女神「もう疲れたから魔王を勇者に認定します」魔王「はぁ!?」 (9)

魔王の間

女神「ってわけで、勇者になってください!」

魔王「・・・はぁ?」

女神「いえですからね、貴方を勇者認定します!」

魔王(人の魔城に来ていきなりなに言ってるのだこの小娘は?・・・・とりあえず)

魔王「・・・・話は聞いてやる、何しに来た女神よ!!」

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この世界はよくあるテンプレな世界だった

女神が世界を、人間を、動物を、植物を、万物を創造し、

やがて彼らの負の側面がより集まるなり、魔界の門が開くなりで魔王たる我が生まれ世界を壊す

そして女神が選ぶなり、我の破壊の残滓から〝勇者〟が生まれ我を討ち滅ぼしに来る

まぁ殺される気はさらさら無いんだが・・・・・

現に我は世界全てを憎んだある邪教の一派がその負の念を糧に邪神として魔界から我を呼び

その盟約により今現在この世界で時に国を焦土と化し、時に数億の魔物の軍勢を召還し民をむさぼらせる

どこにでもある世界、そんなことはいくつもの多元世界を垣間見ることができるあらゆる世界の神々や魔王には当然な設定、常識、当たり前

なんだが・・・・・

女神「もうね、疲れたの・・・・」

などと、なぜこの女神はどこからとも無く出したちゃぶ台に両肘を乗せて、すさまじいため息を吐きながら我に語りかけているのだろう

魔王「・・・・その台詞をもう百回は聞いたぞ、クソ女神」

女神「えっ?そうでしたっけ?」

淫魔「そーですよ!!いきなり魔王城に正面から我らの軍勢をなぎ払いながら単身突入してきたあげく、いきなりわけのわからないこと言い出してかれこれ10時間も魔王さまを困らせるなんて!!?貴女本当に女神なの!?」

魔王「うむ、いい加減貴様が何について疲れたのか本題に移れ、さすがに我も正座で貴様の溜め息を浴び続けるのは我慢の限界だ・・・」

女神「だからですね、魔王、貴方が私の勇者になってくれるって誓うなら今すぐかえr」

魔王「だから断る!!・・・・っというやりとりを百回以上繰り返しすのに疲れたから理由を話せと言っておるのだ、わかったか、馬鹿女神?」

女神「あっ・・・・そういう流れでしたか、すいませんもう疲れがピークでして・・・グスッ・・・」

淫魔「おわっ!!?女神がいきなり泣き出した!!」

女神「き、聞いてくれますかぁ?」

魔王「ああ、もうさっさと話して帰ってくれ・・・・・・」

女神曰く、それはある晴れた日の朝だった、朝起きて焼けたパンを蜂蜜にどっぷり漬けて丸かじりしていた時だった

女神はこの時我の噂を聞き、我を軽く覗き見したらしい、

その時「うわぁ~、これ絶対大魔王クラスはあるよ~」なんてこいつにしては珍しく正当な判断を下したらしい、

こいつにも最低限の力の見積もりが可能らしく、結果、今回の魔王は勇者を四人から五人くらい呼ぼうという結論にいたったらしい

魔王「うむ、まぁ妥当な判断だな、ちなみに我は魔界では〝超神〟魔王だったぞ、おしかったな」

淫魔「まぁ魔王さまなら第一形態でもそのくらいの評価は受けますよね、そいでその勇者さんたちは?」

女神「そ、それがですね・・・・・あはは・・・・」

第一の勇者はこの世界の農民から選んだらしい、潜在能力重視で選考した結果一人の青年が当てはまった。

女神は聖剣と潜在能力の開放により得られる膨大な魔翌力を活かす為、魔術のあらゆる知識をそいつに与えた。

魔王「ふむここか・・・・・」

淫魔「あーもう!神殿の周りの雑魚無駄に体力多すぎ!!ヴァンパイアモードとか久々ですよ!魔王様!」

女神はそいつの旅路に時には優しくアドバイスをし、時には奇跡をいくつも実行してやり、そいつは一躍人間どもに祭り上げられた。

女神「うぅ・・最初は農民だからほんのすこし背中を押してただけなんです・・・」

やがてそいつは女神の奇跡や加護と聖剣の能力を自分のモノと勘違いし、あろうことか

第一勇者「むぅめぐぁみすああああまぁあああああああああああああああああああああ!!!」

女神「ひぃ!!」

自分が世界で女神に一番愛されていて、しかも代理人だからと新興宗教立ち上げた挙句、自分を女神の夫たるべきと考え強引に関係をせまったそうな。

第一勇者「やっぱり、俺と女神さまは相思相愛なんだべぇ!!ほら、恥ずかしがる必要ねぇぺっよ!俺のこと好きだーっていっでみ!!」

淫魔「うっわ、これが勇者?女神さま趣味悪すぎ・・・」

当然女神は断ったそうな、けどそれをどう受け取ったのか、この勇者は自分がもっと偉くなって女神を超えれば女神を自分のモノにできると考え、自分の宗教を世界に押し売り、もとい宗教戦争をふっかけ、

