けっこう練習しただろ?」

プリン「は、はい……」

提督「練習してまで漢字を書こうなんてすごい情熱だな」

提督「そうだ、なんなら来年の掛け軸とか書いてくれない?」

プリン「かけ、じく……ですか?」

提督「ほら、あんな感じのが『掛け軸』」



『 隊 逐 駆 六 第 』



プリン「ああ、あれ!え!あれ書いていいんですか!?」

提督「できたら持ってきてくれれば、あそこに飾るよ」

提督「あ、新年っぽくな?」

プリン「わっかりましたー!」バタン

提督「…………相当に張り切ってくれてるな」



プリン「できましたー!」ガチャ

提督「えっ……早いくないですかね」

プリン「みんなに教えてもらったんです!」



『 新 年 二 〇 一 五 年 』



提督「素晴らしい!」

プリン「ほんとに!?えへへ♪」

提督「ちょっとぎこちない。だがそれがいい」

提督「羊のイラストもお前らしいし可愛い」

プリン「どっちも頑張りました!」

提督「じゃあ早速だけど飾らせてもらおう」

プリン「DankeDanke!!」



◇しりとり◇



プリン「……Admiralさん、なんか暇ですー」

提督「忙しいよりはいいだろ?」

プリン「んー、そうだけど……」

プリン「なんかやることないかなぁ……」

提督「そうだなぁ……しりとりでもして暇つぶすか?」

プリン「しりと、り……?」

提督「適当な単語を言って、最後の音からまた繋げてく遊び」

提督「『ん』が最後に来たら、その人が負けね」

プリン「そんなのあるんですか!?やるやるー!」



提督「じゃあそちらからどうぞ」

プリン「最初はなんでもいいのよね?んー……ビスマルク姉さま!」

提督「ま……マックス」

プリン「す……すし!」

提督「しー……湿布!」


プリン「プリンツ・オイゲン!!」

提督「…………おい早いな」


プリン「え?……あああああ!」

提督「なんか勝ってしまった」

プリン「むぅ……もう一回!」



提督「いいぞ、じゃあ次は俺からな」


提督「長門」

プリン「陸奥!」

提督「それは同型艦だろ」

プリン「ああ、そっか!ええっと……鳥!」

提督「り……りんご」

プリン「ごま!」

提督「マップ」


プリン「プリンツ・オイゲン!!」


提督「…………」

プリン「……あああああ!!もう一回!」



───

──────

─────────

────────────



プリン「はぁ……なんでぇ……」

提督「だってそりゃ、『ぷ』で終わると毎回負けてくれるんだもん」

プリン「だって自分の名前って使いたくなっちゃうしぃ……」

提督「お前の場合はそれやったら一発でアウトだから……」


プリン「んー……よし!提督、私もっとシリト・リーの練習する!」

プリン「だからもっとシリト・リー!」

提督「切るところがおかしい」


提督「……まあいっか。オイゲンが勝つまで付き合うよ」

プリン「やったね!じゃあ私から!えっと…………」





















提督「め……メロン!」

プリン「……!!」

提督「………………あっ」


提督「あああ!!やってしまった……」

プリン「やった!私勝った!勝ったよね!?」

提督「ああ、俺の負けだ……」



プリン「やったぁ!!ビスマルク姉さまに報告しないと!」

提督(……勝っただけでこんな喜んでくれると、負けても悪い気がしないな)

