学校



西園寺「おいゲロブタ」


罪木「な、なんですかぁ？」


西園寺「夏休みの宿題、わたしの分もやってね」


罪木「ふゆぅ・・・でも宿題は自分でしないと意味がないですよぉ？」


西園寺「は？次偉そうなこと言ったらもう喋ってあげないから」


罪木「す、すみませぇん！やらせてくださいぃ！」

学校



西園寺「おいゲロブタ、今日から二学期だね」


罪木「はい・・・夏休みもあっという間に終わりましたねぇ」


西園寺「帰りにお菓子買いに行くから付き合ってよ」


罪木「わ、私なんかでよろしければ！」

学校



西園寺「おいゲロブタ、今日ゲロブタの家に遊びに行くから」


罪木「きょ、今日ですかぁ？でも、私の家はここから遠いですよぉ・・・」


西園寺「来てほしくないなら無理に行かないけど」


罪木「来てください！西園寺さん！」


西園寺「えーどうしよっかなー」


罪木「タ、タクシー代なら私が出しますぅ！」

学校



西園寺「おいゲロブタ。なんで腕に包帯巻いてんの」


罪木「す、すみませぇん・・・」


西園寺「いいから理由を教えろって」


罪木「ふゆぅ・・・休み時間に・・・同じクラスの人からぶたれましたぁ・・・」


西園寺「・・・悔しくないの？」


罪木「いいんです・・・昔っからいじめられるのは慣れていますからぁ・・・」


西園寺「・・・そう」

学校



西園寺「おいゲロブタ」


西園寺「お前をいじめてる奴の名前教えろ」


罪木「ど、どうしてですかぁ？」


西園寺「いいから」

学校



西園寺「おいゲロブタ」


西園寺「前にお前をいじめてきた奴に仕返ししといてあげたから」


罪木「ふぇぇ！？」


西園寺「ゲロブタもいじめられないように努力しろよ」


罪木「さ、西園寺さぁん・・・」


西園寺「なに？」


罪木「その・・・ありがとうございますぅ・・・！」

学校



罪木「西園寺さん、今日は学校お休みなんですかぁ？」


澪田「日寄子ちゃん、昨日から入院してるらしいっすよ」


罪木「入院・・・？」


澪田「なんでも、殺されかけたショックで身体が動けないらしいっす」


罪木「・・・」

病院



西園寺「・・・」


罪木「西園寺さん・・・？」


西園寺「・・・」


罪木「ど、どうしたんですかぁ？」


西園寺「・・・」

学校



小泉「蜜柑ちゃん・・・」


罪木「小泉さん・・・？」


小泉「聞いてほしいことがあるの」


罪木「なんですか・・・？」


小泉「日寄子ちゃん、昨日殺されかけたの」


罪木「・・・」

小泉「日寄子ちゃん、蜜柑ちゃんをいじめていた子たちに仕返しをしたの」


罪木「・・・」


小泉「そしたらその仕返しされた子たちが昨日、日寄子ちゃんの首を絞めて・・・」


罪木「・・・」


小泉「命は助かったけど、その恐怖で日寄子ちゃん、声が出せなくなったらしいの」


罪木「・・・」


小泉「蜜柑ちゃん、自分を責めないでね」


罪木「・・・」

小泉「日寄子ちゃん、蜜柑ちゃんのこと大好きだったらしいの」


罪木「・・・」


小泉「いつも電話で、蜜柑ちゃんのこと話していたの」


罪木「・・・」


小泉「だから、日寄子ちゃんのことお願いしていいかな？」


罪木「・・・」




罪木「はい」

病院



西園寺「・・・」


罪木「西園寺さぁん・・・」


西園寺「・・・」


罪木「筆談しましょうねぇ」


罪木「紙とペン、持ってきましたぁ」

西園寺『おいゲロブタ、助けて』


罪木「西園寺さん・・・」


西園寺『声、出せないの』


罪木「・・・」


西園寺『もうゲロブタって・・・呼べないの』


罪木「西園寺さん・・・」

西園寺『悔しい・・・悔しいよ・・・』


西園寺『許さない・・・あいつらも、小泉おねぇも澪田おねぇも』


罪木「小泉さんも・・・澪田さんも・・・？」


西園寺『わたし、聞いたの』


西園寺『罪木をいじめるように指示してたのは、あの二人だったの』


罪木「それって・・・嘘・・・ですよね？」



西園寺『わたしを信じて』



罪木「・・・西園寺さん」






罪木「今度は私が西園寺さんを助ける番ですよね？」

病院



罪木「西園寺さぁん・・・」


西園寺「・・・」


罪木「うふふっ、心配しなくても大丈夫ですよぉ」


罪木「私の計画は完璧ですからぁ」


西園寺「・・・」


罪木「この方法なら、私が犯人だってバレるはずがありませんよぉ」


西園寺「・・・」


罪木「だから、心配無用ですぅ」

病院



西園寺「・・・」


罪木「じゃあ西園寺さぁん」


西園寺「・・・」


罪木「行ってきますねぇ」


西園寺「・・・」

西園寺「ゲロブタ、行かないで」







End