向日葵「私がスパイに!?」 (40)

ピンポーン


向日葵「誰かしら……はーい」ガラガラ



「お邪魔しま~す♪」ずかずか

「ちょっとめぐみ押さないで……」

「だって早くしないと撫子に見つかっちゃうよ……!」


向日葵「えっ、えっ!? 誰ですの!?」


「ちょっとごめんね、すぐにわけを離すから今は大きな声を出さないで……」

向日葵「もがっ!」ばたばた

「ちょっと! これじゃあ強盗みたいじゃない……」

「落ち着いて話ができるお部屋はどこかしら?勝手に探すけどごめんなさいね」すたすた


向日葵(なんなんですの一体~~~!!)



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向日葵「……じゃあ、改めて自己紹介をお願いしますわ」


「は~い♪ 私が八重野美穂。撫子のクラスメイトで~す」

「同じくクラスメイトの三輪藍です。いつも撫子がお世話になってます」

「私も撫子の友達、園川めぐみ。よろしくね!」


向日葵「はぁ、えっと……」


向日葵(名前聴いたところで何がなんだか全然わかんないですけど……)

向日葵「あの、私は大室櫻子じゃなくて、その隣の家に住んでる古谷向日葵という者ですわ。皆さんもしかして私を櫻子と勘違いしてるんじゃ?」

めぐみ「ううん、私たちは向日葵ちゃんに用があるんだよ?」

向日葵「なんで私のこと知ってるんですの……」



美穂「向日葵ちゃんのことは、撫子からよく聞いてるわ。その上でこうして来てるのよ♪」

向日葵「撫子さんが私をどう紹介したのかはわかりませんが……私は撫子さんの妹の櫻子と仲が良いだけの者なので、皆さんとはあまり関係がないのでは……」

めぐみ「まあまあ、冷たいこといわずに……!」


藍「上等なお菓子も用意しましたので」ごそごそ

向日葵「あっ、これ有名なとこのケーキ……!///」

美穂「食べながらでいいわ。今回向日葵ちゃんのお家に来た目的を話します」

美穂「知っての通り、撫子には二人の妹がいます」

向日葵「ええ……櫻子と花子ちゃんですか」


藍「この三人はとても仲のいい姉妹だと、ご近所でも評判だそうで」

向日葵「そうですわね。大室三姉妹といえば、この辺りの人は皆知ってますわ」



めぐみ「しかし……しかしだよ?」


めぐみ「ちょっと仲が良すぎるんじゃないか、って噂を聴いてね」


向日葵「仲が良すぎる?」

美穂「これはある極秘ルートから入手した情報なんだけどね」


美穂「撫子は、妹たちに手を出してるかもしれないの」

向日葵「は、はあっ!?///」


藍「あら、手を出すっていう言葉の意味はわかるみたい……」

向日葵「な、何言ってるんですの!? 撫子さんが櫻子たちを……!///」

めぐみ「そこでだよ向日葵ちゃん」ずいっ

向日葵「は、はい」


めぐみ「君は櫻子ちゃんとお付き合いしてるんだって?」

向日葵「だっ、だからなんでそういうことを知ってるんですか!!///」かあああっ


美穂「高校生の情報網を甘く見ちゃダメよ。私たちは大室家の事情にそこそこ詳しいの。だから必然的に向日葵ちゃんのことにも詳しくなったわ」


藍「そこでさっきの話、撫子が妹さんに手を出してるっていう情報と組み合わせて考えて?」

向日葵「え!?」



めぐみ「そう……ズバリ、このままでは櫻子ちゃんが撫子に取られてしまう!」びしっ

向日葵「えええええええええ!!!」

藍「どう? 困るでしょう」

向日葵「いや困る困らないじゃなくて……本当なんですのその情報は」


