海未「友情ゲーム」 (219)

・死ネタあり

・キャラ崩壊

苦手な方はご注意を



海未「ここは・・・」

目が覚めたとき、私は見知らぬ場所に寝そべっていました

海未「どうして私はこのような場所に・・・」

海未「だめです・・・思い出せません」

海未「・・・監禁、されたのでしょうか」

不安と恐怖に押しつぶされそうになりながら、私は探索をしようと立ち上がりました


SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1415716667

海未「廃墟・・・なのでしょうか」

海未「寒い・・・」


ガサッ


海未「ん?ポケットに何か入ってますね・・・紙?」


『脱出条件:南ことりを殺せ』


海未「!!」

海未「な、なんですかこれは!それに、どうしてことりの名前が!」

海未「・・・ただの監禁ではないみたいですね・・・もしかして、ことりや他の皆さんもここに・・・?」

海未「・・・立ち止まっていても仕方ありませんね」


私は部屋を出て薄暗い廊下のような道を歩いていきました


それが惨劇の始まりだと知らずに



―――


海未「・・・」

先ほどの紙の内容が頭から離れません

犯人は何の目的でこんなことを・・・?

海未「ここは・・・1-A?」

いろいろ考えている間に、私は1-Aと書かれているプレートがある部屋の前にたどり着きました

海未「もしかすると、ここは廃校になった学校・・・なのでしょうか」

私はおそるおそる中に入りました。すると・・・

海未「きゃぁぁぁぁぁ!!!!!!」

海未「し、しし、死体・・・なぜ・・・おぇっ・・・」

その教室には同じぐらいの年齢でしょうか?一人の死体がありました。白骨化されていて性別などわかるはずがなかったのですが、そばに落ちているリボンから、その死体は女性であると直感しました

海未「は、はやく・・・ここから出ないと・・・私もし、し・・・」


ガタッ


海未「!?」

凛「海未ちゃん・・・?」



――


凛「ここは・・・どこ・・・?」

目が覚めたら凛は知らない場所にいたんだにゃ

ここはとっても寒くて・・・薄暗くて・・・怖い・・・

凛「な、なにここ・・・」

凛「こ、怖いよ・・・」


ガサッ


凛「・・・?ポケットに何か入ってるにゃ」

凛「えっ・・・」

凛「・・・だ、誰か・・・いないの・・・?」


キャァァァァァ


凛「!?今の声、海未ちゃん!!??」

凛「あっちの方から聞こえたにゃ!」ダダッ

凛「1-A・・・」

凛はおそるおそるその部屋を覗き込んで

凛「海未ちゃん・・・?」

海未「・・・その声は、凛?」

凛「海未ちゃん!」

海未「やはり凛なのですね!合流できてよかったです!」

凛「凛もだよ!一人じゃ心細くて・・・不安で・・・怖くて・・・」

凛「・・・海未ちゃん・・・海未ちゃんの後ろにあるのって・・・」

海未「・・・えぇ。死体です」

凛「う・・・そ・・・。凛たち、どうなっちゃうの・・・?」

海未「あまりネガティブになってはいけません」

海未「まずは皆と合流しましょう。そのあとに皆で脱出の方法を・・・」

凛「えっ、他の皆もここに・・・?」

海未「えぇ、おそらく・・・」

凛「・・・」

海未「凛・・・?」

凛「あっなんでもないにゃ!じゃあみんなを探さないとね・・・!」

海未「無事だといいのですが・・・」

凛と海未ちゃんは1-Aを出て再び歩きはじめたよ



――


絵里「花陽、ここで少し休んでいなさい」

花陽「絵里ちゃん・・・ごめんね・・・」

起きたら見知らぬ部屋に倒れていた私は、少し歩いたところで花陽と合流したのだけど・・・

花陽は恐怖によって精神的に限界がきてたみたい

私と合流した瞬間倒れて・・・それで、近くに保健室があったからそこで花陽を休ませることにしたわ

絵里「じゃあ花陽、私は辺りを探索してくるわね。すぐ戻ってくるからゆっくり休んでおくのよ?」

花陽「う、うん・・・」

そう言って私は保健室を出て辺りを探索することにしたのだけど・・・

絵里「・・・」

絵里「・・・こんなこと、私には無理よ」


『脱出条件:小泉花陽を殺せ』


絵里「手の込んだいたずら・・・だと信じたいわね」

絵里「とにかく脱出方法を探さないと・・・」

絵里「それにしてもおかしいわ・・・たぶんここは学校なんでしょうけど・・・」

絵里「窓が一つもない。これはおそらく犯人の仕業・・・」

絵里「だとすると、ずいぶん前から考えられていた計画性のある監禁・・・だと考えたほうがよさそうね」

絵里「えっ?あれは・・・」

私が見つけたのは廊下の天井に取り付けられていたカメラだったわ

絵里「犯人はあのカメラで私たちを監視しているってこと?」

絵里「・・・悪趣味、なのかしら。そもそもこの監禁の目的は何?」

絵里「わからないことだらけだわ」


コツン


絵里「えっ?」

廊下で何かを蹴った感触。それは・・・

絵里「い、いやぁぁぁ!!!!!」

死体。それも頭部だけ・・・

絵里「な、なにこれ・・・ひぃぃ・・・」

絵里「た、単独行動は危険だわ・・・保健室に戻らなきゃ・・・」

私は急いで来た道を戻り、保健室に入ったわ。だけどそこには


絵里「・・・花陽?」


花陽の姿はなくなっていたの




――


ことり「真姫ちゃん・・・怖いよ・・・」

真姫「わ、私だって怖いわよ・・・」

目が覚めたらことりは更衣室にいたんだけど・・・これって監禁ってやつなの・・・?

更衣室で縮こまってたら真姫ちゃんがやってきて、今は二人で皆を探すために廊下を歩いているの

真姫「早く合流しないと・・・ことりならもう少し頼れると思ったんだけどね」

ことり「そ、そんなこと言われても・・・」

真姫「・・・ことり、気をつけなさい。ここ、死体が転がってるわよ」

ことり「え、えぇっ!?」

真姫「さっき更衣室に向かっているときに発見したわ」

ことり「そ、そんな・・・ことり、こんなところで死にたくないよぉ」

真姫「私だって死にたくないわよ」

ことり「・・・!!真姫ちゃん、ポケットに入ってるそれって・・・」

歩いている真姫ちゃんのぶかぶかなポケットから見えていたのは、鋭くてとっても痛そうな・・・

真姫「あぁ、これ。ナイフよ」

ことり「ど、どうしてそんなものを!」

真姫「護身用よ。さっき落ちていたから拾っといたのよ」

真姫「もしかしたら私たち以外にもここにいるかもしれないでしょ?もし襲われたらこれで逃げ切るつもり」

ことり「・・・まさか、真姫ちゃん。あの紙のこと、本気にしてるんじゃないよね・・・?」

真姫「あの紙?」

はっしまった!ついうっかり口が滑っちゃった・・・

真姫「なによ、あの紙って」

ことり「う、ううん!なんでもないよ!」

真姫「・・・」

真姫「正直に言いなさい。あの紙って何のことよ?」

ことり「・・・」

ことり「言えない」

真姫「ことり!」

ことり「なんでもないって言ってるじゃない!」

真姫「・・・この状況で隠し事だなんて・・・ことりもずいぶんと立派になったものね」

ことり「・・・ごめんね」

真姫ちゃん、怒っちゃったかも・・・今のはことりが悪いよね、きっと


ダレカイマセンカー?


ことり「!!」

真姫「今の声は!」

ことりと真姫ちゃんはその声がするほうに走り出したの

ことり「穂乃果ちゃん!」



――


穂乃果「ことりちゃん!真姫ちゃん!」

穂乃果「よかった!無事だったんだね!」

真姫「穂乃果も無事でよかったわ」

穂乃果「一人で怖かったよぉぉ!」

ことり「穂乃果ちゃん、他のみんなは見た?」

穂乃果「ううん、ことりちゃんと真姫ちゃんしか見てないかな」

海未「穂乃果!ことり!真姫!」

ことり「海未ちゃん!」

凛「無事そうで安心したにゃ!」

真姫「凛!」

穂乃果「よかった!二人も無事だったんだね!」

絵里「ふふっ私もいるわよ?」

穂乃果「・・・!!絵里ちゃん!」

すごい巡り合わせだよ!前から海未ちゃん、凛ちゃん!そして後ろから絵里ちゃんもやってきたよ!

海未「よかった。皆さん無事で」

真姫「いい感じに合流できたわね」

絵里「そうね・・・神様が巡り合わせてくれたのかもしれないわ」

凛「なんだか凛、安心したら疲れてきたにゃ~」

穂乃果「あとは希ちゃんと花陽ちゃん、にこちゃんだね!早く合流しよう!」

穂乃果たちは少し安堵して、それから残りの三人を探しに廊下を歩き出したんだ!



