社長「安価でこの会社なんとかしようぜ」秘書「えっ?」(67)

秘書「どーいうことです?」

社長「いや…平日の真っ昼間にのほほーんとテレビ観てる社長ってアリだと思うか?」

秘書「暇なんだからしょうがないでしょう」

社長「社長が、秘書が暇してるって、その状況がおかしいんだっつーの」

秘書「え…お茶でも淹れます?」

社長「無理やり動こうとするんじゃないよ」

秘書「でも実際、やることないじゃないですか」

社長「えー…?いや、なにかあるはずだろ…」

秘書「そもそもここってなんの会社でしたっけ」

社長「おまっ…>>3だよ!!>>3の会社だよ!!」

医薬品開発

秘書「あーそうですよ医療品開発の…」

社長「社名は『>>6』そして社訓は『>>8』!忘れたとは何事だ!」

秘書「いや忘れたんじゃなくて社長を試したんですよ」

社長「なんで俺が試されてんの!?」

秘書「ホラ社長、最近物忘れが酷いじゃないですか」

社長「俺まだ20代だから!フレッシュな若社長で通ってるから!」

秘書「若年性健忘症って知ってます?」

社長「やめろ!マジな健忘症みたいに仕立てあげるな!」

シュトラール

一日1孕み

秘書「それでわが社『シュトラール』を…」

秘書「そういえばこの『シュトラール』って何語なんです?中国語?」

社長「なにがどうなったら中国語に聞こえるんだ…ドイツ語で『光線』って意味だよ」

秘書「ドイツ語で光線…?なんでまたそんな名前を」

社長「光線は進んだ科学のイメージに合ってるだろ。ドイツ語なのは…カッコいいから」ボソッ

秘書「いい歳して恥ずかしくないんですか?」

社長「う、うるせー…」

社長「それは…明確なビジョンはまだないけど…」

秘書「社訓は…『一日1孕み』…」

秘書「一日一善みたいに書いてありますけど相当ヤバいですよねコレ」

社長「これは…ほら、一孕み=新生児一人って考えるんだよ」

社長「新たな命の誕生。そして成長!それを支えるのがこの会社ってことだ」

秘書「それならそう書けばいいんじゃないですかね…」

社長「酔った勢いで考えた社訓なんだよぉおお…『斬新なのがいいよな』なんて…あの時の俺のバカ野郎!」

秘書「人間酔うと本性出ますよね」

社長「社訓を変えるくらいのつもりでいるからな!そうでもしなきゃこの会社はダメなままだ!」

秘書「面白いのに」

>>9の最後はコピペミスです

秘書「で…具体的にどうするつもりです?」

社長「それは…明確なビジョンはまだ見えてないけど」

秘書「『ビジョン』!?で、出たーwwwインテリぶってやたら横文字使用奴wwwww」

秘書「ドイツ語といい社長ってそういうとこありますよね」ニヤニヤ

社長「別にいいじゃねーか!つーかそんなつもりで使ったわけじゃ…」

秘書「あ、そういえばインテリって何の略ですっけ?」

社長「お前は中学生からやり直せ」

a.intelligence

秘書「はー…なんか立ち話してたら疲れちゃいましたよ…座っていいです?」

社長「疲れるほど話してねーだろ」

秘書「どっこいショーン・コネリー」ボスッ

社長「うわっ寒っ…つーかそれ『座る』じゃねぇ『横になる』だ」

秘書「うーん」ゴロゴロ

社長「おい、スーツのまま横になるんじゃないよ。シワがつくだろうが。脱ぎなさい」

秘書「えっ社長…こんな昼間っからヤりたいだなんて」

社長「『脱ぐ=ヤる』!?どういう発想だよ!」

秘書「インテリが何の略かも知らないアホの発想ですが!?」

社長「なんでキレてんの!?」

社長「ふと思ったんだがこの会社がダメなのはお前のせいかも知れない」

秘書「うわっ唐突な責任転嫁。こんな社長じゃそりゃーダメになるわけですね」

社長「ぐぬぬ…」

秘書「だいたい、なんで私のせいになるんです?」ピコピコ

社長「秘書のくせにそーやって、寝転がってゲームやってるからだよ!」

秘書「社長もポケモンやりますか?」

社長「やらねーよ!いつの間に取り出したんだよ!ほら没収だ!」バシッ

