貴音「皆の衆!四条音頭が始まりますよ!」 (86)

真「失敗したのは、そっちが悪いんだろ!?」


伊織「何よ!あんたが悪いんじゃない!」


ギャーギャー……キィーキィー……まこまこ……





春香「……ど、どうしたの?あの2人?」


雪歩「今日のダンスレッスン、伊織ちゃんと真ちゃんが一緒だったんだけど…」


雪歩「その…なかなか息が合わなかったらしくて…」


春香「あぁー、あの2人はねー…」


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伊織「何よ!」ギロッ


真「何さ!」ジロッ


雪歩「ふ、2人とも、落ち着いてよ……」オロオロ


伊織・真「「雪歩は黙ってて!」」くわっ!


雪歩「ひゅぅぅ……」シュン


伊織「ふん!もうあんたの顔なんて見たくもないわ!」プイッ


真「こっちの台詞だよ!」プイッ

春香「ふ、2人とも仲良くしようよ!ね?」


伊織「絶・対、イヤ!」


真「こっちもだよ!」


春香「はぁ……どうすればいいのかなぁ」ガクンッ


雪歩「うぅ……誰かぁ……2人を仲良くして下さいぃ」グスッ







ドンッ……

春香「………え?」


雪歩「今、和太鼓を叩いた音が……」


ドドンッ……


伊織「空耳じゃないわ……!」


真「だ、誰!?和太鼓を叩いてるのは!?」

ドドドンッ!


貴音「はっ!」




ドドドンッ、ドドドンッ、ドドドンッ、ドドドンッ!


ドォンッ!


雪歩「し、四条さん!?」


春香「貴音さんが、ハッピを着て太鼓を叩いてる……」


真「ど……どうしちゃったの?貴音?」


伊織「どこで調達したのよ……その和太鼓」

ドドッ!カッ!


貴音「皆の衆!」


貴音「四条音頭が始まりますよ!」


春香「………え?」


真「四条音頭って……何?」



〜〜〜〜〜〜〜〜(メロディ再生)


伊織「な、何?この祭りに流れてそうな笛や小太鼓の音は……」


雪歩「どこから鳴ってるんだろう……」

ドンッドンッドンッ!カラカッカ!



ドドンガドン!



貴音「やぁ!」


ドンッドンッドンッ!カラカッカ!


ドドンガドン!


貴音「せいやぁ!」

『四条音頭』
作詞・作曲・演奏 四条貴音


めんめんめん めめんがめん(あ、そりゃ)

ようようよう よようがよう(あ、どした)

朝はカップで らあめん(はーい)

昼はお店で らあめん(ほいやぁっ)

夜は屋台で らあめん(それそれっ)

そして夢で らあめん風呂(熱いっ!)

あ それそれそれそれ やーいやい(そりゃそりゃ)

あ やれやれやれやれ そーれんそーれん(げろっぱ)

今宵も月が満月 月が綺麗ですね (どんどぱっぱ どんどぱっぱ どんぱっぱ)


いぇいっ!

ドンッ!