――


海未「見つかりませんね・・・」

凛「かよちん・・・どこにいるの」

絵里「だいたいの場所は探したと思うんだけど・・・」

真姫「それでも見つからないなんて」

穂乃果「・・・ねぇみんな、こんなときに言うのもなんだけど・・・」

海未「穂乃果、どうしたのですか?」

穂乃果「お腹、すいたなぁって・・・あははっ」

絵里「そういえば、ここには食糧はありそうにないわね」

凛「ってことは、早く脱出しないと・・・」

海未「餓死・・・ですか」

ことり「ことり、怖いよぉ・・・帰りたいよぉ・・・うぅっ・・・ぐすっ・・・」

絵里「ことり、泣いたところで何も解決しないわ」

海未「そうです、あまり後ろ向きなことを考えてはいけません」

真姫「ねぇ、あの教室から今、何か聞こえなかった?」

穂乃果「え?穂乃果は聞こえなかったけど」

海未「もしかすると誰かいるのかもしれません、行ってみましょう」

絵里「2-A、ここってさっき来たときは鍵がかかっていたわよね?」

海未「そうですね、なので先ほどは入りませんでしたが・・・」

海未「もしかすると希、にこ、花陽の誰かがこの中に籠城して隠れているのかもしれません」

真姫「扉を壊して、中を確かめたほうがよさそうね」

ことりは怖いからと言って嫌がりましたが、結局私たちは全員で扉に体当たりをし、中に入ることにしました


バンッ


凛「・・・誰もいないね」

真姫「そうね・・・聞き間違いだったかしら」

海未「・・・!皆さん、黒板を見てください!」

私が指差すと皆が一斉に黒板を見ました


『友情ゲーム、開始』


絵里「な、なによこれ・・・」

海未「チョークの乾き具合・・・書かれてそれほどの時間はたってないようですね」

真姫「ちょっ、ちょっと・・・これ」

海未「真姫?」

真姫が指差した方向、そこには顔をぐちゃぐちゃに壊され、髪はなくなっている、今までの死体よりも数倍惨たらしい死体がありました

穂乃果「うぅ、おぇっ・・・」

絵里「ひ、ひどい・・・」

真姫「ち、ちがうわよ・・・この制服、それに・・・その・・・」

海未「・・・っ!!」

海未「ま、まさか・・・」


その死体はどこか見慣れたような制服を着ていました。そして死体の横には見覚えのあるタロットカード・・・


海未「の・・・ぞみ・・・」


絵里「えっ・・・?」


絵里「う、うそ・・・でしょ・・・」


絵里「そんな・・・・・・どうして・・・」




絵里「うわぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!!!!」




絵里の叫び声は、校舎全体に響いたようで・・・そして、私にはそれが恐ろしい憎悪の叫び声にも聞こえました




――


穂乃果「な、なんで・・・なんで希ちゃんが!」

ことり「うぅ・・・もう嫌だよぉ・・・」

凛「希ちゃん・・・どうして・・・」

海未「・・・」

絵里「・・・」

絵里「許さない・・・希をこんな目に遭わせた奴を・・・許さない」

絵里「殺してやる・・・殺してやる・・・」

真姫「・・・」


真姫「ことり、あなた何か隠しているんじゃないの?」


「!!」

真姫のその一声で、皆が一斉にことりの方を見ました

ことり「えっ・・・ことり?」

ことり「ひどいよ!真姫ちゃんはことりを疑っているの!?」

真姫「あなた、私と合流したときに言っていたわよね」

真姫「あの紙がどうとか」

海未「あの紙・・・」

ことり「そ、それは・・・」

絵里「ことり・・・話しなさい」

ことり「えっと・・・」

穂乃果「ことりちゃん・・・」

凛「ま、まさか本当に・・・」

真姫「ことり、あなたが犯人なんじゃないの?」

ことり「ち、ちがうよ!」

絵里「何がちがうのよ・・・こんな状況で隠し事なんて、疑ってほしいって言ってるようなものじゃない」

穂乃果「う、うそ・・・」

ことり「ち、違う!ことりは・・・」

ことり「ことりはやってない!希ちゃんを殺してなんかいない!」

真姫「そんなの信じられないわよ!」

海未「・・・」

海未「ことりが言っているのは、これのことですね」

真姫「えっ?」

穂乃果「海未ちゃん、それって・・・」


『脱出条件:南ことりを殺せ』


凛「ことりちゃんを・・・殺せ・・・」

ことり「う、海未ちゃん・・・」

海未「おそらくことりもこのような紙を持っているのでしょう」

凛「だったら、どうしてことりちゃんはその紙のことを隠していたの・・・?」

海未「当然ですよ。こんな紙を見せたら、お互いの信頼関係が崩れてしまうと思ったからに決まっています。そうですよね、ことり?」

ことり「う、うん・・・ことり、いつの間にかポケットにこんな紙が入ってて・・・」


『脱出条件:星空凛を殺せ』


凛「り、凛・・・を・・・殺せ・・・」

海未「おそらくことりはこれを凛に見せたくなかったのでしょう」

ことり「だって!これを見せて凛ちゃんがことりのことを信用してくれなくなったらどうしようって!だからこんなもの、見せられないって思ったんだもん!」

凛「・・・」

穂乃果「も、もしかして・・・誰かがその紙の、希ちゃんを殺せっていう命令に従って・・・」

真姫「・・・脱出したのかもしれないわね」

穂乃果「だったら怪しいのは・・・」

海未「もし、希を殺して脱出したのなら・・・今この場にはもういないはず。つまり・・・」

ことり「にこちゃん・・・かよちゃん・・・」

凛「ちょっちょっとまってよ!かよちんがそんなことするわけないって!」

穂乃果「だったらにこちゃん・・・」

真姫「にこちゃんこそ、そんなことはしないわよ!」

穂乃果「でもどっちかが希ちゃんを殺したんだよ!どっちかが希ちゃんを殺して脱出したに決まってるよ!」

凛「そんなわけないよ!穂乃果ちゃんひどいよ!どうして二人を疑うの!?同じ仲間じゃないの!?」

穂乃果「仲間とか関係ないよ!実際に希ちゃんはその仲間のどちらかに殺されてるんだから!」

海未「落ち着いてください!もしかしたら犯人は私たち以外の誰かかもしれません!」

穂乃果「そんなわけないじゃん!だって穂乃果たちはさっき隅々まで校舎を探索したよね!?でも生きている人には一人も会わなかったじゃん!」

海未「私たちと無関係の人が、先ほどのような紙の指示で希を殺して脱出した可能性もあります!」

穂乃果「ないよ!希ちゃんを知らない人が名前だけを手掛かりに希ちゃんを発見するなんてありえないよ!海未ちゃんさっきからおかしいよ!」

海未「では仮に二人の内どちらかが希を殺して脱出したとしましょう!では、残ったもう一人はどこにいるのですか!?私たちは二人の内どちらにも会ってませんよね!?」

穂乃果「そもそも全員がここに監禁されたとは限らないじゃん!誰かここで花陽ちゃんやにこちゃんを一回でも見た人はいるの!?」

絵里「・・・私は最初花陽といたわ。途中ではぐれたけどね」

穂乃果「じゃあ花陽ちゃんで決まりだよ!にこちゃんは元々監禁なんてされていなかった!花陽ちゃんが希ちゃんを殺して脱出した!これで解決したよね!」

凛「かよちんはそんなことしないよ!穂乃果ちゃんいい加減にしてよ!」

穂乃果「じゃあ花陽ちゃんをここに連れてきてよ!今すぐ!」

海未「静かにしてください!今は犯人捜しをしている場合じゃないでしょう!」

ことり「そ、そうだよ。今は脱出の方法を考えようよ・・・!」

穂乃果「うるさい!そんなこと言ってことりちゃん、じつは凛ちゃんを殺して脱出しようとしていたんだよね!?」

ことり「こ、ことりはそんなことしないよ!」

穂乃果「そんな言葉信じられるわけないよ!」

ことり「ひ、ひどいよ穂乃果ちゃん・・・うぅ・・・ひっぐ・・・」

穂乃果「泣いたら許されると思ったら大間違いだよ!」

海未「静かにしなさいと言っているのです!」

穂乃果「はぁ・・・はぁ・・・」

海未「穂乃果・・・あなたは取り乱しすぎです。少し頭を冷やしてください」

穂乃果「だって・・・希ちゃんが殺されたのに、黙っていられないよ・・・」

絵里「・・・えぇ、そうね。希を殺した犯人は私が必ず見つけるわ」

絵里「穂乃果、ちょっといいかしら?」

穂乃果「・・・なに、絵里ちゃん」


絵里「見せなさい」


穂乃果「・・・えっ?」

絵里「あなたの持っている紙を見せなさい!さぁ早く!」

ことり「えっ穂乃果ちゃんも・・・?」

穂乃果「・・・意味がわからないよ、穂乃果はそんな紙持ってない」

絵里「そんなわけないわ。あの紙は全員持っている。そう考えるのが自然だもの」

穂乃果「意味がわからないよ!穂乃果は持ってないって言ってるじゃん!」

絵里「だったらこれはなによ!」


『脱出条件:小泉花陽を殺せ』


海未「絵里、あなたもその紙を・・・」

絵里「そうよ、私のポケットに入っていたわ」

凛「かよちんを殺せって・・まさか絵里ちゃん」

絵里「私は殺していないわ」

穂乃果「そ、そんなの信じられないよ!絵里ちゃんが花陽ちゃんを殺したんだ!」

海未「いえ、それはないと思います」

穂乃果「どうして絵里ちゃんのことを庇うの!」

海未「もし絵里が花陽を殺しているのなら、絵里はここにはいません。脱出しているはずです」

凛「でも・・・犯人に騙されただけとかじゃ・・・」

凛「だって殺したからって脱出できる保証はどこにもないよ!絵里ちゃんが脱出するためにかよちんを殺して・・・でも脱出できるなんてまったくの嘘だったから・・・」

凛「殺したことを隠して、凛たちといっしょに行動しているだけじゃ・・・」

海未「たしかにその可能性はあります。ですが、考えてください」

海未「もし絵里が本当に殺人を犯していたのなら、今ここでその紙を見せるとは到底思えません」

真姫「たしかに、花陽がいないって状況で、そんな紙を持っていることを暴露したら、それこそ疑われるに決まってるもの」

海未「つまり絵里は、自分が疑われるのも覚悟したうえで・・・私たちにその紙を見せて何かを訴えたいのですよね?」

絵里「そうね、私もこの紙のことは黙っておくつもりだったけど」

絵里「ことり、海未、そして私がこの紙を持っているとわかった今、ここにいる全員がこの紙を持っている。こう考えるのが自然だと思わない?」

穂乃果「そ、そんなのただの思い込みだよ!」

絵里「・・・真姫、凛。正直に見せてちょうだい」

凛「・・・」

真姫「・・・」

真姫「まぁいいわ。これ以上疑われるのは嫌だもの」


『脱出条件:絢瀬絵里を殺せ』


海未「真姫は絵里ですか・・・」

凛「・・・」

凛「凛も・・・あるよ」


『脱出条件:高坂穂乃果を殺せ』


穂乃果「・・・」

絵里「これでわかったわ」

絵里「穂乃果、あなたはその紙を持っている。そして」

絵里「希を殺した、そうでしょ!?」

穂乃果「・・・ち、ちがう!」

絵里「何が違うのよ!違うというなら今すぐ紙を見せなさい!」

絵里「だいたいあなたはさっきから怪しいのよ!まるで犯人役を誰かに押し付けるように騒ぎ立てて!」

絵里「よほどパニックになっていたのね。指示通り希を殺したのに、脱出できなかったからって!」

穂乃果「ち、ちがう!穂乃果じゃない!」

絵里「だったら・・・さっさと紙を見せなさいよ!」

海未「・・・穂乃果、失礼します!」


ガシッ


穂乃果「ちょっと!やめて!離して!離せ!」

真姫「穂乃果のポケットに・・・こんなものがあったわ」


『脱出条件:東條希を殺せ』


絵里「やっぱり・・・あなただったのね」

穂乃果「ちがう!穂乃果は殺してなんかいない!」

絵里「許さない・・・許さない・・・」

絵里「希を・・・」

絵里「希を返せぇぇぇぇぇ!!!!!!」


ガッ


穂乃果「がっ・・・うっ・・・ぐっ・・・」

海未「絵里!やめてください!」

凛「く、首なんか絞めたら穂乃果ちゃんが死んじゃうよ!」

絵里「殺してやるのよ!希の仇は私がとらなきゃいけないのよ!!」

海未「絵里!」


ドンッ


絵里「・・・っ!海未!どうして突き飛ばすの」

海未「落ち着いてください!ここで穂乃果を殺したところで、あなたは脱出できません!無駄に罪を被るだけです!」

絵里「そんなことはどうでもいい!私は穂乃果を・・・希を殺したこいつを許さない!」

穂乃果「ごほっ・・・がはっ・・・」

穂乃果「い、いや・・・殺される・・・」


穂乃果「いやぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!」


ダッ


ことり「穂乃果ちゃん!」

海未「穂乃果!一人は危険です!」

真姫「やめときなさい。今は一人にしたほうがいいわ」

海未「ですが!」

真姫「このまま絵里と一緒にいさせるほうが危ないわよ。この校舎には私たちしかいないだろうし、誰かに襲われることもないと思うから」

海未「・・・そうですね。ですが、絵里は・・・」

真姫「・・・絵里には私がつくわ。大丈夫、ちゃんと頭を冷やさせるから」

真姫「海未たちは脱出のてがかりを探しに行って。私は絵里を落ち着かせたらそっちに合流するわ」

ことり「海未ちゃん・・・」

海未「・・・たしかに今の絵里を連れていくのは危険かもしれません。ここは真姫に任せましょう」

海未「ことり、凛、行きますよ」

凛「う、うん・・・」

絵里「許さない・・・許さない・・・」

真姫「絵里・・・落ち着いて・・・」


真姫「私は絵里の味方だから」


絵里「・・・」



――


ことり「・・・」

