シンジ「戦略自衛隊?」(169)

エヴァのss

【注意】qのネタバレ有り

サクラ「心肺機能は正常です。四肢の麻痺も認められません」

サクラ「はい。目は開いてます」

サクラ「私の言葉が理解できますか?」

シンジ「ここは…どこですか?」

サクラ「言葉は話せます。意識は戻ったようです」

シンジ「確か…綾波を助けて…」

サクラ「はい…どうやら記憶の継続性も認められます」

シンジ「あの…綾波は…?」

サクラ「これが誰かわかりますか?」

シンジ「…僕、ですけど…」

サクラ「自己認識もあります。問題なさそうです」

シンジ「なんだ…?」





サクラ「よっと…検体、bm-03、拘引しました」

ミサト「了解。拘束を解いて」

ミサト「下がっていいわ」

シンジ「ミサトさん…?」

ミサト「碇シンジ君…でいいのよね…?」

リツコ「そうね。物理的情報ではコード第3の少年と完全に一致。生後の歯の治療跡など身体組織はニアサー時を100%再現している」

リツコ「なお、深層シンクロテストの結果は分析中」

ミサト「頸部へのdssチョーカーは?」

リツコ「すでに装着済よ。葛城艦長」

シンジ「葛城艦長…やっぱりミサトさん?」

シンジ「あれ…?」

リツコ「作動正常。パスコ―ドは艦長専用に」

ミサト「了解」

シンジ「なんなんですかこれ?はずしてくださいよもう…!」

サクラ「絶対にはずしませんよ…それ…」

ミサト「面会終了。彼を隔離室へ」

使徒戦後

シンジ「これが初号機…?」

リツコ「ええ。初号機は現在、本艦の主機として使用中。故にパイロットは不要です」

シンジ「ホントにいらないんですね…」

リツコ「それと…あなたの深層シンクロテストの結果が出ました」

リツコ「シンクロ率は0.00%。仮にあなたがエヴァに搭乗しても起動しません」

サクラ「そっか~。よかったですね、碇さん」

リツコ「…とはいえ、先に突如12秒間も覚醒状態と化した事実は看過できない」

リツコ「ゆえにあなたにはdssチョーカーを装着させてあります」

シンジ「なんですか、これ…?」

リツコ「私たちへの保険。覚醒回避のための物理的安全装置。私たちの不信と、あなたへの罰の象徴です」

シンジ「どういうことですか…?」

リツコ「エヴァ搭乗時、自己の感情に飲み込まれ、覚醒リスクを抑えられない事態に達した場合、あなたの一命をもってせき止めるという事です」

シンジ「それって…死ぬってことですか?」

リツコ「否定はしません」

シンジ「そんな…ミサトさん、どういう事なんですか死ぬって!?」

シンジ「変ですよミサトさん!急にこんなことになってて訳わかんないですよ!」

リツコ「混乱するのも無理ないわ。少尉」

サクラ「はい!」

リツコ「彼に官姓名を」

サクラ「はい!えっと、今更ですが碇さんの管理担当医官、鈴原サクラ少尉です。よろしくです」

シンジ「あ、はい…でも、鈴原って…トウジの?」

サクラ「はい。お兄ちゃんがお世話になりました。妹のサクラです」

シンジ「妹!?お姉さんじゃなくて?」

サクラ「はい、妹です。ふふ…」

シンジ「妹…?なんで…」

アスカ「あれから14年経ってるってことよ。バカシンジ」

シンジ「アスカ!良かった!やっぱり無事だったんだね!アスカ…」

アスカ「」バキッ

シンジ「あうっ」

アスカ「駄目ね…抑えきれない。ずっと我慢してたし…」

シンジ「なんなんだよ」

アスカ「怒りと悲しみの累積…」

シンジ「何のことだよ…アスカ、左目…」

アスカ「あんたに関係ない」

シンジ「アスカ…さっき14年って…でも、眼帯以外変わってない…」

アスカ「そう。エヴァの呪縛」

シンジ「呪縛?」

シンジ「ちょっと待ってよ!アスカなら知ってるだろ!ねえ、綾波はどこなんだよ!」

アスカ「知らない」

シンジ「知らないって・・・助けたんだよあの時!」

アスカ「人ひとりに大げさね。もうそんなことに反応してる暇なんてないのよ、この世界には。そうでしょ?葛城大佐」

シンジ「アスカ!」

シンジ「ミサトさん!綾波はどこなんですか!教えてください!」

ミサト「シンジ君・・・綾波レイはもう存在しないのよ」

シンジ「いいえ・・・確かに助け出したんです!きっとまだ初号機のプラグの中にいます!よく探してください!」

リツコ「当然、すでに初号機内はすべて探索済です。結果、発見されたのはあなたと・・・なぜかこれが復元されていたわ」

リツコ「検査結果に問題ないので、返還しておきます」

シンジ「父さんの・・・あの時綾波が持っていた・・・やっぱり助けたんじゃないか!」

ドッカーン

シンジ「なんだ!?」

ミサト「私です」ピッ

日向「目標後甲板です!何者かにいきなり取りつかれました!」

ミサト「敵の所属は?」

日向「不明です!外部カメラが破壊されているため、認証不可です!!」

ミサト「復旧急いで!」

ミサト「全艦、第一種戦闘配置!初号機保護を最優先」

アスカ「8号機!もう行けるでしょ!」

マリ「もちのろ~ん!今やってるよ、姫」

マリ「それより、わんこ君どうだった?おとなしくお座りしてた~?」

アスカ「何も変わらず。呑気で馬鹿な顔してた」

マリ「その顔、見にいったんじゃにゃいのぉ~?」

アスカ「違う!殴りに行っただけ!これでスッキリした!」

シンジ「ミサトさん!リツコさん!いったい何が来たんですか!新しい使徒ですか!?

