真姫「ウェルカムソング」 (67)

真姫ちゃん主人公のifストーリー。
書き為はほとんどしてないです。
よろしくおねがいします

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新たな春を迎えた。
春といえば新しい事や初めての始まりの季節。

初めて着る制服、初めて会う同級生、初めて入る校舎。

普通の高校生なら何もかもが新鮮で新しい楽しみが始まるそんな季節だろう。

でも私は違う。
「普通」なんかじゃない。

親に作られた道を歩くだけの操り人形。
そこに新鮮さや刺激といったものは微塵もない。
平凡とは程遠いがとてつもなく平凡に近い人生を送らされる。
…私って何が楽しくて生きてるんだろう。

そんなくだらない考えから始まった高校一年生の春。

この時の私はまだ硬い殻に包まれたままの小鳥でしかなかったんだと思う。

一日の授業が終わり、私は一人音楽室に向かう。
普通の高校一年生なら新しくできた友達と遊びに行ったり、おしゃべりをしながら時間を潰したりするものだろう。

だけど私はいつも一人だった。

決して友達がいないわけじゃないの。
一人が好き、ただ…それだけ。
誰にも邪魔をされないこの「音楽室」という空間が何よりも好きだった。
音楽だけは私の中のしがらみを忘れさせてくれる。
そしてなにより夕方になると、窓から夕日がさしてくる。
この夕日が私はとても好きだった。

私は譜面台に自作の楽譜を立てかけ、白と黒の綺麗な鍵盤に指を置く。
普段は既存の曲しか弾かない。
だけど今日は自作の曲を持ってきた。
夜中にふと思いついてそのまま書き起こして…正直ワクワクしながら学校に来てしまった。

息を吸う、肺が満たされる。

愛してるばんざーい♪

ここでよかった♪

わたし達の今がここにある♪

愛してるばんざーい♪

………

指が止まった。

自分だけで作った曲。
密かに胸に秘めた期待を持ち帰る。
家で続きを作ろう。

その日、私は夕日を見ることのないまま家に帰った。

本日はここまで


期待

あの日から2週間経った。
私は変わらず一人のまま。
…別に寂しくなんかないわよ。

そんな風にひとりぼっちで玄関へ向かう生徒達を見ていた。
皆楽しそうにお友達とお話をしている。
話の内容はやっぱり普通の内容。
カラオケ行くー?とか服見よー?とかそんなの。
…だから寂しくなんかない!

そう考えていると私はあの音楽室に行きたくなった。
別に寂しかったわけじゃない。
強いていうなら『何故か惹かれたから』としかいえないかな。
でもこれが私の人生が変わったひとつのきっかけかも。

2週間前と何も変わらない音楽室。
授業以外で使われることのないピアノ。
このピアノと二人きりになると何故か優越感にひたれる。
独占出来てるからかな?今なら音楽が恋人っていう人の気持ちがわかるかも、ふふふ。

2週間前と同じように鍵盤に手を添える。
楽譜はない。必要ないと思ったからだ。

「~~~♪ ~~~♪ ~~~♪」

突然思いついたフレーズ。
我ながら良い出来だと思った。
歌詞はまた今度付けるとしよう。

でもこれが私を厄介事に巻き込んでしまったのだ。

自分の演奏に酔いしれていると、音楽室の扉が勢い良く開く。
驚いた私は軽く悲鳴をあげ演奏の手を止める。

「きゃぁ!な、なによ!」

あのリボンの色は先輩だ……
息を荒らげて私を見つめる先輩が口を開く。

「ハァ…ハァ…私達の為に…を……ってくれませんか?」

「えっ?」

「すみません……ちょっと待ってください……」

そういうと彼女は深呼吸を始めたの
………なんだか変わった人。

「ふぅ………すみません、お待たせしました。」

「突然ですが、私達の為に曲を作ってくれませんか?」

その場の空気が固まったような気がした。
ただ私がかたまっただけかもしれないけど私にはそう感じた。

あまりの突然さに私はマヌケに口を半開きにしてた。
私の表情で察したのか、その先輩は事情を話し始めた。

「突然おかしなお願いをしてしまってすみません…申し遅れました
私の名前は園田海未、二年生です
この学校でスクールアイドル活動をしています
今日は貴女に作曲のお願いをしたくてここに来たんです」

