そんなある日の艦これ日和 (60)
《海上護衛任務》
『こちらタンゴマスター、ブラボー応答せよ』
吹雪「こちらブラボーリーダー」
『ブラボーリーダー、状況を報告せよ』
吹雪「現在ブラボーはクイーンダイヤを南西に航行中。予定航路上、到着予定時刻に変更無し」
『コピー。ブラボー、スカイアイからクイーンダイヤ南東にてアンノウンの報告があがっている。詳細は不明だがボギーの可能性がある。警戒せよ』
吹雪「ウィルコ。ブラボーフォーから索敵機をあげます」
『コピー。3分後にレッドキャッスルの航空支援の用意が完了する。必要ならば支援を要請せよ』
吹雪「了解」
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由良「タンゴマスター、こちらブラボーフォー。今索敵機をあげました。周囲の索敵を開始します」
『確認した。追加の情報があがった時には報告する。タンゴマスターアウト』
吹雪「こちら護衛艦隊ブラボー。ポーター応答願います」
『こちらポーターリーダー。状況は確認している。指示を求む』
吹雪「ボギーによる襲撃の可能性が予測されるためブラボーはポーターの周囲に展開し警戒体制に入ります。ポーターは進路そのままでお願いします」
『ポーターリーダー了解。進路そのまま、エスコートを頼む』
吹雪「コピー。ブラボー散開、ポーターを中心に輪形陣を展開します」
夕立「ブラボーツー了解っぽい」
時雨「ブラボースリー了解」
由良「ブラボーフォー了解です」
暁「ブラボーファイブ了解よ」
瑞穂「ブラボーシックス了解いたしました」
「あれが艦娘ですか」
「見るのははじめてだったか?」
「はい、本当に普通の女の子の姿をしているんですね」
「ちょっと違うな」
「はい?」
「とびっきり美人の女の子だ」
「……小学生ぐらいの子供までいるじゃないですか」
「まあ、そういうリアクションになるよな?だけどな、彼女らは……」
吹雪『ポーターリーダー応答願います』
「こちらポーターリーダー」
吹雪『南西から接近するボギーを発見、数は6。二分後に会敵します』
「コピー」
吹雪『ブラボーが割り込んでアプローチをかけます。ポーターはそのままの進路で退避してください!』
「分かった。護衛は頼む」
吹雪『任せてください!』
「ほら、おいでなすったぞ。まあ見てろ」
由良「構成はイ級2ホ級2リ級2」
吹雪「重巡が2隻も……?」
時雨「ブラボーの戦力だけだときついね」
夕立「赤城さんの支援要請しないとダメっぽい?」
吹雪「うん、リ級の射程にポーターが入る前に敵の足を止めないと」
『暁と時雨が先行して敵艦隊を左右に引きつける。瑞穂は水上機と長距離雷撃で取り巻きを引っ掻き回して二人のサポートだ』
吹雪「司令官!」
『由良、零偵の目をこっちにも回してくれ』
由良「はい」
『……敵は斜形陣、足並みも揃ってない。敵の足さえ止めればリ級は赤城の航空隊で潰す。出来るな?ブラボー』
吹雪「はい!司令官!」
『吹雪夕立は先行した二人の援護。雷撃の使用はそちらに任せる』
吹雪・夕立「了解です(っぽい)!」
『由良』
由良「はい」
『ブラボーではお前の火力が一番高い。とにかく敵を黙らせろ』
由良「分かりました」
『さあ、パーティータイムだ。花火を楽しんでこい』
ブラボー『了解!』
瑞穂「瑞雲をあげます!」
時雨「僕は右を、暁は左をお願い」
暁「任せて!」
赤城『こちらレッドキャッスル。今攻撃機をあげました。150秒後に攻撃を開始します』
吹雪「夕立ちゃん!私達は敵の前衛を牽制するよ!」
夕立「分かったわ!素敵なパーティータイムよ!」
由良「ポーターはやらせないから……!主砲、よく狙って!」
重巡リ級『……!!』
『遠征艦隊が帰投しました』
吹雪「艦隊無事帰投しました!お疲れ様です!」
提督「お疲れ様。報告書は今日明日であげてくれればいいから今はゆっくりしてくれ」
吹雪「はい!ありがとうございます司令官!」
提督「おう、そうだ。ほら」
吹雪「?なんですか?」
提督「ポーターからの感謝の電報だ。よければ他のブラボーのメンバーにも伝えておいてくれるとありがたい」
吹雪「わぁ……分かりました!皆にも見せてきますね」