バリバリバリバリ

サクラ「きゃぁぁぁぁ!!!」

シンジ「これは…」

リツコ「……トライデント………すると所属は…」

ミサト「戦略自衛隊……壊滅したはずじゃ…」

??「おい、碇シンジ!早くこっちに来い!!急ぐんだ!!」

シンジ「!?」ダッ

ミサト「駄目よシンジ君!ここにいなさい」

シンジ「なんだよミサトさん…さっきまで要らないって言ってたじゃないか!」

ミサト「しかし、身柄は私たちで保護します」

シンジ「そんなの勝手すぎですよ!」

リツコ「艦長!このタイミングで戦自が現れたということは…」

ミサト「スパイ!?」

??「」タタッ

ミサト「何をやっている!?」

??「犯人は私ですよ」ニコッ

ミサト「貴女は…霧島マナ二尉!?」

マナ「出してムサシ!!碇シンジ君と私は乗り込んだから!!」

ムサシ「よっしゃ!!」

サクラ「碇さん!!」

シンジ「!?」

サクラ「勝手もいいですけど、エヴァにだけは乗らんでくださいよ!ホンマ勘弁してほしいわ…」

ムサシ「おらっ、行くぞ!!」ドンッ

サクラ「キャー!」

アスカ「逃がすな!コネメガネ!」

マリ「合点承知!」

マリ「的を~狙えばハ・ズ・さないよぉ~♪ヘーイ、カモォ~ン♪」ズドン

マリ「よっしゃ!!」

マリ「!?」

マリ「デコイ!?やっぱり戦自の方々は古臭い物を扱うねぇ!」

マリ「挨拶ぐらいしていけ!オラァ!!」

リツコ「彼が初号機にシンクロするという事は、トリガーとしての可能性がまだあるという事よ!ミサト!dssチョーカーを!!」

ミサト「………」プルプル

ミサト「………」

リツコ「………」

リツコ「副長より通達!追撃不要」

リツコ「各位、損傷個所の応急処置と偽装作業を再開」





アスカ「ふん…あれじゃ馬鹿じゃなく…ガキね…」





戦自

シンジ「…ここは……」

マナ「戦略自衛隊、略称戦自の本部だよ」

シンジ「戦自がどうして僕を…」

シンジ「それに、一体何があったんですか!?」

司令官「それについては私が答えよう」

司令官「見せたい物がある。私について来てくれ」

シンジ「見せたいもの…ですか?」

司令官「そうだ。まあ、見れば何か分かるだろう」





シンジ「これは…!」

シンジ「エヴァンゲリオン…」

司令官「そう、これはエヴァンゲリオン3号機だ」

シンジ「でも、どうして3号機が…僕が壊したはずなのに…」

司令官「秘密裏に回収したのだよ。バラバラになったパーツや体組織をだ」

司令官「足りない部分や、修復不可な部位はネルフから情報を引き抜いて再現した」

司令官「まあ、ネルフ本部へのハッキングは出来なかったがな」

シンジ「じゃ、じゃあどうやって…」

司令官「ネルフ本部の情報はスーパーコンピューター・マギによって監視、保護されていた」

司令官「流石にマギの目を逃れることは無理だ」

司令官「しかし、ネルフの外にあるパソコンならどうだ?」

司令官「マギの監視が及んで居なければいくらでも情報は引き抜けたよ」

シンジ「あんなところって…なんでマナが知ってるの?」

マナ「だって、私はスパイとしてあそこに潜り込んでたんだもん」

シンジ「どうして?」

マナ「シンジを奪取するため」

シンジ「えっ?」

マナ「ほら、エヴァ3号機を動かせそうなのはシンジしかいなそうだし」

シンジ「それだったら…アスカとかも動かせるんじゃ…」

マナ「ダメダメ!式波さんと真希波さんはヴィレにズブズブだし、綾波レイは論外だし」

>>16ミス
無かったことにして下さい

司令官「そして、我々はこの3号機を修復した」

シンジ「じゃあ、他にもエヴァは」

司令官「ない。我々の技術とノウハウでは、最初から作り上げることは出来なかった。せいぜい修復がいっぱいいっぱいだった」

司令官「しかし、我々にはエヴァが無くともそれに対抗出来る機体がある」

シンジ「それって…さっきの」

司令官「ああ、陸上軽巡洋艦トライデント型だ」

司令官「陸上軽巡洋艦と冠は打っているが、今では飛行ユニットもついている」

シンジ「そうですか…」

シンジ「凄いんですね、トライデントって」

シンジ「そういえば、エヴァのパイロットっているんですか?」

司令官「その件だが…碇シンジ君。君に乗って貰いたい」

シンジ「僕がですか!?」

司令官「そうだ」

シンジ「でも、僕は…もうエヴァに乗るなって…」

シンジ「それに、ヴィレにいた人が僕を見る目は……とても冷たかったし…」

シンジ「ミサトさんや………アスカも…」

司令官「まあ、考えておいてくれたまえ」

司令官「霧島三曹」

マナ「はい」

司令官「彼にこの基地を案内するんだ」

マナ「はっ!」ビシッ

マナ「それじゃあ、行こうか?」





マナ「ここがシャワールームだよ」

シンジ「はい」

シンジ「えっと……君は…」

マナ「あっ!自己紹介するのを忘れてたね」

マナ「私はマナ。霧島マナっていうの。よろしくね、シンジ君」

シンジ「じゃあ…霧島さ…」

マナ「マナって読んでよ~なんか苗字で呼ばれるとくすぐったいからさ!それに、敬語も使わないの!!」

シンジ「なんか…恥ずかしいよ」

マナ「じゃあ、私もシンジって呼ぶからお互い様だよ」

シンジ「それじゃあ…マナは僕のことを憎んでたりしないの?」

マナ「なんで……ああ、あんなところにいたらそう思うのも無理ないね」

シンジ「あんなところって…なんでマナが知ってるの?」

マナ「だって、私はスパイとしてあそこに潜り込んでたんだもん」

シンジ「どうして?」

マナ「シンジを奪取するため」

シンジ「えっ?」

マナ「ほら、エヴァ3号機を動かせそうなのはシンジしかいなそうだし」

シンジ「それだったら…アスカとかも動かせるんじゃ…」

マナ「ダメダメ!式波さんと真希波さんはヴィレにズブズブだし、綾波レイは論外だし」

シンジ「綾波!?綾波は生きてたの!?」

シンジ「やっぱり僕は綾波の事を助けられてたんだ!!」

マナ「えっとね、シンジ…それについてはちょっと複雑なの…」

シンジ「どういうことなの?」

マナ「あのね…結論から言えば綾波レイは生きているわ」

シンジ「やっぱり!なら早く綾波に…」

マナ「ただね…綾波レイには魂が無い」

シンジ「魂?どういうことなの?」

マナ「驚かないでね、シンジ」

シンジ「う、うん…」

マナ「それじゃあ言うね」

シンジ「綾波レイはクローンだったの。碇ユイさんのね」

シンジ「僕の母さんの…」

シンジ「何を言ってるのか良く分からないよ!」

マナ「要するに、シンジのお父さんが作ったのが綾波レイだったって訳なんだよ…」

シンジ「父さんが!?」

シンジ「どうして父さんが!!」

マナ「そこまでは情報をつかむ事が出来なかったの」

シンジ「………」

マナ「それでね、シンジ。まだ続きがあるの」

シンジ「うん…」

マナ「綾波レイの身体はクローンだった」

マナ「だけどね、魂はあったの…リリスの魂がね」

マナ「シンジが知ってる綾波レイは魂があった頃の綾波レイなの」

マナ「だけど、零号機と綾波レイは使徒に喰われた」

シンジ「そうだよ!そして僕が綾波を助けたんだ!!」

シンジ「確かに僕は綾波を助けたんだ!あの暗闇から綾波の手を引っ張って!!」

マナ「うん。私はシンジが言ってることを嘘や妄想だとは思わないよ」

マナ「だけどね、今確実に言えるのは…」

マナ「今生きている綾波レイは魂がない綾波レイなの」

マナ「シンジが知らない綾波レイなの」

シンジ「そんな………じゃあ、僕が助けた綾波はどこにいるんだよ!!」

マナ「それは分からないの…もしかしたら未だにエントリープラグの中に魂だけがいるかもしれないし、それ以外かもしれない」

マナ「ごめんね、もしも何か分かったら必ず教えるから」

シンジ「そんな…綾波……」グスッ

シンジ「もう嫌だ!綾波は助けられなかったし、アスカやミサトさん、それ以外の人達にも冷たい目で見られるなんて!!」

シンジ「どうせマナや他の人達も僕をそうやって見てるんでしょ!?」

シンジ「どうしてこうなったんだよ…」

シンジ「助けてよ…」

マナ「ねえ、シンジ。それは違うよ」

マナ「確かにヴィレにいた人達はシンジが悪者だと教えこまれていたよ」

マナ「ニアサードインパクトを引き起こしたのは碇シンジで、人類の大半を滅ぼしたのも碇シンジだと」

シンジ「どうして!?おかしいじゃないか!!僕はただ綾波を助けようとしただけなのに!」

マナ「そう。おかしいのよ、ヴィレの人達は」

マナ「シンジを悪の根源とすることで、シンジを拘留する免罪符になる」

マナ「そして、シンジを使ってサードインパクトを起こそうとしたネルフを倒す名義体分になる」

マナ「だからヴィレの上層部は下の者にそう教えこんでるの」

シンジ「……ミサトさん…」

マナ「それに対して戦自は全く逆の考えなんだよ?」

シンジ「えっ!?」

マナ「戦自の…いや、地上に残されている人達の考えはね…」

マナ「シンジは英雄なの」

シンジ「英……雄…?」

マナ「そう、英雄」

マナ「だってね、もしもシンジがあの使徒を倒して無かったら今頃人類はどうなってたと思う?」

シンジ「………滅ぼされるとか?」

マナ「そう。もしもシンジが使徒を倒さなかったら人類は滅んでたんだよ?」

マナ「攻守共に最強の使徒を倒すためには初号機の覚醒が必要だった」

マナ「確かに初号機の覚醒による代償は大きかった…」

マナ「だけどね、シンジのおかげで私も、他の人も生きていられるの」

マナ「だからね…シンジは人類の英雄なんだよ?」

シンジ「くっ………」ボロボロ

シンジ「僕は……あれでよかったの?」

マナ「うん」

シンジ「僕は怨まれてないの?」

マナ「うん」

シンジ「僕は…生きてていいの?」

マナ「うん。そうだよシンジ」

マナ「それにね、私達はシンジを必要としてるんだよ」

シンジ「僕を必要…?」

マナ「ええ。私達はシンジが必要なんだ」

マナ「こう言ってしまうとシンジを利用している様にしか聞こえないと思うけど…」

マナ「私達はシンジにエヴァンゲリオンに乗って貰いたいの」

シンジ「……でも…」

マナ「シンジがもう乗りたくないって思う気持ちはよく分かるよ」

マナ「だって私も乗ったことがあるから…」

シンジ「マナが!?」

マナ「うん…」

マナ「3号機の修復が完了した時にテストパイロットとして選ばれたのは私だったの」

マナ「戦自ではマルドゥック機関…ネルフがパイロットを選ぶ基準が分からなかった」

マナ「だから、年がシンジ達と同じ少年兵から一人選出されたの」

マナ「それが私だったんだ」

マナ「選ばれてからは毎日の様にシンクロテストをしたよ…」

