日向「異世界でファンタジー!?」 (190)


久々ss

ネタバレキャラ崩壊長い注意

前書いたの
苗木「無人島でサバイバル!?」

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日向「どうしてこうなった・・・」


見渡す限り木、草原、山、あと良く分からん生き物。人はいない。体が大きく揺れていたようで気持ち悪い。気が付いたらこうなっていた。何が起きたか整理しよう。あれは少し前に・・・?


===================


ピロリロリン

七海『日向くん、メールが届いたよ?』


日向「ん?誰からだ?」


七海『えーと、狛枝くんだね。』


日向「狛枝から?珍しいな、読み上げてくれ。」


狛枝『やぁ日向くん。希望ヶ峰学園本学科への編入決定おめでとう!これで君も超高校級の相談窓口として希望の仲間入りだね!』


狛枝『そんな君に渡したいものがあるんだ!このあと暇だったら会えないかな?返事待ってるね!』


日向「あいつ・・・、予備学科時代はめちゃくちゃ俺に厳しかったのに掌返しやがったな。」


日向「でもまぁ、プレゼントか?悪い気はしないな・・・。暇だし、会いにいくか。」

ポチポチ

ピロリロリン


七海『送信したよ。』

・・・・・・・・・
・・・・・・
・・・


日向「えっと、待ち合わせはここだよな。」


狛枝「こんにちは日向くん。」


日向「よぉ狛枝。んで、なんかくれんだって?」


狛枝「うん、これさ。僕があげられるものなんて本当につまらなくて死ぬほどしょうもない物かもしれないけど、いらなかったら捨てていいからさ。改めて、本学科への編入おめでとう!」


日向「お、おう。ありがとう。」


日向「えっとなになに?ジャバウォック島ペアチケット・・・えぇ!?」


日向「お、おまっ!これどうやって手に入れたんだ!?」


狛枝「はぁ・・・。ゴミのような僕なんかのゴミのような才能なんて、忘れられても仕方ないけどさ・・・」


日向「ま、まさか懸賞か何かで当てたのか?すごいな・・・」


狛枝「実は前に下の学年の生徒達がジャバウォック島旅行に行って素敵な体験をしたらしいんだよ!」


日向「なるほど、だからこのチケットを当てようとしたのか・・・」


日向「ん?というかペアってことは俺とお前の2人で行くのか?」


狛枝「はぁ?そんなわけ無いでしょ。調子に乗らないでよね君はまだ正式に希望ヶ峰学園の生徒になったわけじゃないんだから。」


日向「」


七海『といってもあと学園長と面談して手続きするだけだよ?』


狛枝「ん?どこかから声が・・・」


日向「あ、あぁ。俺のスマートフォンだよ。アルターエゴがインストールしてある。」


狛枝「なるほど今のは七海さんか。」


七海『まったく。狛枝くんは日向くんに対する態度が不安定すぎるよ。』


狛枝「まぁまぁ、さっきのは冗談で・・・」


日向「本当に冗談だったのかよ・・・」


狛枝「誰と行くかは日向くんが決めなよ。小泉さんなんかはついて来てくれるんじゃない?」


日向「な、なんで小泉が出てくるんだよ・・・」


狛枝「あれ?じゃあ罪木さんかな?」


日向「別に女子とペアじゃなくても・・・」


狛枝「ま、とにかくそれは好きにしていいよ!それじゃ!」


日向「・・・あ、狛枝!」


狛枝「なぁに?」


日向「ありがとうな!」


狛枝「・・・」


狛枝「・・・ふふ!どういたしまして!」











???「・・・クスクスクス!」

・・・・・・・・・
・・・・・・
・・・

日向「にしても誰を誘うか・・・」


日向「両親に渡そうとも思ったけど、せっかく俺が貰ったものを別の人に使わせるのは狛枝に失礼だよなぁ。」


日向「左右田・・・あいつ乗り物酔いに弱いしな・・・」


日向「九頭龍・・・辺古山が怒るか?田中も・・・ついて来てくれなさそう。」


豚神「全員で行けばいいだろう。」


日向「それが一番いいんだろうけど出来れば苦労は・・・って。」


豚神「俺が導いてやる!」


日向「うわぁ!?豚神!?いつからそこにいた!」


豚神「さっきだ。何を驚いているんだ愚民め。」


日向「い、いや急に現れたから・・・。というか、え?なんだって?」


豚神「何度も言わせるな愚民。俺が導いてやると言った。」


日向「あ、え?ちょっと待て。なんでこのこと知ってるんだ?」


豚神「西園寺が言いふらしていたぞ?」


日向「なんであいつが知ってるんだよ・・・」


日向「それにお前が導くって、どういうことだよ。」


豚神「お前、俺が誰だか分かって質問しているのか?俺は十神財閥の御曹司、十神白夜だぞ!」


日向「偽物じゃないか・・・」


豚神「俺の十神財閥の力をもってすれば、お前ら全員を旅行に連れていくことなぞ雑作もない!」


日向「頼むから犯罪だけはするなよ・・・」


豚神「いや実は最近クロサギ業をやっていてね。詐欺旅行会社を1つ乗っ取ることができたんだよ。」


日向「クロサギ?」


七海『詐欺師を騙す詐欺師のことを言うらしいよ?』


日向「へぇ!すごいじゃないか!」


豚神「ふっ!この俺に出来ない事などない!十神の名にかけて!」


日向「お前十神じゃないけどな。」


豚神「まぁそういう訳だ。その旅行会社の経営権を十神財閥に譲渡することと引換に、俺は旅行がし放題なのだ。」


日向「おお!なるほどさすが!ありがとう!」


豚神「だからみんなで旅行をするぞ!異論は認めん!」


日向「当然異論なんてないぜ!」


七海『良かったね日向くん!』


豚神「ふんふふーん♪」


日向「はは!みんなで旅行か!楽しみだな!」

・・・・・・・・・
・・・・・・
・・・


日向「えーっと、集合場所は空港のここら辺・・・」


左右田「おーい日向!こっちだこっち!」


日向「お!おはよう左右田!」


九頭龍「お前本学科に編入すんだろ?やったじゃねぇか!」


辺古山「予備学科自体あまり公にはされていないが、今回が初の事例らしい。さすがだ。」


日向「はは!ありがとうな!」


左右田「にしても豚神にも感謝だぜ!お前がいなけりゃおいてけぼりくらうところだったしな!」


豚神「ふ!この程度当たり前だ!」


西園寺「あれー?でも私が教えてあげなかったら誰も行けなかったんだよー?」


日向「いや、別に隠すつもりはなかったよ。」


小泉「そうよ、それに盗み聞きなんてしちゃダメでしょ?」


豚神「盗みは犯罪だ、許されない。」


九頭龍「ったく、犯罪なんて最低だな。」


辺古山「全くです坊ちゃん。」


西園寺「これっぽっちも説得力がねぇんだよ!」


小泉「ね、ねぇ日向?日向はこれでよかったの?」


日向「うん?どういうことだ?」


小泉「だ、だから・・・もしかしたら2人っきりで行きたい相手とかがいたら・・・と思って・・・」


日向「んー、いや。特にそういうのはないぞ。やっぱり旅行はみんなで楽しみたいし!」


小泉「そ、そう・・・」


日向「あ、あれ・・・?」


狛枝「はぁ・・・。日向くんにはがっかりだよ。」


日向「狛枝。もしかしてこういうのまずかったか?」


狛枝「いや、こんな僕みたいな価値のない人間が、希望の象徴と一緒に旅行できるなんて幸運すぎてゾクゾクするんだけどさ。」


狛枝「君のヘタレっぷりには呆れを通り越して、絶望・・・いや残念って感じかな?」


日向「はぁ?」


小泉「ちょ、ちょっと!何言ってんのよ!」


狛枝「日向くん・・・僕は君に期待してるんだよ?この旅行中、僕を裏切らないでね?」


日向「あ、あぁ・・・」(どういうことだよ・・・)


七海『相変わらず分からないなぁ狛枝くんは。』


小泉「狛枝の言うことなんて気にしなくていいんだからね?日向。」


日向「あぁ、ところで他のやつは?」


左右田「もうすぐ着くって連絡あったぜ?」


澪田「うっきゃー!創ちゃーん!おはようございまむ!」


罪木「お!おはようございます日向さん!」


花村「いやー遅れてごめんね?」


日向「そんなに待ってないぞ。」


九頭龍「お前ら揃って何してたんだ?」


田中「魔界への転移に備え生贄と儀式を執り行っていた・・・」


ソニア「さすが世界に誇るジャパニーズエアポート!いろんなお店があるんですね!」


終里「もえがはまごしあえしえあんあお」


弐大「口の中のもんを飲み込んでから喋らんかいバカタレがァ!」


終里「ムグムグ・・・ゴクン。オレが腹ごしらえしてたんだよ。」


花村「僕もここの料理を見定めたかったしね!」


日向「あーなるほどな。」


罪木「あ、あの日向さん!」


日向「うん?」


罪木「あの・・・そのですね・・・」


西園寺「何言ってるか聞こえないよー?ま、ゲロ豚の言葉なんて聞こえたところで分からないけどねー!」


罪木「ひうぅ・・・」


小泉「こら!日寄子ちゃんそんなこと言ったらダメでしょ!?」


西園寺「ぶー」


日向「大丈夫だぞ罪木。ちゃんと聞くから。」


罪木「あの・・・ほ、本学科への編入!おめでとうございみゃふ!」


罪木「あうぅ・・・噛みました・・・」


西園寺「うわー!ダサっ!」


日向「・・・おう!ありがとうな!」


罪木「えへへ///」


終里「そういえばそうだったな?なんてったっけ・・・えーっと・・・」


弐大「超高校級の相談窓口じゃったのう!いやー日向らしい!」


田中「ククク・・・貴様もついに内に秘めた力の覚醒に成功したか・・・」


日向「そんな大それたものじゃないけどな。」


ソニア「いえ!とっても素敵だと思いますよ!」


澪田「そんな創ちゃんに唯吹から1曲プレゼント!!聞いてください・・・ふわふわ時
九頭龍「やめろ!!」


七海『日向くん。そろそろ時間だよ?』


辺古山「なら行くか。乗り遅れては行けない。」


九頭龍「そうだな。お前ら迷子になんなよ?」


左右田「酔い止め飲まねぇと・・・」


ソニア「田中さん!ハムスターは飛行機に乗れるんですか?」


田中「ふっ!ただの人間が破壊神暗黒四天王を抑えつけることなど出来ぬからなぁ!俺様が側にいなければならない!」


狛枝「ペットは別料金だよ。」


田中「なん・・・だと・・・!?」


罪木「えへへ///日向さんのためにいろんなお薬持ってきました!胃薬に解熱剤・・・気持ちよくなるお薬・・・///」


九頭龍「待てコラ!それは持ってけねぇやつだ!」


小泉「みんなー!乗る前に写真取らせてよ!」


花村「待って!髪型整えるから!」


澪田「うひょー!なんか修学旅行を思い出すっす!」


豚神「前に出すぎるな!俺が映らない!」


西園寺「お前はもう十分なくらい映ってるんだよ豚!」


豚神「なん・・・だと・・・!?」


弐大「糞じゃああぁぁぁ!!!」


左右田「今かよ!急げ!」


辺古山「ん?終里がいないぞ!」


日向「あいついつの間にかあの店で飯食ってやがる!」

ヤイノヤイノ


七海『まとまりないなぁ・・・ふふふ!』

・・・・・・・・・
・・・・・・
・・・


受付「パスポートを・・・」


豚神「・・・」スッ


日向「お、おいまさかそれ・・・」


受付「ありがとうございます。」


豚神「・・・」ニヤリ


日向「マジかよ・・・」


左右田「うっひょー見ろよ日向!あの飛行機!くーっ!いかすぜ!」


日向「酔いは大丈夫なのか?」


左右田「・・・」ズーン


日向「マジかよ・・・」


狛枝「飛行機1本で行けるけど、6時間くらいかかるから頑張ってね左右田くん!」


左右田「うっ・・・!」


小泉「追い討ちかけてどうすんのよ・・・」


ソニア「田中さん!隣に座りましょう!」


田中「あ、あぁ///」


左右田「・・・」バタン


終里「おい!左右田が死んじまったぞ!?」


罪木「ひっ、ひぃ!蘇生術を!」


弐大「心臓マッサージじゃあぁぁぁ!!!」ズン!


左右田「んぐほぉあ!!」


澪田「やった!生き返ったっす!」


西園寺「そのまま死んどけば良かったのにー。」


花村「隙あれば人口呼吸してあげたかったのにー。」


左右田「お前ら俺の扱い雑すぎやしねぇか!?」


九頭龍「ひでぇなこりゃ・・・」


・・・・・・・・・
・・・・・・
・・・

ぶおおおぉぉぉぉぉ・・・


左右田「うおぉぉぉ動き出した!このエンジン音!たまんねぇ!」


日向「なんだ復活早いな。大丈夫なのか?」


左右田「もちのろんだぜ!罪木から酔い止めさらに2つ貰ったし弐大から酔い止めのツボも押してもらった!」


狛枝「超高校級の保健委員とマネージャーの希望の力によって、乗り物酔いという絶望を乗り越えようとしてるんだね!素晴らしいよ!」


左右田「うっせうっせ!お前のそういう言い回し聞くと気分が悪くなんだよ!」


日向「やれやれ・・・」


『 皆様、おはようございます。本日はゼツボー航空をご利用くださいまして誠にありがとうございます。この便の機長は・・・』


狛枝「はぁ?なにこの不愉快な名前の航空会社は。選んだの誰?」


豚神「俺だが・・・、お前が日向に渡したチケットと同じ飛行機になるように選んだんだぞ?」


狛枝「あ、じゃあ僕か。最悪なミスをしてしまったね・・・」


左右田「頼むから不安にさせないでくれ・・・!」


・・・・・・・・・
・・・・・・
・・・


左右田「・・・」プルプル


日向「・・・左右田・・・・・・」


狛枝「うーん外を見てご覧よ日向くん。」


日向「・・・。」


モクモク ゴロゴロ


日向「少し天気悪いな・・・予報ではこんなことなかったのに・・・」


狛枝「やっぱり僕なんが超高校級のみんなと旅行に行くなんておこがましすぎたかな?」


狛枝「大きい幸運のあとには大きな不幸が訪れる・・・。ふふふ!ゾクゾクするね!」


日向「勘弁してくれ・・・」


ゴゴゴウンッ!


日向「うわぁっとと!」


左右田「うプッ!」


日向「ひぃっ!?」


『お客様にお伝えいたします。只今天候が急に悪化したため。機内が大きく揺れることがございます。緊急時には頭を低く保ち・・・』


小泉「・・・なんだか怖くなってきた。」


終里「そうか?なんだかワクワクしてきたぜ!」


田中「ふん・・・空を統べる神の気まぐれに巻き込まれたか・・・」


西園寺「ほんっと馬鹿なことしか言えないんだね!墜落したらどうすんのさ!」


ソニア「そんな!悪い冗談はよしこちゃんです!」


ピシャアン!!


西園寺「ひぃっ!?雷!!」


『お客様にお伝えいたします。天候の悪化のため、近くの空港に急遽着陸することとなりました。ご予定をお持ちのお客様には大変申し訳なく・・・』


弐大「そんなに悪いんか・・・ま!そんなこともあろう!」


豚神「ごめんみんな・・・僕が時間を決めたばかりに・・・」


九頭龍「弱気になってんなよ豚神!んなもん誰も予想できねぇしいい経験になるじゃねぇか!」


辺古山「ふ!さすがは坊ちゃん。こんな時にも一切動じずにいるとは!」


罪木「そ!外!外見てみてください!」


日向「外?」


ズモモモモモ・・・


日向「なんだありゃ!?」


ソニア「球状の・・・台風?」


辺古山「ブラックホールのようにも見えるが・・・」


七海『大変だよ日向くん!』


日向「七海!あれはなんだ!」


七海『分からない・・・けど。すごい磁場みたいなものが渦巻いて・・・る・・・ガ・・・』


日向「七海!?」


七海『気を・・・ガー・・・そ・・・あぶ・・・ビガピー』


日向「く!磁場ってなんだよ!?うわぁっ!」


グラァン!


左右田「あぶぶぶぶ・・・」



九頭龍「おい!この飛行機、あの黒いやつに引っ張られてねぇか!?」


辺古山「坊ちゃん!私に捕まってください!」


『緊急事態発生!緊急事態発生!頭を低く保ちシートベルトを着用してください!上から降りてくる呼吸器を引っ張・・・きゃあ!』


花村「うわぁぁぁ母ちゃあああん!!!」


狛枝「ふふふ!これぞまさに・・・」


狛枝「絶望だね!」


===================


日向「そうだ・・・飛行機に乗ってて・・・」


日向「なんだここ・・・見たことないぞ?」


スライム「ピキー」


日向「・・・」


七海『スライムだ!』


日向「うわぁっ!?ビックリした!」


七海『日向くん大丈夫だった?』


日向「あ、あぁ。スマホも無事か・・・良かった。」


日向「それよりなんだ?スライム?」


七海『うん。あれはスライムだと思うよ?・・・多分。』


日向「いや・・・たしかにそれっぽいけど・・・。はぁ・・・混乱してきた。」


狛枝「少なくともここは日本ではなさそうだね。」


日向「うわぁぁぁ!?」


狛枝「や!日向くん。」


日向「や!じゃねぇよ!突然出てくるなよ!」


狛枝「ごめんごめん!僕もビックリしてるのさ!この状況に。」


日向「はぁ・・・とりあえずお前も無事で良かった。他のみんなは?というかここは?」


七海『それが・・・ここは全く電波が存在しないみたいなんだよ・・・。』


日向「え?」


七海『どんなに田舎でもこれだけ開けた土地だし、左右田くんに改造してもらった日向くんのスマートフォンなら衛星からの電波を受け取ることができる。』


七海『でもここはその電波らしきものは何もない。だから他のみんなも現在地も特定できないんだよ。』


日向「そんな・・・!?」


狛枝「それにあれを見てよ。」


スライム「ピキー」


狛枝「あれはなにかな?」


七海『スライムだよ!』


日向「・・・」


狛枝「それは架空の生き物でしょ。」


七海『でもRPGでよく見るあれにそっくりだし。それとも新種の生き物ってことかな?』


日向「・・・よく見るとそこら辺にいるんだけど。」


スライムA「ピキー」

スライムB「ピッキ!」

スライムC「プルプル」


狛枝「これだけいて今まで認知されないってことあるのかな?」


七海『考えられる可能性としては、ここが完全に前人未到の地、ってことと。ここがいわゆる架空の世界・・・つまり?』


日向「よし!夢だな!狛枝!俺の頬をつねってくれ!」


狛枝「えい!」ツネリ!


日向「いだだだだだ!!!」


日向「・・・」ヒリヒリ


狛枝「夢じゃなさそうだね。」


日向「ここが・・・異世界ってことか?」


七海『そうとしか考えられないよ。』


スライム「ピキー!」


日向「信じないぞ・・・」


狛枝「僕さ、目が覚めたらすでにここに転がってたんだよね。日向くんも?」


日向「あぁ、俺も気がついたらここにいた。」


七海『とりあえずみんなを探そう?日向くん歩ける?』


日向「・・・あぁ。」


狛枝「七海さん。方角とかは分かるかな?」


七海『えーっと・・・、うん。磁場が少しだけ受信できたよ。さすが左右田くんが改造したスマートフォンだね!』


七海『南があっち・・・だと思うよ?』


日向「どっちに向かう?超高校級の幸運よ?」


狛枝「あはは、頼られるなんてこと初めてだよ!こんなゴミみたいな才能でも役に立てられればいいけどね・・・」


狛枝「よいしょっと・・・」枝コトン


狛枝「向こうかな?」


日向「適当だな!」


狛枝「いやいや、僕を頼ったのは日向くんじゃないか。それにほら。僕の名前には枝の字があるでしょ?」


日向「関係あるのか・・・?」


狛枝「それにアニメでも、たずねびとステ
七海『狛枝くん黙っててもらえるかな。』


日向「まぁいい。どうせあてもないんだし、歩きだそう。」

・・・・・・・・・
・・・・・・
・・・

日向「はぁ・・・それにしても。これからどうしよう。」


狛枝「・・・」


日向「ここが異世界だとして、俺たち以外に人はいるのか?他の奴らもここに来てんのか?元の世界には帰れるのか?」


七海『日向くん元気出して?超高校級の相談窓口が後ろ向きじゃダメだよ。』


日向「そうは言うけど・・・」


狛枝「はぁ。頼むから僕をガッカリさせないでくれよ。君の希望はそんなものなの?」


日向「でたよ・・・。飛行機に乗ってあのブラックホールみたいなものに飲み込まれて。まるで状況が分からないんだ。ここで不安にならないやつの方がかえって危ないだろ。」


狛枝「その絶望的な状況を乗り越えてこその希望じゃないか!君はその希望の象徴に仲間入りするんだよ!?自覚はないのかい!?」


日向「ねぇよそんなもん・・・」


狛枝「・・・残念だよ。」


ギニャアアアァァァァァ!!!


日向「ん?今なんか・・・」


狛枝「悲鳴だね。」


七海『人がいるのかもしれないね。』


日向「行くぞ!」


ダダダダダ…


左右田「来るなぁ!来るな来るな来るなあぁぁぁ!!!」ブンブン


ミニゴブリン「あぁん!?んあぁ!?」


狛枝「あの黄色いつなぎにあのビビりっぷり。」


日向「スパナ振り回してるってことは・・・」


七海『左右田くんしかいないね。』


日向「とにかく助けよう!おーい!」


左右田「ひぃっ!?ひ、日向ぁぁぁ!!」


日向「あっちいけ!シッシッ!」


ミニゴブリン「おぅ!?あぁん?んぁ?」


狛枝「なんて言ってるの?」


七海『さぁ?』


左右田「そうだ!あっちいけ不細工!」


ミニゴブリン「あぁん!?おうおうおう!!」


日向「怒らせんなよ!」


左右田「言葉伝わるのかよ!」


ミニゴブリン「いやぁぁぁ!!!」ブン!!