美穂「本当かどうか……実のところ、確定ではないの」

めぐみ「そこで私たちは、他でもない向日葵ちゃんにお願いに来たんだ」

向日葵「私に?」



藍「向日葵ちゃん……スパイとして大室家に潜入し、ことの実態を掴んで来て欲しいの!」

向日葵「スパイ……私が!?///」

めぐみ「そう、これは向日葵ちゃんにしか出来ないんだよ!」

藍「撫子の未来のため……櫻子ちゃんたちの未来のため、どうかお願いします! 姐さん!」ゲザァ

めぐみ「姐さん!」ゲザァ

向日葵「かっ、顔を上げてください!…………わかりました、やりますから」

めぐみ「やったー!」

美穂「うふふ♪ 向日葵ちゃんに相談して良かったぁ」



向日葵「でもスパイって、何をしてくればいいのかわからないんですけど」

藍「大丈夫。向日葵ちゃんがこっそり大室家に遊びに行って、撫子の裏の顔を発見してくるだけでいいのよ」

美穂「無線とか小型カメラとか盗聴器とか、必要だと思っていろいろ持ってきたから」

めぐみ「バッチリ証拠を掴んで来てね!」

向日葵「えっ、もう今行ってくるんですの?」

藍「ごめんなさいね、私たちあんまり時間が無いから……早速お願いしたいの」

美穂「私たちはこの家で向日葵ちゃんからの情報を元に状況を整理したり作戦を組み立てたり、必要に応じて指示を出したりとオペレーター的に動くわ」


めぐみ「こういうなんでもない週末に、姉はいたいけな妹を襲いたくなると思うの。だから今日は絶好のチャンス!」

向日葵(この人たちの方がよっぽどひねくれた考えしてる気がしますけど……)



向日葵「わかりました。さっさと終わらせたいですし、行ってきますね」すくっ


めぐみ「がんばってー!」キャーキャー

美穂「やーんかっこいー!」キャーキャー

向日葵(はぁ……)



〈大室家玄関前〉


向日葵「さあ、行きますわよ」


藍『待って待って、普通にチャイム鳴らして入っちゃうの!?』

向日葵「え?」


めぐみ『向日葵ちゃん、極秘任務だよ極秘任務! 誰にもバレないようにお家に潜入しなきゃ』

向日葵「そんなこと言われたって……開いてないんなら入りようがないですわよ」


美穂『早速予想外の事態ね……向日葵ちゃんならこの家に入る方法をいくらでも知ってると思ったのに』

向日葵「……あ」

めぐみ『どしたの?』


向日葵「そういえば昔聴いたことありますわ。櫻子が一階の小窓だけいつも開いてるから、家に誰もいないのに鍵を忘れたときはそこから入るって……」

美穂『それよ! そこからレッツ潜入!』

藍『さすがね向日葵ちゃん』


向日葵「ここかしら……あ、本当に開いてますわ」からから

めぐみ『よし、潜入できたみたいだね』


向日葵「靴はどうしましょう……」

めぐみ『どっか隠しちゃえ』

藍『じゃあそのまま撫子の部屋へ……』

向日葵「あの、それはいいんですけど……もしこれで撫子さんが何もしてなかったら私はどうすれはいいのでしょうか……」


美穂『んー、そしたらしばらく見つからないように待機してもらうわ』

向日葵「待機!? 誰にも見つからずに過ごし続けろってことですの!?」

めぐみ『静かにー……! 見つかっちゃうよ』


美穂『現行犯として証拠を押収できるならいいんだけど、撫子がもし何もしてなかったら、さっき渡した盗聴器を撫子の部屋に仕掛けて帰ってきて欲しいの』

向日葵「そんなことできるでしょうか……」



がちゃ

向日葵「あっ」

花子「あっ」

一同(あっ!?)

