まどか「交換」ほむら「生活」 (145)

ワルプル超えた後

てけとー

似たようなSSあったら言ってくださいすぐ消します

マミさん杏子出番無し

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[日曜日夜]

まどか「あのねパパ…相談があるんだけど…」


知久「どうしたんだい?」


まどか「えっとね…」

[月曜日 学校屋上]


さやか「一人暮らししたい?」

まどか「う、うん…」

さやか「いやあ、まどかには無理っしょ」

まどか「うーん…やっぱりそうかな…」

ほむら「そもそもどうしてなの?素敵なご両親と暮らしているというのに」

まどか「えっとね…。……一人暮らしすれば変われるかもしれないかな、って」

ほむら「まだ自分を変えたいと思っているの?まどかは今のまどかでいいのよ?」

まどか「でも…わたしは一応お姉ちゃんだし、もう少ししっかりしないとダメかな…って」

まどか「一人で暮らしてるほむらちゃんもマミさんもすっごくカッコよくて…だから」

さやか「まあ確かにまどかの家の環境だと甘えちゃう気持ちもわからなくは無いなぁ」

ほむら「…やっぱり諦めた方がいいと思うわ。恐らくまどかが思っている以上に大変だと思うし」

まどか「そう…だよね。パパも同じこと言ってたんだ」

ほむら「やはりお父様の立場からすれば心配で仕方ないんだと思うわ」

さやか「まどか、ほむらお父さんもこう言ってることだし諦めるのがいいと思うよ」

ほむら「誰がお父さんよ」

さやか「だってほむらとまどかだったらほむらが彼氏でまどかが彼女でしょ?」

ほむら「…貴方は一体何の話をしているのかしら?」

さやか「誤魔化そうとしてるけど顔赤いよほむら、あとついでにまどかも」

まどか「…/// あ!そ、そういえばほむらちゃん!今日パパが晩御飯食べにおいでって!」

ほむら「あ、あら!そうなの!で、でも最近お邪魔させてもらってばかりで悪いわ!」

さやか「全く…この二人は……」

[月曜日夜 鹿目家]


ほむら「すいません。こう頻繁にご馳走になってしまって」

知久「いや、こちらからお誘いしているんだしほむらちゃんは気にしなくてもいいんだよ」

ほむら「ですが…」

詢子「いいんだよ。ほむらちゃんなら大歓迎だしさ、ウチも」

タツヤ「ほむあー!ほむあー!」

知久「タツヤも随分ほむらちゃんに懐いたね」

ほむら「ありがとうございます。…嬉しいです」

まどか「よかったねほむらちゃん。じゃあ頂きまーす!」

ほむら「頂きます」

詢子「今日もパパの料理でお酒が美味いわ」

ほむら「小父様のお作りになった料理、本当に美味しいです」

知久「ありがとう。でもほむらちゃんもお料理上手なんだろう?」

ほむら「いえ、大したことありません。自分で食べる分は簡単に済ませてしまうことも多いですし」

知久「一人で食べるのに毎回手を込んだものを作るのも大変だからね」

まどか「一人で、かぁ…」

知久「まどか、ほむらちゃんに憧れるのは分かるけどやっぱり大変だよ?」

まどか「えっ!?あ…憧れるっていうか…その、なんていうか…」

詢子「相変わらずまどかはほむらちゃんにゾッコンだねぇ」

まどか「う~…///」

ほむら(なんか…こっちも恥ずかしいわ)

知久「でも、流石にいきなり一人暮らしをさせるわけにはいかないからね」

知久「そこでね、今日はちょっとほむらちゃんに無茶なお願いがあるんだけど」

ほむら「えっ?なんでしょうか?」

知久「今週末まででいいんだ。まどかをほむらちゃんの部屋に住まさせて欲しい」

ほむら「私の…部屋に、ですか?」

知久「うん。まどかはこう見えて頑固だし口で言うよりも実際に体験したほうが早いと思うんだ」

ほむら「確かにそうかもしれませんが…」

知久「代わりに、部屋を貸してくれている間はほむらちゃんがまどかの部屋で生活してくれたらいい」

知久「勿論ほむらちゃんが断りたいのなら遠慮せずに断ってくれていいよ」

ほむら(別に私の部屋を貸すのは構わないけれど…)

知久「僕たちの事は気にしなくてもいいよ。お願いをしているのはこちらからな訳だし」

ほむら「…まどか、貴方はどうなの?」

まどか「ほ、ほむらちゃんがいいのなら…わたしは頑張ってみたい……かな」

ほむら「そう…。わかったわ」

知久「いいのかい?」

ほむら「はい。普段お世話になってしまってますし、それにまどかがそうしたいって言うのなら」

まどか「ほむらちゃん、いいの?」

ほむら「ええ。それよりも私の部屋で生活するの嫌じゃないの?」

まどか「う、ううん!そんなことないよ!ほむらちゃんこそわたしの部屋嫌じゃない?」

ほむら「い、嫌じゃないわ。むしろ…」

まどか「…むしろ?」

ほむら「…な、なんでもないわ」

詢子「じゃあ話は決まったね。ほむらちゃん、自分の家だと思ってのんびりしなよ」

ほむら「は、はい。…宜しくお願いします」

ほむら(…何か、違和感のようなものを感じるのは気のせいかしら)

[火曜日朝 ほむらの部屋]


ほむら(荷物は…これでいいわね。……部屋も…汚く無い、と思う)

ほむら(学校が終わったらまどかと一度まどかの家に寄って、荷物を持って私の部屋に)

ほむら(どこに何があるか説明して私の荷物を持ってまどかの家に、だったわね)

ほむら(私の部屋で暫くまどかが生活するのね…。恥ずかしいというかなんというか…)

ほむら(…っと、もうこんな時間ね。学校に行かないと)

[火曜日朝 鹿目家]

まどか(ええっと…荷物はこれでいい、よね?部屋も…大丈夫かな)

まどか(私の部屋でしばらくほむらちゃんが…。なんか、恥ずかしい?のかな…)

知久「まどかー!早くしないと遅刻しちゃうよー!」

まどか「はーい!」

まどか(大丈夫、頑張ろう!)

[火曜日 学校屋上]


さやか「まどかがほむらの部屋に?んでほむらがまどかの家にぃ?」

まどか「う、うん」

さやか「まどか、ホントに大丈夫なの?料理とか」

まどか「パパのお手伝いとかもしてたから…大丈夫だと…思う」

さやか「ふーん、ほむらもよく部屋貸したね」

ほむら「まどかだからよ。他の人だったら絶対に断っていたけど」

さやか「なんか壊しちゃったりするかもよ?」

ほむら「別に構わないわ。まどかが怪我しなければね」

さやか「予想通りの回答だったわ…」

まどか「こ、壊したりなんかしないよ!?…多分」

ほむら「まどか、本当に怪我だけには気を付けて」

さやか「そういやお昼ってどうするの?ほむらを見習って栄養食品?」

ほむら「見習うって何よ」

まどか「一応お昼も頑張ってお弁当作ろうかな、って思ってるよー」

さやか「へー。…できるの?」

まどか「…頑張る」

ほむら「無理をしては駄目よ?」

まどか「大丈夫!ほむらちゃんには心配かけないようにするから!」

ほむら(すでに若干心配なのは黙っておきましょう…)

[火曜日夕方 ほむらの部屋]


ほむら「――で、ここにタオルを仕舞ってあるから。…こんなとこかしらね」

ほむら「まあ、物が少ない部屋だからそんなに探すのは苦労しないと思うわ」

まどか「うん、大体分かったよ」

ほむら「お目当ての物が見つからなかったら電話してね」

まどか「ありがと、ほむらちゃん」

ほむら「でも、冷蔵庫に大したもの入っていないけれど本当によかったの?」

まどか「大丈夫!パパが食費に、ってお金渡してくれたから」

ほむら「じゃあスーパーに案内してからまどかの家に行くわ」

まどか「大丈夫だよー。買い物くらい一人で…」

ほむら「この時間のスーパーを舐めては駄目よ」

まどか「えっ…?」

ほむら「行きましょう。行ってみたらわかるわ」

[火曜日夕方 近くのスーパー]


