男の娘「魔法少女と」狐『迷子の半獣人と獣人』 (141)

宇宙人「この度あなたが魔法少女に選ばれました!」娘「えっ、僕が?!」の続編となります
多少は魔法少女感を上げました
まったり更新となりますが、よろしければお付き合い下さい


SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1409890437


早朝

男の娘「流石に朝早いとちょっと眠いなぁ……」ファァー……

狐『わざわざ朝早くにすみません、マスター』

男の娘「それは大丈夫だけど……。今日はどうして埠頭に来たの?」

狐『マスターも魔法少女のお仕事に慣れた頃かと思い、SSSの機能を試して頂こうと思いまして』

男の娘「機能を試す?」


狐『以前、SSSで人体能力の補助を行っているのは、お話しましたよね?』

男の娘「そういえば、そうだね。普段はバランス型にして、スピード型にしたり、パワー型にも出来るって話だよね?」

狐『その通りです。マスターには、その違いをまず体験して貰う為に、こちらの広い埠頭に来て頂きました」

男の娘「確かにこの埠頭は広いけど……。ここまで広い必要があるの?」

狐『広い場所にしたのは、初めて使う事と、安全に配慮した為ですよ。あと、今回機能について、直接マスターとお話したい方がいるそうです」


男の娘「僕と話したい人?」

狐『今、その方と接続致しますね」ピッ



『やっほー。男の娘くーん、狐くーん。朝早くからありがとねー』



狐『機能説明をして頂く研究員様です。宇宙人様とは同期で、SSSの研究開発、わたくしたちの人体データの確認など、影ながらわたくしたちを支えて頂いている方です』

男の娘「初めまして、男の娘です。今日は宜しくお願いします、研究員さん」

研究員『宜しくー。朝早くて大変だろうけど、宜しく頼むよ』


男の娘「今日はSSSの人体補助機能について話したいと、狐ちゃんから聞いたんですが?」

研究員『そだね。SSSは人体補助をしてるんだけど、今の男の娘くんが装備しているSSSの人体補助機能はデフォルトのバランス型だよね?』

男の娘「はい。そのままにしていますし、視覚情報にもそう表示が出ています」

研究員『人体補助機能というのは、確かにバランス型でも充分なんだけど、その補助バランスの割り振りを変える事が出来るんだよ』

男の娘「補助バランスの割り振りというと……」


研究員『ざっくり言えば、仮にバランス型は力5、装甲5、速度5になっているとしよう。それを、スピード型は力3、装甲3、速度9に、パワー型は力9、装甲3、速度3みたいに出来るんだ』

男の娘「なるほど、解りました!最優先したい補助に特化させるんですね?」

研究員『御名答。ただ、普段より一部機能を特化させる分、その他の補助や機能が弱くなったりするのが欠点だけどね」

男の娘「じゃあ、使い方に注意しないといけないですね」

研究員『まぁ、余程極端な割り振りしなければ大丈夫かとは思うけどねぇ。ちなみに、オーバードライブって機能のもあって、一時的にどれか一つに補助を割り振っちゃって、能力特化する事も出来る。ただ、これは非常時以外は危ないと思うから注意してね?』


男の娘「解りました!オーバードライブの使い方については、特に注意しますね」

研究員『うん、ありがと。じゃ、補助変更機能の体験と行こうか。まずは……、スピード型にしてみようか。狐くん、補助機能をスピード側へ設定してみてくれ』

狐『解りました。SSS人体能力補助機能、スピード型に設定します』ピッ

男の娘「あっ、視覚情報もスピード型って変わりました」

研究員『良しっと。じゃ、男の娘くん、狐くん、そこらへんを軽く走ってみるといい』


狐『はい、研究員様。では、マスター。初めてですし、ご注意下さいね?』

男の娘「うん、解った!」



男の娘(注意するってなると……、バランス型も充分速いし、それよりちょっと遅くする位で大丈夫だよね?)



研究員『合図した方が良いかもね。ではでは……、よーい……、スタート!』

ダッ……!!


これから社畜してくるのでここまで
深夜に眠くなかったらまた投下します

ここで止めるかっ…!


前スレから見てたよ!支援!

>>10
前スレから見て貰って感謝です!

では、寝る前に少し投下します


男の娘「……へ?!速いどころか、速すぎだよコレ!?」ダダダ



狐『マスター!速度を落として下さい!海に落ちちゃいます!』

男の娘「えぇ?!と、止まれー!!」キーー!



ガシッ……



男の娘「ギ、ギリギリセーフ…………」

狐『なんとか減速が間に合いましたね。岸壁に捕まる事が出来て良かったです』


研究員『大丈夫かい、男の娘くん、狐くん?』

男の娘「は、はいぃ……。何とかぁ……」

研究員『と、こんな風にかなりバランス型と違うから気をつけてね?一応、今のこれでもスピード型補助機能が、全力じゃない状態だからさ』

男の娘「こ、これ、全力だと凄すぎますね……」

研究員『そういう事だから、オーバードライブは余程の時だけだって解るでしょ?じゃ、岸壁にぶら下がっていても仕方ないし、陸に上がって来ると良い。スピード型にしてる分、身軽になっているはずだから、普段よりすんなり登れるよ』


男の娘「さっきはいきなり過ぎたから……。こ、こうかな……?」

……ヒョイッ……スタッ

狐『マスター、良い感じでしたよ』

研究員『最初は冷やっとしたが、今のはナイスだよ。男の娘くんは飲み込みが早いのかもね。走る時も最初は歩く位の気持ちで、ちょうど良いと思うよ』

男の娘「ありがとう、狐ちゃん。研究員さんもありがとうございます。確かに凄く動きが軽かったかも」

研究員『スピード型は速さもだが、跳躍力辺りの補助能力も上げてるから、長距離やかなり高い所までジャンプも出来るし、移動時に上手く使えばバランス型より便利だし、結構良いと思うよ?』


男の娘「はい、活用してみますね!」

研究員『上手く使ってやってよ。本当はパワー型も使わせてみたい所だったんだが、こっちはまた次の機会にしておこうか?』

男の娘「そうですね……。パワー型まで今やると、感覚が判らなくなりそうかも……」

狐『では、今日の所はスピード型で終わりましょう』

研究員『そうだね。じゃ、後の自主練習するなりは任せるよ。では、私はこれで失礼するよ。バイバーイ』ブチッ

……


……

男の娘「さて……、軽く練習して感覚はちょっと掴めたし、一回家に帰ろうか、狐ちゃん」

狐『はい、マスター。ちなみに、補助機能はバランス型に戻しましょうか?』

男の娘「うーん……。どうせだし、練習がてらスピード型のまま、家まで帰ってみるよ」

狐『解りました。では、まだ不慣れな機能ですし、気をつけて帰りましょう。周囲の安全や障害物は、わたくしも普段以上に注意しますね』

男の娘「うん、お願いね!」


狐『はい、マスター。では、現在地からご自宅までの注意箇所確認及びスピード型使用時の安全なルートにリルート。視覚情報に反映します』ピッピッ

男の娘「どうせなら、家までのタイムも測ってみようか?」

狐『承りました。時間計測実施します』ピッ

男の娘「じゃあ、狐ちゃん行くよ?レディ……」グッ



男娘・狐「『ゴー!!』」ダッ!!



……


……



シュタッ……!!