日向「やめろ!!」ペシン


ミニゴブリン「ヘブゥ!?」


ミニゴブリン「ヒーン!!」スタコラサッサ


狛枝「逃げたね・・・」


日向「思わず叩いちまった・・・」


左右田「うおぉぉぉ日向ぁぁ!!会いたかったぜぇぇぇ!!!」


日向「やっぱりお前も来てたのか・・・」


狛枝「とりあえず状況を整理しよう。」

・・・・・・・・・
・・・・・・
・・・

左右田「はぁ!?異世界!?ありえねぇだろ!」


日向「まだ分からないから歩き回ってるんだよ。」


狛枝「でもさっきのあの生き物さ・・・」


七海『ゴブリンかな?小さいからミニゴブリンってことで。エロゲーでもたまに出るし。』


左右田「え、エロゲー・・・?」


日向「それは置いといて・・・。とりあえず、先に進もう。狛枝も結構アテになるな。」


狛枝「照れるね!」枝コトン


狛枝「あっちに行こう!」


日向「よし、いくか。」


左右田「待て待て待て!え?行くの?おおーい!!」

・・・・・・・・・
・・・・・・
・・・

七海『チャ~チャラッチャラッチャラリ~♪』


左右田「七海はなんでそんなに機嫌いいんだよ・・・人工知能の癖に・・・」


七海『BGM要らなかった?』


日向「やっぱりゲームのBGMか・・・。もしこれがゲームの世界ならまだ良かったんだけどな・・・」


狛枝「村とかがあるといいね!」


七海『あ!モンスターだ!チャラリラリラリ~!』


巨大ねずみ「ヂャース!」


左右田「脳天気にも程があんだろ!」


日向「うっわ!気持ち悪いな!シッシッ!」


巨大ねずみ「ヂュー!」スタコラサッサ


狛枝「逃げた。大きくてもネズミだね。」


七海『なんだぁ、RPGのようにはならないんだね。』


左右田「あんなのと本気で戦うなんて無理だろ!手とか噛まれたら指くらい持ってかれそうだぞ!?」

ヌゥン! オリャア! フン!

日向「・・・」

狛枝「無理じゃない人もいるね。」


左右田「あ・・・!あ!あいつらは!」


終里「は!手応えねぇなぁ、このネズミ食えねぇのか?」


九頭龍「んなもん食ったら腹壊すぞ。」


ソニア「それにネズミをいじめると権力に殺されると聞きました!」


左右田「うわぁぁぁお前らぁぁぁ!!!ソニアさぁぁぁん!!!」


九頭龍「左右田!日向に狛枝も!生きてやがったか!」


左右田「良かっあぁぁぁ!!!お前らがいりゃ命の心配はいらねぇぜ!!!」


終里「おお!他のみんなは!?」


日向「いや・・・見つかってない・・・」


九頭龍「そうか・・・。ここがどこだか分かるか?」


終里「嗅いだことのねぇ空気だ・・・、それにピリピリしてやがんだよ。」


日向「それも・・・分からん。異世界かもって。」


終里「はぁ!?なんだそりゃ。」


ソニア「異世界って、マンガやゲームにあるあれですよね?」


七海『そう!ゲームにあるあれだよ!』


狛枝「それにしても心強い人達に会えたね!」


日向「やっぱりここは異世界なのか・・・?」


日向「・・・クソ!飛行機の他の乗客達は大丈夫なのかよ!?」


左右田「心配すんなよ日向!きっと他のやつも無事だって!」


九頭龍「お前はもっと深刻になれねぇのか・・・。なんなんだよこのバケモン達は。」


ソニア「とりあえず皆さんいればもう安心ですね!これからどうしましょう!」


日向「狛枝。」


狛枝「うん。」枝コトン

・・・・・・・・・
・・・・・・
・・・


終里「・・・ん?」クンクン


九頭龍「どうした終里。」


終里「食いもんの匂いだ!うおぉぉぉ!!」ダダダダダ


九頭龍「待て!勝手に行動すんな!」


日向「食べ物の匂い?」


左右田「つーことは?」


九頭龍「村かなんかがあるってことじゃねーか!?」


ソニア「わお!さすが狛枝さん!見事に当てましたね!」


日向「終里の鼻は結構信用できるからな!間違いないぞ!」


狛枝「いやぁ!僕なんかの力じゃここまでこれなかったよ。みんなの希望が集まったからさ。」


子供「あれ?お姉さんたち誰?」


母「変わった格好ね・・・。異国の旅人さんかしら?」


終里「なぁ!飯ねぇか飯!」


母「な!?何よ急に!坊や!家に戻るわよ!」


終里「あ!ちょっと待ってくれよ!頼む!」


九頭龍「いきなりビビらせてんじゃねぇよボケが!」


幼女「うわーんあのお兄ちゃん怖いー!」


九頭龍「・・・」


左右田「な、なんだこの村?田舎ってレベルじゃねぇーぞ!」


七海『RPGの最初はこんなもんだよ!』


ソニア「ここは私にお任せください!旅人が歓迎されるノウハウを熟知しております!」


狛枝「へぇ!頼もしいね!」


ソニア「では日向さんは助さん、狛枝さんは格さんで!左右田さんはうっかり八兵衛です!」


日向「予想できたな。」


長老「おやおやお困りですかな旅の人。」


ソニア「控えおろう!」ビシ!


長老「はいぃ!?」


日向「やめろ!えーっと・・・なにから話していいか・・・」


長老「おや・・・?あなたどこかで見たことが・・・?」


日向「はい?いやそんなはずは・・・」


ソニア「ボケてしまったんですか?」


日向「ちょっと黙ってて!」


狛枝「実は僕たち、遠いところから来て道に迷ってしまったんです。それで行くあてもなくさ迷っていたのですが・・・」


長老「ふむ。そういうことなら家に来なさい。部屋が余っていますぞ。」


日向「いやあの!俺達お金がないんですが。」


長老「ほっほ!お金などとりませんよ!この村は人が少ないが豊ですから。」


九頭龍「すまねぇ、この恩は必ずかえす。」


終里「え?マジか!飯くれんのか!?」


左右田「頼むからお前は遠慮って物を覚えろよ!」

・・・・・・・・・
・・・・・・
・・・

長老「この村はギナエ村といいましてな。特に何もない平凡な田舎です。」


日向「素敵な所ですね!」


長老「ほっほ!ありがたいですな!」


九頭龍「なぁ、俺たちは本当に田舎モンでよ。ここのこと何にも分かんねぇだ。細けぇ質問をたくさんしちまうが、いいか?」


妻「いいのよー?この人の頭に刺激与えてあげてね!」


終里「おのめひふへぇうへぇな!」


妻「え?」


終里「むぐむぐ・・・ごくん。この飯すげぇうめぇな!」


妻「うふふ!ありがとう!」


長老「まず・・・旅人さん達はどこからいらしたんですか?」


日向「えっと、日本の東京ってところからです。」


長老「ニホン?・・・トーキョー?婆さん地図持ってきてくれ!」


妻「はいはい。これですよ。」


長老「えーとニホンニホン・・・」


日向「あ!あの!地図見せてもらってもいいですか?」


長老「えぇどうぞ。」


日向「なんだよ・・・!これ!?」


九頭龍「っ!?」


終里「あん?オレが知ってんのと違ぇぞ?」


狛枝「疑念が確信に変わったね。ここは間違いなく・・・」


左右田「異世界・・・!?」


長老「え?」


七海『日向くん、その地図をスキャンさせて。』


日向「・・・っ。」


長老・妻「「ひえぁ!?」」


長老「な!?なななな手鏡に人が!?」


妻「喋ったわよ!?」


日向「ああいやぁ!これは手鏡ではなくて!」


長老「は!?まさかあんた・・・!」


左右田「な、なんだよ・・・」


長老「伝説の勇者ですかな!?」


全員「!?」


妻「ま!間違いないですよ!その頭のトンガリ!手鏡の中の妖精!古文書に載ってました!」


日向「え!?俺!?」


七海『私妖精になっちゃったよ。』


ソニア「これはびっくらこきました!日向さんは勇者さんだったんですね?」


日向「そんな馬鹿な!」


長老「こここここれはとんだ御無礼を!どうかお許しください!」


ソニア「頭がたかーい!」ビシ!


妻「ひぇぇ!」


九頭龍「待て待て!話を聞け!」


・・・・・・・・・
・・・・・・
・・・


長老「い、異世界・・・ですかな?」


日向「はい・・・」


長老「にわかには信じられませんが・・・」


日向「俺達もです・・・」


妻「ありました。教会にあった古文書です。」


終里「なんだこりゃ、日本語じゃねーな?」


七海『日向くん、これもスキャンして。音声言語が同じだから簡単に翻訳できそう。』


日向「あぁ、頼む。」


長老「魔界より絶望が押し寄せし時、希望の勇者とその仲間の15人によって世界に未来を与えた。」


長老「と、書かれております。」


七海『古い絵だけど、確かにこの勇者は日向くんっぽいね。』


左右田「マジかよ・・・この妖精って七海そっくりじゃねぇかよ・・・」


狛枝「これまたファンタスティック!この15人っていうのも、意味がありそうだね!」


ソニア「旅行のメンバーですね・・・」


終里「なぁ、この絶望ってなんのことだ?」


長老「さぁ・・・。なにせ古い本ですから。災害とも疫病とも捉えられますが・・・。」


九頭龍「続きはなんてある?」


長老「いえ、これが最後です。元々この物語は、平凡な青年が旅をして人と出会い、仲間を増やしていく話ですから。」


日向「平凡なって・・・うーん。」


日向「・・・今起きている、絶望ってなにかありますか?」


長老「え?」


日向「根拠はないけど、その絶望ってのを俺達でどうにかしなきゃいけないような気がする。」


左右田「お、おい日向?まさか本気か?」


狛枝「僕もその意見に賛成だね。」


狛枝「だって考えてもみなよ。異世界に僕たちが揃って来ること自体がすでに奇跡なのに、こんな本まで出てきて。」


狛枝「これは偶然かな?」


九頭龍「チッ!」


狛枝「それに、希望が大きな絶望に立ち向かって未来を切り開くなんて!なんて素晴らしい話なんだ!これぞまさに僕が見たかった希望そのものだよ!」


終里「まーたそれかよ。」


長老「しかし絶望と言われましても、最近は平和そのものですよ?」


ソニア「魔王とかはいないんですか?」


長老「魔王・・・。これは別の伝説なのですが・・・、ここからずっと南へ行ったところに島があります。そこで魔王の墓があるとかなんとか・・・」


狛枝「なら決まりだね。」


日向「あぁ。」


九頭龍「日向!?」


左右田「おいおいおい嘘だろ!?」


七海『いいじゃん。他に何もやることないんだから。』


左右田「いやいやいや!お前外のモンスター見たろ!?どんな危険があるか分かんねぇんだぞ!」


ソニア「えぇい黙りなさい!」ビシ!


左右田「はいソニアさん!」


終里「魔王ね、やってやろうじゃねぇか!」


七海『目標ができたね。地図の細かい部分もスキャンできたから、明日は一旦北東の街に行こう。』


長老「え!?あの・・・!」


日向「俺達は元の世界に帰らなきゃいけないんです。なんも手掛かりはなかったけど、少しだけ希望が見えたきがします。」


狛枝「ふふふ!それでこそ超高校級!」


長老「・・・それでしたら、1週間後、街から行商人がこの村に来ます。お金を払えば乗せてもらえるでしょう。」


長老「お金を渡すことは出来ませんが、仕事なら紹介できます。それに外へ行くなら武器もいるでしょう。」


日向「何から何まで・・・ありがとうございます。」


九頭龍「しょうがねぇ!ここでじっとしてるよりましだな!」


左右田「マジかよ・・・」


ソニア「うふふ!楽しみです!」


左右田「ですよねソニアさん!」


終里「なんだこいつ。」

期待

前作見たよ
妖精・・・羽虫・・・ピリカ・・・うっ頭が・・・

期待

・・・・・・・・・
・・・・・・
・・・

小泉「ちょっと!なんとかしなさいよ!男の子でしょ!」


花村「うわーん!そんなこと言ったってー!」


ベビーパンサー「グルルル・・・」


豚神「チッ!せめて食べ物でもあれば気をそらせるのだが・・・」


辺古山「あぅ・・・あぅ・・・」


豚神「唯一戦える辺古山が猫に萌えてしまっている!どうする!」


小泉「猫なのこれ!虎じゃないの!?」


花村「こんなの見たことないよー!?」


豚神「逃げるしかなさそうだ!小泉!カメラはあるな!?」


小泉「あ、あるけど・・・」


豚神「フラッシュで目くらましだ!その隙に逃げるぞ!」


小泉「う、うん!」ブワッ!


ベビーパンサー「ニャ!?」


辺古山「あぁ!?なんてことを!」


花村「逃げるんだよぉー!」


・・・・・・・・・
・・・・・・
・・・

辺古山「す、すまない・・・。猫に目がくらんでしまった・・・」


小泉「ペコちゃんは悪くないよ。情けない男子が悪いんだから。」


花村「うぅ・・・」


豚神「ごめん・・・僕が旅行に巻き込んだばかりに・・・」


小泉「そ、それはしょうがないかな、うん。」


花村「これからどうしよう・・・」


小泉「もう!しっかりしてよね!」


辺古山「しかし、ここがどこだか分からないしな・・・坊ちゃんは無事だろうか・・・」


豚神「なによりあの怪物が襲ってくることが厄介だ。」


辺古山「こんな棒では心許ない・・・せめて竹刀があれば・・・。」


小泉「と、とりあえず歩こうよ!他に人がいるかもしれないよ!」


花村「で、でもぉ、また変なのに襲われたりしたら・・・」


小泉「ほらさっさと歩く!」


花村「ひぃん!もっとなじってぇ!」


豚神「ふん・・・この俺様が励まされるとはな・・・」


・・・・・・・・・
・・・・・・
・・・


花村「ここ、道ができてるね!」


豚神「つまりここに沿っていけば街があるかもしれん。」


辺古山「おそらく先程の化け物もでてこないだろう。」


小泉「はぁ、よかった・・・」


テクテクテク


小泉「それにしても、ここはどこなの?」


花村「どっかの、ヨーロッパとかの・・・」


豚神「いや、あんな動物がいるなど聞いたことがない。おそらくどこか未開の地では?」


辺古山「どういう経緯でそこに着くのだ。私達は飛行機に乗っていたはずだ!」


小泉「・・・」


小泉「・・・そのことなんだけどさ・・・」


小泉「あの黒い塊・・・写真に撮ったんだけど・・・」


3人「!?」


豚神「これは・・・!」


辺古山「塊の周りの空間が歪んでいる!?」


花村「え?え???」


小泉「こんな写真撮ったことない・・・」


花村「あの・・・光のブレとかじゃなくて?」


豚神「これは・・・そうだな、例えるなら・・・時空の歪み。」


辺古山「ではここは異空間・・・?いや、異世界というわけか?」


花村「なんなのそれ!?そんなことってあるの!?」


小泉「分かんないわよ!」


豚神「だがそれ1つで説明がついてしまう。」


ガラガラガラ…


行商人「ん?そこの旅の人!なんか買ってかないかい?」


花村「あ!人だ!馬だ!ここは普通の世界なんだ!」


行商人「ん???」


小泉「あの!ここってどこですか?」


行商人「どこって・・・キリリギの街とノイゾマの街の間だけど・・・」


辺古山「聞いたことないな・・・」


豚神「なんという国だ。」


行商人「はぁ???あんたら田舎モンか?ここはダンロン王国だよ。」


小泉「ダン・・・ロン・・・?」


花村「どこそこ!ねぇどこなの!?」


豚神「黙れ愚民!おいそこの商人。」


行商人「あ?」


豚神「今俺達は訳あって一文無しだ。それに右も左も分からないほど迷っている。」


豚神「恩は必ず返す。ここから1番近い街に連れていけ。」


行商人「はぁ?一文無し?はっ!話になんないね!他所を当たってくれ。」


小泉「ちょっと!こっちは本当に困っているのよ!」


行商人「商人は金にならないことはしねぇのさ!そんなに困ってんなら身体で払って貰おうか?」


小泉「な!?」


花村「払います!身体で払いますからぁ!」


行商人「野郎にゃ興味ねぇよ!」


豚神「そうか・・・残念だ。辺古山。」


辺古山「うむ。」


小泉「え!?ペコちゃんそんなこと!」


辺古山「良いのだ、そこで見ていてくれ。」


行商人「ほう、悪くないな。嬢ちゃんが払ってくれるのかい?」


辺古山「私が?違うな。払うのは・・・」


辺古山「貴様の命で、だ。」スッ・・・


行商人「な!?」


辺古山「いくら貴様でも、命がなければ商売にはならんだろう?」


行商人「・・・はっ!なめんなよ!?」


行商人「こちとらこの筋で10年やってんだ!モンスターにも盗賊にも慣れっこだ!でてきてくれ!」


ばばば!


傭兵A「仕事か。」

傭兵B「やれやれ物騒な世の中だぜ。」

傭兵C「・・・すまんな。」


花村「ひぃぃ!?」


行商人「やっちまってくれ!」


豚神「・・・ふ。」


辺古山「丁度いい。私も武器が欲しかった。」

・・・・・・・・・
・・・・・・
・・・

辺古山「・・・」チャキ


傭兵B「ぐっ・・・!あんた、何もんだ!」


辺古山「ただの迷子さ。」


豚神「上出来だ辺古山。」


小泉「ペコちゃん!よかった!」


花村「かっこいい!抱いて!」


辺古山「さて、そういうことだ。あとは分かるだろ?」


行商人「・・・っ。クソっ!好きなもん取って気やがれ!」


豚神「いらん。さっきも言ったはずだ。街へ連れてけ。」


行商人「・・・」


行商人「・・・それだけでいいんだな?」


豚神「そうだな・・・。加えるなら、この世界の情報と、俺らの行為は無かった事にしろ。」


行商人「・・・ちっ!乗りな!」


小泉「あの、大丈夫?傭兵さん。」


傭兵A「いってて・・・、見事な峰打ちだぜ。」

傭兵C「だから言ったろ?最初っから乗せてやりゃよかったんだって!」

傭兵B「だがあいつの腕は本物だぜ。剣士かなんかだろ?」


小泉「まぁ、そんなところ?」

・・・・・・・・・
・・・・・・
・・・

行商人「は?異世界?」


豚神「俺も信じられないが、そうとしか考えられない。」


行商人「確かに見慣れねぇ格好だが・・・。そんなこと言うやつ初めてだぜ?」


傭兵B「外で丸腰でフラフラしてるような奴らだ。田舎モンでもそんな奴いない。」


傭兵A「なぁ嬢ちゃん。あんたら金ないんだろ?だったらしばらく傭兵やってみないか?」


辺古山「傭兵?なるほど・・・」


傭兵A「俺らもプロだが、3人がかりでも勝てねぇ相手なんて初めてだ。あんたの腕なら王の護衛も出来るかもしれねぇ!」


辺古山「確かに魅力的な話だ・・・。だが、私の主は生まれた時から1人と決まっている。傭兵にはなれない。」


傭兵A「そうかい、そりゃ残念だ。」


豚神「だが金が無いのは困る。何か簡単な仕事はないか?」


行商人「今向かっているノイゾマの街には有名な舞台がある。いわゆる女優激戦区。金がよく回る街だ。」


豚神「カメラ・・・いやダメだな。現像する手段がない。となると花村の料理だな。」


豚神「おい商人。お前のこの店を貸せ。」


行商人「はぁ?」


豚神「安心しろ、必ず利益はでる。俺らはほんの少し金を貰えればいい。」


行商人「待て!何をするつもりだ!」


豚神「この中の食材と、あと調理機器が少しあればいい。花村出来そうか?」


花村「うーんそうだねぇ。見たところ乾燥肉とイモ類が多いから、スープかシチューが作れるかな?」


豚神「十分だ。おい、ノイゾマで1番人気の女優の名前と、商品の値段を教えろ。」


行商人「いいけどよ・・・ていうか飯屋を開くつもりか?ノイゾマには俺の本店があるから在庫は増やせるが、本当に大丈夫なのか?」


豚神「ふ、俺を・・・いや、僕を誰だとおもってる?」


詐欺師の人「超高校級の詐欺師さ。」

・・・・・・・・・
・・・・・・
・・・

小泉「ね、ねぇ本気でやる気?」


豚神「当然だ。」


小泉「こ、こんな際どい衣装・・・アタシには似合わないよ!ペコちゃんの方が・・・」


豚神「辺古山は笑顔が苦手だし、別の役割がある。それにお前も十分似合ってるぞ。」


花村「うんうん!似合ってるよ小泉さん!」


小泉「うぅ・・・」


豚神「あとは化粧をして完成だ。」


ガチャ


辺古山「着替えてきたぞ。おぉ!可愛いじゃないか小泉!」


小泉「ペコちゃ・・・!?だ、男装!?」


辺古山「うむ。」


豚神「少し女性らしさを残しているところがポイントだ。これで役者は揃った。あとは・・・」


花村「こっちは任せてよ!見たことない食材ばっかりだったけど、全部味と性質を把握したよ!」


行商人「こっちもOKだ。本当に任せていいんだな?」


豚神「当然だ。俺が導いてやる!」


・・・・・・・・・
・・・・・・
・・・

街人A「あれ?こんなところにお店あったっけ?」


街人B「なにこのやっつけで作った感じ、喫茶店?」


街人C「なんか書いてあるな。えーっと・・・」


『最強アイドル、サヤカに宣戦布告!?新人ツンデレアイドルまひる!イケメンアイドルペコ!』


街人A「サヤカに宣戦布告って本気か!?」


街人B「ツンデレってなに?あとイケメンアイドルっておかしくない?」


街人C「あ、でも・・・すごくいい匂いが・・・!」


街人B「値段・・・載ってないな。メニューは・・・」

『スパイスの辛味のツンのあと!それを癒す甘いフルーツのデレがくるフルーツカレー!』

『まひるちゃんの愛情たっぷりオムライス!』

『危険な香りと甘いセリフ!?ペコのコーヒー!』


街人A「なにこれ・・・アホみたいな名前・・・」


街人B「伝わるような伝わらないような・・・」


街人C「気になるね・・・。入ってみる?」



まひる「い、いらっしゃいませ・・・!」


ペコ「いらっしゃいませ」


街人A「あの娘がまひる?地味な子だね。」


街人B「ソバカスあるし胸もないし、あれでサヤカに宣戦布告かよ・・・」


街人C「それにあのお兄さん、無愛想だしなんかあんまり男らしくないな・・・」


まひる(ぐっ・・・!ガマン!ガマンよ・・・!)


街人A(あ、泣きそう・・・)


まひる「・・・っ!」プイ! ゴシゴシ


街人A(あ・・・カワイイ///)


ペコ「ご注文は?」


街人C「え?あっ・・・えーと、うん?」


ペコ「・・・?」


街人C「お、女の人・・・?」


ペコ「ふ・・・。そうだが。」


街人C「よく見たらめっちゃキレイな人だ///」


街人C「えっと!じゃあ・・・あ、値段載ってる・・・げぇ!?」


街人C「た、高い・・・」


街人C「どうしよう・・・いまさら店出れないし・・・」


街人C「じゃ、じゃあ1番安いこの・・・」


ペコ「危険な香りと甘いセリフ、ペコのコーヒーでいいな?」


街人C「は、はい・・・」


街人B「じゃあ俺は スパイスの辛味のツンのあと!それを癒す甘いフルーツのデレがくるフルーツカレー!で。 」


街人A「あ、愛情たっぷりオムライスで・・・」


街人C「お前らよく言えるな・・・」


街人B「ツンデレがなんなのか気になるし。」


街人A「あの娘カワイイなぁ・・・」


街人C「イケメンアイドル・・・。なるほど侮れない・・・。」


まひる「か、カレーのお客様ー・・・」


街人B「僕だよ。」


まひる「・・・わ、悪かったわね胸がなくて。」


街人B「あれ?聞こえてた?」


まひる「べ!別にアンタのためにこんな格好してる訳じゃないんだからね!?ただ・・・ちょっとでも多く稼がないとダメだから・・・!」


まひる「と!とにかく!冷めないうちに食べなさい!」


街人B「!!?」ドキッ


街人A「カワイイなぁ///」


まひる「お、オムライスは?」


街人A「はい!はい!僕です!」


まひる「・・・コホン。」


街人A「・・・?」


まひる「お、おいしくな~れ!」ケチャップペチャ


街人A「ぐはぁっ!」ハナヂブッ!!!