「は、はぁ……?でもそんなに急いでくる必要はなかったんじゃ?」

「それは前に来た時にすぐ出ていってしまったので…まぁその話は置いておいてここまでの経緯を話させてもらってもよろしいでしょうか?信頼を得るためということで」


それから園田先輩は自分のことと幼なじみの穂乃果さんとことりさんのことを話し始めた。

本日はここまで。
読んでくれてありがとうございます。

海未ちゃー

いい感じの雰囲気
期待

――――

「……そして私は穂乃果の勢いに負け、スクールアイドルの加入を余儀なくされたんです。」

「……先輩も大変なんですね」

「そうでもないですよ。
なんてたって生まれる前から幼なじみですから。こんなこと日常茶飯事みたいなものです。」

優しい笑顔をしながら園田先輩はそういった。
生まれる前から幼なじみ……か。
私もそんな友達がいたらこんなひねくれてなかったのかな。

「そして2週間前のあの日、私とことりは穂乃果に呼び出されて音楽室に向かったんです。」

「あの日……私は先輩たちなんて見てませんけど…」

「ええ、私達が隠れて見ていただけですからね」

「なんで入ってこなかったんですか?」

もしかして私の様子がおかしいかったせい…?
その姿を見られてたとしたら少し恥ずかしい……

「それは……貴女が勢いよく音楽室を出る少し前に穂乃果が用事を思い出して私とことりを置いて帰ってしまったんですよ……」

「おかしな人ですね…」

「ええ…そのおかげで貴女が出ていく前に部屋には入れず、ことりと二人で呆然と立ち尽くしてましたよ」

思わず口角が上がる。
こんな人がそばにいたら自然と場の空気とか和むんだろうなぁ…

「…おや?」

「どうかしました?」

突然園田先輩がニッコリする。

「ようやく笑いましたね?」

これが園田先輩こと海未との出会いだった。

時間は飛んで?’s3人でのファーストライブの日。

観客は私を含めて5人。
私、凛、花陽、にこちゃん、希。
今の?’sのほとんどのメンバーね。
…まぁにこちゃんと希はこっそり隠れて見てたけど。


海未達が歌った曲は私があの日海未に聴かれたワンフレーズを元に作った
『START:DASH!!』
私としてはこの曲はなかなかの出来だと思う。


「おつかれさま」

そういって私はドリンクを渡す。

「ありがとう真姫ちゃん!」

笑う穂乃果

「ありがとう…」

少し疲れ気味のことり

「ありがとうございます……」

複雑そうな表情の海未


この時、私は正直落ち込んでいたの。
だって初めて人に提供した曲を聴いたのがこの程度の人数なんて嫌だわ
もっと集客力をこのグループにつけないと……ね?

この時その場にいた全員がそれぞれ別々の思いを抱えていたはず…
だけど誰一人として諦めてはいなかったと思うの。
だって今があるんだもの…フフ

すると控え室になっている体育館倉庫の扉が開く。

「あ、あの!!」

そこには眼鏡をかけたお淑やかそうな女の子と動揺している短髪の女の子。

「私とこの子を?’sにいれてください!」

その場にいた全員が愕然とした。
一人を除いて。

「いいよ!!」

穂乃果のあっさりとした許可にさらに愕然としたのは言うまでもない。

「なら作曲者の私も入れなさいよ」

多分みんな腰を抜かした。

>>20
すみません文字化けはわかるとは思いますがミューズです

今日はここまでです。
読んでくれてありがとうございます!

