モバP「この後一杯どうです?」ちひろ「そうですねぇ」 (25)

P「ちひろさん、お疲れ様でした」

ちひろ「はーい、プロデューサーさんこそお疲れ様でした」

P「はぁ……今日は長い一日だった……」

ちひろ「怒涛のイベントラッシュでしたからね」

P「ちひろさん、明日はオフですよね? 今から飲みに行きません? 奢りますよ」

ちひろ「良いですね、行きましょうか! あ、でも私もお金出しますからね」

P「別に気にしなくてもいいですよ、俺が誘ってるんですから」

ちひろ「駄目です。私も今日は飲みたい気分なんですよ」

P「なるほど、では7:3で」

ちひろ「結構です。5:5で」

P「……ちひろさんと俺の関係ですからね」

ちひろ「はい♪」

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ちひろ「Coのお姉様方はどなたか誘います?」

P「んー……やめときましょうか」

ちひろ「そうですか? 楓さんや志乃さんは多分喜んで来られるかと思いますけど」

P「静かに飲みたい気分なんですよ。あの人達を相手にするのは元気が余ってる時だけです」

ちひろ「ふふっ、さり気なく酷い事を言いますね」

P「事実です。落ち着いて飲めるのはちひろさんとだけですよ」

ちひろ「え?」

P「今日は、ちひろさんと2人で飲みたいんです」

ちひろ「……え?」

P「それじゃ、また後で集合しますか」

ちひろ「……あ、はい」

———


ちひろ(……何着て行こうかな)

ちひろ(買ったばかりのこれは……いや、むしろ慣れてないからかえって変かも)

ちひろ(誰かに選んでもらうのも良いかもしれないけど、バレたらマズイ……)

ちひろ(えーとえーと……じ、時間が無い……!)


ちひろ(ちょっと、急がないと間に合わないかも……)ガチャ

まゆ「ちひろさぁん?」

ちひろ「ひっ……! ま、まゆちゃん、こんな所で奇遇ね……?」

まゆ「そんなことより……」ススッ

ちひろ「な、何かしら……?」

まゆ「随分おめかしして……まるでこれからデートみたいですねぇ……?」

ちひろ「でっ……!?」

まゆ「うふ……今度お相手の方を紹介して頂いても、いいですよねぇ? ねぇ?」

ちひろ「で、デートとかじゃない、から……!///」

まゆ「そこまで気合が入っているのにですかぁ……?」

ちひろ「気合なんて、べ、別に入っていませんよ? えぇそうです」

まゆ「……」

ちひろ「ちょ、ちょっと急いでるから……ごめんね、まゆちゃん」タッ

まゆ「…………はぁい、いってらっしゃい……」


ちひろ(し、心臓が止まるかと思った……!)

ちひろ(そうよ、別にデートなんかじゃないし、別に服に悩んだりも……してないし)