街人C「ツンデレ!恐るべし!」


ペコ「コーヒーだ。」


街人C「は、はい!」


街人C「・・・///」ドキドキ


ペコ「ふっ・・・何を緊張している?」


街人C「あ!いや・・・」


ペコ「火傷に気をつけるんだな。」キラン


街人C「あぅ///」プシュー


行商人「あざとい・・・」


行商人「にしてもアイドルが働く喫茶店か・・・。ファンがつけば確実に儲かる。まさに発想の転換。」


街人B「こ!このカレー美味い!なんだこれ!初めてだ!」


街人A「これオムライス!?フワフワでトロトロで・・・!美味しい!!」


行商人「料理人の腕も一流・・・。店外には値段は載せず、明らかなボッタくり価格をアイドルという付加価値で無理やり納得させ・・・」


行商人「味によっていい意味で客を裏切る・・・。」


豚神「サイドメニューでございます。」


街人A「あ、どうも・・・」


街人A「まひるちゃんのあ~ん1回1500モノ!?」


街人B「やります!お願いします!」


街人A「B!?お前!」


豚神「ありがとうございます。」ニヤリ


まひる「・・・」ムス


街人B「・・・///」ドキドキ


まひる「し、仕方ないわね・・・」


まひる「あ、あ~ん・・・」


街人B「あ~ん・・・///」パク


まひる「も、もう!自分で食べなさいよね!」


街人B「うひょひょひょひょwww」


街人A「じゃ、じゃあ僕も!」


まひる「あ~ん・・・」


街人A「あ~ん///」パク


街人C「えっと・・・、ペコさんに頭ナデナデ1000モノ・・・これで。」


豚神「ありがとうございます。」


ペコ「やれやれ、仕方ないな。」ナデナデ


街人C「あぅ///デュへへ///」


街人B「あの!このツーショット似顔絵5000モノってなんですか?」


豚神「私がまひる、もしくはペコとお客様のツーショットを絵にし、お客様にお渡しするものです。」


豚神「実は本店のアイドルがこの街にいるのは今日限り・・・、お客様と出会えるのは今日が最後なのです。」


豚神「ですからせめてその思い出を形に出来ればと思い・・・、このサービスを行っております。」


小泉(ちょ!ちょっと!あんた絵なんて描けるの?)


豚神(以前にとある同人作家になりきるために絵の練習をしたことあるんですぞ!ムフフフフ!)


まひる「うわ・・・」


街人B「今日が最後・・・買います!お願いします!」


豚神「では並んでください。」


豚神「はぁっ!!!」シュシュシュシュシュシュ


豚神「出来ました・・・」


街人B「早!?上手い!?」


豚神「ありがとうございます。」


街人B「ありがとうございます!一生の宝物にします!」


まひる「す、捨てなさいよそんなもの!」


街人B「ツンデレ萌えぇぇぇ!!!」


街人C「ペコさんと!ペコさんとお願いいたします!!」


豚神「どうも!」ニヤリ


行商人「しかしえぐい商売だな・・・」

・・・・・・・・・
・・・・・・
・・・

プロデューサー「カワイイだけのアイドルは終わった!時代はキャラクターだ!女性もターゲットにするぞ!」


男「ツwwンwwデwwレwwwこれは流行るwww」


女「ペコ様素敵・・・!女性なのにそこらの男とは大違い!」


金持ち「あの店の料理人をうちで雇え!なに?正体不明!?なんだそれは!?」


ザワザワ


行商人「とんでもねぇことになってんな旅人さんよ。」


豚神「この程度当然だ。人の心は読めないが、操るのはいとも容易い。」


行商人「しかし驚いた。この街で新風アイドルを流行らせるなんざ普通じゃ出来ねぇ。」


豚神「俺のいた世界では当たり前のように流行っていた。」


豚神「格上の相手と同じ土俵で戦っては負けて当然だ。目立ちたくば違うステージでなければな。」


行商人「は!おかげで売上がエライことになってる!もうあんたには足向けて寝れねぇな!」


傭兵「おい!もう材料が切れるぞ!」


行商人「あいよ!そろそろしまいか?」


豚神「そうだな・・・最後はジャンケン大会でも開いて稼ぐか・・・」

・・・・・・・・・
・・・・・・
・・・

豚神「今日はみんなご苦労だったな。」


3人「疲れた・・・」


行商人「1日で在庫がなくなるまで売れるのは今日が初めてだ!飯も宿も好きに使いな!」


豚神「助かる。」


行商人「あんた、商人向いてるぜ?一流の料理人に強い護衛、看板娘もついてるしな!ははは!」


小泉「はぁ・・・日向にもあんなことしたことないのに・・・。」


辺古山「日向がなんだって?」


小泉「な、なんでもない!」


豚神「商人か・・・無理だな。」


行商人「あん?なんでだよ。」


豚神「商人とは対極の位置にいるからだ。商人とは客からの信用が大事だが、俺は信用とはまるで縁のない、遠くかけ離れた所にいる。」


花村「・・・」


花村「疲れたけど・・・実家で働いてた時を思い出したよ!楽しかったなぁ!」


辺古山「私も久々に楽しい思いをした。」


小泉「私、着替えてくるね・・・」


     ・
     ・
     ・


小泉「はぁ・・・もうこんな格好はゴメンだわ。」


小泉「ん?・・・鏡。」


『カワイイ!可愛い!』


小泉「・・・」


カシャ!


小泉「・・・」


小泉「・・・えへへ///」

・・・・・・・・・
・・・・・・
・・・


花村「お金いっぱい貰ったし!必要な道具も武器も貰っちゃったね!」


豚神「あぁ、あとは明日に備えて寝るぞ。そして今後の作戦会議をする。」


花村「そうだね!今日は疲れちゃったし!」


花村「ん?何書いてるの?」


豚神「日誌だ。この件は旅行に巻き込んだ僕の責任だ・・・なんとかしなきゃ。」


花村「そんなに気負わないでよ・・・」


豚神「痛っ!?」コロン


花村「大丈夫!?」


豚神「腕が・・・、絵を描きすぎたな・・・もう、限界か。」


豚神「ふん、所詮は偽物・・・か。」


花村「・・・そんなことないよ。」


豚神「?」


花村「豚神くんは本物だよ。いろんな人の真似ができて、努力家で、僕らを導いてくれる。」


花村「本物の豚神くんだよ。」


豚神「花村くん・・・」


花村「さっきは信用とは縁がないって言ってたけど、それは違うな。」


花村「僕も、みんなも君を信用しているからこそ、ここまで頑張ってこれたし、これからも頑張れるんだ!」


花村「だから無理しないでね?頼りないけど、たまには僕らを信用して頼ってよ!」


豚神「・・・」


豚神「ふん・・・そうだな。この俺様が愚民ごときに諭されるとはな・・・」


花村「さて!もう寝よう豚神くん!こっちにおいで!熱い夜を過ごそうか!」


豚神「おい、そこは俺のベッドだ。どけ。」

面白いから期待

誰がなんと言おうと期待

前作は読んでなくてもついていける話?


小泉かわいい


前書いたの読んでなくても全く問題ないよ

でもせっかくだからまとめかなんかで見てくれればうれしいよ

・・・・・・・・・
・・・・・・
・・・

《ヒヤロスの街》

ガヤガヤ…


澪田「うひゃー!人がいっぱいっすよ!」


弐大「これこれはしゃいで迷子になるなよぉ!?ガッハッハッハ!」


罪木「ひゃあ!?転びましたぁ!」


田中「ふっ!貴様らでは異界の地は踏みなれぬだろう!ここでなら俺様も少しは本気が出せそうだ!」


西園寺「・・・」


西園寺「まずい・・・なにがまずいかって・・・」


西園寺「ツッコミがいない・・・?」


罪木「あ!見てくださいあれ!」


澪田「ひゃー!でっかい建物っすね!」


田中「気をつけるんだな・・・血の匂い・・・。人間どもの愚かな争いの檻・・・」


弐大「ちょいといいかのぉそこの兄さん。」


男「ん?なんですか?」


弐大「あのでかい建物はなんじゃ?」


男「あ!観光の人かな?あそこはオーガ闘技場!人やモンスターたちが戦って、賭け事をしたりするところですよ!」


罪木「うわぁ!田中さんの言った通りですぅ!」


田中「ふはははは!!!この世界は実に俺に馴染む!どれ・・・あの闘技場で軽く準備運動でもしてやろうか?」


男「あはは無理ですよ!確かに出場は誰でも出来ますが、本気で訓練した人でも予選で落ちたりするんですから!」


田中「ふん・・・貴様はどうやら俺様の力に気付けぬようだな・・・?」


男「えっ・・・」


田中「やはり力なき者には分からぬか・・・。だがここで悪魔と呼ばれた俺様の邪気腕を
西園寺「さっきからグタグタうるせぇんだよ厨二病!!」


田中「貴様・・・今なんと言った・・・」


田中「 俺様こそは人類の天敵にして最凶最大の災厄、無形の狂気こと田中眼蛇
西園寺「お前はここに来てからイキイキしすぎなんだよ!もっと深刻になれよ糞虫!」


男「え?え?ほ、ホントに・・・?」


弐大「冗談じゃ!心配せんでいい!」


澪田「冗談だったんすか!?」


西園寺「ほら!ここじゃお前の妄想も流されねぇから面倒なんだよ!」


罪木「さ、西園寺さぁん・・・あんまり怒らない方がぁ・・・」


田中「ふっ!目の前の巨大すぎる恐怖により現実から目を背けるか・・・。弱き者とは実に滑稽だな!」


西園寺「はぁ・・・疲れる。」


弐大「して兄さんや、出場にはどうすればいい?」


男「え?出るつもりなんですか?やめといた方いいと思いますけど・・・」


弐大「ガッハッハッハ!実はワシら金がなくてのう!しかも異世界から来たもんじゃから困っておるんじゃ!」


男「は、はぁ・・・。」


罪木「本当なんですぅ!泊まるところもご飯もなくて困ってるんですぅ!」


男「よく分かんないけど・・・、闘技場の中の受付の人に言えば大丈夫ですよ。」

・・・・・・・・・
・・・・・・
・・・

弐大「ここが闘技場か?」


西園寺「ねぇねぇ!少し観戦していこうよ!人が一方的に殴られてるの見てみたい!」


罪木「西園寺さん野蛮ですぅ!」


西園寺「あぁ!?なんか言ったかよゲロブタ!」


罪木「ひいぃ!ごめんなさぁい!!」


田中「魔獣どもの殺気を感じる・・・。破壊神暗黒四天王も武者震いをしている・・・。急ぐぞ・・・」


西園寺「あいつハムスター空港で預けてなかったのかよ・・・」


弐大「だから外で動物が近づいて来たのかもしれんのぉ!ガッハッハッハ!」


西園寺「笑えねぇよ!」


ワーワーワー


罪木「ひどい・・・、動物同士が戦っています!」


田中「動物同士の闘争は自然界で極当たり前に行われている・・・が、気持ちのいいものではないな。」


西園寺「いいねー!あっちのトカゲ強いじゃん!あんなうさぎ食べちゃえー!」


澪田「んなろー!うさぎの根性みせろー!ムッキー!」


弐大「人が戦うもんだとばかり思っとったが・・・」


罪木「あの・・・一応パンフレットはあるんですけど・・・」


弐大「うーむ読めんのぉ。」


西園寺「おい田中おにぃ、得意分野だよ!」


田中「ふっ!数ある世界をまたにかける俺様にとって、1つの言語など重要ではない!」


西園寺「読めねぇのかよ使えない厨二病だな!」


田中「俺達の目的を忘れたか西園寺よ・・・。この世界に貴様らを適応させるた
西園寺「もううるさーい!!!」


澪田「でもこれに書かれてるのって時間じゃないっすか?」


罪木「時間毎に試合が変わるってことでしょうか・・・」


澪田「ほら!こっちのページは日にちっす!ってことは・・・?」


弐大「今日が何日で今が何時かは分からんが、今日は対人の試合はせんようだのう。」


田中「ふん・・・俺の相手の寿命が1日伸びたか・・・」


西園寺「お前出たらどうせ負けるでしょー?ここでの無責任なハッタリは自滅するよー?」


田中「・・・」


澪田「でも今日のお金が必要っすよねー?やっぱ唯吹の路上ライブで稼ぐ?」


西園寺「それいいねー!」


弐大「いかーん!クレームの嵐となるぞ!」


西園寺「受付の人に聞けばいいじゃないー?」


田中「おい!そこの女!命が惜しければ質問にこた
弐大「黙らんかあぁぁぁ!!」


田中「・・・」ショボン


受付「えっと、なんでしょう。」


澪田「これってなんて書いてあるっすか?」


受付「え?それはモンスターギャンブルです。」


受付「モンスター毎に倍率がかけられ、最後に残るモンスターを当ててもらうものとなっております。」


田中「・・・魔獣も力がなければ人間ごときの玩具となるか・・・」


弐大「ワシらが出場するにはどうしたらいいかのぉ。」


受付「戦士のトーナメント戦は来月いっぱいですよ。なにせ予選から本選まで長いですから。」


罪木「あの・・・今すぐお金が必要なんですけど・・・」


受付「うーん今日出場できるもの・・・。モンスターバトルがありますね!」


罪木「モンスターバトル?」


受付「人間とモンスターが戦うものです。賞金を貰うようになるにはランクをC以上にしなくてはいけませんが・・・」


受付「例外として、連戦でEからAまで戦っていただくことができます。」


受付「観客の方にはどのランクまで戦えるかを賭けてもらいます。もちろん、相手モンスターによって倍率が変わります。」


受付「エントリーしますか?」


弐大「応!!」


澪田「即答しちゃった!?」


罪木「れ、連戦なんて無理ですよぉ!!」


弐大「しかし他に選択肢が無かろう。」


田中「この遊戯・・・人間でなくても参加できるか?」


受付「いえ・・・タッグマッチは出来ますが人間のみになります。」


田中「残念だが俺は
西園寺「じゃあ弐大おにぃと田中おにぃで参加ねー!」


田中「な!?勝手なことを!」


西園寺「あれー?田中おにぃはモンスターの扱いに長けてるんじゃないのー?それともこわいのかなー?クスクス!」


田中「怖い・・・だと?この悪魔と呼ばれた俺様が、鎖に繋がれた魔獣如きに恐怖を感じるなど天変地異が起きても有り得んな!」


澪田「ふぅー!かっけー!」


西園寺「じゃー決まりねー!」


罪木「そのぉ・・・無理しないでくださいねぇ!」


受付「では4番会場へ行ってください。あなた達のチャレンジは現在のチャレンジが終了し次第始まります。」

・・・・・・・・・
・・・・・・
・・・


係員「では最後の説明をします。貴方達にはこれからモンスターと戦って貰います。3勝するとランクが上がります。」


係員「ランクはE、D、C、B、Aで、ランクが高いほどモンスターの強さは上がります。」


係員「モンスターはランダムで選ばれるので、運がよければ簡単に勝てるかもしれませんね。」


係員「エントリー料をとらない代わりに、貴方達の怪我や命には一切の責任はとりません。」


係員「以上です。これがレンタルの武器です。」


田中「不要だ・・・。」


弐大「ワシもじゃ。」


係員「・・・かしこまりました。ではお気を付けて。」


ギギギギ

ワーワー!!


弐大「おうおう!人がいっぱい見とるのう!」


田中「命を賭けたやりとりも、ここでは見世物にすぎぬか・・・」


『さぁ始まりました!本日2回目のモンスターバトル!先程の挑戦者はランクCで敗れましたが今回はどうだ!?』

『お客様はお手元のプロフィールを確認し、賭け金を払ってもらいます。』


観客A「あの男かなりでかいな!結構いけるんじゃないのか!?」

観客B「片方のやつもなんだかヤバそうだな!実は魔法使いとか?」

観客C「あれ?あいつら武器持ってないぞ!あれじゃ勝てないだろ!」


『みなさん準備はよろしいですか?それではランクEのモンスター入場です!』


ギギギギ


ベビーパンサー×2「グルルル・・・」


弐大「噴!なんじゃ猫2匹か。舐められたもんじゃのう!」


田中「見世物になるために捕らえられ、そして死ぬ運命か・・・、弱さとは実に悲しいな・・・。だが・・・」


田中「こちらの命もかかっている、悪くは思うな。」


弐大「なぁに!殺さんでもいいじゃろ!?優しいお前さんは下がっとってくれ!猫の名をかけて勝負じゃあぁぁぁ!!」


カーン!!


罪木「ふえぇ!始まってしまいましたぁ!」


澪田「ネコ踏んじゃうんすか!?ネコ踏んじゃうんすか!?」


西園寺「踏むでもなんでもいいよぉ!やっちゃえー!!」


ベビーパンサーA「がオー!」


弐大「猫だまし!」パンッ!


ベビーパンサーA「にゃ!?」ビクゥ!


弐大「噴!!」ガシッ!


弐大「ジャイアントスイングじゃああぁぁぁ!!」グルングルン


ベビーパンサーA「あぶぶぶぶ・・・」


田中「ジャンP!サンD!マガG!チャンP!廻れ!!」


破壊神暗黒四天王「チュー!」


くるくるくるくる


ベビーパンサーB「!?、ウゥ~・・・!」


田中「姿勢を低くして狩りの構えか?だがスキだらけだ!」襟首ガシッ!


ベビーパンサーB「!?、・・・!?」シーン


田中「猫は襟首を掴まれると大人しくなる、成猫にはするべきではないが、この猫からはまだ乳臭さが抜けてないな。」


『おぉっと!?あっと言う間に2匹のベビーパンサーを!お互い無傷で倒してしまったあぁぁぁ!!』

ワーワー!!

罪木「やりましたぁ!勝てたんですね!」


西園寺「なぁーんだ、つまんないの!つかハムスター参加させんなよ。」


澪田「ネコちゃんは許してあげてぇ!」


『さぁどんどんいきましょう!次はサボテンボールです!』

・・・・・・・・・
・・・・・・
・・・


弐大「ぜぇ・・・ぜぇ・・・」


田中「ぐぅ・・・」


『なんと!この2人武器を持たずしてランクBに進出だあぁぁぁ!!』


西園寺「わーい!これで賞金もランクアップだねー!」


澪田「眼蛇夢ちゃんも見かけによらずやるっすよ!飼育委員というより魔物使いっすね!」


罪木「で、でもぉ、2人とも傷だらけですぅ・・・」


『しかしすでに満身創痍!そろそろ限界か!?』


弐大「田中!そろそろお前さんの知識が通用する相手はでてこんじゃろう!ここはワシに任せて下がっとれ!」


田中「ダメだ!ただ闇雲に挑むだけでは怪我ではすまぬのだ!敵はこちらの命を狙っている!」


弐大「なぁに!なんとでもなる!」


田中「今までは殺さずに倒してきたが、もはやそれも通用はしない!人間は下がっていろ!」


弐大「・・・ふ!強情じゃな!」


田中「真の力を見せる時がきたか?弐大よ!俺様の封印を解くことを許そう!」


弐大「応!!」


『続いてランクB!オーク!ゴブリン!』


オーク「ぶひゅー!」


ゴブリン「おぉうぅっ!!」


弐大「これはもはや動物とは言えんのう!」


田中「ふ!魔界の魔獣に、貴様ら人間の常識など通用せん!」


弐大「行くぞ田中!筋肉開放のツボ!」ギュッ


田中「むおおぉぉぉああぁぁ!!!」ムキムキ


カーン!!


弐大「2匹とも槍と斧を持っておる!」


田中「ならば奪うだけだ・・・。破壊神暗黒四天王よ!」


破壊神暗黒四天王「チュー!」


田中「奴らの手に噛み付くのだ!」


弐大「わしが気を引き付ける!来ぉい!!!」


オーク「プギャー!!」ブン


弐大「はっ!」ガシッ!


ジャンP・サンD「がぶっ!」


オーク「ぴぎぃ!?」バッ!


ゴブリン「ぐおぁぁぁ!!!」


田中「こっちだ・・・」スッ


ゴブリン「あ!?うぁぁ!!」ブン


田中「遅い!」スカッ


マガG・チャンP「がぶっ!」


ゴブリン「ぐあぁっ!」ゴトン


弐大「よし!後は締め上げて・・・無っ!」


オーク「ブガー!」ガシッ!


澪田「あ!?取っ組み合いになってるっす!」


弐大「ぐおぉ・・・馬鹿力めっ!」


田中「弐大!?くっ!」


ゴブリン「おおぉぉあああ!!」ドドドド


田中「なっ!?」


罪木「田中さん!危ないですぅ!」


田中「チッ!サンD!チャンP!こいつの目を奪うのだ!」


ゴブリン「らあぁっ!!」ポイッ


田中「サンD!?チャンP!?貴様っ!!」


ゴブリン「うんんっ!!!」パンチ!


田中「ぐふっ!!」


西園寺「田中おにぃが殴られた!?邪気腕とかはどうなってんだよ!」


弐大「田中!?くっ!」


ゴブリン「うおぁぁぁぁ!!!」ブン!


田中「今だ弐大よ・・・!こっちにその豚を投げろ・・・っ!」


弐大「!!、巴投げじゃあっ!!!」グルン


オーク「ぶぎぃ!?」


ゴブリン「いぁ!?」


ズドン!


澪田「2匹がぶつかり合ったっす!」


ゴブリン「んうぃ・・・!」


オーク「ぶひぃっ!」


田中「動くな・・・」スッ


罪木「あ・・・あの槍!」


田中「言葉は通じずとも、状況はわかるであろう?」


弐大「この瞬間にもワシらはお前さん達の首をとれる。勝負ありじゃな!」ブン


『な、なんと!またしても不殺の勝利だあぁっ!!』


ワーワーワー!!!