マナ「式波さん用のコアのデータ。綾波レイ用のコアのデータ。真希波さん用のコアのデータ」

マナ「結局それらでは全くシンクロ出来なかった…」

マナ「だけど、シンジ用のコアのデータを使った時に少しシンクロ出来たの」

マナ「それからというもの、ずっとシンジのでテストをし続けた…」

シンジ「どうして僕用のコアでシンクロが…」

マナ「分からない…」

マナ「だけどね、ある時私はエヴァに引き込まれたの…」

シンジ「エヴァに!?」

マナ「うん…引き込まれていた間の記憶は殆ど無いんだけど、一つ薄っすらと覚えていることがあるんだ…」

シンジ「覚えていること?」

マナ「あのね…綺麗な女の人が私に何か言ってきたの…」

マナ「内容は覚えてないんだけど、何か大切なことを言われた気がするんだよね…」

マナ「その後気づいたら病室にいたんだ…」

シンジ「マナ………」

マナ「そしてそれ以来、私はエヴァとシンクロ出来なくなっちゃった…」

マナ「それとね………」

マナ「私も…呪縛を受けちゃったみたいなの…」

シンジ「呪縛って…まさか」

マナ「うん。身体が成長しなくなっちゃった…」

シンジ「…アスカと一緒だ…」

マナ「うん…それに、真希波さんもそうなんだよ」

シンジ「そしたら僕もそうなの?」

マナ「そうだよ。シンジも私達と一緒で成長しない身体になっちゃってるんだよ」

シンジ「そんな…」

マナ「そんなに悲観的にならないでよ。一人じゃないんだからね」

シンジ「一人じゃない?」

マナ「そうだよ。私とシンジはいつまでも歳を取らないんだから、何かがあって死ぬことがない限りずっと一緒なんだよ?」

シンジ「ずっと…一緒?」

マナ「そう。事故とかで死なない限りずっと一緒」

シンジ「ふふ…ずっと一緒か…」

マナ「あっ!やっと笑ったね!」

シンジ「あ………」

マナ「ほら、シンジは笑っていた方がいいよ!」

シンジ「そうかな?」

マナ「うん!絶対そうだよ!!」

シンジ「うん…意識しておくよ」

シンジ「ありがとね、マナ」

マナ「え?私、何かしたっけ?」

シンジ「うん。マナのおかげで僕の心を覆っていたモヤモヤが沢山晴れたよ」

マナ「どういたしまして!」

シンジ「ねえ、マナ」

マナ「なあに?」

シンジ「僕、エヴァに乗るよ」

マナ「ほんと!?」

シンジ「うん。僕が何か力になれるなら」

マナ「シンジはもう力を沢山持ってるよ」

マナ「ちょっと着いてきて!」

マナ「紹介するね!」

マナ「こっちのイガグリ頭が浅利ケイタ」

ケイタ「始めまして。僕が浅利ケイタです」

ムサシ「何畏まってるんだよケイタ」

ケイタ「だって、人類を救った英雄だよ!」

ムサシ「そんなのは今関係ねぇだろ」

ケイタ「いや、あるから!」

マナ「ほら、二人とも黙ってよ!!」

マナ「で、こっちがムサシ・リー・ストラスバーグ」

ムサシ「さっきお前さんをお迎えに行ったのが俺だ」

シンジ「あ、ありがとうございます…」

ムサシ「やめやめ!敬語なんて使うな!!堅苦しいったらありゃしない」

ムサシ「名前もムサシ呼び捨てで結構だ。むしろストラスバーグさんだとか、ムサシさんなんて言ったらぶん殴るからな」

ケイタ「ぼ、僕もケイタって読んでよ」

シンジ「はぃ………わ、分かったよ」

シンジ「なら、僕もシンジって呼び捨てで呼んでくれて構わないよ」

ケイタ「大丈夫だよ。ムサシは敬語なんか上官ぐらいにしか使わないからさ」

ムサシ「こら!てめぇケイタ何を言ってるんだよ!!」

ケイタ「事実だろ?」

ムサシ「ああ、そうだよ!!」

マナ「ほら、やめなって!!」

マナ「トライデントのパイロットが怪我したら大変なんだよ!!」

シンジ「パイロット?」

マナ「あっ!そういえばまだシンジに言ってなかったね?」

マナ「この二人がトライデントのパイロットなんだ」

シンジ「ムサシは分かってるけど、ケイタが!?」

ムサシ「ああ。俺が乗ってるのが壱番艦の震電。で、こいつが弐番艦の雷電だ」

ケイタ「ま、まあね」

シンジ「凄いね」

ムサシ「でも、シンジもエヴァに乗るんだろ?」

シンジ「うん…」

ムサシ「それなら、俺らと一緒に敵さんと戦うことになるのか」

シンジ「ねえ、聞きたいことがあるんだけど」

マナ「どうしたの?」

シンジ「なんで戦自は戦うの?使徒と戦ってるって訳じゃなさそうなのに」

ムサシ「マナ、まだこのことを言ってなかったのか?」

マナ「忘れてた!」

ムサシ「は~…分かった。俺が説明するわ」

ムサシ「要するに、戦自は生き残った人類だけで繁栄し直そうって理由で戦ってるんだ」

シンジ「それって普通のことなんじゃ…」

ムサシ「シンジもそう思うだろ?だけどな、ヴィレやネルフの連中はそうじゃないんだよ」

ムサシ「ヴィレは名目上、青い海を取り戻すとか言ってるが、実際はネルフを潰す為だけに躍起に、なってやがる」

ムサシ「挙げ句の果てには、シンジをニアサードインパクトの戦犯にしたて上げて、過去の自分達は何も悪いことをしていないと嘯いてんだぞ!!」

ムサシ「人間のカスの集まりじゃねえか!」

ムサシ「そしてさらにたちが悪いのはネルフだな」

シンジ「ネルフ…父さんが?」

ムサシ「ああ…どうやらネルフに潜り込んだやつが言うには、奴らはフォースインパクトを起こして人類を滅亡させようって考えているんだとさ」

ムサシ「ホント、巫山戯たことを考えてやがる」

シンジ「何を考えているんだ…父さん」

ムサシ「だから、俺たちの役割は一つ!ネルフとヴィレの連中をぶっ飛ばす!それだけだ」

シンジ「ヴィレと戦う必要はないんじゃないの?」

シンジ「…アスカやミサトさんと戦いなくないし…」ボソッ

ムサシ「俺たち戦自もそうだが、普通は民間人がいないことを確認して訓練をする」

ムサシ「非常時もそうだ。出来る限り味方や民間人に被害が出ないようにする」

ムサシ「民間人が巻き込まれそうな時は、民間人を退避させながら戦う」

ムサシ「それなのに、奴らは訓練だろうが戦中だろうが関係なしに地上にぶっ放すんだよ!!」

ムサシ「どうだシンジ!これが俺たち戦自がネルフ、そしてヴィレと戦わないといけない理由だ!」

シンジ「………」

ムサシ「もしヴィレがネルフを倒したとしても、人類が幸せになれると思うか?」

シンジ「それは…」

ムサシ「だからなシンジ…戦自は変てこな理念や崇高な考えは持たない」

ムサシ「今生き残っている人類だけで再興し直そう」

ムサシ「ただそれだけなんだよ」

>>41無かったことにして下さい
貼る順番間違えた

ムサシ「いや、駄目だね!」

シンジ「どうして?あんまり人間に害がないように思えるんだけど」

ムサシ「あるんだな、これが!」

ムサシ「あいつらは地上にいる人間のことを全く考えていない!」

ムサシ「普通、青い海を取り戻すとか言う前にやることは、生き残った人を助けることだろ!?」

ムサシ「それなのに、奴らはあの船にちょろっと人を積んだらそれっきりだ!」

ムサシ「しかも食料や燃料も必要以上に持って行きやがる!」

ムサシ「これじゃあ地上に残った奴らはどうなるか分かるだろ?」

シンジ「………」コクッ

ムサシ「それにな、シンジ」

ムサシ「あいつらがぶっ放す弾で何人も死んでるんだよ」

シンジ「えっ!?」

ムサシ「俺たち戦自もそうだが、普通は民間人がいないことを確認して訓練をする」

ムサシ「非常時もそうだ。出来る限り味方や民間人に被害が出ないようにする」

ムサシ「民間人が巻き込まれそうな時は、民間人を退避させながら戦う」

ムサシ「それなのに、奴らは訓練だろうが戦中だろうが関係なしに地上にぶっ放すんだよ!!」

ムサシ「どうだシンジ!これが俺たち戦自がネルフ、そしてヴィレと戦わないといけない理由だ!」

シンジ「………」

ムサシ「もしヴィレがネルフを倒したとしても、人類が幸せになれると思うか?」

シンジ「それは…」

ムサシ「だからなシンジ…戦自は変てこな理念や崇高な考えは持たない」

ムサシ「今生き残っている人類だけで再興し直そう」

ムサシ「ただそれだけなんだよ」

シンジ「そうだったんだ……」

シンジ「今生きている人間のため…これが戦自が戦う理由なんだね?」

ケイタ「そうだよ。まあ、まだ一度も交戦していないんだけどね」

マナ「シンジをここに連れて来るまでは戦自の存在がバレる訳には行かなかったからね」

シンジ「…分かった」

シンジ「………」

シンジ「………」

シンジ「………決めたよ…」

マナ「シンジ!!」

シンジ「目が覚めてから全く意味が分からない事の連続だった」

シンジ「なのに…ミサトさんやリツコさん、アスカは何も教えてくれないどころか、僕に対して冷酷だった」

シンジ「だけど、マナやムサシ、そしてケイタは違かった」

シンジ「だから、みんなを信じてみようと思うんだ」

ムサシ「よく言った!!」

ムサシ「ついて来い、シンジ」

シンジ「ついて来いって、どこに行くのさ?」

ムサシ「決まってるだろ?」

ムサシ「祝杯をあげるんだよ」ニヤッ





シンジ「き……気持ち悪い…」

マナ「大丈夫?シンジ」

シンジ「う……うん…」

マナ「もう…無理して飲んじゃだめだよ」

シンジ「だって……」

マナ「ムサシは凄く強いんだから、一緒のペースで飲んだら、またそうなっちゃうよ」

シンジ「マナはよく大丈夫だね」

マナ「だって、私は殆ど飲んでないもん」

マナ「コップ一杯分ぐらいだよ」

シンジ「えっ!?でも、結構飲んでたような気が…」

マナ「水だよ、水」

マナ「ムサシにちゃんと飲んでると思わせるために水を飲んでるんだ~」

シンジ「マナもお酒に弱いの?」

マナ「うん…私お酒に強くないんだ…」

マナ「…身体は14歳の時から成長してないから…」

マナ「まあ、精神もあんまり成長しているわけではないんだけどね」

マナ「やっぱり身体の成長って、精神の成長に関係あるんだな~」

シンジ「………」

マナ「まあ、ムサシも殆ど成長…」

シンジ「……」ギュッ

マナ「えっ…シンジ!?」

シンジ「………」

マナ「……ねえ、シンジ…」

シンジ「!?」

シンジ「ご、ごめん…」

シンジ「何やってるんだろ、僕……」

シンジ「そ、それじゃ、また明日!」ダッ

マナ「あっ、シンジ」

マナ「行っちゃった…」

シンジ(どうして僕はあんなことを…)

シンジ(気がついたら抱きしめていた……)

シンジ(どうして………)

シンジ(お酒のせい?)

シンジ(いや……そうじゃない…)

シンジ(多分…マナが苦しそうな顔をしてたから…)

シンジ(だから……だろうな)

シンジ(でも…前までなら、誰かを抱きしめるなんてことをしなかったのに……)

シンジ(……分からない…)