海未「ことり?どうしたのですか?」

ことり「絵里ちゃん、大丈夫かな・・・」

凛「絵里ちゃん、すごく怒ってたもんね・・・」

海未「そうですね、あのまま穂乃果と共に行動させていたら・・・」

凛「凛、嫌だよ・・・。ここの誰かが殺人者になっちゃうなんて」

海未「ですが・・・希の死から目を背けるわけにはいきません」

ことり「そ、そうじゃなくてぇ・・・」

海未「えっ?」

ことり「真姫ちゃんの持ってた紙ってたしか・・・」


ことり「絵里ちゃんを殺せって書いていたよね・・・」


海未「っ!!」

凛「ま、まさかね、真姫ちゃんがそんなことするはずないよ!」

ことり「ことりもそう信じてるんだけど・・・」

ことり「あのね、ことり見ちゃったの」

海未「・・・なにをですか?」

ことり「真姫ちゃんがポケットに」

ことり「ナイフを隠し持ってるところ・・・」

凛「な、ナイフ!?」

ことり「うん、護身用って真姫ちゃんは言い張ってたけど・・・でも、やっぱりそんなものを持っているって・・・」

ことり「誰かを殺そうとしているんじゃ・・・」

海未「ことり!!」

ことり「!!」

海未「もう・・・やめませんか?」

海未「今は脱出の方法を探すときです。仲間を疑うときではありません」

ことり「そ、そうだよね・・・ごめんね、海未ちゃん、凛ちゃん」

凛「うっうん・・・」

海未「・・・大丈夫です、きっと」

ことり「・・・」



――


絵里「・・・」

真姫「絵里、大丈夫?」

絵里「えぇ・・・ごめんなさい。迷惑かけて」

真姫「いいわよ。じゃあみんなと合流しましょ」

絵里「・・・ねぇ、真姫」

絵里「私は、穂乃果を許すべきだと思う?」

真姫「・・・」

真姫「許さなくていいと思うわ」

真姫「だって、絵里の大切な人を奪ったのは穂乃果だもの」

絵里「そうね・・・じゃあ質問を変えるわ」

絵里「私が穂乃果を殺したら、真姫は私のことをどう思う?」

真姫「・・・」


真姫「最高よ」


絵里「えっ?」

真姫「絵里は自分の意志で友達の復讐をしようとしている」

真姫「それは立派なことだと思うわ」

真姫「それに、私も穂乃果を許せない。希は私にとっても大切な人だったのよ・・・」

絵里「・・・真姫、あなたのことを、信用していいのかしら?」

真姫「当たり前よ。言ったでしょ?私は絵里の味方よ」

真姫「そう、私だけは・・・ね」

絵里「真姫・・・ありがとう」

絵里「ねぇ、もう一度、希のところに行ってもいいかしら?」

真姫「・・・つらくないの?」

絵里「大丈夫。さっきはちゃんと見てあげられなかったけど・・・」

絵里「もう少しだけ・・・希の最期を見届けてあげたいの」

真姫「・・・わかったわ。すぐそこだし、行きましょ」

絵里「希・・・」

真姫「ひどいわね・・・何度見ても」

絵里「なぜかしら、顔は潰れているのに・・・笑っているような気がするの」

絵里「希・・・うぅっ・・・」

真姫「絵里・・・」

絵里「・・・ごめんなさい。すこしだけ、希と二人きりにしてもらっていいかしら・・・」

真姫「・・・わかったわ。じゃあ私は部屋の前で待っているから」

絵里「真姫・・・ありがとう」


スタスタ


バタン


絵里「希・・・もしあなたが生きていたら、今の私を見てどう思うのでしょうね」

絵里「・・・」



――


絵里「じゃあ希、私はそろそろ行くわね」

絵里「・・・んっ?ポケットに何か・・・」

絵里「こ、これは・・・どうして希がこれを・・・?」





真姫「・・・」

真姫「絵里、遅いわね」


ガコッ


真姫「えっ・・・?」

真姫「今・・・かすかに何か聞こえたような」

真姫「まさか・・・」


ダッ


絵里「そんな・・・。じゃあ、私がしようとしていたことって」

絵里「謝らなきゃ・・・」


ガララッ


絵里「真姫、お待たせ」




絵里「・・・真姫?」






――


海未「やはり外に出れそうな場所はありませんね」

ことり「うん・・・」

凛「せめて携帯があればいいんだけど・・・」

海未「私の携帯もありませんね。おそらく監禁するときに犯人が回収したのでしょう」

ことり「あの・・・ちょっと・・・」

海未「ことり?どうしました?」

ことり「その・・・おトイレに行きたくなっちゃった//」

海未「そうですか。たしかトイレはあちらの方にありましたね。ひとまず向かいましょうか」

凛「わかったにゃ」

ことり「二人とも、ごめんね?」



――


ことり「おまたせしましたぁ」

凛「長かったね、ことりちゃん」

ことり「も、もぅ!やめてよ///」

海未「では、次はあちらの方向に行きましょうか」


オーー―イ


ことり「!!」

海未「こ、この声は!?」

凛「にこちゃんの声だにゃ!」

海未「いきましょう!」



――


にこ「おーーい!!誰かいないのーー?」

海未「にこ!」

ことり「にこちゃん!」

にこ「あんたら!無事だったのね!」

凛「それはこっちのセリフだよ!」

海未「にこ・・・探しましたよ・・・無事でなによりです」

にこ「本当、一人で怖かったんだから・・・うぅっ・・・」

海未「にこはずっとこのあたりに?」

にこ「そうよ。目が覚めたらなんだかよくわからない部屋にいて、それで・・・何が何だかわからなくて」

にこ「とりあえず歩いてみたんだけど、誰もいなくて。おまけにし、死体とか転がってるし・・・」

海未「なるほど、では入れ違いになってしまったのでしょうか」

ことり「ことりたちがこのあたりを探索したときは会わなかったもんね」

にこ「そうね・・・にこもけっこう歩いてたし」

にこ「それより他のみんなはどうなの?あんたらは会った?」

凛「・・・」

海未「先ほどまで、穂乃果と絵里、真姫も一緒にいました」

海未「そして、希が・・・死体となって発見されました」

にこ「えっ・・・」

にこ「うそ・・・でしょっ・・・」

海未「・・・」

にこ「希が・・・そんな・・・どうして希なのよ!」

海未「・・・わかりません。私たちと会う前に、希は誰かに・・・」

にこ「・・・許せない。犯人を、絶対に見つけてやるんだから」

海未「それで、その・・・穂乃果が希を殺したのではないかという話になって、それで絵里が穂乃果を殺そうと・・・」

にこ「はっ?穂乃果が・・・犯人なの・・・?」

海未「そうと決まったわけではありませんが・・・にこ、脱出条件という紙はもっていますよね?」

にこ「えっ、なにそれ・・・?」

凛「ポケットに入ってるはずだよ」

にこ「ポケット・・・?」


ガサゴソ


にこ「あったわ。この紙のこと?」

海未「中を開いてみてください」


『脱出条件:園田海未を殺せ』


にこ「は?なによこれ・・・」

海未「にこは私でしたか・・・」

海未「おそらく、犯人はそのような紙を私たち全員に渡したのでしょう」

海未「それで、穂乃果が持っているその紙には、希を殺せと書いてあったのです」

にこ「それで・・・穂乃果が怪しいってことなのね」

海未「はい、絵里に殺されかけた穂乃果は怯えてどこかに行ってしまって、それで私たちは絵里をしばらくそっとしておくということになりました」

海未「ただ、一人だと危険ということで、真姫が絵里の側についています」

にこ「・・・花陽は?」

海未「絵里がこの校舎内で一度は会ったらしいのですが・・・今は行方がわかりません」

にこ「そう・・・状況はわかったわ」

にこ「正直、にこも今は穂乃果に会わなくて正解だったかもしれない」

ことり「にこちゃん・・・」

にこ「・・・穂乃果を問いただすのはあとね。まずは脱出の方法を考えなきゃ」

海未「そうですね・・・では、行きましょうか」



――


凛「お腹空いたね・・・」

ことり「そうだね・・・」

海未「ここに閉じ込められてからどれぐらい時間が経ったのでしょうか・・・?」


凛「そんなのわかんないよ!」


海未「」ビクッ

海未「り、凛・・・?」

凛「あっごめん・・・お腹空いたらなんかイライラしてきちゃって・・・」

にこ「仕方ないわよ。人間ってそんなもんよ」

にこ「・・・あぁっ!」


ことり「ど、どうしたのにこちゃん?」

にこ「たしかこっちのポケットに・・・」


ガサゴソッ


にこ「あったわ!」

凛「チ、チロルチョコにゃ!」

海未「どうしてそのようなものを!?」

にこ「なんで持ってたかは知らないけど、最初に目が覚めたときにこのチョコがポケットに入ってることに気づいて」

にこ「この先何があるかわからないから、とりあえず持っておこうって思ってポケットに入れたままだったのを忘れていたわ」

ことり「にこちゃんすごいよ!もうことり、お腹がぺこぺこで倒れそうだったもん!」

凛「にこちゃん!凛に早くちょうだい!」

にこ「・・・あっ」

海未「・・・?どうしました?」

にこ「・・・悪いけど、チロルチョコは二つしかないわ」

海未「えっ?ここにいるのは4人で」

ことり「2つしかないってことはぁ・・・」

凛「全員で分けられないよ!」

にこ「し、しかたないじゃない!2つあるだけでもマシと思いなさいよ!」

海未「困りましたね・・・そのチョコの大きさでは、少しずつ全員で回して食べるのは難しそうですし」

にこ「ちょっちょっと!にこが持ってたんだから、にこは1つ食べていいはずよ!」

凛「にこちゃんずるいよ!ここは全員で公平に決めるべきだよ!」

にこ「なんでそうなんのよ!あんたらに1つ分けてあげるだけでもありがたいと思いなさいよ!にこだってお腹空いたのよ!」

海未「そうですね。ではにこは1つ食べるとして、残りの1つを・・・ジャンケンで決めましょうか」

凛「嫌だよ!そのチョコは凛がもらうの!」

海未「凛、わがままを言わないでください。空腹なのは私もことりも同じです」

凛「凛は海未ちゃんやことりちゃんよりもお腹が空いてるの!」

ことり「凛ちゃん、落ち着いてよぉ・・・」

凛「うるさい!ことりちゃんは黙ってて!」

海未「凛!いい加減にしてください!イライラしているからといって八つ当たりをしないでください!」

凛「海未ちゃんもことりちゃんも何もしてないくせに!」

海未「なんですって・・・?」

凛「だってそうじゃん!海未ちゃんなんてさっきから凛たちを誘導しているくせに、結局出口も手掛かりも何も見つけれてないじゃん!」

海未「あ、あなたという人は!」

凛「ことりちゃんなんてもっとひどいよ!さっきから怖い怖いって言って凛たちの陰に隠れてさ!ほんとに出口を探しているの!?」

ことり「こ、ことりだって、怖いけどがんばってるもん・・・ことりだってここから出ようとがんばってるのに・・・凛ちゃんひどいよ・・・!」

凛「嘘だよ!ことりちゃんは凛たちに任せて自分はびくびく怯えてるだけじゃん!凛知ってるよ!こういうの役立たずっていうんだよ!」

海未「凛!もう一度言ってみなさい!次は許しませんよ!」

にこ「ちょっと!喧嘩はやめなさいって!」

凛「何回でも言ってあげるよ!それにことりちゃんなんて信用できないもん!」

凛「だってことりちゃんは凛を殺したら脱出できるかもしれないもんね!いざとなったら凛を殺そうとしているんだよね!?」

ことり「そんなことするはずないよ!凛ちゃんひどい・・・ひどすぎるよ!・・・うぅっ・・・」

凛「また泣いたね!ことりちゃんは困ったらすぐに泣くもんね!そんなんだから役立たずなんだよ!」


パァンッ


凛「・・・いたっ」


海未「・・・」

凛「どうして凛をビンタするの・・・海未ちゃん」

海未「・・・頭を冷やしなさい」

凛「・・・いいよ、凛が嫌いなら、殺せばいいじゃん」

凛「ほらっ、ことりちゃん。凛を殺しなよ。そしたら脱出できるかもしれないよ?」

ことり「凛ちゃん・・・どうして・・・」

凛「・・・」



凛「凛、疲れちゃった」



凛「こんな寒くて、怖い場所・・・もう嫌なんだもん・・・」

にこ「凛・・・あんた・・・」

凛「かよちんも見つからない・・・出口も見つからない・・・」

凛「もう・・・無理だよ・・・どうせみんなここで死んじゃうんだよ!」

凛「うぅっ・・・うわぁぁぁぁぁぁん!!!!」


海未「・・・」


スッ


凛「・・・えっ?」

海未「凛、食べてください」

海未「ことり、いいですよね?」

ことり「う、うん・・・」

にこ「・・・」

凛「どうして・・・凛にくれるの・・・?」

海未「・・・諦めてほしくないのです」

凛「・・・」

海未「生きることを諦めてしまったら、それは死ぬことと同じです」

海未「私は、もうこれ以上仲間を失いたくありません」

凛「・・・」

ことり「凛ちゃん、ことりは頼りないかもしれないけど・・・」

ことり「それでも、がんばるよ。だってことり・・・みんなと一緒に帰りたいもん」

凛「・・・」

にこ「じゃっ、ここでちょっと休憩しましょ。にこも歩きすぎて足が疲れたわよ」

海未「そうですね、あまり座り心地が良い場所ではありませんが・・・」

凛「・・・ごめんなさい」

海未「いいえ、気にしていません」

海未「お説教はここから脱出できてからすることにしますね」

凛「・・・」

海未「それより早くチョコを食べてください。その、見ていたらさらに空腹になりそうですので」

凛「う、うん・・・」


モグモグ


凛「・・・・・・」




凛「美味しいよ・・・とっても・・・」







――


ガコッ


真姫「・・・」

