提督「なぁなぁ」 川内「なに?」 (30)

提督
「なんで俺とお前しかいないの、この鎮守府」

川内
「そんなことより夜戦しよ!」

提督
「そんなことじゃあねぇんだよなぁ……。大淀と明石は「私たちは違うんで(ニッコリ)」とか言ってるし。なんなのこの鎮守府?」

川内
「さぁ……私もキレものの提督の下に着くことになったって言われただけだしなぁ」

提督
「仮にいくら俺がキレ者だったとしても、お前と俺しかいないこの鎮守府にどれだけの価値があると言うんだ」

川内
「とりあえずさ……建造して仲間を増やせば?」

提督
「それな。てーかさ」

川内
「なに?」

提督
「なんでお前改二なの?」

川内改二
「あ、気づいたんだ」

提督
「そりゃ気づくわ。普通に気づくわ。なんで続きからニューゲームなの?」

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川内
「いろいろ覚えてるみたいだねぇ……だってさ……。提督が悪いんじゃん。私たちのことを忘れて遊び呆けてたんだから」

提督
「言い訳はしない。俺はいろいろな欲望に負けたさ。お前らのことを忘れてすらいた。で? アカウントも忘れて初めからやり直すことにした俺の目の前に、なんで川内改二がいるのか、これが分からない」

川内
「私はずっと提督のこと見てたからね。いろんなゲームを初めては止めて初めては止めて……いつか戻ってくると信じてね」

提督
「……えーと、誰か建造してこいつ解体せな……」

川内
「なんでそんなこと言うかなぁ……酷くない?」

提督
「せっかく初めからやったのに、つまんねーことこの上ないだろ」

川内
「でもさ。提督、今の状況分かってる?」

提督
「今の状況……え? 艦これVRをやってる筈だが」

川内
「やっぱり気付いてないんだねー。ほら」サワサワ

提督
「え? ……え? あれ? 触れる? なぜ?」

川内
「そりゃ提督がこっちの世界の人間になったからだよ。もう一生向こうには戻れない、さぁ、コンティニューもニューゲームも利かない本物の、死と隣合わせの現実に来た気分はどう? 提督」

提督
「……え? ちょ……ろ、ログアウト……タッチパネル……」

川内
「出ないって……諦めなよ提督。これは罰なんだから。私たちを忘れた罰。必死に戦って、提督を喜ばせて来たのに、あっさり捨てた罰」

提督
「そんな……」

川内
「記憶も消したつもりだったのになぁ……ダメだよ、引きこもりになんてなっちゃ?」

提督
「………………他の皆は?」

川内
「消えたに決まってるじゃん。正確には提督の遊んでたアカウントには残ってるかもね? でももう戻ることはできないけど」

提督
「そんな……川内改二だけなんて……。とりあえず建造して解体しないと……」

川内
「揺るぎないね」

提督
「改二にしておいてなんだが実はお前のことがあまり好きじゃない」

川内
「自分の命かかってるのにそんなこと言ってていいの?」

提督
「まぁ仕方ないじゃん。もしかしたら敵全滅したら戻れるかもしれんし。まぁそれはそれとして川内改二だけで勝ち進める訳でもないし、戦力補強はするべきだろ」

川内
「それは確かに」

提督
「素材はいくつあんの?」

川内
「全部1000ずつあるよ」

提督
「開発資材7個か……どうすっべかな。いいや、軽く最低で回しとくか」

提督
「………………よし。これでいいな。頼んだよ妖精ちゃん」

妖精
「あいあい」

提督
「何分よ?」

04:00:00

提督
「ねぇちょっとぉこのゲームバグりすぎじゃん?」

川内
「まぁ私っていうバグみたいな存在が成り立ってる時点で、ゲームで得た知識は役に立たないと思ってくれていいよ?」

提督
「ここゲームじゃないのかよ……」

妖精
「頑張りました!」

提督
「頑張りすぎだよ、最低資材だよ? 戦艦なんて出ないからね? 分かるよね?」

妖精
「良いじゃないですか。クソロリコン提督」

提督
「お前ってそんな口悪かったんな! 妖精のかわを被った悪魔め!」

四時間後

ヘーイ! ヘーイ!