澪田「ムッキャー!!やったっす!大勝利っすー!!!」


罪木「よ、よかったですぅ・・・」


西園寺「・・・ま、もう限界だろうけどね。」


『続いて2戦目は・・・
弐大「待っとくれ。」


『・・・はい?』


弐大「見ての通りワシらはもう限界じゃ、次は確実に負けてしまうだろう。」


弐大「ワシらも死にたくはない。ここでリタイアさせてもらえんかのう。」


『・・・・・・。』


『挑戦者ここでリタイア宣言!やはり武器なし不殺縛りの挑戦は無謀だったか!?記録はBを1勝!!皆さん!挑戦者に熱い拍手を!!!』


ワーワーワー!!パチパチパチ


田中「・・・ふ。邪気腕の力を使えば余裕だったが、殺さないように戦うには少々不便なんでな。」


弐大「ワシらにしてはよくやった方じゃ!がっはっは!さて、帰って糞じゃあぁっ!!」


・・・・・・・・・
・・・・・・
・・・

係員「これが賞金です。では、またのおこしをお待ちしております。」


西園寺「えーこれっぽっちー?」


弐大「うーむ、この世界の相場が分からんのう。」


澪田「もしかして唯吹たちボッタくられてる!?許さないっすよ!?」


係員「賞金はパンフレットにも書かれている通りですが・・・」


罪木「字が読めないんですぅ・・・」


係員「・・・?」


田中「係員よ・・・ここらで1番安い宿はどこか教えろ・・・」


係員「どこが安いかは分かりかねますが、地図ならお渡しできます。」


係員「このダンロン大国の相場では、パン1つあたり100モノで、今お渡しした賞金は150000モノです。」


澪田「なんだ、日本とそんな変わんないっすね!ってえ?」


罪木「じゅっ!150000ですかぁ!?」


弐大「おぉ!!たくさん貰ったんじゃのう!」


田中「こちらは命を賭けたのだ。それくらいが当然だ。」


西園寺「しかも5人で150000モノだからねー?3日でなくなっちゃうよー?」


罪木「も、もう少し節約して生活した方が・・・」


西園寺「あぁ!?うるさいんだよゲロ豚!」


罪木「なっ、なんでそんなに私に厳しいんですかぁ!」


澪田「その時は唯吹が路上ライブで稼ぐっすよ!ギターないけど!」


西園寺「じゃあこいつ楽器ねー!」


罪木「ふえぇんヒドイですぅ!」


田中「くだらん戯れはそこまでだ・・・」


弐大「地図感謝するぞ!では手当たり次第宿を見ていくぞ!」

・・・・・・・・・
・・・・・・
・・・


田中「どうやらここが最も安い宿のようだが・・・」


澪田「大部屋でザコ寝、5人一緒っすかぁ・・・」


罪木「しかもご飯もお風呂もないですぅ・・・」


西園寺「こんなの野宿と変わんないじゃん!絶対にイヤ!」


澪田「うーん唯吹もちょっとこれは・・・、せめて男女別れてればいいんすけど・・・」


弐大「うーむそうは言っても他の宿は高いからのう。どうやらこの街は観光地らしいしのう・・・」


田中「今後のことも話し合わなければなるまい。今日だけでも我慢するのだな人間・・・」


罪木「はうぅ・・・とりあえずご飯を買いましょう。」


澪田「そうっすね!唯吹はもうペコペコっす!」


田中「ひまわりの種はあるだろうか・・・」

・・・・・・・・・
・・・・・・
・・・


澪田「よーし!お腹もいっぱいになったところで!作戦会議っす!」


西園寺「おやすみー!」


罪木「えぇー!寝ちゃうんですかぁ!?」


西園寺「どうせ字が読めないんだし、話は勝手に進めちゃってねー!こっち来たら全員豚の餌にするんだからー!」


弐大「はぁ、まぁ良い。話を進めるか。」


田中「ここを見ろ、おそらくこれはオーガ闘技場。つまりこれはこのヒヤロスの街だ!」


罪木「うわぁ!さすがですぅ!」


澪田「ってことはこれヒヤロスって書いてあるんすね?訳分かんねー!」


弐大「日向や終里はどこにいるんじゃろうか?」


田中「ふん・・・そもそも俺と一緒にいなかった人間が・・・、この世界に足を踏み入れているとは限らんがな・・・」


罪木「日向さん、来てないんですかぁ・・・?はうぅ・・・」


弐大「確かに日向達が来ているということは、あの飛行機の他の乗客も来ておるはずだしのう。」


澪田「ここの人達はファッションがかなり変っすからね!すぐに違いが分かるっす!」


西園寺「お前も十分変だけどね。」


澪田「起きてたっすか!?」


弐大「何にしても、元の世界に帰る方法も考えなければなるまい。情報が欲しい。」


罪木「この大きい街はなんでしょう?」


澪田「んー?渋谷?」


弐大「おぉ!読めるんか!」


西園寺「んなわけねぇだろ!」


田中「見たところ・・・この国の首都だな。」


澪田「そうっすね!旗のマークあるし!」


弐大「ならば明日、ここへ向かうぞ!」


西園寺「はぁ!?本気!?」


弐大「本気じゃ。」


西園寺「まさかまたモンスターだらけの外に行くの!?それも徒歩で1日で行ける距離じゃないし!」


弐大「そんなもん気合いじゃあぁっ!!」


田中「宿に泊まってばかりいては金が尽きる。」


罪木「で、でもモンスターが・・・」


弐大「それはワシがなんとかする!」


澪田「せめてタクシー的なのないっすかね?ここ観光地だしー?」


弐大「金がないと言っておるだろうがあぁっ!!」


罪木「あうぅ・・・。」


弐大「そうと決まれば今日は寝るぞ!」


西園寺「最悪・・・」

はよ

・・・・・・・・・
・・・・・・
・・・


日向「よいしょっ・・・と!すいせーん!これはここでいいですかー?」


村人「あぁ!助かるよ!次はニワトリ小屋の掃除を頼むね!」


日向「はーい!ふぅ・・・」


七海『大変だね。』


日向「まぁ仕方がない。仕事を与えてもらうだけでもありがたいんだし。」


九頭龍「おいボサっとすんなよ日向!早く行くぞ!」


日向「おう、今行く。ん?」


ソニア「あの・・・私にも何か仕事を・・・」


左右田「そんな!王女様がこんな仕事することないんですよ!全部俺がしますんでソニアさんは休んでてください!」


ソニア「ですが・・・」


日向「ならソニア、ニワトリ小屋の掃除手伝ってくれ。」


ソニア「ニワトリさんですか?ガッテン承知の助です!」


左右田「おいコラ日向!ソニアさんにそんな汚い仕事させんなよ!」


日向「でもソニアだけ何もしないって訳にはいかないだろ?」


左右田「いくの!何もしないって訳にもいくの!王女様なんだぞ!?」


九頭龍「テメェらなにやってんだボケが!さっさと来いよ!」


ソニア「私、ニワトリ小屋掃除したいです!」


九頭龍「おう、なら来いや。」


左右田「ちょ!だからお前ら
ソニア「お黙りなさい!」ビシィ!


左右田「了解ですソニアさん!」


ソニア「それでは行きましょう!」


村人「黄色の兄ちゃん、次は本棚直してもらえるか?」


左右田「くそぅ・・・俺は大工じゃなくてメカニックだぞ・・・!」


終里「そりゃ!うりゃ!」ボスッ


農民「姉ちゃん筋がいいねぇ!畑がドンドン耕されてくよ!」


終里「へへっ!体鍛えてっからな!」


狛枝「よい・・・しょ!」ボスッ


農民「兄ちゃんの方はもっと腰に力入れて!女の子に負けてんぞ!?」


狛枝「あはは・・・その人は特別ですからね。」


終里「ったく情けねぇな!超高校級の耕耘なんだろ!」


狛枝「耕耘じゃなくて幸運だね、畑は関係ないかな。」


終里「よ!ほい!」ボスッボスッ


日向(終里パンツ丸見えだ・・・)


・・・・・・・・・
・・・・・・
・・・

左右田「はぁー今日も疲れたぜ。」


九頭龍「こんな生活あとどんだけ続くんだ?」


狛枝「あと何日かで行商人がここを通るみたいだから、それまではお金を稼がないとね。」


日向「寝床と食事はほぼ無償で提供されてるんだ。こんな幸運なことはないな。」


左右田「はぁ・・・、あんまり狛枝を買い被んなよ。」


狛枝「あはは!僕もそんなおこがましい事考えてないよ!」


狛枝「これはそう・・・みんなのそれぞれの希望が絶望に立ち向かおうとしてるからこそ成せていることなんだよ!」


九頭龍「でたよ・・・もう寝ようぜ?」


日向(ぶっちゃけ昼に終里のパンチラ見まくったせいでムラムラしてきて寝れないんだよなぁ・・・)


左右田「俺終里のパンチラ見まくったせいでムラムラして寝れねぇよ。」


日向「おいアホの左右田め、口に出すな。」


左右田「お?なんだお前もか日向!」


九頭龍「はっ、くだらねぇ。」


狛枝「日向くんはグラマラスな人がタイプだからね。」


日向「いやだから口に出すなって!」


九頭龍「否定はなしか。」


左右田「なんか盛り上がってきたな!恋バナしようぜ恋バナ!」


九頭龍「テメェは中学生か!」


狛枝「いいね!僕も混ぜてもらってもいいかな!」


日向「うわ!すごく意外なところからきたな!」


左右田「ぶっちゃけ罪木って土下座すればヤらせてくれそうだよな!」


日向「下ネタかよ!」


九頭龍「もはや恋バナですらねぇ!」


左右田「じゃあお前ら俺の恋バナ聞きたいか?」


日向「いや・・・知ってるからいいや。」


左右田「だろ?なぁ日向お前どうなんだよ。罪木にだいぶ懐かれてるみてぇだしよ!」


日向「どうって・・・なんか違うなぁ。」


狛枝「そうなの?罪木さんもスタイルいいから日向くんの好みだと思ってたけど。」


日向「いや好みじゃない訳じゃないけど、なんか土下座してヤらせてもらうっていう相手の弱みにつけこむようなことが苦手というか・・・」


九頭龍「あぁそっちのことか。普通に付き合う分にはいいってことだな。」


日向「あぁそうだな。」


狛枝「ふふふ、日向くんは優しいんだね。」


日向「やめろ気持ち悪い。」


左右田「小泉はどうよ?」


日向「どうって・・・というかなんでさっきから俺ばっかなんだよ。」


狛枝「左右田くんはソニアさんだし九頭龍くんは辺古山さんだし、僕なんかは面白い話何も出来ないしね!」


九頭龍「おいコラ。」


左右田「そういう訳だ日向!ゲロっちまえ!」


日向「うーん、あいつ世話焼きだからいい奥さんになりそうだなと。」


左右田「まぁあいつ貧相だし日向の好みとは程遠いけどな!ははは!」


七海『左右田くんサイテーだよ。』


左右田「ははは・・・は?」


九頭龍「うぉあ!七海聞いてやがったな!?」


七海『うん。男の人ってよくそんな会話するの?』


日向「あ・・・いや・・・しない、かな?」


左右田「つーかスマホの電源切っとけよ!」


日向「な、なんか七海がそこにいないと落ち着かないっていうか・・・」


左右田「アホかお前アルターエゴにホの字かよ!」


狛枝「あはは!どうやら日向くんの相手は七海さんだったみたいだね!」


日向「や、やめてくれよもう!」


九頭龍「つーな電源付けっぱなしって、充電は大丈夫なのかよ。」


七海『あと7%だよ?』


日向「それはまずい!電源切るぞ、おやすみ七海。」


七海『おやすみ日向くん。』


九頭龍「はぁ、お前。ちゃんと現実の女にも興味もてよ?」


日向「どういうことだ!?」


左右田「安心しろ日向。将来七海そっくりのアンドロイド作ってやるから。」


日向「いらなっ・・・くはないけど余計なお世話だ!」


日向「にしても困ったな・・・充電する手段がない。充電器はあるけど・・・」


狛枝「左右田くん、発電機かなんか作れないの?」


左右田「あん?そりゃ材料がありゃあ簡単なモーターは作れるだろうがよ、ここにはなんもねぇぞ?」


九頭龍「今度街に行くんだろ?そこで探しゃいいだろ。それまで七海はお預けだな。」


日向「お預けって、お前なぁ・・・」


狛枝「九頭龍くんも辺古山さんをお預けされてるしね!」


九頭龍「おいコラテメェ!」


左右田「お預けとかご褒美だろ!」


日向「お前はもう寝ろ?」

・・・・・・・・・
・・・・・・
・・・


日向「ふあぁよく寝た。今日も仕事頑張るか!」


長老「おはようございます。今女房が朝食を用意しているところです。」


終里「おう!サンキュ!」


左右田「なぁじいさん。針金とか磁石とかねぇかな?」


長老「針金・・・ですか。鋼鉄類は貴重ですので、行商人から買うか街に行くしか手に入りませんねぇ・・・」


九頭龍「ま、予想はしてたぜ。」


ソニア「針金で何をするんですか?」


狛枝「発電機を作ろうとしてるんだよ。」


ソニア「発電機!左右田さんが作ってくれるんですね!」


左右田「はいソニアさん!俺が!俺だから作れるんですよ!」


ソニア「流石です!」


左右田「わぁ~ソニアさんに褒められるなんて感激だぜぇ!」


狛枝「ま、材料がなくて困ってるんだけどね。」


ソニア「そうですか・・・残念です。」


左右田「余計なこと言うんじゃねぇ!材料さえありゃ作れんだよ!」


終里「なんだ?男は尻尾で自家発電するって聞いたことがあるぜ?」


左右田「しねぇよ!発電まではできねぇよ!」


七海『うーん、他に発電する方法はないかな?』


日向「そもそもこの世界に電気って物がまだ存在しないかもしれないんだよな。」


九頭龍「おいコラ日向!七海の電源切っとけつったろ!」


日向「あ、やば、いつものクセで。」


七海『長老さん、電気って分かりますか?』


長老「電気ですか?魔法で生み出せるそうですが私どもにはとても・・・」


全員「魔法!?」


七海『魔法!魔法があるんだね!RPGみたいな!』


長老「え、えぇまぁ。」


日向「そ!それってどうやって使うんですか!?」


長老「魔法は限られたものにしか使えません。幼い頃から英才教育と特殊な訓練を積んだ者にしか使えないんです。」


ソニア「その!魔法を使える人ってこの村にいらっしゃいますか!?」


長老「いえ、こんな田舎ではいませんねぇ、街に行けばおそらくは・・・」


終里「特殊な訓練ってなんだ!?」


長老「さぁ、由緒正しい家柄の者のみ受けられるものですからなんとも・・・」


長老「ただ知っていることとすれば、たくさんの知識が必要ということですねぇ。」


狛枝「例えばどんな?」


長老「例えば・・・電気を生み出す魔法を使うには、電気というものをしっかり頭でも身体でも理解しなければいけないとか・・・」


七海『回復魔法を使うには、人間の身体に、お医者さんみたいに詳しくないとダメってことだね!』

七海『RPGでは職業ごとに使える魔法が違うのはそういうことなんだ!』


九頭龍「七海が珍しく饒舌だな・・・」


長老「まぁ、そもそも魔力というものから知識を深めなければいけませんがね。」


日向「なんだ、簡単には習得出来そうにはないな。」

終里「そうか?頭使うのは苦手だけどなんか出来そうじゃねぇか!」

日向「そんな馬鹿な・・・」

長老「・・・そういえば、古文書の勇者も、魔法は旅の途中で習得していましたな。」


七海『あ、そうそう!あの古文書を全訳して読んでみたけど、大事なこと思い出したよ。』


九頭龍「大事なこと?」


七海『この世界はね・・・あ・・・ふぁ・・・ねみぃ・・・』

プツン

日向「あ、電池切れた。」


九頭龍「テンメェ・・・!日向!」


日向「待て待て!どうせ発電できるまで電源つけられなかったんだから一緒だろ!?」


ソニア「七海さんはなんとおっしゃいたかったのでしょう?」


狛枝「それは魔法を習得すれば分かるんじゃないかな?」


左右田「なぁ、呪文とかってあんのか?」


長老「さぁ・・・なにせ田舎者ですので、助けにならなくて申しわけない。」


日向「いえ!こちらこそすいません!」


妻「朝食ができましたよ!」


終里「おう!とりあえず飯食おうぜ飯!」


九頭龍「そうだな、そういうのは街に行ってからでも遅くはねぇ。」


日向「早く充電したいんだけどなぁ・・・」


左右田「お前どんだけ七海好きなんだよ・・・」


長老「なぁ婆さん、お前魔法のことなんか分からんか?」


妻「魔法?さぁ・・・私には・・・。協会に行けば本か何かがあるかもしれませんけど。」


ソニア「ならお仕事のあと、協会に行ってみましょう!」


終里「モグモグ・・・」

・・・・・・・・・
・・・・・・
・・・


神父「迷える子羊たちよ、今日はどのような用で?」


日向「すいません、本を探しに来たのですが・・・」


神父「あぁ貴方達ですか、村で噂になってますよ。異世界から来た勇者たちだと。」


九頭龍「は!よかったじゃねぇか勇者さんよ!」


日向「そんなんじゃないと、思うんですけど・・・」


神父「こんな小さい村の協会なので大したものはありませんが、そこの部屋は書庫になっています。好きに使っていいですよ。」


日向「ありがとうございます!」


九頭龍「つっても字が読めねぇな。いちいちあの神父に聞くのも面倒だが・・・」


日向「すいません!魔法の本ってありますか?」


神父「魔法の本ですか?えーっとたしかここに・・・ありました!」


神父「これは魔法の基礎の本ですね。小さい頃父に買ってもらいまして、これだけでは役には立ちませんがね。」


日向「あの、俺たち字が読めないんで、呼んで貰えますか?」


神父「構いませんよ。えっと・・・」


神父「魔力とはいわば人の脳の体力である。ゆえに膨大な知識と経験が必要となる。」


神父「記憶の中の物を粘土で正確に作り上げるような精神力や集中力が近い。」


神父「魔法とは魔力を使って・・・・・・・・・」


神父「・・・・・・・・・呪文に深い意味はないが言葉を統一することでより発動しやすくなるので、電撃魔法は・・・・・・・・・」


神父「・・・以上です。」


日向・九頭龍「「・・・・・・」」ポカン


日向「えっと、つまり?」


九頭龍「内容は分かったが、やっぱりピンとこねぇな。」


神父「ははは!これは子供向けの魔法書ですからね!本気で魔法を使おうとしたらちゃんと学校に通わないと!」


日向(知識と経験・・・。記憶の中のものを正確に、か・・・)


・・・・・・・・・
・・・・・・
・・・


左右田「んで?魔法についてはなんか分かったのかよ。」


九頭龍「微妙だな。分かったには分かったが、理解が出来ねぇ。」


終里「はぁ?お前日本語大丈夫かよ。」


九頭龍「るせぇなボケ!」


狛枝「どんな内容だったの?」


日向「まぁ簡単に言うと、カクカクシカジカ・・・」


九頭龍「あーまぁそんなとこだな。」


ソニア「さっぱりですね。」


狛枝「ねぇ左右田くん。電気って何?」


左右田「はぁ?なんだ急に。電気ってアレだろ。エネルギーのあれだよ。」


九頭龍「伝わってこねぇな。」


左右田「いやなんつーかよ。何回か感電しちまったことあるだけど、こう・・・ビリビリィッてババババァって感じで・・・」


終里「おー!ちょっと分かり易いな!」


日向「単純だな。」


狛枝「じゃあ左右田くん。サンダーって叫んで僕にその電気を味わわせくれない?」


左右田「はぁ!?味わわせるってなんだよ!つかサンダーって!?」


狛枝「だから魔法だよ魔法。その時の記憶を引っ張って手からだす感じで!」


左右田「い!や!だ!なんでそんな恥ずかしいことしなきゃなんねーんだ!」


ソニア「左右田さんお願いします!」


左右田「サンダー!!」


バリバリ!!


九頭龍「アベベベベ!!!」


日向「九頭龍が感電したぁ!!??」


九頭龍「・・・」プシュー


終里「なんだぁ!?今のが魔法かぁ!?」


狛枝「すごいよ!さすがだよ!!これが超高校級のメカニックがなせる魔法なんだ!!これが左右田くんの希望の力なんだね!」


左右田「お、おれ?いまなにしタ?」


日向「ま、マジ・・・?」


ソニア「やりましたよ左右田さん!魔法です魔法!」


左右田「お、俺!魔法使いになったの!?まだ高校生なのに!?」


九頭龍「おい左右田ぁ・・・。ちぃとツラ貸せや・・・」


左右田「あ・・・」


ギニャアアアァァァァァ


日向「俺に当たんなくてよかった・・・」


長老「い、今凄い音がしましたが!うわ!焦げ臭!」

・・・・・・・・・
・・・・・・
・・・

長老「魔法で・・・本当に・・・!?」


左右田「はひ・・・」


狛枝「左右田くん。魔法を使ってどんな感じ?」


左右田「痛い・・・」


日向「そうじゃなくてだな・・・」


ソニア「やっぱり疲れるんですか?」


左右田「なんか、勉強したあとの疲労感が・・・近いかも。」


九頭龍「脳を使ったってことだもんな。」


日向「そんな訳で早速充電をしたいんだけど。」


左右田「あのなぁ、さっきのが何Vの電気だったか分かんねぇし、あんまり強い電気を流しすぎるとスマートフォンが壊れんぞ?」


日向「な、なるほど・・・」


ソニア「なら左右田さん!練習しておいてください!」


左右田「了解ですソニアさん!」


終里「でもこれで外のバケモン共とも戦えるな!やったな左右田!」


左右田「えぇ~・・・」


長老「しかし信じられません・・・。あの本で基本的な方法が分かっても、その場ですぐできるようなものではありせんし。」


長老「やはり貴方達には特別な何かがあるとしか・・・」


左右田「ま!俺は天才だし!」


九頭龍「チョーシのんな!」


狛枝「でもこれでまた一歩、この世界に適応できたね。」


日向「適応よりも脱出したいけどな。」

まだ?