———


店員「ご注文は?」

P「生二つで」

ちひろ「あ、私カシス&オレンジにしてください」

P「あと焼き鳥、刺身盛り合わせ、枝豆、シーザーサラダで」


P「今日は生じゃないんですか?」

ちひろ「そ、そういう気分なんです」

P「でもまぁ……その服装でジョッキグビグビは似合いませんからね」

P「すみません、あんまりお洒落じゃないお店選んじゃって」

ちひろ「べ、別にいいですってば。気を遣わなくても……」

———


P「それじゃ……乾杯しますか」スッ

ちひろ「はい」スッ

Pちひろ「乾杯っ」カキン

ちひろ「……」コクコク

P「んぐっんぐっ……はぁ〜……! 美味い……!」

ちひろ「……」

P「ちひろさん?」

ちひろ「いえ、スタドリとエナドリも、もっと美味しかったら捗るのになと」

P「仕事熱心なのは良いことですけど、今ぐらいは忘れて下さい」

P「さ、食べましょう。割り勘なんだから沢山食べないと損ですよ」

ちひろ「……ですね」

P「アイドルのことは勿論ですけど、ちひろさんも何か悩みがあったら相談してくださいね」

P「お酒も入ってますし、色々ぶっちゃけちゃっていいですよ」

ちひろ「もう、私まだそんなに酔ってませんよ」

P「俺はもう酔ってますけどね。相談されても翌日には忘れてるでしょうし、いつでもどうぞ」

ちひろ「ふふっ、ありがとうございます」

ちひろ「……悩み、か……そういえば1つありますね」

P「言ってみてください」

ちひろ「プロデューサーさんの事ですよ」

P「……はい? お、俺ですか?」

ちひろ「えぇ。『アイドルとのスキャンダル』『アイドル手当たり次第にスカウトし過ぎ』」

ちひろ「問題起こしたら、ウチのプロ終わっちゃいますからね」

P「あっはっは……」

ちひろ「笑いごとじゃないですよホント」

P「はい……」

ちひろ「一番ストレートなまゆちゃんはその辺りちゃんと出来てるから問題無い……訳じゃないですけど」

ちひろ「プライベートで二人きりになるのが多過ぎです、ホント」

P「はい……すみません」

ちひろ「あとはですね……」グビグビ

———


ガンッ!!

ちひろ「おかわり、てーんいーんさーん!」

P(飲んだ感じはほとんどジュースと変わりませんもんね、ガンガン飲めますもんね)

ちひろ「ちょっとー、プロデューサーさん飲んでないじゃないですかー」

P「飲んでますって……」

ちひろ「私とは飲みたくないんだ!? うぅ……ぐすん」

P「そんなことないですよ、ちひろさんとサシ飲みだなんて日頃の疲れも吹き飛びますね」

ちひろ「じーっ……」

P「な、なんですか?」

ちひろ「……プロデューサーさん、ちょっとお仕事頑張り過ぎなんじゃないですか?」

P「そんなことは無いですよ。ほら、今みたいにお酒飲んでリフレッシュもたまにしますし」

ちひろ「肉体的には休息が取れてるとは言えません」

P「ほら、病は気からと言うじゃないですか」

ちひろ「こらこら、気合で全てが解決出来るのは漫画やゲームの中だけですよ」

ちひろ「以前プロデューサーさんが過労で倒れた時はどれほど大騒ぎになったことか……」

P「あぁ……その節はご迷惑を」

ちひろ「まゆちゃんと留美さんが居なかったらプロダクション終わってましたよ」

P「……まゆの持ってた俺の行動記録と、和久井さんの力のお陰ですね」

ちひろ「何より私達に対して、迷惑よりも心配を掛けたことですよ。良くないのは」

ちひろ「いいですか! これからはもっと自分を労わってですね!」

P「はい、肝に免じておきます……」

ちひろ「……」

P「?」

ちひろ「ごめん、なさい……プロデューサーさんに誘っておいて貰ってこんな説教を……!」

ちひろ「違うのに……こんなつもりじゃなかったのにぃ……!」ポロポロ

P「ちょ、ちょっとちひろさん!?」

ちひろ「うぅ……なんでぇっ……私はプロデューサーさんとお話がしたかっただけなのに……」

P「それは光栄ですね、嬉しいです」

ちひろ「じゃあぶっちゃけて聞きますけど、アイドル達に迫られて何の反応も無いのはなんでですかぁ!」バンッ

P「さっき自分でスキャンダルは止めてくれって言ってたじゃないですか……」

ちひろ「それとこれとは話は別です」

P(この人面倒臭い)

ちひろ「やっぱり仕事のことがあるから、ってだけで、気になってる子はいるんですか……?」

P「はっきり言いますけど、いません」

P「アイドルだから手は出しません。そこを割り切っていますから最初からそういう感情は無いです」

ちひろ「えぅ……」

P「これで満足ですか?」

ちひろ「じゃ、じゃあぁ……私が立候補しちゃってもOKってことですかねぇ?」

P「か、かなり話が飛んでますよ。確かにちひろさんはアイドルじゃないですけど」

P「ちひろさんは魅力的な女性とは思いますが、なんていうか、その、えっと」

ちひろ「ぷっ、くくくっ……!」

ちひろ「本気にしちゃいました!? ざーんねん冗談です!」

ちひろ「プロデューサーさんかーわいー♪」ツンツン

P(……こりゃ駄目だ、俺もちひろさんも。そろそろお開きだな……)

