まどか「魔道戦士かなめ☆マギカ、はっじまるぜー!!」 (44)

諸注意

・誰だお前

SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1385120774

まどか「いってきまーっす!」

まどか「あたい円要(まどかかなめ)!どこにでもいる平凡な女子中学生!ちょっぴり変わってるところといえば、男勝りって言われることかな!」

まどか「だけど、あたいの目指す道はかっこよさの果てにあるからね!かっこいいこそ正義!」

まどか「そう思うだろミキ!」

さやか「・・・ぇ、ぁ、はぃ」

まどか「こいつは佐屋加ミキ(さやかみき)。かなり引っ込み思案で根暗なんだけど、幼馴染でいつもつるんでるんだ」

まどか「お、あそこにいるのはー!ひとみーっ!」

ひとみ「・・・・・・」ゴゴゴ

まどか「この緑髪姐さんは日登美シズキ(ひとみしずき)。同級生とは思えない貫禄だろ?武道のスペシャリストを目指していてありとあらゆる武術を稽古中なんだ!」

ひとみ「まどか殿でござるか。今日も元気いっぱいでござるな。おや、そのリボン・・・・・・」

まどか「お、ばれちゃったかー!あたい、今日は薄赤のリボンにしてみたんだ!闘志が滾るぜ!」

ひとみ「ふっ、よく似合っているでござるよ」

さやか「・・・・・・か、かわいいよまどか」

まどか「あ゛ぁーん?」

さやか「ひっ・・・・・・」

まどか「かわいいじゃねーよ!かっこいいだろー!」







ほむら「どうしてこうなった」

ほむら「(目を覚ますといつものベッドの上だった。ただ、私は心臓病で入院したわけではなく、ただの検査入院だったらしい)」

ほむら「(特筆すべきは私の名前が『保村明美(ほむらあけみ)』になっていたこと。なんか外国にいるみたいで歯がゆいわ)」

ほむら「(心臓病でもないのになぜ見滝原に・・・・・・と思ったら家族が引っ越してきていたわ。家族で暮らすのは久しぶりだったからちょっと嬉しかった)」

ほむら「(いつも通り、武器の確保や魔女退治、エイミーの交通事故防止などをやっていてわかったのだけれど)」

ほむら「(どうやら私だけでなく、何人かの名前が上下逆転していて、しかも性格も変わっていたわ)」

ほむら「(どう考えても私の戦場はここじゃない。だけど、一ヶ月程待たなければ時間遡行は使えない)」

ほむら「(とりあえず様子を見ましょう)」

和子「はい、それから、今日は転校生を紹介します」

まどか「そっちが後かよぉー!!!」

さやか「ぁの、し、静かにしてねまどか」

和子「・・・・・・それでは、あけみさーんいらっしゃーい」


ほむら「ほむらあけみです」

まどか「あーっ!お前はーっ!」ガタッ

ほむら「ひっ」ビクッ

まどか「と、思ったら初対面だったぜー!」ドッ

中沢「まどかおもしろすぎるぜー!」ドッ

ほむら「・・・・・・」

ほむら「(一応、まどかと会話してみないとね・・・・・・)」

ほむら「ごめんなさい、ちょっと体調が優れないみたいなの」

クラスメイトA「じゃぁ保健室、案内するよ」

ほむら「いいわ、保健係の人にお願いするから」

クラスメイトB「ほ、保健係!?や、やめときなよ私たちが案内するよ!」