プリン「提督、シリト・リーって楽しいね!もう一回!」


提督「……よし、やるか!」

プリン「やった!じゃあ次は提督から!」



◇大晦日◇



プリン「提督!そろそろ年を越すね!」

提督「あと2時間くらいか。早いもんだな」

プリン「やっぱり日本もパーティーとか花火とかで騒ぐの?」

提督「いや、そんなことはない」

提督「年越し蕎麦を食べながら除夜の鐘でも聞いてるのが一番平和的だと思う」

プリン「ソバ……?知ってるけど、ソバを食べるの?」

提督「いろんな意味があるっぽいけど、縁起物としか覚えてない」

プリン「そうなんだぁ……」

プリン「で、何を聞きながらって?」

提督「除夜の鐘な」

プリン「何それ!流行りの音楽!?」

提督「違う違う。そろそろ聞こえてくるんじゃないか?」

プリン「聞こえる……?外から?」

提督「そうそう、まあ聞いてみな」


プリン「……………………」

提督「……………………」



プリン「……なんか『ゴーン』って聞こえます!」

提督「それのこと。それでも聞きながら……」


提督「この蕎麦でも食べるのが至高」

プリン「そうなんだぁ……私もやる!」



────────────

─────────

──────

───



プリン「ああー、食べたら眠くなっちゃった……」

プリン「このジョヤの鐘も眠くなる~…………」

提督「……その調子だと起きたまま年越しは無理そうか」

プリン「絶対に無理ですぅ…………」

提督「まあ寝てる間に越すのもいいだろう」


提督「部屋に戻って寝るといいさ」

プリン「廊下で寝ちゃいそう……」

提督「…………じゃあこの部屋で寝る?布団ならすぐ敷けるが」

プリン「でもコタ・ツーから出たくないしぃ…………」

提督「典型的なダメ人間だな。……いやダメ艦娘か」



プリン「Admiralさん、もうこのまま寝ていい?」

提督「んー……どうしても無理そう?」

プリン「無理」

提督「即答……。仕方ないか、炬燵が暖かいのが悪い」

プリン「だんけだんけ……ぐーてなはと…………」

提督「風邪は引くなよー」

プリン「……すぅ…………すぅ……」

提督「……もう寝たのか」

プリン「すぅ…………んん……」


提督「…………電車とかで寄りかかってくるのはおっさんが大半だが、今回ばかりは天使だったようですね」









提督「やばい、俺も眠くなってきた……。これは起きたままの年越しは厳しいか」

提督「よし寝よう」

提督「……と言っても移動できないんだよなぁ」

提督「………………」




提督「……意見具申!このままオイゲンに寄りかかって寝てしまうのは不可抗力だと考えます!」

提督「不意に過去最高の年越しができそうだ。いい夢見るか」

投下終了


これで書き溜めてある本編は底を尽きたので、ここから番外編(夏祭りとかクリスマスとか)に行きます
そこまで人も多くはなさそうですが、一応はコンマの最大・最小の二名でリクエストを取ります(その二人と同時に過ごす)
ちなみに今回は夏祭りという設定で

時間は10時くらいまでです。本編で出てきた艦娘をリクエストしていただいても構いません

それでは失礼します

蒼龍!

