神「暇だし、世界を回る」 (95)

「う……ぅん……しょっ!」

短い眠りだった、最近間隔が短い気がする。

「あ、神様、起きましたか?」

おや、従者君は不眠不休でも大丈夫で羨ましいね。

彼女が眠ったのはもう思い出せないほど昔に思えるよ。

「うん、まだまだ眠いけどね」

私がスロースターターなのは君がよく知っているだろう?

「早く起きちゃってください、ご飯が冷めてしまいます」

「……メニューは?」

「トロトロ半熟エッグトーストとコーンポタージュで……」

前言撤回。

「早くしよう、冷めてしまっては大変だろう?」

そんなご飯があるなら早く言ってくれればよい物を。

「あ、まだ出来てないんですよ?」

後ろから何か聞こえるな、まぁいい、ご飯だご飯。

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さて、ご飯ごはっ!?

なんだい、この……ダークマターっぽいの。

でも従者君が失敗なんて珍しいなぁ。

まぁいい、味は大丈夫だろ……う……

あれぇ?何でだろうなぁ?いしき……が……と、お……

「神様!それは炭です!」

なんだ、おなかが空きすぎただけか。

「従者君、トロトロ半熟エッグトーストは?コーンポタージュは?」

「だから、さっき出来てないって言いましたよね」

「あらら」

仕方がない、気長に待つか。

そんなこんなで出来上がった物が食卓に並び……

「それじゃあ、いっただっきます!」

「はい、召し上がれ」

ふむふむ、やっぱり卵には塩胡椒がよくあうね。

コーンポタージュも随分濃厚で、寒い朝には欠かせないね。

「それで神様……」

「ふん?」

まぁ、起きたからには聞かされるんだろうけどさぁ。

「まず、神様が眠っている間に新たに3つの世界が生まれ、4つが寿命を迎えました」

「はいはい」

「こちらが資料です」

「どれどれ」

あらら、あそこは寿命だったか。結構美味しいものあったんだけどなぁ。

「寿命を迎えた文化に関しては保護しておきましたが、いかがなされますか?」

「あぁ、いいよいいよ、人生一期一会だからね」

「分かりました」

ふぅん、新しい3つねぇ……お、この世界は大丈夫かな。

うぅ、でもなぁ、食文化は期待できないなぁ。

こっちは平均的、何回か見たことあるパターン。

となると、残り一つは……

「新しく出来た3つの内……」

「うん、わかってるわかってる、これは後でつぶしておくとしよう」

ほっといたら周りに影響が出ちゃうからなぁ、ガンみたいだ。

「えぇ、よろしくお願いします」

「さて、私は少しきゅうけ……」

「では、その右手に持っているグラスと左手のぶどう酒の瓶を置いてください」

ばれたか。仕方がない、我慢するか。

「それでは、私は仕事に戻りますね」

「うん、お疲れさまでしたぁ」

しかし暇だなぁ。眠気覚めちゃったし。

ぶどう酒は持ってかれちゃったしなぁ、どうしようかなぁ。

「!?」

そうだ、別のとこで飲もう。

「じゃあ従者君、行ってくるね!」

「はいはい……ってどこ行くんですか!?」

おや、上から何か聞こえるな、まぁ、幻聴だろう。

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