ほむら「ここよ」

まどか「ごく普通のスーパーにしか見えないけど…」

ほむら「中に入ればわかるわ。まどか、手を出して」

まどか「えっ?うん」

ほむら「じゃあ、行くわ」ギュッ

まどか「わ、わ///ほ、ほむらちゃん!?」

ほむら「目に焼き付けておきなさい。タイムセールとは、こういうことよ」

「イラッシャイマセー」ウィーン
「ウオオオオオオオオオオオオオオ」
「チョット!ソレワタシノヨ!」
「ハヤイモノガチヨ!」
「オソイ!」
「ゲキリュウニミヲマカセドウカスル」

まどか「えっと…ここに割って入るの……かな?」

ほむら「大丈夫、私は貴方を離さないから」

まどか「う、嬉しいけどもっと別の時に行って欲しいかも…///」ゴニョゴニョ

ほむら「? どうしたの?」

まどか「う、ううん!なんでもない!」

ほむら「…? まあいいわ。じゃあ行くわよ」

まどか「う、うん!」


「チョットアンタ!トラナイデヨ!」
「ミズカラノゾンデエランダミチ、タメライモナイ!」

まどか「きゃっ!」

ほむら「まどか、大丈夫?」

まどか「し、食材を買うのってこんな大変なの!?」

ほむら「慣れてしまえばどうということは無いわ」

まどか「凄いね…。手を繋いでくれてなかったらすぐにはぐれちゃいそう…」

ほむら「言ったはずよ、まどか。もう二度と、あなたを放さない」

まどか「だ、だから嬉しいけどそういうのはもっと…」

ほむら「! まどか気を付けて!人が増えるわよ!」

まどか「えっ!?まだ増えるの!?…痛い!」

ほむら「まどか!手を離さないで!貴方の特売時間が終わってしまう!」

まどか「わ、私が裂けちゃう…!」

ほむら「まどか!?まどかあああ!?」

[火曜日夕方 帰り道]


ほむら「何とか4日分の食材は手に入ったわね」

まどか「そう…だね…」ボロッ

ほむら「ごめんなさい、いきなりこの店は少しハードルが高かったわね」

まどか「…他の店はもっと凄いの?」

ほむら「上もあるし下もあるわね。一番近い店だったからここにしてしまったけど」

まどか「そうなんだ…。すごい世界だね…」

ほむら「もし食材が足りなくなったらこの時間を外すか別の店にすればいいわ」

ほむら「声をかけてくれたら私も手伝うわ」

まどか「今買った食材を何とかもたせるようにするよ…」

ほむら「何かあったら遠慮なく相談して頂戴」

まどか「ありがと♪あ、ここまでで大丈夫だよ」

ほむら「じゃあ気を付けてね」

まどか「うん…。手…握ってくれてありがとっ」

ほむら「あ、…ごめんなさい。握りっぱなしだったわね」

まどか「ううん…。…嬉しかったよ」

ほむら「そ、そう…。じゃ、じゃあね、まどか…頑張って」

まどか「うん!じゃあまた明日ね!」

ほむら「ええ。また明日」

[火曜日夕方 鹿目家]


ピンポーン

ほむら(まどかがいない時に家に上がらせてもらうのって…変な感じね)

ガチャ

知久「やあ、ほむらちゃん。いらっしゃい」

ほむら「こんばんわ。…すいません、暫くお世話になります」

タツヤ「ほむあー!」

ほむら「タっくん、こんばんわ」ナデナデ

タツヤ「こんばんわー!」

知久「自分の家だと思って寛いでね。それじゃあ上がって」

ほむら「はい、失礼します」

[火曜日夕方 まどかの部屋]

ほむら「…お邪魔します」ガチャ

ほむら(部屋にまどかがいないのは分かってるけど…つい言っちゃうわね)

ほむら(…落ち着かない)

ほむら(取りあえず…着替えて小父様のお手伝いでもしよう)

[火曜日同刻 ほむらの部屋]


まどか「た、ただいまー」ガチャ

シーン

まどか「返事が無いって分かってても…ついつい言っちゃった…」

まどか(とりあえず買ってきたものを冷蔵庫に仕舞って、っと)

まどか(…なんか、落ち着かないよぉ)

まどか(取りあえず着替えて…お料理しちゃおうかな)

[火曜日同刻 鹿目家]


ほむら「小父様、お手伝いします」

知久「いいんだよ気にしないで。ゆっくりしておいて」

ほむら「ですが…」

知久「気を利かせてくれているのは嬉しいんだけどね。もっと気楽に、ね?」

ほむら「そう、ですか…」

知久「…じゃあね、御飯が出来るまでタツヤの相手をお願いしていいかな?」

ほむら「…はい!わかりました」


タツヤ「ほむあー、ほんよんでー」

ほむら「いいわよ。タっくん、どれがいいの?」

タツヤ「これー」

【ぐりとグラ潰し】

ほむら(何これ…?)

[火曜日夜 ほむらの部屋]


まどか(ふー。なんとか出来たぁ)

まどか「いただきまーす」アーン

まどか(ちょっと…薄かったかなぁ)モグモグ

まどか(でも、お米は上手く炊けてよかった)

シーン

まどか(…一人でご飯食べるのってそういえば初めてかも)

まどか(静かで…少し寂しい…)

まどか(ほむらちゃんはいつもこういう風にご飯食べてるのかな…)

まどか(…お行儀悪いけど、TV点けちゃお)ピッ

「イマデショ!」

まどか「あ、この人見たことある」

まどか(なんか独り言が多くなっちゃいそう…)モグモグ

[火曜日夜 鹿目家]


詢子「たっだいまー!」

知久「ママ、おかえり」

タツヤ「おかーりー!」

ほむら「小母様、こんばんわ」

詢子「ほむらちゃーんダメダメ!今はウチの子なんだから『おかえり』でいいんだよ」

ほむら「えっと…お、おかえりなさい」

詢子「うんうん!それでいいのさ」

知久「じゃあ御飯にしようか」

詢子「着替えてくるから先に食べといて」

知久「わかったよママ。じゃあいただきます」

タツヤ「いただきまーす!」

ほむら「い、頂きます」

知久「そういえばほむらちゃん、まどかはどんな感じだった?」

ほむら「先程こちらに向かう前に一緒にスーパーに行ってきました」

知久「…どこのスーパーかな?」

ほむら「あの二丁目の角の小学校の近くの、です」

知久「あそこはまどかには大変だったんじゃないかな?」

ほむら「そうですね…別のスーパーにすべきでした」

知久「余程の理由が無いと僕でも行かないからね…あそこは…」

詢子「よっしゃー食べるぞー」

知久「何か飲むかい?」

詢子「うーん…。今はいいや。お風呂入ってからにするよ」

ほむら(ご馳走になったときは毎回呑んでたけど…、食事のときに絶対呑むって訳じゃないのね)

詢子「ほむらちゃん、表情が硬いよ」

ほむら「すいません。まだちょっと緊張していて…」

詢子「まあ段々慣れてくれればいいさ」

知久「そうだね。タツヤはもうほむらちゃんにベッタリだけど」

タツヤ「ほむあー、あーん」

ほむら「はいはい…はい、タっくんあーん」

タツヤ「あーん」モグモグ

詢子「うう…あたしもほむらちゃんにもっと懐いてもらいたいわ…」

ほむら「懐く…ですか」

詢子「ほむらちゃんにママって言われたらあたしは嬉しいんだけどね」

ほむら「それは…その…流石に…」

知久「ママ、ほむらちゃんが困ってるよ」

詢子「ごめんごめん。ほむらちゃんはこういう時可愛いからついつい」

ほむら「…は、恥ずかしいです///」

詢子「うーん、…じゃあさ、せめてウチに住んでいる間はほむらって呼んでいい?」

ほむら「えっ?」

詢子「嫌だったらやめるけどさ」

ほむら「い、嫌じゃ…ない、です…」

詢子「おし!決まりだね!じゃあ改めて…ほむら、自分の家だと思ってゆっくりしていってくれ」

知久「僕もいいかな?」

ほむら「はい。大丈夫です」

知久「ありがとう。ほむら、さっきはタツヤの世話をしてくれて助かったよ」

ほむら「いえ、せめて何かお手伝いでもさせて頂きたかったので」

詢子「いい子だねえ…。ずっとウチに居て欲しいくらいだ」

ほむら「そこまで甘えてしまう訳には…」

知久「こっちはいつでも歓迎だからね。気が変わったらいつでも言ってくれて構わないよ」

ほむら「…はい。ありがとうございます」

[火曜日夜 ほむらの部屋]