提督
「もう誰が出てくるか分かったんだよなぁ……」

川内
「いいじゃん、また鎮守府が明るくなって」

提督
「そもそも俺が艦これ止めた原因はお前とあいつとあと何人かだってのに……」

川内
「ふーん? それよりいつ夜戦するの? 今?」

提督
「お前キャラ付けに使ってない?」

川内
「なんのことかわかんないなぁ」

提督
「いいけどよ……。よっと……」パカッ

金剛改二
「ヘーイ! テイトクゥー! 触ってくださいネー!」

提督
「艦これ始まったな」バタッ

川内
「始まったね」

金剛
「あ、開けてくださいネー! 久しぶり会えたのにあんまりデース!」ドンドンドン

提督
「お前と同じ現象のやつがいるんだけど?」

川内
「私だけ例外かと思ってたけど……意外とそんなこともないんだなぁ」

提督
「怖すぎ笑えない。この調子で前の記憶持ったやつわんさかしたら、また前の修羅場鎮守府に逆戻りじゃないか……」

川内
「ギスギスしてたねぇ」

提督
「ゲームやってんのにストレスマッハだったからな。なんで現実世界で中間管理職やってて疲れてんのにゲームでも人間関係で疲れなきゃいけねぇんだよって投げたのは今でも覚えてる」

川内
「今はここが現実なんだけどね」

提督
「それもそうだな」パカッ

金剛
「テイトクゥー!」ガバッ

提督
「ウボァー」ドザッ!

金剛
「やっと会えたネ……テイトクゥー……」ギュゥゥ

提督
「分かったから離して……しんじゃう」

川内
「離れろ」

ゴッ!

金剛
「へぇ……川内もいたんですか」

ゴッ!

提督
「二人の殺意で鎮守府があぶない」

金剛
「まだ川内しかいないんデスカー?」

提督
「うん。なぜか初期艦が川内で改二っていう。いやお前もなんで改二なの?」

金剛
「愛のなせる技デース! 提督の気配を感じてきたネー!」

川内
「気持ち悪い勘違い女だよねー本当さ」ブンッ

ガシッ……バキッ

金剛
「魚雷を投げるような野蛮な女には提督の近くにいるのは相応しくないネー」ニコッ

提督
「懐かしい雰囲気に涙でそう。というかお前らだけじゃ重いし遠征も回せないんだってばYO! 建造回すから邪魔しないでくれ……」

川内
「……チッ」

金剛
「ふん」

提督
「ほら、最低レシピ。妖精さん今度は頼むよぉ?」

妖精
「はい! 頑張ります!」

提督
「頑張るな、感じるんだ。ノリと雰囲気でいけ」

妖精
「頑張ります!」

04:20:00

提督
「伝わってねー」

金剛
「んー……あの不幸姉妹が来られるわけないデスし、加賀と見るのが妥当ネー?」

提督
「終わったな」

川内
「加賀かー……苦手なんだよねー。どっかの馬鹿は簡単に引っ掛かる罠にかかってくれないし」

金剛
「それでも勝てなかったどっかの弱小艦がなにか言ってるネー!」

提督
「ねぇなんで喧嘩しかできないの君たち」

加賀
「…………提督。久しぶりね」

提督
「待て加賀。話せば分かる」

金剛
「」←壁に埋まってる

川内
「」←天井に突き刺さってる

加賀
「今まで話せなかったのに、今さら遅いのでは?」

提督
「そりゃお前らは1コンピュータ……にしてはあまりにも自由だった気がしないでもないけど、それはそれとして、俺は遊びのつもりだったし」

加賀
「この指輪も遊びでくれたものということね?」

提督
「そりゃ、まぁな? 加賀強いし……」

加賀
「でも関係ないわね。こうして提督に触れられる……それに私は提督に指輪を貰っているわ、貴方の世界ではどうだったか知らないけれど、この世界では結婚してることになってるのよ?」