ヴェールヌイ

予想以上に多くて困惑
>>190蒼龍、>>200ヴェールヌイ了解です!
なかなか見ない組み合わせですね



蒼龍&ヴェールヌイ




*夏祭り*



蒼龍「──────私たちって、こんな呑気に遊んでて大丈夫なんですか?」

蒼龍「もしこんなときに敵が攻めて来たら……」

提督「時雨、長門、武蔵、那智、飛龍、加賀」

提督「このメンバーで任せたんだが、信用できないか?」

ヴェル「…………特に長門さんが張り切ってたね。いつでも攻めてきてみろって」

提督「武蔵も言ってたな。心配するだけ無駄だって」

蒼龍「飛龍も加賀さんも、制空戦闘は得意中の得意ですから……」

提督「念のため支援艦隊も組んでおいた」

蒼龍「ああ……心配するだけ無駄ですね」

提督「うん」

蒼龍「………………」

ヴェル「………………」

提督「………………」



ヴェル「と、とにかく今日は楽しんでもいいんじゃないかな」

ヴェル「戦いは少しの間は忘れよう」

蒼龍「で、でも…………」

提督「ほら、飛龍もよく言うだろ?たまには休養も必要だって」

提督「それに、乗り気じゃないわりには随分と浴衣を選んでたようだが」

蒼龍「…………はい」

ヴェル「ふふっ」



ヴェル「────司令官、行こう?」

提督「ん、そうだな」


蒼龍「あ!」

提督「蒼龍、どうかしたか?」

蒼龍「え、あ、あの……提督と響ちゃんの手が…………」

ヴェル「………………」

提督「手?ああ、はぐれると大変だしな」

蒼龍「あ…………そ、そうですよね!響ちゃんは背もまだそんなに大きくないですし、はぐれちゃったら大変ですからね」

提督「お前もはぐれたら大変だがな」

蒼龍「わ、私はその……後ろから頑張ってついていきます」

ヴェル「…………大丈夫だよ司令官。蒼龍さんもこう言ってるんだし」



提督「そうか?じゃあしっかりとついて……来る…………」




提督「蒼龍さんどこ行っちゃったんですかね……」

ヴェル「……あ、あそこじゃない?」

提督「ん、ほんとだ!」

ヴェル「ちょっと司令官!?引っ張らないでよ!」






提督「やっぱりはぐれるか」

蒼龍「すみません……」

提督「ほら」

蒼龍「……え?」

提督「はぐれたら大変だってわかったろ?」

蒼龍「……失礼します」


ヴェル「…………」




提督「どうした、さっきから不機嫌そうな顔して」

ヴェル「そんなことないさ」

提督「あ、無理に引っ張っちゃったからかな?ごめんな」

ヴェル「…………そうじゃない」


蒼龍(やっぱりこうしてると安心するなぁ……)ギュッ

提督「ん……あ、蒼龍。もう探されないようにな?」

蒼龍「は、はいっ!」


ヴェル「…………私ももうはぐれないよ」

提督「お前はまだはぐれた経歴がないだろ」

ヴェル「じゃあはぐれてみる」

提督「悪ふざけはよしなさい」

ヴェル「でも、少しでも緩めたらはぐれちゃうね」

提督「そうならないように気を付けてる。そっちも注意してな」

ヴェル「…………了解」ギュッ



────────────

─────────

──────

───


ヴェル「司令官、なにか食べない?」

蒼龍「私もそれ思ってました」

提督「少し歩いたからな。腹も減るだろう」

ヴェル「お腹はそんなに減ってないよ」

ヴェル「かき氷くらいでいいかな」

蒼龍「あ、ちょうど屋台がありますよ!」

提督「まあ……かき氷くらいならいいか」




提督「やたらと種類が豊富になったもんだ」

ヴェル「トマト味なんてあるんだね……」

提督「なんだそれむしろ食ってみたい」


蒼龍「……私は定番でいこうかなぁ」

ヴェル「私もそうするよ」

提督「……まあ俺も定番でいくんだけどね」


蒼龍「提督はお味はどうされるんですか?」

提督「ブルーハワイ一択」

蒼龍「あ、じゃあ私も!」

ヴェル「私もブルーハワイで」


提督「なんだこの流れ」



提督「いいのか?俺に合わせちゃって」

蒼龍「せっかくだし同じ味を食べましょうよ」

