真姫「とまとのないくに」 (15)

真姫「じゃあ学校行ってきます。…えっ?今日のお弁当はトマト?」

真姫「ありがとうママ!すごく楽しみ。じゃあ行ってきます!」

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花陽「そんなこんなでお昼だよ!」


凛「今日もみんなでお昼ご飯を食べるにゃ!テンションあがるにゃー!」

花陽「屋上で食べると美味しいよねっ」
凛「うん!おいしさ100割り増しにゃー」

真姫「そんなに騒ぐほどの事じゃないでしょ?」

凛「えー、だってー」
真姫「ほら、早く食べるわよ」

花陽「うん!今日のご飯はなーにかなっ」

凛「凛はサンドイッチ!」
花陽「私はおにぎり!」

りんぱな「真姫ちゃんは?」

真姫「トマトよ」

凛「えっ…」
花陽「えっ…」

りんぱな「とまと?」

真姫「トマト。2人とも好きでしょ?」


凛「うっ、うっ」ぶるぶる

真姫「大丈夫?凛…震えてるわよ?」

凛「かよちん!」ギュッ!
花陽「凛ちゃん!」ギュッ!

真姫「どうしたの?大袈裟ね。普通のトマトよ。とっても美味しい普通のトマト」

凛「そんなに赤いのに美味しいわけないにゃ!」

真姫「はぁ?何わけわかんないこといってるの?それに、凛のお弁当に入ってるの赤ウインナーだって赤いでしょ?」

凛「赤ウインナーは天使が作った食べ物だからいいの!」

真姫「はぁ?」

花陽「他にもハンバーグ、ネギトロ丼、焼きそば、オニオンサーモンのお寿司、えびアボカドのお寿司など天使さんは数々の美味しい食べ物を作りだしました」


真姫「トマトだって充分美味しいでしょ?トマトも天使が作った食べ物じゃない?」


凛「そんなに赤いのに天使が作るわけないにゃ!」


真姫「だから赤ウインナーも赤いって言ってるでしょ!そんなにトマトの悪口を言うなら食べてみればいいじゃない」

凛「なっ…!凛に悪魔の果実を食べろと?」

真姫「凛も花陽も好きでしょ?美味しいって食べてたの見たことあるけど」

凛「あ…あぁっ」ぶるぶる

真姫「はい、あーん」

ずぼっ

花陽「真姫ちゃんひどいよ!」
真姫「どこがよ!ほら、花陽も食べなさい」

ずぼっ

りんぱな「!!」


りんぱな「うっ、うががっ…うぅげっ!」

真姫「美味しいでしょ?」

花陽「うっ!」

凛「ぺっ!ぺっ!な、なにこれ!噛むと変な汁がでてきてその汁がびっくりするほどまずいにゃ!」


花陽「くさい!なにこの汁…くさすぎてなんだか気持ちが悪くなってきた」


真姫「ちょっと何!トマトの悪口だけは許さない!確かに噛むとびっくりするほどまずくてくさい汁がでるけどいいじゃない!」


真姫「もう一度言わせて!びっくりするほどまずくてくさい汁がでるけどいいじゃない!」


凛「いいわけないにゃ!」


花陽「そうだよ!いいわけないよ!だって、びっくりするほどまずくてくさい汁がでてるんだよ!」


真姫「確かにびっくりするほど…ん?あれ、凛のお弁当…ケチャップが付いてない?」


凛「うん。凛の今日のお昼ご飯はサンドイッチとフライドポテトにゃー」

花陽「フライドポテトにはケチャップだよね」


真姫「ケチャップはトマトでしょ?」

凛「ぷぷっ!ケチャップはケチャップだよ?」

真姫「はぁ?」

花陽「ケチャップはトマトじゃないよ」
凛「赤くないし。美味しいし」

真姫「赤いわよ!じゃあ聞くけど、ケチャップは何でできてると思ってるの?」

凛「ケチャップ」

花陽「天使さんがお空の上でケチャップのタネをまいて作ってるんだよね」


真姫「また天使?」

凛「そう!ケチャップと悪魔の果実を一緒にしないでほしいにゃ!」

花陽「トマトって名前を呼ぶのもおぞましい…たった今からトマトのことを赤い悪魔と呼びましょう!」


凛「悪魔の果実の赤い悪魔…それがトマトにゃ!」