提督「うん、お疲れ様」
「ほんとに深海棲艦を倒しちゃいましたね」
「だから言ったろ?俺達野郎連中よりよっぽど頼りになるよ彼女らは」
「そうですね……」
「……で、だ。どの娘がよかった?」
「え?」
「とぼけんなよ。海上護衛によく出てくる吹雪ちゃんと由良ちゃんはやっぱり人気あるんだけどな?俺は最近たまに見掛けるようになった瑞穂ちゃんもいいと思うんだよなぁ。鉄火場でも品のあるあの和風のお嬢様感がな?」
「あの……」
「まさかお前暁ちゃん推しか?いやいや、他のやつはどうだか知らねーが俺は否定しねーよ。可愛いよなあ暁ちゃんも、いっつも一生懸命って感じで。あの娘の妹の響ちゃんってのもこれまた可愛くてなぁ、ありゃ将来絶対美人になるね!」
「船長!荷下ろしの監督しなくていいんですか?」
「ああ、分かった分かった。ったく、ノリが悪いなぁお前」
「……俺はあの三つ編みの娘が美人だなって思います」
「お?時雨ちゃんか!お前結構いいセンスしてるな。金髪で目立つ夕立ちゃんに隠れがちだけどあの娘のしっとりした声に惚れてる野郎も多いんだわ」
「その話題は後で聞きますからとにかく仕事しましょうよ」
「船乗りのくせにノリが悪いときたもんだ。やれやれ」
《熱いお茶が恐い》
提督「子供の頃ね」
天龍「ああ」
提督「大人ってのは車に乗って仕事して酒とコーヒーを飲んでるイメージだった」
天龍「まあ、酒と車の年齢制限ってのはそうだろうな」
提督「逆にいうと大人になるとコーヒーや酒が美味しくなると思ってたんだな」
天龍「提督甘党だもんなぁ」
提督「嗜好品とはいうが何が楽しいのか僕には分からないよ。これらを楽しむ人間がいるってのは理解してるんだが、僕はこの歳になっても大人の味ってのが分からない」
天龍「直接そう言えば良いだろう。この鎮守府で一番えらいやつが嫌って言えば無理にあれこれ飲ませようなんてやついないだろ」
提督「本場のコーヒーだのあなたのために取り寄せた茶葉ですなんて笑顔で渡されたものを実は嫌いでしたなんて今更言えないよ……」
天龍「難儀な奴だな、あんた」
提督「海外艦の娘たちはどうも酒やティータイムにこだわりのある人が多くてね。断りづらくてとても困る」
天龍「あー、この前サラトガにビールすすめられた提督の顔すげー面白かったもんなあ」
提督「見てたなら助けてくれよぅ。幸か不幸か彼女は僕の顔を見てそれ以来ビールをすすめなくはなってくれたけど」
天龍「そのかわりがそれか」
提督「……ここ最近のコーヒー党の秘書艦達のおかげでこれに関してはそれほど露骨に顔に出なくなったのは幸いだったのか不幸だったのか……」
天龍「砂糖なりミルクなり入れればいいじゃねーか」
提督「グラーフがね、少し前にコーヒーは香りを楽しむものだと演説してくれてね。あの娘の顔があまりに誇らしげだったのでつい頷いて賛同してしまった」
天龍「で、あいつの意見に一度賛同してしまった手前あまりに砂糖やミルクを入れるのは不義理をしているように思えるようになったと」
提督「けして悪い娘ではないんだ。僕が苦いのが苦手といえば多分次からは甘いコーヒーを入れてくれるだろうし」
天龍「そうしないのは?」
提督「これまでアトミラールは私のせいで美味しくもないコーヒーを飲んでいたのかとか曇った顔するのが簡単に目に浮かんで気分が落ち込んだ」
天龍「流石に自意識過剰だろ」
提督「女所帯にたった一人男の上司ってのは気を使うんだよ」
天龍「ほんっと難儀な奴」
提督「あー、次は温かいお茶が恐い」
天龍「ったく、仕方ねーなぁ。このあとな、駆逐隊の奴らと間宮に冬の新作を食べにいくのに誘われてるんだ」
提督「ほう……!」
天龍「おごってくれるってんなら一緒に行くか?」
提督「行く!めっちゃ行く!」
天龍「おっし、天龍様に感謝しろよ?」
提督「天龍様最高!」
天龍「やれやれ……」
『冬の新作!ビターな大人の口溶け!コーヒーアイス!』
間宮「最近コーヒーを飲む方が増えてコーヒー豆の仕入れが増えてるんです」
伊良湖「普段コーヒーを飲まれる方にも楽しめるアイスを作れたら面白いかなぁって」
グラーフ「これは、なるほど……ふむ」
サラトガ「甘くないアイスというのも面白いですね」
提督・暁(苦っ!)