男の娘「何事も無く無事到着!狐ちゃん、行きよりどのくらい速かった?」

狐『約半分の時間でした。それにしても、マスターはすぐスピード型を使いこなしていましたね』

男の娘「そ、そうかな?やっぱり速度やジャンプの細かい調整が、まだ難しかったかなぁ……」

狐『今日が初めてであれば、悪いどころか、素晴らしいくらいでしたよ。微調整は使っていけば、慣れるかと思いますし、焦らずやりましょう』


男の娘「うん、これから頑張って慣れるね。じゃあ、スペシャルソーサリーシステム、解除!」

狐『はい、装備解除します。人体能力補助はバランス型にリセットします』

シュン……

男の娘「さて、今日はみんなと出かける予定だし、ちょっと早いけど準備しよっと!」

狐『今日は幼馴染様、男友様、女友様とお出かけでしたね。わたくしもお供しますが、ぜひ楽しんで下さいね』

男の娘「うん、そうするね。じゃあ、まずは朝ご飯ー』ルンルン

……

ひとまずここまで
お昼辺りに時間あれば、社畜しに行く前にまた投下します


待ち合わせ場所

男の娘「今日は僕が待ち合わせ一番乗りだよ」ニコニコ

狐『嬉しそうですね、マスター』

男の娘「普段は幼馴染ちゃんが早いしね。あっ、幼馴染ちゃーん、こっちー!」フリフリ

幼馴染「男の娘、おはよう。男の娘が一番乗りって珍しいわね?」

男の娘「まぁねぇ。今日は早起きだったから」

幼馴染「男の娘が待ち合わせ一番だと、今日は良い天気だけど、豪雨になるかもね」クスッ


男の娘「幼馴染ちゃん酷いよー!僕だって一番乗りの時くらいあったじゃん!」プー

幼馴染「確かにあるけど……。この前のお花見一番乗りの時は、凄い強風でお花見どころじゃなかったし……。もう少し前だと、雪祭りに一番乗りの時は、その冬一番の暴風雪で家に帰れなくなりかけたし……」

男の娘「天気は自然現象だし、僕が一番だったのは関係無いよぅ……。たぶん……」

幼馴染「ま、そんな事があったから、言ってみただけ。ごめん、ごめん」ナデナデ

男の娘「もう……。幼馴染ちゃんの意地悪ぅ……。あっ、男友くんと女友ちゃん」


女友「おはようございます」

男友「おーっす。何々?男の娘と幼っち夫婦漫才中?」

幼馴染「漫才中ちゃうわ。ただ、男の娘が一番乗りだったから、そういう時なんかあるよねぇ……って話をしてたのよ」



男友「あぁ……。確かに冬ん時はヤバかったわ……」

女友「お花見の時、あれほどスカートで後悔した日は無いです」



男の娘「なんか、ごめん……。先に謝っておくよ……」


幼馴染「ま、そんなにしょげないの。今日は天気良いし、大丈夫でしょ」

女友「そうですね。今日は一日中晴れみたいですし、男の娘くん大丈夫ですよ」

男友「そうだな。まっ、天気悪くなるんじゃなくて、その代わりにUFOでも落ちてくるかもしれないけど」



男の娘(最後の冗談が魔法少女としてはあまり笑えない……)ハハハ……


男友「んじゃ、カラオケにでも行くか」

幼馴染「私はオッケーだよ。二人も大丈夫?」

女友「はい。私も構いませんよ」

男の娘「僕も良いよ。じゃあ、行こっか!」

トコトコ……



<ワーイ

<コラーマチナサーイ

……


……

カラオケ屋前

男の娘「楽しかったね!」ニコニコ

男友「そうだな。久々に来たしな」

幼馴染「この後どうしょっか?」

女友「お昼はお店の中で済ませましたし、何処かで甘い物とか食べたりも良いかもしれないかなぁと」

男の娘「良いねぇ!」


男友「俺も別にいいけど。男の娘はあんだけ食って、まだ食べるのか?いつもの事だけどさぁ……」

男の娘「あれだけって言っても、お昼ご飯にピラフと揚げ物セット(2・3人前)に、歌い放題のフリードリンク5杯だけだよ?」キョトン



女友「何故あれだけ食べて、男の娘さんは可憐なままなのか……。本当に不思議ですよね、幼さん……」

幼馴染「そうだよねぇ……。私もそこだけ未だに理解出来ない……。神様って不公平だよね……」



男の娘「何か二人の目線が怖いような……」ゾク


狐『(マスター。お楽しみの所、大変申し訳ないのですが、宜しいでしょうか?)』

男の娘『(どうしたの、狐ちゃん?)』

狐『(今近くに地球の方ではない方がお二人いるのですが、どうも未成年の方なのです)』

男の娘『(子供って事?お父さんかお母さんらしい人は近くにいないの?)』

狐『(はい。周囲に地球の方以外がいないか探したのですが、反応がありませんでした。迷子の可能性がありますね)』


男の娘『(本当に迷子だと大変だから、すぐ行かないと!)』

狐『(本当に申し訳無いです。マスター、行って頂けますか?)』

男の娘『(うん、勿論!じゃあ、魔法少女出動だね!)』

狐『(はい!お二人の位置情報はしっかり捉えていますので、追跡宜しくお願いします!)』


男の娘「ね、みんな。急でごめんなんだけど、用事あるから僕行けないんだけど、いいかな?」



男友「そっか。じゃあ、気をつけて行けよ?」

女友「急な用事では仕方ないですね。男の娘さん、お気をつけて」

幼馴染「男の娘ったら仕方ないなぁ。大事な用事なら速く行った行った!」

男の娘「ありがとう!じゃあ、また学校でねー!」バイバイ



タタタ…………



タタタ……

狐『今周囲に人がいないので、装備装着をお願いします』

男の娘「うん、分かった!スペシャルソーサリーシステム、起動!」

狐『装備、機能正常。起動します』

シュンッ……タタタ……シュタッ!

男の娘「装備装着完了!魔法少女出動します!」

狐『お二人の現在地と距離、方角を視覚情報に表示。では、参りましょう!』

……

これから社畜タイムなので、ここまでです
可能なら深夜にまた投下したいと思います


住宅街

ダダダ……

「わー!半獣ねーちゃが追いかけてくるー!」ワーイ



「はぁ……はぁ……獣人くーん!待ちなさーい!」ハァハァ



獣人弟「やだー!あっち行くー!」

半獣姉「ま、待ちなさーい……!勝手したら、地球の人に迷惑かけちゃうから駄目なのー!」

獣人弟「大丈夫だもーん!」


半獣姉「はぁ……はぁ……。あっ!獣人くん!人にぶつかっちゃう!」

獣人弟「うわっ!」



バフッ……



男の娘「おっとっと……!君なかなか力が強いし、足も速いんだねぇ。やっと追いついたよ」

狐『未成年とはいえ、移動速度が速めだったので不思議でしたが、獣人と半獣人のお子様でしたか。納得です』

獣人弟「うー……だぁれ?」


半獣姉「はぁ……はぁ……はぁ……!ご、ごめんなさい!獣人くんとぶつかってケガしてないですか……?」

男の娘「ありがとう、僕は大丈夫だよ。元気な君は獣人君って言うんだね。貴女の名前も良ければ、教えて貰えないかな?」

半獣姉「えーと……、私は半獣って言います。獣人くんのお姉ちゃんです」

男の娘「お姉さんの半獣ちゃんに、弟の獣人くんだね。お父さんかお母さんはいるのかな?」

半獣姉「そのぅ……、お姉さんは誰ですか?地球の方だとは解るんですが、獣人くんとぶつかってもケガしないなんて……」


男の娘「僕は全宇宙防衛局所属地球担当の魔法少女ですよ。肩に乗ってるのは、僕のパートナーの狐ちゃんです」ピッ

狐『わたくし、SSS個体番号SSS-U12Xiこと、狐と申します。わたくしがお二人を発見し、マスターと一緒に追いかけてここまで参りました』

獣人弟「うー……、魔法のねーちゃ……?」

半獣姉「防衛局の……魔法少女さん……ですか……?」

男の娘「ちょっと見た目は変わった感じだけど、本当だよ。だから、お話聞いてもいいかな?」ニコッ


……

「まぉ……、いえ、魔族男さま。私の子たちがご迷惑をかけてしまい、大変申し訳ありません」

「構わん。秘書くんの長男坊は遊びたい盛りの歳だろう?それに、君のご主人も用事があるからと、連れてきて構わないと言ったのは我だ。幸い、今回は時間に余裕がある。まずは、我々で探してみようではないか」