秘書「あっ」

ヒューーー…ドスンッ

秘書「あーあ…また『そらのはしら』やりなおしですか…これ結構めんどくさいのに」

社長「しかも第三世代(エメラルド)!」

秘書「えーと…じゃあそろそろ真面目に考えてみますかね」

社長「お、やっとやる気になったな」

秘書「私はずっとやる気ですよ。ただ情報が足りないんです」

社長「情報?」

秘書「現在の社員の数は?」

社長「>>15人」

秘書「社員の平均給与は?」

社長「30代でだいたい>>17くらいかな」

秘書「わが社最大の功績は?」

社長「うーん…>>19の開発かな」

秘書「社長の好きな食べ物は?」

社長「一番好きなのは>>21だな…いやこれ関係ないよな!?」

255

18万

放射能汚染物質の調査・回収(あらゆる手を使って)・処理(積んだら自動で太陽に向かうポッド)ロボの開発

あんみつ

秘書「255人もいて平均月収18万…?」

社長「ああ」

秘書「手取り…ですよね」

社長「そりゃそうよ」

秘書「めちゃくちゃ少なくないですか…」

社長「そうかなぁ」

秘書「…そして最大の功績は

・放射能汚染物質の調査
・あらゆる手を使っての回収
・積んだら自動で太陽に向かうポッドでの処理

が可能なロボットの開発…」

社長「どう!?スゴいだろ!日本の未来を掌握してるようなもんだぜ」ドヤァアア

秘書「はいスゴいです。これだけのことをしておきながら社員をナメてるとしか思えない給料…」

秘書「そしてそれをドヤ顔で秘書に自慢する社長(好物はあんみつ)…」

秘書「世が世なら暴動が起きてますね」

秘書「想像以上にとんでもない会社ですねこれ」

社長「ふ…だからなんとかしなきゃならんのさ」

秘書「はぁ…」

秘書「とりあえず場所、変えましょう」

社長「そうだな…真面目に考えるんならあそこだな」


喫茶『>>25』※店名


社長「ここのあんみつが美味いんだわ」

秘書「知ってますよ…私はあんこ嫌いだから食べませんけどね」

店員「社長さんまーた昼間からあんみつですか?本当に仕事してるんです?」

社長「……」チラッ

秘書「もちろんです。社長はここで軽食を摂った後、14時15分よりフクシマにて先日開発されたロボの試用を…」ペラペラ

店員「はぁ…大変ですねいつもいつも」

秘書「あ、私バニラアイス3つ」

店員「はーい」スタスタ

アークエリア

社長「相変わらずデタラメ言うのうまいよな」

秘書「言わせないでくださいよ…だいたいここから2時までにフクシマ入りとか無理ですし」

社長「で…どうする?」

秘書「………まぁ」

秘書「社長、あなたが『なにを変えるべき』だと思ってるのか…それが分からないことにはなんとも」

社長「俺たちが暇なのはなぜだと思う?」

秘書「さぁ。仕事がないから、としか」

社長「じゃ社長の仕事とは?」

秘書「会社を、社員をうまーく導いてくことでしょうね」

社長「ってことはだ…今の会社がダメダメなのは」

社長「俺が…ダメダメってこと…?」

秘書「社長がダメダメってことですね」

社長「じゃ…なんだ…つまり…変わらなきゃならんのは『会社』ではなく『俺個人』か?」

秘書「さぁ?よく分かりませんね…」

店員「アークエリア特製あんみつとバニラアイス3つです」コトッ

社長「お、来た来た!」

秘書「……!」

社長「いやホントこれがないとマトモに考えることが…」パクパク

秘書「……」ペロペロ

社長「だからお前はなんでアイスをペロペロ食うわけ?子供じゃないんだから…」

社長「…ハッ!」

秘書「糖分チャージ完了!」ピキーン!

社長(説明しよう!秘書は大好物のアイスを食べて糖分を補給すると…)

秘書「この会社自体、だいぶ悪い方向に進んでいってますが」

秘書「経歴を見るに…それこそロボットが上手く行きすぎただけで」

秘書「トータルで見るとマイナスではなく、これがこの会社のノーマルなのだと言えます」

社長(えらく真面目になるのだ!)