翌日

司令官「そうか、エヴァに乗ることを承認してくれるのか」

シンジ「はい」

司令官「ならば、今からシンクロテストを始める」

シンジ「はい」

司令官「では、控え室で着替えてエヴァに乗り込んでくれ」

シンジ「はい」





マナ「どうだった?シンジ」

ムサシ「シンクロ出来たか?」

シンジ「まあ…なんとか」

マナ「ホント!?」

シンジ「うん」

ムサシ「ならシンジ。今から特訓だな」

シンジ「えっ!?」

ムサシ「みっちり戦い方を仕込んでやる」

シンジ「えっ、いや…」

ムサシ「ほら、行くぞ!まずは身体を作るぞ」

シンジ「うわぁぁぁぁ!!」ズルズル





ムサシ「よし。今日はここまでだな」

シンジ「」

マナ「お疲れ~!!」

マナ「うわっ!?シンジ大丈夫!?」

ムサシ「死にはしないさ」

マナ「いや、でも!!」

ムサシ「今日は戦闘訓練なんてしてない。ただ、身体を作るためにトレーニングしかしてねえよ」

ムサシ「俺らの訓練の3分の1もしてないぞ」

マナ「シンジは軍人じゃないから…」

ムサシ「そうだな。だから今から鍛えあげてものにしてやるよ」

ムサシ「2ヶ月!2ヶ月でそこそこにしてやる!」

ムサシ「とりあえずマナはシンジを起こしてくれ」

ムサシ「俺はシャワー浴びて来る」

マナ「えっ!?ムサシ!」

マナ「もう…」

マナ「ほら、シンジ起きて」ユサユサ

シンジ「」

マナ「シンジってばぁ~」ユサユサ

シンジ「」

マナ「………」

マナ「………」

マナ「………」

マナ「ねぇ、シンジ…」

マナ「もしも起きなかったら……」

マナ「……キスしちゃうよ……」

シンジ「」

マナ「……」スッ

マナ「………」チュッ

ケイタ「シンジいるか~?」

マナ「!?」バッ

ケイタ「あれ?どうしたの、マナ」

マナ「な、なんでもない!」

マナ「今シンジを起こしているところなの!」

ケイタ「そ、そう?」

マナ「そうなの!それより、シンジを部屋まで連れて行ってあげて!」

ケイタ「う、うん…」

マナ「………」

マナ「…………」

マナ「……キス…しちゃった……」

マナ「………」

マナ「もしかしたら…私……」

翌日

ケイタ「ねえ、シンジとムサシは?」

マナ「特訓をしてるわよ」

ケイタ「よくやるねえ…」

マナ「そうだよね。シンジは今まで軍事訓練なんてしたこともないはずなのに」

ケイタ「シンジもそうだけど、ムサシだよ」

ケイタ「ムサシは今日の訓練を済ませて自由時間になったはずなのに、今度はシンジの相手でしょ?」

ケイタ「シンジも大変だと思うけど、大変なのはムサシだろうな…」

マナ「そういえばそうだね…」

ケイタ「ちょっとムサシとシンジの分の飲み物を買ってくるよ。マナは何かいる?」

マナ「ううん。大丈夫」

ケイタ「分かった。行って来るよ」





ムサシ「よし、今日はここまでだ」

シンジ「はあ…はあ…」バタン

ケイタ「お疲れムサシ、シンジ」

マナ「お疲れ様!」

ケイタ「二人とも、これを飲んで」

ムサシ「おっ!サンキュー!」

シンジ「あ…ありがとう」

ケイタ「今日もバテバテだね、シンジ」

シンジ「う……ん…」

ムサシ「ほらシンジ。これ飲んだらシャワー行くぞ」

シンジ「ちょっと待っ……」

ムサシ「時間が無いんだよ!グズグズしてないでついて来いよ」

シンジ「はい」





シンジ「ふぅ…」ガラガラガラガラ

マナ「あっ、あがったんだ?」

シンジ「うん。マナは何か僕に用があるの?」

マナ「ううん、そうじゃないよ」

マナ「ただ、シンジと話したいな~って思っただけ」

シンジ「そうなの?」

シンジ「でも、僕と話しても別に面白くないと思うよ?」

マナ「それでもいいの」

シンジ「そ、そう?」





シンジ「もうこんな時間だ。もうそろそろ寝ないと」

マナ「そうだね」

シンジ「それじゃあおや…」

マナ「最後に一つ聞かせてほしい事があるの」

シンジ「なに?」

マナ「………」

マナ「………」スウッ

マナ「その…どうして昨日…私の事を抱きしめてくれたの?」

シンジ「えっ!?」

マナ「もしもよければ理由…教えてくれる?」

シンジ「えっと……その………」

マナ「別に怒ってるとかそういうのじゃないから」

シンジ「それは……」

マナ「うん」

シンジ「マナが…」

シンジ「マナが苦しそうな顔をしてたから…」

マナ「………」

シンジ「どうして昨日はあんな顔を?」

マナ「………」

シンジ「やっぱり呪縛に苦しめられているの?」

マナ「ねえシンジ」

マナ「寝ようって言ったばかりだけど、少しお酒を飲まない?」

シンジ「はい、マナ」トクトク

マナ「ありがとう」クイッ

シンジ「それでマナ…さっきの話なんだけど……」

マナ「うん…」

シンジ「呪縛のことで何かあったの?」

マナ「………」

マナ「……うん…」

シンジ「何があったのか教えてくれる?」

シンジ「嫌なら無理にとは言わないけど」

マナ「………うん…」

マナ「むしろシンジに聞いて欲しいな」

マナ「その前に、もう一杯頂戴」

シンジ「あまり飲むと…」

マナ「いいの。今日は飲みたい気分だから」

シンジ「そう…」

シンジ「どうぞ」トクトク

マナ「ありがと」

マナ「あのね…」

マナ「私が一度エヴァに取り込まれたのは前に言ったよね?」

シンジ「うん」

マナ「その後暫くは支障は無かったの」

マナ「だけどね…一年、二年経ってから支障が現れてきたの」

マナ「周りの皆はどんどん成長した」

マナ「男の子なら逞しくなって、女の子はどんどん色っぽい大人の身体つきになっていった…」

マナ「それなのに私は、あれから全く成長しなかった」

マナ「身長は勿論、手や足の大きさ、顔つき」

マナ「挙げ句の果てには、脇や下……の毛なんかも新しく生える事が無くなった」

マナ「そして……胸も小ちゃいまま……」

マナ「特に胸に関しては悲しかったよ」

マナ「私は胸以外には自信あったから、いつかの成長を期待してたのに……もう絶対に大きくならないんだもん…」

マナ「でも、悪いことばかりではないんだよ」

マナ「肌はずっとみずみずしいままだし、皺とかも出来ないからね」

マナ「だけど…これのせいでね……」

マナ「皆が私の事を変な目で見るようになったの…」

シンジ「変な目?」

マナ「あっ、ムサシやケイタ。そして極一部の人は違うよ」

マナ「だけどね、私を見る大半の人の目が変わったの」

シンジ「どんな風に?」

マナ「そうね…」

マナ「皆、私のことを心の何処かで軽蔑してる感じ……」

マナ「私の肉体が何時までも成長しないから、ある意味化け物みたいな感じで見られていたのかもね…」

マナ「あとね…」

マナ「誰も私に恋愛感情を抱かなくなっちゃったし、女として見てくれなくなっちゃったんだよ…」

シンジ「マナ……」

マナ「昔はムサシやケイタが私に好意を抱いてくれていたのを何となく感じていた…」

マナ「だけど、事件以来少しずつ心が離れて行くのが分かった…」

マナ「今でも仲間として、昔からの友達としての絆は全く失っていない」

マナ「だけど、女としては全く見られていないんだ…」

マナ「だけどね」

マナ「そんな時にシンジが来てくれた」

シンジ「僕?」

マナ「うん」

マナ「私と同じく、もう成長する事が出来ないって人がいるだけでも心にゆとりが出来たんだ」

マナ「そして昨日には、私を抱きしめてくれた」

マナ「シンジがどういう気持ちでやってくれたのかは分からなかったけど…」

マナ「私はとても嬉しかった」

マナ「こんなことをしてくれる人は今まで誰も居なかったから…」

シンジ「マナ…」

マナ「……ごめんね…こんな暗い話をしちゃって…」

シンジ「ねえ、こっちを向いて」

マナ「……えっ!?あっ!」ギュッ

マナ「シンジ!?」

シンジ「………」

シンジ「泣いてもいいと思うよ」

マナ「!?」ビクッ

シンジ「僕にはわかるから…」

シンジ「普段は平気でも、一人ぼっちって寂しいもんね」

シンジ「誰にも頼れないって怖いもんね」

マナ「うぐっ…」ポロリ

マナ「うわぁぁぁん」ポロポロ

シンジ「……」ポンポン





シンジ「落ち着いた?」

マナ「うん」

マナ「ごめんね……ありがと…」

シンジ「いいんだよ」

マナ「ねぇ、シンジ」

マナ「私…もしかしたら…」

シンジ「もしかしたら?」

マナ「……ううん、なんでもない」

マナ「おやすみ、シンジ!」タッ

シンジ「え…お、おやすみ」

翌日

ムサシ「今日もトレーニングからやるからな」

シンジ「うん」

ムサシ「そして、今日から少しずつ白兵戦の訓練も始める。分かったな?」

シンジ「分かったよ」

ムサシ「その意気だ。さあ、始めよう」

シンジ「はい!」





マナ「お疲れ様」

ケイタ「ほら、差し入れだよ」

ムサシ「サンキュー」

シンジ「あ、ありがと…」

ケイタ「大丈夫?」

シンジ「ま…まあね」

ケイタ「今日は何をやったの?」

ムサシ「トレーニングに加えて、今日から白兵戦の訓練だよ」

ムサシ「白兵戦って言っても、初歩の初歩しかやってないけどな」

ケイタ「で、どうだったの?」

ムサシ「全然駄目だな。今のままだと全く使い物にならない」

ケイタ「ありゃりゃ」

