僧侶「勇者パーティから外されてしまった」(77)

作者はか弱い(初心な)生き物なので虐めてしまうとグレてしまいます。

世界観はドラクエを参考にしてください。

僧侶「……どうしてこうなった」

俺「全ては作者であろう」

僧侶「何がどうしてこうなった」

少女「……どうしたの? 僧侶さん」

僧侶「ああ、君は……実は勇者様の仲間から外されてしまってね」

少女「僧侶さん、悪い人?」

僧侶「いや、私ほど善良な人もいないだろう。ただ勇者様の機嫌を損ねてしまったのかもしれないが」

少女「自信過剰? 空振り?」

僧侶「ふむ、私は自分が思っているほど善良でもないということか」

少女「でも僧侶さん優しいよ。大好き!」

僧侶「残念、私は変態ではない紳士でね。それ目当ての方はご遠慮願おうか」

僧侶「教会でも私ほど優秀な成績を収めた人物はいないだろうし、教会内部での融通も多少は手を貸した。私ほどの功労者は類を見ない筈だ」

少女「僧侶さん、凄い! 偉い!」

僧侶「褒め言葉として受け取っておこう。しかし問題は何も進んでいないな。一体勇者様は何がご不満だったのだろう。このまま真実を教会に報告すれば私は教会の恥さらしもいいところだ。せめて間違っていた部分だけでも自覚し、改善せねば」

少女「僧侶さん強いの?」

僧侶「なるほど。私自身が勇者様に見合わないということか」

僧侶「だが、しかし、私は魔力だけなら賢者のそれを遥かに凌駕しているだろう(自称)」

少女「僧侶さん、強い! 強い!」

僧侶「照れるではないか。ただし魔力はあっても魔術は使えないがな」

少女「……え?」

僧侶「当然でしょう。教会に身を置く僧侶が魔術を使うなど異端もいいところだ」

少女「……」

僧侶「そんな軽蔑するような眼差しを君のような少女が向けるものではない。私はあくまでも紳士であって変態ではないのだ。喜べはしないよ」

僧侶「それに魔力が使えないからといって戦力にならないとは限りません」

少女「強いの!」

僧侶「ステータスは最底辺です!」(`・∀・´)

少女「……」

僧侶「だからそんな目をするのはよしなさい」

僧侶「私の信仰心はMAXです。回復魔力常時+100ですよ」

少女「でも減る魔力もない」

僧侶「御尤もですが、私を差し置いて有能な僧侶はこの世に存在しないでしょう」

少女「有能だけが全てじゃないよ」

僧侶「少女の戯言として受け取っておきましょう」

少女「僧侶さん怖い」

 ―――――

僧侶「他にも槍、棍棒、杖、盾の技能の全てを習得済みです」

少女「すごーい!」

僧侶「無論、その全てにおいて魔力の消費する技能は扱えませんが」

少女「……」

僧侶「取り敢えず、私は祖国に帰らせてもらいます」

少女「僧侶さん……帰っちゃうの?」

僧侶「ここにいても無駄なだけでしょうから。用済みとなった私に出来ることといえば、これまで起きた出来事を教会に報告することくらいでしょうし」

少女「……寂しい」ボソ

僧侶「何か言いましたか?」

少女「う、ううん!? 何でもないよ!」

 ―――――

僧侶「港で帝国行きのチケットを買い込んでいるので、貴方と戯れるのも今日が最後でしょう」

少女「僧侶さん、私といるの嫌そう」

僧侶「そんなことはありませんよ。教会へ戻ってもやることなんて高が知れていますし、貴方のことは好きですから」

少女「……えっ!?」

僧侶「無論、親愛という意味ですが。私はこよなく全てを平等に愛すると忠誠を誓った身ですから」

少女「……うん」

僧侶「安心してください。そう落ち込まなくても貴方のことは主に誓いを立てなくても常識的な意味で好きですよ」

少女「私も、僧侶さん大好き!」

 ―――――

僧侶「さて、それではそろそろ仮宿に帰らせてもらいましょうか」

少女「僧侶さん……帰っちゃうの」

僧侶「こんな形でお別れになるのは非常に悲しいですが、これも旅の常です。もしかするとこうした未練が優しい勇者様に伝わってしまい仲間から外されてしまったのかもしれませんね」