真姫「・・・やっぱり、そうだったのね」

真姫「いったい、何を考えているのよ」


???「―――」


真姫「・・・!!」


真姫「どうして――がここに!?」


???「―――」


真姫「そ、それは・・・」


???「―――」




真姫「だ、だめ!それだけは絶対にだめ!」


スタスタ


真姫「やめて!そんなことされたら今までのことがすべて・・・!」


???「―――」


真姫「や、や・・・」




真姫「やめてって、言ってるでしょぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!!!!!!!!」




ドサッ





真姫「あっ・・・あっ・・・」

真姫「ど、どうして、こんなことに・・・」

真姫「わ、私は知らない・・・私のせいじゃない・・・」

真姫「みんなのところに・・・も、戻らなきゃ・・・早く・・・」

真姫「まだ私には・・・やることが・・・」


ダッ


???「――」




???「ま・・・」




ガコッ






――


絵里「穂乃果?どこにいるの?」

絵里「話したいことがあるの。お願い、出てきて」

絵里「・・・」

絵里「真姫もどこかに行ってしまったし・・・海未たちも見つからないし」

絵里「・・・早く、皆に説明しないと」

絵里「・・・えっ」

絵里「待って、この状況って・・・」

絵里「まずいわ、そこまで考えていなかったわね」

絵里「いや・・・海未たちなら」

絵里「私が先に言いだしたら、疑われることはない。それはさっきわかったわ」

絵里「だったら、まずは海未たちにこのことを言わないと・・・!」

穂乃果「・・・ひぃっ!」

絵里「!!」

穂乃果「い、いや・・・」

絵里「穂乃果・・・」

穂乃果「こ、来ないで!穂乃果を探してたんでしょ!?穂乃果を殺すために!」

絵里「穂乃果、私はあなたに謝らなければならないわ」

穂乃果「う、うるさい!何を今さら・・・!」

絵里「話を聞いて!」


ガバッ


穂乃果「ひぃっ・・・な、なんで」

穂乃果「なんで土下座なんかするの・・・穂乃果を殺しにきたくせに・・・」

絵里「お願い、私はさっき穂乃果にひどいことをした」

絵里「ここから脱出できたらなんでも言うことをきくわ!パフェでも何でも奢ってあげる!なんでもしてあげる!」

絵里「だから今だけは私の話を聞いてちょうだい!」

絵里「お願い!私を信用して!」

穂乃果「・・・そ、そんな都合のいいこと・・・」

穂乃果「・・・」

穂乃果「・・・ポケットの中身、全部出して」

絵里「・・・」


バサッ


穂乃果「・・・」

穂乃果「両手を上にあげて、頭の後ろで組んで」

絵里「・・・わかったわ」

穂乃果「それ以上穂乃果に近づかないで。近づいたら・・・」

穂乃果「さっき拾ったこのナイフで、殺すから」

絵里「・・・」

穂乃果「それで、話ってなに・・・?」

絵里「・・・聞いてくれるの?」

穂乃果「聞くだけ・・・だよ」

絵里「穂乃果・・・ありがとう」

絵里「見てもらったほうが早いわ。私についてきて」

穂乃果「・・・わかった」

穂乃果「後ろを振り向いたら殺す・・・から」

穂乃果「さっさと連れていってよ」

絵里「え、えぇっ・・・」


スタスタ


穂乃果「・・・ここは」

絵里「死体のある部屋よ」

穂乃果「穂乃果にまた、あの死体を見ろっていうの?」

絵里「えぇ、そうよ」

絵里「そして見て。死体のポケットの中を」

穂乃果「・・・」


ガサゴソッ


穂乃果「えっ・・・?これって・・・」

穂乃果「うそ・・・じゃあ本当は・・・」

絵里「・・・そういうことよ」

穂乃果「ちょっちょっとまってよ!」

穂乃果「確か絵里ちゃんって・・・」

絵里「・・・そうね、でもよく聞いて」

絵里「私は・・・」


グサッ


絵里「・・・・・・・」

絵里「えっ・・・・・・・?」

穂乃果「や、やっぱり穂乃果を殺すつもりだったんだね・・・」

絵里「ち、ちが・・・そうじゃ・・・」

穂乃果「信じた穂乃果がバカだったよ・・・」

絵里「ほ・・・のか・・・」

穂乃果「お前なんかが・・・お前なんかが・・・」

穂乃果「わ、わ・・・」



穂乃果「私の名前を呼ぶなぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!!!!!」



グサッ


ザクッ


絵里「・・・」

穂乃果「はぁ・・・はぁ・・・」

穂乃果「・・・い、いや・・・」


穂乃果「いやぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!!!」



ダッ



真姫「・・・」

真姫「私は悪くない・・私は悪くない・・・」

真姫「・・・」

真姫「そうよ、私は、悪くない」

真姫「悪くない悪くない悪くない悪くない悪くない悪くない悪くない悪くない悪くない悪くない」

真姫「うわぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!!」

真姫「はぁ・・・はぁ・・・」

真姫「・・・」

真姫「あはっははははは・・・」

真姫「・・・・・・・」




真姫「寒い・・・」






――


にこ「・・・さて、そろそろ休憩もおしまいね」

海未「そうですね、しかし、次はどこへ・・・」

ことり「も、もしかしたらぁ・・・壁とかに隠し扉があるのかも・・・」

海未「ふむっ・・・たしかに私たちは校舎をうろついただけで、壁などにはあまり目をむけてませんでしたね」

にこ「隠し扉・・・ねぇ。まぁその可能性は考えといてもいいかもしれないわね」

海未「では、これからは周囲の壁にも注意を払いつつ、少しずつ歩いていきましょうか」

ことり「うん・・・!」

凛「・・・」

海未「凛・・・行きますよ」

凛「・・・」

にこ「今は一人にしてあげなさいよ」

海未「で、ですが・・・」

にこ「大丈夫よ。だって凛を殺せって紙をもっているのはことりでしょ?」

ことり「う、うん・・・」

にこ「だったらことりがにこたちと行動していたら、凛を狙う人はいないってことよ」

海未「そ、それはそうですが・・・」

凛「・・・凛、後で合流するよ」

海未「凛・・・」

凛「大丈夫だよ、自殺とか考えないから」

海未「・・・」

海未「わかりました、では落ち着いたらまた合流しましょう」

凛「うん・・・」


スタスタ



凛「・・・」

凛「かよちん・・・凛はどうしたらいいの・・・?」

凛「・・・探さなきゃ」

凛「かよちんを見つけて・・・そして」

凛「一緒に眠りたいな」


ガシャン


凛「・・・?」

凛「今何か蹴り飛ばしたような・・・」

凛「こ、これは・・・拳銃!?」

凛「弾は・・・入ってる・・・」

凛「・・・」


スッ


凛「かよちん、待っててね」




――


にこ「うーん」

海未「やはり、そう簡単には見つかりませんね・・・」

ことり「お腹空いたよぉ・・・」

海未「ことり、我慢してください・・・」

海未「・・・ことり、にこ。少し一緒に来てほしい場所があるのですが・・・」

にこ「いいけど・・・どこ?」

海未「希の死体を見に行きたいのです」

にこ「はぁぁ!?あんた、何言ってんのよ・・・」

海未「冒涜しに行くわけではありません。もしかしたら、希は何か脱出の手がかりを持っているかもしれません」

ことり「で、でも・・・怖いよぉ・・・」

にこ「希の死体・・・」

にこ「私は反対ね・・・友達の死体なんて、見たくないわよ・・・」

海未「・・・わかりました」

海未「では、私は一人で行ってきますので、ことりとにこは引き続き出口を探していてください」

ことり「えっでも・・・」

海未「・・・大丈夫です。これも生き延びるためです」

海未「それに、あまり気持ち悪がると、希に申し訳がありません」

にこ「・・・」

ことり「こ、ことりも行くよ!」

海未「えっ・・・?」

ことり「こ、ことりだってがんばるって決めたんだもん!だから連れて行って!海未ちゃん!」

海未「ことり・・・ありがとうございます」

にこ「・・・わかったわよ」

にこ「にこも行くわ。希の最期、見届けてあげないとね・・・友達なんだから」

海未「にこ・・・!」

にこ「ほらっ、さっさと行くわよ」

海未「はい・・・!」



――


にこ「2―A・・・ここに希がいるのね」

海未「はい・・・」

海未「では、入りますよ」


私たちはまた、この部屋に入ってしまいました


しかし、最初に来た時とは何かが違いました


海未「・・・えっ?」


そう。希の死体のすぐそばに、増えていたのです


しかもそれは見慣れた制服で、どこか見覚えのある髪型で・・・


海未「き・・・」




海未「きゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!!!!!!!」




絢瀬絵里、彼女にそっくりな人が血まみれで倒れていました




ことり「いやぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!!!!!」

にこ「なっなんで・・・希じゃないそいつが・・・血まみれで倒れているのよ・・・」

にこ「絵里ぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃ!!!!!!!!!!!!」

海未「な、なぜ!!なぜこうなってしまうのですか!!」

ことり「も、もう嫌だよぉぉ!!うぅっ・・・おぇぇぇっ・・・」

海未「誰が!誰がこんなことを!」

にこ「はっ!」

にこ「真姫ちゃん!!真姫ちゃんはどこにいるのよ!!」

にこ「あいつが犯人に違いないわよ!だってあいつは絵里を殺したら脱出できるんだもの!」

海未「ま、まさかもう脱出したのでは!?」

ことり「そんなのわからないよ!」

海未「と、とにかく探しましょう!まだ校舎内にいる可能性も充分あるはずです!」

ことり「う、うん!」

にこ「許さない!絶対に許さない!」

海未「急ぎますよ!逃がすわけにはいきません!」

海未「仲間を殺して脱出など、私は絶対に認めません!」


ダダッ




穂乃果「・・・」



スタスタ



穂乃果「あはっ」




穂乃果「あはははははっ」






――


真姫「・・・」

海未「真姫!」

真姫「・・・!!」

海未「おとなしくしなさい!」

真姫「・・・いきなりなによ」

にこ「真姫ちゃん・・・よくも絵里を・・・」

真姫「・・・!!」

真姫「どうしてにこちゃんがいるのよ!!」

海未「そんなことは後です。あなたに話があります」

真姫「・・・なによ」

にこ「とぼけてるんじゃないわよ・・・あんたが絵里を殺したんでしょうが!」

真姫「はっ・・・?」

真姫「絵里が・・・死んだ・・・?」

海未「・・・正直に話してください」

海未「あなたが殺したのですか?」

真姫「し、知らない!私は知らないわよ!」

にこ「この・・・!」

海未「にこ!」

海未「まだ真姫が犯人と決まったわけではありません」

にこ「なんでよ!そいつ以外に考えられないわよ!」

海未「希が殺されたときも、今の真姫と同じような状況で穂乃果が疑われました」

海未「ですが、まだ疑いの段階です。真実はわかりません」

にこ「でも!」


海未「もう仲間割れなど嫌なのです!」


にこ「・・・っ!」

ことり「海未ちゃん・・・」

海未「ですが、絵里が誰かに殺されたのは事実です。それならば、私たちがすることは復讐し合うことではありません」

海未「真実をはっきりさせて、絵里の無念を晴らすべきです」

にこ「・・・くっ」


にこ「・・・わかったわよ」

海未「それに、真姫は脱出できていません。つまり、まだ無実の可能性もあるということです」

真姫「・・・」

海未「真姫、ついてきてください。絵里のところにつれていきます」

真姫「・・・」

真姫「わかったわ。早く行きましょ」


スタスタ


ことり「・・・」

ことり「ねぇ、真姫ちゃん」

真姫「なに?」

ことり「上着、脱いだんだね」

真姫「・・・そうね、汚れちゃったから途中で脱いだわ」

ことり「・・・ふぅん。汚れたんだ」

海未「・・・」




――


凛「・・・」

海未「凛、いたのですね」

凛「絵里ちゃん・・・死んでるの?」

海未「・・・はい、絵里は死んでいます」

海未「そのことについて今から話し合いたいと思います」

真姫「絵里・・・なんで・・・!」

凛「絵里ちゃん、死んじゃったんだ・・・」

凛「っで、真姫ちゃんが犯人なんだよね・・・?」

真姫「私じゃないわよ・・・」

にこ「・・・」

凛「ふぅん。ちがうんだ。でも、もうどうでもいいや」

ことり「凛ちゃん・・・」

凛「もう、誰が死んでも・・・心が痛くならないよ」

にこ「あんた、それ本気で言ってんの・・・?」

凛「うん、どうせ凛も死んじゃうんだもん」

凛「もう、なんでもいいよ。早くかよちんを見つけて、二人で眠るんだ」

海未「凛、言ったはずです。諦めないでくださいと」

凛「海未ちゃんは諦めなければいいよ。がんばって脱出してね」

凛「あのチョコ、美味しかった。とっても美味しかったよ」

凛「ここに監禁されてから、初めて暖かい優しさに包まれた瞬間だったもん」

凛「だから、凛はもう邪魔しない。凛のことは放っておいて」