真姫「トマトを正しい名前で呼んでくれないなんて凛と花陽の中で私のトマトがヴォルデモートと同じ存在に…」


穂乃果「話は聞かせてもらったよ」

りんぱな「穂乃果ちゃん!」
穂乃果「今日もパンがうまい」

真姫「いいところに来たわ穂乃果!凛も花陽もトマトのことを赤い悪魔だって目の敵にして…」


穂乃果「そんなことより真姫ちゃん、まずそうなくさいにおいが2年生の教室まで漂ってたよ」

真姫「えっ…トマトの匂いってそんなに届くもの?ここ屋上なんだけど」


穂乃果「うん。匂いもだけど見ているだけでも恐ろしいよ」

花陽「恐ろしいルックス」
凛「だってあんなに赤い」

真姫「ひどい言われよう…。穂乃果もそっち側の人間なのね。じゃあこの事実を受け止めなさい!」


凛「な、なんにゃ!」

真姫「トマトはね、好きな野菜ランキング1位なのよ」

穂乃果「…」


真姫「日本中の人間が1番愛している野菜…それがトマトなの!あなた達少数派の意見なんて聞いてられない!私には日本中の人が味方についてるの!」


凛「少数派…?」

穂乃果「赤い悪魔を支持する人はいつもそう言うんだよね」

真姫「だって事実そうじゃない。しかも毎年1位なのよ!」

穂乃果「海未ちゃん…あれを!」
海未「はい、分かりました」

真姫「海未までそっち側!?」

海未「このグラフを見てください」

真姫「!!」


海未「赤い悪魔は嫌いな野菜ランキングにも入っています」

真姫「!」


海未「嫌いな野菜ランキングだけではなく、嫌いな食べ物ランキング10位以内に入るほど嫌われているんです!」

穂乃果「ちなみに穂乃果がケータイで調べたデータだよ!」


真姫「そ、それは…」

凛「好きな食べ物ランキングのくくりに赤い悪魔は入っているのかにゃ?」


花陽「お寿司やカレーやラーメンなどの人気者が並ぶランキングの中に赤い悪魔は入っているんですか?」

真姫「け、けど!私みたいに好きな食べ物を聞かれてトマトと答える人間だっているわ!」

花陽「うん。花陽もいると思う」
真姫「ほらみなさい!」

花陽「けど分かってくれたよね?」

穂乃果「穂乃果達の意見=少数派の意見…ではないよね?」

凛「赤い悪魔を嫌ってる人口だって好きな人口と同じくらい多いはずにゃ!」

真姫「それは…って、じゃあ言わせてもらうけどケチャップは?穂乃果が食べているパン…ホットドッグでしょ?ばっちりケチャップがかかってるわよ!」


穂乃果「うん。ケチャップはね…穂乃果も食べられるよ。」

真姫「ケチャップの原料はトマトよ。」

穂乃果「そう。ケチャップの原料は赤い悪魔」


凛「えっ…天使がケチャップのタネをまいて育ててるんじゃなかったの?」

花陽「そうだよ!だって天使さんが…」


ことり「花陽ちゃんと凛ちゃんは向こうに行ってようね」

りんぱな「うん…」とぼとぼ


ことり「これで大丈夫。穂乃果ちゃん、続けて」

真姫「ことりもそちら側の人間なのね」

穂乃果「話を続けるね」
真姫「うん…」

穂乃果「けどね、これが日本人の悪い癖なんだよ。常に上を目指し続けてしまう…」

真姫「はぁ?」


絵里「ケチャップは既に完成されていた。それなのに…」


真姫「エリーまで!?」

絵里「ここ最近、ケチャップの味が…赤い悪魔に近づいてきたの」


真姫「はぁ?」


絵里「昔のケチャップはケチャップ味だったわ。けれど、今のケチャップは赤い悪魔の味そのものよ」


穂乃果「噛めば噛むほど赤い悪魔の味がするんだよ!」

真姫「えっ…だってケチャップはトマトで作ってるんだし当たり前じゃ」


絵里「今のケチャップは赤い悪魔の悪いところがふんだんに出ている味なの!」

海未「なぜ近づけたのですか…昔のケチャップ味のケチャップで良かったのに…何故赤い悪魔の味に近づけたんですか!!」

ことり「昔のケチャップはちょっと甘くて美味しかったもん!」