少女「……」

僧侶「安心してください。これが一生の別れになる訳でもありません。縁がある限り、また会う機会もあるでしょう」

少女「あるの!」

僧侶「きっと、ありますよ」

少女「……なら、我慢できるかな……」ボソ

僧侶「……? どうしました?」

少女「う、うん!? な、何でもないよ!」

僧侶「そうですか。それでは失礼させていただきます」

少女「……うん、さようなら」

宿屋にて

僧侶「不思議な少女でしたね」

僧侶「私も独り言が多くなったものです。これも長旅の影響でしょうか。祖国に帰ったらまた作物の栽培を再開してみましょう。きっと楽しいでしょう、……きっと……」

 ―――――

少女「……」

男の子「あそこにいる奴、何やってるんだ?」

女の子「どうしたの?」

男の子「いや、あそこに……」

女の子「……? 誰もいないじゃない」

男の子「えっ? 何言って……あれ? 本当だ。誰もいない」

女の子「見間違いでしょ! それよりも次は男の子の番でしょ。早く引いてよ」

男の子「よ、よーし! こっちだ!」ジョーカー

女の子「はいっ! ハーズレ!」サイクロン

少女「……――寂しい」

男「――うぐっ!?」⊂⌒~⊃。Д。)⊃

女「男さーん!?」

少女「……――悲しい」

女「――」⊂⌒~⊃。Д。)⊃

少女「……一人ぼっちは、もういや!」

バタッ、ガタッ、ドサッ、グヘッ

 ―――――

僧侶「男と女の魔力が消えた……だと?」

僧侶「それだけじゃない。この街の住人の魔力が急激に……ま、いっか」

僧侶「事件は警察に任せるのが一番でしょう。素人がしゃしゃり出て現場を乱すものでもないでしょうし」

僧侶「何より巻き込まれるのも、向かうのも容疑者の一人にさせられそうで怖い。帰国前に問題を起こしてもロクなことはないでしょう。きっとコナン君がなんとかしてくれます」

次の日

僧侶「何ですか? この臭い」

ドタドタドタ

僧侶「なっ!?」

店主「」

男「」

女「」

男の子「」

女の子「」

街人A「」

街人B「」

街人C「」

僧侶「し、死んでる……」

僧侶「店主さんなんて一言も喋ることがなかったってのに、一体誰がこんなことを」

兵士「無事でありますか!?」

僧侶「兵士さん!? ち、違います。私がやったんじゃありません!」

兵士「開幕にそんなことを言われると怪しいでありますよ! それに貴方が犯人でないことは知っています」

僧侶「へっ!?」

兵士「犯人は既にこちらで引っ捕えました。それにしてもこんなに感染が進んでいるところでよく無事でありましたな」

僧侶「何を言ってるのかさっぱり分からない。感染って何ですか?」

兵士「実はこの共和国で飼っていた魔物が暴走を起こしてしまったのであります」

僧侶「つまり、これは魔物が引き起こした魔法が原因であると」

兵士「その通りであります。我が軍は被害がこれ以上拡大する前に決死の覚悟で魔物を捕縛し、現在は牢屋に監禁しています」

僧侶「それ以前にあんな危険な物を飼い慣らそうとしたお前らの正気が知りたいよ」

兵士「こればかりは上層部の決定故に仕方のなかったことでありました」

僧侶「まあこれだけの大惨事でその上層部も蒸発するだろうがな」

兵士「ですよねー」

僧侶「まとめると犯人は放し飼いしていた魔物で、暴走を起こしたことを理由に監禁したということで間違いないでしょうか」

兵士「その通りであります」

僧侶「そうですか」

僧侶(魔物ってそもそも理性がない時点で常時暴走状態と言っても過言ではないはずです。それに昨夜の時点では魔物の気配など微塵も感じませんでした)

僧侶「それ、本当にただの魔物ですか?」

兵士「……と、言いますと?」

僧侶「いえ、少々気になった程度ですのでお気になさらないでください」

兵士「そうでありますか」

僧侶「(お前らが怪しいなんて本人様に言える訳ねぇだろ、ばーか!)」

兵士「……ん? 何か言いましたか?」

僧侶「いえ、全然っ!?」

僧侶「捕まえた魔物については教えていただけませんか?」

兵士「魔物についてでありますか? まあ間接的にとは言え、貴方も被害者であることですし、構いませんよ」

兵士「今回の騒動の原因である魔物は人型だったので、この街で飼い慣らしている間は誰も気にしませんでした」

僧侶「人型? つまり、半魔人だったということですか。しかし、それは……」

兵士「いえ、耳長族である半魔人を奴隷にしようなどとそんな戦争の火種の元ではありません」

僧侶「……半魔人ではない。だとすると、残りは……まさか!」

兵士「……魔人であります」

僧侶「」

 ―――――

僧侶「魔人ってアレですよね。魔界に生息する」

兵士「そこまでご存知でありましたか」

僧侶(知ってるも何も元勇者パーティの一員ですから)

僧侶(だとすると気がかりですね。そんな化物がこの街に潜んでいるなら私が気づけない筈もないのですが)

僧侶(この兵士が全てを話すとも限りませんし、ここは様子見に徹しておきましょう。決して面倒事が嫌な訳ではありません。主に誓ってw)

僧侶「そうでしたか。気がかりだった胸のつっかえが取れた気分です。貴重な情報を提供してくださってありがとうございます」

兵士「いえいえ、我々こそ滞在していただいた旅の方にこのような醜態を晒してしまって申し訳ない所存であります」

僧侶「この方々は……」(´-ω・`)チラリ...