「ナツバテニハコノタベモノガー」

まどか「へー、そうなんだぁ」モグモグ

まどか「…テレビ見ながらだとつい手が止まっちゃうなぁ…ご飯冷めちゃった」

まどか「ってもうこんな時間!?早く食べてお風呂入らないと!」モグモグ

まどか(うぅ~…好きに時間使えるけど気にしないとダメだなあ)

まどか「ごちそうさまでした」

まどか「とりあえず食器は水に浸けておいてお風呂入っちゃおう」

[火曜日夜 鹿目家]


詢子「さて、ほむら」

ほむら「はい?」

詢子「風呂入るぞ」

ほむら「…えっ」

詢子「拒否権は無いかんなー」ガシッ

ほむら「ちょ、ちょっと!?」ズルズル

知久「どうぞごゆっくり」


詢子「はいじゃあ脱いだ脱いだ」

ほむら「あの…自分で脱げますから…、その手つきやめていただけませんか」

詢子「じゃあそこ座りな」

ほむら「は、はい」

詢子「どうしたー?顔赤いぞー?」

ほむら「…は、恥ずかしいです」

詢子「なーに言ってんだ女同士なのに。しかし肌綺麗だねえ。羨ましい」

ほむら「お、小母様もとても綺麗です」

詢子「こんな可愛い子にそう言って貰えるのは嬉しいね。じゃあ頭洗うよ」

ほむら「…お願いします」

詢子「このほむらの長い綺麗な髪も一度洗ってみたかったんだよ」ワシャワシャ

ほむら「そ、そうなんですか?」

詢子「ああ。サラサラで洗い甲斐があるわこれ」ワシャワシャ

ほむら(優しい手つきで…気持ちいい…)

詢子「まどかとあたし、どっちの方が洗われてて気持ちいい?」ワシャワシャ

ほむら「は、はい!?」

詢子「ハハハッ!ほむらは分かりやすいな」

ほむら「う、うう…///」

詢子「じゃあ流すぞー」シャアアア

ほむら「…ありがとうございました」

詢子「じゃあ次あたしの髪洗って欲しいんだけど」

ほむら「分かりました。…失礼します」ワシャワシャ

詢子「あー手つきが優しくて気持ちいいわー」

ほむら「あ、ありがとうございます。小母様の髪も柔らかくて綺麗です」

詢子「まどかの髪はどうだったんだ?」

ほむら「ひゃ、ひゃい!?」

詢子「こらー、手ぇ止まってるぞー」

ほむら「す、すいません///」ワシャワシャ

詢子「いやー、まどかをからかったときとほぼ同じ反応をしてくれるとは」

ほむら「…///」

詢子「で、身体の洗いっこはしたのか?」ニヤニヤ

ほむら「な、流しますね!///」シャアア

詢子「もー教えてくれてもいいだろー」

ほむら「い、言いません!」

[火曜日同刻 ほむらの部屋]


まどか(ふうー…気持ちいいなぁ)

まどか(そういえば…前に急に雨が降った日にシャワー借りたんだよね)

まどか(…一緒にシャワー浴びたり髪洗いっこしたり///)

まどか(思い出したら恥ずかしくなってきちゃった…)ブクブク

まどか(ほむらちゃん…ママにイジワルな質問されてないかなぁ)

[火曜日同刻 鹿目家風呂場]


詢子「ほむら、単刀直入に聞くけどさ」

ほむら「? はい?」

詢子「まどかのどこが好きなの?」

ほむら「!? な、何を急に言うんですか!?」

詢子「じゃーまどかの事嫌いなのか?」

ほむら「…それは、絶対に無い……です」ブクブク

詢子「ほほー」ニヤニヤ

ほむら「…///」ブクブク

詢子「別にあたしもパパも女の子同士で付き合うなんて許さない、なんて言う気はないさ」

ほむら「……」

詢子「まどかが選んだ相手にとやかく口出しするつもりは無い。…あんまり酷いのは別だけどな」

ほむら「…そう、ですか」

詢子「その点、ほむらならオッケーだ。むしろその辺のつまらない男より全然いい」

ほむら「…ありがとう……ございます///」ブクブク

詢子「ちゃんと付き合い始めたら報告くらいはしろよー?」

ほむら「もう…勘弁してください///」

ほむら(恥ずかし過ぎてのぼせてしまいそう…)

詢子「おっしゃ、じゃあそろそろ上がるか。早く風呂上がりの一杯やりたいし」

ほむら「もしかして…ご飯の時に呑んで無かったのって……」

詢子「流石に酒が入った状態で一緒に風呂はやめておこうって思ってな」

ほむら「やっぱりそうだったんですか」

詢子「ほむらが可愛すぎて手を出しかねないからな。呑んでなくて正解だったわ」

ほむら「じ、冗談に聞こえないんですが…」

詢子「冗談かどうかは内緒、っと」バシャー

ほむら(小母様が呑んだときは全力で断るようにしよう…)

[火曜日夜 ほむらの部屋]


まどか「お風呂入ったら眠くなってきちゃった…」

まどか「洗い物は…明日帰ってきてからにしよっと」

まどか「おやすみなさい」パチッ

まどか(一人だと…暗闇がすごく怖く感じる)

まどか(うぅ~、早く寝ちゃおう)ボフッ

まどか(あっ…お布団…ほむらちゃんの匂いがする…)

まどか(なんか…ほむらちゃんに包まれてる感じ……)ウトウト

まどか(ほむらちゃん、おやすみ)zzz

[火曜日同刻 まどかの部屋]


ほむら(…散々な目に遭ったわ)

ほむら(でも、嬉しいことも言って貰えたから…よかった、かしら)

ほむら「ふあぁぁぁ…」

ほむら(…いつもより少し早いけど、もう寝てしまいましょう)パチッ

ほむら(まどかのベッド…、お、お邪魔するわ)ボフッ

ほむら(…まどかの匂いがする)

ほむら(まどかに包まれている…そんな感じ)ウトウト

ほむら(おやすみ、まどか)

こんな感じで…明日か明後日には完結する方向でオナシャス

[水曜日朝 まどかの部屋]


ジリリリリリリ――

ほむら(…んっ、朝ね)

ほむら「んーっ」ノビー

ほむら(なんか自分のベッドよりもよく眠れた気がする)

ほむら(もう小父様も小母様も起きているのかしら)

ほむら(…降りてみましょうか)

知久「やあほむら、おはよう。早いね」

ほむら「小父様、おはようございます。普段よりゆっくり起きたんですけど…」

知久「そうなんだ。もうすぐ朝ご飯の準備するから」

ほむら「はい、わかりました」

知久「そうだ…。ちょっと待っててね」

ほむら「え?はい…」

知久「はい」コトッ

ほむら「これは…ココア、ですか?」

知久「うん。まどかが普段より少し早く起きたら飲んでいるんだ」

ほむら「そうなんですか。頂きます」ズズッ

知久「まどかが飲んでいるのより少し甘さを抑えてるけど、どうかな?」

ほむら「美味しいです。なんというか…落ち着く味です」

知久「よかった。じゃあ朝ご飯もうちょっと待っててね」

ほむら「はい」ズズッ

[水曜日同刻 ほむらの部屋]


ピピピピピピピピ――

まどか「…うーーーーん」ピッ

まどか「ふあぁぁぁぁぁ…」

まどか「もう朝かぁ。普段よりもぐっすり眠れたかも…」

まどか「…そうだ、朝ごはんとお弁当作らないと」

まどか「朝が一番大変そうだなぁ…でも、頑張ろっ」

[水曜日同刻 鹿目家]


知久「ほむら、少しお仕事を頼みたいんだけど」

ほむら「はい、なんでしょうか」

知久「ママを起こしてきて欲しい。タツヤも行ってると思うけど」

ほむら「わかりました」

ほむら「ここね」コンコン

ほむら(返事が無いわね。まだ寝ているんでしょう)

ほむら「失礼します」ガチャ

タツヤ「マーマー!マーマー!あーさー!」

ほむら「タっくん、おはよう」

タツヤ「あー!ほむあー!おはよー!」

ほむら「小母様は、ってどう見てもまだ夢の中ね」

ほむら「小母様、おはようございます。起きてください」ユサユサ

詢子「…う~ん」

ほむら「起きてくださーい」

詢子「…んんっ」

詢子「…ああ、ほむらか。おはよう」

タツヤ「ママー!おはよー!」

詢子「タツヤもおはよう。…ふあぁぁぁぁ」

ほむら(まだ随分眠そうね。朝が弱いのかしら?)