ことほのうみ「どーしてくれるの!」

真姫「えっ、私に言われても困るんだけど…」


絵里「いっそのこと、赤い悪魔なんてなくなればいいなよ…」

真姫「なんですって」

凛「凛だってそう思うにゃ!」
花陽「うん!」

凛「戻って来たにゃ!」

ことり「2人は遠くに行っててってお願いしたはずなのに」
海未「何故戻ってきてしまったんですか!」

凛「凛たちだって戦う!だって、赤い悪魔が横行してしまう世の中なんていやだもん!」

花陽「私も凛ちゃんと同じ意見だよ!」

海未「凛、花陽…」

凛「どう?わかってくれたかにゃ?赤い悪魔を支持していない人間はこんなにもいるんだよ!」

ことり「うんっ!」

真姫「わかったもなにも…」


花陽「この美味しそうなサンドイッチ…赤い悪魔さえ入っていなければ食べれるのに」

穂乃果「この美味しそうなハンバーグ…赤い悪魔さえ入っていなければ食べれるのに!」

絵里「このお鍋…赤い悪魔さえ煮込んでいなければ食べられるのに!」


凛「だから凛たちは戦うにゃ!」


真姫「バカみたい。そんなに食べたくなければトマトだけ取り出せばいいでしょ?」

穂乃果「…今、なんて言った?」
真姫「えっ…」

凛「取り出しても汁が残るでしょ!!」

絵里「あのくさくてまずい味のする汁は…公害そのものよ」

真姫「大袈裟よ。美味しいじゃない」


希「好きな人には分からないよね。あの赤い悪魔は…全ての味をかき消す」

真姫「希まで!いつの間に…」


穂乃果「じっくりコトコト煮込んだカレーだって、赤い悪魔を入れた時点で赤い悪魔の味しか残らなくなるんだよ!」

ことり「とけるまで煮込んでもあの味は消えない!!」

海未「あのカレーの味に勝てる食材はあまりありません」
凛「トマトを入れた時点でトマト煮込みに大変身にゃ…」


真姫「そう?いうほど味、残ってないわよ」


凛「赤いしくさいしまずいし…もはや食べ物じゃないにゃ!」

真姫「食べ物よ!」

穂乃果「カプレーゼなんか消えてしまえばいいんだよ!」

真姫「急になにを言い出すの?」

希「スーパーの野菜売り場でトマトのコーナー増えすぎやない?」

真姫「だからトマト好きな人が多いんでしょ?」


ことり「みてるだけでも気持ち悪いもんっ!」

真姫「そう?私は可愛いと思うけど」


海未「金色キウイはトマトの味」

真姫「金色キウイは金色キウイの味」

花陽「みんなみんな無くなっちゃえばいいんだよ!」

真姫「みんなみんな…さっきから好き勝手言って…」

にこ「ん?なにしてるの」
真姫「にこちゃん!」

にこ「ふーん、真姫ちゃんのお弁当はトマトなの」

真姫「に…にこちゃん…にこちゃん!!」ギュッ

にこ「ちょっ!やめなさっ…き、きもいんですけどー!!」

真姫「にこちゃんはトマトのことを赤い悪魔って呼ばないのね?」

にこ「急に厨二みたいなこと言いださないで。どっからどーみてもトマトでしょうが」

絵里「っ…!まさか、にこがそちら側の人間だったとは」
凛「にこちゃんだけは味方でいてほしかったのに…」

にこ「話が全く見えないんだけど」

真姫「あのね!実はみんなが急にトマトのことを赤い悪魔だって…」

にこ「なるほどね。話は分かったわ」

真姫「えっ…なんで?」

にこ「真姫ちゃんはおかしいと思わない?μ'sにトマト嫌いなんていない…そうでしょ?」

真姫「そ、そうよ…おかしいわ!けどなんで…」

にこ「っ…!部長としてみんなを助けるため、仕方なくやるんだからね!」

真姫「はぁ?」


にこ「手!かしなさい!」ぎゅっ
真姫「ちょっ、やめてよ!」


にこ「いっせーの…の合図で叫ぶわよ」
真姫「どう叫ぶの?」

ごにょごにょ

真姫「なによその言葉…バカじゃないの?」

にこ「いいから言うの!これはみんなを助けるためよ」


真姫「んっ…分かったわよ」

せーのっ!!!


