P「春香をプロデュースする日々」 (46)

ザワザワガヤガヤ…

P「春香、準備はいいか?」

春香「はい、プロデューサーさん」

P「うん、思いっきり楽しんでくるんだぞ」

春香「はいっ」

P「……遂にここまできたんだな」

春香「……はい」

P「緊張してるか?」

春香「えへへ、少しだけ……でも、それ以上に楽しみです」

P「……そっか」

春香「プロデューサーさん」

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P「ん?どうした?」

春香「背中を、押してもらえますか?」

P「……ああ、わかった」

春香「えへへ」

小鳥《大変お待たせいたしました。ただいまより、天海春香ソロライブ、『トップアイドル!』を開演いたします》

P「よし」グッ

春香「……」

P「いってこい」トン

春香「はいっ!」

ワァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァ

―――
――

P「というわけで、今日から俺が君をプロデュースすることになった。よろしくね」

春香「は、はい!よ、よろしくお願いします!」

P「はは、そんなに緊張しなくても大丈夫だよ」

春香「は、はい!」

P「うーん、そうだな、それじゃあまずは自己紹介でもしてもらおうかな」

春香「自己紹介、ですか?」

P「ああ、君の名前は?」

春香「え、えーと……あ、天海春香です!よろしくお願いします!」

―――
――

P「……」

春香「……」

P「まぁ……歌のほうはこれからどうとでもなるさ」

春香「……はい」

P「まずは音を外さないようにならなきゃな」

春香「うぅ……」

P「はは、これからだ、大丈夫大丈夫」

春香「……プ、プロデューサーさん!」

P「うわっ、ど、どうした急に?」

春香「あ、あの次はダンスを見てください!」

P「へ?」

春香「歌はあんなでしたけど……私、ダンスは結構練習してて……いえ、歌も練習してるんですけど……」

P「そ、そうなのか?」

春香「はい!だから!ダンスならもっと!」

P「は、春香、ちょっと落ち着いて……」

春香「見てて下さいね!」

P「あの……」

春香「ほっ!よっ!……てうわわ」

P「あ……」

春香「きゃぁぁ!」

どんがらがっしゃーん!