詢子「んー…。……おし、洗面所行くかー」

ほむら「はい」

[水曜日朝 ほむらの部屋]


まどか「お弁当は…これでよし、っと」

まどか「ふぅー、なんとか間に合ったぁ」

まどか(昨日の晩御飯の残り物がメインだけど仕方ないよね)

まどか「あ、早くご飯も食べちゃわないと」

まどか「トーストと目玉焼きでいいかな」

まどか(たった一日で本当に独り言増えたなぁ…)

[水曜日同刻 鹿目家]


知久「ママ、コーヒーのお替りは?」

詢子「んー」チラッ

詢子「いいや、もう出ないといけないし」ガタッ

詢子「ほい、タツヤ」チュッ

詢子「ほい、パパ」チュッ

詢子「ほむら、手上げて」

ほむら「あ、はい」

詢子「じゃあ、行ってくる!」パチ-ン

ほむら「これは…?」

知久「鹿目家流の朝の挨拶ってところかな」

ほむら「独特といいますか、なんというか」

知久「朝から賑やかだよね」

ほむら「でも…いいと思います。こういうの」

知久「はい、これ」

ほむら「これは…お弁当、ですか」

知久「うん。栄養食品なんかで済まさないでちゃんとしたものを食べないとね」

ほむら「うっ…、心がけます……」

タツヤ「ほむあー、いってあー」

ほむら「ふふっ…タっくん、小父様…じゃあ行ってきます」

知久「いってらっしゃい」

[水曜日同刻 ほむらの部屋]


「ソレデハホンジツノケツエキガタウラナイハ……」

まどか「結局…朝もテレビ見ながら食べちゃった…」ズズッ

まどか「あっ!いつもより早く出ないといけないんだった!」

まどか「洗い物は…帰ってきてからしよう…」

まどか「鞄持った、鍵も持った、お弁当も…うん、大丈夫」

まどか「いってきまーす」バタンガチャ

[水曜日昼 学校屋上]


さやか「で、一日終わっての感想は?お二人さん」

まどか「う~ん、時間があるようで無いって感じだったなぁ」

ほむら「最初はそうなってしまうのも仕方が無いわ」

さやか「ほむらはどうだったの?」

ほむら「とても優しくして貰って…少しまどかに申し訳ないな、って」

まどか「なんか困るようなこと言われなかった?」

ほむら「……大丈夫よ」

まどか(何か言われたんだね)

さやか(何か言われたんだ)

ほむら「わ、私のことより…まどか、ちゃんとお弁当作ってきたのね」

まどか「あ、うん!昨日の晩御飯の残り物ばっかりだけど」

さやか「やるじゃんまどか。そういえばほむらも今日はお弁当なんだね」

ほむら「ええ。まどかのお父様が作ってくださったの」

まどか「やっぱりパパの料理ってすごいね…」

さやか「いやいや…さすがに比べる相手が悪すぎるって」

ほむら「この一週間で太らないか正直心配で堪らないわ」

さやか「ほむらはちょっとくらい太ってもわかんないっしょ」

ほむら「…とりあえず今週はマミの家に行くのは控えるわ」

まどか「わたしも今週は学校とほむらちゃんの部屋を往復するだけかも…」

さやか「ああ…伝えとくわ……頑張ってね」

[水曜日放課後 通学路]


ほむら「まどか、何か困ったことは無い?」

まどか「うーん…まだ大丈夫かなぁ」

まどか「あっ、でもちょっと独り言は増えちゃったかも」

ほむら「そういう人結構いるみたいね。私はそうでもないけれど」

ほむら「特にまどかの場合は家族で会話する機会も多いようだし」

まどか「うん。自分の部屋にいる時は勉強か寝てるときくらいかなぁ」

ほむら「そういえば昨日はちゃんと眠れた?」

まどか「よく眠れたよー。ほむらちゃんに包まれ…」

ほむら「えっ…?」

まどか「う、ううん何でもない!ほ、ほむらちゃんはちゃんと眠れた!?///」

ほむら「え、ええ。ぐっすり眠れたわ」

まどか「そ、そう?よかったー」

ほむら「ベッドに入るとまどかのいい香りg」

まどか「えっ?」

ほむら「い、いえ!なんでもないわ!///」

まどか「…///」

ほむら「…///」

まどか「あっ!わ、わたしこっちだから!」

ほむら「そ、そうね!」

まどか「じ、じゃあまた明日!ばいばいほむらちゃん!」

ほむら「ええ!ま、また明日!」

[水曜日夕方 ほむらの部屋]


まどか「た、ただいま!」

まどか(ふぅ~、なんかわかんないけど走って帰ってきちゃった…)

まどか「とりあえずお弁当箱もお水に浸けとこう」

まどか「…ほむらちゃんのベッド」チラッ

まどか「ち、ちょっとだけ…」ボフッ

まどか(やっぱり…ほむらちゃんの匂いがする)

まどか(…)ウトウト

まどか「だ、だめ!すぐ眠くなっちゃう!」ガバッ

まどか「あ、洗い物しないとね」

まどか「掃除もしないと…ほむらちゃんの部屋だしね」

まどか「よし!着替えて終わらせちゃおう!」

[水曜日同刻 鹿目家]


ピンポーン

知久「はいはい」ガチャ

知久「ほむらか。おかえりなさい」

ほむら「えっと…、……た、ただいま帰りました」

知久「わざわざチャイム鳴らさなくてもいいのに」

知久「自分の家に帰るときは鳴らさないよね?」

ほむら「確かにそうですが…」

知久「うん。明日からは鳴らさないで普通に入ってきていいからね」

ほむら「は、はい。わかりました」

ほむら「お、お邪魔するわね…」ガチャ

ほむら(いないってわかってるのについつい言ってしまうわね)

ほむら(まどかのベッド…)チラッ

ほむら(す、少しだけ…)ポフッ

ほむら(…落ち着くわ)

ほむら(…)ウトウト

ほむら(いけない、このままだと眠ってしまうわ)ガバッ

ほむら(そうだ、お弁当箱を洗わないと…)

ほむら(着替えて下に降りましょう)

タツヤ「ほむあー!おかーりー!」

ほむら「ただいまタっくん」ナデナデ

知久「お弁当、どうだった?」

ほむら「とても美味しかったです。ありがとうございます」

知久「それはよかった。あ、弁当箱預かるよ」

ほむら「いえ、せめて自分で洗おうかと」

知久「僕が洗っておくからいいんだよ。ほむらはゆっくりしてなさい」

ほむら「…すいません、ではお願いします」

知久「うん。あ、そうそう…クッキー焼いたんだけど食べる?」

ほむら(うっ…。で、でも…断れない…)

ほむら「あ、ありがとうございます。頂きます」

知久「じゃあ座ってて。飲み物はコーヒーでいいかい?」

ほむら「はい。ありがとうございます」

ほむら(無駄な抵抗だけどブラックで飲もう…)

[水曜日夜 ほむらの部屋]


まどか「洗い物と掃除終わらせて再びベッドに潜ったら眠ってしまったのでした…」

まどか「急いで御飯作らないと…」

まどか「パスタとかなら簡単にできるかな?」

まどか「大き目のお鍋にお水入れて」

まどか「沸騰するまで…ちょっとベッドに…」ボフッ

まどか「寝ちゃダメ…寝ちゃダメ…寝ちゃダメ…」

[水曜日同刻 鹿目家]


詢子「たっだいまー!」

知久「ママ、おかえり」

タツヤ「おかーりー!」

ほむら「小母様、おかえりなさい」

詢子「ふふん♪じゃあ着替えてくるから先食べてて」スタスタ

ほむら「なんか…機嫌良さそうでしたね」

知久「ほむらにおかえりって言われたからかな」

ほむら「えっ…?」

知久「打ち解けてくれて嬉しいんだよ、ママは」

ほむら「…喜んでいただけたのなら、私も嬉しいです」

知久「ふふっ、じゃあご飯にしようか」

[水曜日夜 ほむらの部屋]


まどか「ふう、お風呂気持ちよかった」

まどか(テレビ見ないようにご飯食べたら意外と時間に余裕できちゃった)

まどか(ベッドでごろごろしちゃおうかな…)

フーレーターコーコローハカーガヤイタ♪

まどか(あ、ほむらちゃんから電話だ)

[水曜日同刻 まどかの部屋]


ほむら(今日は一人でのんびりお風呂に入れて助かったわ…)

ほむら(どうしよう…ベッドに寝転んでしまおうかしら)

ほむら(あ、そういえばまどかに聞きたいことがあったのを忘れていたわ)