にこまき「ミートスパゲッティーもナポリタンもオムライスも…みーんなトマトだよ!」


真姫「なんなのよこれ…イミワカンナイ!!」


穂乃果「うっうががががが…」
真姫「穂乃果?ちょっとどうしたの?」

にこ「思った通りね」
真姫「にこちゃん?これは一体どういうことなの?」

にこ「よくみていなさい!」

真姫「あれは…みんなの体から黒い影みたいなものが出てきてる!」

穂乃果「きゅゅぅん」バタッ

真姫「穂乃果!ううん、穂乃果だけじゃないみんな倒れた!どういうことなの?」


??「ご迷惑おかけしてすみません。西木野さん、矢澤さん」

真姫「あなたは…」
にこ「トマト嫌い星人よ」

真姫「えっ…」

トマト嫌い星人「はい。私の名前はトマト嫌い星人。トマト嫌いの星から来ました」

真姫「…」

トマト嫌い星人「お二人は私のことを知らないと思いますが、私はお二人のことをよく知っています」

トマト嫌い星人「μ'sは私の生き甲斐です」

真姫「えっと…」
にこ「じゃあ何故こんなことをしたの?」

真姫「なにをしたの?」

にこ「分からないの?私たちの人気を利用してトマト嫌い人口を増やし、トマトの存在を消そうとしていた」

真姫「なに言ってるの?そんなはずな…」

トマト嫌い星人「その通りです矢澤さん」

真姫「!!」


トマト嫌い星人「さすが私の一推しです」

にこ「トマト嫌いでも見る目だけはありそうね」

トマト嫌い星人「皆さんにはご迷惑をかけてしまいました。本当に申し訳ありません」


真姫「μ'sのメンバーにトマト嫌いはいないしおかしいと思ったけど…まさかあなたの仕業だったなんて」


トマト嫌い星人「トマトさえ無くなればそれでいい…その思いでこの地球に降り立ち、皆さんのお身体をお借りしてトマトのマイナスキャンペーンをしてみました。けれど、違ったんです」

真姫「えっ…」


トマト嫌い星人「私はただ…大好きなμ'sの皆さんにお会いしたかっただけなんでしょうね」

真姫「あなた…」

トマト嫌い星人「応援しています。これからもがんばってください」

真姫「え、えぇ…」

トマト嫌い星人「にこぷり女子道大好きです」
にこ「ありがとうにこー」

トマト嫌い星人「はぁぅっ!」

にこ「ほらみなさい!私にも支持者はいるのよ!」

真姫「別ににこちゃんに支持者がいないなんて疑ったことないけど…」


トマト嫌い星人「ではトマト嫌い星に帰ります。皆さんにもよろしくお伝えください」

トマト嫌い星人「ではー!!」

パラパラりらぱー


真姫「なんか疲れちゃった…」

穂乃果「っ…あれ?どうしてこんなところに?」

凛「うぅ…頭がぼんやりしてなにも思い出せないにゃー」
花陽「花陽も…うぅ」

海未「何かめちゃくちゃな理屈を抱えめちゃくちゃなことを言っていたような…」

ことり「私も…」

絵里「みんなも?実は私も…」
希「スピリチュアルやね…」

真姫「みんな、これはなんでしょ」

ほのことうみ「トマト!」
りんぱな「トマト!」
のぞえり「トマト!」

真姫「よかった」
にこ「一件落着ね!」



次の日

真姫「今日のお弁当もトマト~♪」

トマト嫌い星人「西木野さん!」

真姫「ゔぇぇ!ちょっと急に現れないでよね!っていうかまた来たの?」

トマト嫌い星人「はい。昨日のご無礼の謝罪とあと…西木野さんファンのお友達も連れて来ました」

真姫「はぁ?」

みかん嫌い星人「はじめまして西木野さん!みかん嫌い星人です!」

真姫「!!」

みかん嫌い星人「Soldier gameの西木野さんの歌い出しがとにかく大好きで…」

真姫「ねぇ、あなたはこの世からみかんの存在を消そうとは思わないの?」


みかん嫌い星人「へ?」


おしまい

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