花子「あれ、ひま姉……来てたのかし?」

向日葵「あっ、は、花子ちゃん……!」


藍『花子ちゃんに見つかっちゃった!?』

美穂『向日葵隊員! なんとかごまかしてー!』



花子「こんなところで何してるし? 櫻子なら上にいるけど……」


向日葵「あっ、その……花子ちゃん、こっちに来てくれます?」こそこそ

花子「??」


向日葵「今私……櫻子とかくれんぼしてるんですわ。ですから見つかっちゃいけませんの」

花子「かくれんぼ……?///」


美穂(恥ずかし~~~!///)くくく

めぐみ『美穂! 笑ってる場合じゃないよピンチだよ……!』

藍『めぐみも顔にやけてるわよ……』

向日葵「花子ちゃんにも協力して欲しいんですわ。どこかこの家で隠れられる場所はあるでしょうか……」

花子「んーそういうことなら……花子の部屋でも来る?」

向日葵「いいんですの!? 助かりますわ!」

花子「といっても花子はこれから出かけちゃうけど……」

向日葵「いえいえ、ちょっと隠れてるだけですから大丈夫ですわ。本当にありがとう……!」

花子「これくらいお安い御用だし」



めぐみ『おーやったね!』

藍『花子ちゃんの部屋って撫子の部屋とも近くなんでしょう? これはまたとないチャンスだわ……!』

美穂『さすが向日葵隊員。強運の持ち主でもあるのね』

花子「はい、どうしても見つかりそうになったら机の下にでも隠れて欲しいし」ガチャ

向日葵「ありがとう花子ちゃん……あとでたくさんお礼しますからね」

花子「いいしいいし。それじゃあ」

向日葵「ええ、さようなら」


ぱたん



向日葵「……もしもし、花子ちゃんの部屋に潜入できましたわ」

めぐみ『ナイスすぎるよ向日葵ちゃん!』

藍『どう? その部屋から何か聞こえない?』


向日葵「んん……この部屋からでは」

美穂『少し出て近づいてみて? 撫子がいるかどうかだけでも分かれば……』

藍『櫻子ちゃんにも見つからないようにね』

向日葵「わかりました……」

めぐみ『どうする? これでもう部屋で手を出してる最中だったら!』

藍『何興奮してるのめぐみ』

めぐみ『興奮してるわけじゃないよ! そしたらどうしようかって話!』

美穂『そしたら中に押し入って現場を激写よ。それをダシに撫子を……うふふ♪』


向日葵「もしもし、興奮してるとこすみません」

めぐみ『だからしてないよ!』

向日葵「確かめて来ましたわ。撫子さんも櫻子も、今はそれぞれの部屋にいるみたいです」


藍『どうしましょう……今日は撫子にその気が無かったってことなのかしら』

めぐみ『妹を襲うには格好の昼下がりだと思ったのに……』


美穂『向日葵ちゃん、それなら少しだけ花子ちゃんの部屋で待機しててもらっていいかしら。撫子が部屋を出た時を見計らって、さっき渡した盗聴器を仕掛けて来てほしいの』

向日葵「えっと……これですわね」ちゃっ

藍『頑張ってね向日葵ちゃん。これだけでも成功すれば私たちの勝利よ!』

めぐみ『ところで向日葵ちゃん……櫻子ちゃんとはどんなお付き合いをしてるの?』

向日葵「な、何言ってるんですの急に!///」

めぐみ『だって気になるんだもん……』

藍『あ、私も聴きたい……///』


美穂『撫子もよく言ってるわよ。向日葵ちゃんがあと5年早く生まれてきたら良かったのにって』

藍『じゃあ櫻子ちゃんは幸せ者ね……ふふふ』

向日葵「もう……からかわないでください」

めぐみ『櫻子ちゃんにどんなことしてあげるの?』

向日葵「大したことはしてませんわ。一緒に学校行って一緒に帰ってきて……家にいても櫻子は急にやってきたりしますし、それで一緒にご飯食べたり、お菓子作ったり、勉強したり」

藍『とにかく一緒なのねぇ』


美穂『撫子に聴いた情報だと、朝は起こしに来てくれて、宿題もなんでも手伝ってくれて、毎日美味しいご飯を作ってくれて、いつも好きなだけお菓子を食べさせてくれるって噂だけど』

向日葵「それ撫子さんがふざけて教えたんだと思います……似たようなことはしててもそこまでやってませんわ」



めぐみ『普通にキスとかはするの?』

向日葵「!?///」どきっ


藍『め、めぐみ!///』

めぐみ『あれ? そういう関係だって聴いたけど』

向日葵「…………」


藍『ほら、黙っちゃったじゃない』

美穂『黙っちゃったってことは、毎日はしてないにしても何回かしたことはあるって感じかしら』


向日葵(鋭い……)