ほむら「・・・・・・?いいのよ、気を使わなくて。まどかさんでしょ、先生から聞いた」



ほむら「まどかさん、保健室まで連れて行ってくれるかしら」

まどか「あ゛ぁーん?あたいに命令するたぁいい度胸だぜ。気に入った、ついてきな!」

ほむら「(いちいちうっとうしいわねこのまどかは・・・・・・)」

ほむら「まどか、あなたは家族を大切にしてる?」

まどか「ちょっと待てほむらぁ」

ほむら「っ、何かしら?」

まどか「今お前断りも無く呼び捨てにしやがったなぁ?」

ほむら「そうね、気に触ったなら謝るわ。まどかさん」

まどか「いや、いーんだ。あたいの言いたいことはそういうことじゃねぇ。むしろ呼び捨てにされて嬉しいんだよ!」

ほむら「?」

まどか「初対面で即呼び捨てなんて、誰でもできる芸当じゃねぇ。気に入ったよあんた!あたいの最高のダチにしてやんよ!これからはかなめって呼んでくれ!」

ほむら「なら、私のことはあけみでいいわ」

まどか「よろしくなっ!あけみっ!」

ほむら「(まどかに苗字呼びされるのも新鮮ね)」

まどか「なーところであけみー、どうせ仮病なんだろ?もうこのままバックレちまおうぜ!」

ほむら「!?いや、さすがにそれはまずいわ。授業は受けないと」

まどか「ちぇー、あけみはクソ真面目だなーチキショー」ブー

まどか「あ、そういやさやかの野郎が帰りにCDショップ寄りたいって言ってたんだ、あけみも一緒にいこうぜ!」

ほむら「えぇ、誘ってくれてありがとう。一緒に行くわ」




さやか「・・・・・・!!」プルプル

まどか「しずきの姐さんは今日も道場だってよー。ホント、稽古で忙しくて遊べないなんて、同情しちゃうぜー!なんつってー!」ダハハ

さやか「ま、まどか・・・・・・この転校生、なんでいるの・・・・・・」

まどか「あ゛ぁーん?そりゃーダチだからだろー。いい加減、人見知りの癖治せよなー」

ほむら「はじめましてさやかさん。よかったら仲良くしてくれるとうれしいわ」ニコッ

さやか「!」ドキッ

まどか「こいつ惚れた男のために聞きもしないクラシックのCD買っていくんだぜ。あたいからしちゃぁ女々しいことこの上ないけどな、こいつの強い意志は尊敬に値するぜ!」

さやか「ばっ!・・・・・・ばらさないでよぉ///」

ほむら「そうなの。実るといいわね、その恋」

さやか「ひぃっ!」ススッ

ほむら「・・・・・・茶化してごめんなさい」

さやか「ぃ、ぃゃ、あの、こっちこそ・・・・・・ごめん。応援してくれてありがとう」

まどか「あたいは演歌一本だけどねー!!キヨシのようにかっこよくなりたいぜー!!」





キュゥべえ「きゅっぷい」

ほむら「!しまっ」

キュゥべえ「君達、僕の姿が見えるかい?」

まどか「!!なんだこいつー!白い狸かー!」

さやか「ひぇぇっ」ススッ

ほむら「(まさかこんな天下の往来でインキュベーターが接触してくるなんて!)」

ほむら(ちょっとキュゥべえ、こんなところであなたと会話したら周囲の人から変に思われるわ!)

キュゥべえ(念話を使えるとは。契約した覚えがないから試してみたけど、やっぱり君は魔法少女なんだね)