「お心遣い感謝します。何とか地球の方へ迷惑をかけてしまう前に見つかればいいのですが……」

「確かに。君の娘さんの事だし、娘さんはやんちゃな弟くんを心配で追いかけて行ったんだろうし、人に近い側だから色々と大丈夫だろう。だが、弟くんはご主人似のパワフルさとタフさだからな。早く見つけねば」

「本当に大丈夫かしら……」

「今は娘さんと弟くんを信じよう。それに……」



「地球には全宇宙防衛局という組織に所属している魔法少女という人たちがいるようだ。二人で探して見つからなかった時は、防衛局の方々にも手を貸して貰おうではないか」

「はい。では、あちらから探していきましょう」

……


……

宇宙人『……それで迷子の子供を保護したと』

男の娘「はい。お姉さんは半獣さん、弟くんは獣人さんと言うそうです。保護者の方が探していると思うんですが、狐ちゃんが探してもこの近くにはいないそうで……』

狐『半獣姉様、獣人弟様の身体的特徴から、竜家系の特徴が見受けられます。ですから、わたくしたちのいる町より遠くから来た可能性もあります』

宇宙人『竜族の方々は体力やその他諸々強い種族ですからね。それも充分有り得ますね」

男の娘「何とか保護者の方に連絡出来るでしょうか……?」

宇宙人『それについては、地球にいらっしゃる方々のデータから該当する人を探してみます。少し時間がかかるかもしれませんが、大丈夫ですよ』


男の娘「それなら良かったです。安心しました!」

宇宙人『ですが、弟さんの事や地球の方の事を考えると、何処か人の少ない広い場所で待たせていた方が良いかもしれません。弟さんは丈夫そうですし、力も強そうなので、物理的被害を出しては大変ですから』

男の娘「人が少なくて広い場所……。一箇所心当たりがありますから、そこに行って僕たちは待ってますね」

宇宙人『解りました。宜しくお願いします。では、一度探してみますので、失礼します』ブチッ



半獣姉「あのぅ……。迷惑かけて、ごめんなさい……」ウルウル

男の娘「僕なら大丈夫だよ。それに、今宇宙人さんが君たちのお父さんか、お母さんに連絡を入れてくれるはずだから。ね?」ナデナデ

半獣姉「うん……!ありがとう、魔法少女のお姉ちゃん!」


男の娘「じゃあ、獣人くんも……。あれっ、いない……!?」

狐『マスター、半獣姉様、あちらです!』

半獣姉「こらー、獣人くーん!待っててって言ったでしょー!魔法少女さん困らせちゃ、駄目なの!」

ダダダ……

獣人弟「やー!あっちいくー!」ダダダ

男の娘「あの子、本当に足が速いなぁ……。急いで追いつかないと」

狐『……!!マスター急いで下さい!先の交差点右方から走行している車両が来ます!』


男の娘「大変、獣人くんが!」

狐『獣人弟様は体がかなり丈夫な竜族とはいえ、車両に引かれてケガをしないとはいえません。それに、事故で運転されている方までケガをしてしまう可能性も』

男の娘「うん!あの距離だからスピード型で……。狐ちゃん、ぶっつけ本番だけど、スピード型オーバードライブ使って、全速力で行くよ!」

狐『承りました、マスター。わたくしも出来る限り補助致します!』

男の娘「半獣ちゃん、僕の背中に捕まって!」

半獣姉「は、はい……!」ヨイショ


男の娘「しっかり捕まったね?……良し。狐ちゃん、お願い!」

狐『はい!SSSスピード型に変更、オーバードライブモード、設定完了!いつでも行けます!』ピッピッ



男の娘「スピード型オーバードライブ、レディ……」グッ



男娘・狐「『ゴー!!』」ダッ!!


急遽二時間の延長社畜で眠いのでここまでです
今日の夜までは投下出来ない可能性がありますが、月火には投下するようにしますので、また宜しくです


獣人弟「わー!」ダダダ



<オトートクーン ジュージンクーン ダダダ……



獣人弟「んー……?」クルッ






男娘・獣姉「「手に捕まってー!!」」ダダダ……



パシッ……



……





ブーン…………



スタッ……



男の娘「ふぅ……。事故にならないで良かったぁ……」

狐『わたくしも皆様が無事で良かったです。オーバードライブモード、解除します』ピッ

獣人弟「魔法のねーちゃ、すごーい!はやーい!」キャッキャ

半獣姉「獣人くん。勝手に行っちゃ駄目だよ?」

獣人弟「うー!やだー!遊ぶのー!」


男の娘「じゃあ、弟くん。あそこにお山が見えるよね?」

獣人弟「……あれ?」

男の娘「うん、あれ。あそこのお山におっきな木が生えてる野原があるから、僕とお姉さんと一緒に行かない?」

獣人弟「うん!行くー!」ワクワク


男の娘「じゃあ、きちんと僕について来てくれるかな?」

獣人弟「うん!ついて行くー!」

男の娘「弟くんは良い子だねぇ!」ナデナデ

獣人弟「えへへ」ニコッ

男の娘「じゃ、みんなで山に遊びに行こう!」

……


……

山の野原

男の娘「さ、半獣ちゃん、獣人くん、到着したよ」

獣人弟「わー!広ーい!」

男の娘「半獣ちゃん、降りていいよ?」

半獣姉「あっ、はい。すいません、わざわざ背負ってもらって……」

男の娘「大丈夫だし、気にしないでね。逆に捕まってるの大変じゃなかった?獣人くんに合わせて速いスピードで移動してたから」

半獣姉「私は大丈夫です。獣人くん程じゃないですが、これでも体は強い方ですし」


<ワーイ ワーイ!

男の娘「そういえば、聞きそびれたから聞きたかったんだけど、君たちはどうして地球へ?」

半獣姉「母様のお仕事です。父様は用事あって、母様と一緒に来たんです」

男の娘「ご両親は共働きなのかな?それなら、僕の家と一緒なんだけど?」

半獣姉「父様は私たちの面倒を見る為に、お仕事をお休みしてるみたいです。ただ、母様が地球に来る間に、どうしてもお仕事しに来てほしいって言われたらしくて……」

男の娘「君たちの為に、長い間仕事を休むって優しいお父さんなんだねぇ」

半獣姉「そう……なのかな?」


<アー デッカイ イシー!

男の娘「そうだよ。お父さんやお母さんはどんなお仕事してるの?」

半獣姉「父様は軍人さんをしてます。母様はお城で働いてます」

男の娘「僕の国でいうと、自衛隊員と公務員みたいな感じなのかな?お母さんのお仕事で来たけど、僕の町以外に地球のどんな所に行った?」

半獣姉「場所はよく解らないけど、森とか、湖とか、海とか、何個か町も行きました」

男の娘「僕は地球以外の星や、地球の他の国って行った事無いんだけど、地球ってどう?」

半獣姉「地球は……、綺麗で、人沢山で、町も立派で凄いです!あと、ご飯も美味しいです!」


<グググ ヒョイ エーイ!