P「ちょっと、トイレ行ってきますね」

ちひろ「女性の前でそーいうこと言っちゃ駄目です!」

P「はいはいすみませんねー」

ちひろ「いってらっしゃーい♪」

P「……はぁ」ゲンナリ


ちひろ「……何で逃げちゃうんだろうな」

ちひろ「お酒の勢いでも、言えないんだ。私ってば……」

ちひろ「うぅ……ぐすっ」

———


P「……ん? 人が集まってる……?」

ザワザワ

P「すみませーん、通りまーす」

店員「あ……お連れ様が……」

ちひろ「うぇぇぇぇぇん……!」ボロボロ

P「……店員さん、ご迷惑をお掛けしました。もう店を出ますので会計お願いします」


ちひろ「ひーん……」フラフラ

P「ほらちひろさん、しっかり歩いて下さいよ」

ちひろ「うぅ……」

P(最終的には泣き上戸か……)

P「ちひろさん、ちゃんと家まで帰れます?」

ちひろ「大丈夫ですよぉ……あうっ!」ビターン!

P「……あぁもう……どこが大丈夫なんですか……」

ちひろ「ごめんなさいぃ……」

P「掴まってください、家まで送っていきますよ」

ちひろ「結構です……好きでもない女にそんな気のある行動はやめて下さい……」

P「意味分かんないですよ、ほらさっさと立つ」

ちひろ「期待しちゃうじゃないですかぁ……」

P「……大分酔ってるんですね、ちひろさん。行きましょう」

———


ちひろ「もうここまでで、いいですから……」フラフラ

P「ちゃんと部屋の中まで送ります。どう見ても階段上らせたら転げ落ちそうなんですよ」

ちひろ「送り……狼」

P「しません」

ちひろ「ぐすっ……」

P「階段上りますよ」

ちひろ「おえっ……」

P「変な返事しないでください」

ちひろ「ばかぁっ……!」ポロポロ

P(訳分からん……)

P「ほら、さっさとベッドに飛び込んで寝る」

ちひろ「暑い……」ヌギヌギ

P「はいはいちょっと待ってて下さいね」

P「水持ってきますからそれ飲んで、俺が部屋から出たらいくらでも脱いでください」

P「ちひろさん裸族ですか? やめて下さいよホント」

ちひろ「あぁい……」


P「ちひろさーんお水ですよー」

ちひろ「……頂きまし、げぅっ」ジャー!

P「ちょっ……!」

ちひろ「ぁ……ぅ」コテン

P「これは洒落になんないな……」ジャバジャバ

P(まさか上半身裸で帰る訳にはいかない、かといって服が乾くには時間がかかり過ぎるしな)ギューギュー

P「それまで居座り続けるのは無理……おぉぅ冷てぇ……」

P「こりゃ、風邪ひくなぁ……当の本人は」

ちひろ「ぷろでゅうぅ……」スースー

P(気楽なもんだ。と、置手紙も残しておくか)

P「それじゃ、ちひろさん。また明後日に」

ちひろ「さぁん……」

———


P「あふぅ」

P(チクショーねみー……)

ちひろ「お、おはようございます!」バタン

P「ちひろさん。おはようございます。今日はオフだったはずじゃあ……?」

ちひろ「あ、あのですね……昨日の事、なんですけど……」

ちひろ「実は全然記憶が無くて……家まで送って下さったんですよね? ご迷惑をお掛けしまして……」

P「そんなことは……まぁ無かったとは言えないですね。相当酔っていらしたので」

ちひろ「うあぁやっぱり……! 私結構酔うと面倒臭いってよく人に言われるんです……!」

ちひろ「わ、忘れて下さい……」

P「駄目ですよ、酒の勢いで結構大切な話をさせてもらいましたから」

ちひろ「うそっ!? わ、忘れて下さいってば!」

P「お断りします」

P「また……飲みに行きたいですねぇ、ちひろさんとは」


おわり

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千川ちひろ(?)

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佐久間まゆ(16)

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