春香「もっと熱くなれよ!」千早「はぁ!」P「トップアイドルになりたくねぇのか!」 (32)



ボォォォォォ

そこには燃えている千早ちゃんがたっている

「よし!千早も体から火を出すことができるようになったんだな!」

私もとっくに火は出せるんだけど

これほどの火が出せるようになったのは

千早ちゃんが初めてらしく

燃えながら、千早ちゃんは笑っていた

「はい……あの、でも服が」

「ああ悪い…今、熱耐性のある服持ってくるから」

火を出すのはいいんだけど

服が燃えてしまうのが一つの欠点かな

私も初めて火を出せた時は、服を一枚やっちゃったし

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「ごめんなさい春香…こんなに遅くなって」

「ううん! そんなことないよ…それに、こんな大きな火を出せるのは千早ちゃんだけだし…」

寧ろ、私がもっとがんばらないと

「もう…やっと出せるようになったのね」

隣の部屋から伊織が出てきて言うものの、

「うわっ…ちょっと何よこの炎の大きさ…全身丸焼けじゃない! 」

びっくりして後退りする

ほんっとにすごい火だよね、千早ちゃん




なんだこれ…期待

「おいおい、これくらいで驚いてたらトップアイドルになんかなれないぞ、上の連中になると3倍の大きさはあるからな」

「3倍って…この事務所が燃えちゃうじゃない…! 」

ふぇ〜千早ちゃんの三倍なんてとてもじゃないけど私じゃ無理かな

…とはいえ、今は皆が火を扱えるようになったことにばんざい! なのです

「よし、明日からはトップアイドル目指して、もっと火を大きくする練習だ!」

…よーしっ!

やっちゃいますよ、プロデューサーさん!

千早ちゃん、一緒に帰ろっ

「ええ、あ…ちょっと待ってて」

千早ちゃんが燃えた服の後始末をした後、二人で事務所を出た

私が所属しているこの765プロはまだまだ駆け出し

お世辞にも有名とはいえないけど…

少しくらいは名前が知られているくらいには知名度はある

でもそれじゃだめなことに変わりはなくて

もっと上を目指して私は日々がんばってる!

…んだけど、これがなかなか上手くいかなくて

「どうしたらトップアイドルになれるのかな」

私は帰り道の途中でそう呟いた

「今はとにかく、練習を積むことが大事だと思うわ」

千早ちゃんは真っ直ぐな目で私に言う

ふーん…

練習を積むかぁ

「私は今日火を出せるようになったばかりで、まだまだ練習が足りないわ」

「ふーん…」

そうかもしれないね

それにしても千早ちゃんの火…凄かったなぁ

もう…ぼうって音がなって…

「…でも、千早ちゃん」

「なに? 」

「私達なんかよりも、もっと大きな炎を出す人だって沢山いるんだよ? 」

千早ちゃんの3倍の大きさの炎を出す人だって

たくさんいるって聞いたし

私達がただ練習を積んだだけで、

その人たちを超えることはできるのかな

それに、まだまだもっと大きな炎を出す人だって

「ふふ…春香」

千早ちゃんは私を見ながら軽く笑う


「私達がまだその人達に及ばないのはあたりまえよ」

「やる前から諦めてたら意味が無いわ」

そう言って千早ちゃんは手から炎を出して近くの木に投げつけた

「うわぁっ! ちょっと千早ちゃん!…外で使うの禁止だよぉ」

「うっふふふ」

楽しそうに笑う千早ちゃんを見ていると

私まで楽しくなってきて

私もちっちゃな炎を投げつける

今日は千早ちゃんが火を扱えるようになった記念だから仕方ない!

「えいっ」

その炎は木に届く前に燃え散った


「あれぇ…私の火じゃダメみたい」

そんなことをしているうちに、

近くにいた人が燃えている木に気づいて怒鳴りかけてくる

「こらぁ! 」

「うわぁっ! 」

千早ちゃんっ程々にしないと捕まるよ!

「逃げましょう!」

そう言って走る千早ちゃんは楽しそうで

私は逃げていることを忘れて笑った

「明日からの練習がんばろうね! 」

「…ええ! 」

私達はまだまだこれから!

千早ちゃんと走ってると、さっきまでの不安もなくなる

「がんばっちゃうよ!」

「うっふふ」

その後も、私達は遠くまで走り続けた

日付は変わり、いよいよ練習がはじまった

「今日の練習楽しみにしてたんだよ!」

千早ちゃんが火を出せるようになって

伊織と初めて3人でする最初の練習だから

「待ちくたびれたわよ」

「ほんとにごめんなさい」

千早ちゃんは申し訳なさそうに伊織に謝まる

「あっはは、いいじゃないか…時間は経ったといえ、大きな火が出せるんだ」

「この火を大きくすれば、オーディションでのアピールもでかくなる、皆張り切って練習するぞ」

プロデューサーさんが生き生きとしていると、私も安心します

オーディションでは火の部門や水の部門など、いくつかあるらしく

765プロで、私の伊織と千早ちゃんは

火の部門に出ることになっている

次のオーディションに合格すれば

一気に知名度も上がって、人気急上昇!