兵士「……はい。我々が責任を持って遺族の方に届ける他ありません」

僧侶「そうですか」

兵士「見たところ、聖職者のようでございますが、さぞこの場は苦しいでしょう」

僧侶「……いえ、失われた者は帰ってきません。私に出来ることは彷徨う怨念を少しでも和らげる程度でしょう」

兵士「そうでありますか」

 ここまで
 10時に再開します

初心者です=叩いてくれ

 午前10時に帰って来たら叩かれまくってたw
 再開します

・港区

僧侶「まあ、あれだけの大惨事でしたからね。今回の騒動が原因で港の船の出港が延期したのはある意味必然ですか」

 ガヤガヤ、ギャアギャア、ウチノコカエシテヨー、グチグチ

僧侶「なんの騒ぎでしょうか?」

市民「この魔女め! 悪魔め!」

僧侶「すいません。これは一体……?」

市民「ここの地区の住民を皆殺しにした殺人鬼が処刑台に送られてるんだ! 俺らはその当て馬さ! あいつに石を当ててやるんだ! 失った奴らの悲しみはこんなもんじゃねえ!」

僧侶「聞いてなんですが、うるさい方々ですね。ですが、処刑台……あれですか」

僧侶「あれほどの惨劇を引き起こした人型の魔物……。確かに遠目ではありますが、あれは立派な人型っ!?」

僧侶「ちょっえ! あれって……あの子って……そんな……どうして」

少女「……」

僧侶「まさか、あの子が魔物だったのか」

僧侶「いえ、待ってください。そんなこと、本当にあるはずが……」

僧侶(あの子からは魔物独特の魔力は一切感じたことなんて一度も……それに今も感じたりなんて)