ヴェル「滅多にない機会だからね」

提督「んー……じゃあブルーハワイ3つでいいか?」

蒼龍「はい!」


ヴェル「…………あ、ちょっと待って!」

提督「えっ」

蒼龍「響ちゃん、どうしたの?」

ヴェル「やっぱりこの、エメラルドパイン……って味がいいな」

提督「ブルーハワイ2つのエメラルドなんちゃらが1つ?」

蒼龍「…………あ!」


蒼龍「私も変えます!ラムネで」

提督「……結局のとこみんな別々と」

提督「じゃあ買ってくるから少し待っててくれ」

ヴェル「Спасибо」

蒼龍「はーい!」



提督「考えてみれば、みんな青っぽいの買ったんだな」

蒼龍「そういえばそうですね」

ヴェル「蒼龍さんなんて青っぽいイメージだしね」

提督「俺からすればヴェルちゃんも青っぽいイメージだが」

蒼龍「私は提督が青っぽいと思います」

提督「…………なんだみんな青じゃないか」


ヴェル「これは力を感じる」

蒼龍「特に合わせたつもりもないんですけど……」

提督「類は友を呼ぶ、ってか」



提督「じゃあこのへんで食べますかね」


ヴェル「司令官、提案なんだけど……」

ヴェル「みんな違うの買ったわけだし、それぞれ食べてみない?」

蒼龍「あ、私もそう思ってました」

提督「でもかき氷の味ってそんな違いがないらしいぞ」

蒼龍「え、そうなんですか?」

ヴェル「……私はそれでも構わないよ」

提督「それってなんか意味があるんですかね……」


提督「まあいいや。とりあえずそれぞれ食べてみようか。まずは自分のから」



提督「──────やはりブルーハワイこそ至高」

ヴェル「これは……新しいな」

蒼龍「んー!ラムネも美味しいです!」


ヴェル「司令官、私にも一口くれるかい?」

提督「いいけど、同じような味かもしれないからな?」

ヴェル「絶対にそっちのほうが美味しいと思う」


ヴェル「…………食べさせてくれる、かな」

提督「…………口開けて」

ヴェル「あー………………んっ────────」

蒼龍「…………」



提督「そんなに違った?」

ヴェル「絶対にこっちのほうが美味しいよ」

提督「そ、そうなのか……?」

ヴェル「味には出ない美味しさ、かな」

提督「なんだそれ」

ヴェル「特別だからね……♪」




蒼龍「うぅ……」



蒼龍「てっ、提督!」


蒼龍「私にも一口、いいですか?」

提督「いいけど、そんなに違うのかな」

蒼龍「物は試しです!」

提督「……はい、あーんしましょうねー」

蒼龍「もうっ、子供じゃないんですからね?」



蒼龍「……………………あーん」


提督「結局は開けるのか」




蒼龍「────────んっ……」

提督「どう?」


蒼龍「正直なところ……よくわからないです」

提督「やっぱり同じなのかなぁ」

蒼龍「あ、そ、そうじゃなくて…………」

蒼龍「そもそも味がよくわかりませんでした」

蒼龍「なんかキーンとして、頭がボーっとしちゃって……」

提督「なるほど、かき氷特有のあれか」


ヴェル「蒼龍さん、かき氷の色に見合わず顔が真っ赤だよ」

蒼龍「え!?」

提督「そういうお前も耳が赤いぞ」

ヴェル「………………」



蒼龍「提督、もう一口くれますか?味がわかるかもしれないので!」

ヴェル「わ、私もお願いしようかな」

提督「そんなこと言ってる間に、ラムネもエメラルドパインも溶けるかもしれないが」

ヴェル「司令官のブルーハワイがあればいいよ」

蒼龍「やっぱりブルーハワイがいいかなぁって……」


提督「…………俺の分は」

ヴェル「んー…………」

蒼龍「あはははは…………」

提督「ないと申すか」




提督「どうしようかなぁ」

蒼龍「提督!一口だけですので!」

ヴェル「一口くれれば満足するよ。……たぶん」

提督「…………一口ずつだからな?」




 














 結局この一口では止まらずに全部食べられた、というか食べさせたのは別の話






提督(そういえば、それぞれ食べ比べるって話はどこに飛んだんだ……?)