まどか「初めてみたぜー!しゃべる狸とかいるもんだなー!」

さやか「い、いるわけ、ないよぉ!きっと宇宙人だよ、まどか!」

キュゥべえ「よかった、僕の姿が見えるみたいだね。実は僕は君たち以外に姿が見えないんだ。だから一旦人気のないところにいって話がしたい」

まどか「うわー!おもしろい狸だなー!いくいくー!」

さやか「ひぃぃっ!人気のないところへ連れ込もうなんて・・・・・・まどか、帰らなきゃ!」

ほむら「そうよまどk・・・・・・いえ、かなめ!行ってはだめ!」

キュゥべえ「・・・・・・というわけなんだ」

まどか「すげー!すげー!あたい、魔法が使えるのかー!かっこいいぜー!」

さやか「そ、そしたらもっと人気者に、なれる、かな・・・ぁ・・・」

ほむら「(結局まどかの勢いに引っ張られてしまったわ)」

まどか「そしてあけみー!やっぱりあんたぁーあたいの見込んだ女だったよ!まさか魔道戦士だったとはなぁ!」

ほむら「ま、魔道戦士?」

まどか「んだよ、魔道戦士。魔法少女じゃかっこよくねーだろ?だから、魔道戦士!かっこいいぜー!」

キュゥべえ「呼び方については君たちの自由だけどね」

まどか「魔道戦士かなめ☆マギカ、はっじまるぜー!!」

ほむら「はじまらないわ」

まどか「えぇっ!?」

ほむら「あのね、かなめ、さやかさん。魔法s・・・・・・魔道戦士になるって、とっても危険なことなの」

まどか「おうおう!」キラキラ

さやか「・・・・・・」ドキドキ

ほむら「魔女と戦う運命から逃れられない。戦いの中で命を落とすこともあるわ。それでもいいの?」

まどか「ほむら、あんたがあたいらの身を案じてくれてるのはよくわかった。だけどな、あたいらがやらなきゃ魔女の被害は増え続けるんだろう?」

キュゥべえ「そうさ、魔女の被害を減らすためには魔道戦士は一人でも多い方がいいんだ」

まどか「あたいはさぁ、まだこの街に生まれて14年だけどよぉ、それでもそれなりに愛着があるんだ。家族もいるし、友達もいる。思い出もたくさんつまってる。そんな街がよぉ、みすみす魔女にやられるのを見てられないっての」

ほむら「そんなこといって、ホントは魔法を使いたいだけでしょ」

まどか「あ、ばれたかー!こりゃ一本取られたわ」ダハハ

さやか「ぅ、ぅぅ、やっぱり、魔道戦士は怖いか、なぁ・・・・・・」

キュゥべえ「!近くで魔女が出現した!急がないと被害者が出るかもしれない!」

まどか「なんだってー!こうしちゃいられねぇ!キュゥべえ、変身だ!」

キュゥべえ「きゅっ!?」

まどか「究・極・形・態☆ファイヤー!バード!フォーッム!!!!」バババッ


・ ・ ・ ÷


まどか「あれ、おかしいぞ変身しないじゃないか!」

キュゥべえ「僕の話を聞いてなかったのかいまどか。奇跡の代償として魔道戦士になるんだって」

まどか「あたいは奇跡とかいらねぇ!ただ魔道戦士になれればそれでいいんだッ!」

さやか「・・・と、ともかくぅ、魔女をやっつけな、いとぉ」

キュゥべえ「そうだよほむらあけみ、さぁ早く退治しにいこう!」

ほむら「(こいつに名前呼ばれるとイライラするわね)」

まどか「あたいらもついてくー!」ブー

さやか「ひぃっ!もう帰ろうよ、まどかぁ・・・・・・」

ほむら「言っても聞きそうにないわね。いいわ、連れて行ってあげる。ただし、絶対に死なないで」

まどか「おーう!まかせとけー!」

ほむら「(不安だ・・・・・・)」



――薔薇の魔女結界――


まどか「すげぇ・・・・・・すげぇ!」キラキラ

さやか「もぅぃやだぁぁ・・・・・・帰りたいぃ・・・・・・」シクシク

ほむら「これが使い魔よ、そして奥にいるのが・・・・・・」

???「迷える子羊達よ、本来居るべき所に還れ」

ほむら「誰!?」

???「名を聞くときはまず己からだが、まぁいい。応えてやるのが世の情け」

まどか「あ、あなたは一体!?」

マミ「我が名は真美ともえ、人それを魔女の掃除屋(スイーパー)と呼ぶ」

ほむら「う、うわあ」

マミ「お主、スイーパーだな?何故ノーマルを2人連れて結界の中へ来たのだ」

ほむら「(ノーマル?)ちょっと事情があってね。2人には危険が及ばないよう気をつけるわ」

マミ「そうか、ならば仕方あるまい。早々に終止符(ピリオド)を打たねばな」

マミ「最後の一撃(ティロ・フィナーレ)!!!」ドーン



まどか「かっ、かっ、かっ・・・・・・」

さやか「ま、まどか?だいじょう、ぶ?」

まどか「かっこいいーーーぜーーー!!!」

まどか「まさか真美師匠が同じ学校の先輩だったなんて!もうこいつは運命としか言い用がないっす!」

さやか「こ、この人、変な人だけど、つよそぅ・・・・・・」

ほむら「(まずいわね・・・・・・巴マミは毎回まどかを魔法少女に勧誘しようとする。なんとかしなくては)」

マミ「円要、佐屋加ミキ。お主らはスイーパーになってはならぬ」

まどか「!?」

さやか「!?」

ほむら「!?」

マミ「スイーパーとして闇に生きるということは、お主が想像している以上に過酷なものだ。その天真爛漫な性格がスイーパーに向いてない、ただそれだけだ。何、悪いことは言わぬ。諦めろ」