男の娘「僕もご飯が美味しいのは解るね!どんな食べ物が美味しかった?」

半獣姉「お肉もお魚もですし、甘いヤツも美味しかったです!母様がソフトクリーム?って食べ物買ってくれました!」

男の娘「ソフトクリームかぁ……。僕はバニラとチョコのミックスが大好きだなぁ……」

半獣姉「私はバニラって味食べましたよ。また食べたいです!」

男の娘「そっかぁ。じゃあ、また地球に来る時があれば、食べられると良いね!」

半獣姉「はい!」


<ジィー…………

狐『あの、マスター、半獣姉様。お話の途中ですが、すみません』

男の娘「ん?狐ちゃん、どうしたの?」

狐『先程、獣人弟様が上空に石を投げたようでして、警告したいと思います』

男娘・獣姉「空に……石…………?」



ヒューーーー……



男の娘「ねぇ……、半獣ちゃん……。あれって……石……?」



半獣姉「いえ……、魔法少女さん……。あれは……岩かなぁ……って」



狐『落下予測位置、お二人の真上です!』



男娘・獣姉「「逃げないとーーー!!」」バッ!!



ドーン!!



男の娘「は、半獣ちゃん……、大丈夫……?」

半獣姉「はいぃ……、なんとかぁ……」



獣人弟「半獣ねーちゃ!魔法のねーちゃ!遊ぼー!」


半獣姉「こらー!半獣くーん!岩は高く上げ過ぎちゃ駄目でしょー!」

獣人弟「だってー……。ねーちゃたち、お話ばっかしてて、僕つまらないぃ……」

男の娘「ごめんね、弟くん。じゃ、三人で遊ぼっか!何して遊ぶ?」

獣人弟「石投げー!」

男の娘「えーと……、これ投げて遊ぶって事……?半獣ちゃんは大丈夫なの?」

半獣姉「さっきみたいに高く上げなければ、魔力で補えば持ったり、投げたりとか出来るよ」ヒョイヒョイ


男の娘「半獣ちゃんもなかなか凄いなぁ……。狐ちゃん、これ持ったり出来るのかな、僕……?」

狐『流石にバランス型だと、明らかにキツいと思います。パワー型にすればお二方のように楽に出来ると思います』

男の娘「パワー型は一回も使った事無いけど……、大丈夫かな……?」

狐『わたくしが補助致しますし、習うより慣れよ、という感じで、実際に使いながらの方が良いかと』

男の娘「それもそっか……。じゃあ、二人とも。僕はまだ岩投げって慣れないから、ちょっと練習してもいいかな?」

獣姉・獣弟「「はーい」」


男の娘「狐ちゃん、パワー型に変更」

狐『はい。SSS人体能力補助機能パワー型に変更します』ピッ

男の娘「表示がパワー型に変わったから大丈夫かな?」

狐『はい、大丈夫ですよ。持ち上げてみましょう』

男の娘「スピード型の時に感覚間違えたから、慎重にやらないと……。こうかな……?」



ヒョイ……


男の娘「おっと……。凄く軽く感じるね……」

狐『パワー型ですからね。あと、今はマスターの安全を考えて、スピードをほぼ犠牲にして、パワーと装備の頑丈さに割り振っています。バランス型以上に動きが鈍くなっていますので、そこだけ充分ご注意下さいね』

男の娘「確かにさっきまでスピード型にしてたせいか、尚更軽く動けるような感じがしないかも。気をつけるね」

狐『はい、お願いします。では、岩投げをしてみましょう』

男の娘「うん。じゃあ、二人とも行くよー?」

獣姉・獣弟「「はーい!」」

……


……

秘書「こちらにもいませんね……」

魔族男「うむ。こうなると隣町に行ってる可能性もあるだろう。あの子たちは足も速いし、体力もあるから尚のことだろうしな」

秘書「そうなると本当に急がないと……」

魔族男「仕方ない。ここは局に協力を仰ぐ他あるまい」

ピーピー……


秘書「連絡端末に着信が来たので、少々失礼します。……はい、どちら様でしょう?」



秘書「……本当ですか!はい、解りました。すぐに向かいます」ブチッ

魔族男「何かあったのか?」

秘書「全宇宙防衛局の方からで、魔法少女の方が二人を保護していてくれたようです!今から私たちと合流したいと」

魔族男「そうだったか。これで一先ず安心だ。早く向かわねば。急ぐぞ、秘書よ」

秘書「はい!」

……

今はここまでになります
昨日車走らせたら虫汚れが酷いので洗車してきます
ではまた後程


……

男の娘「行くよー!……それ!」ヒョイ

半獣姉「おっと……!獣人くん、行くよ?」

獣人弟「うー……。眠いぃ……」コテッ

男の娘「あらっ……」

狐『この感じですと、寝ちゃいますね。慣れない土地で疲れたのでしょう』


獣人弟「……Zzz」スースー

男の娘「寝ちゃったね。野原の真ん中じゃアレだし、木の下に連れていってあげようか」ヨイショ

狐『では、一度パワー型からバランス型に戻しておきますね』ピッ

半獣姉「じゃあ、岩寄せるね、魔法少女のお姉ちゃん」ゴロゴロ

男の娘「ありがとう、半獣ちゃん。あの木の下に行ってるね」


ナデナデ……

獣人弟「……Zzz」スースー

男の娘「よく眠ってるなぁ。起きてるとあんなにやんちゃなのに」フフッ

半獣姉「魔法少女のお姉ちゃん、運んでおいたよ」

男の娘「うん。半獣ちゃんも座りなよ」

半獣姉「はい、そうします」ストッ


男の娘「半獣ちゃんは疲れてない?大丈夫?」

半獣姉「わ、私は大丈夫です!お、お姉ちゃんなので……」ファー

男の娘「無理しないで良いよ。今は弟くんも寝てるし、お姉ちゃんは休業して良いんじゃない?」

半獣姉「うぅ……。じゃあ……、獣人くんみたいに、膝枕してくれる……?」

男の娘「僕の膝で良ければね?」


半獣姉「じゃ、じゃあ……、お願いします……///」コテン

男の娘「そんな照れなくても良いのに」クスッ

半獣姉「あ、あまり、こういうの慣れてなくて……///」

男の娘「そっか。弟や妹がいると、お姉さんは甘えにくくなっちゃうのかな?」


半獣姉「うん……。父様や母様は獣人くんの面倒で大変な時あるから、私も手伝わないといけないし……」

男の娘「僕の家にはお姉ちゃんがいるけど、もしかしたら半獣ちゃんみたいに思った事あるのかなぁ……」

半獣姉「魔法少女のお姉ちゃんにお姉ちゃんがいるの?」

男の娘「うん。僕と違って男っぽくて、適当な所はあるけど、優しいお姉ちゃんだよ」


半獣姉「そうなんだ。でも、魔法少女のお姉ちゃんは可愛くて羨ましい。私も魔法少女のお姉ちゃんみたいになりたいなぁ……」

男の娘「あっ……、そういえば、言ってなかったね……」

半獣姉「ん?お姉ちゃん何を言ってなかったの?」



男の娘「僕、これでも男なんだよねぇ……」

狐『半獣姉様、詳しくはこちらの性別欄をご覧頂ければ』ピッ


All Universe
Defense Department
Special Sorcery System
Contractor Certificate
(全宇宙防衛局スペシャルソーサリーシステム契約者証明書)

Individual number SSS-U12Xi User
(個体番号SSS-U12Xi使用者)

※User Information(使用者情報)
From・Japan,Earth,Solar system planet(出身・太陽系惑星 地球 日本)
Gender・Male(性別・男性)
Tribe・Human(種族・人間)
Birthday・◯.◯.20XX(誕生日・20XX.◯.◯)
Other・This person is Special Sorcery System special contractor.
(その他・この人はスペシャルソーサリーシステム特例契約者です)