めぐみ『向日葵ちゃん大丈夫! 私たちそういう話に寛容だから』

美穂『もちろんキスの先の行為の話をしてくれてもいいわよ?』

向日葵「しません! からかわないでください!///」

藍『怒られちゃったわね』

めぐみ『最後にひとつだけ! これだけ聴かせて?』

向日葵「はぁ……なんですか?」


めぐみ『櫻子ちゃんのこと、好き?』

向日葵「っ…………」


美穂『…………』

藍『…………』



向日葵「もう、こんな無線上で言わせないでくださいな」


向日葵「好きに決まってますでしょう」


めぐみ『……うん! そうだよね!』

藍『あぁ……可愛い反応……///』

美穂『中学生とは思えないわ』

めぐみ『じゃあ向日葵ちゃん、そんな大好きな櫻子ちゃんを撫子の魔の手から救うためにも、なんとか作戦を成功させなきゃね』

向日葵「……ええ、そうですわね」ふっ


向日葵「あっ……!」

めぐみ『なに、どした!?』


向日葵「出ました! 撫子さんが部屋を出てどこかへ行きましたわ!」ひそひそ

美穂『チャンス! 向日葵ちゃん、忍び込んで例の盗聴器を!』


向日葵「了解しまし






藍「…………あら?」

めぐみ「あれ? 何の音も聴こえなくなった」

美穂「あららら、どこかいじっちゃったのかしら」

めぐみ「まあでも撫子が出てったスキをちゃんとつけたみたいだし、作戦は成功したっぽいね」

美穂「たぶんこっちからの音も届かなくなったでしょうし、気づいたら直してくれると思うわ」



藍「ねえ今日帰りどうする? どこか寄ってく?」

めぐみ「あーいいねえ」

美穂「それなら『偶然近くまで来てるの~』って言って撫子も呼んじゃう?」


藍「そうね、向日葵ちゃんの作戦が成功したならあとはじっくり聴くだけでいいもの」

めぐみ「それにしても良かったのかなあ、向日葵ちゃんに嘘ついちゃったけど……」

藍「そうね……でもこのくらいしないと向日葵ちゃんは動いてくれないもの」

美穂「撫子が櫻子ちゃんを襲うっていう微妙なリアリティが向日葵ちゃんを焦らせると思ったの。行為中の激写が一番の目的と見せかけて、本当は盗聴器を置いて来るだけっていうのもカモフラージュになってるはずよ」



めぐみ「それにしてもこの家は面白いね。私も大室家の隣に住んでたら向日葵ちゃんが櫻子ちゃんにしてあげるみたいにできたかなあ」

藍「どっちかっていうとめぐみが撫子に色々してもらうことになっちゃいそうね」くすくす

めぐみ「あーそうか……藍は向日葵ちゃんに似てるタイプだから大丈夫そうかも」


美穂「あら、私も意外と尽くすタイプよ?」

めぐみ「え~うそ~~!!」

美穂「なぁにめぐみ、そんなに意外すぎた?」じとー

めぐみ「想像つかないよ! 具体的にどんなことしてあげるの!?」

美穂「そうね、さっき向日葵ちゃんが言ってたことくらいなら大体こなせる自信あるわ。私はそこにお色気サービスもばっちり入れるけど」

藍「美穂が隣に住んでたら疲れそうね……」

向日葵「もしもし……もしもし」

めぐみ『あ、きた!』


向日葵「申し訳ありません、急いだときにマイクのスイッチを切ってしまったみたいですわ」


美穂『どう!? うまくいった!?』

向日葵「ばっちりうまく行きましたわ。ただ……」

藍「ただ?」


向日葵「ただ、割とすぐに撫子さんが戻ってきてしまって……隠れながら逃げてたら今度は櫻子に見つかりそうになってしまって。そっちに戻れるのはもう少し遅くなりそうですわ」