まどか「えー!あたいだって魔法使ってかっこよく悪と戦いたいですよー師匠ー!」

マミ「もし今から言う我の普段の生活をお主ができるというのでなければ、だめだ」

さやか「い、いったい、どんな生活、を・・・・・・?」

マミ「ノーマルと極力かかわってはならぬ。人間関係はすべて断たねばならない」

ほむら「」

マミ「なぜかわかるか。我らスイーパーは常に魔の者に狙われている。もし家族や友人を人質にでも捕られたら最後だ。つまり我らはノーマルと関わるだけで危険を与えてしまう」

まどか「な、なんだってー!!」

マミ「故に我は孤独の戦士だ。孤独こそ最高の友人だ。その覚悟があるのか」

さやか「ぅ、なんだか怖いぃ・・・・・・」

まどか「で、でも、さすがに家族との縁を切るなんて」

マミ「殺した」

ほむら「えっ」

マミ「我は親を殺したのだ・・・・・・スイーパーとして、魔女を滅するために」

さやか「な、なんて、ことぉ」バタンキュー

ほむら「(さやかが倒れたのでまどかが背負って帰って解散になったわ)」

ほむら「(さやかは魔法少女になる気をなくしたでしょうけど、まどかはまだわからないわね)」

ほむら「(ただこの時間軸のまどかは契約させちゃってもいい気がする)」

脳内まどか「だめだよほむらちゃん!私と交わした約束忘れちゃったの!?」

ほむら「(うっ・・・・・・ごめんなさいまどか。えぇ、必ずあなたを救ってみせる)」




まどか「うぃーっすあけみー!今日のパンツは何色だー!?」バッサァ

ほむら「」

まどか「おーぅおーぅあたいのリボンとおんなじ色じゃねーか!かっこいいぜー!」

ほむら「」ジワッ

――昼休み屋上――

ほむら「真美、ここにいたのね」

マミ(お主は昨日のスイーパーではないか。何のようだ)

ほむら(あなた、学校でもそういうキャラなのね。周りに変な目で見られないの?)

マミ(直球で聞きよるとは、面白い奴だ。何、ここで会ったのも何かの縁。色々と教えてしんぜよう)

マミ(まず、このキャラは演技だ。普段からこういうキャラを演じている)

ほむら(!?な、なんのために?)

マミ(こんな変な奴と近づきたいと思う奴は少なかろう。そして、魔なる者の存在をノーマルに知られないための隠れ蓑でもある)

ほむら(どういうこと?)

マミ(例えば使い魔が構内に現れたとしても、我なら倒した後も『奇行』の一言で片付けられ深く追求されることはない)

ほむら(・・・・・・)

マミ(街中でスイーパーモードを見られてしまったとしても、そういうコスプレなのだと見てみぬ振りをするであろう)

ほむら(あなたも、苦労してるのね・・・・・・)

マミ(それに比べてお主はなんだ、何故ノーマルを魔の世界へ導くような真似をしていたのだ)

ほむら(それは前も言ったけど、事情があったの。主にキュゥべえのせいよ)

マミ(ふむ、やはりそうか。あやつはノーマルを魔の世界へ導きたがる。それが世界のバランサーとしての役割などと抜かしていたが)

ほむら(あなた、親を殺したってのは嘘でしょ)

マミ(ほぅ、何故そう思った)

ほむら(2人を魔法s、スイーパーにさせないためのとっさの方便じゃなくて)

マミ(正解だほむら。よく気づいたな。両親は事故で失った)

ほむら(そぅ・・・・・・)