ムサシ「とはいえ、一度も逃げようとはしなかったのは流石だったな」

ムサシ「もしもこのまま訓練を重ねる事が出来れば、二ヶ月後には付け焼き刃とはいえ、そこそこ戦えるようになるだろうな」

ムサシ「センスはまあまあありそうだしな」

ケイタ「だってさ。頑張れよシンジ!」

シンジ「う……ん…」

ケイタ「今はそれどころじゃあなさそうだな」クスッ

マナ「身体、痛いところある?」

シンジ「足…が…少し……」

マナ「ちょっと背中に座るよ?」

シンジ「へ!?」

マナ「よいしょ」スッ

シンジ「マナ!何を!」

マナ「ほら、力を脱いて」グッグッ

ムサシ「別にマッサージなんてやらなくても大丈夫だぞ」

マナ「やらないより、やった方がいいでしょ?」

ムサシ「まあ、それはそうだけど」

マナ「あとは私がやっておくから、ムサシとケイタは戻っていいよ」

ムサシ「そうか?じゃ、お言葉に甘えるとするか」スタスタ

ケイタ「また明日な、シンジ」

マナ「気持ちいい?」モミモミ

シンジ「うん」

マナ「どこか他にやって欲しいところはある?」

シンジ「足だけで十分だよ」

マナ「遠慮はしなくていいから」

マナ「ほら、言ってごらん?」

シンジ「……腰もちょっと…」

マナ「分かった!」グッグッ





マナ「どう?疲れが取れてきた?」グッグッ

シンジ「………うん…」

マナ「………」

マナ「………」

マナ「……あのね…」

マナ「私ね、昨日は言えなかったんだけど…」

マナ「私は…」

シンジ「………」スウスウ

マナ「寝ちゃった…」

マナ「もう…無理しちゃって……」





シンジ「……ふぁ…」パチッ

シンジ「ここは……」

シンジ「ああ…寝ちゃったんだ…」

シンジ「誰が枕を置いて…」フニ

シンジ「!?」バッ

シンジ「マナ!?」

マナ「………」スウスウ

シンジ「ずっと膝枕をしててくれたんだ…」

シンジ「ありがとね、マナ」

三ヶ月後

ケイタ「ムサシ!!」

ムサシ「今は訓練中だぞ!後にしてくれ!」

ムサシ「違うわボケッ!こっちだシンジ!」バスッ

シンジ「グッ!」

ケイタ「上からの命令!」

ムサシ「何!?」

ケイタ「トライデント、及びエヴァンゲリオンのパイロット全員、四月二十一日の二○○○出撃」

ケイタ「だってさ」

ムサシ「それって明後日じゃねえか!」

ムサシ「それで、どこと戦うんだ?」

ケイタ「ネルフだってさ」

ムサシ「ネルフか…」

ムサシ「あそこなら軍隊出身のやつはいないはずだ」

シンジ「………」

ムサシ「シンジ、大丈夫か?」

シンジ「うん…大丈夫、戦うよ」

ムサシ「よし、その意気だ!!」

ムサシ「とりあえず明日は休みにするから、今日の訓練は気合い入れていくぞ!」

シンジ「うん!」

ケイタ「強くなったな…シンジ」

翌日

シンジ「明日か…」

シンジ「明日…父さんと戦うことに…」

シンジ「僕はどうすれば…」

マナ「入るよシンジ」

シンジ「どうしたの?」

マナ「ちょっと話したいなって思ったんだ」

シンジ「奇遇だね。僕も誰かと話したいと思っていたところなんだ」

マナ「どうかしたの?」

シンジ「まあね」

マナ「もしかしたら、明日ネルフと戦うことで?」

シンジ「そうなんだよね…」

マナ「何でも話を聞くよ?」

シンジ「ありがとう」

シンジ「あのさ…」

シンジ「明日戦うのは、僕の父さんなんだ」

シンジ「それに、綾波とも戦うかもしれない」

シンジ「僕は…出来たら二人を傷つけたくない」

シンジ「だけど、戦自のみんなを裏切りたくないんだよ…」

シンジ「特にムサシ、ケイタ、そして…マナは何が何でも護りたい…そう思うんだよ」

マナ「シンジ…」

シンジ「変だよね。敵と味方の両方を取りたいなんて」

マナ「そんなことないよ!」

マナ「だって、その優しさがシンジのいいところじゃない」

マナ「それに私はシンジの優しさに救われたんだよ?」

シンジ「え?」





シンジ(とうとう明日か…」

シンジ(父さん…綾波…)

シンジ(僕は………)

シンジ(僕は……)

シンジ(僕は…)

翌日

司令官「全員揃ったな」

司令官「これより、ネルフ殲滅作戦の最終確認をする」

司令官「先ず、トライデント及びエヴァンゲリオンはネルフ本部へ先行し、敵のエヴァンゲリオンを殲滅」

司令官「敵のエヴァンゲリオンを殲滅と同時に第一中隊と第二中隊は、それぞれゲートから侵入し本部を落とせ」

司令官「第三中隊は本部周辺を警備。敵方の脱走者が居たら捕獲、抵抗するようなら射殺しろ」

司令官「何か本作戦について質問はあるか?」

ムサシ「はい!」

司令官「なんだ、ストラスバーグ一尉?」

ムサシ「はっ!」

ムサシ「トライデント及びエヴァンゲリオンは、敵機の殲滅以降はどのようにすればよろしいのでしょうか?」

司令官「敵機の殲滅以降は、第一、第二中隊の侵入を援護しろ。その後はネルフ付近で待機だ」

ムサシ「はっ!ありがとうございます!!」

司令官「他に何かあるか?」

一同「………」

司令官「無いようだな」

司令官「では、只今よりネルフ殲滅作戦を決行する!!総員出撃準備!!」

一同「はっ!!」ダッ

シンジ「………」スタスタ

マナ「シンジ!!」

シンジ「あれ?どうしてここに」

マナ「お願い…絶対に帰って来て」

マナ「シンジがいなくなったら…私……」

シンジ「大丈夫!絶対に帰って来るよ」ポンポン

マナ「……うん」

シンジ「それじゃあ、行って来るよ」

マナ「行ってらっしゃい…」

マナ(絶対に死なないで…)





ムサシ「シンジ!訓練通りのフォーメーションで動けよ」

シンジ「分かってる!僕が陽動及びatフィールドの中和担当。ムサシがアタッカーでケイタが狙撃だね?」

ムサシ「ああ。一応他の連中も攻撃に加わるだろうが、俺たちの動きは固定だ」

シンジ「了解!」

ムサシ「ネルフ本部直上に着いた!下ろすぞ」

シンジ「了解!!」

ムサシ「輸送機!エヴァンゲリオンを降ろせ!!」

操縦士「はっ!!」ガチャン

ズーーン!!

ムサシ「何か異常はあるか?」

シンジ「異常無し!」

ムサシ「そうか」

ムサシ「あと1分で電源車が到着する。ソケットを刺したらその場で待機だ!」

シンジ「はい!」

ムサシ「さて、俺たちも合流するぞ!全トライデントに告ぐ。震電に続け!!」

トライデントパイロット「はっ!!」

オペレーター「敵機現れました!!識別は……エヴァンゲリオンmark9です!!」

ムサシ「やっぱりこいつか…全機、作戦開始!!」

マユミ「紫電行きます!!」ダッ

オペレーター「紫電敵機に突撃開始!!」

ムサシ「やめろ!そんなに直線的に突っ込んだら!!」

mark9「……」ブンッ

マユミ「えっ!?」

トライデント紫電「」ザンッ

オペレーター「トライデント紫電、大破!!行動不能です!!」

ムサシ「パイロットは!?」

オペレーター「……無事です!斬られる直前に脱出しています!」

ムサシ「そうか」

ムサシ「お前ら、相手を侮るな!慎重にいけよ!」

ムサシ「死んだら意味が無いんだ!!必ず生きて戻るぞ!!」

トライデントパイロット「おう!!!!」

ネルフ本部

冬月「まさか戦自の連中が攻めてくるとはな…」

冬月「しかも3号機が連中の手元に渡っていた」

冬月「そのパイロットは第三の少年だ…」

冬月「果たしてどう受け止めるのか…いいのか?碇」

ゲンドウ「ゼーレのシナリオを我々で書き換える。あらゆる存在はそのための道具に過ぎん」

冬月「お前の生き様を見せても息子のためにはならんとするか。私はそうは思わんがな」

ゲンドウ「………」ニヤッ

ネルフ直上

ムサシ「くそ!やっぱりatフィールドが邪魔だ!」

ムサシ「シンジ!!」

シンジ「分かった!!」

シンジ「atフィールド全開!!」

mark9「………」

ムサシ「よくやった!!オラッ!!」ドスッ

ムサシ「やったか!?」

mark9「………」

ムサシ「何だと!?コアを狙ったのに修復しやがった!!」

ケイタ「ムサシどいて!」ズドン

ムサシ「頭が吹っ飛んだ!流石にこれなら…」

mark9「………」

ムサシ「嘘だろ…」

mark9「………」ザンッ

オペレータ「疾風、飛燕、烈風三機中破!!戦闘続行は不可!!」

ムサシ「クソッ!!」

ムサシ「まさか…こいつ…全身がコアなのか!?」

mark9「………」ズンズン

mark9「………」ブワッ

シンジ「ムサシ!!」

ムサシ「!?」

ムサシ「…ここまでか……」

ガッ

ムサシ「やめろ!!何をやっているんだシンジ!!」

シンジ「うぅぅぅ…うわぁぁぁぁ!!」

シンジ(ゴメン綾波!!僕は綾波を傷つけて…)

??「………くん…」

??「碇くん……」

シンジ「綾波!?」









碇くん…

綾波!?良かった!!生きていたんだ!!

やっぱり僕は綾波を助けられたんだね!

ええ…碇くんは私を助けてくれたわ

だけど、私はここにいることを選んだの

それなら、今から一緒に帰ろうよ!!

駄目…

どうして!?

もう駄目なの

そんなこと…そんなことやってみないと分からないじゃないか!!

ありがとう

綾波?

碇くん

碇くんは大事な人達を護ってあげて

綾波!!嫌だ!!死なないで!!!

貴方は死なないわ…私が護るもの……

綾波ぃぃぃぃ!!!