海未「・・・」

真姫「・・・」





真姫「・・・あはっ」





真姫「あっはははははははっ!!!!」






ことり「真姫・・・ちゃん?」

にこ「な、なに笑ってんのよ・・・」

真姫「面白いわ!本当に面白いわよ凛!」

真姫「私はそういうのが見たかったのよ!絶望したその表情!最高だわっ!」

海未「真姫!」

真姫「なに?文句あるの?」

真姫「文句があるならかかってきなさいよ!今すぐ返り討ちにしてあげるわよ!」


バッ


にこ「・・・っ!」

海未「ナイフを取り出して、脅しているつもりですか・・・!」

真姫「脅す?あははははっ!」



真姫「殺すの間違いでしょ?」



ことり「やっぱり、真姫ちゃんだったんだね」

ことり「あなたが絵里ちゃんを・・・殺したんだね!」

真姫「だから、私は殺してないって言ってるでしょ」

真姫「まぁ、希を殺したのは私だけどね」

海未「なっ希を・・・?」

にこ「あんた・・・何言ってんのよ」

にこ「いい加減にしなさいよ!」

真姫「いい加減にするのはそっちよ!」

真姫「私も凛といっしょ。もう生きる希望なんて何もない。何をしていいのかわからない」

真姫「あははっ!人間って壊れたら何も考えることができなくなるものね!」

真姫「もう、本当にどうでもよくなってきたわよ」

海未「真姫・・・どうしてあなたは壊れてしまったのですか」

海未「あなたは、そんな狂った人ではなかったはずです」

真姫「簡単なことよ。私は目標を達成するために、大事な人を殺してしまったから」

真姫「本当にバカよ。何のためにこんなことをしたのか・・・全て無駄になってしまったんだもの」

にこ「な、なんなのよこいつ・・・意味がわからないわよ・・・」

真姫「にこちゃんもよく言うわね。でも一応謝っておくわ。ごめんなさい。これでいいかしら?」

海未「おかしい・・・おかしいです・・・。どうしてあなたは・・・そんな風に・・・」

海未「これも私が悪いのです・・・。そうです、私はあなたを助けてあげられなかった」

海未「あなたがこんな残酷な殺人鬼になったのは、全て私の責任です・・・」

真姫「残酷?あぁ、その死体のことね。まだ気づいてなかったの?」


海未「えっ?」

にこ「・・・!」

真姫「希の死体なんかじゃないわよ。仲間のくせにそんなこともわからないなんて、聞いてあきれるわね」

海未「ど、どういうことですか・・・希の死体ではない・・・?」

真姫「ポケットにまだ入ってるんじゃない?それとも気持ち悪いから触りたくないだけかしら?」

海未「・・・」


ガサゴソッ


海未「こ、これは!」




『μ’s活動日記 小泉花陽』




海未「手帳・・・それも・・・」

海未「花陽・・・?」

凛「えっ・・・」


凛「な、なんで・・・かよちんの手帳が・・・」

真姫「あははっ、今まで気づいてなかったなんて、それでも友達なの?仲間なの?」

ことり「かよちゃん・・・なの・・・?」

にこ「・・・な、なんで・・・」

凛「かよちん・・・顔は・・・髪は・・・?」


凛「どうして顔が潰れているの・・・ねぇ、かよちん・・・」


凛「かよちん、かよちん・・・ねぇ、返事してよ、かよちん・・・」


凛「最後にもう一回、笑った顔を見せてよ・・・凛の名前を呼んでよ・・・」


凛「かよちん・・・うぅ・・・」



凛「嘘だ・・・嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ!!!!!!!」




真姫「あははははっ!よかったわね凛!大好きなお友達と再会できて!」


凛「うぅ・・・うぅ・・・」


真姫「死んだのよ!花陽は死んだのよ!顔を潰されて!惨たらしく!」


真姫「あっはははははははは!!!!!!」





凛「うそだぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」





バーン





真姫「・・・かはっ・・・」

ことり「・・・へっ」

にこ「・・・真姫・・・ちゃん・・・?」

真姫「・・・」



ドサッ



凛「・・・ははっ」



凛「あはははははっ。拳銃って、初めてでも案外簡単なんだね。凛、知らなかったよ」

海未「り・・・ん・・・」


凛「あははっあははははははははっ!!そういうことだったんだ!!」


凛「真姫ちゃんの言ったとおりだよ!人間、壊れたら何も考えられなくなっちゃうんだね!」


凛「あははっ!あははははははははははっ!!!!!」


凛「・・・なんでだろう・・・何も考えられないはずなのに・・・」





凛「涙が止まらないや」







穂乃果「・・・凛ちゃん」

海未「穂乃・・・果・・・」

凛「穂乃果ちゃん・・・よかったね、もう絵里ちゃんは死んだよ」

凛「もう逃げないで済むんだよ。やったね穂乃果ちゃん」

穂乃果「・・・」

にこ「穂乃果・・・なんで、アンタが血だらけなのよ」

穂乃果「ははっどうしてだろうね・・・」

穂乃果「服に染みが残っちゃうの、嫌なのに・・・ほんとに嫌なのに・・・」



穂乃果「何度こすっても取れないんだよ。絵里ちゃんの血が」



凛「あぁ、そっか。穂乃果ちゃんも」




凛「もうとっくに壊れていたんだね」





穂乃果「あははっそうだね。穂乃果はもう壊れちゃってるのかもね」


穂乃果「大丈夫、何もしないよ。穂乃果の出番はこれで終わり」


穂乃果「最後にみんなにお別れを言いにきただけだから」


バッ


ことり「穂乃果ちゃん」


海未「穂乃果」


穂乃果「楽しい思い出をありがとう」





穂乃果「さよなら」





ザクッ


グサッ


ドサッ


海未「・・・あっ・・・」


海未「あぁ・・・あぁぁっ・・・」





海未「あぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!!!!!!!」






凛「じゃあ、凛もそろそろお別れしないとね」


凛「ことりちゃん」


カランカラン


ことり「・・・」

凛「その拳銃を拾って、そして」





凛「凛を殺して」





ことり「無理だよ・・・だって・・・こんなの・・・あんまりだよ・・・」

凛「・・・あのとき、チョコを譲ってもらったお返しだよ」

凛「凛を殺して、みんなは脱出して」

にこ「・・・」

海未「・・・」



海未「もう、いいです」




ことり「えっ・・・」

海未「もう、殺さなくていいです。脱出などどうでもいいのです」

海未「みんな、死んでいったのです。脱出したところで、もう私たちは・・・いえ、私は」



海未「笑えそうにありません」



凛「・・・海未ちゃん、海未ちゃんが壊れたらだめだよ」

凛「海未ちゃんが凛に言ったんだよ?生きることを諦めたらだめだって」

ことり「・・・」

海未「無理です・・・私はもう」


海未「生きる意味がわからなくなってしまいました」


にこ「・・・」


ことり「・・・」







ことり「ことりは生きたいよ」








海未「えっ・・・?」

ことり「ことりもここで、大事な人をたくさん失った。生きるのが嫌になりそうだった」

ことり「でも、全部を失ったわけじゃないもん」

ことり「海未ちゃんもにこちゃんも・・・凛ちゃんも生きている」

ことり「だからまだ死ぬわけにはいかない・・・ことりはまだ」





ことり「まだ死にたくない!!」





にこ「ことり・・・」

海未「・・・」

ことり「海未ちゃん、にこちゃん。私たちは生き抜かないといけない」


ことり「凛ちゃんの想いを背負って・・・その想いを受け止めて」



ことり「生き抜かないといけないんだよ!」




にこ「・・・っ!」

海未「・・・」

海未「・・・そうですね」

海未「ことりの言う通りです。私は危うく道を間違えるべきでした」

海未「私には・・・まだ」



海未「守るべき人がいたのですね」



凛「うん、それでいいんだよ・・・」


凛「さっ、ことりちゃん」


ことり「・・・凛ちゃん」


ことり「今までありがとう」


凛「うん」



凛「そのかわり、約束してほしいな」



ジャキッ



凛「外の世界に戻っても」



凛「凛のこと、忘れないでね」



バーン



ことり「・・・」







ことり「忘れないよ、絶対」







今日はここまでです

たぶん明日で完結します

けっこう書いたつもりでも意外と短かった・・・すみません



――


ことり「・・・」

海未「・・・」

にこ「・・・」

ことり「何も・・・起こらないね」

ことり「やっぱり・・・脱出なんて嘘だったんだ・・・」

海未「・・・くっ」

海未「私は悔しくて仕方がありません・・・!」

海未「犯人もわからず、みんなは死んでしまい、脱出もできない」

海未「すべて・・・犯人の思惑通りということですか・・・」

にこ「なんで・・・なんでにこたちなのよ・・・」

にこ「私たちμ’sに・・・何の恨みがあるっていうのよ!」

海未「・・・」

ことり「・・・」


コツン


海未「あっ・・・」

海未「絵里、すみません。あなたの身体を蹴ってしまいました・・・」

ことり「穂乃果ちゃんは、どうして絵里ちゃんを・・・」

海未「・・・今となってはわかりません」

にこ「そんなの、絵里に殺されると思ったからに決まってるわよ・・・」

ことり「やっぱりそうだよね・・・」

ことり「あの死体がかよちゃんだって絵里ちゃんが気づいてたら、こんなことにはならなかったのかな・・・」

にこ「そうね・・・希じゃなかったら絵里は復讐なんて考えなかったかもしれないわね」

にこ「絵里と希は・・・本当の親友だったのかもしれないし」

海未「ことり、にこ、やめてください。希の命も花陽も命も・・・平等です」

海未「すべてはこの紙が原因なのです。なんですか・・・ことりを殺せだの、希を殺せだの・・・」

海未「馬鹿げています!こんなもの・・・こんなもの!」

ことり「海未ちゃん・・・」

海未「何が脱出条件ですか!この・・・!」

ことり「海未ちゃん!」

海未「・・・すみません」

ことり「うん・・・」

海未「・・・」


海未(えっ?脱出条件・・・?)


海未(待ってください・・・あの時たしか・・・)


海未(だとしたら・・・これって・・・)







海未「・・・・・・!!」








海未「・・・ことり、その拳銃を貸してもらっていいですか?」

ことり「え?う、うん・・・」


カランカラン


海未「・・・ありがとうございます」

にこ「何するつもりよ・・・」

海未「脱出条件という言葉で・・・閃いてしまったことがあります」


ジャキッ


ことり「う、海未ちゃん・・・どうしてことりに向けるの・・・?」

海未「簡単なことですよ、ことり」



海未「あなたを殺して脱出します」




にこ「あんた・・・何考えてるのよ!」

ことり「やめてよ・・・ことりを殺しても海未ちゃんは脱出できないよ」

ことり「凛ちゃんが命を懸けて・・・それを教えてくれたばかりだよね・・・?」

海未「そうですね。たしかにことりはその紙の指示通り、凛を殺しても脱出できませんでした」

海未「ですが、思い出してみてください。今までの皆さんが持っていた紙を」

にこ「どういうことよ・・・」

海未「私の紙にはことりを殺せという条件が書かれていました。ことりの紙には凛を殺せ。にこの紙には私を殺せ」

海未「凛の紙には穂乃果を殺せ。穂乃果の紙には希を殺せ。真姫の紙には絵里を殺せ」

海未「そして、絵里の紙には花陽を殺せでした」

海未「さて、何か気づきませんか?」


にこ「何かって・・・」

ことり「・・・まさか」

海未「そうです。全員の紙には、それぞれ別の人物を殺す条件が書かれていました」

海未「私はにこ以外には狙われない。絵里は真姫以外には狙われない。そんな感じです」

海未「確認していませんが、おそらく希と花陽の紙には、真姫、にこを殺せという条件が書かれていたはずです」

にこ「それが、どうしたっていうのよ・・・」

海未「まだわかりませんか?おそらく、犯人の狙いは」



海未「皆殺し」



海未「私たち全員が脱出のために殺し合う。そんな展開を犯人は狙っていたのです」

海未「おそらく脱出の条件はその犯人の展開通りに殺し合いをして、その殺し合いに生き残ること」


海未「つまり、自分以外の全員の死。これが脱出の方法に間違いありません」



ことり「そんな・・・そんなこと、信じられないよ・・・」

にこ「・・・」

海未「・・・私は先ほど、ことりの言葉で救われました」

海未「ことりがいなかったら、私は今頃生きる気力を失っていたでしょう」

海未「ですが、私には守る人がいるのだと気付いたのです。その人のために、私はまだ生きなければいけません」

ことり「その守る人を・・・海未ちゃんは今から殺すんだよね?」

海未「わかってください、ことり、にこ。これは仕方のない犠牲なのです」

にこ「・・・わかんないわよ、全然・・・わかんない・・・」

海未「私にはまだ両親がいます。これからは私が両親を守っていかないといけないのです」

海未「それに、希もまだどこかで生きているのかもしれません。真姫は殺したと言っていましたが、私は自分の目で死を確認するまでは信用しない性格ですので」

あれ?最初の死体が花陽だったんだっけ?