ほむら(…もう寝てしまってた可能性もあるけど)prrrr

まどか『もしもし?』

ほむら「ごめんなさい急に電話してしまって。今大丈夫?」

まどか『大丈夫だよー。お風呂入ってちょっとゴロゴロしてただけだから』

ほむら「そう、それはよかったわ。ちょっと聞きたいことがあって」

まどか『なにー?』

ほむら「まどかのお母様のことなんだけれど…朝は苦手なのかしら?」

まどか『あー…、ほむらちゃんが今朝ママを起こしたんだね?』

ほむら「ええ…。起きるまで少し時間がかかってしまって」

ほむら「それに起きた後もかなり眠そうだったものだから」

まどか『ママにはねー、専用の起こし方があるんだ』

ほむら「そんなものがあるの?できれば教えてほしいわ」

まどか『いいよ♪まずはね――』

[木曜日朝 鹿目家]


ほむら「失礼します」ガチャ

ほむら(まずはカーテンを勢いよく開ける!)シャッ

ほむら(そして掛け布団を一気にめくって)

ほむら「お、起きてくださいぃぃ…」ソロッ

詢子「ううううううう眩しいいいいいい…」

詢子「うー…、あ~、ほむらか…おはよー」

ほむら「お、お早うございます」

ほむら(情けをかけてしまったわ…)

[木曜日同刻 ほむらの部屋]


まどか「今日は一からお弁当作らないと…」

まどか「ん~、アレでいいかなぁ」

まどか「えっと、鶏肉と…玉ねぎと…卵…」

まどか「そういえばほむらちゃんママをちゃんと起こせたかなぁ」

まどか「気を使って布団一気にめくれてなさそう…」

まどか「ほむらちゃん優しいからなぁ…」

まどか「…でも、そういうところも」

まどか「…」

まどか「…///」

まどか「お、お弁当つくろっ!」

[木曜日朝 鹿目家]


詢子「あの起こし方、まどかに習ったのか?ほむら」

ほむら「はい。ああすれば一発で起きるよ、ってまどかが」

詢子「手順は合ってたけど勢いが足りないな。もっとこう…ガバッと!だな」

知久「ママ、まずは自分で起きる努力をね」

詢子「分かってるって…じゃあそろそろ行くわ」

詢子「ほい、パパ」チュッ

詢子「ほい、タツヤ」チュッ

詢子「ほい、ほむら」スッ

ほむら「はい。小母様、いってらっしゃい」

詢子「うし!行ってくる!」パチーン

[木曜日昼 学校屋上]


さやか「さて、二日目を終えての両選手の心境を聞いていきましょう」

ほむら「なんでスポーツインタビュアーっぽいのよ」

まどか「えっと…、明日も頑張ります」

ほむら「まどか、無理して流れにのらなくていいわ」

さやか「お、今日のまどかのお昼はオムライスだね」

まどか「うん。昨日帰ってお昼寝しちゃって晩御飯は簡単なので済ませちゃったから」

さやか「残り物が無かった、と」

まどか「えへへ…」

ほむら「まどか、頑張ってね」

まどか「ありがとうほむらちゃん」ニコッ

さやか「しかし帰って昼寝しちゃうとは」

さやか「そんなにほむらのベッドの寝心地がよかったのぉ?」ニヤリ

まどか「!? ごほっごほっ…!」

ほむら「ま、まどか!大丈夫?」

さやか(あれー?適当に言ったのに図星でした?)

さやか「ごめんごめんまどか、大丈夫?」

まどか「もー…さやかちゃんひどいよぉ…」

ほむら(こんな時だけど咳込んでちょっと涙目になっているまどか可愛い)

[木曜日放課後 学校]


さやか「今日は途中まで一緒に帰るよ」

ほむら「あら?今日は上條恭介と一緒じゃないの?」

さやか「たまには友達と帰らないとね」

さやか「まああんた達が二人っきりがいいっていうなら遠慮するけど」ニヤニヤ

まどか「い、一緒に帰ろ?さやかちゃん」

ほむら(さやかの思い通りに進むのが腹立たしいわ…)

[木曜日放課後 通学路]


ほむら「最近杏子と連絡とってないの?」

さやか「だって杏子携帯持ってないし取りようがないのだもん」

さやか「ふらっとこっちに来たと思ったらすぐいなくなっちゃうし」

まどか「なんか首輪のついてない猫みたいだね」

さやか「まあ野良猫のほうが可愛げが…」ピクッ

ほむら「…!」ピクッ

まどか「どうしたの?」

ほむら「魔女の反応ね…、近いわ」

さやか「どうする?」

ほむら「二人で大丈夫でしょう。行くわよ」

さやか「りょーかい。んじゃーまどか、ちょっと鞄見ててくれる?」

まどか「う、うん。二人とも気を付けてね」

[木曜日夕方 通学路付近]


ほむら「ただいま」

まどか「ほむらちゃん、さやかちゃん、おかえり!」

さやか「ただいま、ありがとね鞄見ててくれて」

まどか「わたし…こんなことくらいしか出来ないから…」

さやか「そんなこと気にしなくてもいいのに」

ほむら「そうよ。契約しないっていう約束を守ってくれていて私はそれだけで嬉しいのだから」

まどか「…うん」

さやか「それにしても久々だったからちょっと疲れちゃったなー」

ほむら「そうね。早く帰りましょう」

[木曜日夕方 鹿目家]


ほむら「た、ただいま帰りました」ガチャ

知久「おかえりほむら。今日はちょっと遅かったね」

ほむら「その…少し友達と寄り道をして」

知久「なるほどね。もうすぐ晩御飯だけど何か飲むかい?」

ほむら「いえ、大丈夫です。ありがとうございます」

知久「そう。…あ、お弁当箱先に預かっておくよ」

ほむら「あ、はい…美味しかったです。ご馳走様でした」

知久「お粗末様でした」

タツヤ「ほむあー!ほんよんでー!」

ほむら「ふふっ、今日は何を読んで欲しいの?」

タツヤ「これー!」

【おぐりとなぐら】

ほむら(この家の絵本事情は一体どうなっているのかしら…)

ほむら「か、かまへんかまへん」

ほむら(これを読むのは苦痛ね…あら?)

タツヤ「zzz」

ほむら(膝の上で…)

ほむら「…」ナデナデ

タツヤ「ん~…zzz」

ほむら「ふふっ」

ほむら(…なんだか私も少し眠く……)ウトウト

[木曜日夕方 鹿目家]


詢子「たっだいまー!」

知久「シーッ」

詢子「ん?どうしたのパパ?」

知久「見ればわかるよ」

詢子「ん~?…おやおや」

ほむら「zzz」

タツヤ「zzz」

知久「リビングのソファで寝るくらいこの家に馴染んでくれたってことかな」

詢子「嬉しいねえ」

詢子「…そうだ」ニヤッ

[木曜日夕方 ほむらの部屋]


まどか「そろそろご飯作らないと」

まどか「…ベッドが名残惜しい」

メザメタコー♪

まどか「あ、メールだ」ガバッ

まどか「…ママから?何だろ」ポチポチ

まどか「これって…」

[木曜日同刻 鹿目家]


ほむら「…んんっ」

詢子「おっ、ほむら起きたか」ポチポチ

ほむら「あ…す、すいません」

詢子「何謝ってんだ?寝てるだけで怒る親なんていねーって」

ほむら「はい…」

詢子「タツヤー!ご飯にするぞー!起きろー!」

ほむら「タっくん、ご飯よ」ユサユサ

タツヤ「ん~…」

タツヤ「あー!ママー!おかーりー!」

ほむら「小母様、おかえりなさい」

詢子「ああ、ただいま」

知久「二人とも起きたようだし晩御飯にしようか」

ほむら「はい、小父様」

タツヤ「ごーはーんー!」

[木曜日夜 鹿目家]


