蓮「科学部でクリスマスを」【カガクチョップSS】 (16)

微妙に早いクリスマス便乗企画です。
前回書いたもの→蓮「2人の沙衣」【カガクチョップSS】 - SSまとめ速報
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科学準備室

蓮「ハアー…」

沙衣「どうしたんだい?」

蓮「世間はすっかりクリスマスだっていうのに…」

蓮「アンタは相変わらずこんな所で実験してるのね」

沙衣「実験にクリスマスも正月も関係ないからね」

沙衣「そういうキミこそどうなんだい?わざわざ来なくても…」

蓮「アンタをクリスマスにひとりにさせるのもかわいそうでしょ?」

沙衣「盛本くんがいるけど?」

盛本「いますー」

蓮「う…」

沙衣「もしかして…」

沙衣「ひとりで寂しいのはキミの方なんじゃ…?」

蓮「うっうるさいわね!家族がいるわよ!」

蓮「クリスマスっていうのは!本来家族が一緒に過ごす日なの!悪い!?」

沙衣「あーはいはい」

蓮「ちょっと!哀れむような目で見ないでくれる!?」

沙衣「まあそういう訳で、実験にクリスマスは関係ないけど」

蓮「はぐらかされた…」

沙衣「去年のようにクリスマスにピッタリな発明をしてみたよ」

蓮「出来れば去年みたいなのは勘弁して欲しいわね…」

沙衣「まずはこれ」

蓮「モミの木の苗木?」

沙衣「そう」

沙衣「クリスマスと言えばクリスマスツリーだけど、ちゃんとしたサイズの物は結構な値段がするだろう?」

蓮「確かに、クリスマス一日だけのために用意するものとしては高いかもね」

沙衣「それで、安上がりな方法を思いついた訳なんだ」

沙衣「この新発明の超強力栄養剤『スグノビール』をこの鉢に差すと…」

蓮「安易なネーミング…」

ニョキニョキニョキニョキ…

蓮「わっ!?」

沙衣「あっという間に大きいクリスマスツリーが作れるんだ」

沙衣「ただ…」

グイーン!

沙衣「成長が早いから屋内だとすぐに切らないと屋根を突き破っちゃうんだよね」

蓮「天井が壊れる!壊れる!」ミシミシ

蓮「ええい!!」バキャッ

メキメキメキ!バサーッ!

蓮「つ、疲れた…」ハアハア

沙衣「とにかくクリスマスツリーは用意できたと」

蓮「普通に市販品買った方がいい気がしてきたわ…」

盛本「私、クリスマスツリー用のオーナメント持って来てるんで、飾り付けしておきますね」

沙衣「それと、クリスマスパーティー用に食べ物も用意してみたよ」

蓮「なんか嫌な予感…」

沙衣「日本ではクリスマスにチキンを食べるけど、本場では七面鳥を食べる方がより一般的だって事は知ってるかい?」

蓮「ハリウッド映画とか見てるとそういうシーンをよく見かけるわね」

蓮「でも日本で七面鳥なんてそうそう手に入らないわよ?」

沙衣「そこでこの『ターキースプレー』の出番というわけさ」

蓮「何よそれ?」

沙衣「これは市販の鶏肉にスプレーするだけで本格的な七面鳥の味に変わるスグレモノさ」

蓮「え…」

沙衣「なんだい?」

蓮「なんていうか、すごく…、普通の発明ね…」

蓮「なんか拍子抜けしちゃった」ハア

沙衣「普通で悪かったね」ムカ

沙衣「まあいいか、盛本くん」

盛本「はい!」

沙衣「ここにあるスプレーをかけたチキンとかけてないチキンを食べ比べてみてくれないかな?」

盛本「わかりました、いただきます!」ヒョイパク

盛本「…」ムシャムシャ

盛本「…」ヒョイパク

盛本「…」ムシャムシャ

沙衣「どうかな?」

盛本「えっと…」

盛本「七面鳥食べた事無いので違いが良くわからないです…」

沙衣「そりゃそうなるよね」

蓮「わざわざ本場のクリスマスに合わせなくてもいいんじゃないの?」

沙衣「そう言うと思って、日本風にクリスマスケーキも用意してみたよ」

蓮「へえ、普通に美味しそうなケーキに見えるけど…」

蓮「どうせこれも何かの発明なんでしょ?」

沙衣「もちろんさ」

沙衣「クリスマスの次の日にケーキが投げ売りされているのを見た事があるだろう?」

蓮「んー…そういえば」

沙衣「もったいないとは思わないかい?」

蓮「仕方無いんじゃない?クリスマスケーキなんて生だし季節ものだし」

蓮「原価も安いらしいし?」

沙衣「でも、本来の価格で売れなかった事には変わりがないし、投げ売りしたって売り切れない分は捨てられてしまうよね」

蓮「そうなるんじゃないの?よく知らないけど」

沙衣「実はこのケーキの生地やホイップクリームには新開発の防腐剤を混ぜてあるんだ」

蓮「防腐剤?」

沙衣「だいたい一年くらいは常温保存可能になるよ」

蓮「怖っ!?」

沙衣「要するに、次のクリスマスまで持たせられればまた元々の値段で売れるという訳さ」

蓮「ケーキが一年間も常温で保存可能なんて…」

蓮「そんなモノ食べて本当に大丈夫なんでしょうね…?」ブルブル

沙衣「少なくとも腐りはしないよ?」

蓮「いや、そういう問題じゃないでしょ…」

蓮「やっぱ付き合ってられないわ…」

蓮「帰る」

沙衣「いいのかい?」

蓮「何が?」イラッ

沙衣「見ての通り、今年一年の慰労会を兼ねて、科学部でささやかなクリスマスパーティーをやろうと思っていたんだけど…」

蓮「えっ…」

盛本「よかったら一緒にどうですか?」

沙衣「どうせ暇なんだろう?」

蓮「暇じゃないわよ!?」

沙衣「そうか、家族と過ごすんだったね…無理にとは言わないよ」

沙衣「それじゃ、盛本くん、こっちで始めるとしようか?」

蓮「ま、待った!」

沙衣「ん?」

蓮「あ、いや、まあ」

蓮「べ、別に参加してあげてもいいけど?」

蓮「今年も一年間お世話になったし?」

沙衣「素直じゃないねぇ…」ニヤニヤ

蓮「パーティーなら人が多い方がいいと思っただけよ!」

沙衣「はいはい」

蓮「ちょっと!?」

盛本「シャンメリーとグラス持って来ました!」カチャカチャ

沙衣「じゃあ、改めて始めるとしようか」

沙衣「今年も一年お疲れさま」

盛本「来年もよろしくお願いします!」

蓮「め、メリークリスマス!」

沙衣・蓮・盛本「かんぱーい!」ガチャン!

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蓮「ホラ、見なさい…やっぱり、このケーキ…」

盛本「…」

沙衣「…」

蓮「言わん…こっちゃない…」ガクッ

~おわり~

以上です。お読みいただきありがとうございました。
今回書くはずだった盛蓮ネタはまた(機会があれば)次回にでも書けたらいいなあと思います。
盛蓮に限らず全般的にもっと百合百合させたいです。あとカヅホ先生らしい狂気分ももっと足したい…
あー早くカガクチョップ2巻出ないかなぁ…

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