社長「の、ノーマル…なんだ。あの状態が」

秘書「ええ…ですから悲観することはありません。これがあるべき姿なのです」

秘書「…が」

秘書「素晴らしいのは社長、あなたのその上昇志向…この会社をさらに成長させようと息巻くその様に私は感動すら覚えますよ」

社長「いやいやそんなこと…滅相もない…!」

秘書「自惚れるな」

社長「!」ビクッ

秘書「あなたの最大の武器は恵まれた部下たちです」

社長「お前、まさか自分をその中にカウントしてないよな?」

秘書「優秀な部下たちのおかげでこの会社はいい感じにやっていけてますが」

秘書「しかし社長、あなた単体ではまったくなにもできないのです」

社長「え?」

秘書「部下たちはあなたに『使えねーから何もすんな』と思ってますよ」

社長「ええっ?」

秘書「つぅまぁりぃ…」

秘書「あなたに足りないのは人生経験。どうやったのか知りませんがたいした苦労もせんと社長になったあなたには」

秘書「この世のありとあらゆる辛酸を嘗める必要があります」

秘書「このアイスみたいにペロペロする必要が!」グイグイ

社長「やめろー顔につくじゃねーか!!」

秘書「さしあたって…そうですね…社長にいくつか試練を課しましょうか」

社長「し、試練!?要するに社会勉強ってやつか!?」

秘書「その通りです…なんかペンとかありません?」

社長「お前ホントに秘書かよ」スッ

秘書「とりあえず…この三つの試練をこなせば…」

秘書「あなたはより優れた社長になり…必然的にシュトラールは、より良い会社になるでしょう!」

社長「で、その三つの試練とは…」

?>>32
?>>33
?>>34

1つ目の試練(社会勉強)の内容…>>32

2つ目の試練(社会勉強)の内容…>>33

3つ目の試練(社会勉強)の内容…>>34

あらゆる会社に営業回り

社会に対し、もっと放射能除去ロボの評価を上げてくれても良いんじゃないかというアピール

不況に対して労働者を扇動し、世界征服で景気回復

社長「………」

秘書「どうしました?」

社長「1つ目は分かる…色んな会社に挨拶回り」

社長「なるほど俺は確かに、今まで世話になった会社にキチンと挨拶した覚えがないからな…これはすごく大事なことだろう…」

秘書「でしょう?」

社長「2つ目も分かる…社会に対し、もっと放射能除去ロボの評価を上げてくれても良いんじゃないかというアピール」

社長「社長自らが自社製品の猛烈アピール…『もう放射能といえばシュトラールに任せるしかない!』皆がそう思うようになればこの会社も安泰だろうな…」

秘書「これなら挨拶回りと一緒にできるでしょう?」

社長「3つ目は…不況に対して労働者を扇動し、世界征服で景気回復」

社長「こりゃなんだ…特に『世界制服』この部分…俺はショッカーか?」

秘書「そのまんまですよ。労働者を扇動して世界を征服するんです。これはあなたのリーダーとしての素質を確かめるための…」

社長「いやいやいや…世界征服て。なんでそれで景気が回復する?」

秘書「なんで、じゃなく、回復させるんです。あなたが」

社長「いや無理」

社長「あのさ…世界征服ってあれだろ」

社長「悪い奴が…部下を引き連れて各地を襲撃して…それで我が物顔で占領するっていう…」

社長「無理だろんなもん」

秘書「できますよ。ショッカーだって、仮面ライダーがいなければやってのけましたよ」

秘書「この世はノンフィクション。仮面ライダーなんていませんから」

社長「警察とか自衛隊とか、代わりになるものはいるけどな」

秘書「警察じゃショッカーは止められないでしょう?」

社長「あっお前知らねーな!?クウガだと警察が対怪人用の武器とか開発するんだぜ!?アギトじゃ警察がライダーを開発するんだぜ!?」

秘書「そういう問題じゃないんですよ」

社長「こっちの台詞だ」

秘書「クウガだのアギトだの…そんなのはどうでもいいです。彼らの敵は別に世界征服が目的じゃありませんし」

秘書「大事なのは社長。この日本の流れを変えることですよ」

秘書「臭いものには蓋をする。放射能もそうやって誤魔化されてますが」

秘書「シュトラールのロボットはその根本的な解決を目指したもの。この時点で社会的には十分凄いことなんです」

社長「……」

秘書「不満不平が濁って溢れるこの国をひっくり返すことができる。シュトラール社にはそういう可能性があるんですよ」

社長「ちと大袈裟じゃないか?」

秘書「…まぁ」

秘書「機…というのはありますね…今はまだその時でない」

社長「だ、だよなぁ!だったらこの3つ目の試練はナシってことに…」