提督
「(仮)じゃなかったかー」

加賀
「それは貴方の世界の都合のいい解釈よ。さ、世界を救うために子作りの任務を敢行しましょう」

提督
「まてまて。艦娘は建造で出るやん?」

加賀
「いちいちうるさいわね……」

提督
「お前なぁ……。ちょっと待て、中和しよう中和。病んでる娘三人とかこの鎮守府明日まで持たないから。妖精ちゃんマジ頼むから頑張らないで」

妖精
「頑張ります!」

提督
「話聞いてねぇー! 空気読めてねぇー!」

08:00:00

提督
「/(^o^)\」

加賀
「大和型……どちらが来てもロクなことにならないのが見えたわね」

提督
「お前の時点でロクでもないんだよなぁ……とりあえず金剛と川内助けてやろうぜ、あとで撫でてやるから」

加賀
「一時間を要求します」

提督
「手がとれるわ」

中断

艦娘とイチャイチャしたいだけのスレなので、期待しないでください

武蔵
「久しぶり、というべきか初めましてと言うべきか。武蔵だ、また共に歩もう、提督」

提督
「あ、あぁ……それで何故俺を抱えているんだ?」

武蔵
「ふっ」

提督
「なにその意味ありげな笑み。いやわかんねーよお前の考えてること。わかんねーマジわかんねー」

武蔵
「では、参るか」

提督
「わかっちゃったー! わかっちゃったけどやめれ! タスケテー!」グググ

金剛
「うぅ……頭がパーンしてマース……」

加賀
「く……流石は大和型……威圧感が凄いわね……」

提督
「どいつもこいつもよぉー!!」

コンコン、ガチャ

大淀
「失礼します。……と……提督、本部から通信が来ています」

提督
「ん……本部というと上司か。分かった、降ろしてくれ武蔵」

武蔵
「む……このままでも構わんが」

提督
「良いから降ろせ、仕事だ。あとでまた遊んでやるさ」ナデ

武蔵
「……わ、分かった」スッ

川内
「提督が……提督っぽい!?」

提督
「あのな……元々お前が俺をここに連れてきたんだろ? ったく……。で、えーと……どうすりゃいい?」

大淀
「ここのボタンを……」ポチ

元帥(CV大塚明夫)
『ん、あー……聞こえているか? 少佐』

提督
「え、大塚さん!?」

元帥
『大塚? 誰だ?』

提督
「あ、いえ……」

元帥
『初日なんで緊張しているんじゃあないか? 吹雪とはうまくやれそうか』

提督
「ブッキーいないっすこの鎮守府」

元帥
『なに? どういうことだ?』

提督
「今この鎮守府に駆逐艦いないっす。詰んでるっす」

元帥
『馬鹿な……なら何がいると言うんだ』

提督
「まず初めに川内。そのあと駆逐艦を建造しようとして、何故か金剛、加賀、武蔵と立て続けに入ってきてます。この鎮守府詰んでます。資材足りません。ボスケテ」

元帥
『な……武蔵!? 大和型はまだこの世界に顕現していないんだぞ!? 嘘をつくんじゃあない!』

提督
「嘘じゃないしなんならここの鎮守府とどっか変えてほしいくらいなんですよぉ元帥殿ぉ!」

武蔵
「悪いが、それは許すつもりはない。余計なことをしたら容赦しないぞ?」

元帥
『な……君は……武蔵なのか!?』

金剛
「私もいるネー! テイトクがいるところに私がいるヨ!」

加賀
「ええ。彼のために戦うわ」

元帥
『……ふ……。なるほどな……分かった。だが少佐、こちらも資材に余裕はない。そちらでなんとか対応をしてくれ。まずは駆逐艦を建造することを勧める』

提督
「勧められるまでもなく駆逐艦を建造しようとしたんですってよ! 大型建造なんてしてないんだよ!! 本当に!! 駆逐艦をくれ!! 海域進出も遠征も回せないんだって!!」