半獣姉「あっ、本当だ……!さっき見た時に気づかなかった……。ま、間違えててごめんなさい……お、お兄ちゃん?」

男の娘「謝られるのは初めてかも……。とりあえず、好きに呼んでくれて構わないよ」

半獣姉「解った。じゃあ……、お兄ちゃん!」

男の娘「何かな?妹の半獣ちゃん?」


半獣姉「妹……?」

男の娘「あっ、えーと、妹扱いは嫌だったかな……?ご、ごめんね?」

半獣姉「ううん!ありがとう、お兄ちゃん!」

男の娘「喜んでくれたなら良いんだけど……」

半獣姉「うん!今だけだけど、お兄ちゃんが出来て嬉しい!」


男の娘「半獣ちゃんは眠くない?」

半獣姉「うーん……。ちょっと眠くなってきたかも……」

男の娘「お母さんが来るまでこうしててあげるから、寝ちゃっても大丈夫だからね?」ナデナデ

半獣姉「う……ん。ありがと……お兄ちゃ……ん……」ウトウト

……


半獣姉「……Zzz」スースー



獣人弟「……Zzz」スースー



男の娘「……動けなくなっちゃったなぁ、コレ」

狐『ジッとしてるしか無さそうですね』

男の娘「そういえば、宇宙人さんはお母さんと連絡取れたかなぁ?」

狐『先程お話し中でしたので、まだ言ってませんでしたが、連絡は取れたそうです。獣人弟様が既にお休みになっていた時に連絡があったので、ひっそり連絡をしておきました』


男の娘「良かったぁ……。じゃ、静かに待ってようか?」

狐『そうですね。お二人を起こしてしまわないようにしていましょう』

男の娘「そうだね。……そうだ!狐ちゃん、宇宙人さんに一つお願いしたい事があるんだけど、連絡して伝えて貰っていいかな?」

狐『はい、大丈夫かと。何と伝えれば良いですか?』

男の娘「この子たちに…………」

……

今日はここまでです
一服したら子供寝かせてきます
ではでは


……

宇宙人「お待たせして、すみません。保護者の方を連れてきましたよ」

男の娘「あっ、宇宙人さん、ありがとうございます」

宇宙人「お二人は……。まだ、お休み中でしたか」

男の娘「はい。そういえば、さっき頼んだ物って大丈夫でしたか?」コソッ

宇宙人「言われた通り、買いましたよ。お二人にお渡ししても大丈夫なように局側に話もしていますし、問題無いとの事でしたので」コソッ

男の娘「ありがとうございます、宇宙人さん。保護者の方は……。後ろの女性ですね?」


秘書「はい。この度は私の不手際でご迷惑をかけてしまい、大変申し訳ありません」ペコッ

男の娘「いえいえ。僕はただ、この子たちとお話したり、遊んでただけで何もしていませんし」

秘書「本当に、私たちが探している間、子供たちを守って頂いて、感謝致します。特に、弟の方はやんちゃですし、大変では無かったですか?」

男の娘「弟くんは確かに元気一杯でしたよ。お母さんが来るまで、岩投げして遊んでましたから。お姉ちゃんの方も、弟くんの為に頑張って追いかけてたみたいで、今は寝ていますし」

秘書「そうでしたか……。本当にありがとうございます!」

男の娘「それと……。秘書さんの後ろの方は、一緒に地球に来てお仕事されている方ですか?」


秘書「こちらは……、魔族男様と言いまして……」

魔族男「秘書よ。この方たちには世話になったのだ。我が直接話そう」

秘書「は、はい。でも、宜しいのですか……?」

魔族男「こんなんだが、我は君たちの国の長なのだ。世話になった方々に礼を申さねば」

男の娘「えっと……。国の長……って言うと……」


魔族男「魔法少女殿。我の名は魔族男。そして……」



魔族男「魔族たちの長……。王である者だ」

男の娘「魔族の王……。魔王さんって事ですか!?」

魔族男「この度、我の秘書の子たちの件。一国の王、我が国の民を代表し、心から感謝する」

男の娘「いえ、そんな……。でも、偉い方がどうしてわざわざ地球へ……?」


宇宙人「別に珍しい事ではありませんよ。稀に地球の偉い方が他国を訪問するように、地球以外の偉い方が来る時もありますから。ですが、訪問者リストでお二人が該当した時は、流石に私も驚きましたが」

魔族男「我は別世界の視察が好きなのでな。様々な世界、国、町、自然、文化を見るのが、半ば趣味みたいな物なのだ」

男の娘「そうでしたか。わざわざ地球に頂いて、ありがとうございます!庶民の僕ですが、お越し頂いて本当に嬉しいです!」

魔族男「歓迎して貰い、嬉しい限りだ」


獣人弟「んー……。どうしたのぅ……?あれぇ……はーさまぁ……?」ゴシゴシ



半獣姉「うーん……?あれ……。……あっ、母様!」ゴシゴシ



秘書「心配したわよ、二人とも!いなくなっちゃうんだから!」

獣姉・獣弟「「母様ー!」」



ダッ……ギュッ……


秘書「半獣は心配だからって、無理して獣人についていっちゃ駄目でしょ?私に言って頂戴ね?」

半獣姉「はいぃ……。でもぅ……。獣人くぅ……ん……勝手に行ってぇ……。地球の人にぃ……、迷惑かけちゃ嫌だったからぁ……。ごめんなさぁいぃ……」ボロボロ



秘書「獣人も遊んであげられなくてごめんなさいね。でも、勝手にこんな遠くまで来ちゃ駄目でしょ?」

獣人弟「ひぐっ……。ううぅ……。はーさまぁ……ごめんなさいぃ……」ボロボロ



秘書「でも……」



「本当に貴方達が無事で良かった……!」



秘書「さっ、二人とも。魔法少女さんにきちんとお礼を言わないといけませんよ?」

獣人弟「うん……!魔法のねーちゃ、ありがと!」

半獣姉「……お兄ちゃん!今日は本当にありがとう!」

男の娘「どう致しまして。二人ともお母さんが来てくれて良かったね!僕も安心したよ」









魔男・秘書((……ん?……あれ?))



秘書「半獣、何故魔法少女さんがお兄ちゃんなんですか?この方は女性でしょう?」

半獣姉「なんでって?お兄ちゃんだから、お兄ちゃんだよ?」

獣人弟「魔法のねーちゃって、魔法のにーちゃなの?」キョトン

秘書「……ん?話が見えなくなってきたような……、解ったような……」

魔族男「魔法少女殿、失礼で無ければ、貴方の性別は……?」


男の娘「えぇと…………。僕、男です…………」






魔男・秘書「「……………………え?」」






狐『念のため、証明書出しておきますね』ピッ

宇宙人「やっぱりこうなるんですねぇ……」

……


……

魔族男「いや、すっかり驚いてしまってすまない。全然男性に見えなかった故……」

秘書「そうですね……。全く見えませんねぇ……」

男の娘「私生活でも、たまに言われてます……」

魔族男「だが、二人を保護してくれて、本当に感謝してもしきれん。何かお礼を君にしたいものだ」

男の娘「お礼と言われましても……。僕は魔法少女として当然の事をしたまでですし……。何か悪いですよ?」

秘書「魔法少女さん。魔王様がそのように仰っていますし、遠慮なさる事は無いかと思いますよ?」


男の娘「そうですか……?んー…………。……では、一つだけお願いという形でも構いませんか?」

魔族男「内容にもよるが、恩人の願いであれば、可能な限り答えよう。願いとは?」

男の娘「えぇと……。魔王さんの世界で、万が一困っている地球の方がいたら助けてあげてほしい……というのは駄目でしょうか?」

魔族男「ほう、変わった願いだ。でも、何故そのような事を?」

男の娘「半獣ちゃんや獣人くんは地球で迷子になって、僕がついてたとはいえ、とても寂しかったりしたと思うんです。それに、地球の人間はまだ他の惑星や世界に行き来する事はまず有り得ないんです」