レイ「ありがとう…………シンジ」ニコッ

ゲンドウ「死海文書の契約改定の時が来ました。これでお別れです」

ゲンドウ「あなた方も魂の形を変えたとはいえ、知恵の実を与えられた生命体だ」

ゲンドウ「悠久の時を生きることは出来ても、われわれと同じく訪れる死からは逃れられない」

ゲンドウ「死を背負った群れの進化を進めるために、あなた方は我々に文明を与えてくれた」

ゲンドウ「人類を代表し、感謝します」

ゲンドウ「死をもって、あなた方の魂をあるべきところへ帰しましょう」

ゲンドウ「宿願たる人類補完計画と、定款された神殺しは私が行います。ご安心を」

キール「我らの願いは既に叶った。良い。全てこれで良い。人類の補完。安らかな魂の浄化を願う」

冬月「…」ガチャン

オペレータ「エヴァ3号機内部に大規模な熱反応!!これは……」

ムサシ「自爆する気か!!?やめろシンジ!!!!」

ズドーーン

ムサシ「シンジ!!!!」

ムサシ「おい!シンジは脱出したのか!!?」

オペレータ「ちょっと待って下さい!」

ムサシ「急げ!」

オペレータ「エントリープラグの射出を確認しました」

ムサシ「救……いや、敵はどうなった?」

オペレータ「消滅しました」

ムサシ「よし!!!救護班!!3号機パイロットの救出に向かえ!!すぐにだ!!!」





??「今度こそ君を幸せにしてみせるよ…」

シンジ「………」

シンジ「うっ……」パチッ

シンジ「綾波!!」バッ

??「おっと!急にどうしたんだい?」

シンジ「!?」

シンジ「君は…?」

カヲル「僕かい?僕はカヲル。渚カヲル。君と同じ、運命を仕組まれた子供さ」

カヲル「とはいえ、君は仕組まれた運命から半ば脱しているようだね」

シンジ「………」

カヲル「どうしたんだい?浮かない顔をしているね」

シンジ「僕は……また綾波を助けられなかった…」

シンジ「僕を逃がしてから綾波は自爆したんだ…」

カヲル「それは違うんじゃないのかな?」

シンジ「何が違うんだよ!!僕がしっかりしてれば綾波は死ななかったかもしれないんだ!!」

カヲル「彼女は、君に彼女の命を託したんじゃないのかい?」

シンジ「!?」

シンジ「でも……mark9に乗ってた綾波も僕が」

カヲル「それも違う。彼女は自爆したのだろう?」

カヲル「多分、君が手を汚さないで、そして…死なないで済むように自爆をしたんだと僕は思うよ」

シンジ「綾波…」

カヲル「だからさ、君は彼女の分まで生きなくてはならないね」

シンジ「………」

カヲル「それと聞いておきたいことがあるんだ」

カヲル「君は今幸せかい?」

カヲル「君には護りたいと思える人がいるのかい?」

シンジ「……うん」

カヲル「そうか…」

カヲル「それならば、僕が側にいなくても大丈夫だね」

カヲル「これは預かっておくよ」スッ ピピッ

シンジ「それは!?」

カヲル「超小型爆弾か…こんなものを取り付けるなんて好意に値しないね…」

カヲル「そうだ…最後にもう一つ教えてくれないかな?」

カヲル「出来るならばもう一度やり直したいと思うかい?それとも、このままの世界でいいと思うのかい?」

シンジ「僕は…このままムサシやケイタ、他の皆……そして…マナと一緒に生きていきたい」

カヲル「君は、このままの世界を望むんだね?」

シンジ「うん」

カヲル「分かった。じゃあ、僕は君のためにすることがあるから、ここでサヨナラだ」

シンジ「待って!!」

カヲル「」ピタッ

シンジ「どうして渚くんは僕のためにそんな…」

カヲル「それはだね…」

カヲル「僕は今度こそ君を幸せにするために生まれてきたからだよ」

シンジ「今度こそ?一体何を言っているのか僕には分からないよ!」

カヲル「だろうね」

シンジ「どういうことか教えてよ!!」

カヲル「……」

カヲル「君は安らぎと自分の場所を見つければいい。僕はそう願ってるよ、碇シンジ君」ニコッ

シンジ「!?どうして…」

マナ「シンジから離れて!!」バンバン

カヲル「おっと…お迎えが来たようだ」

シンジ「マナ!!」

カヲル「マナ?……そうか…君がそうなんだね?」スタスタ

マナ「動かないで!」

マナ「これ以上動いたら…」

カヲル「これから、シンジ君の事を頼むよ」

マナ「!?何を言って…」

カヲル「どうやらシンジ君は、君といる方が幸せになれるみたいだからね」

カヲル「必ず一生シンジ君に添い遂げてあげてくれ」

マナ「あなた、何なの!?」

カヲル「そうだね……僕は…シンジ君幸せを願うただのファンさ…」

マナ「えっ!?」

カヲル「僕のことよりも、シンジ君の方に行ってあげてくれ」サッ

マナ「あっ!!」

マナ「シンジ!!」ギュッ

マナ「よかった!よかったぁ!!」ポロポロ

マナ「3号機が自爆した時、シンジが死んじゃったって…」

マナ「でも、シンジは今私の腕の中にいる」

マナ「それだけで、私は幸せだよ」

シンジ「僕もマナがいてくれて幸せだよ…」

マナ「えっ!?」

シンジ「僕は、綾波を救えなかった。だけど、今度こそは君を護ってみせるよ」

マナ「シンジ…」ジワッ

シンジ「絶対に護る…」

シンジ(……それでいいんだよね…綾波…)