貴音「……ふぅ」


春香「……………」


真「……………」


伊織「……………」


雪歩「………………」パチパチパチ……


貴音「では、失敬」ダッ


真「あっ……!」


伊織「行っちゃったわね……」


春香「何しに来たんだろう……」


真「………ぷっ」


真「あはははははは!」


伊織「!?」

伊織「な、何よ、急に笑い出して……」


真「ははは……いやね」


真「なんか、喧嘩してるのが一気に馬鹿らしくなっちゃってさ」


伊織「まぁ……確かに、そうね」


真「………伊織、ごめん」


伊織「え?」


真「次からのダンスレッスン、ちゃんと失敗しないように気を付けるよ」


伊織「きゅ、急に折れないでよ……」

伊織「……わ、私も見直す点はあったわ……ごめん」


伊織「私も気を付けるから、次は成功させるわよ!」


真「うん!」


雪歩「仲直りしてくれて、よかったぁ……」


春香「これも、貴音さん……いや」


春香「四条音頭のおかげだね!」










貴音「……………」チラッ


貴音「どうやら、仲直りしてくれたようですね……」


貴音「さて、次の喧嘩はいずこに……」ザッザッ…





四条貴音の四条音頭は、まだまだ続く


第一部 完

真美「おっはよーん!」


亜美「……………」


あずさ「……………」


真美「………あれあれ?どったの?2人とも」


亜美「あ、真美……」


あずさ「実は……」チラッ


真美「?」チラッ

美希「…………………」ジーーー


律子「…………………」カタカタ


真美「……なんで、ミキミキは律っちゃんを見つめてるの?」


亜美「なんかね、律っちゃんが兄ちゃんにチューしてる所をミキミキが見たらしいんだ」


真美「えぇっ!?」


あずさ「で、でも、律子さんはネクタイをしめてあげただけで、誤解だって…」


真美「あっ、そうなの?」


亜美「それをミキミキが疑っててね……」

美希「……律子、ハニーとチューしてたの」ジー


律子「だから、ただネクタイをしめてあげてただけよ!」


律子「あと、律子『さん』!」


美希「ううん、あれは絶対キスしてたの!」


律子「だから、あの時美希の位置から見たらそう見えただけであって…」

美希「ハニーを取っちゃ、ヤ!」


律子「も、もう!話を聞きなさい!」


亜美「ずっとこんな調子なんだYO〜…」


あずさ「どうにか、ならないかしらね〜…」


真美「う〜ん、困った困った……」









ドドンッ…

亜美「……へ?」


あずさ「今の音……和太鼓?」


真美「近くで祭りでもしてるのかな……?」


ドドドンッ…


美希「……音が近くなって来てるの」


律子「ちょ、ちょっと……何事よ?」






ドドドンッ!


貴音「はっ!」




ドドドンッ、ドドドンッ、ドドドンッ、ドドドン!


ドォンッ!


亜美・真美「お、お姫ちん!?」


美希「貴音が祭り衣装着て、和太鼓叩いてるの……」


律子「な、なんなのよ、これは……」


あずさ「あ、あら〜、はちまきが似合ってるわね〜」

ドドッ!カッ!


貴音「皆の衆!」


貴音「四条音頭が始まりますよ!」


亜美「四条……音頭?」


真美「そんなこと言われても、真美達踊れないYO〜!」


〜〜〜〜〜〜〜〜(メロディ再生)


あずさ「あらあら、祭りに来た気分になる曲ね〜」


律子「笛や小太鼓の音…本格的に祭りになって来たわね」


美希「なんなのなの……これ」

ドンッドンッドンッ!カラカッカ!



ドドンガドン!



貴音「せいっ!」


ドンッドンッドンッ!カラカッカ!


ドドンガドン!


貴音「ちぇすとっ!」

『四条音頭 二番』
作詞・四条貴音 作曲・武田蒼一


めんめんめん めめんがめん(あ、そりゃ)

ようようよう よようがよう(あ、どした)

朝は軽く おでんを(ぱくっ)

昼は自販機で おでんを(秋葉原っ)

夜は屋台で おでんを(もう一杯っ!)

そして夢で おでんぷぅる(ふりぃしか泳がない!)

あ やいやいやいやい そーれそれ(はぁ、どっこい)

あ それそれそれそれ やいーんやいん(いけずです///)

今宵も月が満月 月が綺麗ですね(どんどぱっぱ どんどぱっぱ どんぱっぱ)

ぶいぶいっ!

ドンッ!


貴音「……ふぅ」


亜美「…………………」


真美「…………………」


美希「…………………」


律子「…………………」


あずさ「じょ……上手ね〜」パチパチパチ…


貴音「では、退散」シュダッ


亜美「あっ……!」


真美「……行っちゃった」

美希「………よくわかんなかったけど」


美希「なんか、いつまでも疑ってる自分が馬鹿らしくなって来たの」


美希「律子…さん、ごめんなさい、信じなくって…」


律子「……もういいのよ、怒ってないわ」


美希「………律子」


律子「律子『さん』!」


美希「は、はいなの」

あずさ「よかったわ〜、一件落着ね」


真美「これも、お姫ちんのおかげだね!」


亜美「ありがとう!お姫ちん!」


亜美・真美「ありがとう!四条音頭!」







貴音「……………」チラッ


貴音「謝儀の言葉をもらうのは、真、気持ちの良い事ですね」


貴音「では、次の喧嘩やとらぶるを探すといたしま……」


ピキッ!