魔族男「なるほど。違う世界に慣れていない地球の者を保護し、助ければ良いという事か?」


男の娘「はい。こんな願いなんですが……、駄目でしょうか?」

魔族男「いや、実に良い願いだ。解った。万が一そのような場合は、君の為に、その地球の者の為に、我らが精一杯手を貸す事を約束しようではないか」

男の娘「はい!ありがとうございます!」

魔族男「君はなかなか面白い人間だ。これからも一人の人間として、魔法少女としても精進するが良い。我も魔王としては長いが、君を見ているとまだまだ精進の身だと感じるな」

男の娘「そんな。僕は魔王さんの事は詳しく存じませんが、ご立派な方だと思いますよ!」

魔族男「世辞でも嬉しいモノだな。感謝するぞ」


秘書「では、時間も迫っていますし、魔王様そろそろ……」

魔族男「そうであったな。では、地球の魔法少女殿、管理局の者、この度は本当に感謝する」

秘書「魔法少女さん、管理局の方。私の子供たちをありがとうございました」

半獣姉「お兄ちゃん、またね!」

獣人弟「魔法のにーちゃ、バイバーイ!」

男の娘「あっ!宇宙人さん、お願いしてたアレ下さい!」

宇宙人「こちらですね?どうぞ」ヒョイ


男の娘「半獣ちゃん、獣人くん、これは僕からちょっとしたプレゼントだよ!」

半獣姉「わぁ!お兄ちゃんありがとう!」

獣人弟「魔法のにーちゃ、ありがと!」

秘書「お土産まで頂いて、本当にありがとうございます」

男の娘「いえ、僕が勝手にやった事ですから。向こうに帰ってからご家族で開けてみて下さい」ニコッ

魔族男「魔法少女殿、何から何まで感謝する。また機会があれば、我々と会う事もあろう。では、その時までさらばだ……」



…………



……


……

男の娘「行っちゃったね……。さっきまで賑やかだったから……、ちょっと寂しく感じるな……」

宇宙人「そうですね。ですが、魔王様が言っていたように、違う世界とはいえ、また機会があれば会えますよ、きっと」



男の娘「なんかぁ……、妹と弟が出来たみたいでぇ……、嬉しかったなぁ……」

狐『マスターは半獣姉様と獣人弟様と触れ合っていた時、まるで兄弟のように楽しそうでしたからね』






男の娘「うんっ……。ちょっとぅ……おませでぇ……、ちょっとぅ……元気一杯なぁ……兄弟だったぁ……けどねぇ……」


とりあえずここまでです
また夜辺りに投下したいと思うので、また宜しくお願いします


……

男の娘「じゃ、帰ろうか、狐ちゃん!」ニコ

狐『はい、マスター』

宇宙人「男の娘さん。今日はお休みのところ、お疲れ様でした。ご帰宅するのであれば、ご自宅までお送りしましょうか?」

男の娘「僕は大丈夫ですよ。宇宙人さんも今日はありがとうございました」

宇宙人「いえいえ、これが私の仕事ですから。では、帰路も気をつけて下さいね」

男の娘「はい、ありがとうございます。では、今日はこれで失礼しますね」ダッ

……


……

自宅

男の娘「さて、無事到着っと。狐ちゃん、スペシャルソーサリーシステム、解除」

狐『はい、マスター。解除します』ピッ

シュンッ……ガチャ……

男の娘「ただいまー。……あれ?お姉ちゃんいないなぁ」

狐『お出かけからまだ帰っていらっしゃらないんでしょう。如何なさいますか?』

男の娘「じゃあ……。お姉ちゃんが帰ってくる前に晩御飯準備してあげよっと!」


トントン……トントン……

狐『晩御飯は何を作るご予定ですか、マスター?』

男の娘「お姉ちゃんが好きな肉じゃがと、あとはオムライス作ろっかなぁって」

狐『お姉様の好物は肉じゃがなんですね。でも、何故オムライスも作るんですか?』

男の娘「昔ね、初めて僕がお姉ちゃんに作ったのがオムライスだったんだ。でも、まだ不慣れだったし、形も歪だったんだけど、お姉ちゃんが喜んで食べてくれたから、久々に作ってあげたいなぁと思ってさ」

狐『そうでしたか。お姉様も喜んでくれると思いますよ』


ガチャ……

姉「ただいまーっと。遅くなって悪い」

男の娘「お帰り、お姉ちゃん」

狐『お帰りなさいませ、お姉様』

姉「晩飯の準備やっててくれたのか。代わるか?」

男の娘「ううん。僕が今日はやるから、お姉ちゃんはゆっくりしてて」

姉「そうか?じゃ、お願いするな」


トントン……トントン……

男の娘「お姉ちゃんさ、僕の小さな頃に、パパやママに甘えたいなぁって思った事って、やっぱりあった?」

姉「親父やお袋にか?意外と男の娘は手間掛からない子だったし、逆にオレがベッタリだったみたいだからなぁ……」

男の娘「そっかぁ……。うちはそんな感じなんだっけ?」

姉「そうだな。でも、今の男の娘は親父とお袋に会えないせいか、甘えん坊みたいになってるかもな」クスッ

男の娘「それは……。まぁ、否定はちょっと出来ないけどさぁ……」


姉「でも、オレは親父やお袋にベッタリだったけど、男の娘はオレにやたらベッタリだったな」

男の娘「そうなの?」

姉「まぁ、男の娘が1歳とか2歳の頃だったはずだから、覚えてないだろうけど」

男の娘「うん、全然解らないなぁ」

姉「余りに親父やお袋よりも、オレにベッタリだったから、ミルク飲ませたり、オムツ替えやる時も稀にあったな。まぁ、とにかくお姉ちゃん子だったよ」


男の娘「それだと、いつも僕の面倒見るみたいで、嫌な時ってあった……?」

姉「んー……。別にオレは無かったなぁ。むしろ、嬉しかったけどな。男の娘がお姉ちゃんお姉ちゃん言って、甘えてくるのは嬉しかったかな」

男の娘「ふーん……」

姉「ほら、喋りながらだと危ないから、料理に集中しな?」

男の娘「う、うん、そうだね。もうちょっと待ってね」


……

男の娘「お待たせー。出来たよー」

姉「おーっす。肉じゃがとオムライスか」

男の娘「うん。お姉ちゃん、肉じゃが好きでしょ?あと、オムライスは昔お姉ちゃんに初めて作ったの思い出したら、また作りたくなってさ」

姉「そっか。確かに初めて作ったの、オムライスだったな。形悪かったけど、美味かったのはよく覚えてるわ」

男の娘「何かお姉ちゃんに言われると照れくさいなぁ……///」


姉「とりあえず、食べようか」

男の娘「そうだね。じゃあ……」

姉・男娘「「頂きます」」

パクッ……

男の娘「どう?久々に作ったけど、美味しいかな?」

姉「あぁ。美味しいよ。最近、男の娘はお菓子作ったりしてるから、だいぶ腕上がったんじゃないか?見た目も良いしな」

男の娘「そっか、良かったぁ……」ニコ


姉「肉じゃがも美味いな」

男の娘「ありがとう、お姉ちゃん」

姉「男の娘も早く食べればいいぞ」

男の娘「うん!ねぇ、お姉ちゃん……」



男の娘「いつもありがとね!」ニコッ


姉「別に感謝される覚えは無いけど……。こっちこそ、ありがとな」

男の娘「ううん。じゃ、僕も食べよっと!」

姉「てか、そのオムライスどんだけデカいんだよ?」

男の娘「えっ、ご飯は茶碗三杯分だよ」

姉「いつもの事ながら、よく食べるよな」クスッ

男の娘「成長期だからね」ニコッ


ピーピー……ピーピー……

狐『はい。こちらSSS-U12Xi、狐です』

研究員『狐くんかー。男の娘くんは?』

狐『申し訳ありませんが、今はお姉様とお食事中ですね』

研究員『そっか。まぁ、今日あの後にスピード型オーバードライブとパワー型使ったのを確認したから、連絡してみたんだよ』

狐『そうでしたか。わたくしとしては、マスターは今日初めてと思えないくらい、上手く使っていました。わたくしも全く補助しなかった訳ではないですが、あれほどすぐ使いこなす方は珍しいのでは?』