乙やで

メンバーが6人になり更に活気がましたμ's。
部活としての申請ができる5人以上になったので早速申請に向かう。

「申請は私と真姫と穂乃果で行ってきますので皆はことりを中心に練習をしていてください。」

「はーい」


―生徒会室前―

私はなんとなく疑問に思ったことを訊いてみる。

「ねぇ…なんで私が一緒に申請しに行かなきゃ行けないのよ」

「そりゃ作曲担当だからだよ!!」

穂乃果が答える。
別にそれなら必要ないじゃない……

「私が一年生で一番しっかりしてると判断したからです。」
「こういった大事な伝達すべきことなどを上の者に通達することはなるべく慣れておいたほうが後々助かるんですよ?」
「言葉遣いや礼儀、無礼のないよう務めれる人間に真姫にはなって欲しいんです」

私のことを考えてくれていたのね…
照れるじゃない…

「教えてもらわなくてもそれくらいできるわよ?」

「わかっていますよ、実際に体験しておくことも大事です」

ちょっと嬉しかったり…ふふふ
海未はしっかりしてて頼りになるわね

「ありがとう……」

穂乃果に視線をそらす

「……えっ?なんで穂乃果をみるの!!」

「なんでもないわよ…」

リーダーがこれだもの…

ぼーっとしてトリップつけたら間違えた…トリップ変えますね…

コンコンと軽い音をならし、開く扉。
そこにはあの2人が待ち構えていた。


「あらいらっしゃい、どうしたの?」

「あらあら~うちは今えりちとランデブーしてたのにぃ」

いつも通りの二人…
そう、絢瀬絵里と東條希である。


「絵里ちゃんやっほー!のぞみちゃんも!」

「今日も元気いっぱいやな~」

「なに?遊びに来ただけなの?」

穂乃果を見て笑う二人。
まるで三姉妹ね…

「こら、穂乃果!今日は真面目な話なんですよ!」

「あーそうだったそうだった……」

「真面目な話?どういうこと?」

「も、もしかして…自主退学?」

「そうなの希!?なんで希が知ってて私は知らないのよ!!ひどい!!」

ネタが仕込んであるんじゃないかしらこれ…
こんな人達でも生徒会を運営できるのが不思議ね…

「ち、違うよぉ!部活動許可の申請をしにきたんだよ!」

「もう…おかげさまで真姫に真面目なやりとりを見せれなくなったじゃないですか…」

「え?まき?」

「あーもしかしてそこにいる子がまきちゃん?」

「は…はい……西木野真姫です…」

私もしかして今まで気付いてもらえなかったの…?