魔王「・・・・こんな馬鹿を勇者にしたのか・・・女神」

女神「・・・・こんなはずでは・・・」

総被害は5つの大国に無理やり国境として認めさせ、4つの国を滅ぼし、かつ

女天使「もう、いやぁ、助けてぇ、女神様」グプッ

天界の5割を侵略し、天使や民衆を奴隷として売りさばく〝教主〟さまになったんだとさ。

その男は神殿の神座にまるで自分が神だというようにどっかりと座っていた。

全身は[ピザ][ピザ]と脂肪が重なり、もはや勇者として見るのは不可能だろう。

部屋の中には香・・・おそらく脳の働きをおかしくさせる麻薬が炊かれ、その中で男は数人の美しい天使に首輪をつけて遊んでいた。

教主「おやぁ~その人だぁれ、女神さまぁ~?」

女神「この方は貴方を止めてくれる偉大な本当の勇者様です!」

魔王「・・・いやOKしてないぞ?」

淫魔「そうですよ、何勝手に決めてるんですか」

教主「むふふ、そんなブサイクが勇者とかムリがあるよぉ~女神さん、嘘ついて僕の気を引いて激しく奪って欲しいお年頃かなぁ~」

淫魔「ちょ!!」

魔王「・・・淫魔、我はそんなにブサイク・・・か?」

淫魔「魔王様!!しっかり!!たしかに化物面だし角4本で羽生えてるし六本腕キモイナーとか思ってますけど、あれよかはマシですよ!!?」

女神「醜いのは貴方です第一の勇者だった者よ、私は貴方を救世主として選びはしましたが、断じて代弁者やましてや・・・・ましてや夫として選んだつもりは断じてありません!!」

教主「もう~、まぁたそんな嘘ついて~・・・」

女神「嘘じゃありません!!私は貴方にそれ以上の期待はしていないのです、だから速くこんな教団解散して」

教主「うるせぇなぁ!女神さんよぉ!!?」

女神「ひぃ!?」

教主「さっきから聞いてりゃアよぉ?あ?お前が俺を選んだんだろぉ?それをここに来て違いますって!?」

教主「責任感ねぇのかよあんた??お前が俺をこうなるようにしたんだろ?じゃあn黙って言うこと聞けよ?」

女神「な、なにを言って・・・」

ミチミチミチッ!!

突如教主はそれまで嬲っていた天使達の翼を食いだした。

女神「っ!!やめなさい!!」

教主「あぁ!どぁうあかぁらぁ命令すんなって!!、お前の所有物は俺のなんだよ!!」

教主「なに?お前がくれた力で手に入れたんだから良いでしょ、俺の好きにしても」

なんて言われて女神は何も言い返せず自分の服のすそを掴みブルブル泣くのをこらえだす

目の前の天使達の扱いに対してか、目の前の勇者のなれの果てに対してか、あるいは力を与えすぎた自分への罪悪感か・・・・

どちらにせよ魔王の威厳に関わるし、そろそろ我が出ねばなるまい。

魔王「して女神よ、話をまとめるぞ?」

魔王「貴様は我を滅すために勇者を数人選んだ、が、どういうわけかそやつらが暴走」

魔王「我よりも世界にとって危険な者になったから我に頼みにきた・・・と?」

女神「うっ・・・は、はい」

魔王「自業自得でしかもそれで疲れたなどとほざいておったのか・・・・」

淫魔「救いようがありませんね・・・」

女神「し、しょうがないでしょ!!だって女神だって相手の人格とかまではわからないんですもん!!」

淫魔「次は責任転嫁しだしましたね・・・・」

教主「あーなんか蝿がぶんぶんぶんぶんぶんと、うる、さい、なぁ!!」

突如教主は手に巨大な光り輝く剣を作りだすと、目の前の我らに向けて、周囲の天使を巻き込みながら切り払った、

途端巨大な神殿の半分が周囲に撒き散らされる膨大な衝撃波と熱波で消し飛んだ。

教主「うるせぇんだよ、俺のモノにならないなら消えてよ、ぶひゅwwww」

魔王「なるほど・・・良い度胸だ」

教主

教主「??え?え?なんで俺の究極光熱剣魔法を受けて・・・・あ、そうか避けたのか、卑怯な奴だなオマエェ!!!」

魔王「たわけ、避けてなんぞおらんし、卑怯でも無いわ」

淫魔「あーすいません、私が弾いとけばよかったですかね?」

魔王「いや、あの程度なら目覚ましにもならんよ」

女神「・・・そんなあの一撃を受けて」

教主「ぶひゅ、ぶひゅひゅひゅ、俺の一撃が〝あの程度〟ぉ~!??ふざけるなぁ!!!」

教主を中心に上空と床に半径数キロの巨大魔方陣が高速展開される

魔王「・・・・〝神罰〟か、避けるまでも無いな」

教主「ぶひゅ、じゃあ、避けるんじゃねぇぞ!!!」

途端天地の魔方陣の魔翌力が爆発的に跳ね上がり、何重層にも増える

魔王「な!?神罰の〝複製〟か!!」

教主「死んじゃえ!!」

魔方陣が発光とともに空間に穴を開ける規模の轟雷が何億も我らに向かってふりそそぐ

さすがに淫魔にこれはきつ過ぎるので、とりあえず全ての手を上空に掲げ受け止める

魔王「っ・・・・ぐぅ・・・・!!」

たかがこのような男の攻撃に一端のダメージを受けていることに若干腹が立ってきた

なのにだ、

教主「あれ~この程度、ならもう、しんじゃえよぉ!!」

教主は立ち上がると腰元の聖剣を抜刀する

淫魔「っ!魔王様!!」

女神「魔王!!」

その剣は膨大な聖なる光を発し始めると雷の速度で我に切りかかる

その剣が我の身体を切り抜けると周囲に爆炎が生まれた

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