投下終了です
以上は夏祭りの前編となりますので、後編は明日に投下します

それではこのあたりで



蒼龍「うぅ……頭がキンキンする……」

ヴェル「少しお腹を痛めてしまった……」

提督「まあ、そうなるな」


提督「少し休むか」

蒼龍「そうしてもらえると助かります……」

ヴェル「できるなら、座れるところがいいな」

提督「座れるとこ…………このへんとか?」

ヴェル「Хорошо」



蒼龍「ああ~…………やっぱり座るのは疲れませんね」

提督「座ってて疲れるとかだったら座らないだろう」

蒼龍「ところで提督。ひとついいですか?」

提督「ん」

蒼龍「……なんで響ちゃんはお膝に?」

提督「それは俺に聞かれてもなぁ」


ヴェル「…………Хорошо」

提督「最近それ乱用してるよね」




蒼龍「響ちゃん、なんで提督の膝に座ってるの?」

ヴェル「理由が必要なのかい?」

提督「いや、俺も気になるんだが」

蒼龍「…………」

提督「…………」


ヴェル「……気が付いたらいたんだ」

提督「おかしいだろそれ……」



ヴェル「いや、い、今のは冗談だよ?」

蒼龍「…………じゃあなんで?」

ヴェル「地面は硬いし、小石もあったりして痛いだろう?」

ヴェル「でもここはそんなことはないからね」

提督「さすがに小石なんて乗っけないわな」


蒼龍「提督は大丈夫なんですか?」

提督「お?替わってくれるのか?」

蒼龍「え、いや、そういうわけでは……」

提督「まあ大丈夫だよ。重くもないし、暴れるようなこともないし」

蒼龍「あ、じゃあ私が乗っても大丈夫ですね!」

提督「いやいやいやいや!なぜそうなる」

蒼龍「だって暴れたりしませんよ?」

提督「重そう」

蒼龍「そんな率直に言わなくてもいいじゃないですか!」

提督「駆逐艦と正規空母だぞ?一目瞭然だろ……」

蒼龍「………………」



提督「てか蒼龍ってそんなこと頼んでくる子だっけ?」

蒼龍「……じ、冗談ですよ!やだなーもう!」





ヴェル「──────司令官、盛り上がってるところ悪いんだけど……」

提督「ん、どうした?」

ヴェル「そろそろ人混みでこうしてるのも恥ずかしいなって……」

提督「じゃあ降りればいいんじゃないですかね」

ヴェル「んー……別の場所ってないのかい?もっと静かなところで、穴場みたいな場所」

蒼龍「あ、それ私も行ってみたいです!」

提督「あるかなぁ…………あ」


提督「少し歩くけど、あるにはある」



ヴェル「随分歩いたうえにだいぶ暗いんだけど……大丈夫なのかい?」

提督「迷う気せぇへん地元やし」


提督「ほら、着いたぞ」

蒼龍「…………神社、ですか?」

提督「見ての通り」

ヴェル「たしかに静かだけど……」

提督「穴場要素もそろそろ来ると思う」

ヴェル「じゃあ、それまで座って待ってよう」

提督「……膝に座る気しかないだろ」

ヴェル「もちろん。それ以外どうしろって言うんだい?」

提督「普通に座るって選択肢はないのかねぇ……。なぁ蒼龍」


蒼龍「響ちゃん、替わってくれない?」

ヴェル「そ、それは…………」

提督「おい」



ヴェル「────────♪」

提督「で、結局さっきと同じと」

蒼龍「それはいいとして、何が見どころなんですか?」

提督「…………いまたぶん21時くらいだよな?」

ヴェル「フタヒトマルマルだよ」

提督「ん、やっぱり」

提督「空とか見てりゃわかるよ」

蒼龍「空、ですか?」






ヴェル「……………………!」

蒼龍「……………………!!」






ヴェル「……これは素晴らしいな」

提督「お、日本語になったな?」

ヴェル「……Хорошо」


蒼龍「提督、花火ですよ花火!」

提督「いや、それ目当てで来たからな。満足した?」

蒼龍「わぁ…………!」

提督「ご満悦のようで何よりです」



蒼龍「花火って、三式弾みたいですよね」

ヴェル「三式弾が花火みたいなんじゃない?」

提督「どっちにしろ雰囲気に合わないからやめてくれ」



ヴェル「んぅ…………」

蒼龍「あれ、響ちゃん眠いの?」

ヴェル「少し……」

提督「でもここで寝ても困るし……そろそろ帰るか?」

ヴェル「もう少しここにいたい」

提督「この神社がそんな気に入ったのね」

ヴェル「うん」

蒼龍「………………」


蒼龍「この『神社』が気に入ったの?」

ヴェル「……そ、そうだよ」グッ

提督「なんで深く座りなおすのか」

ヴェル「な、なんとなく?」



蒼龍「…………よし!」



蒼龍「提督、私もこの神社が気に入ったからもっとここにいたいです!」

提督「でもあんまり遅いと心配されるから……」

蒼龍「今日くらいはいいじゃないですか」

蒼龍「──────ねっ?」

提督「…………」


蒼龍「あ、すみませんね。肩は空いてたものですからつい」

提督「……あからさまな棒読みと」

蒼龍「そ、そんなことないですよ。やだなー」



蒼龍「それにしても、この神社は居心地いいよね!響ちゃん?」

ヴェル「そ……そうだね」

蒼龍「提督も、そうですよね?」

提督「………………この状況で悪い気がするはずもない」

蒼龍「じゃあ、朝までここに居ます?」

ヴェル「いいね。一晩くらい越せるさ」

提督「色んな意味でやばいから勘弁してくれ……」

ヴェル「色んな意味って?」

提督「い、色んな意味は色んな意味だよ」



蒼龍「じゃあそれは勘弁します。ですから、来年もこの三人で来ましょうね!」

提督「来れたらねー」

ヴェル「約束しないと朝まで居座るよ?」

提督「……………………約束します、はい」


蒼龍「決まりね!」

ヴェル「楽しみだな」




提督「────────よし、これで朝まで居るのは回避だな!」

蒼龍「え?」

ヴェル「え?」

提督「えっ……」





















蒼龍「………………冗談ですよ」

ヴェル「風邪とか引いても大変だしね」

提督「よかった…………」



蒼龍「あ、でも日付が変わるくらいまでなら……」

提督「でもここに眠いって子が」

ヴェル「眠気は飛んだよ、寝たら蒼龍さんに取られちゃいそうだし」

提督「謎の抑止力」

蒼龍「待ってたのになぁ」

提督「待たなくていいから!!」

ヴェル「……ふふっ♪」






ヴェル(やっぱり、次に来る時もこの三人がいいな……♪)