「話は聞いとるで~ツンデレまきちゃんやろ!」

「なっ、ツンデレってなによ!」

「とりあえず自己紹介した方がいいかしら?」

「あっ…いえ絢瀬絵里さんと東條希さんですよね…」

「あれ、うちのことしってるん?」

「ええ…まぁ…」

「まぁ私と希は生徒会長と副会長だから知ってるわよね」

「とりあえずよろしくな、まきちゃん?」

握手を交わす。
触れる手の温かみがとても優しい。

「本題に入りますね」

海未が話を切り出した。

「部活の申請でしょ?部員集まったならいいわよ~」

「えっ」

「そうやなぁ~みんな仲良しみたいやし、正直羨ましいわぁ…」

「ちょちょっと待ってください話すらしてないのにもう受理ですか!?」

「うん、だって部員集まったんでしょ?」

「ええ…確かに集まりましたけど…」

「ならいいじゃない!いいなぁアイドルかぁ…」

あれ、本当に私が来た意味ってなんなの……
なんだか頭が痛くなってきたわ…

「なんかすぐ終わっちゃったね」

穂乃果が耳打ちしてくる。

「そうね…私いじられただけじゃない…」

「いや悪い人たちじゃないから大丈夫だよ!仲良くなれるよ!」

「なぁなぁ?何二人でこそこそ話してるん?お姉さんも混ぜて~」

希がちょっかいをかけてくる。

「東條先輩には関係ないコトですよ…」

「東條先輩…か…うーん…まきちゃん!」

何か閃いたような顔をする希
この時はまだ先輩付けでよんでたわね…

「なんですか…?」

「希って呼んでや!」

「はい?」

「先輩なんてつけなくてええから!」

「いいわねそれ!私のことは絵里って呼んでいいわよ?」

「えっ?えっ?」

「じゃあ穂乃果のことも!」

「えー……」

「私も呼び捨てで構いませんよ?」

「………」

どうしよう、先輩のことを呼び捨てか……
うーん…

「わかった…わよ…」
「ただし、凛と花陽にもそうさせてよね!」

「もちろんだよ!」
「早速………」

穂乃果が顔をのぞき込む。
なによ……

「ほらほら呼んで欲しそうにしとるよ?」

「い、今!?」

「はやくぅ~!!」

「……」

「もしかして恥ずかしくて呼べないのかしら?まきちゃん?」

いたずらっぽく煽る絵里。
私って煽りに弱いんだなってはっきりわかったわ…

「ぜんぜん恥ずかしくなんてないわよ!…早く行きましょ!」

「あれ呼んでくれないの?」

「行くわよ海未!!穂乃果!!ほら呼んだんだからはやく!!」

「やった呼んでくれたよ~!!」

子犬のように喜ぶ穂乃果。

「じきに慣れますよ…ふふ」

優しく微笑む海未。
…μ'sに入って良かったなってこの時初めて思った。
いい人に巡り会えたなって。
…なんかはずかしいわね

こうして私達は正式な部活として認められたのよね…
ここで知ったんだけど、μ'sって名前はファーストライブの直前に絵里と希が二人で考えてくれたんだって
本当にお姉さんみたいね……ふふ

――
「えりち、本当にいいの?」

「なにが?」

「穂乃果ちゃん達と一緒にやりたいんじゃないの?」

「…そりゃそうよ、でも希一人にここを任せるわけにはいかないじゃない…」

「うちのことなんか気にせんでええのに…」

「気にするわよ…だって友達…でしょ?」

「そやな…ふふふ、ありがとうえりち」

「こちらこそ…希」




――


「なによ…あのアイドルみたいなことしてる人達…」
「わたしを差し置いてやるなんて数万年早いわよ!!」
「覚悟してなさい……」

本日の更新は以上です
読んでくれてありがとうございます!!

トリップの付け方間違えるなんて…自分バカだなぁ…

酉のセンスがおっさん

乙でございます

夏真っ只中、この頃希の提案した「先輩禁止」によりわたし達一年生は海未達を先輩付で呼べなくなったのよね。
今ではすっかり慣れちゃってるけどね…

暑さに負けじと全員が気合を入れて次のライブへ全力で練習をしている屋上。
普段通りに練習が進めばよかったが、やっぱり何かしらの問題は発生する…
まぁそんなものよね、私達は。

「ちょっとあんたたち!!誰に許可をもらってアイドルしてんのよ!!」

屋上に押し入ってきたのはツインテールの可愛い女の子。

「えっあなたは?」

穂乃果は問う。

「私のことはどうでもいいのよ!あんたがここのリーダーね?誰の許可を得てここで練習をしてるのよ!!」

穂乃果に向かって牙を剥く。
まぁ牙といってもハムスターやリスのような牙に見えるけど……

「そ、それは…」

戸惑う穂乃果、そこへすかさず海未が助太刀に入る。

「私が生徒会に部活動申請をしっかり出しているので文句を言われる筋合いはないはずですが?」

海未が反論する。
その目つきは獲物を狩るような…そうねライオン辺りかしら?
飢えたライオンの様な目つきだったわ。
正直…恐ろしい…

「……そうね」

萎縮するツインテールの子
せっかくなので私も何か言ってみよう
……ちょっとからかってみようかな

「あなた、もしかしてμ'sに入りたいの?」

「え゛っ゛!?」

図星……なの?