ことり「・・・ことりだって、まだ死にたくない」

ことり「でも海未ちゃんがそう言うなら、ことりはそれに従うだけ」

海未「ことり・・・」

ことり「だって私、海未ちゃんのこと信じてるもん」

ことり「海未ちゃんは今まで・・・間違ったことを言ったことはないもん」

ことり「だから、海未ちゃんは自分が正しいと思うことをして」



ことり「それを受け入れる準備は、もうできているから」



海未「・・・」

海未「わかりました。ではことり」







海未「一緒にここから脱出しましょう」








ことり「えっ・・・?」

海未「ですから、二人でここを脱出する。それが私の」

海未「正しいと思うことです」

ことり「海未ちゃん・・・でも・・・」

海未「はい、たしかに二人で脱出する方法はわかりません。ですが」


海未「わからないなら、犯人に直接聞けばいいのです」


ことり「えっそれって・・・」


海未「・・・教えてくれますよね?私たちをここに閉じ込めた犯人・・・いや」



ジャキッ







海未「にこ」







今日はここまでです

今日で終わるって言ってたけど全然終わんなかった・・・すみません


>>124
そうですよー


にこ「・・・」

にこ「どういうことかしら、海未」

海未「にこ、あなたが私たちをここに閉じ込めて殺し合いをさせた犯人だと言っているのです」

ことり「にこちゃん・・・が・・・?」

にこ「・・・どうしてにこが疑われないといけないのよ」

海未「先ほど脱出条件という文字を見たとき、あの時の、にこの不可解な発言を思い出しました」

にこ「・・・意味わかんないわよ」

海未「絵里の死体を発見したとき、にこは確かこのように言いましたよね?」



――


海未「な、なぜ!!なぜこうなってしまうのですか!!」

ことり「も、もう嫌だよぉぉ!!うぅっ・・・おぇぇぇっ・・・」

海未「誰が!誰がこんなことを!」

にこ「はっ!」

にこ「真姫ちゃん!!真姫ちゃんはどこにいるのよ!!」

にこ「あいつが犯人に違いないわよ!だってあいつは絵里を殺したら脱出できるんだもの!」

海未「ま、まさかもう脱出したのでは!?」

ことり「そんなのわからないよ!」




――


にこ「確かにそう言ったわ。それのどこがおかしいのよ」

海未「いえ、あの時の会話にはあきらかにおかしい箇所があります」

海未「私たちはにこに、真姫の持っている紙のことを話してはいませんでした」

海未「それなのに、どうしてにこは知っていたのですか?」


海未「真姫の脱出条件が絵里を殺すことだと」


にこ「・・・っ!そ、それは・・・」

海未「それに気づいたとき、私の中ですべてがつながりました」

海未「そもそもにこが私たちと合流したのは、私たちが校舎中を探索した後でしたね」

海未「あの時は偶然出会わなかった・・・それで納得をしてしまいましたが」

海未「それも今考えるとおかしなことでした」

海未「私たちはにこの声に気づいてにこと合流しました」

海未「ですが、探索しながら声を出していたのはこちらも同じです」

海未「お互いが声を出して校舎内をずっと歩いていたのに、合流することができなかった。それもにこが犯人だと思えば納得がいきます」

ことり「にこちゃんは、私たちと合流する前までは、どこか別のところにいたってこと・・・?」

海未「そうです。おそらく、私たちがそれぞれ分かれて行動するときを狙っていたのでしょう」

にこ「・・・どうしてにこがそんなことをしないといけないのよ」

海未「にこはお互いが殺し合うような状況を作ろうとしたのですよね?」

海未「あのとき、食糧であるチョコを二つ持ってきたのも」

ことり「私たちの空腹を利用して、仲間割れをさせようとしたってことなの・・・?」

海未「おそらくそうでしょう。実際、私たちはあの時、もう少しで仲間割れをする状況になりました」

にこ「な、なによそれ・・・!そんな憶測でにこが犯人だって決めつけるの!?」

海未「まだ怪しいところはあります!それは真姫があなたの姿を見たときのことです!」



――


真姫「・・・」

海未「真姫!」

真姫「・・・!!」

海未「おとなしくしなさい!」

真姫「・・・いきなりなによ」

にこ「真姫ちゃん・・・よくも絵里を・・・」

真姫「・・・!!」

真姫「どうしてにこちゃんがいるのよ!!」


――


海未「あのときの真姫は、にこの姿を見てどうしてここにいるんだと言いました」

海未「ですが、それって何か違和感を感じませんか?」



海未「普通なら、にこが生きているのを確認できてもっと安心感のようなものがあってもいいはずです」

海未「ですが、あの時の真姫の言い方では、にこが監禁されていることに驚いているようでした」

海未「まるで、にこが監禁されているのはおかしい。そのような言い方でしたね」

にこ「それは・・・真姫ちゃんも気が動転して変なことをいっただけかもしれないわよ・・・!」

ことり「も、もしかして二人は・・・」

海未「はい。私の考えが正しければ、真姫とにこは」



海未「共犯」



にこ「意味わかんないって言ってるでしょ!根拠を言いなさいよ!根拠を!」

海未「・・・花陽の死体があった部屋は、鍵がかかっていました」

海未「それはおそらく、私たちが全員合流するまでに死体を発見されたくなかったからでしょう」

海未「実際、私たちは全員揃って花陽の死体を見つけたばかりに、あのような犯人捜しを行うことになってしまいました」

海未「そして、結果的に私たちはバラバラになってしまった」

にこ「そんなの根拠にならないわよ!」

海未「私たちが死体を見つけたのは、真姫に誘導されたからです!」


――


真姫「ねぇ、あの教室から今、何か聞こえなかった?」

穂乃果「え?穂乃果は聞こえなかったけど」

海未「もしかすると誰かいるのかもしれません、行ってみましょう」

絵里「2-A、ここってさっき来たときは鍵がかかっていたわよね?」

海未「そうですね、なので先ほどは入りませんでしたが・・・」

海未「もしかすると希、にこ、花陽の誰かがこの中に籠城して隠れているのかもしれません」

真姫「扉を壊して、中を確かめたほうがよさそうね」


――


海未「それだけではありません!あの時の真姫はこんなことも言っていました!」




――


真姫「・・・」

真姫「ことり、あなた何か隠しているんじゃないの?」

ことり「えっ・・・ことり?」

ことり「ひどいよ!真姫ちゃんはことりを疑っているの!?」

真姫「あなた、私と合流したときに言っていたわよね」

真姫「あの紙がどうとか」

海未「あの紙・・・」

ことり「そ、それは・・・」

絵里「ことり・・・話しなさい」

ことり「えっと・・・」

穂乃果「ことりちゃん・・・」

凛「ま、まさか本当に・・・」

真姫「ことり、あなたが犯人なんじゃないの?」



――


海未「そうです!私たちが死体を見つけたのも、犯人捜しを始めるきっかけとなったのも、全部真姫の発言からだったのです!」

海未「私たちは最初からずっと真姫に誘導されていたのですよ!」

にこ「だからにこが犯人だっていう根拠を言えっていってんのよ!」

海未「最大の根拠は・・・!」

海未「あなたが生き残っていることです!」

海未「犯人が皆殺しを狙っているのなら、まだ犯人は生きているはずなんです!」

にこ「あんたもことりも生きているじゃない!それだけじゃない、希だって生きているのかもしれないって言ったのは海未、あんたよ!」

海未「そうじゃないのです!」

海未「だいたいあなたはおかしいのですよ!先ほどから目の前で仲間がどんどん死んでいっているのに!」

海未「あなたの表情はどこか安心しているように見えます!」

海未「まるでこの殺し合いを楽しんでいるかのように!」

海未「だから私は試したのですよ!私がことりを殺すって言ったとき、あなたはどんな表情をとるのか!」

にこ「・・・っ!!」

海未「にこ、あなたの表情は・・・」


海未「凍っていました・・・まるで計画の最後を見届けるような・・・そんな冷たい表情で」


にこ「・・・」


海未「それに・・・ことりが凛を殺すときのあの表情・・・そして、私にかけてくれたあの想い・・・」


海未「私には・・・あれが演技だとは到底思えません・・・」


ことり「海未ちゃん・・・」


にこ「・・・」


海未「お願いです、にこ。罪を認めてください」


海未「私は・・・仲間であるあなたをこれ以上言及したくはないのです!」


にこ「・・・」


にこ「・・・・・・・」







にこ「仲間?笑わせんじゃないわよ」







ことり「にこちゃん・・・?」


海未「・・・やはり、あなたが・・・」


にこ「・・・・・・」




にこ「あーあ、ばれちゃった」





今日はここまでです

また後日更新します


ことり「うそ・・・だよね・・・」

ことり「ほんとうに・・・にこちゃんが・・・?」

海未「なぜですか・・・!なぜこのようなことを!」

海未「にこ!」

にこ「うっさいわねーそんなの決まってるじゃない」


にこ「希のためよ」


ことり「・・・えっ」

にこ「何?忘れたの?それとも忘れようとがんばってるの?」

にこ「にこは絶対に忘れない。そして絶対に許さない」

にこ「あんたたちなんて仲間じゃない」

海未「にこ・・・何が言いたいのですか・・・」

にこ「まだ忘れたふりをするつもりなの?ったく、めんどくさいわねー」

にこ「だったら思い出させてあげるわよ!あんたたちが希にした悪魔の所業を!」



――


ガシャン


時は、外の世界にいたころまで遡る

そう、あの事故がすべての始まりだった

ラブライブの本戦が近づいたある日、花陽が他校のスクールアイドルに因縁をつけられた

そのことを知った凛がその相手につっかかり、凛の一突きで相手は階段から落下。大けがを負ったわ

当然、それはとてもまずいことになった


絵里「・・・理事長からの通告がきたわ」

絵里「相手が悪いとはいえ、結果的に責任はけがを負わせた凛、あなたにあるという結論になったそうよ」

凛「・・・ごめんなさい」

絵里「・・・その処分は凛の休学、及び団体責任で」


絵里「μ’sの活動停止」



穂乃果「そんな!」

にこ「じゃあラブライブの本戦はどうなっちゃうのよ!」

絵里「辞退・・・するしかないわ」

ことり「そ、そんなぁ・・・」

凛「みんな、ごめん。凛のせいで・・・こんなことに・・・」

花陽「凛ちゃんは悪くないよ!悪いのは私だよ・・・」

海未「いえ、これは私たち全員の責任でもあります・・・」

真姫「ど、どうすんのよ」

凛「・・・」


凛「凛、μ’sを辞めるよ」



穂乃果「な、なんで!なんでそんなこと言うの!?」

海未「凛・・・」

凛「凛が辞めたら、今回の処分にμ’sは関係なくなるんだよね・・・?」

凛「そしたらみんなはラブライブに出場できるんだよね!?」

絵里「それは・・・理事長に相談しないとわからないけど・・・でもそんな・・・」

凛「ううん、いいの。もうこれ以上みんなに迷惑をかけるのは・・・嫌だもん」

私たちは突然のことにどう対応すればいいのか、まったくわからなかった

凛を止めるべきだったのか。それとも止めない方がよかったのか。私にはわからなかった

でも、そんな重たい空気は次の瞬間、どよめきに変わったわ


希「ウチが辞めるよ」


絵里「えっ・・・?」


希「ウチが辞める。向こうにけがを負わせたのはじつはウチってことにするんや。そしてその責任をとるためにウチがμ’sを辞める」

凛「の、希ちゃん・・・」

希「ウチはμ’sのことが大事なんや。そう、μ’sのためなら、ウチは喜んで処分を受ける」

真姫「な、なんでそうなるのよ!」

にこ「そうよ!9人でμ’sって言ったのは希、あんたじゃない!」

希「たしかにそう言った。でもな、ウチは」

希「別に自分が輝きたいわけやない。そりゃ、アイドルやってるのは楽しいけど」

希「ウチが本当に望んでいるのは、ここにいるμ’sのみんなが輝くことや」

希「そのためなら、ウチは裏方でも全然かまわへん」

唖然としたわ。そんなこと間違っているに決まっている

でも私の言葉は希には届かなくて・・・


にこ「穂乃果!絵里!何とか言ってあげなさいよ!」

この9人を集めた穂乃果、そして希と一番仲がいい絵里に私は頼んだわ

でも、その二人の言葉はあまりにも冷たくて・・・


穂乃果「希ちゃん・・・穂乃果たち、がんばるからねっ!」


絵里「・・・じゃあ希、理事長に交渉に行きましょうか」


にこ「えっ・・・」

他のメンバーも一緒。みんなのためにと思った希を、同情も、感謝も、ためらいもなく、ただただ簡単に切り捨てた



そう、私と真姫ちゃん以外は




私と真姫ちゃんはμ’sを抜けようって話になった

でも希は・・・

希「辞めんといてよ!ウチは二人が輝く姿を見たいんや!」

にこ「でも・・・こんなのあんまりじゃない!」

真姫「希を簡単に切り捨てるような人たちなのよ?許せるわけないじゃない」

希「ちがうよ!ウチは二人が辞めることなんて望んでない!」

希「そんなことされたら、ウチの決断は無駄になってしまうんや!」

にこ「希・・・」

にこ「・・・わかったわよ」


あんな風に言われたら辞めたくても辞められなかった



でも、事件はそれだけでは終わらなかった

穂乃果と絵里が次に狙ったのは、生徒会の予算

そう、あいつらは予算の横領をしていたの

私がそのことにもう少し早く気づいていたら、何かが変わっていたのかもしれないのに・・・

横領なんて当然バレる。でもその時の言い訳に私は我慢できなかったわ


穂乃果「盗んだのは希ちゃんです。本人も自供しています」

絵里「責任は希だけにあるはずです。私たちμ’sは一切その件に関係ありません」


そうよ、あいつらは希一人に全てを押しつけたの


希の気持ちを利用したのよ


それを知った私と真姫ちゃんはすぐさま脱退を決意したわ

でも脱退をすると言ったとき、あいつらはこう言ったのよ


凛「ばいばい、二人とも」


穂乃果「じゃあね」


花陽「い、今までありがとうございました!」



引き止められても決意は揺るいでなかったわ

でもまさか、あんなにもあっさりと私や真姫ちゃんまで切り捨ててくるなんて思わなくて・・・


にこ「ねぇ、真姫ちゃん。私たちの今までってなんだったのかしら」


真姫「さぁ。所詮はあの人たちの仲良しごっこに付き合わされていただけなのかもしれないわね」


にこ「・・・そうね。あんなに薄っぺらい友情なんて」


にこ「無くなった方がいい。仲良しごっこをして、それで傷つく人がでるぐらいなら」


にこ「そんな友情、ぶっ壊した方がいいに決まってるじゃない」


真姫「にこちゃん・・・」


にこ「・・・いくわよ、真姫ちゃん。希に負わせた痛み、そのままあいつらに返してやるわ」







にこ「友情ゲーム、開始よ」









――


海未「・・・」

ことり「・・・」

にこ「そうよ、あんたらが全部悪いのよ・・・」

にこ「あんたたちのせいで希がどれだけ傷ついたと思っているのよ!」

海未「で、ですがあれは・・・希が望んだことだったのです・・・」

海未「たしかに私たちにも非があったのかもしれません。ですが!」

海未「あのときの判断はすべて希やにこ、真姫の想いを尊重したものなのです!」

にこ「うるさい!希や私たちのことを簡単に切り捨てたくせに!」

にこ「何が尊重よ!ふざけるんじゃないわよ!」

ことり「うっうぅっ・・・」

にこ「はぁ・・・はぁ・・・」


海未「・・・もしかして、花陽の死体を希に偽装したのは・・・」

にこ「えぇそうよ。私が一番許せなかったのは絵里。あいつよ」

にこ「絵里と希は親友?笑わせんじゃないわよ」

にこ「絵里は平気で希を切り捨て、しかも利用して・・・」

にこ「それなのに親友とか言って・・・許せない。絶対に許せない」

にこ「だからあいつが一番絶望するように私なりに考えたのよ!」

にこ「そうだ!希の死体を目の前に出してやったら、あいつはどんな顔をするのかってね!」

にこ「結局、絵里は無残に死んだわ!あっははははは!ざまぁみろ!」

海未「にこ・・・あなたも・・・壊れてしまったのですね」

にこ「誰のせいで・・・壊れたと思ってんのよ」

ことり「・・・にこちゃん」




ことり「ごめんね・・・ごめんね・・・」





にこ「は?今さら謝ってももう遅いわよ」

ことり「うん、たしかにもう遅いかもしれない・・・」

ことり「それでも・・・謝らないといけないの・・・だってことり、にこちゃんや真姫ちゃん、希ちゃんの本当の想いを、わかってあげることができなかった・・・」