僧侶「まさか、魔女狩り? 異端審問? 人柱?」

僧侶「なんにしても、一難去ってまた一難。無実の罪なら放っておくこともできなくなりましたね」

 ―――――

・処刑台付近

僧侶「失礼します。ここを通して頂けませんか?」

兵士「――何者、先程の聖職者の方ですか」

兵士「貴方のような方がここになんの御用でありますか?」

僧侶「私は教会の者でありましてね。この処刑に異議を申し込ませていただきます」

僧侶「一体なんの冗談か知りませんが、あのような少女を魔物扱いして処刑台に立たせるなど言語道断!」

兵士「いえ、見てくれに騙されては駄目であります。私も惑わされそうになりましたが、あれは立派な魔物。間違いは――」

僧侶「――間違いだらけでしょう? あまり私を舐めて貰わないでもらえますか?」

僧侶「少女の魔力がどの程度なのかくらい見て分からないほど無能に私が見えますか?」

兵士「そ、それは……」ゾクッ

僧侶「次はありません。もう一度だけ言います。ここを通して頂けませんか?」

兵士「……わ、分かりました」

僧侶「ご協力に感謝致します。尚、責任の所在を求められた際は教会本部に問い合わせて頂ければ結構ですので、それでは失礼させていただきます」

 ―――――

・処刑台

僧侶「困った時の宗教権力。無実の少女を助ける為の尊い行いだと説明すれば神父様も分かってくれるでしょう(多分)」

少女「……僧侶さん、ここに何の用?」

僧侶「さて、その答えは貴方の返答次第になりますが、貴方はなぜこんなところに?」

少女「知らない」

僧侶「……そうですか。それでは――」

少女「何も、知らない。ただ死んでいった。皆、死んじゃった。触れただけなのに、触っただけなのに、潰しただけなのに」

僧侶「……」

少女「呪われてるの。皆が私の近くにいるだけで死んでいく。僧侶さんが傍にいる間は平気なのに……」

僧侶「……そうですか、そうだったのですか。だからあの方は……」

僧侶「少女さん、貴方は人を殺して楽しかったですか?」

少女「……楽しい? どうして? ただ近づいてくるだけで死んじゃうから分からない」

僧侶「少女さん、このままでは貴方は殺されてしまいます。貴方は死にたいですか?」

少女「嫌、だと思う。だって、皆、死ぬ時、怖い顔してたから」

僧侶「……なるほど。どうやらあの兵士を差し置いて私の瞳は曇っていたようです。これは紛れもなく魔物に近いですね」

少女「……?」

僧侶「確かに魔物に近い人間。けれども人間。迷い、苦しみ、助けを求めるなら手を差し延べましょう」

僧侶「差別も、例外もなく、しかし、これは……私の手を必要としてすらいない」

少女「僧侶さん?」

僧侶「これは……思わぬ収穫と言ったところですか。帰国の手土産にしては少々大き過ぎるやも知れません」

僧侶「少女さん、ここでは貴方の罪を裁くに足る舞台が整っていないようです。素直についてきて貰えますか?」

少女「僧侶さんと一緒にいられる?」

僧侶「そうですね。ある意味ではこれから長い付き合いになると思いますよ」

少女「うん!」

 ―――――

魔女「ちょっと待ってよ! 連れて行くなら私も連れて行きなさいよ! こんなところで死にたくないわ」

僧侶「誰ですか、貴方?」

魔女「その子と同じ濡れ衣を着せられたのよ。お願い助けて!」

僧侶「少女ちゃんはいい。ただし貴方は駄目だ」

少女「ギルティ!」

魔女「そんなぁ」

僧侶「だって貴方のこと知らないですし、勝手に連れ出したら兵士さんに怒られます」

魔女「アンタがそれを言いますか! 毒を食らわば皿まで。一人が大丈夫なら二人も……」

僧侶「いや、少女さんは毒ではなく、冤罪、無罪ですよ。私の中では間違いありません」

僧侶「貴方については赤の他人ということと無実だと検証する証拠と時間が足りないので大人しく処刑されてください」

少女「……これが現実、世の掟?」

僧侶「バイビー」

 スタ、スタ、ガチャリ、スタ

僧侶「正義の味方は身内しか助けられないのさ」(`・ω・´)

少女「……僧侶さん、格好良い!」

 ―――――

・断頭台付近

僧侶「ご協力ありがとうございました」

兵士「いえ、私に責任の矛先が向かわないなら結構。それに冤罪の方々が救われたのなら、それはそれで良かったであります」

僧侶(本当に冤罪だったのか、今では怪しいところですけどね)

兵士「それにしても冤罪を吹っかけられた犠牲者が二人もいたとは、危うく無実の人間を処刑してしまうところでありました」

僧侶「そうですね。それは大変で……――ん? 二人、ですか?」(´-ω・`)チラリ...