P「だ、大丈夫か?」

春香「いつつ……は、はい」

P「え、えーと……」

春香「……」

P「まぁなんというか、その……」

春香「……うぅ……」

P「……焦らずにいこう」

春香「え?」

P「慌てなくていいんだぞ、一つずつゆっくりできるようになっていけばそれでいい」

春香「一つずつ……」

P「俺も頑張るからさ、慌てずに、二人で一歩ずつ進んでいこう」

春香「プロデューサーさん……」

P「はは、立てるか?」スッ

春香「は、はい!」

―――
――

春香「え、えぇぇぇぇ!!CDデビューですか!?」

P「ああ、春香の初めてのCDだ」

春香「ど、どうして私なんかの……」

P「ははは、何言ってるんだ、春香はアイドルなんだぞ?」

春香「で、でも、私の歌なんか……」

P「春香」

春香「は、はい」

P「確かに、春香の歌は上手くはないかもしれない、だけどな、ちゃんと魅力だってあるんだぞ?」

春香「魅力……?」

P「ああ、春香の歌はな、聴いてると楽しくなるんだ」

春香「……」

P「スキップしたくなるような感覚というか……とにかく、元気をもらえる」

春香「……」

P「聴いた人を笑顔にする、それが春香の歌なんだ」

春香「笑顔に……」

P「それは春香にしか出せない魅力なんだぞ?」

春香「そ、そうなんでしょうか……」

P「ああ、だからそんなに心配するな」

春香「……はいっ」

P「うん、よし、それじゃあ収録の打ち合わせを始めようか」

春香「はい!よろしくお願いします!」

―――
――

春香「新人アイドルの天海春香です!よろしくお願いしまーす!」

P「……」

春香「……CD、売れないですね……」

P「……仕方ないさ、誰でも最初はこんなもんだ」

春香「そ、そうですよね……」

P「……」

春香「でも……一枚くらいは売れて欲しいなぁ……なんて、えへへ……」

P「……」スッ

春香「プロデューサーさん?」

P「一枚、もらえるか?」

春香「え?……あ、は、はい」

P「サインも頼むよ」

春香「はい、えーと……ど、どうぞ!」

P「ありがとう。……うん、いい買い物をした」

春香「あ、ありがとうございます、プロデューサーさん」

P「これだけいいCDなんだ、必ず買ってくれる人はいるさ」

春香「プロデューサーさん……」

P「だから、もう少し頑張ろう春香」

春香「……はいっ」

―――
――

男性「あの……」

春香「へ?……は、はい!」

男性「CD一枚、もらえますか?」

春香「え、えーと……」アワアワ

P「春香、落ち着いて」

春香「は、はい!」

P「サイン忘れるなよ」

春香「はい!」サラサラ

春香「あ、あの!どうぞ!」

男性「ありがとうございます」

春香「い、いえ!こちらこそ!ありがとうございました!」

P「……よし」グッ

春香「……売れた……」

P「やったな、春香」

春香「はい……私のCD……買ってもらえちゃいました……」

P「……」

春香「えへ、えへへ……やったぁ」

P「……さぁ春香、まだまだいくぞ」

春香「はい!」

―――
――

春香「プロデューサーさん」

P「ん?どうしたんだ?春香」

春香「えーと……」

P「?」

春香「こ、これ、どうぞ」

P「これって、クッキーか?」

春香「良かったら食べてください」

P「春香が作ったのか?」

春香「はい!」

P「へぇ、おいしそうだなぁ」

春香「えへへ」

P「ありがとな、さっそく一つもらうよ」ヒョイ

春香「はい、どうぞ!」

P「いただきます」パク、モグモグ

春香「ど、どうですか……?」

P「(……しょっぱい)」

春香「ぷ、プロデューサーさん?」

P「……あ、ああ、中々ユニークな味だな……」

春香「え?」

P「甘くないクッキーは初めて食べたかな……」

春香「甘くない……?あ、もしかして私……」

P「……」

春香「ち、ちょっといいですか?」パク、モグモグ

P「……」

春香「……うぅ……しょっぱい……やっぱりお砂糖とお塩まちがえちゃってる……」

P「やっぱり、そうだよな……」

春香「ご、ごめんなさいプロデューサーさん!」

P「はは、大丈夫だよ」

春香「それ、持って帰ります……」

P「いや、せっかくだからもらうよ」

春香「え?」

P「ちょっと変わった味だけど、食べれないことはないしな」

春香「で、でも……」

P「せっかく春香が作ってくれたんだ、全部食べるよ」パク、モグモグ

春香「プロデューサーさん……」

P「うん、そんなに悪くないかもな」

春香「……あ、あの!」

P「ん?どうした?」

春香「つ、次はちゃんとおいしいクッキーを作ってきます!」

P「はは、楽しみにしてるよ」

春香「はい!楽しみにしててください!」

―――
――

P「春香、準備はいいか?」

春香「は、ははははい!」

P「お、落ち着け……」

春香「は、はい……」

P「いいか、初めてのライブで緊張すると思うけど、レッスン通りやれば大丈夫だからな?」

春香「レッスン通り……レッスン通り……」

P「リラックスしてな」

春香「り、リラックス……リラックス……」

P「……よし!いって来い!」バンッ

春香「は、はい!」

―――
――

春香「……」

P「……」

春香「……」

P「……お疲れ、春香」

春香「あ、プロデューサーさん……」

P「(……さすがに落ち込んでるな……)」

春香「……プロデューサーさん」

P「……何だ?」

春香「私……アイドル、向いてないんでしょうか?」

P「……どうしてそう思うんだ?」

春香「……」

P「春香、誰にでもミスはある」

春香「……でも、でも……私、音も外して……ダンスも転んじゃって……」

P「……初めてだったんだ、仕方ないさ」

春香「……ライブを観に来てくれた人たちもがっかりさせちゃいましたよね……」

P「……」

春香「……ぅ」ポロ

P「春香……」

春香「うぅ……」ポロポロ

P「……すまなかった」

春香「え……?」

P「今日のライブ……成功しなかったのは俺のせいでもある」

春香「……プロデューサーさんは悪くないです、悪いのは……」

P「……春香、どちらか一人が悪いなんてことはない」

春香「……」

P「俺も、春香を最高の状態でステージに立たせてやることができなかった」

春香「……」

P「今回は、二人とも力不足だったのかもな……」

春香「プロデューサーさん……」

―――
――

P「なぁ、春香」

春香「……はい」

P「春香は、アイドルを辞めたいか?」

春香「……辞めたく、ないです……」

P「なら、次がある」

春香「え?」

P「春香がアイドルを続けるのなら、俺も全力でプロデュースする、次のライブだって必ず取ってくる」

春香「……」

P「だからさ、次は最高のライブにしような」

春香「どうして……」

P「ん?」

春香「どうして……そこまでしてくれるんですか?」

P「俺は春香のプロデューサーだからな」

春香「で、でも、それだけで……」

P「それにな、信じてるからだ」

春香「え?」

P「いつか、春香がトップアイドルになるって」

―――
――




―――プロデューサーさん!ドームですよっ!ドームっっ!―――



春香「えへへ!皆ありがとー!」

ワァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァ

P「……」

ポロ……

P「え……?」

ポロポロ

P「は、はは……まいったな……」ゴシゴシ

P「……」ポロポロ

P「……っ」ゴシゴシ

春香「プロデューサーさん……?」

P「!……は、はは、悪い春香、ちょっと待ってくれ……はは……」

春香「……うぅ……」

P「な、なんだお前まで……」

春香「だ、だって……」

アンコール!アンコール!アンコール!

P「……っふぅ、ほら、ファンの声が聞こえないのか?」

春香「……聞こえます」

P「……なら、いってこい、まだ終わりじゃないぞ」

春香「はいっ!……あの、プロデューサーさん」

P「何だ?」

春香「このライブが終わったら、お話があるんですけど、いいですか?」

P「ああ、わかった」

春香「……ふふ、それじゃあいってきます!」

―――
――

~数年後~

春香「プロデューサーさん、私、綺麗ですか?」

P「ああ、綺麗だよ」

春香「えへへ」

P「でも、プロデューサーさんって、俺はもう春香のプロデューサーじゃないんだぞ」

春香「……いえ、そんなことないですよPさん」

P「え?」

春香「だって、これからは……」

―――
――




私の人生を、プロデュースしてもらっちゃいますから!……なーんて!―――






P「これからもずっと、春香をプロデュースする幸せな日々が続きますように」



                                     おしまい

以上で終わりになります短くてすみません可愛い春香が書きたかっただけなんです反省します

最初は本当に可愛い響が書きたかっただけで全員分やるつもりは全くなかったんです
しかしこれで私がいかに反省しているか皆様に伝わったと思います

おまけ

「君ちょっといいかな?」

「おーい、そこの君、君だよ」

「そう、君だ」

「うむ、いい面構えだ、ティンときた!」

「おお、これは失礼したね、実は私はこういうものなんだ」

「はは、まだまだ小さい事務所だがね」

「それでだね、どうだい君」




―――プロデューサーとして過ごす日々に、興味はないかい?―――



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ありがとうございました!!

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