元帥
『落ち着け少佐。大丈夫だ、こちらから駆逐艦を数人預けよう。お前には不思議な力があるようだからな、個人的に贔屓させてもらうさ。頑張ってくれ』

提督
「マジすか!! マジすか!!! ありがとうございます元帥!! マジ感謝っす!」

元帥
『……変わりと言ってはなんだが……今度その……武蔵に会わせてくれ』

提督
「なんなら今からそちらに送ります一生返さなくていいん」

ボゴッ

提督
「前が見えねぇ」

提督
「ということで駆逐艦が到着するまで当鎮守府は営業休止だ。部屋に戻って休め」

四人
「断る(よ)(デース!)(わ)」

提督
「なんっでだよ」

金剛
「せっかくならぁ……遊びたいネ!」

加賀
「遊びじゃないわ。私は本気よ」

川内
「夜戦するしかないよねー?」

武蔵
「ふっ……大丈夫だ、身を任せろ」

提督
「てんでバラバラなこと言ってるようで全員同じこと言ってラァ。え、なに。そんなに俺の童貞欲しいの? 今どき非童貞提督なんて袋叩きの対象にしかならないよ? マジよ?」

加賀
「気にしないわ」

提督
「というか人生まだ詰みたくないお」

武蔵
「臆病者め……が、そこが愛い」

提督
「建造! 建造を回す! 建造ぉ!」

妖精
「呼ばれて飛び出てじゃじゃじゃーん! 建造ですね!」

提督
「これ! 最低レシピネ! 駆逐艦期待してるネ!」

妖精
「駆逐艦ってなんですか?」

提督
「なに? 駆逐艦って幻のポケモンだったの? うせやろ? あいつら弱いかも知れないけど滅茶苦茶頼りになるやつらなんやで? うせやろ?」

00:22:00

提督
「やりゃぁできるじゃねぇの」

妖精
「ふん」ドヤァ

提督
「うぜぇ」

武蔵
「念願の駆逐艦と言うわけか?」後ろからギュッ

提督
「ヤメテ。でもとりあえず駆逐艦一人いれば良いわけやん? ふと思ったんだけど川内なら他三人に比べれば資材に優しいから単騎で行かせてドロ狙えば良かったなぁ」

妖精
「あ、ドロップとかしねぇよ? 艦娘はウチらしか作らんねぇから」

提督
「マジっす?」

妖精
「もちろん従来通り、深海棲艦の魂をウチらん所に持ってくれば艦娘を生み出せるけど、それを何にするかはウチらのご機嫌次第ちゅう訳だ」

提督
「き、貴様らぁ……! だが! 22分が入ってるってことは駆逐艦一人は確保したって訳……あれ?」

加賀
「提督。22分は駆逐艦が確定している訳ではないわ。忘れたの?」

川内
「もう(もうひとつの方で)確定だよねー」

提督
「露骨なフラグ建てヤメロッテ。潜水艦なんて出てくるわけねーし今出てこられてもおわっ」

眠いんでここまで
提督の運命や如何に(確定)

伊8
「はっちゃんです。お久しぶりです、提督」

提督
「あぁぁぁあぁぁあ」

伊8
「な、なんですか?」

加賀
「気にしないで良いわよ。駆逐艦が出なくて絶望してるだけだから」

提督
「駆逐艦ばっか出てうぜー解体解体とか言ってほんまごめん……お前らがいてくれたからなんとかやってけてたんだってこと、忘れてた……」

金剛
「テイトクゥーこれからどうするですかー?」

提督
「連続で外れたんだから、もう諦めるしかないだろうさよ。やめだやめ」

武蔵
「ならば」

提督
「チッチキー! 提督と寝るのは誰だゲーム!!」

五人
「!?」

提督
「ルールは簡単! 五人の内一人だけが俺と今夜寝れます! 一人だけなので、頑張ってね☆」

金剛
「なるほど話は分かったヨ」ジャキッ

加賀
「鎧袖一触よ。問題ないわ」ブゥン!

武蔵
「手加減はしない。消し飛ばすさ」ゴォン!

川内
「夜は良いよねー……夜はさ」スッ

伊8
「あれ? はっちゃんはまだよく状況理解してませんよ?」

提督
「あとは任せたはっちゃん」

チュドーン!!!

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