魔女「wwwwwwwwwww」

僧侶「」

少女「……なん、だと……」

コテハンは何故叩かれるの?という質問がよくある。

嫌われ、叩かれるのにはそれ相応の理由があるはずだ。それをいくつか上げてみよう。

1)頭が悪い:コテハンは叩かれる、という純然たる事実を理解できない。

2)空気が読めない:自分が嫌われている、という雰囲気を察することができない。

3)目立ちたがり屋である:言わずもがな。

4)自分勝手でわがままである:コテ付けるとスレが荒れるから止めてね、と注意されても聞かない。

5)幼稚である:注意されるとヒステリックに反発する。忠告を受け入れたら負けかなと思ってる。

6)かまってちゃんである:「どんなレスをもらったか」よりも「レスをもらえたこと」自体を喜ぶ。

そのため、皆から批判されても批判された事そのものはスルーし、「自分が話題になっていること」に快感を覚える。

目立ちたがり屋で何が悪い?という意見もあるだろう。

その通り、貴重な情報をもたらしてくれたり、優れた作品を発表している人であれば何ら問題がない。

しかし、コテハンの99%はそういた能力を持っていない。

中身がないクセに自己顕示欲だけは強い人間…。

すなわちコテハンとは「実力を伴わない目立ちたがり屋、空気が読めない馬鹿」であり、叩かれて当然なのである。

逆に言えば、「嫌われやすい人に限ってコテハンを名乗りたがる」ということでもある。

魔女「wwwwちょりっすーwwwwwwまた会ったなwwwwwww」

兵士「どうかなされたのですか?」

魔女「wwwいやwww何でもないっすよww」

 ―――――

・港区

僧侶「なぜ付いてくるのですか?」

魔女「だってこのままだと、また捕まっちまうし」

僧侶「それが当然です。僧侶だからといって無差別に救いの手を差し伸べると思ったら大間違いですよ!」

少女「……」

僧侶「……少なくとも犯罪者を匿うほど私の懐は広くありません」

魔女「勝手に決めつけんなよww最近流行ってる魔女狩りに引っかかっただけじゃねぇかwww」

僧侶「お前天敵じゃねぇか!」

ここまで

>>34
参考になります。私としては作者である区別を付ける程度でしたが、次からは気をつけます

>>37
それならコテより酉のほうがいいよ

魔女「勘違いすんなって! ちょっと街の女寝取ったら嫉妬した男共に密告されただけだ」

僧侶「男の敵! 素直に処刑されてくださいよ!」

僧侶「貴方のような方まで連れ出したことが表沙汰にされたら、それだけで教会の落ち度ですよ」

魔女「それじゃあ、この事実を広められたくなければ私を匿――」

僧侶「……――殺生は禁じられているのですが、あまり手荒な真似はさせないでください」

魔女「……ッ」

僧侶「本来なら貴方のような異端は例外なく処分し、その辺に転がってる死体と一緒に捨てておくのが我々の業界では常識なのですが」

僧侶「意思疎通を遮断するだけなら問題はありませんが、抵抗されても面倒です。何よりこれ以上、祖国への帰りを長引かせたくはありません」

魔女「……お前執行官の間違いじゃねぇのか?」

少女「僧侶さん、怒ってる」

・渡航

魔女「吹き抜ける潮風! 眩い太陽! これが海か!」

僧侶「本当についてくるとは……」

魔女「だから言ったじゃねぇか。このままだと捕まっちまうって」

僧侶「……ここまで来れば、仕方がありません。せめて帝国に到着したら無関係を装ってください。それが最低条件です」

魔女「ww分かってるwww分かってる」

少女「本当に、分かってる?」

僧侶「心配はいりませんよ。これ以上、虚言を吐くようなら海の藻屑にしてやりますから」

魔女「その発言からしてお前が僧侶であることが驚きだ」

僧侶「優秀ですよ?」

魔女「q(゚д゚ )ウルセェ!」

魔女「……うっえぷ、やばい、酔った……」

僧侶「……何やってるんですか」

少女「僧侶さんが僧侶がしたらダメな眼差しを向けてる」

僧侶「人はそれを哀れみと呼ぶ」

魔女「くっそ……先に部屋に戻ってるからな」

僧侶「よりによって相部屋ですか!?」

 ―――――

魔女「……うぅ、気持ちわりぃ……っと!」シュッ

??「おっと、すまん。大丈夫か?」ドンッ

魔女「あ? このご時世、スイマセンで済む問題はァ……うぷっ」

??「体調が優れないようだな。よければ部屋まで送ろうか?」

魔女「お前のせいで体調崩したんだろうがァ! 部屋まで運ぶなんざ当たり前ェ! 一々聞いてんじゃねえよ。後、請求な!」

??「お前の症状はどう見ても船酔いだろう。全く、恩着せがましいぞ……」ヨッコイショ

僧侶「――それでですね。勇者様は寛大で、偉大で、心優しい人なんですよ!」