ほむら「お先にお湯いただきました」

詢子「んじゃあ次はあたしが入ろっと。タツヤいくぞー」

タツヤ「あーい」

知久「ほむら、何か飲むかい?」

ほむら「えっと…牛乳いただけますか」

知久「はい、ちょっと待ってね」

ほむら「あの…一つお願いがあるんですけど」

知久「はい、牛乳。…何かな?」コトッ

ほむら「ありがとうございます。…明日の晩御飯私に作らせていただけませんか?」

知久「どうしてだい?」

ほむら「こんなにも優しくしていただいて、少しでも何か御礼をしたくて」

ほむら「私の料理なんて御礼になるかわかりませんが…」

知久「ほむらちゃんの料理の腕は全く心配してないんだけど」

知久「こちらからお願いしてまどかをほむらちゃんの部屋に住まさせて貰ってるわけだしね…」

ほむら「ですが…」

知久「ほむらもまどかも頑固なところがそっくりだね」

ほむら「…」

知久「じゃあ明日は二人で晩御飯を作ろう」

ほむら「…いいんですか?」

知久「うん。流石にほむら一人に任せてしまっては申し訳がないからね」

ほむら「ありがとうございます。小父様の邪魔にならないよう頑張ります」

知久「ふふっ、心配はしてないよ」

ほむら「では明日宜しくお願いします」

知久「うん。こっちこそよろしくね」

[木曜日夜 ほむらの部屋]


まどか「…」ポチポチ

まどか「よしっ、これで…」

まどか「ティヒヒ♪」

まどか「おやすみ、ほむらちゃん」

[金曜日朝 鹿目家]


ほむら「失礼します」ガチャ

ほむら(まずはカーテンを開いて)シャー

ほむら(掛け布団を一気に…)ガシッ

ほむら「起きてくださーい!」ガバッ

詢子「うぎゃあああああああ!」ジタバタ

詢子「お、ほむらおはよう」

ほむら「小母様、お早うございます」ニッコリ

詢子「んー!目が覚めたー!」ノビー

詢子「おっしゃ、洗面所行こうか!」

ほむら「はい、小母様」

[金曜日同刻 ほむらの部屋]


ピピピピピピピ――

まどか「…んんっ」

まどか「朝かぁ…」

まどか「…」ポチポチ

まどか「ティヒヒ♪おはようほむらちゃん」

まどか「…もうちょっとだけゴロゴロしたい」

まどか「ちょっとだけ…ちょっとだけ…」

[金曜日朝 鹿目家]


知久「ママ、今日はほむらと二人で晩御飯作るからちゃんとお腹空かせて帰ってきてね」

詢子「おー楽しみだ。期待してるよ」

ほむら「あんまり期待されても困るのですが…」

詢子「謙遜するなって、じゃあそろそろ」

詢子「ほい、パパ」チュッ

詢子「ほい、タツヤ」チュッ

ほむら「いってらっしゃい、小母様」スッ

詢子「おー!行ってくる!」パチーン

[金曜日同刻 ほむらの部屋]


まどか「…んんっ」

まどか「…あっ!寝ちゃった!」

まどか「時間は…まだ間に合うよね…」

まどか「わたしが簡単に作れるもの…二日連続になっちゃうけど仕方ないや」

[金曜日昼 学校屋上]


さやか「さて、いよいよ最終日だね」

ほむら「正直あっという間だったわ」

まどか「そうだねー」パカッ

ほむら「あら?今日もオムライスなの?」

まどか「実は…最後の最後で寝坊しかけちゃったのでした…」

さやか「まあ遅刻しないでよかったじゃん?」

ほむら「…まどか、よかったらお弁当交換してくれない?」

まどか「えっ?でも…」

ほむら「二日続けて同じメニューは飽きるでしょう?」

まどか「…いいの?」

ほむら「ええ。作ってくださったお父様には申し訳ないけどまどかなら許してくれるでしょうし」

まどか「ありがとう…ほむらちゃん」

まどか「でも味は保証できないかも…」

ほむら「大丈夫よきっと」パクッ

ほむら「うん、美味しいわ」

まどか「ほんと?…ありがとっ♪」

さやか「あーお弁当美味しい!あー美味しい!」バクバク

[金曜日放課後 鹿目家]


ほむら「ただいま帰りました」ガチャ

知久「おかえり、ほむら」

タツヤ「おかーりー!」

ほむら「ただいま」ナデナデ

ほむら「あ、お弁当なんですが…」

知久「ん?どうかしたのかい?」

ほむら「実は――」

知久「はははっ、別に気にしなくてもいいのに」

ほむら「折角作って頂いたものだったので…」

知久「ほむらちゃんは正直な子だね」

ほむら「…いえ、そんなことはありません」

ほむら「ただ…小父様と小母様には嘘は付きたくないので…」

知久「なるほどね…じゃあそんな正直者なほむらにはケーキのご褒美をあげようかな」

ほむら「あ、ありがとうございます」

知久「色々控えめにしているから、ね?」

ほむら「…ありがとうございます」

知久「コーヒーはブラックでいいかな?」

ほむら「…お願いします」

[金曜日同刻 ほむらの部屋]


まどか「ほむらちゃんの部屋とも今日までかぁ…」

まどか「ちゃんとお掃除しておかないと」

まどか「あと…お布団を堪能しよう…」

[金曜日夕方 鹿目家]


詢子「たっだいまー!」

知久「おかえり、ママ」

タツヤ「ママおかーりー!」

ほむら「小母様、お帰りなさい」

詢子「さあ食べるぞー。お腹ペコペコだわ」

知久「この肉じゃがはほむらが作ったんだよ」

ほむら「お口に合うかわかりませんが…」

詢子「いただきます」パクッ

詢子「おー…うめえわコレ」

知久「じゃあ僕も…いただきます」パクッ

知久「うん、味が染みてて美味しいよ」

ほむら「あ、ありがとうございます」

詢子「これだけ美味いもん作れるならまどかも安心だな」

ほむら「!? けほっ…けほっ…」

知久「ほむら、大丈夫かい?」

ほむら「は、はい…大丈夫です」

知久「今日で交換生活も終わりだけど…どうだった?」

ほむら「とても優しくして頂いて…楽しかったです」

詢子「あたし達もほむらの色んな顔が見れて楽しかったよ」

知久「そうだね。…ほむら、このままこの家に住む気はないかい?」

ほむら「…それは」

詢子「まあ無理にとは言わないけどさ、やっぱり誰かと一緒に暮らす方がいいと思うぞ」

ほむら「…ごめんなさい……やはりそこまで甘えてしまう訳にはいきません」

知久「そうか、ごめんね。しつこくて」

ほむら「いえ…とても嬉しいです」

詢子「…おっし!ほむら風呂入るぞ!」

ほむら「えっ…?またですか?」

詢子「今回も勿論拒否権は無いからなー」ズルズル

ほむら「ああ…やっぱりそうなんですね……」

[金曜日夜 ほむらの部屋]


まどか「お布団の中…幸せ…」

まどか「でも、今日で最後なんだね」

まどか「ほむらちゃん、どうだったのかなぁ」

まどか「わたしは…独り言ばっかり言うようになっちゃったね…」

まどか「…」ポチポチ

まどか「おやすみ、ほむらちゃん」

[金曜日同刻 まどかの部屋]


ほむら(今日でこのお布団ともお別れね)

ほむら(…名残惜しいわ)ゴロゴロ

ほむら(それに…この家も…)

ほむら(まどかに御礼を言わないといけないわね)

ほむら(小父様と小母様と、あとタっくんにも)

ほむら(…)ウトウト

ほむら(まどか、おやすみなさい)

[土曜日朝 鹿目家]


まどか「たっだいまー!」

知久「おや、早いね」

まどか「うん。みんなで朝ごはん食べたいな、って思っちゃって」

ほむら「まどか、お早う」

まどか「ほむらちゃんおはよ♪」

知久「じゃあママも起こしてご飯にしようか」

まどか「起こしてくるねー」タタタッ

「オッキロー!」

「ギャアアアアア」

ほむら「…流石に手慣れていますね」

知久「いつもの朝の風景ってやつかな」

ほむら「では…小父様、小母様、タっくん…短い間でしたがありがとうございました」

ほむら「まどかも…有難う」

まどか「ううん、わたしのわがままから始まったことだし…ありがとう、ほむらちゃん」

ほむら「いえ…本当に楽しかったから…少しまどかには申し訳ないな、って思ってしまって」

詢子「またいつでも遊びにおいで」

知久「うん。大歓迎だよ」

タツヤ「ほむあー!ばいばーい」

ほむら「ありがとうございます。…では失礼します」ガチャ


バタン


まどか「…帰っちゃったね」

詢子「どうだった?一人暮らしは」

まどか「やっぱり…本当に一人で暮らすのはわたしには無理かなぁ」

知久「うん?どういう意味だい?」

まどか「…内緒だよっ」

[土曜日朝 ほむらの部屋]


ほむら「…ただいま」ガチャ

ほむら(ほんの数日だったけど…随分久しぶりに感じるわね)

ほむら(それに…こんなにも静かなものだったかしら…?)