貴音「うっ……!」ズキッ


貴音「………………」


貴音「そろそろ……私の腕は、限界なのでしょうか……」


貴音「………あなた様」



第2部 完

響「おーい!やよいー!」


やよい「あ、響さん!おはようございまーす!」


響「やよい、帰りに少し祭りに行かないか?」


やよい「祭り……ですか?」


響「うん!貴音が招待してくれたんだ!」


響「祭りのイベントで出るから、ぜひ来て欲しいって言ってたんだ」


やよい「イベント……って、何のですか?」

響「それは……トップシークレットだって」


やよい「うぅ〜…そう言われると、気になります〜」


響「だから、帰りに一緒に行こ?ね?」


やよい「そうですね、じゃあ少しだけ……」


響「よし!じゃあ、帰る頃になったら……」









貴音「なぜですか!?あなた様!!」

響「!?」ビクッ


やよい「い、今、奥の部屋から四条さんの声が……」


響「ど、どうしたんだ……?」


響「ちょっと、見てくるぞ」タタタ


やよい「あっ、私も行きます」タタタ






響「貴音?どうし……」ヒョコッ


貴音「なぜ、止めるのですか!?」


P「お前の為なんだ、わかってくれ」

貴音「私は、この日のために日々努力をしてきたのですよ!?」


貴音「それなのに……なぜ!?」


P「……今回は、残念だが諦めてもらうぞ」


P「また次のチャンスを待つしかないさ」


貴音「………くっ!」ギリッ


貴音「私は、何を言われようと出場いたします!」

P「貴音!ダメだ!」


貴音「あなた様の、わからずや!」ダッ


P「あっ……貴音!待て!」


響(こっちに走って来る!)


貴音「………あっ」ピタッ


やよい「貴音さん………」


響「……どうしたんだ?貴音?」

貴音「………………」


貴音「失礼……いたします」ダッ


響「あっ……」


タタタタ………





響「…………行っちゃった」


やよい「プロデューサー……貴音さん、どうしたんですか?」


P「………………」




響「結局、プロデューサーは貴音の事について何も教えてくれなかったぞ……」


響「貴音……いったいどうしたんだろ」


やよい「響さん!」


やよい「せっかく、お祭りに来たんですよ!」


やよい「四条さんの事も、確かに気になりますけど……」


やよい「今は、一緒に楽しみましょう!」


響「やよい……」

やよい「千早さんも来てくれましたし、もっと楽しみましょう!」


やよい「ね、千早さん!」


千早「え、えぇ」


千早(高槻さんに誘われたら、断れないわ…///)