少女「さっき聞いた」

僧侶「遊人を更生させて、賢者に就職! 盗賊団を壊滅させて、捕まっていた人妻を虜に! 難攻不落と呼ばれた帝国の女湯を覗いた功労!」

少女「……聞いてない」

僧侶「ああ、喋り続けていると喉が渇いてきましたね。お茶にしましょうか」

少女「私は渇いてない……」

僧侶「見てください。勇者様と旅した際に立ち寄った英国で購入した紅茶ですよ! 飯不味なくせに紅茶は逸品ですからね……――」

少女「……また始まった」

 ―――――

僧侶「……ん? 雲行きが怪しくなってきましたね。渡航中に飲む紅茶はまた今度にしましょう」(つд・ )チラ

少女「やっと、解放される」

僧侶「部屋の場所はわかりますか? どうやら私にはやるべきことが出来てしまったので、先に部屋に戻ってもらえますか?」

少女「大丈夫、だけど……僧侶さん、どうしたの?」

僧侶「いえ、なんでしょう。良くないことが起こるような胸騒ぎがします。雲行きも怪しいので船長に報告するだけですよ」

少女「わかった……けど、無理しないで」

僧侶「……無理なんてしませんよ。ステータスだって最底辺ですし、出来ることなんて限られています」

 ―――――

僧侶「少々よろしいでしょうか?」

船長「お客様……ちょっと待ってもらえますかな。今、丁度手の離せない用事が」

僧侶「時間は掛かりません。それに……この雲行きと関係していることです」

船長「……奥の部屋で、お話を聞かせてください」

・船長室

僧侶「この海域の付近に不吉な魔力を感じました。魔物の恐れもある為、悪魔祓いを施しておきますが、付け焼刃程度の効果があるかどうかも怪しいところです」

船長「魔物!? この海域に、そんな……」

僧侶「今まで一度もなかったからといって、これからも何事もないとは限りませんよ。緊急避難の為、他の船客の誘導をお願いします」

船長「……分かりました。俄かに信じがたい話ではありますが、船客を守るのが我々の努め。大船に乗ったつもりで任せてください」

僧侶「ご協力感謝します」

 ―――――

僧侶「ただいま戻りました」

少女「おかえりー」

魔女「……うえっぷ……」

僧侶「まだ立ち直っていなかったのですか」

魔女「うっ、ウルルルルルルゥ!」

僧侶「軟弱ですね。これ以上、気持ち悪い現場を魅せられても面倒ですし、酔い止めに効く薬を処方しましょう」

魔女「軟弱は余計だ、最底辺! 薬があるなら最初から出せよ……」

僧侶「だって他人ですし。苦しむ者を救うのが僧侶の義務であっても、犯罪者は(ry」

少女「僧侶さん、差別、ダメ、絶対」

僧侶「そうですね。しかし世の中には他人に迷惑を掛ける輩も多少なりとも存在しているのですよ」

魔女「僧侶……テメェって奴は……」

 ―――――

僧侶「それではもうひと働きしてきますが、魔女さんは体調が良くなるまで安静にしていてくださいね」

魔女「あたりめぇよ」

少女「どこ行くの?」

僧侶「……この船に良くないものが接近しているので悪魔祓いを施しに行くだけですよ」

少女「魔力消費しないもんね」

僧侶「はい!」ヽ(*´∀`)ノ

魔女「俺は知っている。自分を善良だなんて誇る奴にロクな奴がいないことを……」

・甲板

僧侶「小降りの雨ですか。漂う魔力の流れも不規則に荒れていますし、これはいよいよもって予想に信憑性が上乗せされますね」

船長「おーい! 船客の避難誘導が完了したぞ!」

僧侶「よろしい。それでは始めさせていただきましょうか」

 ―――――

少女「……気になる」

魔女「気になるって、あの僧侶もどきのことか?」

魔女「そうは言っても、俺達に出来ることなんて限られてるぜ?」

少女「……それでも……私は……」

 ―――――

??「船客の避難誘導が始まったか。それじゃあ私達も本腰を入れるぞ!」

??「……ああ」

??「wwうぇwwwひっひwwww」

僧侶「やはり間に合いませんでしたか」

船長「間に合わなかったって、一体何が……?」

僧侶「……――来ます!」


『ガギャアアアアアアァァァアアアアアアァァアアア!』


船長「」

乗組員A「船長が死んだ!?」

乗組員B「この人でなし!」


ここまで

僧侶「……現れましたか! 十本足の悪魔!」

『グガァァァアアア!』

【エンカウント】ダイオウイカ

乗組員A・B「化物だァ! 逃げろォ!」

一本足『シュルルルルルウルル!』スルスル

乗組員B「な、なんだこれ!? は、離せえぇ!」

乗組員A「相棒!?」

僧侶「……くっ、厄介な!」

【信仰心スキル】悪魔祓い

一本足『ジュッ、ギュルルルル!』ビリビリ

僧侶「大丈夫ですか!」

乗組員B「……あ、ああ、た、助かった……」