・・・・・・・・・
・・・・・・
・・・

行商人「それでお前ら、これからどうすんだ?」


豚神「俺たち以外に人が来ているか探す。」


花村「あてはないんだけどね、人が集まるところに行けば誰かに会えるかもしれないから・・・」


行商人「なるほどな。だったらキリリギの街に行けばいい。」


辺古山「キリリギ・・・そういえばノイゾマに来る前にも聞いたな。」


小泉「すぐ隣の街よね?」


行商人「すぐ、ってわけじゃないがな。あそこはこの国の首都に当たる。」


行商人「あそこは施設がしっかりしてる。マルシー警察ってのがあって、あそこがめちゃくちゃ厳しいんだ。検問にもかなり時間がかかる。」


小泉「それ、私たちが行っても大丈夫なの?」


行商人「さぁな。だが正直に話せば悪いことはされねぇだろうよ。お前らは別に悪人じゃあねーんだから。」


花村「悪そうな顔の人が2人いるけど・・・」


豚神・辺古山「「誰のことだ。」」


小泉「そういうアンタも猥褻で捕まんないでよね。」


行商人「丁度明日は俺もキリリギに行く予定だ。連れてってやるし話もつけてやる。」


豚神「すまないな・・・助かる。」

・・・・・・・・・
・・・・・・
・・・


ガラガラ


小泉「ねぇ、キリリギまではどれくらいかかるの?」


行商人「まぁ半日ちょっとだな。道は整備されてるし、道中に休憩所もある。」


花村「ほっ!よかった!」


辺古山「それまで暇だな・・・。」


豚神「この世界のことを聞きたいが・・・、何が分からないのかも分からない。」


行商人「そういやモンスターを見るのが初めだっつったな。ならそれについて教えてやる。」


行商人「モンスターってのは、何故か人間を敵視する動物だ。中には毒を持ってたり武器を持ってたり、魔法を使ってくるやつもいる。」


小泉「魔法!?魔法なんてものもあるの?」


行商人「おっと、魔法も知らねぇと来たか。いや知ってはいるのか?」


豚神「俺たちの世界では空想上のものとして存在している。」


花村「僕は子猫ちゃんに魔法をかけちゃうことが得意だけどね!」


小泉「あっそ。」


行商人「実のところ俺も魔法ってのがよく分かんなくてな。育ちのいいところの人間しか教えられねぇようなもんだからよ。」


行商人「キリリギにはカワフ図書館ってのがあるから調べてみるといい。ま、本を読むだけで使えるような代物ではないらしいがな。」


辺古山「しかしモンスターには魔法を使ってくるものもいるのだろう?教えられなくても身に付くということではないのか?」


行商人「さぁな。学者がそういったモンスターについて調査してたが、なんも分からんそうだ。」


豚神「ふん。なら俺に出来ない道理はないな。なぜなら俺は十神財閥の御
小泉「はいはい!今はそういうのいらないから!」


花村「でも確かに豚神くんならそつなくこなしそうだけどね。僕も女の子をメロメロにするような魔法を使いたいな!」


小泉「はぁ・・・。これだから男って・・・。」


行商人「俺はキリリギで物資を調達したあと、ギナエ村ってところに行かなきゃなんねぇ。まぁ往復3日って所だから。必要ならまた迎に来るがどうする?」


辺古山「ありがたいが、随分と良くしてくれるじゃないか。金にならないことはしないじゃなかったのか?」


行商人「はっ!馬鹿おめぇこれは金になるからやってんだよ。」


行商人「異世界から異文化をもたらして金儲けの材料を提供してくれてんだ!今のうちに貸しをつくってんのよ!」


豚神「ふっ!なるほどな。」


花村「じゃあ僕たちはキリリギでいろいろ調べてみて、その後また合流できるかな?お礼は僕の身体で・・・」


行商人「あいよ。ちっこい兄ちゃんは異世界ならではの料理でも教えてくれや!」


花村「・・・ま!それもいいけどね!」

・・・・・・・・・
・・・・・・
・・・

行商人「ついたぜ!ここがキリリギだ!」


小泉「うわぁ!立派なお城!」パシャ


門番「行商人だな。通行書を。」


行商人「ほらよ。」


門番「確認した。荷台の中身を見させて貰う・・・」スッ


門番「・・・なんだ貴様ら。」


小泉「ど、どうも・・・。」


行商人「明らかに怪しいかもしれねぇが、まぁ悪いもんじゃあねえ。」


豚神「信じられなくてもしょうがないが、俺たちは異世界から来た者だ。」


門番「・・・何を言っている?そんな事が通用するわけないだろう。」


辺古山「しかし本当なんだ。路頭に迷っていたところをこの行商人に救われた。」


門番「・・・」チラ


行商人「おいおい、俺とアンタは昔からの顔馴染みじゃねぇか!今更この街に厄介事持ち込むわけねぇだろ?」


門番「しかし素性の知れぬ者を迂闊に街に入れる訳には・・・」


行商人「ならお前が監視しとけばいい。こいつらはこの世界のこと何にも知らない。案内でもしてやれ。」


門番「・・・異世界から来たという証拠はあるのか?」


花村「しょ、証拠?えーとえーと・・・」


豚神「小泉。カメラを見せてやれ。」


小泉「あ、そうだね。これなんだけど・・・」


門番「!?、なんと再現度の高い城の絵が!?」


小泉「あの、これがカメラっていって、レンズに映ったものを写真にする事が出来て・・・」ピッピッ


門番「!!???!!????」


小泉「はい!こっちみて笑ってー!」パシャ


門番「な!?貴様何をした!」


小泉「はいこれ!門番さんの写真!」


門番「な!?鏡!?いや!俺がそこにいる!?」


行商人「な?分かっただろ?こいつらには俺たちの常識は通用しない。」


門番「・・・お前を信じていいんだな?」


行商人「当たり前だ。」


門番「・・・」


門番「・・・通れ。」


行商人「お勤めご苦労さん!」


花村「ありがとう門番さん!」


門番「まだ貴様らを信用した訳ではない。このあと俺の交代までじっとしていろ。」


小泉「本当にかたい男!無愛想だし!」


花村「僕のここも硬くなってきたよ!」


辺古山「ふん!」バキッ!


花村「アァン///」ビクンビクン

・・・・・・・・・
・・・・・・
・・・

門番「ところで貴様ら金はあるのか?」


豚神「あの行商人の下で少し働いた。その分の金がある。」


門番「ならいい。案内をしてやってもいいが、まずは警察署で話を聞かせてもらう。」


花村「マルシー警察署ってとこかな?どれくらい厳しいの?」


門番「風紀を乱す者は誰であろうと取り締まり罰をくだす。ゴミのポイ捨てでも高い罰金を取られる。」


辺古山「道理で景観が優れているわけだ。ゴミ1つないどころか雑草や観葉植物も整えられている。」


門番「全て規則の影響だろうな。キヨタカ署長の理想通りといったところか。」


小泉「行き過ぎた束縛は問題あるかもしれないけど、平和に越したことはないわね!」


花村「イキすぎた束縛?」


門番「パトロールもかなり厳重に行われている。」


辺古山「その署長の下で働けば、頭がかたくなるのも無理はない。」


花村「放置プレイかな!?あぁん///」


豚神「少し黙っていろ。」


門番「着いたぞ。では話を聞こうか。」

・・・・・・・・・
・・・・・・
・・・


門番「・・・・・・・・・」


豚神「これが全てだ。」


門番「確かに、こちらにも創作物として別の世界の話が使われることがあるが・・・」


辺古山「前例はないのか?」


門番「ないな。あったとしたらもっと有名になるだろう。」


門番「だが先ほど見せてもらったあの、写真と言ったか?あの黒い塊には少し見覚えがある。」


小泉「ほんと!?」


門番「あれは確か・・・魔王の墓に・・・」


花村「魔王の墓って?」


門番「南の島に魔王の墓と呼ばれる地があってな。そこはモンスターも強く人はあまり寄り付かないのだが・・・」


門番「そこに巨大な遺跡のようなものがあり、そこでたびたび出現するらしい。」


辺古山「確実に手がかりになるな。」


豚神「その島の名はなんという?」


門番「たしか・・・ジャバウォック島・・・」


全員「!!??」


花村「そっ!それって!!」


新兵1「隊長!大変です!」


門番「どうした!」


新兵1「門前に奇妙な者たちが押しかけており揉めております!」


門番「分かった。すぐに向かう!すまないが貴様ら、私は席を外す。図書館は警察署を出て左だ。自由に使うといい。」


小泉「あっ、私たちが字が読めないんだけど・・・」


門番「ふむ・・・では新兵1。お前はこの者達に付き添ってやれ!」


新兵1「はっ!」


門番「では失礼する。」


新兵1「では貴様ら!ついて来い!」


豚神「ジャバウォック島・・・偶然ではなさそうだな。」


花村「で、でも魔王って!やばくない!?」


辺古山「モンスターがいるのだ。魔王がいてもおかしくはない。」


花村「待ってよ!?魔王ってヤバイやつだよ!?殺されちゃうよ!?」


小泉「あんた話聞いてなかったの!?魔王は死んでるんでしょ!?墓って言うくらいなんだし。」


辺古山「とりあえず図書館で調べてみて見よう。」

・・・・・・・・・
・・・・・・
・・・


弐大「では出発じゃあああぁぁぁぁぁ!!!」


澪田「むっきゃー!ご飯もいっぱい買ったし楽器も買ったし!旅の準備は万全っすよー!」


西園寺「いつの間に楽器なんて買ったのー!?ズルーイ!」


罪木「えへへ///私もお薬や包帯買ってもらいましたー///」


西園寺「はぁ!?なんでゲロ豚が買って貰ってて私はなんも買って貰ってないのー?」


田中「貴様が欲するものはなんだ・・・グミか?そんのものこの世界にはない!」


西園寺「うぐっ!でも他にお菓子はあったでしょ!?」


弐大「包帯などは必要不可欠じゃし、楽器は動物を追い払う事が出来るものを買ったんじゃあぁぁぁ!!」


西園寺「ひぐっ!ふわあぁぁぁん!!意地悪ぅ!!」


田中「泣くな西園寺・・・!お菓子はないがひまわりの種的なものならあるぞ!」


西園寺「お前も余計なもの買ってんじゃねぇよ!」


罪木「あ、あの・・・今は体力を温存していた方が・・・」


西園寺「うっさいんだよクソビッチ!」


罪木「ふえぇんヒドイですぅ!!」


澪田「みんな元気っすね!では唯吹もここで1曲!ヴォアァァァ!!!」


弐大「じゃかあしぃぃぃ!!!」

・・・・・・・・・
・・・・・・
・・・

弐大「・・・・・・」

田中「・・・・・・」

西園寺「・・・・・・」

罪木「・・・・・・」

澪田「・・・君にも・・・・・・ご寸釘・・・・・・はぁ」パランポロン


澪田「唯吹・・・もう歌えないっす・・・」


罪木「みんな疲れて無口になってきましたね・・・」


弐大「じゃが田中の言った通り、動物に襲われることはなかったのう!」


田中「くくく・・・俺様はこの世界をも統べる闇の王。当然のことだ・・・!」


西園寺「そもそもこの道舗装されてるからモンスターなんてこないでしょ・・・疲れたー!お腹すいたー!」


罪木「地図のこれって休憩小屋じゃないですか?もう少しだけですよ・・・」


西園寺「やだやだー!お腹空いたのー!うわーん!」


弐大「困ったのぅ・・・。どれ西園寺。ワシがおぶってやろう。」


西園寺「ホントー!?わーい!」


澪田「あ!ずるい!唯吹も猫丸ちゃんの荷台に乗りたいっす!」


弐大「わしは荷台ではなあぁぁぁい!!・・・ん?」


罪木「弐大さんは弐大さんですよぉ?」


弐大「そうじゃったな!がっはっは!」


田中「くっ・・・くくっ・・・!くすっ・・・!」


罪木「た、田中さんどうしたんですかぁ?」


田中「おっw!俺様に構うなぁ!」


罪木「はいぃ!すいませぇん!」


澪田「眼蛇夢ちゃんは今自分と戦っているんすね・・・!」


西園寺「くかー・・・」

・・・・・・・・・
・・・・・・
・・・


弐大「よぉーし!着いたぞぉ!!!」


澪田「ふいー!やっと休憩小屋っすか!もうクタクタっすー!」


罪木「はひ・・・もう歩けません・・・」


田中「この程度で音を上げるなど・・・所詮は人間か・・・」


澪田「もう足パンパンっすよ!蜜柑ちゃん治してー!」


罪木「はい!こういうのは緊張した筋肉をほぐしながら・・・」


弐大「わしの出番じゃなああぁぁぁ!?」


西園寺「わ!ビックリした!急に大きい声出さないでよ!」


弐大「澪田よ!うつ伏せになれぃ!足をマッサージしてやる!」


澪田「猫丸ちゃんセクハラっす!あ!ちょっ!アッー!」


西園寺「うわ!?弐大おにぃが澪田おねぇに乱暴してる!」


田中「下品な悲鳴だ・・・」


罪木「でも、的確なマッサージですぅ!」


弐大「どうじゃあ!がっはっは!」


澪田「うひょー!?これならあと100kmは走れそうっす!」


弐大「そうかそうか!よぉし!全員うつ伏せになれぃ!」


罪木「ひぃ!?」


西園寺「近付くな変態!」


田中「アッー!」

・・・・・・・・・
・・・・・・
・・・


澪田「むっきゃー!見てみて蜜柑ちゃん!でっけぇお城っす!」


罪木「これが地図のあの街なんでしょうか・・・?」


弐大「ほれ起きろ西園寺。もう着いたぞ!」


西園寺「んあ?」


田中「街の周りを壁が囲ってあるな・・・。ふはははは!この程度の守りでこの俺様の脅威から逃れられると思ったか!?」


新兵1「むむ!?なんだ貴様ら!」


弐大「応!ワシらは異世界から来たもんじゃ!そこを通して貰えんか!」


新兵2「何を言っている!?」


田中「この俺様を払うつもりか?ふはははは面白い!実に面白いぞ人間!」


新兵1「はぁ!?」


田中「ならば教えてやろう・・・、勇敢と無謀は紙一重であるとい
西園寺「話がややこしくなるから黙ってろよ!」


新兵1「怪しい奴め!通りたくばさっさと通行証を見せろ!出せなければ警察署へ連行させてもらう!」


澪田「唯吹の学生証ならあるっすよ!」


新兵2「これは通行証ではないぞ!では署に来てもらおう!」


弐大「断ぁぁぁる!!!」


新兵「!?」


罪木「あ、あの弐大さん・・・私達迷子なんでお巡りさんのところに連れて行って貰った方が・・・」


西園寺「はぁ?頭の悪い警察なんかが私達とまともに取り合うわけないじゃん!」


罪木「はいぃ!そうです!すいません勝手なこと言ってしまってぇ!!」


弐大「とにかくここを通さんかい!」


新兵2「ならん!」


田中「ほう・・・あくまでも俺達に楯突くというのか・・・。ならば仕方が無い・・・」


新兵1「む!?やるのか!?」


澪田「物騒な話はやめやめ!ここは唯吹が1曲披露するんで許してっす!」パラポロン


新兵2「な、なんだこいつら・・・おい新兵1!隊長を呼んできてくれ!」


新兵1「わかった!」タタタタ


澪田「ヴォアァァァ!!!君にも届け・・・毎日毎日・・・」パラポロン


西園寺「わーい!もっともっとー!」


新兵2「な!?なんだこの不安定になる歌は!?」


弐大「やめんかあぁぁぁ!!!」


澪田「血で綴った・・・え?」


新兵2「貴様らぁ!」


罪木「はいぃ!すいませぇん!」


田中「この俺様を戦慄させる程の旋律を奏で・・・るとは・・・ふふ。」


西園寺「もしかして自分で言ったダジャレに自分で笑ってんの?」


澪田「日寄子ちゃん!それ触れちゃダメっす!」


弐大「とりあえず話を聞いてもらえんかのう。」


新兵2「これほど怪しい人間が他のどこにいる!聞く耳など持てるか!」


門番「待て!なにがあった!」


新兵2「隊長!この者たちが奇妙な振る舞いを繰り返し!」


門番「・・・なんだ貴様ら。」


弐大「応!ワシらは異せ
門番「まさか異世界から来たなどと言うんじゃあるまいな。」


全員「!?」


新兵2「た、隊長!何を仰るんですか!?」


田中「ほう・・・どうやら貴様は他の人間とは違うようだな?ふふふ面白い・・・!」


門番「それはこちらの台詞だ。お前達ほど他の人間と違う集団を見たのは今日が初めて、そして本日2回目だ。」


澪田「と、いうことは?」


門番「貴様らの仲間かどうかは知らないが、同類に会わせてやる。」


新兵2「隊長!?大丈夫なんですか!?」


門番「心配はいらん。責任は俺がとる。」


罪木「ほかに来ている人がいるってことですねぇ!」


門番「図書館にいるはずだ。ついて来い。」

・・・・・・・・・
・・・・・・
・・・


新兵1「貴様らが探しているのはこの本でいいか?」


豚神「分からんがとりあえず見せてくれ。」


辺古山「ふむ・・・。所々島の絵が描かれているようだが・・・」ペラ


辺古山「ん?これか?」


全員「!?」


小泉「こ!これって・・・!?」


花村「まさか・・・これがその・・・!?」


新兵1「魔王の墓だな。」


小泉「でもこれって!どう見ても・・・!」


豚神「・・・・・・希望ヶ峰学園・・・だな。」


新兵1「キボウガミネ?」


辺古山「どういうことだ!?ここは異世界ではないのか!?」


花村「それにこれ!すごく古い感じだけど!?」


新兵1「この魔王の墓はかなり昔からあるようで、実際いつからあるのかは不明だ。」


新兵1「黒い塊については、現地の調査員が極稀に見かけるらしくてな。ここ最近は頻繁に出てきているらしいが・・・」


小泉「訳が分からない・・・!異世界で!?ジャバウォック島があって!そこにボロボロの希望ヶ峰学園って!」


豚神「俺達がジャバウォック島に向かう途中の飛行機で事故に会ったのも、偶然では無さそうだな。」


辺古山「新兵1、なぜこれが魔王の墓と呼ばれているのだ?」


新兵1「諸説あるな。そこにも書かれているが・・・」


新兵1「かつて世界が絶望に飲まれた時、勇者が魔王の城にて魔王を倒した。という伝説があり、その城に魔王が眠っているからというのが理由らしい。」


花村「・・・この黒い塊って、その伝説にはでてこないの?」


新兵1「あぁ、それに関しては全くの不明だ。」


全員「・・・」


門番「ここにいたか、連れてきたぞ。」


澪田「むっきゃー!!!みんなぁー!!!」


豚神「!?、澪田!!」


西園寺「うわあぁぁぁん!!!小泉おねぇ会いたかったあぁぁぁ!!!」


小泉「日寄子ちゃん!?みんなぁ!」


弐大「ふむ!どうやらちゃんと合流できたようじゃな!」


罪木「ふえぇよかったですぅ!!!」


新兵1「あ!貴様らはさっきの!」


田中「ふっ・・・。怪異というのは重なり、引かれ合うものだ。」


辺古山「お前ら無事だったか・・・!坊ちゃんは・・・!」


弐大「すまんのぅ・・・。今いる人以外は分からん・・・」


花村「何にしても良かったぁぁぁ!!!嬉しいよぉぉぉぉ!!」

日寄子が活躍してないよぉ

・・・・・・・・・
・・・・・・
・・・

左右田「ん~、サンダー!!!」バリバリ


村人達「おぉ~!」パチパチ


子供「お兄ちゃんすごーい!」


左右田「へっへぇ!」


日向「どうだ?左右田。スマホの充電に合わせられそうか?」


左右田「どうだろうな、充電器があるから電力を出来るだけ低く流せば壊れることはないんだが・・・」


左右田「俺の出してる電気がどんなもんかがよく分かんねぇんだよなぁ・・・」


日向「そっか・・・」


ソニア「10万Vぐらいだしても大丈夫なんじゃないですか?黄色のネズミがよくだしてますよ?」


左右田「いやですねソニアさん。日向の充電器が5Vって決まってる以上600mAぐらいしか電気が流れなくてですね・・・」


左右田「電気抵抗が分からないのであまり強力な電気を流すと故障の原因になるので出来るだけ弱い電気で・・・」


ソニア「はぁ・・・なるほど。」


終里「???」


狛枝「あはは!専門的な話には着いていけそうにないね!」


左右田「あ、あれぇ・・・?一応中学理科ぐらいの話なんだけどなぁ?」


日向「V=IRだっけか?あんま覚えてないな。」


左右田「まぁそれだよそれ。」


九頭龍「電気・・・か・・・」


九頭龍「参考になるかどうかは分からねぇが、人間なら大体100mA前後なら耐えられるみたいだぜ?」


ソニア「そうなんですか?」


九頭龍「あぁ、人によってバラツキはあるがな。」


終里「はん!俺ならもっと耐えられるぜ!」


日向「いったいなんで知って・・・いややっぱなんでもない。」


左右田「つーことはあれか?俺や九頭龍が耐えられてたってことは、この電気は100mAぐらいしかねぇのか?」


ソニア「左右田さんと九頭龍さんのギャグ補正込みでも300mAってくらいですかね?」


九頭龍「おいコラなんだギャグ補正って!」


終里「ならその電気をちょっとずつ流し続ければ充電できんじゃねーか。」


左右田「流し続けんのか・・・しんどそ・・・」


狛枝「今一度試してみようよ。3%くらいでも電源はつくし、七海さんが言いかけてたことも気になるしね!」


左右田「そんじゃ、やってみっか!」


日向(よぉーし、来てくれ七海!)


左右田「充電器をスマートフォンに差し込んで、俺がこっちの端もって・・・」


狛枝「おっとゴメンよ」ドン!


左右田「サンd、うぉっと!」


バリバリバリバリィ!!!