「え…」

「そ、そんなわけないじゃない!!バカびゃないの!!!!!!!」

あっ噛んだ…

「噛んだにゃ」

「噛んでなんかいないわよ!!これは……その……あれよ!!アイドルなんだから少しはおちゃめらしさを出さないと!!」

「アイドル??ねぇねぇかよちん、この人見たことある??」

「いや……記憶にはないかなぁ……」

「………あー!!これから事務所行かないといけないんだった!!!はやくいかないとー!!!」

とんでもなく棒読みね…

「覚えてなさいよ!!次きた時までにやめてなかったらただじゃ済まさないわよ!!!」

勢いよくドアは閉じた。
嵐のような子だったわね……

「あの子…行っちゃったねぇ……」

「それも捨て台詞を残して…」

ああいうのを変人っていうのかしら…

「覚えていろもなにも名乗っていかなかったから覚えようがないじゃない…」

「どうやら三年生のようでしたがまぁいいでしょう…練習を再開します」

その日から毎日来るようになったあのツインテールの子。
まぁにこちゃんなんだけどね。

「あんたたちまだ解散してなかったのね!!」

「貴女にとやかく言われる筋合いはありません」

「わたしを差し置いてアイドルをやってるなんてあんたたちは見る目がないわよ!!」

「ええ、私達は無理矢理勧誘なんてしませんからね」
「まぁ貴女のような人は要りませんけど」

…なんか海未すごく毒舌じゃない?

「ちょっと海未ちゃん…言い過ぎじゃない?」

「いえ私は正しいことを言っているだけですよ?」

「まぁまぁ海未ちゃんも少し落ち着こうよ~」

ことりが海未をなだめる。
確かにあの言い方は少し…ね。

「別にいいわよ!!こんなグループ潰れちゃえばいいのよ!!ふん!!」

屋上から立ち去るにこちゃん。
次の日ももちろん来たわ。

「あんたたちもしつこいわねぇ!!」

「しつこいのは貴女ですよ…」

「まぁいいわよ!!今日は特別に見ててあげるわ!!」

にこちゃんのメンタルは鋼で出来ているのかしら…

いつも通りに練習を続ける私達。
すると海未がこんなことを言ったの。

「そこで見ているなら参加してはどうです?」

「えーなんでにこが参加しないといけないのー?」

「見られていると皆の士気が下がります、正直邪魔です」

「ええーひどぅい!!にこにーは皆のアドバイスをしてあげようと」

「いりません、結構です」

「……そう!!だったらいいわよ!!ふん!!」

そういって出口へ向かうにこちゃん

「……」

「さて邪魔者はいなくなりましたし練習に戻りましょう」

「はーい!!」

………少しずつ足取りが重くなってるわね

「…………うぅ…うぇ…」

嗚咽が聞こえるんだけど…

「ねぇねぇ海未ちゃん」

「なんです穂乃果?」

「にこちゃん引き止めてあげなくていいの?」

「いいんですよ」

「そっかぁ……」

私はここで不思議に思ったのよ。
邪魔ならなんで練習に誘ったんだろうって…

その日の帰り道。
私は海未に訊いてみたのにこちゃんについて。

「ねぇ海未…」

「なんです真姫?」

「あの…にこちゃんのことなんだけど…」

「ああ…なんであんなに冷たい事を言うのか?ってことですか?」

「そうよ…少し言い過ぎじゃない?」

「ああいうタイプの人には冷たくした方がいいんですよ…優しくするとその分図に乗るので 」

「でも言い方が…」

「いいんです、本当にμ'sのメンバーになりたいのなら意地でも通うはずですから…きっと明日も来ますよ」

「そう……」

「安心してください、メンバーになった日には私からちゃんと謝るので大丈夫ですよ?」
「真姫は心配せずにいつも通りでいてくださいね?」

「わかったわ…ごめんね海未…」

何故かわからないけど私は謝っていた。
多分海未にこういう役をやらせてしまっていることに罪悪感を覚えたんだと思う。

「そうだ真姫、ひとつお願いがあるんです」

「お願い?」

「もしこれがうまくいった時にしたい事があるんです」

眠いのでここまでです
読んでくれてありがとうございます(・8・)

!makinyan良かったよ

まきにゃんいいデッショー
ネコミミ生えた真姫ちゃんとか天使でしかないもの

ゆっくり続き待つ、乙

さすが海未ちゃんやね

>>49
ここではお約束で貼らないの?