《色イロ》
時津風「しれぇってさー、性欲ないの?」
提督「しれぇってさー、提督になるとき手術で不能にされるから性欲ないの」
時津風「うそ、そんなバカな」
提督「うん嘘」
時津風「よくないなー、よくないよーそういうしょうもない嘘つくのさー」
天津風「というかいきなりなに聞いてるのよ時津風」
時津風「だってしれぇってば鎮守府唯一の男じゃん?でもそのわりに浮いた話の一つも無いのってやっぱ気になるじゃん?気にならない?」
提督「気になるよなー?」
天津風「あなたまで何言ってるのよ」
時津風「天津風は気にならない?」
天津風「そりゃ……少しは気になるけど」
提督「だよなー」
時津風「で、実際そこのとこどうなの?」
提督「無いこともないけど艦娘にはそういうの向けない」
時津風「なんで?」
提督「いや、だってそういうので艦隊運用に支障出たら困るの僕じゃない。これでも気ぃ使ってるの、分かる?」
時津風「でもうちにも絶対何人かしれぇのことそういう目で見てる人いるってーしれぇだってこの娘いいなって相手いるでしょ?」
提督「ノーコメント」
時津風「大本営だってさーケッコンカッコカリとか作ってるし絶対そういうの分かってるよー、ねー天津風」
天津風「なんであたしに話を振るのよ」
提督「よそはよそうちはうち」
時津風「そうやって誤魔化しちゃうんだー。まあいっか、あたし雪風とお昼食べてくるねー天津風も来る?」
提督「僕はこの仕事きりのいいとこまでやっときたいから行ってきなさいな」
天津風「分かったわ。それじゃまたあとでね、あなた」
時津風「何食べよっかなー。寒いからカレーもいいよねぇ」
提督「普段まるっきり子供みたいな態度なのに不意にああいうこと聞かれるとリアクションに困るんだよなぁ」
武蔵「はっはっはっ、提督よ、お前童貞だろう」
提督「うん」
武蔵「提督たるものがそれではいかんなぁ。あちこちに手を出しまくるような色ボケが司令官でも困るが童貞丸出しに女性を過剰に恐がるのも問題がある」
提督「適当に誰か部屋に呼んで合体でもしろって?冗談でしょ」
武蔵「馬鹿いえ。色街で一度女遊びでも経験したらいいんじゃないかと言ってるんだ」
提督「そういうのって年頃の女の子に知られたら軽蔑されるんじゃないかね」
武蔵「忘れているようだが我々艦娘は元々が軍艦だ。男所帯の乗組員を見てきているのだからそういうのもよく分かってるさ」
提督「ふーむ……」
武蔵「難しく考えることでもない。女所帯のストレスを泡のでる風呂で解消しに行く、そのついでにそういう話題を振られても慌てないための耐性と精神力を身に付けられるかもしれない、そういうことだ」
提督「童貞捨てると人生変わったって話はたしかによく聞くね」
武蔵「まあ私は別に今の貴様に不満は無い。相談されたから解決案らしきものを提示しただけなのだから最終的には好きにすればいいさ」
提督「いや、実は興味はあったんだ。大きな声じゃ言えないけど」
武蔵「健康的なのはいいことだな。まあ何か面白い土産話でも出来たら聞かせてくれ」
提督「よし、よし、やるぞ……!」
『本日ご奉仕させていただくアケミでーす☆』
(写真と違う!誰だこいつ……!)
『キスしますねーんまっ!ベロベロ』
(たっばこ臭っ!)
『やだー☆お客さんの体すっごくカチカチー☆』
(誰か、誰か今すぐ俺を殺してくれ……!)