にこ「・・・ふんっ。きれいごとなんていらないわよ」

海未「・・・にこ、私からも謝らせてください」

海未「すみません・・・本当に・・・すみません・・・」

にこ「だからもうそういうのはいらないの。にこの目的ももうすぐ達成される」


にこ「やっと・・・全てを終わらせることができる・・・」



にこ「・・・でもね、私にも考えがあるの」

海未「・・・」

ことり「・・・」

にこ「あんたたちも許せない。でも、あんたたちが希にした仕打ちはまだマシだったわ」

にこ「予算の横領がバレたとき。海未、ことり、あんたたちは罪のない希を庇おうとしていたわ。それは私もわかってる」

にこ「だからチャンスをあげる」

ことり「チャンス・・・?」

にこ「えぇっ。あの紙の脱出条件。あれだけは守ってあげる」

ことり「それってつまり・・・」

にこ「そうよ。ことり、あんたはさっき脱出条件をクリアしたわよね。だからあんたは助けてあげるわ」

ことり「う、海未ちゃんは!?お願い!海未ちゃんも助けて!」

にこ「それは無理ね。助けるのは1人だけよ」

海未「・・・」


にこ「だから少しだけ時間をあげるわ」

ことり「えっ・・・?」


にこ「2分よ」


にこ「今から2分後に脱出条件をクリアしている方を助けてあげる。もちろんもう一人には死んでもらうわ」

ことり「それって・・・」


海未「・・・!!」


海未「ま、まさか・・・!」


にこ「そうよ。海未、あんたがもし助かりたいのなら」







『脱出条件:南ことりを殺せ』







にこ「殺しなさい、親友を」








海未「ことりを・・・私が・・・」

ことり「海未ちゃん・・・」

にこ「さぁ、早く殺しなさいよ!」

海未「・・・」

海未「できません・・・」

海未「私には・・・ことりを殺せません」

にこ「あははははっ!なにそれ!まだ仲良しごっこでも続けるつもりなの!?」

ことり「海未ちゃん・・・早くことりを殺して・・・!」

ことり「さっき言ったよね?ことりはもう、覚悟はできてるから・・・」

海未「・・・」


ジャキッ


にこ「・・・」


海未「にこ・・・」



にこ「なんでこっちに向けてんの?もしかしてにこを殺すつもり?」

にこ「殺したいなら殺していいわよ。でもにこを殺したら脱出方法はもう見つからないと思うけどね」

海未「脱出方法はあなたを殺してから・・・ことりと二人で探します」

にこ「無理よ。あんたらにもうそんな気力が残っているようには見えないわ」

海未「それでも・・・私はことりと生き延びてみせます・・・」

にこ「ふぅん。まぁ勝手にすれば?」


にこ「どうせ、私はもうおしまいだし」


ことり「えっ・・・」


海未「にこ・・・あなたまさか・・・」


にこ「・・・」


海未「・・・ようやくわかりました」



海未「あなたは悔やんでいるのですね、絵里を死に追いやったことを」




にこ「・・・は?どうしてここでそいつの名前が出てくるのよ」

海未「たとえ切り捨てられたとしても、利用されたとしても・・・」

海未「希にとって絵里は、一番の親友だったはずです」

海未「にこ・・・あなたは絵里を恨んで、そして絶望させ、結果的に絵里は死にました」

にこ「そうよ、あんなやつ死んで正解なのよ」

にこ「なにが希の親友よ・・・あいつは希の気持ちを利用したクズよ!」

海未「・・・にこ、あなたは」



海未「希の親友を自分が殺してしまったことに悔やんでいるのではないのですか?」



にこ「・・・何言ってんの。意味わかんないんだけど」


海未「いくらにこが絵里のことを悪魔だと思っていても、希にとって絵里は大切な人だった」


海未「その事実を知っているからこそ、あなたは絵里を死に追いやったことを・・・」


にこ「そんなわけないでしょ!」


海未「では、あのときの言葉はなんだったのですか!?」




――


にこ「真姫ちゃん!!真姫ちゃんはどこにいるのよ!!」

にこ「あいつが犯人に違いないわよ!だってあいつは絵里を殺したら脱出できるんだもの!」

海未「ま、まさかもう脱出したのでは!?」

ことり「そんなのわからないよ!」

海未「と、とにかく探しましょう!まだ校舎内にいる可能性も充分あるはずです!」

ことり「う、うん!」

にこ「許さない!絶対に許さない!」


――


にこ「真姫ちゃん・・・よくも絵里を・・・」

真姫「・・・!!」

真姫「どうしてにこちゃんがいるのよ!!」

海未「そんなことは後です。あなたに話があります」

真姫「・・・なによ」

にこ「とぼけてるんじゃないわよ・・・あんたが絵里を殺したんでしょうが!」



――


海未「絵里が殺されたと知ったとき、あなたは声を荒げていました」

海未「あれすらも演技だったと言うのですか!?」

にこ「・・・そうよ、あんなものただの演技よ」

にこ「私は何も悔やんでなんかいない。そう、これこそが私の望んだ結末なのよ」

ことり「にこちゃん・・・」

にこ「・・・くだらない話はもうおしまいよ」


にこ「っで、どうするの?あんたたちの友情ってやつはどんな結末を導き出すっていうの?」

海未「・・・」

ことり「海未ちゃん・・・」

海未「・・・できません。私には・・・できません・・・」

海未「ことり、あなたは生き延びてください」

ことり「そ、そんなの嫌だよ・・・」

ことり「海未ちゃんを殺してことりだけが生き延びるなんて・・・そんなの嫌!」

海未「それは私も同じです。ことりを殺して私だけが生き延びるなど、できません・・・」

ことり「海未ちゃん!」

にこ「あははははっ!ことり、あんたも随分とおもしろいことを言うようになったのね!」


ことり「な、なにが・・・ことりは何も言ってないよ・・・!」

にこ「だってあんた、自分が生き残るために凛をあっさり殺したくせに、海未は殺せないだなんて」

にこ「最高におもしろいわよ。凛が聞いたら泣いちゃうんじゃない?」

ことり「ちがう・・・あれは・・・」

ことり「凛ちゃんの想いを受け取っただけだよ・・・凛ちゃんは本当に・・・生きているのがつらそうで・・・」

ことり「だからことりは・・・凛ちゃんのために・・・」

にこ「あっははははっ!なにそれ!」

にこ「凛の想いを受け取った?それっぽく言ってるけど、要するに凛のことはどうでもよかったってことでしょ!」

ことり「ちがうもん!ことりにとっては凛ちゃんも・・・海未ちゃんも・・・大切な友達なんだよ!」

にこ「・・・あーあ」


にこ「またそうやって友達ごっこか。気に食わない」




にこ「・・・もうにこ飽きちゃった」

にこ「ことり、あんたはもう用済みよ」


ジャキッ


海未「・・・!!」

海未「にこ!」

にこ「ごめんね、じつはにこ、拳銃を隠しもってたの」

にこ「海未が殺せないのなら私がことりを殺してあげる」

海未「や、やめてください!」

ことり「・・・」


ことり「にこちゃん・・・ごめんなさい・・・」


にこ「・・・じゃあね、ことり」







にこ「バイバイ」







バーン









海未「・・・」



海未「かはっ・・・」



にこ「・・・」


ことり「ど、どうして・・・」


ことり「どうして自分で自分を撃ったの・・・」


ことり「海未ちゃん!!」


海未「・・・私が・・・死ねば・・・かはっ・・・」


海未「ことりは・・・助けてくれ・・・るのです・・・よね・・・」



にこ「・・・バカみたい。最後の最後まで、仲良しごっこなんて・・・」

にこ「まっいいわ。仕方ないからことりだけは助けてあげる」

ことり「海未ちゃん・・・なんで・・・なんで!!」


海未「こ・・・とり・・・私は・・・」


海未「にこを・・・みんなを・・・守ってあげることが・・・できなかった・・・」


海未「私は・・・誰も・・・救え・・・なかった・・・」


海未「だから・・・最後に・・・」




海未「あなただけは・・・守りたかった・・・・」





ことり「海未ちゃん!死んじゃだめだよ!死なないで!」


海未「こ・・・とり・・・最後・・・まで・・・」


海未「私のこ・・・とを・・・信じて・・・くれて・・・」


海未「あ・・・りが・・・とう・・・ご・・・」


海未「・・・・・・」


ことり「う、海未ちゃん・・・うぅ・・・ぅ・・・」








ことり「うわぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!!!!!!!!」









ことり「・・・」

ことり「海未ちゃん・・・どうして・・・」

にこ「・・・」

にこ「っで、あんたはどうすんの?」

ことり「・・・」

にこ「あんたがどうしても死にたいって言うなら、別に殺してあげてもいいけど」

ことり「・・・ううん」

ことり「生きるよ。ことりは生き延びる」

ことり「そしてにこちゃん、あなたを」


ことり「守り抜いてみせる」


にこ「・・・なにそれ、ついに頭までおかしくなったのかしら」

ことり「そうかもしれないね。こんなことをした犯人を守るだなんて、何言ってるんだろうって自分でも思う」


ことり「でも、ことりはそれをやらないといけないの」

ことり「海未ちゃんはにこちゃんを救えなかったことにすごく後悔していた」

ことり「だったらことりは、その海未ちゃんの想いを受け継がないといけないもん。だって」



ことり「この命は、海未ちゃんが託してくれたものだから」



にこ「・・・」

にこ「救うなんて・・・もう遅いわよ」

にこ「私はここまでしてしまったの。もう、私を救える人なんていない」

ことり「・・・ねぇ、にこちゃん。一つだけ聞いていいかな?」

にこ「・・・なによ」

ことり「どうして・・・ことりを脱出させてくれるの?」

ことり「ことりを外に出しても、にこちゃんに良いことなんて何もないはずだよね・・・」


にこ「・・・さぁ、にこにもわかんないわ」

ことり「にこちゃん・・・」

にこ「・・・ことり、あんたに頼みがあるの」

ことり「頼み・・・?」

にこ「こんなことをした私が言うのはおかしなことかもしれない」

にこ「でも・・・それでも・・・」

にこ「生き延びているあんただけでもいいから・・・だから・・・」





にこ「希に謝ってほしいの」





にこ「希ともう一度・・・向き合ってあげてほしい」





ことり「・・・」


ことり「・・・・わかった」


ことり「約束するよ。希ちゃんが私たちをどれほど憎んでいるのかはわからない。けど」


ことり「それでも・・・ちゃんと向き合ってみるよ」



にこ「・・・バカね」


にこ「希があんたたちのことを憎んでいるはずないじゃない」


にこ「だって希は・・・今でもあんたたちを・・・μ’sを・・・」


にこ「う・・・うぅ・・・」







にこ「うわぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁん!!!!!!!!!!」







ことり「にこちゃん・・・」


にこちゃんの泣き声はこの暗い世界に響きわたって・・・


そう、にこちゃんもわかっていたんだ


こんな結末なんて、誰も望んでいないことに


どうしてこんなことになってしまったんだろう


わからない、ことりにはわからない


でも、生きるしかない


生きてさえいれば、いずれわかるかもしれないから・・・




ことり「・・・」

にこ「うっ・・・うぅっ・・・」

ことり「にこちゃん・・・」

にこ「・・・」

にこ「ことり」

にこ「ついてきなさい」

ことり「・・・」

ことり「うん」


――


ことり「ここは、保健室・・・?」

にこ「そこ、邪魔だからどいてもらえる?」


ガコッ


ことり「・・・!!」

にこ「ここから地下を通じて外に出られるわ」

ことり「床下に隠し階段があったなんて・・・全然気づかなかったよ」

にこ「・・・早くいくわよ」



階段を下りていき、辿り着いたのはたくさんのモニターが設置されている洞窟のような場所だった・・・


ことり「これ・・・監視カメラの映像だよね・・・?」

にこ「・・・」

ことり「もしかして、これもにこちゃんが設置したの・・・?」

にこ「ちがうわよ」

にこ「ここの学校、裏の世界では有名な監禁スポットらしいから」

ことり「じゃあ、にこちゃんはそれを知って・・・」


にこ「・・・」


にこ「あっちの穴を抜ければ出口よ」


ことり「・・・ねぇ、にこちゃん」



ことり「あなたはこれからどうするの?」



にこ「・・・別に、私の勝手でしょ」


ことり「・・・」


ことり「うん、そうだね」




にこ「・・・」





にこ「えっ?」





ことり「・・・にこちゃん?」


にこ「・・・あ・・・あぁっ・・・」


にこ「う・・・そ・・・でしょ・・・」


ことり「・・・!!」


ことり「あ、あれって・・・」


出口に向かう穴。そこを抜けたらことりたちは新しいスタート地点に立てる


はずだったのに・・・


その出口の前に・・・倒れている・・・人が・・・


それは見覚えのある髪型に・・・見覚えのある制服で・・・




――


ガコッ


真姫「・・・」

真姫「・・・やっぱり、そうだったのね」

真姫「いったい、何を考えているのよ」


希「真姫ちゃん・・・何やっとるん・・・?」


真姫「・・・!!」


真姫「どうして希がここに!?」


希「ここの噂を聞いたから見に来たんや。真姫ちゃんは・・・なんでこんなところにおるん?」


真姫「そ、それは・・・」


希「そのモニターの映像・・・真姫ちゃんとの話は後や。まずはみんなを助けに行かな」




真姫「だ、だめ!それだけは絶対にだめ!」


スタスタ


真姫「やめて!そんなことされたら今までのことがすべて・・・!」


希「真姫ちゃん、こんなん間違っとる!ウチが止めないと取り返しのつかないことになってしまうんや!」


真姫「や、や・・・」




真姫「やめてって、言ってるでしょぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!!!!!!!!」




ドサッ




真姫「あっ・・・あっ・・・」

真姫「ど、どうして、こんなことに・・・」

真姫「わ、私は知らない・・・私のせいじゃない・・・」

真姫「みんなのところに・・・も、戻らなきゃ・・・早く・・・」

真姫「まだ私には・・・やることが・・・」


ダッ


希「・・・・や・・・める・・ん・・・や・・・」




希「ま・・・」




ガコッ






――


にこ「な・・・んで・・・」


にこ「の・・・ぞ・・・」


ことり「のぞみ・・・ちゃん・・・」


にこ「あ・・・あぁ・・・」


にこ「あぁ・・・あぁぁっ・・・」








にこ「うわぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!!!!!!!!!!!!!!」








ジャキッ




バーン






ことり「・・・に・・・こちゃ・・・ん・・・」


にこ「・・・うぅ・・・うぅ・・・」


にこ「うぅぅぅぅぅぅ・・・・」


にこ「の・・・ぞみ・・・」


にこ「すぐ・・・に・・・」


にこ「むか・・・えに・・・行・・・く・・・から・・・」


にこ「・・・・・・・」


ことり「い、いや・・・」








ことり「いやぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!!!!!!!!!!!!!」











――



「南ことりさん、あんた何か知ってるんじゃないの?」


ことり「・・・」


「音ノ木坂学院のスクールアイドル連続失踪事件、生き残ったメンバーは君だけだよね?」


ことり「・・・」


「もしかして、君が犯人と繋がっているとか・・・じゃないだろうね?」


ことり「・・・」


「おい、何とか言ったらどうだ!」




ことり「・・・犯人なんて、いませんよ」


ことり「だってこれは・・・ただのゲームですから・・・」


「・・・ゲーム?」


ことり「そうですよ。刑事さん」


ことり「あなたもやってみますか?」










ことり「友情ゲームを」










end




以上で終わりです

読んでくださった方ありがとうございました

このSSまとめへのコメント

1 :  SS好きの774さん   2014年11月24日 (月) 03:12:40   ID: 5QIMSsGn

面白い、心が痛いけど...
元ネタは何かな?