ムサシ「戦況はどうなった?」

オペレーター「ネルフ本部占拠完了致しました」

ムサシ「そうか」

オペレーター「しかし、ネルフ側の戦死者は2名なのですが、どうやら既に死んでいたとの報告が」

ムサシ「どういうことだ?」

オペレーター「はい。その…何かで潰されたような痕跡があるらしいのですが…」

ムサシ「潰すだと?そんなものはあったのか?」

オペレーター「いや、ありません」

ムサシ「一体誰が…」

シンジ「父さんが…死んだ!?」

ムサシ「ああ…既に何者かによって殺されていたらしい」

ムサシ「あと、冬月という男もだ」

ムサシ「そして、彼らの所持品からこんなのが出て来た」パサッ

シンジ「人類…補完計画……?」

ムサシ「ああ。どうやらこの資料によると…」

ムサシ「人類を還元し、卵に還す」

ムサシ「これが人類補完計画らしい」

ムサシ「しかし、こちらの資料では、人類を昇華させるとなっている」

ムサシ「どちらにせよ、今いる人間が消えるのは間違いなかったな」

シンジ「父さん…」

ムサシ「それとシンジ、朗報があるぞ」

シンジ「朗報?」

ムサシ「3号機はもう使えないが、ネルフにあったもう一つのエヴァを鹵獲した」

ムサシ「ただ、そのエヴァには欠点というか、特徴がある」

シンジ「欠点?」

ムサシ「ああ。ダブルエントリーシステムなんだよ」

シンジ「ダブルエントリーシステム?」

ムサシ「ああ。エヴァ一機を二人のパイロットで操縦するらしい」

シンジ「どういうこと?」

ムサシ「要するに、別のやつと息を合わせて操縦しないといけないってことだ」

シンジ「誰と組むのかはもう決まってるの?」

ムサシ「候補はもう決まっている」

シンジ「誰なの?」

ムサシ「まずは、俺だな」

シンジ「ムサシが?」

ムサシ「ああ。だが、俺はトライデントの指揮があるから、出来たら勘弁してほしい」

シンジ「そうだよね…」

シンジ「あとは?」

ムサシ「あとは、ケイタとマナだな」

ムサシ「要するに、いつもシンジが一緒にいるから俺たちは選ばれたんだな」

ムサシ「それで、誰と乗りたいか?」

ムサシ「というより、誰となら息を合わせられると思う?」

シンジ「………」

シンジ「マナ…かな」

ムサシ「分かった。今からマナを連れてくるから、ちょっと話し合ってみてくれ」

シンジ「うん」





マナ「入るよ」

シンジ「どうぞ」

マナ「話はムサシから少し聞いたよ」

マナ「シンジ、私の事を指名してくれたの?」

シンジ「そうだよ。僕が一番合わせられると思ったのはマナだったんだ」

マナ「でも、私はエヴァとシンクロ出来なくなったんだよ?」

シンジ「そんなの関係ないよ。やってみないと分からないじゃないか」

マナ「でも…私のせいで動かなかったら…」

シンジ「大丈夫、動くよ!」

マナ「どうしてそう思うの?」

シンジ「分からないけど…マナと二人ならなんでも出来る気がするんだ」

シンジ「だからさ、マナ…僕と一緒に乗って欲しいんだ」

マナ「じゃあさ…私の質問に答えてくれたら、私も乗るよ」

シンジ「質問?」

マナ「うん…」

マナ「あのさ…シンジは……」

マナ「シンジは…私のことを好き?愛してくれてる?」

シンジ「えっ!?」

マナ「お願い!答えて!!」

シンジ「…………」

シンジ「好きだよ…愛してる」

シンジ「僕が君を護りたいと思えるぐらい」

マナ「シンジ…」ジワッ

シンジ「僕がここに来てからマナはずっと僕を気遣ってくれたね」

シンジ「ネルフの皆に見捨てられた僕にとって、それは凄く嬉しかったんだ」

シンジ「そして、いつの間にかマナを好きになっていたんだ」

シンジ「それが僕の気持ちだよ」

マナ「……」グスン

シンジ「ねぇ、マナ…」

シンジ「出来たら…僕もマナの気持ちを知りたいな」

マナ「当たり前じゃない」

マナ「私はシンジを愛してるよ」

マナ「私の苦しみに気付いてくれたのはシンジだけだった」

マナ「しかもシンジは、そんな私に優しくしてくれた」

マナ「それだけで私は救われたんだよ?」

マナ「だから今度は私がシンジを助けたいの」

マナ「エヴァには私が乗るよ」

マナ「そしてシンジと運命を共にする!」

マナ「シンジも同じ運命を背負う仲間がいた方が楽だもんね?」

シンジ「本当にいいの?」

マナ「うん!シンジと一緒ならどこにでも行くよ!」

シンジ「ありがとうマナ」

シンジ「これからもずっと一緒だよ」

マナ「ええ。絶対に私の手を離さないで」ギュッ

シンジ「約束するよ。何があってもマナの手を離さない」ギュッ

マナ「シンジ…私の方を見て」

シンジ「どうし……えっ!?」

マナ「…」ガバッ チュー

シンジ「………」

マナ「………」

マナ「……」スッ

マナ「どうだった?」

シンジ「その……凄く柔らかかった…」

マナ「もう一度しようか?」

シンジ「えっ?」

マナ「……」クチュ レロ

シンジ「んっ…」レロ グチュ

マナ「……」

マナ「えへへ」スッ

シンジ「………」

マナ「ねえシンジ…」

シンジ「ん?」

マナ「好きよ…」チュッ

シンジ「僕もだよ」

翌日

シンジ「おはよ、ムサシ」

マナ「おはよ~」

ムサシ「ああ…ってお前らくっつきすぎだろ」

ムサシ「昨夜何かあったのか?」

シンジ「えっ!?い、いや!何もないよ!」

ムサシ「ほう…」

ムサシ「ちゃんとゴムつけたか?」

シンジ「えっ!?なっ…」

マナ「何を言ってるの!?ムサシ!!」

ムサシ「図星か」

ムサシ「とりあえず、避妊はしておいてくれよ」

ムサシ「今赤さんをこしらえられても困るからな」

マナ「もう!信じられない!!」

ムサシ「あっ、シンジ、ちょっとこっちに来い」

シンジ「あ…うん」スタスタ

ムサシ「マナの身体はどうだった?よかったか?」ボソッ

シンジ「凄くよ…って、何を言ってるんだよ!」

ムサシ「ほら、騒ぐな」

ムサシ「で、どうなんだ?」

シンジ「………」

シンジ「最高でした……」

ムサシ「そりゃあ良かったな」ケラケラ

シンジ「ムサシ!!」

ムサシ「冗談だよ」ケラケラ

ムサシ「まあ、これだけお互いを想い合ってりゃエヴァに乗っても上手く行くだろ」

ムサシ「だろ?シンジ」

シンジ「ま、まあ」

ムサシ「それじゃ、そろそろシンジ始めるか」

シンジ「えっ!?」

ムサシ「訓練だよ、訓練」

ムサシ「まさか、あれで終わりだとは思って無かったよな?」

シンジ「ごめん…もうやらないのかと…」

ムサシ「馬鹿野郎!毎日やらなかったら腕が鈍るんだぞ!」

ムサシ「ほら、容赦無くやるから早くこっちに来い」

シンジ「うわぁぁぁ!!」

マナ「頑張って!シンジ」

ムサシ「お前もだよ、マナ」

マナ「へっ?」

ムサシ「シンジと合わせるためには、シンジと同じメニューを一緒にこなした方がいいだろ?」

マナ「でも…」

ムサシ「なんだ?」

マナ「実は…まだあまり動けないの…」

ムサシ「なんでだよ?」

マナ「その…あの……」

ムサシ「ああ…そういうことか…」

ムサシ「くっそ!そういやお前初めてか…」

マナ「ムサシ!!そういうことは言わないでよ!!」

ムサシ「あ~~…もういい。お前は部屋で休んでろ」

マナ「うん…」

ムサシ「ほら、早く行け」

ムサシ「そいで…準備出来たか、シンジ」

ムサシ「ほら、始めるぞ」





シンジ「入るよ、マナ」

マナ「どうぞ~」

マナ「訓練終わったんだ?」

シンジ「うん。もうヘトヘトだよ」

マナ「お疲れ様」

シンジ「ありがと」

シンジ「そんな事より、マナこそ大丈夫?」

マナ「まあね。朝より楽になったよ」

シンジ「よかった…」

マナ「今日はこの後どうするの?」

シンジ「どうしようかな」

マナ「このまま私の部屋に泊まってく?」

シンジ「うん。そうするよ」

マナ「今夜もずっと一緒だね」

シンジ「よいしょ」ポフッ

シンジ「なんか、こうしてると、幸せだな…」

マナ「ええ…」

シンジ「こうして、マナが隣にいるしね」ギュッ

マナ「シンジ…」ギュッ

一週間後

ヴンダー

リツコ「艦長」

ミサト「何?」

リツコ「一週間前にネルフ本部にて何者かとの戦闘があったことは知っているわね?」

ミサト「ええ」

リツコ「昨日監視衛星を飛ばしたところ、こんなことが分かりました」

リツコ「この映像を見て下さい」ピッ

ミサト「ネルフの新型エヴァンゲリオン!?」

リツコ「ええ。どうやら、機体の動作確認をしている様ね」

ミサト「もしも、この機体が実戦に投入されたら…」

リツコ「mark9と同時に相手をしないといけなくなるわ」

ミサト「すると…早めに叩いておいた方がいいか…」

ミサト「式波大尉、真希波大尉聞こえる?」

アスカ「何よ、聞こえるわよ」

マリ「どうしたんだにゃ?」

ミサト「今からネルフを叩くわ。まずはエヴァに先行してもらう」

ミサト「両パイロットは直ちに出撃準備」

アスカ マリ「了解!」

アスカ「………」

マリ「姫、ご機嫌斜めだねぇ」

マリ「もしかして、ワンコくんが居ないからかにゃ?」

アスカ「黙れコネメガネ!そんなんじゃ無いわよ!」

マリ「でも、今日は戦自が相手じゃないから、ワンコくんには会えないね」

アスカ「………」ブワッ

マリ「うわっ!暴力反対!」

アスカ「じゃあ黙ってなさい」





ミサト「出撃準備は?」

アスカ「もう出来た」

マリ「こっちもok~」

ミサト「ネルフを倒さない限り私達人類に未来はないわ」

ミサト「ネルフの周りにあるものや生き物に気を遣わなくてもいい」

ミサト「その代わりに、今回で確実にネルフの息の根を止める」

アスカ「当たり前よ」

マリ「熱いねぇ、艦長」

ミサト「健闘を祈ります」

ミサト「エヴァンゲリオン発進!!」

オペレーター「旧第三新東京市に向かう敵影を確認!!」

司令官「所属は?」

オペレーター「ヴィレです!」

オペレーター「敵の機体が判明!エヴァンゲリオン2号機改と、8号機です!」

司令官「総員、戦闘準備!トライデントパイロット並びに、エヴァンゲリオンパイロットは準備が出来次第出撃!!」

司令官「歩兵部隊、戦車隊、飛行隊は命令あるまで待機だ!」

オペレーター「はっ!」

オペレーター「総員戦闘準備!総員戦闘準備!!トライデント並びに、エヴァンゲリオンパイロットは準備が出来次第出撃」

オペレーター「歩兵部隊、戦車隊、飛行隊は命令あるまで待機」

オペレーター「繰り返します!総員戦闘準備!総員戦闘準備…」

>>126
2号機改→改2号機

ムサシ「来たぞ!ヴィレだ!」

シンジ「!?」

ムサシ「来るべき時が来たんだ!行くぞ!」ダッダッ

ケイタ「ほら、急げシンジ!」タッタッ

シンジ「……」

マナ「シンジ…行こう。シンジが悩んでるのは私も分かるよ」

マナ「でも、今度ヴィレにシンジが捕まったら、葛城さん達に殺されるかもしれないんだよ?」

マナ「そんなことになったら、私、どうしたらいいか分からないよ…」

シンジ「マナ…」

マナ「だから、一緒に戦おう。そして、私達の未来を切り開くの!」

シンジ「……そうだね」

シンジ「行こう!マナ!!」

マナ「うん!!」ダッ

ムサシ「出撃可能な機体は?」

整備士「トライデントは、震電、雷電、銀河、飛龍、極光。そして、前戦で大破した紫電を全面改修した紫電改のみです!」

ムサシ「くっ…少ないな」

ムサシ「雷電、紫電改両機はaa弾を装備し、戦闘開始後、戦闘領域外縁に射出させろ」

ムサシ「アウトレンジで射撃させる」

ムサシ「それと、カムフラージュだけは忘れるなよ」

シンジ「準備完了!マナはどう?」

マナ「私も大丈夫!」

シンジ「いつも通り、息を合わせていくよ?」

マナ「うん!それじゃあ始めよ!」

シンジ マナ「エヴァンゲリオン第13号機、起動!!」

ムサシ「全機、配置につけ!」

ムサシ「全員聞いてくれ」

ムサシ「今回の敵は元軍人の2人だ。この前のとは動きが全く違うはずだ」

ムサシ「迂闊な行動が命取りになる」

ムサシ「絶対に無駄死にだけはするなよ」

ムサシ「さあ、敵さんのお出ましだ」

ムサシ「作戦開始!!」

アスカ「あれって…トライデントじゃない!」

マリ「そうだね…どうやら、ネルフじゃなくて、戦自がお出迎えらしいねぇ~」

マリ「どうしようか、姫?」

アスカ「決まっているじゃない!」

アスカ「敵のエヴァもいることだし…徹底的に潰すわよ!!」

マリ「ホイ来た!」

アスカ「私が先行する!8号機はバックアップ!!」

マリ「まっかせにゃさい!」

改2号機「」ズンッ

シンジ「2号機…アスカ!!」

シンジ「邪魔をしないで!アスカ!」

アスカ「バカシンジ!あんたまさかエヴァに乗ってんの!?」

シンジ「そうだよ…エヴァに乗って、世界を…みんなを護るんだ!」

アスカ「ガキが…だったら乗るな!!」

8号機「」ズドン

アスカ「援護射撃、いっつも遅い!」

マリ「めんごめんご~!」

マリ「戦自のワンコくん達、せめて足止めはさせてもらうにゃん♪」

アスカ「やああああああああああああ!!!」ブンッ

オペレーター「極光、戦闘不能!!」