『こっちも解しますねー☆』
「そこに指いれちゃらめぇ!」
提督「オンナコワイオンナコワイオンナコワイオシリイタイ」
大淀「あの、提督何かあったんですか?」
武蔵「………………ふっ、少しだけ大人になったのさ」
《ウォー》
提督「恋人がふんふふーん」
皐月「背の高いふんふふーん」
伊58「つむーじかぜーをふーんふんふーんふーん」
摩耶「なんでところどころうろ覚えなんだよ」
提督「著作権の」
皐月「問題」
伊58「でち」
摩耶「そうか、○ASRAC恐いもんな……じゃなくて、なにしてんだ?」
皐月「クリスマスの飾り付けだよ!」
伊58「睦月型の皆が沢山輪っか飾りを作ってくれたから執務室に飾るでち」
提督「いいよねぇこういうの。大人になってもこういうイベント事はわくわくする」
摩耶「なるほどな。あたしも手伝ってやるよ、あ、その前に差し入れもあるんだ。多めに買ってきてるから冷める前に食おうぜ」
提督「お、ハンバーガーだ」
皐月「わぁ!ありがとう!ね、ね、照り焼きバーガー貰ってもいい?」
摩耶「おう、好きなの選んでいいぞ」
皐月「やった!」
伊58「ゴーヤはフィレオフィッシュを貰うね」
提督「じゃあ僕は……」
摩耶「ほら、提督はこれだろ?」
提督「お、流石麻耶様。ありがとう。ちょっとグラスと飲み物出すから待ってね
皐月「美味しいね!」
伊58「マックのハンバーガーはたまに食べると凄く美味しいよねぇ」
摩耶「わかる。このジャンクな味がくせになるんだよな」
提督「深夜出歩いてるときの牛丼の匂いとかもね」
摩耶「あーあれなー。鎮守府に帰れば食事が出るって分かっててもふらっと入りそうになったりな」
伊58「どっちが美味しいかって聞かれたら間宮さんのところの料理の方が美味しいって分かってるのにねー」
皐月「ボクもミスタードーナツのドーナツとか好きでよく皆に買って帰るよ。美味しいよね、ポンデリング」
提督「僕はエンゼルフレンチが好きだったなぁ、チョコのやつ」
伊58「ゴーヤはオールドファッションかな。イムヤもたしかポンデリングが好きって言ってたでち」
摩耶「お?戦争か?ちなみにあたしもオールドファッション派だ。あの生地そのものの甘さは他の枝では味わえないからな」
提督「語るねぇ。でもたしかにオールドファッションのあののせものの少ないデザインだからこその甘さは好きな人にはたまらないね、ザ・ドーナツって感じ」
皐月「たしかにドーナツっぽいドーナツといえばオールドファッションは外せないね。でもポンデリング系のあのもちもちの食感は餅に慣れ親しんだ日本人的味覚に合致するかなり完成度の高い一品だと思うよ」
提督「うん、レギュラーメニューとして色んなフレーバーに派生を見せている現状を含めてもポンデ系のあの食感が顎にもたらす噛み締める喜びってのは他にない楽しさだね」
伊58「提督はエンゼルフレンチを語らないの?」
提督「え?だってどれも美味しいじゃない、僕は食べ物には浮気性だから……」
摩耶「こいつ……!ミスド談義をばっさり切り捨てやがった……」
提督「さて、お腹も膨れたしもう一頑張りしようか」
皐月「分かったよ司令官!」
伊58「リースとかも欲しいね」
摩耶「あ、それならあたし作れるから任せろ」
提督「さっすが摩耶様」
明石「あ、提督。賞味期限近いお菓子なんですが腐らせるのは勿体無いので一緒にやっつけてくれませんか?お茶も出しますから」
提督「(´・ω・`)」
明石「なんですかその顔」
提督「(´・ω・`)キノコか……」←タケノコ派
とりあえず書き溜めここまで
伊68「司令官ってスマホ持ってたよね?」
提督「うん」
伊68「LINEとかしないの?」
提督「ああ、なんか最近流行ってるらしいね、LINE」
伊68「じゃあグループになりましょ?」
提督「アプリ入れればいいのかな」
伊68「使い方はイムヤが教えてあげる。すっごく便利なんだから」
提督「ダウンロード中」
伊68「……まだ?」
提督「まだ」
伊68「まだかかりそう?」