日向「うわぁ!?」


ソニア「ワァオ!!!」


プシュー・・・


左右田「す、すまん日向・・・力みすぎた・・・」


終里「うっわ、焦げ臭ぇ!」


日向「あぁ・・・俺の、スマホが・・・」


七海「壊れちゃったね・・・」


九頭龍「テメェ・・・!これじゃ七海何を言いたかったのか分かんねぇじゃねぇかよ!」


左右田「待て待て待て待て!狛枝が急に押したから悪いんだぞ!?」


狛枝「いやぁゴメンね?さっきの場所じゃこっちまで電気が飛んできそうな気がしてさ!」


七海「そもそも魔法で充電しようとする事自体に無理があったんじゃないかな?」


左右田「ほら!七海もこう言ってんじゃねぇか!」


終里「でもどうすんだ?地図とか言葉とか七海が読み込んでんだろ?」


七海「大丈夫、私ちゃんと覚えてるよ!」


ソニア「なら安心ですね!」


全員「・・・・・・」


日左ソ終九「七海いぃぃぃ!?」


狛枝「七海さん、いつからいたの?」


七海「さっきからいたよ?」


日向「ほ、本当に七海か?」


七海「うん。」


日向「ほ、本物・・・?さ、触ってみてもいいか?」


七海「エッチ」


九頭龍「スケベ」


左右田「ヘンタイ!」


ソニア「痴漢!」


終里「えっと、羊羹!」


日向「そんなつもりじゃない!あと終里のやつは食べものだ!」


狛枝「なんか問題解決だね!」


左右田「いやいやいやいや!おかしいだろ!なんで!?」


終里「なんだぁ!?画面から飛び出してきたってことか!?」


七海「電撃のショックで実体化した・・・んじゃないかな?多分。」


狛枝「これまたファンタスティック!希望の魔法で奇跡が起きたんだね!?」


九頭龍「そんな簡単にありえてたまるか!」


ソニア「こ!これも魔法なのでしょうか?」


七海「魔法・・・そういえばさっき、目が覚める時に日向くんの声が聞こえたよ?」


日向「は?俺の声?」


七海「うん。なんか呼ばれたような気がした。」


狛枝「うーん、確か魔法ってそれをしっかりと理解してないとでてこないんだっけ?」


終里「つまり?なんだ?」


七海「召喚魔法・・・だと思うよ?」


ソニア「愛の力ですね!?キャー!」


日向「そんなバカな!?」


九頭龍「確かに日向ならできそうだな。」


左右田「七海のことよく知ってんのなんて製作者と持ち主くらいだし、それに日向は・・・ププッ」


七海「これはフラグが建っちゃうよー///」


日向「バッ!バーロー!冷やかすな!」


村長「どうかしまし・・・!?妖精が!?妖精様が顕現なさって!?」


ザワザワ


日向「と、とりあえず事態をまとめよう!」

・・・・・・・・・
・・・・・・
・・・


村長「召喚魔法・・・!?そんのものがあるとは!」


七海「モグモグ・・・。美味しい。」


終里「だろ!?食べる幸せを知らないなんて人生の100割は損してるぜ!」


妻「しかし実際には現れたということは・・・」


村長「存在したのだ・・・召喚魔法が。やはりあなた達は勇者様に違いない!」


九頭龍「やはり、ってことは、その伝説の勇者も召喚魔法を使うんだな?」


村長「えぇ、旅の途中。勇者が最初に修得するのがその召喚魔法なのです。しかし今までは誰も使えず、勇者のみの魔法と言われておりました。」


ソニア「その召喚されたものとは?」


村長「手鏡の中の妖精です。」


狛枝「やったね日向くん!君は間違いなく超高校級の勇者だよ!」


日向「なんだよ超高校級って!うぅ自信ない・・・」


左右田「伝説といや、七海は前なんて言いかけたんだ?」


七海「えっとね・・・あれ?なんだっけな。忘れた。」


左右田「忘れんなよ!」


狛枝「まぁまぁ、古文書を翻訳して思い出したみたいだし、もう一回読んでみようよ。」


     ・
     ・
     ・

日向「・・・うーん。これと言ってピンと来るようなものは・・・」


終里「七海はまだ思い出せねぇのか?」


七海「うーん・・・」


狛枝「ふふふ、ゾクゾクしてきたよ!この絶望的かとも思えたこの状況から、どんどん希望の光が見えてくるなんて!」


左右田「う!る!せぇ!まだ分かんねぇだろうが!他の奴の安否とか元の世界の帰り方とか!」


ソニア「この物語、最後は全員で一緒に希望の光を放つとありましたが、どういうことでしょうか?」


村長「さぁ・・・?」


日向「とりあえず、この魔王の墓?って所に行けば分かるんじゃないか?」


妻「あなた!行商人の方がいらしましたよ!」


村長「おお!そうか。では勇者様方・・・」


日向「えぇ、1週間ほどでしたが、大変お世話になりました。」ペコリ


終里「飯もすっげぇ旨かったぜ!」


妻「またいつでもいらしてね!」


九頭龍「そういやちゃんと借りを返してねぇな。」


村長「いえいえ!私なんぞがお力になれただけでも十分ありがたいですぞ!」


九頭龍「そういう訳にもいかねぇ。」


日向「そうだ!なら、これを差し上げます。大したものではないのですが・・・」


村長「これは?」


日向「希望ヶ峰の指輪といって、俺達のいた世界の、俺達の学校では、友情の証として人に渡すものなんです。」


村長「そ!そんな貴重なもの!」


日向「そんな貴重ではないのですけど、是非受け取ってください。」


妻「あなた、これは勇者さまの気持ちよ、受け取らなければ失礼にあたるわ。」


村長「う、うむ。ではありがたくいただきます。村の宝として奉らせていただきます!」


左右田「さすが、勇者様のプレゼントはすげぇな!」


狛枝「いいなぁ、村長さん。」


日向「帰ったらお前にもやるよ。」


狛枝「そんな!こんな大した才能もない屑みたいな僕が!希望の象徴である日向くんからプレゼントを貰えるだなんて!しかも希望ヶ峰の指輪を!?」


日向「いや・・・まぁいいか。」


行商人「よぉ!村長さんいるかい?挨拶にきたぜ!」


村長「どうも行商人さん。いつもお世話になっております。」


行商人「ん?見慣れねぇもんがいるな。客人か?」


村長「実は深い事情がありましてな、そこで行商人さんに頼みたいことがあるのですが・・・」


ソニア「行商人さん!私達を街へ連れて行ってください!」


行商人「はぁ?」


九頭龍「一応金ならある。」


行商人「待て待てあんたら何もんだ?何だか変な既視感を覚えるんだが・・・」


七海「私達!勇者パーティです!ドヤ!」


ソニア「そうです!頭が高~い!!」


九頭龍「そんなんで伝わるか!」


左右田「俺達はあれだ、えー異世界人ってやつです!」


終里「そっ!んなもんでオレ達は元の世界に帰りてぇんだよ。」


行商人「おいおい・・・」


傭兵A「おい、どうした行商人。」


行商人「あいつらだ・・・。あいつらのツレだ・・・」


傭兵A「あいつらって・・・?まさか!?」


行商人「これはとんでもねぇな!だっはっは!」


終里「何笑ってんだこのおっさん。頭おかしいのか?」


狛枝「なんだかこの人からは、希望の予感がしてくるよ!」

・・・・・・・・・
・・・・・・
・・・

ガラガラガラガラ


日向「えぇ!?俺たちの仲間に会ってたんですか!?」


行商人「異世界から来たなんて奴、お前らの仲間以外にいないだろ?」


狛枝「ふむ、豚神くんに花村くん、小泉さんに辺古山さんか。あと5人で全員集合だね!」


九頭龍「ペコのやつ、やっぱり無事でいやがったか!」


ソニア「田中さんなどはどこにいるんでしょうか・・・」


終里「残りの5人は一緒にいるんじゃねぇか?だったら弐大のおっさんも一緒だろうし大丈夫だろ!」


左右田「・・・オェ」


七海「あーこれが乗り物かー、はぁー。」


日向「大丈夫か?七海。酔ってないか?」


七海「大丈夫だよ日向くん。ありがとう。」


左右田「俺は・・・酔ってる・・・」


日向「ん?あぁそうだな。七海、おにぎり食べるか?」


七海「うん、食べたいかも。」


左右田「・・・・・・」


終里「あ!オレもおにぎり食いてぇ!」


日向「ダメだ!これは残りの一個だ!」


終里「バクゥッ!」


日向「イダダダダ手ごと食うな!」


終里「アグアグモガモガ」


日向「いっ痛!アンッ///」


左右田(!?、まさかこいつ・・・!俺と同類!?)


七海「・・・」


狛枝「うわぁ日向くん・・・それはないよ・・・」


ソニア「そんな!日向さんは左右田さんとドM仲間だったんですね!?」


日向「ち!ちがう!俺は左右田ほどMじゃない!」


九頭龍「Mであることも否定しろや・・・」


左右田「ていうかドM仲間ってなんですかソニアさん!?」


ソニア「そういえば、魔王の墓にはどうやって行くんですか?」


左右田「む、無視ですか!?///」


七海「左右田くんもう喋んない方がいいよ。」


傭兵A「お前ら魔王の墓に行くつもりか?やめといた方がいいぜ?」


終里「なんでだ?」


傭兵B「あそこは魔物がかなり凶暴でな、素人が近づけば死ぬぞ。」


終里「なら問題ねぇな!オレは強い!」


七海「くかー・・・」


日向「寝てるよ・・・」


行商人「なんだかよく分かんねぇけどよ、魔王の墓に行くには、ここから南の洞窟を抜けて、そこからさらに船に乗っていかなきゃならねぇ。」


行商人「洞窟を抜けた先には調査隊の拠点があるから船はあるんだが、洞窟を抜けるのはかなり骨が折れるぜ?」


九頭龍「そこの魔物も強いのか?」


行商人「魔物っつーより、とにかく複雑らしいな、俺は行ったことないから分からん。」


狛枝「一筋縄では行かないみたいだね。」


狛枝「でもそんな困難や絶望を乗り越えてこその希望なんだ!」


九頭龍「ったく・・・。」


ソニア「たとえ迷っても、狛枝さんの枝があればちょちょいのちょいですよ!」

・・・・・・・・・
・・・・・・
・・・

ガラガラガラガラ


日向「・・・これがキリリギの街か。」


七海「おぉー!いかにもRPGっぽい!」


門番「止まれ。」


行商人「よっ!お勤めご苦労さん。」


門番「貴様か、通行証を見せろ。」


行商人「やれやれ、そろそろ顔パスして欲しいんだけどな、ついでにまた持ってきたぜ?」


門番「?、中身を確認させてもらう。」


日向「ど、どうも・・・」


門番「・・・」


七海「門番!門番だ!田舎者は帰れ!って言われちゃうのかな!?」


ソニア「そんな!私達は中に入れないのですか!?」


九頭龍「はっ!んなもん少し脅してやりゃあ融通がきくんだよ!」


門番「・・・」


門番「通れ。」


行商人「あんがとよ!」


日向「あれ?あっさり通れたな。」


行商人「あいつらはどこにいるかわかるか?」


門番「おそらくまだカワフ図書館だろう。今は一応宿で寝泊りをしている。・・・しかも、増えている。」


行商人「?、まぁいっか。」


行商人「1度倉庫に戻ったあと、図書館まで案内してやる。待ってな。」


狛枝「ありがとうございます。」


左右田「やっと・・・終わったのか・・・?」

・・・・・・・・・
・・・・・・
・・・


弐大「豚神は何をしとるんじゃ?」


豚神「ここの文字を翻訳している。話し言葉が同じだから比較的楽に書き出せている。」


澪田「ふー!さすがは豚神ちゃんっす!」


豚神「ふっ!この俺を誰だと思っている?超高校級の完璧こと十神白夜だぞ!」


西園寺「あれー?でも偽物なんだよね豚足ちゃん?そんな体型のどこが完璧なのかなー?」


豚神「黙れ、俺はただの豚じゃない!」


小泉「もう!口喧嘩はやめ!手を動かしなよ!」


罪木「でもぉ・・・これ以上役に立ちそうな情報はなさそうですよぉ?」


辺古山「あの黒い塊についてなにかあればいいんだが・・・」


花村「まったくの不明だからねぇ・・・」


田中「魔王の墓の上に現れたのだ・・・。魔王復活の兆しと見るのが自然だな。ついに俺様の真の力を解き放つ時が来たか・・・?」


西園寺「だーかーらー!魔王っていうのは伝説なんでしょ!?いる訳ないじゃんいつまで中二病こじらせてんのさ!」


罪木「あのぅ、図書館では静かにした方が・・・」


西園寺「はぁ?なんか言ったかよゲロ豚!」


罪木「はいぃ!なんでもないですぅ!」


小泉「こら!日寄子ちゃんそんな言い方しちゃダメ!それにここでは静かにね。」


西園寺「ぶーっ。」


弐大「とりあえずジャバウォック島への行き方は分かったんじゃ、これ以上なにを知ろうとしとるんじゃ?」


辺古山「なぜここに来たか、どのようにして帰るか、だな。」


豚神「あと魔法についても調べている。もしかしたら帰る術がある可能性がある。」


田中「ふっ!この世の真理に辿り着けぬ人間には到底叶わんな!」


花村「実際、魔法を使うのはすごく大変みたいだしねぇ。」


澪田「はぁー、暇っす・・・」


行商人「あーいたいた、おいお前らー。」


豚神「ん?行商人か、どうかしっ!?」


行商人「友達を連れてきたぜー。」


日向「豚神!それに弐大達もいる!」


罪木「ひゃあああん日向さあぁぁん!!」


小泉「日向!?本当に・・・日向、なの!?」


日向「あぁ!やっと会えたな!」


辺古山「坊ちゃぼっちゃちゃちぼっbbbちゃ」


九頭龍「落ち着けペコ!」


澪田「いやっふー!急にテンション上がって来たぜぇー!イェーイ!」


終里「オラァ!オッサン!ちゃんと生きてたかー!?」ゲシッ!


弐大「応!終里も身体は鈍ってないようじゃの!」ドカッ!


ソニア「田中さん!よかった!やっと会えましたね!」


田中「あ、あぁ///」


左右田「てめぇ!抜けがけしてんじゃねぇよ!」


花村「あぁん左右田くん会いたかったよぉー!」スリスリ


左右田「やめろぉ!俺にその気はねぇ!」



ガヤガヤ


西園寺「ま!待ってよ!なんか見慣れた違和感があるよ!?」


七海「おっす。」


全員「・・・」


七海「おっす。」


豚花小辺西澪罪弐田「七海いいいぃぃぃぃぃ!?」


狛枝「あはは!やっと気づいたみたいだね。」


豚神「なぜアルターエゴの七海がここにいる!?説明しろ日向!」


行商人「あー・・・その前にお前ら。」


司書「コホン!」


全員「・・・」


日向「一旦外に出よう。」


小泉「そ、そうね。これまでのこととか話まとめたいし。」

・・・・・・・・・
・・・・・・
・・・

田中「召喚魔法・・・だと!?左右田も電撃魔法を・・・!ぐっ!く・・・」


西園寺「何を悔しがっているのかなー?闇の神すら裸足で逃げ出す禁忌の覇王さん?」


左右田「はっはぁ!この俺は一発で成功させたぜ?」


日向「俺は使ったって自覚は全然ないんだけどな。」


豚神「左右田の電撃魔法はともかく、その認識だけで召喚魔法が成り立つとは思えんな。」


澪田「魔法って意外とフワッと使えちゃうんじゃないすか?この世界の人達が下手っぴなだけで。」


花村「それか日向くんが、七海さんのことを召喚出来ちゃうレベルで深ーく理解してたってことだね!」


小泉・罪木「・・・」


日向「だっ!だからそんなんじゃないって!」


七海「そうそう!私実は罪木さんに1番会いたかったんだよね。」


罪木「え、えぇ?私ですかぁ?」


花村「キマシタワー!」


七海「罪木さんなら回復魔法使えるんじゃない?」


罪木「えぇ!?」


狛枝「そうだね!日頃から電気を浴びて理解をしていた左右田くんが電気を出せたんだから、超高校級の保健委員の罪木さんに出来ない訳ないよ!」


弐大「無っ!なら超高校級のマッサージ師の二つ名を持つわしにも使えるじゃろうか!?」


七海「うんうん!出来る!と思うよ?」


終里「なら食べるのが得意な俺はどんな魔法が使えんだ!?」


豚神「それならこの俺も負けてはいない!」


小泉「はぁ、そもそも食べるのが得意でも魔法は使えないんじゃない?」


辺古山「日向が伝説の勇者だということは分かったが、その勇者がどのようにして絶望の魔王を倒し、希望の未来を手に入れたというのだ?」


日向「それが実はさっぱり分からなくて・・・」


澪田「こういう時はとりあえず行ってみるっすよ!その魔王の穴に!」


左右田「魔王の墓、な!」


花村「魔王にも穴はあるんだねぇ!」


左右田「ねぇよ!いやあるかどうかは知らねぇけど使わせねぇよ!」


花村「ふんふん、じゃあ代わりに左右田くんのを使わせて貰おうかな?」


左右田「だーっ!気持ち悪いからそういうのやめろっつーの!」


豚神「何にしても、ジャバウォック島に行かなければ進展は望めんだろう。」


小泉「私たちの旅行が、こんな形で叶うなんてね・・・」


西園寺「なんでもいいよー早く帰りたいー!」


ソニア「そうと決まればさっそく準備しましょう!」


田中「ククク・・・。ついに始まるのだな・・・!世界を揺るがす大いなる戦いが!」


行商人「悪いがその洞窟までは道がないから俺は送ってやれないぜ?」


日向「いえ、大丈夫です。七海、地図は覚えてるか?」


七海「うん。私一度見たマップは絶対に忘れないから!」


終里「魔物とやらが来ても、オレ達が全部ぶっ飛ばしてやるからな!」


豚神「ならば明日の朝出発だ。今日のうちに準備を整えるぞ。当然リーダーはこの俺だ!」


小泉「はいはい、じゃあもうそれでいいよ。」

・・・・・・・・・
・・・・・・
・・・

日向「さて、準備も整ったし今日はもう寝るか。」


左右田「なんかあれだよな!こうやって大部屋で男だけで集まって泊まるのってワクワクするな!」


九頭龍「そういやお前修学旅行とか行ったことないんだったな。」


花村「僕はムラムラするよ!」


弐大「花村は相変わらずじゃのう!がっはっは!」


豚神「貴様ら、明日は体力を使うのが予想される。くだらん話などしてないでさっさと寝ろ愚民め。」


狛枝「明日行く洞窟、バサクイの洞窟だっけ?なんだか過酷な物が待ち受けていそうな名前だね!」


九頭龍「意外と行ってみりゃ肩透かし食らって残念な感じになると思うがな。」


田中「中身は複雑と言っていたな。おそらくは部外者を拒むような卑劣な罠がはられているのかも知れぬ・・・」


日向「ますますRPGっぽいなそれ・・・」


狛枝「まぁまぁ!そういうのは行ってから考えればいいよ!」


左右田「そうだぜ!なぁなぁ恋バナしようぜ!」


九頭龍「お前の恋バナって下ネタじゃねぇか。」


花村「むふふ!僕は大いに歓迎だよ!」


豚神「くだらん、俺は寝るぞ。」


弐大「まぁ聞け豚神や、今後のクロサギに役立つ話もあるかもしれんぞ?花村から女子を落とすテクニックを聞けるかもしれん!」


豚神「・・・ふん。耳だけは傾けてやる。」


花村「ふふ!女の子だけじゃなく男の子を落とすテクニックも教えちゃうよん!」


左右田「んでよ日向、お前って実はMなんだろ?」


日向「は、はぁ!?」


九頭龍「やっぱりこの手の話になりやがったか・・・」


花村「そうなの!?」


日向「い、いや!左右田が言うほどじゃないって!」


狛枝「相変わらず否定はないんだね。」


豚神「ふん、愚民らしい低俗な性癖だ。」


弐大「のう、えむとはなんのことじゃ?」


豚神「簡単に言えば、己を傷付けることに快感を思えるような者のことだな。」


弐大「応!ならばワシもえむじゃな!?」


弐大「自らを厳しく律し鍛えぬくことでその先の力に喜びを知る!よぉーし!ならば全員をえむにしてやる!トレーニングじゃあ!!!」


田中「や、やめろ!俺は静寂の中に身を休める。邪魔するものは地獄の炎で闇の底に沈める!」


左右田「けっ!こういう時ノリ悪いやつはホント冷めるぜ。」


花村「弐大くんのMは違うにしても、日向くん、Mの世界にようこそ・・・」


日向「い!いやだから俺は!」


左右田「へへへ!ゲロっちまえよ日向。楽になれよ。」


花村「さぁ日向くん・・・こっちにおいで・・・」


日向「俺は・・・!おれは・・・」


狛枝「しっかりしてよ日向くん!君の希望はそんなものなのかい!?」


日向「オレハ・・・えむ・・・?」


狛枝「ま!まずいよ九頭龍くん!日向くんの希望が揺れているよ!」


九頭龍「おいコラ日向テメェ!七海を思い出せ!あいつはどう見てもSじゃねぇ!」


日向「はっ!?危ない危ない、絶望堕ちするところだった。」


左右田「チッ!」


花村「うーん惜しかったね。」


弐大「なんじゃ?日向は鍛えれば伸びるタイプだと思ったんじゃがのう。」


豚神「まだ勘違いをしているのか。」

・・・・・・・・・
・・・・・・
・・・


豚神「よし。荷物も装備も整った。」


辺古山「バサクイの洞窟だな。よし行こう。」


門番「十分に注意をしろ。」


行商人「気をつけてな。」


日向「えぇ、お世話になりました。」


花村「こんなに食料も貰っちゃって、なんかお返ししなきゃね!」


終里「正直これじゃ食い足りな
九頭龍「黙ってろボケ!」


豚神「ならば行商人にはこれをやろう。」


行商人「ん?なんだこれ?」


豚神「希望ヶ峰の指輪だ。まぁ俺達の間では、信頼の証として交換される。」


豚神「詐欺師である俺を信用してくれた礼だ。つまらん物だがな。」


行商人「へぇ・・・異世界の・・・よく見りゃいい品じゃねえか!」


小泉「ちょっと!売ったりしないでよね!」


行商人「はは!冗談だよ!ありがとよ。」


澪田「むっきゃー!なんかいい感じっすね!だったら唯吹も門番さんにプレゼントっす!」


門番「む、いいのか?俺も貰っても。」


西園寺「ま、お前がいなかったら門前払いされてたところだしね。」


田中「それには俺様の加護の術がかけてある・・・、クックックッ!力に飲まれるなよ?」


澪田「そうだったんすか!?」


左右田「いや嘘に決まってんだろ信じんなよ!」


狛枝「それじゃあ、天気が崩れないうちに行こうか。」


七海「そうだね、よし、しゅっぱーつ!」

・・・・・・・・・
・・・・・・
・・・

ソニア「やはり、道路はないのですね。」


豚神「人が通った跡がある。道には迷わなくて良さそうだ。」


終里「・・・なんか来んぞ」


キラーマシン「ギーガガガ」


七海「あ、キラーマシンだ。」


西園寺「なにあれ!?敵!?」


七海「強いよ!二回攻撃してくるよ!」


弐大「確かに、ワシと田中が戦った相手よりも強そうじゃのう。」


左右田「ていうかあれめっちゃ解体したい!なぁ!?」


九頭龍「よし!行ったれ勇者!」


日向「えぇ!?」


小泉「怪我したらどうすんのよ!?」


罪木「えへへ///そしたら私が治療しますぅ///」


小泉「む・・・。で、でも!」


終里「ならオレが相手してやんぜ!」


日向「こ、このヘンテコメカめ!あっちいけ!」


左右田「ヘンテコメカってなんだよめちゃくちゃカッコイイだろあれ!」


小泉「なんでアンタが文句言ってんのよ!」


キラーマシン「ギー!」矢バシュッ!


ブスリ


日向「いってえぇぇぇ!!!」


小泉「キャー!日向!?」


罪木「日向さぁん!?」


七海「罪木さん!ホイミホイミ!」


罪木「へぇ!?ホイミですかぁ!?」


キラーマシン「ビギー」


澪田「ぎゃー!こっち見たぁ!!」


左右田「あわわわわわ田中お前魔界の飼育委員なんだろ!?魔物くらい手なずけろよ!」


田中「ばっ!?愚か者!アレはどう見てもからくり人形!メカニックの貴様の専門だろう!?」


辺古山「はっ!」ガキィ!


弐大「噴!」ゴン!


終里「よくわかんねぇけどオラァ!」ゴキン!