番外編の夏祭り、投下終了です
あまり見ない組み合わせに戸惑いましたが、なんとかなった……のか?


てことでもう二つくらい番外を予定してますが、次はクリスマスの設定です
案の定出てくる艦娘は決めていないので安価を取ります
基本的に>>188と同じ要領で、コンマの最大と最小の二人です。同じくこの二人と同時に過ごします

時間は少し短めかもしれませんが、7時くらいまでとさせていただきます
それではこのあたりで

おつおつ
龍驤ちゃん

鳥海

>>251龍驤、>>255鳥海ですね
たくさんのリクエストありがとうございます!

言い忘れました
龍驤&鳥海のクリスマスは、夏祭りのように前編・後編などはありませんのでご了承ください

その代わりというか、だいぶ砂糖が入る予定です
それではまた後ほど



*クリスマス*



龍驤の場合




龍驤「帰ったでー」

提督「ん、出撃ご苦労さん。寒かったろ?」

龍驤「わかってるなら出撃させなくてもええんやで?クリスマスくらい休ませてほしいわ~」

提督「……肝に銘じておきます」


提督「いやー、デイリーくらい終わらしたかったからな」

龍驤「まあええんやけど……。北方海域とかだったらストライキ起こしてたで」

提督「そこまで鬼じゃないさ」



龍驤「でも、この部屋も案外寒いんね」

提督「暖かいなー」

龍驤「はぁ!?感覚おかしいんちゃう?」

提督「暖かいなー!」

龍驤「…………炬燵に入っとるんかい!」

提督「なんだ気づかなかったのか。まあそりゃ、そこに居れば寒いわな」


龍驤「キミもこっちに来てこの寒さを味わうべきやねん!」

提督「それより龍驤が炬燵に入ればいいと思う」

龍驤「せやね」

提督「わかっててボケてるんだよな?」

龍驤「………………さ、さあ?」






提督「─────ところでさ、前から気になってたんだけど」

龍驤「ん、なに?」

提督「龍驤って、『提督』とか『司令官』とか呼ばないよね」

提督「『キミ』って呼ばれるんだけど、なんか意味あるのか?」

龍驤「んー……言われてみればそうやね」

龍驤「意味なんて考えたこともあらへんなぁ」

提督「てことは、ほとんど無意識なのか」

龍驤「せやね。言われて初めて考えたくらいに」


龍驤「……あ、もしかして呼び方変えてほしいん?」

提督「あー、いや、そうじゃない。その呼び方でもいいさ」

提督「それに、すぐに龍驤だってわかるしな」

龍驤「そっかぁ…………へへっ♪」



提督「なぜいまのタイミングで笑う……?」

龍驤「いやぁ、キミもウチのこと大切に思ってくれてるんやなぁってね」

提督「まあそれはそうだけど、今の会話で?」

龍驤「要するに、ウチのキミに対する呼び方を覚えてくれたんやろ?」

龍驤「気にかけてくれたってことやねんな?」

提督「そ、そうなる……のか?」

提督「いや、これだけ呼ばれると慣れるってのもあるな」

龍驤「…………じゃあ率直に聞くけどさ」
















龍驤「キミは、ウチのことどう思ってるん?」






提督「どうって……」

龍驤「あ、艦娘としてやないで?」

提督「……………………ノーコメントで」

龍驤「はっきりせんかい!」


提督「じゃあ逆に龍驤はどうなのさ?」

龍驤「…………ノーコメント」

提督「ほらな」



龍驤「で、でも、たぶん『ノーコメント』の意味合いはキミと同じやで?」

提督「……ほう」

提督「じゃあ、せーので同時に言ってみるか?」

龍驤「え……ええで?」

提督「よし、じゃあ……」

提督「せーの!」


龍驤「────ああ待って!!」



提督「っと…………急に止めるなよ」

龍驤「ごめんて」

龍驤「やっぱりその……恥ずかしいかなぁ?」

提督「というと?」

龍驤「え、いや……そのまま言ったら恥ずかしいねんな。同じ答えならわかるやろ?」

提督「………………」


龍驤「だから、『肯定的』か『否定的』で答えるってことでどう?」

提督「なるほど、いいだろう」

龍驤「よし来た!じゃあいくで?」


龍驤「せーの!────────」











『────────好き』






龍驤「あ……アホ!誰がそんなストレートに言え言うたねん!」

提督「は……ハモったってことはお前も言っただろうが!」

龍驤「うるさい!暑くなるから言わんでええ!」

提督「…………」

龍驤「…………」



龍驤「な、なんでこっち見るん?」

提督「……お前こそなぜだ」

龍驤「…………」

提督「…………」



龍驤「……あー、あのさ」

龍驤「隣、行っても平気?」

提督「……平気」

龍驤「ん」ゴソゴソ


龍驤「…………やっぱり、キミの隣って落ち着くわぁ」

提督「そうか」

龍驤「ずっと居たいくらいやわぁ……」

提督「……え?」

龍驤「……………………」






龍驤「ずっと居たいくらい……ね?」




鳥海の場合



提督「──────ついてきたこと後悔してるだろ?」

鳥海「そ、そんなことないです!」

提督「俺は後悔してるなぁ……なんでこんな寒いのに夜に散歩とかする気になったんだか」


鳥海「…………私は後悔してません」

提督「寒くないのか?」

鳥海「寒さを計算して防寒してきましたので」

提督「その計算結果を教えてほしかったなぁ……」

鳥海「……計算、してますよ?」

提督「お!さすがは鳥海だな。どうすれば寒さを凌げるんですか!」

鳥海「………………ん」

提督「ん?」

鳥海「手、です」

提督「手?」

鳥海「握ってみてください」

提督「…………」ギュッ

鳥海「ほら、暖かいですよね?」ギュッ

提督「…………素晴らしい計算結果をありがとう」

鳥海「ふふっ♪私の計算通りですね」



鳥海「……司令官さん、新たな計算結果です」

提督「ほう」

鳥海「私が手袋を外すといいみたいですね」

提督「え、いや寒いだろそれは」

鳥海「計算は間違ってませんよ?こうして……」


鳥海「また握れば暖かいです!」

提督「……大丈夫なのか?」

鳥海「もちろんです!」



────────────

─────────

──────

───



提督「ありがとう、おかげで凍えずに済んだよ」

鳥海「私のほうこそ、ありがとうございました」

鳥海「たぶん司令官さんがいなかったら凍えてたかと……」

提督「そこまでしてついてこなくても……ごめんな」

鳥海「い、いえ!私が言い出したことですから」


鳥海「それに、二人で外出したのは久しぶりだったので嬉しいです」




鳥海「そういえば、執務は終わっているのですか?」

提督「…………勘のいい艦娘も嫌いになれないな」


提督「終わってないんですね、これが」