お約束じゃなかったんだよ言わせんな

>>50
ここに貼る理由はないよ
あっちのスレでは猫+真姫といえばこの画像だな、と思って貼った訳だから

そして次の日。
海未の言う通りまたにこちゃんはきた。

「どうもー!!らぶりーにこにーこと矢澤にこでーす!!」

「では練習を開始します、今日はストレッチと柔軟を中心に行っていきますね!!」

「無視?」

「みなさん広がってくださいね!!」

しっかり無視してるわね…

「あの……海未ちゃん?」

流石に花陽も海未の不自然さが気がかりのようね。

「ほら凛と花陽ももう少し離れて!!」

それを遮るかのように注意をする海未

「はーい」

「……」

この後海未は花陽達に謝っていたわ
海未も辛いだろうに…

「もういいわよ…」

そういってにこちゃんは屋上を立ち去った。

「ねぇ海未ちゃん……」

ことりが不安げに話しかける。

「大丈夫です…」

海未はことりの言いたい事が分かっていたようね…
見ているこっちも少し来るモノがあるもの…




でもって次の日、黒髪で長髪の女の子が訪ねてきたの。

「皆さんこんにちは!」
「よろしければ練習に参加させていただけないでしょうか?」

「………」

「ねぇ海未ちゃん…誰だろうね…」

「えーっと……匿名希望じゃだめですか?」

「まぁいいと思うよ~この子カワイイし!!」

ことりは騙されてるわね…

「いえ…そんなことはないですよぉ… 」

……なんでみんな気付かないのかしら

「確かに可愛いよ!凛ちゃんもそう思うよね!」

「でもかよちんの方が可愛いと思うなぁ」

「そ、そんなことないよぉ!凛ちゃんも可愛いよ!」

「そんなことないにゃ!かよちんの方が凛よりずっと可愛いよ!」

相変わらずこの二人は……

「ふふふ……楽しいお二方ですね…」

「ええそうですね」

「いつもにぎやかで素敵ですね!!」

「ところでにこさん」

「はい?」

「えっ」

その女の子の返事に私と海未以外が驚く

「あっ」

もちろんにこちゃんもしまったという顔をして目を逸らす…

「やっぱり貴女でしたか……」

「えへへ……バレちゃったらしょうがないわねぇ!!私が練習を見てあげるわよ!!」

「素直じゃないわね…」

「真姫ちゃんが言えることじゃないにゃ」

「ちょっと凛!!もう…」

和気藹々とした空気はすぐに切り裂かれる。

「練習に参加しないなら出ていってください!!」

海未が叫んだ。
怒りが頂天に達したみたいね…

「ちょっと海未ちゃん!!」

「邪魔なんですよ、いい加減にしてください!!」
「貴女が来るせいで時間が無駄になるで
す!!」
「今こうしている間も時間は経っているんです、もったいないんですよ!!」

「ちょっとあんたねぇ…!」

さすがにこの状況はまずいわよ…
止めないと……

「ねぇ海未、そのくらいにしておいた方が…」

にこちゃんに見えないよう海未は人差し指を自分の口元に当てる。
しーっのポーズ…はいはいわかったわよ…

「貴女は何の為にここに来てるんですか?」

「それはあんたたちがしっかりと練習をしてるか見てるのよ!!」

「何故メンバーでも関係者でもない貴女が私達のことを気に掛けるんですか?」

「そ…それは…その……」

「また黙り込むんですか?」

「違うわよ!!」

「じゃあ早く、理由をどうぞ?」

「………から…」

「何ですか?聴こえないですよ?」

「……μ'sが…」

「μ'sが何ですか?言えないんですか?」

煽る海未ってのも新鮮なものね…
その煽りに我慢できなくなったにこちゃんは怒鳴り散らす。

「もううるさいわね!!!私はアイドル活動をしたいの!!最初は潰す気まんまんだったのに気付いたら入りたくなってきて………」
「ついには体調管理ができてるのかとかこんな態度でアイドルとしての愛嬌とか心構えはできてるのか心配で…」