乗組員A「こ、こいつらは一体、何なんだ!」

僧侶「こいつら、という複数で例えるのは間違っていますが、十本足の悪魔、と呼べば船乗りなら一度は耳にしたこともあるでしょう」

乗組員B「生憎と俺達は船渡の間だけ雇われた身なんでね。詳しいことは何も知らん」

僧侶「そうですか。一から説明している時間はありませんが、手短にまとめると魔海に生息している魔物の一種ですね」

僧侶「勇者パーティから外された私には関係のない話ですが、船渡によるパーティ分断のイベントの裏には必ずこいつの存在が絡んでいます」

僧侶「その特徴は本体が船を一隻沈められるほど巨体であり、沈める船の大きさに合わせて身体が大きくなるらしいです」

乗組員A「な、なんだそりゃあ! 本物の化物じゃねぇか!」

 ―――――

僧侶「……少女さんを避難させておいて正解でしたね」

乗組員B「ど、どうするんだ! 何か手はあるのか!?」

乗組員A「そ、そうだ。アンタ、さっきの攻撃を……」

僧侶「いえ、あの悪魔祓いは奴が現れる前から準備していたものに過ぎません。付け焼刃といえど、思わぬ反撃だったから通用したのでしょう」

僧侶「それに、奴が二度目の攻撃を許すほど愚かな魔物であるならば、これほどまでに恐れられてもいないでしょうっ!」

乗組員B「……し、死にたくねぇ。もう、捕まりたくねぇ……」

乗組員A「しっかりしろ!」

僧侶「打つ手なしですね……」

乗組員B「お、俺達はどうすればいいんだ」

僧侶「まずは、奴の進撃が収まるまで待ちましょう。良くて船が半壊される程度で済むかも知れません」

乗組員A「……悪いとどうなる?」

僧侶「ご想像にお任せします」

乗組員B「う、ウワァァ-----。゚(゚´Д`゚)゚。-----ン!」

乗組員A「うるせぇ!」

 ―――――

魔女「船長は犠牲になったのだ」

少女「……行かなきゃ」('ω')スッ

魔女「おいっ! ちょっと……行っちまいやがった。……待てって言われただろうがっ!」ギリッ

魔女「……クソッ、女を見捨てられない自分の性分が嫌になるぜ」シュタッ

僧侶「ここに留まっていても危険なだけです。我々に出来ることは全てやりました。後は私達も避難するだけです!」

乗組員A「でも、でもよぉ!」

乗組員B「ま、待ってくれ! この船には妻と娘が乗ってるんだ! 彼女達に何かあったら、俺は……俺はぁ……っ!」

僧侶「また、面倒な……。こんな時に他人の心配ですか……」

乗組員A「……お前本当に僧侶か? 僧侶として一番口にしたらいけない言葉をいったぞ」

僧侶「一番大切なものは何ですか? そうだぁ! 命だぁ! だったら、それ以外の物はくれてやれ! それくらいしないとこいつ相手には生き残れないんですよ!」

乗組員B「」

乗組員A「……僧侶……お前って奴は……」

僧侶「その台詞も>>47で聞き飽きてるんですよォ!」

少女「……僧侶さん!」

僧侶「少女さん!? どうして……、部屋で待っているようにと……」

少女「僧侶さんは……困ってる人……見捨てない……!」

僧侶「……ですがっ! 未熟な私一人の力では、どうすることも……それは、ずっと前から分かって……!」

僧侶「……だから、貴方は見捨てたのでしょう。仲間の中では人一倍弱いからこそ、生き残る術に長けていた。それでは生き残っても、誰も救えない」

僧侶「それを理解していたからこそ、貴方は常に危険の付きまとう旅から私を遠ざけた!」

少女「…………」

 ―――――

??「室内の触手は粗方片付いたな」

??「……次の指示を出せ」

??「他の兵は引き続き室内に入り込んだ触手を処分しろ。俺達は甲板にいる本体を叩くぞ!」

??「(-ω-ゞラジャ⌒☆」

??「wwひっwwwwひっひひwww」

僧侶「だから、私は……!」

乗組員A「危ない! 逃げろ、嬢ちゃん!」

僧侶「……|゚Д゚)))」

少女「――」ア~レ~

僧侶「」

乗組員B「」

乗組員A「」

一本足『(´・ω・`)やあ』

僧侶「少女さん!」

少女「……痛っ! 僧侶さん……来ないで……」

僧侶「そんな訳にも行きませんよっ!」ダッ

魔女「――これを使え」ブンッ

僧侶「うぉっ、危ないじゃないですか! いきなり槍を投げないでください! どこの槍ですか!」ヒョイ

魔女「そんな些細なことは後回しにしろ。それよりも今は少女を助けに……(‐д`‐ll)、こんな時に酔いが……」

僧侶「折角の場面が台無しですね、全く……恩に着ます!」

【槍スキル】疾風突き

僧侶「――邪魔です!」

一本足『ゴグウウウウウウウウウ!!』*o_ _)oバタッ

二本足『ガギャアアアアアアアア!!』☆ヽ(o_ _)oバタッ

三本足『兄弟!』Σ(゚д゚lll)