ムサシ「くそったれ!!何にやられた!?」

オペレーター「8号機の射撃で操縦席を撃ち抜かれました」

ムサシ「パイロットは?」

オペレーター「反応…ありません…」

ムサシ「感傷に浸るな!悲しむのは終わった後だ!」

オペレーター「りょ、了解」

マリ「ほらほら~止まってなんていたら餌食になっちゃうよ~♪」ズドン

オペレーター「飛龍、沈黙!!」

マリ「次は~ど・の・子・か・にゃ♪」

マリィ「……そこだ!」ズドン

マリ「おっ!?」キンッ

マリィ「やはり…ダメか…」

マリ「惜しいね~」

マリ「これがエヴァじゃなかったらやられていたけど……」

マリ「こちとらにゃatフィールドがあるんだ…にゃ!!」ズドン

マリィ「まさか…私が開発副主任として開発した8号機にやられるとはな…」ドッカーン

ムサシ「おい!マリィ・ビンセンス!!」

ムサシ「銀河からは脱出したのか!?」

オペレーター「ダメです…パイロットの脱出は確認出来ませんでした」

ムサシ「あとは…俺たちだけか…」

シンジ「余計なことをしないでよ、アスカ!!」

アスカ「あんたこそ…余計なこと、するんじゃないわよ!!ガキシンジ!世界を護るとか言って、サードインパクトを起こすつもり!?」

シンジ「違う!戦自が勝てば、世界に平和が訪れる!!人が殺される世界が終わるんだ!!」

アスカ「…ホントにガキね」

シンジ「分からず屋!」

シンジ「マナ、いくよ!」

マナ「いつでもいいよ!」

アスカ「どうりゃあああああああああ!!」ブンッ

シンジ「マナ!!」

マナ「うん!」ガッ

アスカ「でええええええええいいい!!!」バッ

シンジ「アスカ!!お願いだから邪魔しないでよ!!」

アスカ「おとなしくやられろ!ガキシンジ!」

アスカ「っ!こんな時に!!コネメガネ!スペア!」

マナ「今っ!!」

シンジ「うん!!」ドンッ

アスカ「っきゃあああああああ!!」

アスカ「…女に手を挙げるなんて最っ低!!」

マリ「スペア、行くよー」 ズンッ

アスカ「もうしょうがない…」

アスカ「コネメガネ!aa弾の使用を許可!!」

マリ「待ってました!」ガチャ

マリ「虎の子よん♪」ズドン

13号機「」

マリ「atフィールドがない!?まさか…この機体…」

ムサシ「今だ!!ってぇ~!!」

ケイタ「いっけえ!!」ズドン

マユミ「紫電改、いきます!!」ズドン

アスカ「まだ隠れてたか!まどろっこしいわ…」

アスカ「えっ!?」

マリ「まさか…これって…」

マリ「aa弾!?」

アスカ「ヤバイ!!」

アスカ「コネメガネ!!!」

マリ「あ……」

数分前

ヴンダー

ミサト「戦況は?」

マヤ「今現在、敵機を3体撃破!流れはこちらにあります!」

ミサト「了解。引き続き戦況を追って下さい」

マヤ「はい!!」

ミサト「本艦はこれより戦闘エリアに全速で突入します」

ミサト「下の戦況が悪くなり次第本艦から援護射撃を…」

??「シンジ君に何をするつもりだい?」

ミサト「!?」バッ

カヲル「やあ」

ミサト「どこから入ってきた!?」チャ

カヲル「そんな物騒な物を向けないでくれないかい?」

ミサト「貴方の目的次第では、直ちに撃つ」

カヲル「やれやれ、これだからリリンは好きになれない」

カヲル「むやみに他人を傷つけようとする」

カヲル「好意に値しないね」

ミサト「何をしに来たと聞いている」

カヲル「そうだねぇ…シンジ君の望む世界を創るお手伝いに来たとでも言おうかな?」

北上「はぁ!?ふざけるな!!あんな奴の助けに来ましたってか!?」

北上「人類が滅びかけたのも碇シンジのせいじゃん!今度は確実に滅ぼすの!?」

カヲル「ここのリリンは予想以上に酷いね…」

カヲル「もし、今僕がこういったらその通りにしてくれるかな?」

カヲル「今すぐシンジ君に謝罪して、シンジ君の望む世界を創る手助けをしてくれってね」

北上「ふざけるな!!」

多摩「無理だな」

高尾「待たせたな!!」

長良「何を言ってるの!?どうして碇シンジなんかに!!」

カヲル「ここでは、シンジ君は絶対悪にされているのか…」

カヲル「そういうことかい?元ネルフのリリン達?」

青葉「………」

日向「………」

マヤ「………」

リツコ「………」

ミサト「…………………」

カヲル「どうやら、交渉は決裂のようだね」

マヤ「あっ!? 敵のaa弾が改2号機と8号機に直撃!」

マヤ「このままだと…両機とも…」

ミサト「くっ!!」

リツコ「艦長!!dssチョーカーの稼働範囲に近いわ!確認を!!」

ミサト「!?」バッ

ミサト「……いける…」

リツコ「押しなさい!!そうすれば13号機は停止し、ヴィレに勝機が訪れるわ!!」

ミサト「………」

ミサト「…シンジ…くん…」

マヤ「8号機に敵、トライデントが、改2号機にエヴァ13号機が接近!!」

リツコ「ミサト!!早く!!」

ミサト「………」

ミサト「ごめんね……シンジくん…」ポチッ

カヲル「残念だよ…リリン…」スッ ピピッ

リツコ「なっ……!?どうして…」

ミサト「まさか…」

カヲル「このまま何もしなければ君たちは死ぬことは無かった」

カヲル「これは、シンジ君を陥れようとした罰さ」

カヲル「君たちのようなリリンはシンジ君の望む世界にはいらない」

北上「いや…まだ死にたくない…」

ミサト「……………」

ピピッ

カヲル「今度こそ幸せになってくれよ、シンジ君」

カヲル「君を支えてくれるリリンと共に…」

ムサシ「くたばれ!!この野郎!!」ズバッ

マリ「きゃぁぁぁぁぁ!!」

アスカ「8号機!!コネメガネ!!」

マリ「あとは頼んだよ、姫!!」バシュッ

アスカ「プラグば射出し…」

ズドォォォン

アスカ「なっ!?」

アスカ「え……」

アスカ「ヴンダーが……破壊された……の…?

アスカ「ミサト!!!リツコ!!!マヤ!!応答しなさいよ!!!ミサト!!!!!」

「」

アスカ「こんな時に冗談なんてやってるんじゃないわよ!!!早く応答を!!」

アスカ「嘘でしょ…」

アスカ「許さない……絶対に許さない!!」

アスカ「覚悟しろ!!!シンジィー!!!!!」グワッ

シンジ「何が…」

マナ「あれは……ヴンダーが爆発!?」

マナ「どういうこと!?ねえ、シンジ!!」

シンジ「分からない…」

ムサシ「今司令部に確認したが、ヴンダーを破壊する計画なんてないとのことだ」

ムサシ「恐らく、事故だろうな」

シンジ「事故…」

ムサシ「それより前を見ろシンジ!様子がおかしいぞ!」

シンジ「アスカ…?」

改2号機「」

アスカ「モードチェンジ・コード777!!」

改2号機「グゥゥゥゥ」バシュッ バシュッ バシュッ

改2号機「グワッ!!!」ヒュン

アスカ「全員……道…連れ……に……して…やる!!!」

アスカ「うぅぅぅぅぅぅぅ!!!」

ムサシ「離れろシンジ!マナ!!」

シンジ「えっ!?グアッ!!」

マナ「きゃあぁぁ!!」

シンジ「マナ!!」

マナ「大丈夫…それよりも……早く…」

シンジ「うん!」

ムサシ「aa弾を打ち込め!!」

ケイタ「分かった!!」ズドン

マユミ「えいっ!!」ズドン

改2号機「」ヒュッ

ケイタ「ダメだ!動きが速くて当たらない!!」

改2号機「」ヒュン ガンッ

マユミ「きゃぁぁ!!」バシュッ

オペレーター「紫電改、戦闘不能!」

オペレーター「なお、パイロットは脱出に成功しています!!」

ムサシ「分かった!!」

ムサシ「ケイタ!一旦戦線離脱しろ!」

ケイタ「でも!!」

ムサシ「お前の装備じゃ近距離戦には不向きだ!今すぐ離脱しろ!!」

ケイタ「……了解」

ムサシ「それと、aa弾を置いてけ。俺が使う」

ケイタ「了解!雷電退却します」

ムサシ「俺の分まで生きてくれよ…」ボソッ

ケイタ「えっ!?」

ムサシ「通信終わり!じゃあな!」ブツっ

シンジ「アスカ!!もうやめてよ!!」ガンッ

改2号機「」ズドン

改2号機「」ガッ

改2号機「ヴワゥ」ガブッ ブチッ

シンジ「うわぁぁ!!」

マナ「あぁぁぁ!!」

オペレーター「13号機、左腕切断されました!!」

ムサシ「シンジ!!マナ!!!」

ムサシ「やっぱり、付け焼き刃じゃこれに対抗は出来なかったか…」

ムサシ「………」

シンジ「マナ!!マナ!!」

シンジ「お願いだ!目を覚まして!!」

マナ「うぅっ…」

シンジ「マナ!!」

マナ「シンジ…」グイッ

マナ「痛っ!!」

シンジ「動かしちゃダメだ!」

マナ「でも…敵が……」

シンジ「くっ……」

シンジ「マナ…マナだけでも生き残って…」

マナ「嫌!!それだけは絶対に嫌!!!」

マナ「シンジを残すぐらいなら、私も一緒に死ぬ!!」

マナ「シンジがいない世界なんて生きていたくない!!」

シンジ「でも…」

マナ「お願い!私を離さないで!!!約束したじゃない!!」

シンジ「!?」

マナ「最期までシンジと一緒にいたい!シンジ!!」

シンジ「分かったよ……死んでもずっと一緒だ…」

マナ「シンジ!」

ムサシ「させねえよ」

シンジ「ムサシ!?」

ムサシ「死ぬのは俺一人で十分だ」

シンジ「何を言ってるんだよ、ムサシ!!」

マナ「ムサシ!!」

ムサシ「なあ、シンジ。俺が死んだのは自分のせいだって、自分を自分で追い詰めたらぶっ殺すからな」

ムサシ「これは、俺の失敗のせいだよ。お前を敵の攻撃に対処出来るレベルまで持っていけなかったこと」

ムサシ「味方機の運用ミス」

ムサシ「それに、他にも色々ある」

ムサシ「そして…仲間も殺されてしまった…」

ムサシ「もうこれ以上被害を出させないために、俺は俺のケジメを付けるんだ」

ムサシ「だから、絶対に自分を傷つけるんじゃねえぞ」

ムサシ「そして、マナ」

ムサシ「悪かったな…ずっと気付いてやれなくて」

マナ「ムサシ!ダメ!」ポロポロ

ムサシ「もう少し速くマナの悩みに気付いてやれれば、マナも楽だったろうに」

ムサシ「本当に悪かった」

マナ「ムサシ!!死んじゃダメ!!」

ムサシ「お前達に逢えて楽しかった。ケイタにもそう伝えておいてくれ」

ムサシ「じゃあな、シンジ、マナ」

ムサシ「幸せになれよ」グイッ

シンジ「ムサシ!!!」

ムサシ「当たれ!!」ズドン

改2号機「」ガンッ

ムサシ「よし…atフィールドは消えた…」

ムサシ「あとは突っ込んで自爆するだけだ」

ムサシ「じゃあな…みんな」

ドッカーーン

一年後

シンジ「おはよう、マナ」

マナ「おはよう」

シンジ「アスカと真希波さんが解放されたんだって」

マナ「………」

シンジ「マナの気持ちは良く分かるよ…」

シンジ「でも、僕達があの二人を拒絶したら、彼女達は誰も頼れなくなっちゃうんだ」

シンジ「孤独の辛さはマナも知ってるよね?」

マナ「うん…」

シンジ「だからさ、せめて僕達は二人を赦してあげなきゃ」

マナ「……」

シンジ「過去のことを何時までも恨んでも仕方ないんだ。未来を見ようよ、マナ」

マナ「うん…そうだね、そうだよね!」

シンジ「ありがと、マナ」ギュッ

マナ「へへっ」

マナ「でもシンジってば、凄く前向きになったよね?」

シンジ「うん…」

シンジ「綾波やムサシから教えて貰ったんだ」

シンジ「前を向いて生きるようにってさ」

シンジ「それに、僕には愛する人がいるから」

マナ「……」

シンジ「呪縛のせいで年をとれないけど、永遠に一緒にいられる人がね」

マナ「シンジ…」

シンジ「僕の使命は、君と一緒に幸せなることなんだ」

マナ「うん…」

シンジ「これからもよろしくね、マナ」

マナ「絶対に離さないよ、シンジ」チュッ



最後まで読んでくれた方、ありがとうございました

新劇場版にマナちゃんが出てくれたらな…と思っていたため、いつもとは異なる新劇仕様で書いてみました

作中に、トライデント級の名前が色々と出て来ますが、震電と雷電のみ公式で、それ以外はオリジナルです

まあ、14年後ってことで

まさかの>>163は無しでw

最後まで読んでくれた方、ありがとうございました

新劇場版にマナちゃんが出てくれたらな…と思っていたため、いつもとは異なる新劇仕様で書いてみました

作中に、トライデント級の名前が色々と出て来ますが、震電と雷電のみ公式で、それ以外はオリジナルです

まあ、破から14年後ってことで、トライデントシリーズも大量に出来たってことでお願いします

過去作

シンジ「部活?」
http://minnanohimatubushi.2chblog.jp/lite/archives/1824658.html
剣心「ここは…どこでござるか?」
http://minnanohimatubushi.2chblog.jp/lite/archives/1825329.html
アスカ「ねぇ、シンジ」
http://minnanohimatubushi.2chblog.jp/lite/archives/1835373.html


最後に訂正
>>18トライデント型→トライデント級

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