提督「まだかかりそう」
伊68「ま……」
提督「2分でいいから静かに」
伊68「イムヤのこと嫌いになったの?」
提督「なんでやねん」
タンゴ『こんな感じ?』
イム八『そんな感じ』
一休『提督がLINEをはじめたと聞いて』
○ー○『聞いて』
タンゴ『はやいなおい。どなた?』
一休『うずうずするのー!』
○ー○『ふぉいや!』
タンゴ『オケー、把握。58は?』
でち公『呼んだ?』
タンゴ『あ、なるほどこれ潜水艦グループってことか』
イチバン『ラインIDを電話番号と紐付けしている上で』
ツートン『内輪だけで会話できると思っていたお前の浅はかさは』
アイドル『最高にお笑いだったぜ……』
オータムK『提督の機械音痴を消し去ってしまえー!(ピロピロピロ)』
イム八『人気者だね(笑)』
一休『イム八の鬼畜さには一休もドン引きなの』
○ー○『まさに肉食動物の檻に投げ込まれた羊…!』
デチ公『タンゴはついてこれてる?』
タンゴ『駆逐のネームシップと髪色由来の名前の駆逐と自称艦隊のアイドル(笑)とこの前冬コミの新刊落としかけて僕に泣きついた駆逐』
ツートン『やるなー』
イチバン『分かりやすさイッチバーン』
アイドル『自称とか(笑)とか酷くない!?もうカラオケ一緒に連れていってあげないからね!』
オータムK『その節は大変お世話になりまして……いやいやほんと』
○ー○『タンゴ結構タイプ早いんですね。意外です』
タンゴ『LINEはしてなかっただけだし……スマホそのものは普通に仕事で使うし……』
イチバン『でも機械音痴なのは本当ですよね?(真顔)』
タンゴ『はい……』
ツートン『え、何かあったのか』
アイドル『ややこしいの嫌いって頑なにガラケー使い続けてたりそれが壊れてヤ○ダに買い換えにいったときにスマホしか無いですって店員さんに言われて面白い顔してみたり』
ツートン『マジか、すげー見たかった』
独眼竜『それはこの前サラトガに大ジョッキのビールをお出しされた時より面白い顔だったか?』
アイドル『うーん、そこは判断の難しいところですねー』
イム八『個人的に某独乙空母の人に朝昼晩甲斐甲斐しくcoffee(流暢な英語)出されてた時の顔が一番面白かった』
デチ公『クッソ受けるでち』
ツートン『あ、じゃあこの前間宮さんとこでアカツキと一緒に凄い顔してたのは……』
一休『クッソ受けるでち』
ブリザード『素直に砂糖とかミルクを入れればいいのにって思うんですけどね』
べるたーに『ほんとにねー』
イチバン『やせ我慢イチバーン!』
べるたーに『クッソ受けるでち』
グラ子『すまなかった』
ブリザード『あ』
イム八『あ』
独眼竜『お』
ツートン『あ』
『グラ子が退室しました』
タンゴ『すまん、ちょっと行ってくる』
○ー○『おK』
ツートン『急げ急げ』
オータムK『はよ』
『タンゴが退室しました』
ブリザード『そういえばブラックコーヒーってあんまり飲む国多くないらしいですね』
オータムK『そそ、イタリアの某戦艦さんもどっさり砂糖入れてコーヒー飲んでた』
独眼竜『向こうじゃ一般的な飲み方らしいな』
べるたーに『提督の楽園はイタリアにあった的な?』
ダイヤ『そんなことより紅茶が飲みたいネー』
提督「そういえば……」
瑞穂「なんでしょう?」
提督「君は茶の湯をたてられたりするだろうか」
瑞穂「裏千家の茶道なら手習い程度には……」
提督「いや、そこまで大袈裟じゃなくていい。実は知り合いに茶道を趣味にしている男がいたんだがそいつから茶と菓子が送られてきててね。菓子はともかく茶の方はどう料理したものかと悩んでいたんだ」
瑞穂「よろしければ今からお点てしましょうか?」
提督「それは助かる。ついでに暇そうなのを何人か引っ張ってきていいかな。菓子も痛む前にやっつけておきたい」
瑞穂「はい、では瑞穂はその間に準備をしておきますね」
神風「まさか鎮守府で点茶が飲めるなんてねぇ」
扶桑「茶の湯の雰囲気もなんだか久しぶりね山城」
山城「そうですね姉様。最近忙しくてパックのお茶ばかり沸かしてましたし」