キラーマシン「ギ・・・」プシュー


左右田「あああ壊すなぁ!!」


西園寺「左右田おにぃヘタレすぎぃ!」


日向「膝に矢を受けてしまった・・・」


罪木「えっとぉ・・・包帯と消毒液と・・・」


七海「それは違うよ!」


罪木「はいぃ!すみません間違えましたぁ!!!」


花村「いやぁ・・・あってると思うけど・・・」


七海「ま!ほ!う!魔法使ってお願い!」


罪木「え・・・えぇ・・・」


日向「出来ればすぐ治して欲しいんだが・・・」


七海「とりあえず、日向くんを治療するイメージを正確に思い浮かべてホイミ!って!」


罪木「ほ!ほいみ!」パアァ


日向「あ、治った。」


狛枝「さすがだよ!超高校級の保健委員ならではの希望の力!あぁなんて素晴らしいんだろう!」


罪木「ふえぇ!?なんですかこれぇ!?」


七海「イェーイ」


田中「むっ、ぐぐぐ・・・」


西園寺「けっ!ゲロ豚のくせに・・・」


辺古山「ふむ、これなら怪我をした時の心配はなさそうだな。」


日向「そうだな。ありがとう罪木、頼りにしてるぜ?」


罪木「え、えへへへへ///どうもぉ///」


小泉「むぅ・・・」


左右田「すげぇ・・・!このメタリックでブルーな装甲!こいつエンジンねぇのに電気で動いてんのか・・・!?イカスぜ!」


豚神「行商人が魔物にも魔法を使うものがいると言っていたな。この機械もその一つなのだろう。」

この調子なら大多数が魔法使えそうだな

狛枝ってメテオ使いそうだよね
いやパルプンテか


みんなのノリが高校生らしくていいね
会話が楽しい

・・・・・・・・・
・・・・・・
・・・


澪田「なんやかんやあって到着ぅ!」


花村「やっと着いた・・・」


豚神「中は暗いな。松明に火をつけろ。」


七海「・・・」キラキラ


日向「あぁ魔法な、誰か魔法で火を出してくれ。」


左右田「オラ田中!出番だぜ!?」


田中「!?」


西園寺「クスクス!普段から地獄の炎がなんたらってよく言ってるもんねー!」


田中「ふん、なるほどな・・・。脆弱な人間共では自力で火をおこすことも叶わぬ、故に俺様の力を頼るか・・・」


田中「半分正解の判断だ、褒めてやろう。しかし俺様の炎は松明は愚かこの世界をも焼き尽くしてしまうからな。簡単には使えぬ!」


西園寺「あーはいはい。もう興味ないよ。」


狛枝「なら花村くんだね!」


花村「え?なになに?僕がなんだって?」


辺古山「確かに花村が1番火に身近だな。」


ソニア「魔法で火をおこすしてください!」


七海「・・・」キラキラ


花村「えっ・・・とぉ・・・」


日向「花村、やってみてくれ。」


花村「うーんわかった!女の子の頼みは断れないしね!お礼は日向くんの身体でいいよ!」


日向「待て!何かがおかしくないか!?」


豚神「早くしろ愚民。」


花村「あちょー!ファイアー!」

ボッ!


澪田「ついた!?火がついたっすー!」


田中「・・・」


花村「うわぁ!?ホントについちゃった!?」


豚神「よし、先に進むぞ。」


ソニア「花村さん。どんな感じですか?」


花村「なんか頭が疲れたかな・・・」


小泉「それは蜜柑ちゃんを見れば・・・」


罪木「あー(^p^)」


七海「MP切れだね。」


西園寺「ゲロ豚がただの池沼と化した・・・」


九頭龍「ったく!お前らが怪我ばっかするからだぞ!」


弐大「無っ!すまぬ!」


終里「おう!わりいな!」


狛枝「まぁまぁ、モンスターもたくさん襲ってきたし、3人が頑張ってくれたから無事に来れたんだしさ!」


日向「大丈夫か?罪木。」


罪木「あ・・・日向さん。すいませんシャキッとしますぅ・・・」


日向「歩くの辛かったらおぶってやるぞ?」


罪木「ひゃ!だ!大丈夫ですそんな!日向さんの手を煩わせるなんて!」


辺古山「いや、罪木の回復はこの先も必要になる。しっかり休んでおいた方がいい。」


九頭龍「そういうことだ。日向におぶられとけ。」


罪木「で、でもぉ・・・」


弐大「なんならわしが背負って
狛枝「希望キック!」ゲシ!


弐大「ぐぉ!?」


狛枝「ごめんね弐大くん。足が滑ったよ!」


弐大「無っ、いい蹴りじゃった!」


日向「遠慮すんなよ。俺は戦えないしな。」


罪木「あ、ありがとうございます///」


小泉「・・・」


七海「女剣士に女武闘家と武闘家、電撃、炎、回復の魔法使い!いいパーティだね!」


小泉「あ、あのさ千秋ちゃん?」


七海「ん?」


小泉「私にも何か使えそうな魔法、ないかな?」


西園寺「え!?小泉おねぇ魔法使いたいの?」


小泉「う、うんまぁね。私も役に立ちたいし。」


狛枝「あぁ・・・!希望!希望のための絶望が見えてきたよ!」


終里「何言ってんだこいつ。」


七海「うーん。何があるかなぁ・・・。」


左右田「ぶっちゃけこんだけホイホイ使えるやつが出てきてるところ見るとさ、割とテキトーな感じでも使えちまうんじゃねぇか?」


小泉(日向の役に立ちそうな魔法・・・)


ソニア「見てください!ここにスイッチがありますよ!」


豚神「見せてみろ。・・・何も書いてないな。」


九頭龍「ゲーマーの意見が必要だな。おい七海!」


七海「うーん・・・」


九頭龍「おいコラ七海!」


日向「七海、九頭龍が呼んでるぞ?」


七海「え?何かな?」


九頭龍「ったく!日向の声にだけ反応すんのかよ・・・」


罪木・小泉「・・・」


狛枝「あぁ///」ビクン


辺古山「このスイッチについてどう思う?」


七海「うーん・・・まだなんとも言えないね。他をまわって、他にもスイッチがあるか確認しよう。」


ソニア「ではイケイケドンドンです!進みましょう!」


左右田「はいソニアさん!」


田中「虎穴に入らずんば虎の子を得ずと言う言葉があるが・・・。ふ!わざわざ墓穴に飛び込むバカはいないようだな!」


澪田「ここ墓穴だったんすか?」


田中「破壊神暗黒四天王が感じ取っている・・・。この下に多くの死体がある。」


ソニア「さすが田中さんです!」


左右田「・・・ケッ!」


狛枝「押してみようよ。」ポチ


パカ!


七海「あ」

日向「あ」

罪木「あ」

小泉「あ」

狛枝「わお!」


七日罪小狛「うわあぁぁぁ!?」ヒューン


左右田「日向!?」


澪田「凪斗ちゃんなんで押したっすか!?」


西園寺「小泉おねぇ!ゲロ豚!」


終里「くっそ!!」ピョン!


弐大「待て!終里!」ガシ!


終里「離せオッサン!あいつらが!」


九頭龍「そこが見えねぇ!もう助けらんねぇ!」


終里「そんな・・・!」


ソニア「ど、どうしたら・・・!?」


豚神「・・・落ち着け愚民。」


澪田「いややややや!?でででももももも!」


豚神「あのスイッチを押したのは狛枝だ。きっと助かってる。」


左右田「んなことあてになんのかぁ!?」


豚神「押してはいけないと言われているにも関わらず押したのだ。狛枝は何を考えているかは分からないが、何かを考えての行動だろう。」


田中「幸運を操れる狛枝だ・・・。ロクでもないことを考えているのだろうが、ここで死ぬようなことはないだろう。」


西園寺「うぅ・・・小泉おねぇ・・・。」


辺古山「とりあえず先に進み助けにいくぞ!狛枝め・・・!」

・・・・・・・・・
・・・・・・
・・・


日向「う・・・いてて・・・。」


狛枝「落とし穴のスイッチだったみたいだね。みんな大丈夫?」


罪木「あうぅ・・・なんとか・・・」


七海「・・・狛枝くん・・・。」


狛枝「ごめんごめん!そんな怖い顔しないでよ!僕もまさかこんなトラップだって分からなかったんだからさ!」


日向「田中が警告してただろ!?ったく・・・ん?」ムニュ


小泉「・・・あ・・・あ・・・!?」ムニュムニュ


日向「しまっ///ち!違うんだ小泉!これは事故でっ・・・!」


小泉「へ!ヘンタイ!!!」パシン!


日向「へぶッ!!!」


罪木「ひっ!日向さぁん!?」


七海「ラッキースケベだ。」

     ・
     ・
     ・

日向「・・・」ヒリヒリ


罪木「だ、大丈夫ですか?日向さん・・・」


日向「あぁ・・・」


小泉「ふん・・・///」


罪木「すいませぇん日向さん・・・ケガではないので私には治せなさそうで・・・」


日向「いや、大丈夫だよ罪木。そんなに酷くないし。」


罪木「で、でもぉ・・・真っ赤な手の跡が・・・」


小泉「そんなに心配しなくてもいいよ蜜柑ちゃん。男なんだからそんな気遣い必要ないんだから!」


罪木「むっ・・・あの・・・日向さんも悪気はなかったんですし・・・小泉さんも謝った方が・・・」


小泉「・・・蜜柑ちゃんは日向に気を遣いすぎよ?もうちょっと気を強く持たなきゃ。」


罪木・小泉「・・・」


七海「そもそも狛枝くんが悪いんだよ?押しちゃダメっていってるのに。」


狛枝「いやぁごめんごめん!つい気になっちゃってさ!それにしても落とし穴になってたなんて・・・ついてなかったね!」


日向「押したのが狛枝じゃなかったら死んでただろうな。不幸のあとに幸運か・・・なにが待ってんだか・・・」


小泉「たまたま木の枝に引っ掛かって衝撃わ抑えられたんだからもう幸運でしょ。」


七海「また枝だね。」


狛枝「あはは・・・」


小泉「もう!早くこの穴からでなきゃ!どうすりゃいいのよ!」


罪木「あぅ・・・周りに骸骨がいっぱい・・・」


七海「任せて!こういう時はだいたい壁とか床に出口のスイッチがあるんだよ!」


狛枝「これかな?」ガコッ


ズズズズ・・・

ズン!


日向「おぉ!?壁から道が開いた!」


七海「どや!」


日向「ナイスだ七海!」ナデナデ


七海「えへへ///」


小泉「っ・・・、ほら!出口ができたんならさっさと行くわよ!」グイ!


日向「おっとと、引っ張るなよ。」


七海「あ・・・」


罪木「そうですね、早く皆さんと合流しましょう!」


狛枝「ふふ・・・うっほほwww///」


日向「なに気持ち悪い笑いしてんだよ・・・」


狛枝「んへへ・・・なんでもないよ!」


狛枝(そう・・・これが僕が待っていた状況・・・。希望をより輝かせるための絶望・・・。)


狛枝(いわゆる修羅場!3人の希望が希望を掴もうとする絶望的な状況・・・。日向くんが誰を選んでも誰かが不幸になる絶望・・・)


狛枝(にしても七海さんが出てきてくれたのはラッキーだったね。日向くんは七海さんが好きみたいだし、これでより絶望的な修羅場となる。)


狛枝(さぁ・・・日向くん。この絶望をどうやって乗り越える?)


日向「狛枝さっきから気味が悪いな・・・。それより小泉。そろそろ手離してくれよ。」


小泉「え?あ・・・///ごめん///」


罪木「・・・」


日向「このまままっすぐ行けば出れるかな。」


七海「それは違うよ!」


七海「トラップで落ちた地下っていうのは、大抵迷路になっていることが多いよ!その代わりアイテムが手に入るけどね。」


日向「迷路か、まぁ狛枝がいるし大丈夫だろ。」


狛枝「ははは、僕にできるかな?」

狛枝(悪いけど日向くん・・・簡単には出さないよ。)


罪木「もし怪我をしても、私が治しますね!日向さん!」


日向「ありがとう、罪木は頼りになるな!」


罪木「へへ///」


小泉「・・・チッ」


日向「な、なぁ小泉?まだ怒ってんのか?」


小泉「・・・別に。」


罪木「も、もう許してあげましょうよ小泉さぁん・・・。胸なんて揉まれても減るもんじゃないし減るほどないですし」


小泉「なんか一言多くない!?」


七海「まぁまぁ、ラッキースケベは主人公の特権だし。」ボイン


狛枝「日向くんはここじゃ勇者だしね!」


罪木「そ!そうですよね!」ボイン


小泉「ぐっぬぬ・・・」


日向「おっと・・・分かれ道だ。」


狛枝「僕の出番かな?」


七海「っとその前に、小泉さん、ここ写真撮ってくれないかな?」


小泉「写真?いいけどどうして?」


七海「もし迷って引き返すことになった時に役に立つからさ。」


小泉「あぁなるほどね。じゃあ撮るね!」


狛枝「日向くんピース!イェーイ!」


日向「イェーイ!」

パシャ!


日向「しまった!?狛枝に乗せられて・・・!」


小泉「ちょっと!何してんのよあんたら!」


狛枝「あははごめんごめん!つい、ね!」


七海「狛枝くんどうしてそんな上機嫌なのかな?」


狛枝「日向くん、どう撮れたか見てみようよ。」


罪木「狛枝さん緊張感無さすぎですぅ!」


日向「まぁピリピリしすぎてるよりはいいけどさ・・・。小泉、見せてくれ。」


小泉「まったく・・・はいこれ。」


狛枝「あはは!よく撮れてるね!」


日向「ははは・・・」


狛枝「希望タップ!」ピピピピピピ


小泉「ちょっと!?カメラ変なふうにいじらないでよ!」


日向「ん?これは・・・メイド服?小泉か?」


小泉「ちょ!勝手に見ないで!///」


日向「これいつ撮ったんだ?すごく似合ってるぞ。」


小泉「うぅ///」


七海「私も見たい!」


小泉「///」プシュー


七海「ホントだ可愛い!」


日向「小泉は世話焼きだからな!様になってるし、本当に可愛いと思うぞ?」


小泉「や、やめてよ・・・///」


罪木「何してるんですか狛枝さん。早く道を示してください。早く、早く早く早く早く早く早く」


狛枝「ちょっ、分かったから怒らないでよ!怖いよ!」枝コトン

おつ
狛枝輝いてるなwwww

・・・・・・・・・
・・・・・・
・・・

花村「また行き止まりだ・・・」


左右田「チッ!いつになったら外に出られんだよ!」


ソニア「外に出る前に、日向さん達と合流しなければなりません!」


弐大「にしても長い洞窟じゃのう。かれこれ3時間は歩いたじゃろうか。」


西園寺「つ、疲れた・・・もう歩けない・・・」


澪田「確かモンスターよりも洞窟そのものがヤバイって言ってたっすよね?」


田中「確かに俺達を襲う魔物は少ない・・・そして雑作もなく追い払えるな・・・」


終里「おめぇ何もしてねぇだろ。」


九頭龍「こんな時七海や狛枝がいりゃあいいんだがな・・・」


辺古山「豚神、どうだ?」


豚神「ふむ、やはりかなり複雑だな。だが道のメモはしっかりとっているから安心しろ。俺が導いてやる!」


西園寺「ね、ねぇ・・・」


左右田「はぁ・・・んじゃさっきのとこまで引き返すか・・・」


田中「地底の王の城に迷うとはな。簡単には顔を出すつもりはないということか!」


西園寺「ねぇってば!」


ソニア「どうしましたか?西園寺さん。」


西園寺「あのさ、この行き止まり・・・さっきも・・・来なかった?」


花村「え?そうかな。」


終里「言われてみればそんな気がすんな?」


九頭龍「ったく。そんな訳ねぇだろボケが!豚神が地図作りながら歩いてんだぞ!?」


西園寺「で、でも!」


豚神「まぁ待て。よく調べて見るぞ。」


弐大「無ぅ。暗いからよくわからんのぉ。」


終里「・・・ん、いや!やっぱ来たことあんぞ!」


左右田「はぁ?なんでそう思うんだよ。」


終里「間違いねぇ!ここオレ覚えてるぞ!」


辺古山「根拠はあるのか?」


終里「ここら辺とか!こことか!」


花村「うーん・・・。僕らには分からないけど、終里さんはそういうのに鋭そうだからなぁ。」


ソニア「豚神さん。地図見せてください。」


豚神「これだ・・・しかし同じ道を通ったらすぐに分かると思うんだが・・・」


左右田「んー?道が合わさってそうな所もねぇなぁ。ホントに来たことある道なのか?」


西園寺「ホントだって言ってんだろヘタレおにぃ!」


澪田「まぁまぁ!どちらにしても進めないんすから!引き返すっすよ!」


豚神「そうだな。念のため分かるようにここに印を着けておこう。」


辺古山「ふん!」ズバズバ!


九頭龍「よくやったペコ。このバツ印がまた来たら、同じ所って訳か。」


澪田「よっしゃあぁぁ!!!んじゃ進むっすよー!」

     ・
     ・
     ・

澪田「・・・まーたここっすか・・・」


豚神「どうなっている・・・」


辺古山「さっきから全て違うルートを通っているはずだ!なぜ同じ行き止まりにくる!?」


九頭龍「落ち着けペコ!豚神、そのメモは間違いねぇんだろうな?」


豚神「当たり前だ愚民め。俺が間違いを起こすとでも思っているのか?」


ソニア「でも・・・」


西園寺「うぅ・・・だから言ったじゃんかぁ・・・」


左右田「こ、これってあれか?まままま魔法とかで出られなくなってるとかか!?」


田中「おそらく・・・いや間違いなくそうだろうな・・・。空間すらもねじ曲げる強力な魔法・・・。なるほど魔王ができそうなものだ。」


左右田「感心してんじゃねぇよ!これってこのまま一生出られねぇのか!?」


ソニア「お黙りなさい!」


左右田「はい!」


豚神「方向も距離も正確に地図に記しているが、道が重なるような点は一つもない。」


辺古山「しかし結果的に1つの場所にたどり着くのだ、どこか重なる点があるはずだ。」


澪田「それじゃーあー、今度は印を付けながら回ってみるっすか?」


豚神「そうだな。辺古山、頼む。」


辺古山「承知した。」


西園寺「はぁ・・・、私ここで待ってるー。もう歩けない!」


豚神「1人ではダメだ。モンスターに襲われる可能性がある。」


弐大「ならワシが残ろう。」


田中「・・・しかし妙だな・・・。」


ソニア「どうかしたんですか?」


田中「魔王は無限回廊の幻界に閉じ込める力を持ちながら、なぜ洞窟のすぐにあの様な稚拙な落とし穴のトラップなどを仕掛けたのか、だ。」


澪田「うーむ?確かにー!」


左右田「あんなのにかかるやついないだろ!ってくらいあからさまだったしなぁ。」


終里「あっちが正解の道とかだったんじゃねぇのか?」


田中「それはない!貴様ら愚鈍な人間共には解らぬだろうが、あの下には間違いなく亡者の巣窟がある!」


左右田「ホントかぁ?あてになんねぇんだよなお前のそういうの。」


花村「日向君たち、大丈夫かなぁ・・・」

・・・・・・・・・
・・・・・・
・・・

日向「また行き止まりか・・・」


小泉「ちょっと狛枝!?真面目にやりなさいよ!」


狛枝「あっれー?おかしいな、あはは!」


小泉「まったく・・・早くここから出なきゃいけないんだからね!」


七海「いやいやー、こういう所ではかえって行き止まりを回っていった方がいいんだよ!」


罪木「確かに宝箱とかありましたけどぉ、それって役に立つんでしょうか・・・」


七海「立つ立つ!この水とかは多分回復アイテムだしこの剣とか攻撃力高そう!」


狛枝「もしかしたらホントにゲームの世界だったりしてね!」


日向「しかし実際こうやって宝箱が見つかると、そう信じざるを得ないな。」


小泉「死んでも復活できればいいけどね・・・」


七海「あ!しまった!」


罪木「ふえぇ!?どうしたんですかぁ!?」


七海「教会でセーブしてくるべきだったなぁ。」


日向「冒険の書なんてなかったじゃないか。」


小泉「関係ないけど豚神が日誌を書いてたわね。」


七海「おぉ!さすがは豚神くん!」


狛枝「これで安心だね!」


日向「安心なわけ無いだろ・・・っと、さっきの分かれ道まで戻ってきたな。」


小泉「えーっと、さっきはこっちから来たから・・・あっちね。」


罪木「あれ?こっちじゃありませんか?」


小泉「え?あっちでしょ。そっちはもう行ったでしょ?」


罪木「そんなことないです!そっちは最初に来た道ですよ!」


小泉「私写真撮ってるけど!?絶対にこっちよ!」


罪木「撮ってる方向が既に逆なんですよ!絶対にこっちです!」


小泉「絶対に!」


罪木「こっちですよぉ!」


小泉・罪木「「日向(さん)!!!」」


日向「はいっ!?」


小泉「日向はどっちだと思う?」


罪木「こっちですよね?」ニッコリ


日向「え・・・えーっとぉ・・・」


狛枝「ふふふ!」ニヤニヤ


日向「お、俺も分からないから狛枝の枝で決めよう!」


狛枝「はぁ?チッ・・・」


日向「え、ちょ」


小泉「はぁ、狛枝のそれに頼ってたから迷ったんじゃない。」


罪木「大丈夫です、私は日向さんを信じますよぉ、えへへ・・・」


日向(やばい覚えてないぞ・・・。というかなんでこんな空気悪くなってんだよバーロー!)


日向「えっと・・・たぶん」
七海「どれでもないよ?」


日向「え?」


七海「私通った道をマップみたいにして暗記してるから。次に行くべき道はこっちだよ。多分。」


小泉「多分ってそんな
日向「ナイスだ七海!!」


日向「そうだよな!ゲームが得意な七海なら出来るもんな!いやぁ七海がいて良かった!頼りになるな!」ナデナデ

日向(よし!これで気まずい状態から抜け出せたぞ!)


七海「えへへ///」


小泉・罪木「「ぐぬぬぬぬ・・・」」


小泉「ならさっさと行くわよ!ほら!」グイ!


罪木「皆さんも心配してるかもしれませんし!」グイ!


日向「うわっとと、押すなよ引っ張るなよ。」


七海「あ・・・むぅ。」プクー


狛枝(ふふふ・・・///いい感じだね!さぁ、そろそろクライマックスへと進もうか!)

狛枝「そういえば日向くん!関係ないんだけどさ。」


日向「ん?なんだよ。」


狛枝「日向くんって胸の大きい人が好きなんだっけ?」


日向「ふごぉ!?」


3人「!?」


狛枝「しかもM。」


日向「ブフゥ!?ななななんだよ急に!?」


狛枝「いやさ、昨日夜に恋バナしたじゃない。」


七海「そういえばスマートフォンの中から聞いたこともあったような・・・」


小泉「・・・日向・・・・・・。」チョイーン


罪木「へぇーそーなんですかぁー。なるほどぉー・・・」ボイン


日向「違うだろ!?あれはお前らが勝手に話を進めただけで・・・!」


狛枝「相変わらず、否定はないみたいだね。」


日向「ち!違っ・・・!俺はMなんじゃなくてライトMなんだよ!ちょっと尻に敷かれるくらいがいいんだよ!」


狛枝「ブーッ!!??www」


日向「っあ・・・!?しまった!?」


罪木「うぅ・・・?わ、私も・・・」


小泉「あーなるほどそういうの日常だわ私うん。」


七海「日向くん私が起こしてあげないといつも寝坊しちゃうもんね。その他の予定とかも。」


日向「ちょっ」


狛枝「おっひょwww」


狛枝「つまり日向くんにとって七海さんが【理想のお嫁さん】なのかな?」


コトダマ:アルターエゴ


小泉「その推理はピンボケだよ!」break!