ほむら「…随分と綺麗にしてくれたのね、まどか」

ほむら「さて、洗濯でもしましょうか」

ほむら(…独り言が多くなった気がする)

[土曜日夜 ほむらの部屋]


ほむら「…頂きます」パクッ

ほむら「…」モグモグ

ほむら(…何か足りない気がする)

ほむら(それに…)

シーン

ほむら「…」モグモグ

ほむら「テレビでも点けようかしら」ピッ

ほむら(以前はほとんど観なかったけど…)

[土曜日夜 まどかの部屋]


まどか(ほんの数日だったけど自分の布団が久しぶりに感じる)

まどか「よいしょっと」ボフッ

まどか(あ…)

まどか(ほむらちゃんの匂いだ)

まどか(えへへ…)ポチポチ

まどか(おやすみ、ほむらちゃん)

[土曜日同刻 ほむらの部屋]


ほむら「自分の布団で寝るのも久しぶりに感じるわね」

ほむら「…」ポフッ

ほむら「あ…」

ほむら「まどか…」

ほむら「クスッ」

ほむら「まどか、お休みなさい」

[月曜日朝 鹿目家]


まどか「おっきろーーーー!」ガバッ

詢子「うぎゃあああああ!」

詢子「…おうまどか、おはよう」

まどか「おはようママ」ニコッ

[月曜日同刻 ほむらの部屋]


ほむら「んんっ…」

ほむら「あっ!小母様を起こさないと…」

ほむら「ってもう自分の部屋だったわね…」

ほむら「…ふぅ」

ほむら「そうだ…お昼も用意しないと…」

ほむら「…いつものでいいわね」

[月曜日昼 学校屋上]


さやか「で、結局いつも通りに戻ると」

ほむら「慣れって怖いわね」パクッ

ほむら(…あれっ)モソモソ

ほむら(今までも美味しいとは思わなかったけれど)

ほむら(これ以上食べ進める気が起きないわ…)

ほむら(ゼリーだけでいいわ…)チュー

まどか「あれ?ほむらちゃんもういいの?」

ほむら「え、ええ。あまり食欲が無くて」

まどか「大丈夫?」

ほむら「ええ。ありがとうまどか」

[月曜日夜 鹿目家]


まどか「そういえばほむらちゃんがね」

知久「? どうかしたのかい?」

まどか「あんまり食欲無いみたいで…ちょっと心配かな、って」

知久「お昼のことかい?」

まどか「うん。いつもと同じもの食べてたんだけど…ほとんど残しちゃってて」

知久「そうか…」

[月曜日同刻 ほむらの部屋]


ほむら「…」モグモグ

ほむら(やっぱり…何か物足りない)

ほむら「味付けは変わってないはず…よね」ズズッ

ほむら「まどかのお父様の料理に舌が慣れてしまったのかしら」

ほむら「そうだとしたら大変ね…まともに食事できる気がしないわ」

ほむら「それにしても…独り言が増えたわね」

[火曜日朝 鹿目家]


知久「まどか、これも持っていって」

まどか「え?お弁当二つ?」

知久「ママ今日お弁当要らないの忘れててね…」

まどか「じゃあ…ほむらちゃんに渡してもいいかな?」

知久「うん。そうしてくれるかな」

知久「そうそう、晩御飯も食べにおいで、って誘ってくれるかい?」

まどか「…うん!じゃあ行って来まーす!」ガチャ

[火曜日昼 学校]


まどか「ほむらちゃん、はいこれ」

ほむら「えっ…お弁当?」

まどか「パパがね、今日ママお弁当要らないの忘れてて作っちゃったらしくて」

ほむら「頂いてしまってもいいのかしら…?」

まどか「うん!わたし一人じゃ食べきれないし」ティヒヒ

ほむら「…ありがとう。頂きます」パクッ

ほむら「やっぱり…美味しいわね」

まどか「そういえば今日晩御飯も食べにおいでってパパが言ってたんだ」

ほむら「…いいのかしら?」

まどか(あれ?いつもは絶対一回は断ろうとするのに…?)

まどか(でもいっか♪嬉しいし)

まどか「うん!来てほしいな!」

ほむら「…ありがとう。お邪魔させてもらうわね」

さやか「あたしの出番無し!」

[火曜日放課後 鹿目家]


まどか「たっだいまー!」

ほむら「ただいまかえ…あっ…」

ほむら「お、お邪魔します…」

知久「おかえりまどか。やあ、いらっしゃいほむらちゃん」

ほむら「あっ…。……こ、こんにちわ小父様」

まどか(ほむらちゃん、なんかちょっと顔が暗いような…)

まどか「ほむらちゃん?どうしたの」

ほむら「い、いえ…なんでもないわ」

タツヤ「ねえちゃ!ほむあー!おかーりー!」

まどか「ただいまタツヤ」ナデナデ

ほむら「こんにちわ、タっくん」ナデナデ

タツヤ「おかーりー!」

ほむら「えっ…」

タツヤ「ほむあおかーりー!」

ほむら「…た、ただいま」

タツヤ「えへへー」

知久「はははっ、じゃあみんなでお茶にしようか」

まどか「はーい」

ほむら「ありがとうございます」

[火曜日夕方 鹿目家]


詢子「たっだいまー!」

詢子「おっ、ほむらちゃんいらっしゃい!」

ほむら「お、おじゃましています…」

知久「じゃあご飯にしようか」

まどか「うん!」

「いっただっきまーす」

ほむら「…いただきます」

まどか「美味しー!」モグモグ

知久「ほむらちゃん、最近食欲無いみたいだけど大丈夫?」

ほむら「あ、は、はい…大丈夫です。ありがとうございます」

まどか「今日はお昼ちゃんと食べてたよ!」

詢子「ダメだぞちゃんと食べないと」モグモグ

ほむら「…はい、すいません」

ほむら「…」パクッ

ほむら(美味しい…)

まどか「でねー、今日さやかちゃんがまた…」

タツヤ「えーい!」

詢子「コラ、タツヤ食べ物で遊んじゃダメだぞ」

知久「ママ、お酒のお替りは?」

ほむら(賑やかね…)

ほむら(とても…あたたかい……)

ほむら(楽しい…)

ほむら「……ぅ…うぅ……」

まどか「ほむらちゃん…?」

ほむら「ごめんなさい…急に……」

ほむら「この家が…とてもっ……あたたくて…居心地がよくて……」

ほむら「楽しくっ…て……」

ほむら「一人になったときが……静かすぎて…寂しくて……」

知久「…ほむらちゃん」

知久「いや…ほむら。君はここに居ていいんだよ」

ほむら「でもっ…」

詢子「誰かといたいっていうのは甘えなんかじゃない」

詢子「むしろほむらの歳くらいだとそれが当たり前なんだ」

ほむら「…ぅ…うっ」

タツヤ「ほむあー」ナデナデ

ほむら「タっくん…慰めてくれるの…?」グスッ

知久「タツヤ、昨日描いたのをほむらに見せてあげて」

タツヤ「はーい」ペラッ

ほむら「これ…は…」

詢子「鹿目家全員集合の絵だな。…ほむらも含めての」

ほむら「…うっ…ううぅっ……タっくん…ありがとう……」

まどか「ほむらちゃん」ギュッ

ほむら「まどか…っ…」

まどか「これから…よろしくね」

ほむら「……」

ほむら「…うん」

[火曜日夜 鹿目家]


ほむら「お風呂、ありがとうございました」

ほむら「それに…今日からいきなり泊まってしまって」

知久「いいんだよ。鹿目家の一員なんだからね」

知久「何か飲むかい?」

ほむら「じゃあ…牛乳お願いします」

知久「はいはい。ちょっと待ってね」

ほむら「…小父様」

知久「ん?なんだい?」

ほむら「少しお話があります」

知久「…うん、わかった」

知久「それで、話っていうのは?」

ほむら「先に…私は嬉しかったというのを念頭に置いておきます」

ほむら「今回の件、言い出したのはまどかなんですか?」

知久「どういうことかな?」

ほむら「…本当にまどかが『一人暮らしをしたい』と言いだしたのですか?」

知久「やっぱり、バレてたんだね」

ほむら「いえ、確信はありませんでした。…近いものはありましたけど」

知久「いつからそう思っていたのかな?」

ほむら「先週、ここにお邪魔させてもらって話を聞いたときに違和感のようなものがありました」

ほむら「それから日を重ねるごとに確信に近づいていきました」

ほむら「頑張っているまどかを見ていると、です」

知久「理由を聞かせてもらえるかな?」

ほむら「はい。あの頑張っているまどかは…」

ほむら「誰かの為に頑張っているまどかの姿にそっくりでしたから」

知久「なるほどね…」

知久「降参だよ。ごめんね…ほむら」

ほむら「いえ、先ほどもお伝えしましたがとても嬉しかったです。ですから…」

知久「そうか…ありがとう。じゃあ全部話してしまおうかな」

知久「先週の日曜のことなんだけど――」

[先週の日曜日夜 鹿目家]