龍驤「いやいや、ちょい待ち。なんでウチがこういうかしこまった席に呼ばれとるん?ウチお菓子があるから一緒に食べよいう話しか聞いとらんで!?」
提督「あー、龍驤の茶といえばしばくって顔がリラックス効果を発揮してるわー」
龍驤「キミあとで覚えときぃや」
瑞穂「……えーと」
提督「すまん、そんなかしこまらなくていいから気楽に点ててくれ」
瑞穂「はい」
龍驤「そういえばたてるたてる言うけどなんで抹茶は淹れるやなくてたてる、なんやろな」
提督「瑞穂が今缶から掬ってるあの粉な」
龍驤「うん」
提督「あれが茶葉の粉末。あれを湯に入れて混ぜるってのがまあ所謂抹茶」
山城「色々ざっくりはしょりすぎでしょう」
提督「分かりやすいのが一番だろう。で、コーヒーや緑茶を淹れるときとの工程の違いは?」
龍驤「茶葉を湯に混ぜるかこすだけかの違い……?」
提督「そ。茶葉を粉にして湯にとかすという喫茶法そのものは中国の方から伝わったものでね。向こうで点茶、と呼ばれていたところから点てるという言葉が発生したと言われている。それが日本に伝わり飲み方の作法なんかを定めて茶道としたのがこんにちのあれ、というわけ」
龍驤「なるほどなー」
神風「司令詳しいのね。茶道は出来ないって聞いてたけど」
提督「ググった」
龍驤「自分もよう知らんかったんかい!」
提督「剣道や柔道ならまだしも茶道は好きな人間じゃないと触れる機会なんてそうそうないんだもの」
瑞穂「あの、出来ました、けど……」
提督「そうか。では頂こう」
扶桑「では提督からどうぞ」
提督「え?」
神風「一応説明しておくと作法として茶席では上客、つまり偉い人から順番にお茶に手をつけることになってるのよ」
提督「カシコマッタセキジャナイッテイッタヤーンイッタヤーン」
瑞穂「あの、分からないのでしたら細かい作法などはいいので……」
提督「ん」
瑞穂「どうでしょうか……?提督に合わせて少し工夫をしてみたのですが」
提督「あんまり苦くない?」
瑞穂「泡を多めにたてると苦味がまろやかになるんです。提督のお知り合いがくださったお茶もとてもよいものでしたので」
扶桑「瑞穂さんはとても綺麗に泡をたてるのね、これは裏千家かしら」
瑞穂「はい、本当に手習い程度なのでお客様に出すのは恥ずかしいのですが」
扶桑「そんなことないわ。ねえ?山城」
山城「そうですね姉様。略式とはいえ即席でここまで丁寧な薄茶を点てられるのは大した事だと思います」
龍驤「け、結構なお点前で?」
神風「やっぱりちゃんと点てた抹茶は美味しいわよね。私も道具こっちで揃えようかなぁ」
提督「瑞穂」
瑞穂「はい」
提督「ありがとう。美味いよこれ」
瑞穂「はい、どういたしまして」
龍驤「ウチはアイスとかチョコの抹茶の方が気楽でええなぁ」
隼鷹「そんな席あったんだったらあたしも参加したかったなぁ。ちゃんとした点茶ってそういう機会でも無いとなかなか飲む機会ないんですよね」
飛鷹「あら、じゃあ今から点てましょうか?提督が自分は使わないからって茶葉を分けてくれたのよ」
隼鷹「お、いいねぇ。龍驤さんもどうっすか?」
龍驤「遠慮しとく。茶の湯はもうこりごりや」
長波やで
下げ忘れた
許してクレメンス
《ヤマアラシ》
提督「あ」
山風「構わないで」
提督「や」
山風「放っておいて」
提督「俺嫌われてんのかなぁ……」
深雪「あ、へし折れた」
夕立「ダメっぽい」
江風「ダメっぽいな」
長波「流石に気の毒になってきた」
朝風「男性恐怖症のケでもあるの?あの子」
海風「そういうのは無いと思うんだけど……」
夕立「そもそも男性恐怖症の軍艦なんて笑い話にもならないわ」
白露「ふっふっふっ」
江風「何笑ってンだよ姉貴、気持ち悪いな」
白露「ここは白露型ネームシップ!イチバーンの姉この白露姉様が一肌脱ぐしかありませんね!」
深雪「何言ってんだこいつ」
長波「江風さんや」
江風「失敗に今度のランチ一品かける」
長波「あ、ずりぃ!」