2 :  SS好きの774さん   2014年11月24日 (月) 18:49:30   ID: -zlRdl-9

コイツ絶対穂乃果と希と凛嫌いだろ

3 :  SS好きの774さん   2014年11月25日 (火) 03:31:12   ID: reFvk5dr

のぞにこまき以外が屑過ぎるかな・・・・・・
特にほのえり

4 :  SS好きの774さん   2014年11月27日 (木) 23:33:18   ID: lNmlSm0A

ん~…

5 :  惨劇の館   2015年01月08日 (木) 20:40:35   ID: ETJIPKNf

惨劇の館と比べてしまうな

6 :  SS好きの774さん   2015年01月12日 (月) 23:24:40   ID: cDIOU7al

ほのか可愛い

7 :  SS好きの774さん   2015年01月17日 (土) 20:42:48   ID: 7QUlgHI1

甘いなぁ…話が分かりづらい
発想は評価するよ

8 :  SS好きの774さん   2015年01月25日 (日) 22:45:58   ID: BFdEqjD4

なんかつらいよ、

9 :  SS好きの774さん   2015年01月29日 (木) 06:00:02   ID: VLRTWq5p

のぞみのことを簡単に切り捨てた絵里を苦しめるために、のぞみにぎそうした死体を見せて絵里を最初に苦しめるって矛盾してない?素人の立てた構想にあれこれ言ってもしょうがないだろうけど。

10 :  SS好きの774さん   2015年02月01日 (日) 18:48:04   ID: ucVKVsu5

9>>そこが問題点なんだよなぁ…後先考えずに書いた感じがするんだが、SSの作者

11 :  SS好きの774さん   2015年02月24日 (火) 17:32:39   ID: HAxegAFw

だったら↑のお前らホラーss書けるのか?書けないくせによく言えるなw人の作品あまりバカにするなよ

12 :  SS好きの774さん   2015年03月06日 (金) 13:01:16   ID: X6PdimqK

※11
お?作者か?

13 :  SS好きの774さん   2015年03月09日 (月) 22:52:26   ID: UubR39sJ

つれぇ、、、

14 :  SS好きの774さん   2015年03月16日 (月) 02:03:27   ID: pCDQvcnW

もっと書いて欲しい...

15 :  SS好きの774さん   2015年03月23日 (月) 04:27:44   ID: 7zXTJG6X

すごく面白かった。何回も読むとより理解できるね。

16 :  SS好きの774さん   2015年04月09日 (木) 02:06:13   ID: 4g25F4fu

面白かった

17 :  SS好きの774さん   2015年04月25日 (土) 22:48:24   ID: Hbive7Ox

メンバーがクズすぎるのが腹立たしいss

18 :  SS好きの774さん   2015年05月29日 (金) 20:31:47   ID: ePfvJzQ-

面白かった!また書いてほしいです!

19 :  SS好きの774さん   2015年06月22日 (月) 18:18:54   ID: cm1PtkcG

うみみくんが犯人かと思ったら違かった

20 :  SS好きの774さん   2015年07月01日 (水) 20:32:28   ID: m4R2FyD-

つらい、悲しい、けど、すごいです、すごくうまく話をつなげて、みんなの気持ちが伝わってきます、また、書いてください

21 :  SS好きの774さん   2015年07月12日 (日) 19:07:33   ID: mGCfbN32

背筋が凍ったけど
面白かったです!

22 :  SS好きの774さん   2015年07月21日 (火) 00:08:44   ID: cUvnYbOg

1番心が綺麗なのはやっぱりうみみだな

23 :  SS好きの774さん   2015年07月28日 (火) 00:09:58   ID: y3fSuwAU

批判に対して「お前も書けないくせに言うな」って言い出すやつって大抵アホだよね

24 :  SS好きの774さん   2015年07月28日 (火) 01:07:24   ID: _nI2G5aX

なんか・・・
見なければ良かった・・・
最後ことりまでぶっ壊れてるし

25 :  SS好きの774さん   2015年08月05日 (水) 04:08:41   ID: mQtmV5NY

壊れてる凛ちゃんにコーフンしました!

26 :  SS好きの774さん   2015年09月16日 (水) 21:58:45   ID: ty0Wi5tU

失礼ですけど、個人的には10 点満点で6.8点くらいですね。ただ、こちらのために頑張ってくれたのかなとは思いました。失礼な言い方ですみません。

27 :  SS好きの774さん   2015年10月25日 (日) 17:54:46   ID: gMmxH1l7

最後まで救いようないじゃん。。

28 :  SS好きの774さん   2015年11月01日 (日) 13:17:20   ID: soGYl9G-

凛ちゃん丁寧に扱って欲しかった
でもとても面白い

29 :  SS好きの774さん   2015年11月12日 (木) 06:16:40   ID: yrdIz6tJ

単純に話として面白くないしコイツは嫌いなキャラだから酷い目あわせたろ
みたいな魂胆が見え透いてる
正直長いだけのクソSS
小学生でも書ける

30 :  SS好きの774さん   2015年11月14日 (土) 01:11:05   ID: lrU27GT3

コメ量すげぇなオイ、※9のいう通り、粗が目立っててもったいないSSだった

31 :  SS好きの774さん   2015年11月15日 (日) 03:33:06   ID: tMcOnXEP

途中までは良かったんだが一気に失速したな。
壊れるまでの描写も短いし根拠が弱い。にこまきの動機の内容も無理やりだし、希の登場のタイミングも早すぎると思う。
後半の粗を修正すれば良SSになったかもね。

32 :  SS好きの774さん   2016年01月02日 (土) 03:20:25   ID: gJuBEh0Z

まあ、素人が書いたにしてはマシな方じゃない?
素人のssに期待する方がばかよ

33 :  SS好きの774さん   2016年02月04日 (木) 18:06:40   ID: YaKWFY2O

後味悪いね(笑)

34 :  SS好きの774さん   2016年02月05日 (金) 03:41:29   ID: IiKgHcrZ

割りと最後まで読めてしまった。まあ駄作ではないかな
真姫ちゃんやっちまったな...

35 :  SS好きの774さん   2016年02月28日 (日) 22:09:24   ID: sM4PK-N6

ものすごくよかったです!
また読みたい!

36 :  SS好きの774さん   2016年02月29日 (月) 17:47:05   ID: ya0dDuc_

素人のSSがなんとかとか言っているけど、普通に面白かったし、また書いて欲しい

37 :  SS好きの774さん   2016年04月03日 (日) 13:42:18   ID: 2vRcusG6

↑34そういえば、さっき思ったんだがほのエリはともかく、りんぱなの2人は屑過ぎは言い過ぎかな。屑とは思うかもしれないがな。ことうみに至ってはどこが屑の要素あるんだとさえ言いたくなる気するし。実際、りんぱなレベルの屑なら、どこにでもいる気がする。

38 :  SS好きの774さん   2016年04月26日 (火) 03:24:09   ID: n2WTO9RD

ラブライバー発狂でワロタ

これ元ネタあったよなー確か
漫画であった気がする。

39 :  SS好きの774さん   2016年05月16日 (月) 11:23:15   ID: GGb2ACOz

海未先輩かっけえw

40 :  SS好きの774さん   2016年06月12日 (日) 15:23:26   ID: cysat1q4

ただたんに怖かった...

41 :  SS好きの774さん   2016年06月21日 (火) 20:52:25   ID: KmeS1nvc

スッゴイストーリーが成り立っていて面白かった

42 :  SS好きの774さん   2016年06月22日 (水) 22:31:13   ID: W7ilaY-3

粗いけどストーリーは良いんでない?
「あれは演技とは思えない」とか都合良いなぁと思ったけど

43 :  SS好きの774さん   2016年07月08日 (金) 18:43:46   ID: esPmQQ5T

面白かったけど希がいなくなる事ににこまきだけが止める事が有り得ないかな...
にこは同学年だからわかるけど真姫が希を止めるとは考えられない

44 :  SS好きの774さん   2016年07月13日 (水) 16:29:02   ID: hxr8njZ0

1番理不尽なのはかよちんでは
にこまきに対しても
「い、今までありがとうございました」って言ってるしなんか可哀想

45 :  SS好きの774さん   2016年07月20日 (水) 21:56:39   ID: gSka6hRj

最初にキャラ崩壊ありますよって言ってんだからメンバーがうんぬんかんぬんで文句つけんのは違う希ガス

46 :  SS好きの774さん   2016年08月08日 (月) 18:07:54   ID: otXHBzcE

人が頑張って書いた作品を馬鹿にするのはどうかと思う
俺は普通に良作だと思ったしこんな作品書けない
↑にあるように最初に書いてるんだから文句言ってんじゃねーよ

47 :  SS好きの774さん   2016年08月18日 (木) 22:43:16   ID: OCtj3oBJ

面白かった
作者様お疲れ様です!
批判がちらほらあったけれど
批判は無意味じゃね?と思った今日この頃であった…。

48 :  SS好きの774さん   2016年09月12日 (月) 06:58:05   ID: -oSEep9x

ほのかが初めに発狂した理由が薄すぎる、ほのか嫌いなのかと疑いたくなる
話の導入が無茶苦茶だからせっかく後半はそこそこなのに全体的に残念な印象

49 :  SS好きの774さん   2016年09月17日 (土) 23:20:30   ID: RSJ8DDx4

胸糞さいあくやな

50 :  SS好きの774さん   2016年09月25日 (日) 23:38:34   ID: vrya1Yol

このSSにはいないけどいると仮定するとほのえりにこの妹たちがかなり気の毒。姉はみんな犯罪者だもん。

51 :  SS好きの774さん   2016年11月06日 (日) 22:20:52   ID: -wPs3YDI

人格が壊れたのは、穂乃果・真姫・凛・にこの4人かな?花陽が殺された理由は希に偽造する為ってことは絵里が単独行動している間ににこが殺したっていうことになるよね?
確かに「矢澤にこを殺せ」って紙は一切出て来なかったからなんか怪しいと思ったよ。
全体的に良い作品だと思う。

52 :  SS好きの774さん   2016年12月20日 (火) 22:15:25   ID: aCVOYkyA

最後のことりちゃんなんかかっこいい…

53 :  SS好きの774さん   2017年05月27日 (土) 00:52:56   ID: R_XjY0ow

希ちゃん推しだから少し悲しかったけど、
すっごい面白かった!皆さんのコメントを見る限り
素人さんなんですね〜 面白い

54 :  SS好きの774さん   2017年06月09日 (金) 19:05:08   ID: V053pop9

55 :  SS好きの774さん   2018年01月01日 (月) 22:55:52   ID: tSkS1-3W

最後まで読みました。
暇つぶしに読みましたが、すごい面白かったです(><)

56 :  SS好きの774さん   2018年03月04日 (日) 20:05:31   ID: ks-nY3zV

その辺のラ!SSに比べたらふつうに面白い
でも所々荒さが目立つなぁ…。もうちょい矛盾とか強引な展開を減らせたら、もっといい作品になったかと

57 :  SS好きの774さん   2018年05月13日 (日) 06:09:25   ID: YD5E546r

海未が死ぬとこワンピのエースの最後っぽくて笑ったなんて口が裂けても言えない言えない

58 :  SS好きの774さん   2018年05月15日 (火) 10:49:09   ID: v3YajOQK

ことりクズ過ぎる死ね

59 :  SS好きの774さん   2018年05月15日 (火) 10:51:03   ID: v3YajOQK

穂乃果ちゃんを嫌う奴らにラブライバーの資格は無いから、2度と書くな!

60 :  SS好きの774さん   2018年06月19日 (火) 13:43:07   ID: tsYcR2vF

おもしろかった。

61 :  SS好きの774さん   2018年11月12日 (月) 22:15:01   ID: VfeOILFH

僕も前に1度読んでまた振り返って読んでみましたが、やっぱり少し可哀想に思いました。

62 :  SS好きの774さん   2018年11月12日 (月) 22:16:58   ID: VfeOILFH

ことりちゃんは、刑務所で取り調べだったらこの後どうなるんでしょうか?少し気になりますね〜

63 :  SS好きの774さん   2020年12月14日 (月) 03:35:55   ID: S:dKiGsA

まだ来るほど好き

64 :  SS好きの774さん   2021年11月01日 (月) 20:31:36   ID: S:6woT-M

キャラが嫌いでss書こうと思わんやろ
誰かが犯人じゃないと成り立たんねんから
確かに解せない部分もあるが、非公式だからこそできる利点だと思おうや皆
俺は面白いほうやと感じたから主お疲れ

名前:
コメント:


未完結のSSにコメントをする時は、まだSSの更新がある可能性を考慮してコメントしてください

ScrollBottom