研究員『だねぇ。いくら魔法少女が適正を測って選んでも、SSSを上手く使いこなしていけるかは、結局一個人によるからねぇ』


狐『マスターはこれから更にSSSを使いこなしていくでしょうね』

研究員『だとしてもだ。君がしっかり男の娘くんを、サポートしなければいけないのには変わりない。そこは君が充分解っているんだろう?』

狐『勿論です、研究員様。マスターと共にするのが、SSSの務めですから』

研究員『そうそう。特に、君と男の娘くんは相性もかなり良いしねぇ。局のみんな期待してるんだから』

狐『期待に沿えるよう、マスターと頑張りますね』

研究員『頼むねー。あっ、そうだ。男の娘くんのSSS装備から、面白い物を見つけたんだ。あとで、君宛に送信しておくから、渡しておいてくれるかな?』

……


……

男の娘の部屋

男の娘「はぁー……。お風呂気持ち良かったぁ……」

狐『お帰りなさいませ、マスター。先程、研究員様から『贈り物』が届きましたよ』

男の娘「ん?何?」

狐『こちらです。端の方に小さめの穴を開けておいたので、好きに使うと良いのではとの事です』

男の娘「これ……?何か鱗みたいだね……?ちょっと大きいのと、小さいサイズがあるけど……」

狐『研究員様曰く、SSSの装備に紛れてくっついていたみたいです。恐らく、あの子たちの鱗かと』


男の娘「半獣ちゃんと、獣人くんの鱗って事?」

狐『恐らくは。大きめの物が獣人弟様、小さめの物が半獣姉様の鱗に似ています。遊んだり、膝枕している間に、たまたま装備についたのかと』

男の娘「へぇ……。なんかこうやって単体で見ると、こんなに綺麗なんだねぇ!」

狐『竜の鱗は希少な物とされていますし、半獣姉様、獣人弟様からマスターへ、偶然のお礼かもしれませんね』

男の娘「そっかぁ……。半獣ちゃん……、獣人くん……、ありがとう。大事にするね」

狐『良かったですね、マスター』

……


……

男の娘「……Zzz」スースー

狐『マスターも遊び疲れていたんでしょう。今日はすぐ寝てしまわれましたね。では、人体情報取得維持でスリープモード設定。緊急時を省き、明日7:00に再起動します。では、おやすみなさい、マスタ…………』