めぐみ『了解! 気をつけて戻ってきてね』


向日葵「どうです? 盗聴器からは何か聴こえますか?」

藍『えーと……あ、音ひろってるひろってる』

美穂『うまくいったようね向日葵隊員』

向日葵「じゃあすぐに戻りますわね。もう少しお待ちください」

美穂『了解♪』


めぐみ「いやーよかった。向日葵ちゃんは優秀だね」

藍「じゃあ盗聴器の方のボリューム上げるわね」

美穂「これで撫子の生活があらわに……!」わくわく


『……え、……しょ……』


『ねえ、いいでしょ?』


めぐみ「何?」

藍「誰かと話してる……?」


『櫻子……私もう我慢できないよ』


藍「!?///」

めぐみ「はぁっ!? 何これどういうこと!?」

美穂「うそ……まさか本当に撫子が櫻子ちゃんを!?」

『櫻子のここ……やわらかいね』


藍「きゃ~~~!!!///」

めぐみ「やばいやばいやばいやばい!!///」

美穂「お、落ち着いてみんな!!」


『大丈夫。姉妹なんだから、こんなことしても怒られないよ……』


めぐみ「姉妹だからだめなんでしょーーが!!」

美穂「どうしよ……こうなったら大室家に乗り込んででもやめさせなきゃ!」

藍「行くわよ! みんな!」ばっ



『どこに行くって?』


一同「え?」

撫子「もしもーし、みなさーん」ガラッ

めぐみ「ひゃーーーーーー!!!///」

藍「な、撫子!?」

美穂「あっちゃ~…………ばれちゃった♪」



撫子「お嬢さん方……揃いも揃ってひま子の家で何をしてるんですかね……」ゴゴゴ

めぐみ「ヒィ!!」

藍「撫子がすごい怒ってる……」

美穂「お、落ち着くのよ撫子っ」

撫子「落ち着けるかー!! 人の部屋に盗聴器しかけられるなんて聞いたら!」

藍「ごめんなさい……ほんの興味心なの……///」てへっ

撫子「誰だ!? 誰が発案者だ!」

美穂「~♪(口笛)」


撫子「おまえか!!」びしっ

めぐみ「どう見ても私の隣にわざとらしいのがいるけど!?///」ぺちぺち


美穂「ふふふ……皆それだけ撫子のことが好きってことよ」

撫子「綺麗にまとめようとしたってそうはいかないからね。皆今すぐ私の部屋に来なさい!」

藍「それにしてもどうしてわかったの?」

撫子「ひま子が全部教えてくれたよ。あんたらの企みに巻き込まれて困ってるってね」


美穂「はあ、向日葵ちゃんに一杯食わされたか……」

藍「わかった。さっき通信が途絶えたのは、向日葵ちゃんがわざとやってたってことね。そのスキに撫子に全部伝えた……」

めぐみ「すごいなあ向日葵ちゃん。櫻子ちゃんのことが好きだって言ってたから絶対協力してくれると思ったのに……」


撫子「確かにひま子は櫻子が大好きだけどね、私とひま子だって今までずっと一緒に過ごしてきたんだ。ひま子は私のことだって良く把握してるんだよ」

美穂「なるほど、撫子と向日葵ちゃんの絆を計算にいれてなかったわねぇ……」

藍「たぶん一番最初から、向日葵ちゃんは全部わかってたのね」

めぐみ「あれ? そういえば向日葵ちゃんは?」

撫子「さあ、櫻子の部屋に行ったみたいだけど」


美穂「あ」

藍「そうだ、向日葵ちゃんのマイクのボリュームをあげれば……」


『もう、心配したんですから……!』

『なにいってんのさ。私が向日葵以外と……』

『だってもし撫子さんが本気で櫻子をおとしにかかったら……私は勝てる自信がありませんもの』

『大丈夫……私は向日葵が一番好きだよ』

『櫻子……///』

『うふふふ……』

『ああっ、いきなりそんなとこ……!』


美穂「あらあら♪」

めぐみ「うっそー!? 向日葵ちゃんめちゃめちゃよろしくやってるじゃん!!///」

藍「さっき話に聞いたときは中学生らしくつつましい付き合いって感じだと思ったけど……?///」

撫子「言っとくけどひま子たちはもうずっとこんな関係だよ。私も毎日あてられて困ってるくらいね」

美穂「はあ、まだまだあなたたちの事情に疎かった私たちの負けね」


『もう絶対離しませんから……///』

『私だって……』

『ああぁ、櫻子……!』


めぐみ「ええっ、うそっ、えええ~~~!?///」

撫子「いつまで聴いてんのさ!! 盗聴行為は犯罪だよ!」びしっ

めぐみ「だってだって、二人はまだ中学生なのに~~~!!」



~fin~

短くて申し訳ないです。

ありがとうございました。

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