鳥海「あぁ…………なのに、散歩に出たのですか?」

提督「はい……」

鳥海「……仕方ない司令官さんですね。私も隣でお手伝いしますので、一緒に頑張りましょう?」

提督「ありがとう……ありがとう……!」



提督「えー……これがこうで……ここに判を押す、と…………」

提督「次はこっちか。えー、まずはこっから……」

鳥海「司令官さん、そうじゃないですよ」

提督「え?」

鳥海「こっちからやったほうが効率的です。早く終わりましょう?」

提督「あー、そう考えればそうか」


提督「鳥海が手伝ってくれると捗るな。ありがとう」

鳥海「いえ、私も早く終わらせて……」

提督「ん、なんか予定でも入ってる?」

鳥海「あ、いえ!その……早く寝たいですから」

提督「なるほど、そのためにも頑張るよ」

鳥海「…………」



鳥海「ここはこちらから──────」グッ

提督「あ…………」

鳥海「あっ…………」

提督「相変わらず手が暖かいな」

鳥海「す、すみません!乗り出した勢いで重ねてしまって……」

提督「よくあるよくある。大丈夫だ」

提督「それより、鳥海のおかげでこれを押せば…………」


提督「っと、いま執務が終わったよ。ありがとうな」

鳥海「いえ、お役に立てて良かったです」

提督「もう寝てくれていいぞ」

鳥海「はい!そうさせてもらいます」





















提督「…………あー、あの……鳥海さん?」

鳥海「まだ何かご用がおありですか?」

提督「いや、ご用というか……なんで俺の布団で?」

鳥海「そ、それは…………」









鳥海「私たちが重ねるのは、『手だけ』じゃないと……いけませんか?」




R-18の一歩手前で止めるスタイル

鳥海&龍驤二人のやつはまたあとで投下します!
一旦はこのへんで

龍驤&鳥海の場合



鳥海「龍驤さん、よく似合っていますね」

龍驤「せやろ?ウチもこれ気に入ってるんやで!」


龍驤「なぁ、キミはこれどう思う?」

提督「龍驤が龍驤じゃないみたいだな」

龍驤「……悪い意味?」

提督「いい意味な」

龍驤「せやろせやろー♪」



鳥海「し、司令官さん!私はどうですか?」

提督「どうって、何か変わったか?」

鳥海「い、いえ…………」

提督「じゃあいつも通りだな」

鳥海「変化がなくてダメってこと……ですか?」

提督「変化がなくても素晴らしいってこと」

鳥海「そうですか……ふふっ♪」



提督「──────クリスマスなわけだけど、なんか欲しいものとかある?」

鳥海「用意していただけるのですか?」

提督「できる範囲でな。なければ要望でもなんでも」


龍驤「そんなんあるわけないでー」

提督「まあ、お前はなさそうか」

龍驤「そもそも、ウチはサンタクロースの格好してるのにプレゼントもらうっておかしいやろ?」

龍驤「格好見てから聞いてほしいわぁ~」

提督「はは、そうだったな。ごめんごめん」




龍驤「わかればええねん!」

鳥海「……ということは龍驤さん、プレゼントを配って歩くのですか?」

龍驤「え……ま、まあそうやね」

鳥海「さすがです龍驤さん!楽しみにしてますね」

龍驤「お、おう!任せてやー」



龍驤「はぁ……そういう意味は含んでなかったんやけど……」ボソッ



提督「ん、なんか言ったか?」

龍驤「ああ、ううん!なんでもないで」



提督「で、鳥海は?」

鳥海「私は……何もいらないです」

提督「そう?」

鳥海「はい!いつも貰ってますから」

提督「いつも……?俺なんかしてたっけ?」

鳥海「司令官さんは何もしていませんよ」

提督「…………?」

鳥海「司令官さんは何もしなくてもいいんです!」

提督「さっぱりわからん……」


鳥海「ふふっ……わからなくても大丈夫です」

提督「遊ばれてる気しかしない」



鳥海「ただ、お願いがあります」

鳥海「司令官さんはこれからも、みんなの……私の『司令官さん』でいてくれますか?」

提督「……もちろん」

鳥海「約束ですよ?」

提督「約束するよ」


鳥海「じゃあ私は、それで満足です!」

提督「変な奴だな」

鳥海「私の計算通りです!」






龍驤「──────あ、あのさ!」

提督「ん、どうした龍驤」

龍驤「ウチも思いついたんやけど……」

提督「ほう、どんなの?」

龍驤「あ、それが……ウチがプレゼントする側でも構わんの?」

提督「あー……お前はその格好だしな。俺はどっちでもいいけど、貰えるなら嬉しいな」


龍驤「じ、じゃあ、キミには特別なプレゼントあげるね!」

提督「特別な?」

龍驤「さすがに秘密やけど、気づかないかも知れへんなぁ」

提督「気づかない……?」

龍驤「寝てる間に気づけたらええね!」

提督「なんだオールしてりゃいいんじゃないか」


龍驤「あかんで!夜更かしするような悪い子に、サンタは目もくれないんやし」

提督「……厳しいなぁ」



提督「でも、龍驤は何も貰えないんだぞ?いいのか?」

龍驤「平気平気!キミへのプレゼントは、ウチへのプレゼントでもあるしね」

提督「なんだそりゃ」

龍驤「いいのいいの!キミは大人しく、朝まで寝てれば!」

提督「は、はぁ……」












鳥海「…………龍驤さん?」

龍驤「な、なんや?」

鳥海「随分と大胆なんですね」

龍驤「……何がやねん?」

鳥海「龍驤さんの、司令官さんへのプレゼントです」

龍驤「そ、そんなことないで!寝てる間にちょっとキスくらい────」

鳥海「……まあ、大胆ですね。ふふっ」

龍驤「う、うるさい!冗談に決まってるやろ!」

鳥海「そうですか?私の計算によると…………」






鳥海「ライバルが現れる可能性が120%あります」
























龍驤「……へ、へぇ?」

鳥海「ふふっ……♪」





投下終了
鳥海さんは随分と大胆な設定です


次で最後になりますが、最後はさらっと甘口のほのぼの系路線のハロウィンで
順番がおかしいのは気にしない方向で……

これも安価で艦娘を決めますが、今回は一人で考えているのでコンマの最小の艦娘で取ります
時間は同じく7時までです!

それではこのあたりで失礼します

乙です!

川内になりますように

最小コンマ00が出るとは思いませんでした
>>301川内、了解です!

こんな時に最大値(98)だもんねぇ…すまない吹雪、無力な僕を許してくれ…

とりま川内待機

>>307
貴方のフブキスト魂に敬礼ッ!
どういう形になるかはわかりませんが、次建てるときはなるべく無条件リクエストのオンパレードになる予定なので、見かけてもらえたらその時にでも……


川内投下します!