白露「好き勝手言ってなさい。でもあなたたちはすぐに白露型ネームシップの偉大さを知ることになるわ!」
白露「や」
山風「放っておいて」
白露「ま」
山風「構わないで
白露「(´・ω・`)」
夕立「ダメっぽい」
深雪「ダメっぽいな」
江風「……ごちンなるよ」
長波「はいはい、あんま高いの頼むなよなー」
海風「……」
にゃー、にゃー
山風「はい、これお昼ご飯ね」
にゃー
山風「ふふ、可愛い……」
提督「……」
山風「……何?」
提督「外は寒いだろう、中に入れてやりなさい」
山風「いいの……?」
提督「要救助者の救援はシーマンシップの志になんら反する事はないだろう。ミルクをあっためもせずにあげるのは少しばかり心遣いに欠けると僕ぁ思うがね」
山風「そうなの……?」
提督「ああ、流石に僕も着のままで出てきたから冷えてきた。僕とその子をここで凍えさせるつもりでないなら早くしてくれ」
山風「うん」
提督「海風が温かいミルクを用意してくれている、それを飲みながらこの子のために必要な物を考えよう」
山風「ね、提督」
提督「なんだい」
山風「あ、ありがとう」
提督「……大したことじゃないさ、でもまあ、どういたしまして。次からはこういう隠し事はまず相談してほしいけどね」
村雨「やーん、カワイイ!」
時雨「まだ小さいね。何ヶ月くらいなんだろう」
江風「村雨姉ぇ、次あたしも抱っこしたい!」
提督「大人気だねぇ、彼女らの『おやつ』でデブらないように先に釘をさしておかないとダメかな」
山風「まだミルクしか飲めないよ」
提督「それもそうか。そういえばあの猫、名前はあるのかな」
山風「うん」
「オスカー!」 にゃーん
《*実在する店舗とは一切関係ありません》
エフー『クリスマスツリーの飾りつけをしようと思ったらツリーじゃなくて山風姉だった』
イチバン『今年一番ワロタ』
エフー『画像もあるよ』
べるかーぜ『ぶふぉっ、山風姉もなんで大人しく飾られてるんだい』
サミー『あ、でもこれ可愛い』
謎の村雨城『待ち受けにしましょうそうしましょう』
エフー『提督が週末市街に車出すってンでそれに誰がついてくかってポーカーで勝負したンだけど山風姉ぇてんで弱いでやんの。ビリっけつになったンで、これ、罰ゲーム』
べるかーぜ『あ、いいなぁ。提督一緒に出掛けるとごはん奢ってくれるんだよなー』
謎の村雨城『結局誰がついていくことになったの?』
エフー『時雨姉』
イチバン『あっ(察し)』
扶桑「提督、個人的な用事なのに車まで出していただいてありがとうございます」
提督「気にせんでいいさ。僕らもちょうどあっちで買いたいものがあったところだし。なあ?」
時雨「うん、そうだね」
扶桑「あら、何かしら」
時雨「オスカーのためにキャットタワーを作るんだって」
扶桑「そう、あの黒いねこちゃんの」
時雨「まだああいうのは早いって山風は言うんだけどね」
提督「子猫だって半年あれば随分大きくなるんだ。暇があるうちに準備しとくのは悪いことじゃあないよ」
扶桑「ふふ、提督もなんだか楽しそうですね」
提督「動物は好きなんだ」
時雨「最近提督はお昼になると寒いのに執務室の窓をちょっと開けるんだけど、どうしてか分かる?」
扶桑「え?どうしてかしら」
時雨「オスカーがそこを通って提督にお昼御飯を催促しにくるんだよ」
扶桑「とてもなついているのね。今度私もその時間にお邪魔してみようかしら」
時雨「すごく人懐こいんだ。扶桑もきっとあの子のことを好きになるよ」
扶桑「そう、会えるのが楽しみね」
提督「扶桑、たしかこのへんだったかな」
扶桑「はい、そこの交差点を右に進んだ先です」
提督「りょーかい」
時雨「手芸品店、何か編み物?」
扶桑「綿入れを作りたいの」
時雨「もしかして少し前に僕と満潮にくれた……?」
扶桑「ええ、朝雲と山雲が同じものを欲しがっていると満潮が教えてくれたからあの子達の分も作りたいの」
提督「最近寒いからねえ。風呂上がりなんかはあれがあると大分違う」
扶桑「よろしければ、提督の分もお作りしましょうか」