「えいっ」

私は専用の練習室で高々に炎を上げた


その小さな炎は生き生きと燃えながら

練習室の天井まで上がる

「私の方が大きいんだから!」

それを見ていた伊織が両手から炎を出して、

上へ投げると、それは私の炎にあたり

「うわっ私の炎が消えちゃったよ!」

「にひひっ」

伊織に軽く笑われる

「もうっわざと消したでしょ今」

「今のはたまたまよ」

うそつき!

そのにやけ顏は絶対わざとだから








「じゃああんたもやりなさいっ」

そう言って伊織は炎を天井に向かって投げる

「よーし!」

消しちゃうからね!

「えいっ」

私が炎を投げると

その炎は伊織の炎に弾かれて消え散る

「あーもう!」

「にっひひ」

もう一回だよ、伊織!

「あっはは、二人とも仲いいな」

「ケンカですよ!ケンカ!」

「ほら来なさいよ!」

そう言って炎を投げる伊織に、

私は練習中なのを忘れて炎を投げつける

そして

その炎が伊織の投げた炎に当たろうとしたとき

……ボゥッ!

「うわぁっ」

「な…なによ」

二つの炎は大きな炎に包まれた

「うっふふ」

「もう…びっくりした」

千早ちゃんが炎を投げたんだね

「ほんとにびっくりしたわよ」

伊織が腕組みをしながら千早ちゃんを見る

「いや、ごめんなさい…私もやりたくなったから」

「まぁいいわ」

不満そうな顔をしていた伊織は、天井を見上げると

消えてなくなった炎を見ながら言う

「…それにしても、ほんとに大きい炎ね。とても昨日火が出せるようになったとは思えないわ」

うんうん

その言葉に私も頷いた

千早ちゃんが本気で炎を出したらどれくらい大きくなるのかな

「千早ちゃん、もっと大きな炎を出してみてよ! 」

「ええ…いいわ」

それじゃやるわよ…という千早ちゃんの手から出た炎は

天井を埋め尽くすかのようにふわっと広がり

見ている私達は思わず声を漏らす

「うわぁ」

「すごい…炎ね」

「おお…これは凄いな」

プロデューサーさんも頷きながら炎を眺め

千早ちゃんはゆっくりと、炎を弱くしていった

「これなら次のオーディションは狙えるかもしれない」

「ほんとですか!? 」

「ああ、だから春香も伊織もがんばろうな」

やったよ千早ちゃん!

「まだ気が早いわよ」

首を振りながら私に言う千早ちゃんの顔も笑っていて

伊織も加わって、3人で笑った


熱くなる(物理)

リボーンかな?

ナチュラルに狂ってやがる

「じゃあ強い火を出せるように練習だ」

はい、プロデューサーさん!

私も千早ちゃんみたいに大きな炎がだせるように

「えいっ」

私が天井に投げた炎はさっきよりも小さくて

すぐに消えてしまった

「あ…あれぇ」

「なによ今の…」

「ははっただ力を込めればいいわけじゃないぞ」

うぅ…プロデューサーさんどころか伊織にまで笑われた

「いいか、炎ってのは自分の体と一体化してはじめて大きな炎が出せる、まずは自分自身を燃やすように意識するんだ」

もう…それならそうと早く言ってくださいよ

伊織に笑われたじゃないですか

よぉーし、次こそは

自分自身を燃やすように…

………

「うぅ……」

「あっはっは、あんたほんとに炎出せるの?」

「もう…じゃあ伊織がやってみてよ」

「いいわよ…もう、自分を燃やすことなんて簡単よ」

「えいっ……………あれっ」

「くくっ」

伊織、できてないよ

「…うっさいわね」

プロデューサーさん、どうすればいいんですか?

「そうだな…千早、やってみろ」

「はい」

プロデューサーさんに言われて、

千早ちゃんは全身を炎で包む


…ボゥッ

千早ちゃんは全身を燃やしながらプロデューサーさんを見る

「…こう、ですか?」

「ああ、しばらくそのままで居てくれないか?」

うわぁ…やっぱり千早ちゃん凄いね

まるで火だるまみたい

「そうだな…千早は炎を出すときによく落ち着いてる、千早を見るんだ」

千早ちゃんはまるで今から歌うかのように

静かに息を整えていた


「ただ力を込めればいいってわけじゃないみたいね」

「そうだ伊織、心は冷静に炎は激しくなんだ」

へぇ……

「くっ」

その時、千早ちゃんを包んでいた炎が消え散った

「もう…無理です」

「そうか、千早は昨日火が出せるようになったばかりだから、まだ慣れてないんだな」

「とりあえず自然に炎を出せるように、今はとにかく炎をだすことを繰り返したほうが良さそうだな」

じゃあどうするんですか?