小泉「お嫁さんって、千秋ちゃんはアルターエゴでしょ?そういう仕事をするようにプログラムされてるんだしさ。」


罪木「そもそも七海さんの容姿って、不二咲さん、でしたっけ?が設定したんですよね?スリーサイズとかも。」


七海「・・・」


狛枝「ふふ・・・!」


日向「お、おいお前ら・・・」


小泉「魔法?ででこれた訳だけど、この世界から戻ったらやっぱりプログラムに戻っちゃうんじゃない?」


罪木「スマートフォンは焦げてしまったんでどうなるかは分からないんですけどぉ・・・。お嫁さんにはなれませんよね?」


七海「うん・・・」


狛枝「・・・」


小泉「私は家でお父さんの分の家事もこなしてるから、主婦業はまぁ一通りこなせるけど?」


罪木「日向さぁん、私日向さんのお願いなら、なんでも応えられますよぉ・・・?」


小泉・罪木「「【私なら】・・・」」


コトダマ:超高校級のメカニック


日向「それは違うぞ!」break!


日向「お前らさっきからなんなんだ・・・!七海のことを偽物みたいな言い方して!」


小泉「はっ・・・!?」


罪木「あ・・・」


日向「七海が何かお前らにしたのかよ・・・!?七海がいちゃいけないのかよ!」


小泉「ち!違うの!ごめん千秋ちゃん!そんなつもりじゃ!」


罪木「すいませぇん!ちょ、調子に乗ってしまいましたぁ!す、すごく酷いこと・・・!なんでもするんで許してくださぁい!」


七海「ううん、気にしないで?本当のことだし。」


日向「左右田が言ってくれたんだよ・・・。将来七海そっくりのアンドロイドを作ってくれるってな。」


日向「今はこうして魔法で一緒にいるけど、未来は魔法なんかなくたって!希望の力で七海を呼び出せるかもしれないんだ!」


日向「そうすれば七海だって俺達と同じように生活して、誰かと結婚だってできるかもしれないだろ!」


日向「どんなに可能性が低くても、俺は左右田を・・・!」


日向「未来を信じる!!」


狛枝「ブラボーだよ!うっ・・・フゥ・・・」ベチョ


日向「え・・・狛枝?いまなんか」


狛枝「君の希望を見せてもらったよ!いやー実に素晴らしい!君らしい希望だよ!」


日向「え?え???」


狛枝「超高校級の相談窓口である君だから!食い違う想いで生じる絶望的な状況を、超高校級のメカニックの希望を借りておさめることができたんだ!」


狛枝「そして嫁力を競い合う女子達を一喝できるその発言力、さすがだよ!」

狛枝(なんてね、ここら辺が潮時かな。もう少し見てたかったけど、僕も丸くなったな。賢者モードだからかな。)


日向「な、なんだ、やっぱり嫁力だか女子力だかを競ってたのか・・・」


七海「狛枝くん・・・」


日向「まぁなんだか良くわかんないけど、しょうもないことで争うなよ?こんな状況だから仕方ないとは思うけどさ。」


小泉「うん・・・本当にごめんね千秋ちゃん。私どうかしてた・・・」


罪木「あうぅ・・・すいませぇん・・・」


七海「ううん、大丈夫。私も、日向くんと同じ未来を信じてみるよ。」


狛枝「ふぅ・・・。じゃ、さっさとここから出ようか。」賢者モード


狛枝「よいしょっと・・・」枝コトン


日向「それ、また信じていいのか?」


狛枝「日向くん、左右田くんの才能を信じてるんでしょ?だったら僕の、幸運の才能も信じてよ。」

修羅場やらせるためにキャラの性格悪くさせるのは嫌いだな

キャラ崩壊ありだから、多少は性格ゆがめて修羅場作ってもありだとは思うけど、ちょっとキャラの贔屓が露骨かも
この>>155-158だと完全に小泉と罪木sageで七海ageになってる
「嫁力を競い合う女子達」を書きたいなら七海にも「私AIだから人間と違って~できる」等のことを言わせるなり色々あるかと

わざわざを小泉と罪木を一方的に悪者にして、2人が好きなこのスレを見てる人に嫌な思いをさせる必要はないんじゃないかな?

別にそうは感じなかったけどなぁ
SSなんて気楽に見ればいいよ

俺小泉さん好きだけどそんな嫌に感じなかったよ

小泉さんはキャラ崩壊して毒を吐いたんじゃなく、物語上で自分より日向の役に立てる罪木さんや七海ちゃんにコンプレックスを持ったから少し素が出てしまった……みたいな解釈ね

まあ、何が言いたいかというとこのssサイコーですハイ


>>161
>>160
ぶっちゃけそれは俺も書いてて思ってた

なんというかダンロン2はキャラの扱いムズイってのとネタ浮かばなくてつまりどういうことかというとすいません許して

応援してくれてる人ありがたい

・・・・・・・・・
・・・・・・
・・・

豚神「・・・ふむ。なるほどな。」


九頭龍「少しずつ地図が完成してきたな。合流地点は全部で5つか。」


辺古山「しかもその合流地点にはそれぞれ3つの分かれ道がある。」


田中「そして正しい道へ進まなければ最初の場所に戻されてしまう、ということか。」


ソニア「ということは、一番多く通ったこの合流地点が最初で、ほとんど通らなかったこの合流地点が最後、というわけですね?」


豚神「その通りだ。この最後の合流地点と思われる場所はまだ2回程度しか通っていないが、これでどれが正解かも分かった。」


左右田「もしここがホントに最後の合流地点だったとしたら、やっとこの迷路からも出られるんだな!?」


花村「はぁー・・・。さすがに歩き疲れたよ・・・。」


澪田「でもー、創ちゃんとかはどうするっすか?」


九頭龍「いったん外に出たあとに引き返すっきゃねぇな。ま、狛枝も七海もいるし、もう外にいるかもしんねぇしな!」


終里「よし!ならさっさと出ようぜ!オレはもう腹減っちまって!」


弐大「ほれ立て西園寺!脱出じゃあああぁぁぁ!!!」


西園寺「もー!大きい声出さなくってもわかるっつーの!」


七海「それじゃ行こうか。」


左右田「はぁ・・・出たところで元の世界に戻れるかは分からないんだけどな・・・」


九頭龍「考えたって分かんねぇんだ。やることやるしかねぇだろうが。」


七海「そうそう。」


澪田「そうっすよ和一ちゃん!千秋ちゃんもいるんすから!」


全員「・・・」


全員「七海いぃぃぃ!?」


辺古山「お前・・・!どこから来た!」


七海「あそこだよ?」


日向「先行くなよ七海ー。」


小泉「どう?出れた?」


花村「新しい階段がぁ!?」


罪木「み!みなさぁん!?」


狛枝「どうやら、みんな会えたみたいだね。」


左右田「うおおぉぁぁ日向あぁぁぁ!!!よかっだぁぉぁ!」


日向「ちょっ!やめろバーロー!」


西園寺「うわあぁぁぁん!!小泉おねぇ!!」


小泉「よしよし。」


ソニア「ほっ・・・これで安心して脱出出来る訳ですね?」


田中「悪運の強い奴だ・・・」


終里「おい日向!おめぇ飯持ってただろ!?よこせぇ!!」ガブ


日向「痛ってえぇっぁん///」


狛枝「うわ・・・」


花村「ムッ!?Mの気配!?」


弐大「やはり日向はMなんじゃな!?よおぉし!走って外に出るぞおぉぉ!!」


澪田「いやっほおぉぉぉ!!!」


豚神「ふん、やれやれ・・・」


七海「そういえば豚神くん。そのメモは?」


豚神「ん?これは地図だ。実はこの先がカクカクシカジカでな。」


七海「あー・・・。右、右、左、中央、中央だね。」


豚神「!?。なぜ分かった。」


七海「地下の道も迷路でさ。この順番で行くと上に上がれるようになってたんだよ。」


七海「多分落とし穴で下に降りたあと、迷路を抜けて、その行き方を覚えて先に進むってことだったんじゃないかな?多分。」


田中「なるほどな・・・だから落とし穴のスイッチなど幼稚な罠を置いておいたのか。」


七海「落ちて助かったってのは、ただのラッキーじゃなかったのかもね。」

・・・・・・・・・
・・・・・・
・・・

日向「で、出れた!外だ!」


左右田「や、やっとかよぉ・・・」ヘナヘナ


兵士「む!?君たちはなんだ!?この洞窟を抜けて出てきたのか!?」


花村「ヌいて外に出した?」


九頭龍「ふん!」ゲシ!


花村「いあぁん///」


九頭龍「急で悪いんだが、とりあえずこれを見な。」ペラ


兵士「手紙・・・?これは門番の!」


ソニア「そう!その手紙が目に入らぬか!この方は勇者にあられるぞ!」


兵士「なっ・・・!」


ソニア「船をよこしなさーい!」


日向「勇者かどうかはともかく、俺達はどうしてもジャバウォック島に行かなきゃいけないんです。」


兵士「た、確かに手紙にはそれが書かれているが・・・」


豚神「少ないが、金もある。」


兵士「うーむ、しかしモンスターが非常に危険だ。君たちは大丈夫なのか?」


弐大「それについては問題ない!」


辺古山「うむ。」


終里「むしろ大歓迎だぜ!」


田中「世界に魔王は二柱もいらぬ。それを分からせに来たのだ。」


左右田「お前は違ぇだろ!」


七海「強そうなアイテムも手に入ったしね!」


兵士「・・・分かった。君たちの命の保証は出来ないが。連れて行ってあげよう。」


澪田「っイェイ!話が分かるお兄さんで良かったっすね!」


小泉「あー良かった!ありがとうね兵士さん!」


兵士「ではさっそく乗りたまえ。揺れるから気をつけてな。」


左右田「・・・えっ?」

     ・
     ・
     ・

左右田「うぉぶぶぶぶぶ・・・オゲェ・・・」


西園寺「左右田おにぃくっさいんだよ死ね!」


罪木「ふえぇ・・・大丈夫ですかぁ左右田さん・・・」


終里「・・・くんくん。?」


狛枝「どうしたの?終里さん。」


終里「左右田のゲロもくせぇけど、なんかお前も臭うな!いか臭ぇ!」


狛枝「えっ・・・」


ソニア「兵士さん、どれくらいでジャバウォック島に到着するんですか?」


兵士「・・・」


ソニア「兵士さん?」


豚神「どうしたソニア。」


ソニア「兵士さんが変なんです!」


豚神「おい、兵士。大丈夫か?」


兵士「・・・」


豚神「・・・?」ユサユサ


兵士「・・・」


豚神「・・・まさか!?」


辺古山「どうした。」


豚神「兵士がピクリとも動かん!」


九頭龍「あぁ!?オラてめぇ!シカトこいてんじゃねぇよ!」ゲシ!


兵士「・・・」


九頭龍「なっ・・・!?」


ソニア「こ!これはまさか!その呪いか何かでしょうか!?」


豚神「そう考えるのが自然だな・・・。くそ!なぜここに来て!」


澪田「創ちゃーん!釣りしーよぉー!」


日向「お前元気だなぁ・・・。俺は歩き疲れてクタクタだよ。」


澪田「兵士ちゃーん!釣竿貸してっすー!」


豚神「無駄だ。兵士は動かん。」


澪田「え?だるまさんがころんだやってるんすか?」


豚神「そうではない!」


澪田「じゃあ操舵手ちゃんに借りるっすー!」


豚神「操舵手・・・そういえば操舵手は!?」


狛枝「やぁみんな!ちょっと大変みたいだね!」


辺古山「狛枝!貴様なにかしたな!?」


狛枝「酷いなぁ、僕は何もしてないよ。操舵手さんが動かなくなっちゃったから、それを伝えに来たのさ。」


七海「他の船員の人も全員だね。」


九頭龍「んだとぉ!?」


七海「うん。そうみたいだね。」


豚神「船が、勝手に進んでいる・・・?」


小泉「・・・」ジー、カシャ


小泉「うん撮れた!見えてきたわよ!」


田中「吸い寄せられているのか・・・!魔王の魔力に!」


ソニア「そんな・・・!」


     ・
     ・
     ・

日向「着いた、な・・・」


田中「しかし、いややはりこの建物は・・・」


花村「どう見ても・・・希望ヶ峰学園だね。」


辺古山「豚神、良かったのか?船に誰も残らなくて。」


豚神「俺たち以外が全員フリーズ状態だ。これが魔王の力だとしたら、俺たちで助けなければならない。」


九頭龍「誰か残ったところで何もできねぇしな。さっさと中に入んぞ!」


小泉「で、でも、魔王って死んでるんじゃないの?」


田中「新しい魔王が生まれた可能性もある・・・」


罪木「そ、そんなぁ!」


日向「よし・・・開けるぞ!」

ギイッ


???「テンテロテーン!やっと来まちたね!七海さん!」


全員「!?」


日向「なっ!?」


左右田「なんだぁ!?」


田中「ついに姿を見せたか魔王!いまここで決着をつけるぞ!」


西園寺「い、いや違うでしょ!こんなちっこいウサギが魔王な訳ないでしょ!?」


澪田「ぎゃあぁぁぁ!!コロセ!コロセ!」


花村「いやー!ファイヤー!ファイヤー!!」


???「あちち!あちちでちゅ!」


九頭龍「効いてるぞ!続けろ花村!」


弐大「ワシらも続くぞぉ!!」


終里「おう!!」


辺古山「い、いや待て!」


豚神「これはしゃべるモンスター!?」


小泉「こ、この子見たことある!」


罪木「このウサギのぬいぐるみはたしか!」


七海「ウサミじゃん。オッス。」


全員「・・・えっ」


ウサミ「うぅ・・・いきなりヒドイでちゅ。」


日向「え?ウサミ!?お前も魔法で召喚されたのか!?誰に!?」


ウサミ「なんのことでちゅか?それより15人分のアルターエゴなんていつの間にか出来てたんでちゅか?」


左右田「はぁ???お前何言ってんだ?そんなのとよりさっさと奥に行かねぇと!」


終里「オレ達早く元の世界に帰りてぇんだよ!」


ウサミ「この奥はまだ未完成でちゅけど・・・」


九頭龍「あぁ!?さっきから訳わかんねぇこと言ってんじゃねぇぞボケが!」


七海「・・・違うんだよ九頭龍くん。」


九頭龍「あ?」


七海「私が前に言いかけてたこと、思い出したよ。」


日向「?、前に?」


七海「うん・・・、実は、この世界はね・・・」



ガ・・・ビガガガー


弐大「な!なんじゃあ!?」


ソニア「壁が崩れていきます!」


田中「崩れる・・・!?いやこれは!」


ウサミ「あー!またバグが起きてしまちたか!」


澪田「おげげげげ!?なんだか視界がモザイクっす!」


花村「壁が!いや周り全体が、荒れていく!?」


小泉「うぅっ!なんだか、体が・・・!」


罪木「何かに引っ張られていきますぅ!」


日向「な!七海ぃ!お前・・・何か知って・・・!」


豚神「ぐ・・・あ・・・!」


西園寺「あ・・・あの黒い塊は・・・!」


辺古山「くっ!坊ちゃん私に捕まって!ウサミ!あれはなんだ!」


ウサミ「あ・・・はデバッ・・・ームのバ・・・」


花村「も!もうダメだァ!」


狛枝「さて・・・」


狛枝「帰ろうか!」


全員「うわあぁぁぁ!!」

・・・・・・・・・
・・・・・・
・・・

不二咲「・・・」カタカタカタカタカタ タン!


不二咲「・・・」


不二咲「うーん・・・?」


苗木「どうしたの?不二咲くん。」


不二咲「あ、苗木くん・・・。実は少し困ったことがあってね・・・」


苗木「困ったこと?」


不二咲「うん・・・。今作ってるゲームなんだけど・・・」


苗木「ゲームって確か・・・ 共感覚仮想世界
・・・だっけ?」


不二咲「そう!通称新世界プログラム!まるで自分がその世界に入ったかのように体感できる次世代ゲームハードだよ!!!」


苗木「お、落ち着いて落ち着いて・・・。で、それがどうしたの?」


不二咲「あ、ご、ごめんねぇ。大きい声出して。」


不二咲「それで今、僕はテストとして簡単なRPGソフトを作っててさ。」


不二咲「それがどうも調子悪くて・・・。最近凄い嵐があったでしょ?」


苗木「あー・・・。ジャバウォック島辺りから日本にかけて起きてたね。」


不二咲「その時に落雷とかもあって、どうもその日からこれにバグが起きるんだよねぇ・・・」


不二咲「あ・・・。・・・もう!どうして村長の部屋に最強装備の希望の指輪があるのさ!?」


苗木「なんだか大変そうだね・・・。」


苗木「ん?その画面に写ってるのって・・・希望ヶ峰学園?」


不二咲「あ!よく気がついたね!」


不二咲「ラストダンジョンはジャバウォック島と希望ヶ峰学園をモチーフにして作ってるんだよ!」


不二咲「まぁこの辺はまだ未完成だし、城とか島の名前はそのままで変えてないんだけどね。」


苗木「どんな物語なの?」


不二咲「えっと・・・苗木くんになら教えてもいいかな・・・」


不二咲「まぁ今作ってるのはベタなRPGでさ、平凡な少年が仲間を集めながら過去の勇者の伝説に沿って、魔王の復活を食い止めようと旅をする話・・・の予定。」


不二咲「その仲間っていうのも、オンラインで各種職業を持った人達と集まってやる、っていうつもりだよ。」


苗木「へぇ、面白そうだね!」


不二咲「えへへ、ありがとう!実はこの辺はアルターエゴのウサミと七海・・・さん?にテストプレイして貰いながら・・・あれ?」


苗木「・・・七海・・・さん?」


苗木「七海さんって不二咲くんの・・・親戚の・・・?」


不二咲「うん・・・そうなんだけど・・・。」


不二咲「あれ?なんか忘れてるような・・・」


ウサミ『どうかしまちたか?』


不二咲「え?いやなんでもないよぉ。どう?他にバグはない?」


ウサミ『そうでちゅね・・・。さっきまでNPCのステータスがやたらと変動したり、移動したりしてまちたね。もう止まりまちたけど。』


不二咲「はぁ・・・まだまだ調整が必要だね。」

・・・・・・・・・
・・・・・・
・・・

『・・・なく・・・・・・に到・・・・・・ます。』


日向「うん・・・?」


???「ほら、到着するってさ。起きて!」


日向「俺たち・・・どうなって・・・?」


???「もう、寝ぼけてるのかな?私より寝ぼすけだね。」


日向「お前より寝ぼすけは有り得な・・・んん!?」


七海「おっす。」


日向「な!?なななななな七海!?」


七海「どうしたの?」


日向「え、え?い、いや・・・あれ?」


日向「ここ飛行機の中だよな?」


七海「うん。」


日向「・・・。俺寝てた?」


七海「うん。」


日向「あれ・・・。なんかいろいろ忘れてるような・・・。」


七海「もう、ジャバウォック島に旅行しに来たんでしょ?」


狛枝「ふぁ・・・あ、よく寝た。」


狛枝「おはよー!七海さんが一番早く起きてたなんて、意外だね!」


七海「そうかな。」


左右田「・・・んぐ?あれ?」


狛枝「やぁ左右田くん!酔いは大丈夫?」


左右田「え?え???飛行機???」


左右田「うぶっ・・・」


日向「や!やめろ!」


小泉「ん・・・私・・・寝てたの・・・?」


西園寺「んー・・・、頭がモヤモヤする・・・」


狛枝「飛行機の中だからね!そういう事もあるよ!」


豚神「・・・。いや・・・気のせいだろうか。」


花村「なんだか・・・物凄く長い夢を見ていたような・・・」


九頭龍「俺もだ・・・チッ。どうもスッキリしねぇ。」


辺古山「私も同じです。夢の内容が・・・思い出せません・・・」


花村「パンツが汚れてない・・・ってことはエッチな夢じゃなかったみたいだね。」


辺古山「なっ!?」


九頭龍「ぬん!」バキ!


花村「あひぃん///」


罪木「あうぅ・・・みなさん睡眠不足だったんでしょうか・・・。目覚めがよろしくないようですぅ・・・」


田中「ふん・・・大いなる眠りから覚めたばかりでは俺様の力の半分も出せぬか・・・。」


田中「それでも世界を終わらせる事など容易いがなぁ!ふはははは!!!」


ソニア「ん?うーん・・・。田中さんの発言に何かヒントがあるような・・・」


弐大「無ぅ!否!身体は常に全快じゃあ!頭がスッキリせん!」


終里「くんくん・・・ん?このイカ臭さ、嗅いだことあんぞ?狛枝。」


狛枝「え、いや気のせいじゃないかな!」


澪田「こういう時はヘドバンMAXっよ!頭のモヤモヤを吹き飛ばすっす!うっひy」
豚神「ここで暴れるな愚民め!」


小泉「あ、あれ!?私のカメラのデータが何枚か壊れてる!?」


西園寺「えぇー!じゃあ空港で撮ったやつはー!?」


小泉「空港のは・・・ある。っていうか最後に撮ったやつも残ってる。これなんの写真のデータだったんだろ。」


豚神「な!?俺のメモ帳に落書きを消した跡が!澪田ぁ!!」


澪田「えぇっ!?唯吹じゃないっすよぉ!」


左右田「うぅっ!騒ぐなよ・・・!」


ソニア「左右田さん耐えてください!あと少しです!」


左右田「はいソニアさっ!うぷぅっ!?」


ソニア「きゃあ!?あっち行ってください!」


左右田「っ!?」ガーン


弐大「まぁ何でも良いわ!ジャバウォック島についたら一緒に特訓じゃぞ日向!!」


日向「えぇ!なんで!?」


弐大「なぜって・・・日向はえむなんじゃろうが。」


日向「Mって関係ないぞ!?ていうかなんで知ってるんだよ!」


狛枝「相変わらず、否定はないんだね。」


日向「はっ!?しまった!」


罪木「ひ!日向さんはMじゃありませぇん!」


七海「ライトMだもんね。」


日向「そっ、それに賛成だ!っていうかなんで知ってるんだバーロー!」


花村「なぁんだ残念・・・」


日向「あのなぁ・・・」


『まもなく着陸です。電子機器の電源をお切りになって・・・』


日向「っとスマートフォンの電源切らなきゃ・・・」


日向「・・・」


日向「・・・なぁ、七海。」


七海「なぁに?」


日向「ちょっと触ってみていいか?」


七海「・・・エッチ」


おわり


くぅ疲

雑になって申し訳ない

良いお年を
来年は安価ssとかやってみたいな

おつおつ
いやぁ>>1のss久しぶりに呼んだけど面白かったよ
欲を言えばもうちょい続いて欲しかったなぁ…

面白かったよ

そして>>185それに賛成だ!

また、何らかの形でss書いてくれるとうれしいなあ

おつおつ。
ドッキドキわっくわくで面白かったよ!

よいお年を。来年も楽しみにしてます。

おもしろかった!
書いてくれてありがとう

来年のも楽しみにしてるよー

面白かったです
安価ss楽しみにまってます

http://ex14.vip2ch.com/i/responce.html?bbs=news4ssnip&dat=1420356572

ここやで

このSSまとめへのコメント

1 :  SS好きの774さん   2016年05月22日 (日) 10:43:27   ID: 0qvg7LML

短いSSの割には、名作の部類に入るんじゃないかな

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