提督「え?いいの?」
扶桑「そんなに手間のかかる物ではありませんから……よければ」
提督「ありがとう、助かる。いやぁ懐かしいな、郷里を出た時以来かな」
時雨「提督、お揃いだね」
提督「そうだなぁ、袖を通すのが今から楽しみだよ」
扶桑「あの、本当に拙いものなのであまり期待はしすぎないでくださいね……?」
提督「時雨さん、時雨さん。あんなこと言ってますよ」
時雨「心配ないよ提督。扶桑は粗茶ですがって前振りしながらとんでもなくお高いお茶を出したりする奥ゆかしいタイプだから。きっととても素敵な半纏を提督に作ってくれるよ」
提督「楽しみだなぁ」
扶桑「プレッシャーをかけるのやめてぇ……」
提督「さて、少しおそいが昼を食べておこうか。何食べたい?」
時雨「二人の食べたいものでいいよ」
提督「もう、なんでもいいがおかーさん一番困るんだからねっ。扶桑は?」
扶桑「私も、提督にお任せします」
提督「しょうがないねえ。人の奢りなんだから好きなもの食べればいいのに。まあいいか。希望が無いなら僕の気になってた店に付き合ってもらおうか」
時雨「あ、ここ知ってる。最近できたイタリアンのチェーン店だよね」
提督「そ、値段のわりに結構本格的なイタリアンが食べられるって聞いてたから一度来てみたかったんだ」
扶桑「最近流行りのイタ飯というものね」
提督(なんか違うような気がする)
時雨(どこでそんな言葉を覚えたんだろう……)
提督「荷物持ちと綿入れの礼もあるから好きなの頼んでいいぞ」
時雨「ありがとう提督、じゃあ僕はトマトとモッツァレラのパスタを頼もうかな」
扶桑「私はこの、キノコとほうれん草のクリームパスタにしようかしら」
提督「ん、じゃあ注文しようか」
時雨「わ、ほんとに美味しいね」
扶桑「この値段でこんなに美味しい料理が食べられるのね」
提督「流石に評判いいだけあるなぁ。ほら、僕一人で食べると色々とオーバーしてしまうからこのピザをわけてしんぜよう」
時雨「ありがとう。うん、このピザもトマトの風味が効いてて美味しいね」
扶桑「もっと油っこいものと思っていましたけれど、意外とあっさりした味をしているんですね、とても美味しいです」
提督「だろ?ここは当たりだった」
時雨「提督」
提督「うん?」
時雨「このパスタも美味しいんだよ。一口どう?」
提督「どうって……」
時雨「ほら、あーん」
提督「おいおい」
時雨「あーん」
提督「……あーもうっ」
時雨「どう?」
提督「……なるほど、ボロネーゼとは違うんだな。ソースそのものはトマトの酸味を効かせてあっさりしてる。そこにモッツァレラチーズでパンチを加えているのか。うん、美味い」
扶桑「提督?」
提督「うん?」
扶桑「あーん」
提督「いや、流石にそりゃ」
扶桑「あーん」
提督「……」
扶桑「あーん」
提督「……ああ、単体では重くなりそうなほど濃厚なクリームソースをキノコのエキスと合わせたほうれん草の青さでアクセントを出しているのか。これも、美味い」
扶桑「ふふ」
時雨「たまにはこういうのもいいよね?今日は連れてきてくれてありがとう、提督」
提督「帰るまでが遠足だ。鎮守府に戻ったらタワーの設置も手伝うんだぞ」
時雨「勿論だよ」
朝雲「え?これ扶桑さんが作ってくれたの!?凄い!扶桑さんってこういうのも出来るのね」
山雲「とっても温かいわねー」
朝雲「お礼言いにいかなきゃ。ね、山雲も」
山雲「お、お腹が……」
朝雲「もー!」
提督「……」
扶桑「あ、ほら、ほら、欠伸をしたわ山城。可愛いわね」
山城「そうですね姉様。姉様の膝の上で寝て、きもちよさそう……」
扶桑「山城?」
山城「な、なんでもありません姉様」
時雨「誤算だったね?」
提督「そうだよなあ。そういえばこれまでもずっと誰かの膝の上にいたもんなー」
山風「だからまだ早いって言ったのに……」
提督「まあ、こんなこともあるさね」
にゃーん
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