秘書「しませんよ」

社長「……」

秘書「世界征服に必要なものってなんだと思います?」

社長「金」

秘書「そうですね、お金がいります。あとは?」

社長「力…あえて、武力とは言わんけど」

秘書「当然要りますねぇ。そしてもう一つ」

秘書「金、暴力、セッ…」

社長「最後のは違うだろ!」

秘書「冗談ですよ…人です」

社長「…人?」

秘書「営業回りしつつ、優秀な人材を引き抜いていくんですよ!」

社長「はぁ…?」

秘書「255人の社員はしょせんショッカーの下っぱです。『イーッ!イーッ!』っていうアレですよ」

秘書「幹部クラスの人材を集めないと。なんせ世界征服ですからね」

社長「ゴ怪人か」ボソッ

秘書「なんです、それ」

社長「いや、なんでも…」

秘書「まぁ…世界征服と言っても、やり方はいろいろありますがね。社長はどういうのがいいです?」

社長「どういうのって…労働者集めて不況な社会をどうにかするんだから…」

社長「国会議事堂前で『○○制度を廃止しろー』とか叫ぶか?これじゃデモだな。ハハハハ…」

秘書「いいですねそれ、分かりやすくて」

社長「よくねぇよ」

秘書「ま、世界征服なんだから当然、最小でも『一国』ですよ。日本をあなたの手中に収めちゃいましょう」

社長「……お前酔ってる?」

秘書「素面ですよ」

社長「帰っていいか?」ガタッ

秘書「え、ちょっ」

店員「あ、ありがとうございましたー…」


秘書「ちょっと社長、急にどうしたんですか。なんで帰るんです?」

社長「あんまり馬鹿馬鹿しくてな…」

秘書「馬鹿馬鹿しくないですよ」

社長「……」ピタッ

社長「見ろ…お前…辺り一面ビル人ビルビル人と人。不況というなら不況だが、まだまだどうにかなってんだ」

秘書「……」

社長「一企業を国家レベルから変えようってのかお前」

秘書「そうですよ」

社長「ワガママじゃないのか」

秘書「…臆病や弱気なのを国民性のせいにするわけじゃありませんけど」

秘書「我々日本人の大半は、どうして成功しようと思わないんです?野心の一つやふたつ持てずに、よく生きていけますね」

社長「……幸せの尺度ってのが人それぞれにある」

秘書「じゃああなたは幸せなんですか?社長」

社長「……」

秘書「社長の立場にいながら漫然と過ごす日々に幸福が見いだせないから、なんとかしようと思ったんじゃないんですか?」

社長「……」

秘書「成功しようと思い至れない…手頃な幸せで手を打つしかない…」

秘書「そんな社会の中で、どうして生きていけるんですか?」

社長「……」

社長「…とりあえず、営業回りは考えておく」

社長「お前、今日はもう帰っていいよ」

秘書「……」

シュトラール社・エレベータ内

社長(…秘書を家に帰したのって久しぶりだな)

社長(あいつ、なんか知らんが、ずーっと社長室にいるからな…)

社長(……世界征服とは馬鹿なこと言い出すもんだ)

社長(だけどまぁ、この会社をどうにかしたいのは事実。景気がどうのこうのと、そんなことは出来ると思わんが)

社長(俺の会社は、俺が変えるしかないんだよな)

ポーン…『10階デス』…ウィーン

社長「社長室か…なんだろうなぁ…昔思ってた社長室ってこんなんじゃなかったよなぁ…」ガチャッ

秘書「あ、社長お疲れさまです」

社長「はっ!?」

社長「帰れっつったろ!つーかなんで俺より先にいるんだよ!?」

秘書「いいじゃないですか別に」

社長「まったく…」

秘書「いや、冷静になってみたら、いきなりキツい提案し過ぎたかな…と」

社長「!」

秘書「『よーし、ちょっとダイエットしてみるかぁ』なんて言ってる中年男にフルマラソン薦めてるようなものですからね」

社長「…さっきも言ったけど、営業回りと製品のアピール…これはやるよ。現実的で重要なことだと思うし」

社長「でも世界征服なんて…今はまったくやる気にならんよ。もっとソフトなやり方を考えてくれ」

秘書「……そうですね」

社長「さて、じゃさっそく、明日から営業回りだ…どこから行こうかな」

秘書「ああ、それなんですけどね、もういくつか考えてあるんですよ」

社長「?」

秘書「大物を揃えておきました」スッ

社長「お前…これ…マジ…?」

>>47�・51
『○○の会社』とかそんなんでいいので
できれば社名もオナシャス!

現実にある会社だとちと面倒なのですが、その辺はお任せします

大塚ソリッド製薬
「戦場でも美味しく」を目標に保存食やサプリメントを開発してる会社

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