僧侶「大丈夫ですか?」

少女「うぅ……気持ち悪い……揺さぶられたぁ……」

僧侶「こんな時に貴方も船酔いですか!?」

一本足『ヾ(〃゚ω゚)ノタダィマ☆』

三本足『オカ( ゚д゚)エリ』

僧侶「常軌を逸した再生能力ですね」

少女「……」

僧侶「さて、まともに歩くこともままならないお荷物を抱えて、こいつら相手に果たして何分持つか……」

少女「……どうして……逃げないの?」

僧侶「どうしてでしょうね。貴方を守ってる時に限って不思議と逃げ出したくないんですよ」

少女「……ぇ」

僧侶「……そうか! これが我らが主のお導きか!」

少女「……絶対、違う」

僧侶「まあなんにしても私の祖国まで届けると主に誓っていますし、貴方の身の安全は私が生きてる限り保証します」

魔女「かつて、これほどまでに信用できない保証があっただろうか?」

少女「信じてる」

魔女「この二人は……」

一本足『R18展開はよ(ノシ 'ω')ノシ バンバン』

僧侶「何度攻撃しても再生する触手ですか。キリがありませんね」

??「ハッケ───(b''3`*)───ン!!」

??「あれがこの船にへばりつく最後の触手か。本体が現れる前に切り崩すぞ!」

??「(>Д<)了解!」

魔女「テメェら(`曲´?)誰だ!」

僧侶「……なっ!? あの方達は……ですが、どうしてこの船に……!」

少女「知り合い?」

僧侶「そうですね、腐れ縁という奴です」

少女「……僧侶さん、笑ってる……」

僧侶「私はいつもニコニコ貴方の隣に這いよる僧侶です」キラッ☆

少女「……」

ここまで

??「……支持をよこせ、ライニ少佐」

ライニ「医師は後方の守備と援護に集中しろ。大尉は私の後に続け! 分かっているだろうが、銃は使うな。あれでは奴の装甲は貫けん」

大尉「(>Д<)ゝ”了解!」

医師「wwんwwwんんwww」

乗組員B「ひっ、ひぃ! こ、これ以上、こんなところにいられるか! 俺は自分の部屋に(ry」

ライニ「警告する。お前は戦いから逃げようとしている。逃亡者は銃殺される」バキューン

乗組員B「」⊂⌒~⊃。Д。)⊃

乗組員A「相棒ウオォォォ!」モウヒトリノボク-

少女「……僧侶さん、これ、大丈夫?」

僧侶「不安に思うのも仕方がないかもしれませんが、彼らは立派な少数精鋭です」

僧侶「信じるのです! 信じる心が奇跡を……――」

魔女「こんな状況で奇跡に縋ってるような奴の言葉を信じる気にはなれねぇよ!」

一本足『(「´・д・)「 シャー』

ライニ「――邪魔だァ!」

【槍スキル】一閃突き

一本足『(^q^)』

ライニ「大尉、我々はこのまま本体まで突っ込むぞ!」

大尉「……了解」

僧侶「流石はライニ……滅多に出ない会心の一撃をいとも容易く行うとは……」

魔女「なぁ、俺の見間違いだと悪いんだけど、あの野郎、槍を敵に刺したまま放置しただけじゃねぇか?」

少女「……違うよ。きっと僧侶さんは魔力の使う技に感動してるだけ」

僧侶「そ、そんなわけがないじゃないですか!」

魔女「……僧侶ォ」

魔女「あいつら僧侶の知り合いなんだろ? 一緒に前衛に出なくてもいいのか?」

僧侶「この人数差です。無理に前衛に回ると後衛の守備が手薄になる危険性もありますので」

医師「wwそんなことwwwありませんぞwww僧侶殿wwww」

僧侶「……貴方は、誰でしたっけ?」

医師「」

魔女「ひでぇこと言ってやるなよ……」

ライニ「これで終わりだァ!」

【槍スキル】五月雨突き

9999

9999

9999

ダイオウイカ『ギョェェェエエエエエ!!』

ライニ「大尉、無事か!」

大尉「……問題ない。ライニ少佐、触手の殲滅が完了した」

ライニ「こちらも敵の本体を撃退した。これより帰還する」

大尉「……了解」

魔女「……触手共が引いていく?」

僧侶「これで終わりでしょうか……」

乗組員A「い、生き残ったぞォ!」

 ウォー、オレタチノカチダー、ヤッター、Bハドコダー?

僧侶「やれやれ、一体なぜ、こんなにも疲れているのでしょう。私はただ、祖国に帰りたいだけなのに」

少女「……因果応報」

少女「僧侶さん、怒ってない?」

僧侶「怒る? どうしてですか?」

少女「……だって、僧侶さんの言いつけ破ったし、僧侶さんに来ないでって……私のこと嫌いになった……?」

僧侶「あれは私の説明不足が招いた悲劇でもあります。後、少女さんそんなこと言いましたっけ?」

少女「>>57

僧侶「ああ、あれですか。あれは少女さんが私の為を思って口にしてくれた言葉だと信じています」

少女「……」

僧侶「確かに危険な状況で自身よりも他人を優先する人は私ではなく、勇者様のような方でしょう。ですが、貴方は私が苦しんでいると知っていた」

少女「……買いかぶり、だよ?」

僧侶「そういうことにしておきます」

少女「僧侶さんも、私を助けてくれた」

僧侶「買いかぶりですよ」

少女・僧侶「(o^^o)♪ (*≧m≦*)」ニコニコ

ここまで

僧侶「……久しぶりですね、ライニ」

ライニ「違います」

僧侶「……えっ?」

ライニ「人違いです」

僧侶「え、えっと……ライニ、だよね?」

ライニ「……違います」

僧侶「あ、えっと……あれ……?」

少女「僧侶さん」

僧侶「ん? ……あ、ああ、なんだい?」

少女「……そうですね、腐れ縁という奴です」キリッ

僧侶「ぎゃあああああ、傷口が抉られるぅ。少女さんをそんな風に育てた覚えないよ!」

少女「……育てられてない」

僧侶「――人違い恥ずかしい! 見ないで! そんな哀れな人を見るような眼差しを向けないで!」

大尉「……ライニ少佐、戯れるのは後にしろ」

ライニ「いや、私は別にふざけている訳でもないんだが」

僧侶「やっぱり、ライニじゃないですか! 無駄に恥ずかしい思いしましたよ!」

ライニ「そうか? それはすまない。私も、勇者のお供の一人として選ばれた栄誉ある僧侶が――」

ライニ「――勇者の傍から離れて、無関係の人間と悪ふざけにしても笑えない状態でいるとは思わなかっただけだ」

僧侶「……」

少女「……そ、それは……僧侶さんは……」

僧侶「いえ、いいんです。これは私の責任です。私の失態です。貴方が庇う必要はありませんし、許しません」

少女「あうっ……」

僧侶「あっと、少し感情的になりましたね。これも反省点、すいません。貴方は悪くないのに」

少女「別に、大丈夫。僧侶さんが優しいの……知ってる、よ?」

ライニ「二人だけの世界に入るのは後にしてくれないか?」

ライニ「私は言い訳を聞きたいんじゃない。御託はいいから要点をまとめて話せ」

僧侶「……分かりました」

魔女「おいおい、ちょっと待てよ。腐れ縁だか、なんだか知らないが、ちょっと腕が立つからって調子に乗るなよ?」

魔女「言い訳以前にそこの外道僧侶を除いた俺達はお前らの身分も知らない赤の他人だ」

魔女「口の利き方くらいは気をつけろよ。そもそも命令口調からして気に入らねぇ――」

ライニ「――それはこっちの台詞なんだよ、素人風情がっ。私達の問題に赤の他人が首を突っ込むなよ」

ライニ「一度は見逃されたその首を、本国に送られた瞬間に跳ね飛ばされたくはねぇだろ?」

魔女「」

僧侶「あれ? ライニ、この魔女モドキと知り合いなんですか?」

ライニ「ん? 知り合いも、何も、共和国から教会に送られてくる苦情に――」

魔女「わぁあああああ! ストップ、ストップ! ブレイク! ブレイク! 僕達知らない、赤の他人、OK?」

ライニ「……酷い手のひら返しを見たが賢明な判断だ。出来れば、うるさい口を閉じてくれると助ける」

魔女「(OK!)」

ここまで

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