ほむら「(どうやらマミは一般人を徹底的に魔法少女にさせたくないという気持ちがあるらしい)」

ほむら「(一体どういうわけかはわからないけれど)」

ほむら「(信用できると思って共闘を願い出たのだけれど、『我の友人は孤独のみ』といって断られてしまったわ)」

キーンコーンカーンコーン
ほむら「(お昼も終わったし、教室に帰ったらまどかを魔法少女にさせないよう説得しなくちゃ)」




まどか「おーいあけみー!見てみろこれがあたいの魔法少女姿だぜー!!」バシュン

ほむら「」

中沢「まどかさんって結構かわいい目の趣味もあったんだ・・・・・・」ヒソヒソ

クラスメイトD[意外だよな、もっとかっこいい系のコスプレするかと思ってた・・・・・・」ヒソヒソ

クラスメイトE[ってか教室でコスプレするとかさすがまどかさんだよね・・・・・・」ヒソヒソ



まどか「いきなりみんなにばれちゃったねー!!クラスのみんなだけのナイショだよ!!」バシュン

ほむら「矢を放つのやめて!」

先生「ほらー授業始めるぞ。まどかさんは早く制服に着替えなさい」

まどか「ちぇー」




ほむら「(あぁ、まどかが魔法少女になってしまった。私の戦場はここじゃない・・・・・・)」

まどか(あけみー!あけみー!)ネンワ

ほむら(なにかしら?)

まどか(この授業寝るから後でノート写させて)

