俺「知ってるよ」ニッコリ (7)


「此処は何処でございましょうか?」

「三つの門へ、貴女は征かねばなりませぬ」

「そうでございましょう」

「貴女は何処へ?」

「雪は存ずことでございます」

「それでは……」

「私は貴方をお慕いしておりました」

「……許しません」


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昭和二十二年八月十一日


男「現場はこのホテルだ」

ヒゲ面「ダラダラここで云って居ても仕方がねえ、早く行くぞ」

男「分かったよ、だがちょっと待て」

ヒゲ面「なぁんだよ」

男「地図をよく見ろ」

ヒゲ面「……チッ、青線かよ」

男「……そういう事だ」

ヒゲ面「どうする?」

男「……いい、行こう」

ヒゲ面「つーことはあれか、娼婦同士の揉め事か、あるいは客との揉め事か……」  

男「どっちにしてもあまりいい事件じゃなさそうだな」

ヒゲ面「殺人にいいもクソもあるかよ……」

男「着いたぞ」バタン

ヒゲ面「おーおー、新車を乱暴に扱うなよ」

店主「ええ……? 殺人? そんなものは知りませんねぇ……」

ヒゲ面「あぁ!? ふざけてんのかお前は!」

男「まぁ、待て。 俺達は警察だ」

店主「あぁ、そうでしたか。あまりにも物騒な面構えをしてらっしゃるのでヤクザ者かと思いましたよ」

ヒゲ面「お前……」

男「いえ、いいんですよ」

店主「ではこちらに……」

ヒゲ面「うっ……こりゃあひでえ……」

男「この方をご存知ですか?」

店主「ええ、存じておりますよ」

男「聞かせてもらえませんかね?」

店主「私はこの方に"無償"で部屋を貸していました」

ヒゲ面「……」

男「職業などは?」

店主「さぁ……、他のお客さんと何か関係があったようですが……、私には関係ありませんよ」ニヤ

ヒゲ面「自由恋愛てか? はっ」

男「しかし……ひどいな」

ヒゲ面「ああ……まともじゃあねえよ。首と手足を全てバラバラにして、首以外をゴミ箱に入れるなんてよ」

店主「早く持っていってくれると助かるんですがね」

ヒゲ面「おめぇ……仮にも……!」

男「まぁ待て」

男「店主さん、貴方はこの方に何か恨みを抱いている方をご存知ではないですか?」

店主「さぁねぇ……、売女の関係性なんてものは私にゃあ検討もつきませんよ」

男「つまり、心当たりがありすぎる。と?」

店主「そうですねぇ」

男「ヒゲ、行くぞ」

ヒゲ面「ちっ」

店主「ここらへお泊まりになるときは割引しますよ」ニッコリ

ヒゲ面「誰が来るかってんだ!」

男「しかし……めんどくさいな」

ヒゲ面「ああ……めんどくせぇ……」

男「ここらの殺人は何件目だ?」

ヒゲ面「そうだな……四件目だ」

男「連続殺人として対策本部を設置しろって二件目に提案したんだがなぁ……」

ヒゲ面「上のお偉いさんは起きてからじゃないと動かんよ」

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