「そうでしたか、なら早くそう言って欲しかったですね」

しかめっ面だった海未の表情が一変し笑顔になる。
その変化ににこちゃんは驚き硬直する

「ようやく本心を話してくれましたね、にこ」

「えっ…?な、何言ってんのよ急に笑顔になって…」

「今まですみませんでした…」

「えっ?えっ?」

動揺を隠せないにこちゃん。
そりゃそうよ、直前まで煽ってきてた人がいきなり謝るんだもん…
ああそうだ、私は準備しないと…

「貴女に対する態度、あれは全部演技だったんですよ…」

「うそ?え?」

「海未ちゃんおつかれさま、ここからは穂乃果が話すから準備してきてちょうだい!!」

「え?ちょちょっとどういうことよ!!」

「ごめんねにこちゃん…これはにこちゃんの本心をきくための芝居だったの!!」

「はあぁ!?」

「でも穂乃果は嬉しかったよ?にこちゃんが小馬鹿にしつつも私達の心配をしてくれているのがわかったから!!」

「そ、それは…まぁ私も言い方があまりよくかったわ…」

「それでね、悪いことしたなぁって思ったからにこちゃんのためにライブをしようと思ったの」

「そうなのォ!?」

「凛きいてないよ!?」

「ちょっとメンバーに話してないってどういうことよあんたたち!!」

「あー…それはね、これは新メンバーを歓迎するためのものだから!!」
「だからこの曲は正確にはにこちゃんと花陽ちゃんと凛ちゃん、真姫ちゃんに送るウェルカムソングなの!!」

「まぁ私は作曲担当だから知ってたんだけどね…」

「真姫ちゃん隠してるなんてずるいにゃ!!…もしかしてさっきからことりちゃんと海未ちゃんが見当たらないのは…」

「そういうこと!!」

「おまたせ!」

「少し着替えに手間取ってしまいました…」

「あんたたち…よくも騙したわね…」
「でもこのサプライズ…キライじゃないわよ」
「あんたたちの為に入ってあげるわよ!!感謝しなさい!!」

「ありがとうにこちゃん!!」
「言うの遅れちゃったけど、真姫ちゃんも花陽ちゃんも凛ちゃんも入ってくれてありがとう!!」
「この曲は私達三人から送る感謝の曲!!」

こうして初めて『ウェルカムソング』は贈られた。
みんなを迎え入れるお祝いの曲。
一時はどうなるかと思ったけどなんとかなったわね…
ウェルカムソング…か…
入学当初の私じゃ考えられないわね…
一人が好きとか言っていた私はどこへ行ったのかしら…?
今となっては『μ's』のみんながいないと寂しくてどうにかなりそう……
なんてね。
ちょっとこれは言い過ぎね。
でもこう言っても過言ではないくらい私の中でこの『μ's』は大きな存在になっていることは確かね。
…感謝したいのはこっちの方よ。
ありがとう…

「じゃあ見てなさいよ1年生!!らぶりーにこちゃんの真の姿を!!」

「おおー!!」

「はいはい勝手にやってなさい」

「にっこにっこにー!!あなたのハートににこにこにー!!笑顔を届ける矢澤にこニコ!!青空も~ニコ!!」

「やりきったにゃ…」

「すごいよにこちゃん!アイドルみたい!」

「……いみわかんない」


「しっかり馴染でますね…」

海未はなんだか嬉しそうだった

「そうだねぇ~」

穂乃果はいつものようにのんびりしていた

「仲間は多い方がいいし良かったよぉ」

ことりも穂乃果とのんびりしつつ。

「次のライブっていつだったっけ?」

「えーっと…」

突然屋上の扉が開かれる。

「体験入学の日なんてどう?」

そこには絵里と希がいた。

読んでくれてありがとうございます
ウェルカムソングはこれで終わりです
続きは考えてます(・8・)できたらよろしくお願いします

にこのくだりなげーよ

乙っす

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