狐『あ』






狐『わたくしとした事が、マスターにキメポーズを取って頂くのを忘れていましたねぇ』





狐『では、仕方ありませんね』






狐『魔法少女、任務完了です☆』☆






狐『…………』☆






狐『……キメポーズはわたくしには荷が重いようです。では、マスター、おやすみなさい』シューン……

……


……

ある日

男の娘「みんなー!お待たせー!」

女友「おはようございます、男の娘さん」

男友「おっす。今日は男の娘がビリか」

幼馴染「おはよ。そんな走ってこなくて大丈夫だよ?」

男の娘「だって、待たせちゃ悪いなぁと思ってさ」


幼馴染「大丈夫だって。まだ、待ち合わせ時間になってないし、何より男の娘が一番になられたら、映画館とはいえどうなるか解らないし」

男友「だな」

女友「映画映らないとかは困りますね」

男の娘「みんな酷いなぁ……」

幼馴染「ま、今日は男の娘が最後だから、安心して映画見られるわね」


女友「とりあえず、冗談はここまでにして、チケットを買いに行きましょう?」

男友「だな。ほら、男の娘、幼っち、行こうぜ」

男の娘「そうだね。あと、ポップコーンとコーラも買わないと」

幼馴染「男の娘ったら、すぐ食べ物に行くんだから……。あれ?」

男の娘「ん?幼馴染ちゃん、どうしたの?」


幼馴染「いや、男の娘って普段アクセサリーつけてないのに、今つけてるなぁと思ってさ。綺麗なネックレスだね、それ。お手製?」

男の娘「あぁ、これね。飾りは貰い物だけど、チェーンはお店で買って作ったんだ」

幼馴染「貰い物ねぇ。私という存在がいながら、男の娘は他の子に貢がせるような子になっちゃったのね……」

男の娘「そ、そんなんじゃないから!もう、幼馴染ちゃんったら!///」

幼馴染「冗談よ。でも、なんか気になるなぁ……。誰から貰ったの?」




男の娘「いつかまた会える妹と弟からの大切な『贈り物』だよ……。なんてね?」



幼馴染「よく解らなかったけど……。言うようになったわねぇ、男の娘ったらぁ……!」コチョコチョ

男の娘「あぁ!幼馴染ちゃん!くすぐったいぃ!」

幼馴染「ふふふぅ……。幼お姉さんをからかったからなのだー!」コチョコチョ

男の娘「いやぁ……!そこダメ!ホントダメぇ!」


男友「まぁた、夫婦漫才始まったな」

女友「ですね。ほら、幼馴染さん、男の娘くんを離してあげて下さい。チケットがいつまで経っても買えませんよ?」

幼馴染「はーい、それもそうだね。さっ、男の娘行くよ!」

男の娘「ま、待ってよ、幼馴染ちゃーん」ハァハァ


狐『なかなか楽しそうですね、マスター』

男の娘「くすぐったかったから、それどころじゃなかったよ……」

狐『それもそうですね。それはそうと、マスター』

男の娘「何、狐ちゃん?」

狐『そちらのアクセサリー、マスターによく似合っていますよ』


男の娘「うん。ありがとう、狐ちゃん。そう言ってくれると嬉しいよ」

狐『いえいえ。わたくしはあくまで素直な感想を述べたまでですよ?』

男の娘「とても魅力的な二人のと比べると、僕のお土産はちっぽけだろうけど、喜んでくれてたら良いなぁ……」

狐『大丈夫ですよ。お二方も必ずマスターの『贈り物』を喜んでいますよ』

男の娘「だと良いな。じゃ、みんな待たせちゃ悪いから、そろそろ行かないとね、狐ちゃん?」

狐『はい。では、行きましょう、マスター』



タタタ……



男の娘「みんな、ごめんね、お待たせ!」ニコッ



終わり

時間が出来たので一気に本編終わりまで投下させて頂きました
まだちょっとおまけのようなのも投下したいので、また後程投下します


ガチャ……

獣人弟「ちーさま、ただいまぁー!」

半獣姉「父様、ただいまー!」

竜父「あぁ、お帰り、二人とも」

秘書「あなた、遅くなってすみません」

竜父「お帰り。いやいや、お前も大変だっただろう?」


竜父「今回の視察はどうだったんだ?良い所だったかい?」

秘書「えぇ。地球は良い所だったわ」

竜父「そうか。ただ、今回は急だったとはいえ、二人を頼んでしまってすまなかったな。大丈夫だったかい?」

秘書「見ての通り大丈夫だった……と言いたい所だけど、獣人にやられたわ……。まさか、目を離した隙に、隣の隣の隣町まで行っちゃったんですから……」

獣人弟「でも、楽しかったよ、ちーさま!」

半獣姉「楽しかったかもしれないけど、獣人くんは少し反省しなさい」


竜父「そうか。でも、何とも無かったなら、それで良かったよ」

秘書「防衛局の魔法少女さんが二人を保護してくれたんですよ」

獣人弟「でねー、ちーさま!魔法のにーちゃが遊んでくれたんだー!」

半獣姉「そうなの!魔法少女のお兄ちゃんが、優しかったの!」

竜父「魔法少女か。地球には全宇宙防衛局所属の魔法少女がいたんだったか。ただ……」



竜父「少女なのに、兄ってどういう事だ……?」


秘書「魔法少女の方が若い男性だっだんですよ。話を聞いたら、適性が良くて魔法少女に選ばれたらしいですよ」

竜父「それだと、魔法少年じゃないのか……?」

半獣姉「魔法少女のお兄ちゃんは、見た目も女の子みたいで、すっごく可愛かったんだよ!」

竜父「見た目の問題でも無い気がするが……。まぁ、良い……のか?」

獣人弟「また、魔法のにーちゃと遊びたいなー」


竜父「それはそうと、半獣が持ってる物はなんだい?」

半獣姉「これね、魔法少女のお兄ちゃんが私たちにお土産くれたの!」

秘書「中身は聞いてなかったので、何が入ってるか解らないんですよ。半獣、開けてみたら?」

半獣姉「はーい」パカッ

獣人弟「んー?何これー?」キョトン


秘書「これは……。多分、地球のお菓子かしらね。色々な物を入れて頂いたのねぇ」

半獣姉「ねー、母様。これ食べても良い?」

獣人弟「はーさま、食べたいー!」

秘書「そうね。折角だから、頂きましょうか?」

獣姉・獣弟「「やったー!」」


ポリポリ……ムシャムシャ……

獣人弟「おいしー!」

半獣姉「うん!すっごく美味しい!」

秘書「良かったわね、二人とも。魔法少女さんにきちんと感謝して食べなさいね?」

獣姉・獣弟「「うん!」」


竜父「確かに美味いなぁ。癖になりそうだ」

秘書「本当ですねぇ。もし、また地球に行く時があれば、買ってきたいですね」

竜父「じゃあ、お前が魔王様に頼んで、また地球に視察へ行かないとな」

秘書「それも悪くないかもしれませんね」フフッ

半獣姉「また行くなら、私も行きたい!またお兄ちゃんに会いたい!」

獣人弟「僕もー!」


秘書「そうね。きちんと私の言う事を聞いて、魔王様からお許しを頂けたら、行けるかもしれませんね」

獣人弟「良い子するー!」

半獣姉「うん!私も良い子にする!」

竜父「はははっ。お菓子もだが、地球の魔法少女の事もすっかり気に入ったみたいだな」

秘書「ふふっ。そうみたいですね」

……


……

半獣姉「……Zzz」オニーチャーン……

獣人弟「……Zzz」ニーチャ……



竜父「いつに無く、ぐっすり眠っているね」

秘書「はい。二人とも沢山遊んで貰って、疲れていたんでしょうね」



キー……ガチャン……


秘書「軍の方々に呼ばれたみたいでしたが、何かあったんですか?」

竜父「いや、何も無かったよ。ただ、人員がたまたま少なかったみたいで、雑務を手伝ってきただけだったよ」

秘書「そうでしたか」

竜父「あとは、そろそろ長期休暇も終わるからと、職場復帰の練習みたいなのも混みで、呼んでくれたみたいだったよ」

秘書「そうでしたね。あなた、子供の世話は大変だったでしょうけど、お疲れ様です」

竜父「いやいや。私がやると言った事だし、気にする必要は無いよ。それに、お前は魔王様の大切な部下だからね。長い間、魔王様の右腕が空席なのは良くないしな」


秘書「あなたは大袈裟ですねぇ。それなら、あなたも軍で指折りの優秀な軍人なのですから、長い空席は宜しくないと思いますよ?」

竜父「平和で私がいなくても困らないなら、ある意味では本望だよ。それに、私の部下たちは優秀だし、心配する事も無い」

秘書「まぁ、平和な世の中が一番ですからね。それも、そうですか」

竜父「願わくば、あの子たちが大きくなっても、こんな世の中であってほしいものだな」

秘書「その為に、これからも二人それぞれ頑張りましょ、あなた」

竜父「そうだな」


秘書「ふぁぁ……。流石に私も疲れてるのかしら。ちょっと眠くなってきたわ」

竜父「いくら良い世界とはいえ、慣れない土地だったから疲れても仕方ない。そろそろ寝るといいよ」

秘書「そうしたい所ですが……。あなた、久々にアレして下さい」

竜父「アレかい?まぁ、二人も寝てるし……、良いよ」

秘書「じゃあ……。準備してきますね」

……


……



竜父「どうだい?」



秘書「気持ちいいわぁ……」



竜父「毛布は引いてるけど、鱗は痛くないかい?」



秘書「はいぃ……」



竜父「じゃあ、こっち側は終わったらから、次は逆の耳にしてくれるかい?」


秘書「はい。じゃあ、こっちもお願いしますね、あなた」コロン

竜父「解ったよ。にしても、お前は耳かきされるのが好きだね」

秘書「あなたがしてくれるからですよ」

竜父「ま、私もお前に耳かきしてあげるのは嫌じゃないしね」

秘書「ふふっ、ありがとうございます」


竜父「でも、まさかお前と結婚して耳かきしてあげてるのは、付き合う前は想像出来なかったよ」

秘書「そうですか?」

竜父「そうさ。お前はこうやって甘えるような感じに見えなかったしなぁ」

秘書「それを言うなら、私もあなたがこうやって優しくしてくれるようには最初見えなかったですよ?」

竜父「竜で見た目が厳ついから仕方ないが、女性に優しくするのは当然じゃないか」


秘書「あなたは見た目に似合わずフェミニストですからねぇ。お城の女性魔族からあなたは人気あるんですよ?」

竜父「そうなのか?あまりそんな風には感じなかったがなぁ……」

秘書「女性は内緒話が好きですからね。あなたが知らなくても仕方ないです」

竜父「でも、念のために言うが、こんな風に耳かきしたりするのはお前だけだぞ」

秘書「勿論です。私だけの特権ですからね」


竜父「さっ、こっちも終わったぞ」

秘書「ありがとう、あなた。でも……」

竜父「ん?どうした?」



秘書「もう少しだけ、膝枕して下さい」

竜父「あぁ、良いよ」ナデナデ


秘書「ふぅ……。幸せです……」

竜父「それなら良かった」

秘書「このまま眠っちゃってもいいですか……?」

竜父「仕方ないな……。眠っちゃっても私がベッドまで運んであげるから良いよ」

秘書「ありがとう、あなた」

……


秘書「……Zzz」スースー

竜父「眠ったか……。じゃあ、ベッドに行こうか」ヨイショ



秘書「……Zzz」スースー



竜父「……おやすみ。明日も頑張れよ」チュ

秘書「……Zzz」スースー



これにて終わりです
本編はとにかく自分なりに魔法少女らしくを狙って書いてみましたが、結局全力ダッシュして、岩投げたくらいで大して魔法少女してないかもです

ちなみに、おまけは男の娘の贈り物の中身の正体と、獣姉弟夫婦のイチャイチャを書きたかっただけです
妻に耳かきしてあげるの楽しいですw


ガチバトルするような感じじゃないし、いいんじゃないかな

>>140
ありがとうございます
こんなん書いてますが、なのはさんとかの派手にドンパチするシーン好きです
ネタを思いついたら、きっとまたまた緩い感じですが、書きたいなぁと

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