まどか「あのねパパ…相談があるんだけど…」

知久「どうしたんだい?」

まどか「えっとね…」

まどか「ほむらちゃんのことなんだけどね」

まどか「ずっと一人暮らしで身の回りのことを一人でしてて…大変だと思うの」

まどか「だからせめて少しだけでもいいからこの家でゆっくりしてもらいたいな、って」

知久「なるほどね。でもほむらちゃんはなかなか折れてくれないからなぁ」

まどか「うん…。多分普通に誘っても断られちゃうと思う…」

知久「…そうだね、じゃあこういうのはどうかな」

まどか「何かいいアイディアがあるの?」

知久「ああ。ほむらちゃんはまどかに弱いからね」

まどか「?」

知久「少しまどかには大変な事だと思うけど――」

[火曜日夜 鹿目家]


ほむら「そこで一人暮らしを提案した、って訳ですか」

知久「そうだね…申し訳ないと思っているよ。付け込むようなことをしてしまって」

知久「まどかはほむらが少しでもゆっくりできるように頑張ってくれた」

知久「そこから先…、ほむらが少しでもこの家に住みたいと思ってくれるように振舞ったのは僕とママの案なんだ」

知久「といっても、自分の娘のように接しただけなんだけどね」

ほむら「それが私にはとても嬉しかったんです」

ほむら「それに…私が頑なに断っていたのがそもそもの原因ですし」

ほむら「お世話になるって決めてしまったら随分気が楽になりました」

ほむら「本当に、ありがとうございます」ペコッ

知久「色々面倒なこともあるかもしれないけど、こちらこそ宜しく頼むよ」

ほむら「こちらこそ宜しくお願いします…お、……小父様」

[火曜日夜 まどかの部屋]

ほむら(少し、話が長くなってしまったわね…まどかはもう寝てるかしら)ガチャ

まどか「…んっ…ほむらちゃん」ウトウト

ほむら「ごめんなさい遅くなってしまって、先に寝ててくれてよかったのよ?」

まどか「…一緒に……寝たかったから…」

ほむら「…私もよ」

ほむら「まどか…」ギュッ

まどか「…ほむらちゃん?」

ほむら「ありがとう。私の為に頑張ってくれて」

まどか「ティヒヒ…バレちゃった?」

ほむら「本当に、ありがとう」ギュッ

まどか「ううん、ずっとわたしの為に頑張ってくれてたんだもん」

まどか「少しくらいはわたしもほむらちゃんの為になにかしてあげたかったから…」ギュッ

ほむら「…私は」

ほむら「まどかが側にいてくれるだけでいいの」

ほむら「そう思っていたのに…筈なのに…こんなに欲張りになってしまって…」

まどか「ほむらちゃんは欲張りさんなんかじゃないよ」

ほむら「そう…なのかな…」

まどか「うん。もっと、もっとほむらちゃんには甘えて欲しい、かな…」

まどか「かっこいいほむらちゃんも好きだけど」

まどか「二人きりのときのほむらちゃんはもっと…大好き」

ほむら「…私も、どんな時でもまどかのことが…大好きよ」

まどか「…ティヒヒ///」ナデナデ

ほむら「…早速甘えたいのだけど」

まどか「どうしたの?」

ほむら「今日は…このまま…」ギュッ

まどか「うん。このまま寝よっ♪」

ほむら「ありがとう、まどか」

まどか「おやすみ、ほむらちゃん」ギュッ

ほむら「まどか、おやすみ」ギュッ

[金曜日朝 鹿目家]


まどか「んんっ…」

ほむら「おはよう、まどか」

まどか「むーっ」ボフッ

ほむら「なんで顔を隠すの?」

まどか「だって…今日もほむらちゃんの寝顔見れなかったもん…」

ほむら「まどかが起きるのが遅いからよ」

まどか「ほむらちゃんと一緒に寝る様になって起きるの早くなったもん」

ほむら「フフッ、ごめんね?別に意地になって早く起きてる訳じゃないのよ」ナデナデ

まどか「うー…」ギュッ

ほむら「そろそろ起きましょう。お父様がココアを淹れてくれている筈よ」

まどか「…あと五分」

ほむら「もう…仕方ないわね」ギュッ

まどか「…ティヒヒ」

ほむら「ふふっ」ナデナデ

まどか「パパおはよー」

ほむら「おはようございます」

ほむら「お父様」

知久「まどか、ほむら、おはよう。ココアそこに置いてあるからね」

まどか「はーい」

ほむら「ありがとうございます」

まどか「いただきまーす」ズズッ

ほむら「いただきます」ズズッ

まどか(あれっ?)

ほむら(あらっ?)

まどか「パパ、今日の少し苦いかも…」

ほむら「すいません、今日の少し甘いように…」

まどか「えっ?」

ほむら「えっ?」

知久「あ、ごめんごめん。淹れ間違えちゃったみたいだね」

まどか「つまり…」

ほむら「えっと…交換しましょう?」コトッ

まどか「…うん」コトッ

ほむら「…」

まどか「…」

ほむら(まどかが口を付けたマグカップ…)

まどか(ほむらちゃんが口を付けたマグカップ…)

まどかほむら「い、いただきます」ズズッ

まどかほむら「…///」

知久「ふふっ」

ほむら「そろそろ時間ね」

まどか「うん。パパー!ママ起こしてくるね!」

知久「ああ、頼んだよ二人とも」

タツヤ「ママァー!朝ー!起きてー!朝ー!」

ガチャ

ほむら「おはようタっくん」シャー

まどか「タツヤ、おはよー」シャー

タツヤ「ねえちゃ、ほむあ!おはよー!」

ほむら「じゃあ…」ガシッ

まどか「せーの…」ガシッ

まどかほむら「おっきろーーーー!」ガバッ

詢子「うぎゃああああああああああ!」

まどか「おはようママ」ニッコリ

ほむら「おはようございます」

ほむら「お母様」ニッコリ

詢子「…おう、おはよう。まどか、ほむら、タツヤ」

詢子「おっしゃ洗面所行くぞー!」

[金曜日朝 鹿目家]


知久「ママ、コーヒーのお替りは?」

詢子「んー」チラッ

詢子「いいや」ガタッ

詢子「ほい、パパ」チュッ

詢子「ほい、タツヤ」チュッ

詢子「まどか、ほむら」スッ

まどか「うん」スッ

ほむら「はい」スッ

詢子「行ってきます!」パチーン

まどか「わたし達もいこっか」

ほむら「そうね。お父様、タっくん…いってきます」

知久「二人とも、いってらっしゃい」

タツヤ「いってらー!」

まどか「いってきまーす!」

まどか「ほむらちゃん」

ほむら「どうしたの?」

まどか「二人だけで行ってきますの挨拶…なにかしよっか?」

ほむら「何かって…何をするの?」

まどか「…頬っぺに」チュッ

ほむら「ちょ、ちょっと…!///」

まどか「…嫌、だった?」

ほむら「…嬉しかった、わよ///」

まどか「…わたしもして…欲しいな」

ほむら「…///」チュッ

まどか「ティヒヒ///」

メザメタコー♪

まどか「あ、さやかちゃんからメールだ…遅れそうだから先に行って、だって」

ほむら「はぁ…さやからしいわね……って」

ほむら「…まどか」

ほむら「その待ち受け…」

まどか「あっ!…えっと…これはね…」

ほむら「なんで私とタっくんの寝顔なのかしら?」

まどか「…ティヒヒ 内緒」

ほむら「携帯を貸しなさい」

まどか「…ごめん!」タタタッ

ほむら「あ、まどか!待ちなさい!」

まどか「ほむらちゃんが寝顔見せてくれたら待ち受け戻すよー!」タタタッ

ほむら「恥ずかしいから!今すぐやめて!待ってまどか!」タタタッ

                                         おわれ

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