ほむら「こんなくだらないことに念話を使わないでちょうだい!!」



クラス「・・・・・・」シーン

ほむら「ハッ」



クラスメイトA「なにあれ・・・・・・まさかほむらさんもまどかさんみたいに」ヒソヒソ

クラスメイトB「あぁ、ほむらさんにまどか病が感染してしまったか」ヒソヒソ

クラスメイトC「サイコな電波さん・・・・・・?」ヒソヒソ



ほむら「」ウルウル




上条「ミキは僕をいじめてるのかい?」

さやか「ぇ・・・・・・ぇっ、そ、そんな」

上条「聞きたくないんだよクラシックなんか!もうバイオリンは弾けないんだ」

さやか「ひっ!そ、そんな大声、ださな、ぃでぇっ・・・・・・ぁ」ウルウル

上条「お医者様に言われたんだ、奇跡でもない限りもう治らないって!」

さやか「ひぇっ、ぇ、ぇえ!?そ、そんなぁ・・・・・・」ポロポロ

さやか「あぁ、あの、あるよ・・・・・・」

上条「・・・・・・?」

さやか「きっ、きせっきもぉ、ま、まほぅもぉ、あ、ある、んだぁぁぁぁぁあああん」ボロボロ

上条「さ、さやか!?」

看護師「どうされました!?まぁ、さやかさん、落ち着いて、ね?」

さやか「あぁぁぁぁぁああん!!あぁぁぁぁぁあぁん!!」ヒックヒック

上条「大きな声を出してごめんね、ミキ」オロオロ

さやか「うぇぇぇぇぇん・・・・・・グスッ」

ほむら「結局まどかは魔法少女になってしまった。その有り余るパワーで魔女をバッタバッタとなぎ倒しているわ」

ほむら「マミもなんとか生きているみたい。最近は会っても挨拶もしてくれないけれど」

ほむら「さやかはまどかのペット状態ね。魔法少女になることもなくまどかに振り回されてるわ」

さくら「見滝原の皆様はすごいのですね」

ほむら「もうあなたにしか頼るすべがないと思って風見野まで来てみたら・・・・・・」

さくら「もしよろしければもっとお話をお聞かせください。ワタクシ、お話を聞くことが大好きですの」

ほむら「郷湖さくらさん、あなた、なんて、お上品なの!」

さくら「?それはワタクシ、教会の娘ですから」

きょうこ「と言いましても、父の教会はワタクシのせいで破滅、今は細々とワタクシが説法をする毎日ですわ」

ほむら「そう。強いのね、あなた」

きょうこ「いいえ、これは悪魔のささやきに耳を貸してしまったワタクシの罪です。この罪は一生贖罪していかねばなりませんの」

きょうこ「それでほむらさん、今日はどういった御用件で風見野までいらっしゃったのですか?」

ほむら「きょうこさんは、ワルプルギスの夜って知っているかしら」

きょうこ「ええ、もちろんですわ。キリスト教到来以前の異教の春の風習にちなんだ、4月30日か5月1日に中欧や北欧で広く行われる行事のことですわね」

ほむら「・・・・・・そうね、その通りよ」

きょうこ「あら、期待していた答えと違う、と言った雰囲気ですわね。もしかして、最強最悪の災厄、とお答えした方がよかったのでしょうか?」ニヤ

ほむら「!」

ほむら「じゃぁ、あなた、魔法少女なのね?」

きょうこ「まほう・・・・・・しょうじょ?はて、なんのことでしょう。ワタクシはしがないシスターですわ」

ほむら「えっ・・・・・・」

きょうこ「ただ普通のシスターと違うのは、メフィストフェレスと契約してしまった、『ファウストの子』である、といったところでしょうかね」ニヤ

ほむら「!?」

きょうこ「ほむらさんも、その指輪からしてワタクシと同じファウストの子なのでしょう?」

ほむら「え、えぇそうよ。多分」

きょうこ「なるほど、それで。見滝原を守るために力を貸して欲しい、と」

ほむら「話が早くて助かるわ」

きょうこ「もちろん隣人愛に徹することはやぶさかではありませんが、しかしそちらのまどかさんのお話を聞くかぎりですと、ワタクシの力など及ばないように存じますが」

ほむら「そんなことはないわ。それをも上回る可能性を持った最強最悪の災厄なのよ」

きょうこ「なぜそんなにもほむらさんがワルプルギスの夜について詳しいのか、あえて尋ねませんが、わかりました。ワタクシにできることでしたらお手伝いさせていただきますわ」

ほむら「ありがとう、きょうこさん」

ほむら「そういえばあなた、真美ともえさんと付き合いはあったのかしら」

きょうこ「!」

ほむら「あら、あったのね」

きょうこ「どうしてあなたがそのことを知っているのかわかりませんが、お答えしましょう」

きょうこ「そうです、あの方はワタクシの大恩人、大先輩。そして、イスカリオテのユダですわ」

ほむら「?えっと、どういうことかしら」

きょうこ「あの方は、ワタクシの努力、献身、能力、その全てを裏切ったのですわ!」

ほむら「・・・・・・」

きょうこ「ワタクシは命の危ないところを助けてもらい、それから子弟として悪魔討伐に励み、共に辛苦を乗り越えてきたのに」

きょうこ「あの人は、真美ともえは、ファウストの子であることをやめ、堕天したのですわ!」

ほむら「!」

きょうこ「ワタクシはあの人と違い、罪を背負って生きていくつもりです」

ほむら「そう。ならマミと共に共闘することは難しいかしら」

きょうこ「そうですね、こればっかりはどんなにお願いされても無理かと。というかおそらく、あの人の方から願い下げだと思いますわ」

ほむら「わかったわ。マミに関してはワルプルギス討伐チームの勘定から抜いておくわ」

きょうこ「ではまどかさんを入れた三人で臨戦する、ということですわね」

ほむら「そういうことになるわ。きょうこさん、よろしくね」

まどか「魔道戦士かなめ☆まどか、華麗に参上!」

きょうこ「今日はよろしくお願いいたしますわ、まどかさん」

まどか「おうおう!あたいに任せてくれればなんの問題もないぜー!」

きょうこ「まぁ頼もしい」

ほむら「今回ばかりはあまりの大きさのために、まどか一人でさえどうにもならない相手よ」

まどか「うげ、そうなのか」

ほむら「しっかり陣形を組み、展開を考えた戦い方で挑まないと・・・・・・」

まどか「あー、ごめん。あたいそういうの難しくてよくわかんないや。あたいが適用にやってるから、二人はサポートしてよ」

ほむら「(実際それでも大丈夫な気はするけれど)わかったわ。でも最低限これだけは覚えておいてほしいの。ここが出現予測地点、そしてこのタイミングがもっとも魔力を放出するわ。そしてきょうこと私はこのタイミングで・・・・・・」

