P「もしも、やよいと伊織の立場が逆だったら」 (12)

P「という企画があるんだが、2人ともどうだろう?」

やよい「えーと、それってつまりどういう事ですか?」

P「つまりだな。やよいは伊織の家。伊織はやよいの家で1週間生活してもらうんだ」

伊織「1週間も?私の家はともかく、やよいの家に迷惑じゃないのよ」

P「それなんだが、実はすでに両家から許可は得ている。あとは、お前たちの意思次第というわけだ」

伊織「こんなときばっかり、手際が無駄に良いんだから……」

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P「で?やるかやらないか決めてもらえると助かる」

やよい「やってみたいです!普段、伊織ちゃんがどんな生活しているか気になりますし」

伊織「ま、まあやってあげてもいいわよ。見聞を広めるにはもってこいだしね」

P「素直に、やよいの生活が知りたいって言えば良いのに」(ぼそっ)

伊織「何か言ったかしら?」

P「イーエ、ナンニモ」

P「それじゃ、早速今日からスタートな」

伊織「はぁ!?今日からなの!?」

やよい「ちょっとそれはいきなりすぎるかなーって、思うんです」

P「シャラップ!流行は常に動いているんだ。今動かないでいつ動く。今でしょ!」

伊織「古いわよ、馬鹿!」

高槻家 1日目

伊織「私はやよい。私はやよい。私はやよい」スーハ―

伊織「うっうー! ただいまぁ!」ガララッ

かすみ「……」

長介「……」

伊織「……」

かすみ「何やってるんですか?伊織さん」

伊織「……今のは見なかったことにして」

伊織「おほん! それじゃあ、気を取り直して今日から1週間やよいの代わりになる水瀬伊織改め、高槻伊織よ。伊織お姉ちゃんと呼びなさい」

かすみ「はい、伊織さ……伊織お姉ちゃん」

長介「よろしくな」

浩太郎・浩司「お姉ちゃん、よろしくー」

浩三「はーい、ちゃーん」

伊織「浩三もよろしくね?」

浩三「おう、よろしくな」

皆「っ!?」

一方、水瀬家 1日目

やよい「はわわ、お部屋がとっても広いです。伊織ちゃんは、ここを1人で使ってるだなぁ」キョロキョロ

やよい「シャルルー。伊織ちゃんですよー。えと……ねー、シャルル聞いてよ!プロデューサーったらね!……伊織ちゃんならこんな感じかなぁ?」

執事「やよいお嬢様。お食事の時間でございます」

やよい「はわっ!?は、はい! すごーい、何にもしなくてもご飯が出来るんだ……」

執事「では、ご案内しますね」

やよい「ふ、ふつつかものですがよろしくお願いします!」

やよい「は、はわわわわ。な、なんですかこれ!?」

執事「仔牛の赤ワイン煮込みになります」

やよい「仔牛!赤ワイン! そそそそれって、すっごく高いんじゃないんですか?」

執事「ご心配なく。水瀬家にとっては、さしたる額ではありません」

やよい「はー、これがぶるじょわ……伊織ちゃんって、凄い贅沢してたんだなぁ。……あ、美味しい」

執事「お気に召していただけたようで何よりです」

やよい「……あ、あの!これって、まだありますか?出来れば、タッパに詰めて妹たちのお土産にしたいんですけど」

執事「それは難しいでしょうね。そもそもタッパというものがありませんので」

やよい「そう……ですか」

執事「くぅっ!?」ドキーン

執事「だ、誰か! やよいお嬢様の為にありったけのタッパを!今すぐだ! それと、高槻家へ配達するバイク便のチャーターもだ!」

使用人達「りょ、了解しました!」

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