川内




*ハロウィン*



川内「てーとくっ!」

川内「今日もお疲れさま!」

提督「ん、川内か。お疲れさま」

提督「お前が自分から言ってくれるとは珍しい」

川内「いいじゃんいいじゃん!たまにはさ」

提督「……でもわざわざここに来るってことは、何か企んでるな?」

川内「ふふーん……そう思う?」

提督「思うから準備しておいたわけでして」

川内「準備いいじゃん!じゃあ…………」




川内「トリック・オア・トリート!」




川内「お菓子くれないとイタズラしちゃうよ?」

提督「安心しろ、お菓子なら用意してある」

川内「ちぇ、つまんないのー」

提督「お?いらないのか?じゃあ貰っとこうかなぁ」

川内「だ、誰もそんなこと言ってないって!」



川内「────────はー……んっ♪」

川内「んー!このお菓子、美味しいのね!」

提督「俺はお気に入りなんだが、食ったことなかったか」

川内「もっと早く教えてよね」

提督「はは、ごめんごめん」



提督「ところでさ、お前はその、仮装とかしないんだな」

川内「仮装?んー、面倒じゃない?」

川内「何かしてきたほうが良かったかな?」

提督「いや、そうじゃない。そもそも俺が仮装してないし」

川内「そうだよね!お菓子が美味しければなんでもいいよね!」

提督「食いすぎるなよ?」

川内「大丈夫だって」


川内「あむっ…………んー、これ止まらなくなるね!」

提督「大丈夫じゃないよな、完全に」



川内「はい提督、あーんして?」

提督「お、くれるのか!あーん」

川内「………………はむっ♪」

提督「……………………」


川内「あはは!提督、引っかかったー!」

提督「食べられると思ったのに……」

川内「提督はいつも食べてるんでしょ?」

提督「いつもじゃない、お菓子買うときはそれも買うってことだ」

川内「で、でも初めて食べたわけじゃないでしょ?」

提督「そりゃそうだ」



提督「…………お前、それを理由にしようとしてないか?」

川内「んー?なんのこと?」

提督「とぼける気か」



川内「それよりさ、このお菓子妹たちにも配ってきていい?」

提督「え、いいけど……全部?」

川内「まあ、あの子たちもこの美味しさに虜になっちゃうだろうしねー」

川内「たぶんなくなるんじゃない?」

提督「さらっと言うなよ……」


提督「まあいいか、今日だけだぞ?」

川内「さっすが提督!行ってきまーす」バタン






提督「…………意外にちゃんと『お姉ちゃん』やってるんだな、川内も」



────────────

─────────

──────

───



川内「ただいまー」ガチャ


提督「……えっ、なんですかそのカボチャ」

川内「そうそうこれね?神通がお菓子のお礼にーって」

提督「お菓子のお礼になんでカボチャ……?」

提督「しかもなんかバカみたいに大きいし」

川内「これでカボチャのお化けでも作ってくださいって」

提督「まさかの自作指令ですか」


川内「…………嫌だった、かな?」

提督「…………作りたいか?」

川内「うん!」

提督「ふふ、じゃあ作りますかね」



提督「デザインとかは川内に任せよう。俺は切り抜く」

川内「いいの!?」

提督「あんまり変なのとか複雑すぎるのはやめてくれよ?」

川内「シンプルが好きだからそこは安心していいよ」



川内「…………」

川内「…………」

川内「……よし、できた!」


提督「早いな……しかも何気に上手いし」

川内「えへへっ」


川内「これくらいは切り取れそう?」

提督「いけるいける」











提督「これで…………最後か」

川内「ねえ提督?」

提督「ん、どうした」

川内「最後のとこは、私がやってみてもいいかな?」

提督「やってみたいのか?」

川内「うん!」

提督「よし、じゃあ頼んだ。気を付けろよ?」

川内「わかってるって」






川内「ふぅ……これで切り抜きも終わりね」

提督「いい感じに仕上がったな。これなら飾っても違和感ないだろう」

川内「じゃあさっそく飾ろう?」

提督「……あ、ちょっと待った」

川内「え?」



川内「──────────!?」

提督「──────────あ、やっぱりこれ美味しくないんだ」



川内「て、提督なにやってんの!?」

提督「口元にカボチャがついてたから取ったんだよ。つまみ食いしたな?」

川内「う…………」


提督「しかもそんなに美味くなかっただろ」

川内「そ、そうだけど……」

川内「なにも拭き取ったカボチャを食べることないじゃん!」

提督「いやー、気になってたんだよね。観賞用のカボチャって美味いのかなぁって」

川内「だ、だからって……。驚くからやめてよね!」

提督「驚かせちゃったか、ごめんごめん」



川内「………………バカ……」



───

──────

─────────

────────────



提督「これでよし、と……」

提督「無事に飾れて雰囲気も出てきたかな」

川内「……そ、そうだね」

提督「まだ怒ってるのか?」

川内「お、怒ってないよ。驚いただけだし……」


川内「……それよりさっきのお菓子の続き食べようかなー」

提督「え、全部なくなったんじゃ……」

川内「私が隠し持ってたんだよ!」

提督「…………ずるい奴だ」

川内「褒め言葉として受け取るね!」



川内「あーんっ♪」

川内「やっぱり美味しいー!」


提督「あー、俺もそれ欲しいなー」

川内「だーめ!これ私のだからね」

提督「あー川内ちゃん可愛いなー」

川内「ほ、褒めても何もないよ?」

提督「あーお菓子くれないかなー」



川内「んー……どうしよっかなぁ……」



川内「あげてもいいかなぁ?」

提督「マジですか!信じてたよ川内さん!」

川内「あ、でもこれ最後の1つだし……どうしようかなぁ」

提督「そこをなんとか!」

川内「お願いするときはなんて言うんだっけ?」

提督「その最後の1つをどうかお恵みください!!」

川内「もう、違う違う!今日はハロウィンだよ?」



提督「……トリック・オア・トリート?」

川内「お菓子くれないと?」

提督「イタズラするぞ……?」

川内「ふふっ……よくできましたー」



川内「──────んっ♪」

川内「んー!ごちそうさま!」

提督「……結局くれないっていう」

川内「ん?あ、ごめんね。提督にあげるお菓子食べちゃった!」






川内「…………でも提督、さっき『トリック・オア・トリート』って言ったよね?」

提督「…………言ったな」

川内「じゃあさ……」






川内「もう『トリック』しか、残ってないんじゃない?」




全投下終了です
甘口とか予告しといて砂糖の分量を間違えました。反省はしていない

ということでこのスレは完結となります
後ほどHTML化の申請をしておきます


ここまでお付き合いいただきありがとうございました!

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