「そうだな…よし、炎合戦でもするか!」

「わぁ、これ私やりたかったんです! 」

炎合戦ですよ!炎合戦!


説明しよう

炎合戦とは雪合戦のように、相手に向かって炎を投げる遊びのことである

「いいか、3人で思う存分炎を投げ合え」

「あたっても自分が燃えるだけだからより自分を燃やす感覚が掴めて一石二鳥だ!」

よぉーし

「にひひ」

って…

伊織、絶対私を狙うつもりでいるよね

千早ちゃんには勝てっこないし、ここは伊織を狙おうかな

「よーし、始めるからな」

プロデューサーさんの合図と共に、

私は伊織に向かって炎を投げた

私の投げた炎は伊織の腕によって弾かれた

「わぁっ」

「ふん、あんたの炎なんか弾けば簡単よ」

もう…火が弱すぎるよ

「いくわよ春香!」

じゃあ、私も弾くんだから!

伊織の投げた炎にわざとあたった私だったが

「あっつい!」

「あっははは、あんたはまだ弾けないのね」

ただただ熱いだけだった


「なんで弾けないのかな」

「うーん、お前はまだ自分を燃やすことに慣れていないんだろうな」

様子を見ていたプロデューサーさんが

私に説明をしてくれる

自分を燃やす…ですか

「うぅ…よくわかんないです」

「そうだな、炎というものはもともと体内に吸収できるものなんだ、吸収して自分のものにしてしまえば相手の炎を弾くことができる」

「じゃあ、吸収できなかったら私の炎が弾かれて消えるんですか? 」

「そんなところだ、だから熱いと感じたんだろう」

ふーん…よくわかんないけど

「伊織は結構自分を燃やすことに慣れてるんだろう…まだ自力では燃やせないけどな」

「そうですか…」

なんか悔しい

これじゃ炎合戦楽しめないよ

私が力なく投げた炎は伊織にあたり、

伊織は盛大に燃えた

……

燃えた?

「あっっつい!」

あれっなんで伊織が燃えてるの!?

伊織が見ている先に千早ちゃんが立っていて

千早ちゃんの手には炎が溢れていた

「千早ちゃんの投げた炎で燃えたんだね!」

一瞬私が燃やしたかと思っちゃった

…って、普通に考えてもそんなわけないよね

「あんた、何ボケっと立ってるのよ…ちょっと来なさい!」

「なーに伊織」


「今千早が投げた炎見たわよね」

「うん、伊織盛大に燃えちゃったね」

「笑い事じゃないわよ! …ちょっとかすっただけで弾けないほど熱いのよ、あんたが直撃したらあっついどころじゃないわ」

その時、私の視界の横側から炎が飛んでくるのが見えた

その炎は、私の脇腹にあたり…

「あっっっっつい!! 」

「ほら言ったじゃない! 」

「ちょっと…プロデューサーさん、水…水を持ってきてください! 」

「あっはっは」

笑い事じゃないですってばぁ!


「春香、ごめんなさい…軽く、のつもりだったんだけど」

ちょっと千早ちゃん!

今ので軽くなんて、本気の千早ちゃんの炎受けたら

私どうなっちゃうの!

「あつっ……あっつい」

しばらくして、ようやく熱さはなくなった

伊織が私に寄ってきて言う

「こうなったら…春香、協力しなさい」

「えっ」

「私とあんたがやり合ったところで、一人で千早には勝てっこないわ…だったら、私とあんたで先に千早を倒すのよ」

「千早ちゃんを倒す?」

なに…倒すって

「倒すというより戦うのよ、一人じゃ勝負になんないでしょうが」

「ちょっと……春香? 」

こそこそ話しているのを疑問に思ったのか

千早ちゃんが私に話しかけてきた

その千早ちゃんの体全体がもうもうと燃えていて

私は恐怖に思った

……あれ、これ勝負にならないよね

「千早、一騎打ちよ!」

ちょっと伊織!

「無理だよ…私と伊織で協力したところで」

「やる前から諦めてどうすんのよ」

そう言う伊織の顔も強張っていて

額に汗をかいている

「一騎打ち……って本気で炎を投げればいいのかしら」

そう呟きながら千早ちゃんは手に溢れる炎をより一層燃やす

ちょっと…尋常じゃないかなこの炎

「伊織……やめとこうよ」

「何言ってんのよ…さ、さぁいくわよ」

伊織は千早ちゃんに向かって炎を投げる

もうどうなっても知らないからね!

私は手から炎をだすと、

それを千早ちゃんに投げる

「………あっ」

私はその時後悔した

千早ちゃんは両手には巨大な炎がかがげられていた

ワロタ

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