まどか「・・・・・・zzz」

――ワルプルギス戦――

ほむら「いよいよね」

きょうこ「これは思ったより楽しいお祭りになりそうですわね」

まどか「すげぇ・・・・・・今までで一番すげぇぜ!これはかなめちゃん大活躍の予感!」

ほむら「いい、かなめ。まずは私の物理攻撃で動きをにぶらせるわ。それまであなたは魔力を温存して・・・・・・」

まどか「よっしゃー!突撃ー!速攻あるのみだぜー!」ダッ

ほむら「!!」

きょうこ「あらあら、元気がいいですわね」

ほむら「だ、大丈夫、きっとまどかなら倒してくれる・・・・・・多分!」

ワルプルギス「アハハハハ」

まどか「なんだこいつ、打っても打ってもくたばらねぇ!」

きょうこ「まどかさん!もっと周りに気をつけないと、攻撃をもろにくらってしまいますわ!」

まどか「わかってるよ!でも、あたいの全力全開を、受けてみな!」ドン!

ワルプルギス「アハハハ・・・ハハ・・・」

まどか「よっしゃ効いてる!」

きょうこ「!まどかさん危ない!」

まどか「えっ」ドーン

ほむら「!かなめ!そんな、飛んできたビルの下敷きになるなんて・・・・・・」

ガタッ

きょうこ「!?そんな、ビルが持ち上がった!?」

???「全く、だからやめておけと言ったのだ。魔の世界と関わるなと・・・・・・」グググ

きょうこ「あ、あなたは・・・・・・」

ほむら「スイーパーマミ!」

マミ「ふっ。私としたことが、結局力を貸すことになってしまったな」

まどか「あ、あ、あの、真美師匠・・・・・・」

マミ「今は回復に専念しろ。それからきょうこ」

きょうこ「!」

マミ「あの時は、すまなかったな。己が弱さに屈してしまったのだ」

きょうこ「今更なによ・・・・・・」

マミ「だがとりあえず今をしのぐことを考えるべきだ。火力を貸せ!」

きょうこ「仕方が無いですわね、共闘といきましょうか先輩!」

マミ「ほむら!サポートを頼む!」

ほむら「は、はいっ!」

マミ「ゆくぞっ!」

・ ・ ・


ほむら「こうして私たちはワルプルギスの夜を越えることができた」

ほむら「誰一人として欠けることなくここまで来れたけれど、不思議ね。ずっと他人のような気がしていたわ」

ほむら「次の時間軸では、いつものまどか達に戻っていてほしいものだわ・・・・・・」

マミ「ほむらよ、行ってしまうのだな」

ほむら「ええ、ごめんなさい」

きょうこ「あなたのおかげでマミ先輩と仲直りできたわ。本当にありがとう」

ほむら「(そうなの?)こちらこそ、協力してくれてありがとう」

まどか「ほ、本当にいっちまうのか、あけみ?」

ほむら「えぇ、ごめんなさい。私はある人との約束を守らないといけないの」

まどか「そっか・・・・・・さみしくなるな」

ほむら「あまり長居をしても仕方ないわね。それじゃ行くわ、みんな元気で」


まどか「ほ、ほむらちゃん!」

ほむら「!?」

まどか「へへっ・・・・・・あんたはよぉ、あたいの、最高のダチだったぜ!!」

カチャ

ほむら「ハッ」

ほむら「いつもの天井・・・・・・ひどい夢だったわ。今回こそは大丈夫でしょう」

ほむら「それにしてもかなめはどうして私のことを『ほむらちゃん』って呼んだのかしら」

ほむら「それに、あまり親密に接したわけでもないのに、最高の友達だなんて言ってくれて、やっぱりまどかはまどかね」クスッ

ほむら「さて、今回こそはがんばりましょう」

看護師「ミスアケミー!ミスアケミー!」

ほむら「はーい。ん?」


 | ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄|
 |Ms. Alchemy Formula |
 |__________|


ほむら「!?」



おしまい

なんかごめんね。でも書いててちょっと楽しかったよ

このSSまとめへのコメント

このSSまとめにはまだコメントがありません

名前:
コメント:


未完結のSSにコメントをする時は、まだSSの更新がある可能性を考慮してコメントしてください

ScrollBottom