千早「それで、四条さんが出るイベントって何かしら?」


響「祭りの踊り場で待ってたら分かるって言ってたけど……」


響「でも、今日の昼の様子じゃ、出るかどうかわからないぞ……」


やよい「貴音さん……」

アナウンス『みなさん、お待たせいたしました!』


アナウンス『この祭りのメイン、和太鼓の演奏を披露いたします!』


アナウンス『音楽に合わせて、自由に踊って下さい!』


響「へぇ〜、和太鼓かぁ」


やよい「楽しみですね!」


千早「誰が演奏するのかしら……」


アナウンス『では、今回和太鼓を演奏する方をご紹介いたします!』


アナウンス『登場していただきましょう!』


アナウンス『765プロアイドル、四条貴音さんでぇす!』


響・やよい・千早「「「!!?」」」

響「た、貴音が演奏!?」


やよい「あっ!和太鼓の前に、貴音さんが!」


千早「四条さん……もう構えてるわ」






貴音「………………」ガシッ


アナウンス『おっ、もう準備万端のようですね!』


アナウンス『では、早速演奏していただきましょう!』


アナウンス『曲は、『四条音頭 三番』!!』


アナウンス『どうぞ!!』

響「だから、貴音は今日の祭りに招待したのか……」


P「くっ……遅かったか!」タタタ


千早「プロデューサー!」


P「みんな、貴音を止めるんだ!」


やよい「え……?どうしてですか?」


P「あいつの腕の容態は、尺骨疲労骨折寸前なんだ!」

千早「尺骨疲労骨折!?」


響「それって……どんなの?」


P「wikiれ!」


やよい「とにかく、骨折しそうなんですよね?」


P「あぁ、このまま腕を酷使したらポキッといくぞ!」


千早「そんな……!」


響「た、貴音ぇ!やめてぇーーー!」

ワーワー……貴音ぇー……


貴音「……これは、響の声」


貴音「どうやら、尺骨疲労骨折の事を知ってしまったようですね…」


貴音「……しかし、私は」グッ


貴音「なり遂げなければ、ならないのです!」


貴音「はぁっ!」


ドドンッ…


響「!」


P「始めちまったか……くそっ!」ダッ


千早「プロデューサー!」


P「貴音を止めて来る!お前達は救急車を……」タタタ










カラッ……

P「……え?」


やよい「今の音は……?」


千早「………あっ!」


千早「四条さんが、腕をおさえてるわ!」


響「痛そうな表情をしてるぞ!」


P「そうか……今の音は木鉢を落とした音……」


P「限界か……早く病院に」


やよい「………!!」


やよい「プロデューサー!貴音さんが!」


P「え?」クルッ


P「…………!!」


P「木鉢を……拾おうとしてる……」

響「貴音………」


P「な、何をしてるんだ!そこまでして、何になるんだ!貴音!」


P「和太鼓を演奏する事に、何があるんだ!」


響「………きっと、貴音にはそれがわかってるんだよ」


P「……え?」

響「貴音には、和太鼓を演奏したら見える素晴らしい世界があるんだよ」


響「自分やプロデューサー、他の人には理解出来ない世界……」


響「でも、貴音にとっては是が非でも見たい、そんな素晴らしい世界……」


響「その世界を見るために、例え苦しくても痛くても……」


響「貴音は、和太鼓を演奏したいんだ!」


P「…………………」


P「え……あ、うん……」


千早「プロデューサー!四条さん、とても辛そうです!」


P「くっ……強制的に止めるしか無いようだな!」ダッ

やよい「プロデューサー!」


P「うぉっ!」ピタッ


P「な、なんだよ!早く止めさせて来れよ!」


やよい「あの、お願いがあるんです!」


P「……?」

貴音「くぅっ……こんなにも、症状は悪くなっていたのですね」


貴音「しかし、私は……叩かなければならないのです」


貴音「この、樹齢100年以上の木で出来た……」


貴音「この、和太鼓を!!」スクッ


貴音「いざ!!」バッ







P「………貴音」


貴音「………!」

貴音「あなた様……」


P「……木鉢を、置くんだ」


貴音「……それは、出来ない相談です」


貴音「私は、ここで四条音頭(三番)を演奏しなければならない使命があるのです」


貴音「邪魔はしないでいただきたいです」


P「………貴音」


P「お前には、和太鼓が無くったって四条音頭が演奏できるじゃないか」


貴音「………それは、どういうことでしょうか?」


P「お前には、歌があるじゃないか」

貴音「歌……ですか?」


P「あぁ」


P「ほら、あいつらの様にな」


貴音「あいつら……?」スッ


貴音「!!」

やよい「めんめんめん めめんがめん!」


響「あ、そりゃ!!」


千早「よ……ようようよう よようがよう///」


響「あ、どした!!」










貴音「なんと……皆が、四条音頭を歌って……」


P「あぁ」


P「やよいが、貴音に一緒に歌って欲しいって」


P「お前に伝えるように、さっき頼まれた」


貴音「高槻やよいが……」

P「さぁ、お前も歌ってこい!」


貴音「プロデューサー……」


貴音「ありがとうございます」ぺこっ


P「それは、やよいに言ってやれ」


貴音「………はい!」タタタ

やよい「あ!貴音さん!」


貴音「やよい、ありがとうございます」ぺこっ


やよい「いえ、そんな……」


やよい「みんなと一緒に歌えたら、楽しいかなーって思って!えへへっ!」


響「うんうん、皆で歌えば楽しいよね!」


千早「ふふふ、高槻さんらしいわね」


貴音「やよい……響……千早……」


貴音「………ふふふ」


貴音「さぁ!らすとすぱーとですよ!皆の衆!」


千早「はい!」

『四条貴音 三番』
作詞・黒井崇男 作曲・武田蒼一


めんめんめん めめんがめん(うっうー!)

ようようよう よようがよう(はいさーい!)

歌を歌おう ぼおかる(はーい)

激しく動け だんす(ほいやぁっ)

魅了させます ヴィジュアル(それそれっ)

ぐらびあ撮影 どんとこい(くっ!)

あ それそれそれそれ やーいやい(ハイターッチ!)

あ やれやれやれやれ そーれんそーれん(なんくるないさー!)

今宵も月が満月 月が綺麗ですね(どんどぱっぱ どんどぱっぱ どんぱっぱ)

ヴァイッ!

次の日


P「貴音……本当に捨てちゃっていいのか?」


貴音「はい、私にはもう和太鼓は必要ありません」


貴音「私には……支えてくれる仲間がいますから」


P「貴音……」


貴音「もちろん、あなた様も含めてですよ?」


P「ははっ……それは嬉しいな」








冬馬「今日のレッスンはなかなかキツかったな……」スタスタ


冬馬「………ん?」ピタッ


冬馬「………和太鼓だよな、これ」


冬馬「なんでこんなゴミ捨て場に……」


冬馬「木鉢もあるな……」


冬馬「………少し、叩いてみるか」


冬馬「せぇー……の!!」





ドドンッ!


冬馬「!!」

冬馬「…………見えた」


冬馬「今……見えたぞ」


冬馬「俺の求めていた……」



冬馬「素晴らしき、和太鼓の世界が!!」











最終章 完

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