アスナ「どうして…ちゃんと勉強してくれないの?」僕「ごめん…」 (42)

アスナ「ごめんじゃないでしょ…?ちゃんと勉強してればもっと良い点数取れてた筈だよ?」

僕「ごめん。一生懸命頑張ったんだけど…」

アスナ「あー、そうやってお母さんに言い訳ばかりするんだ?そんな事ばかり言うなら今日はご飯抜き!反省しなさい!」

今日もお母さんに叱られた。
僕は優秀なお父さんやお母さんと違って勉強が上手にできない。
なので成績はクラスの中でも中の下。至って平凡だ。
本当にお母さんは厳しい…でも少しでも良い点とって認めて貰わなきゃ。
だから頑張らなきゃね

僕「ねえお父さん…」

キリト「ん?どうした?またお母さんに叱られたのか…?」

僕「うん…」

お父さんはいつも仕事で帰りが遅い。それでも悩んでる僕を慰めてくれる。
そんなお父さんが大好きだ。

僕「お母さんって勉強ができない僕のこと、嫌いなのかな…?」

キリト「いいや?そんなことは無いよ。俺もお母さんもお前の事が大好きなんだぞ?」

僕「うん…僕ね。勉強がんばってるの…でもなんでだろうね…良い点数が取れなくて…」

キリト「あはは、俺もお前くらいの頃はさ、好きな事ばかりやっちゃっててな。成績はあまり良い方じゃなかったよ」

僕「でも、お父さんもお母さんももすごく頭良くて…かっこいいな…僕ばかりが頭悪くて…ごめんね。」

キリト「少しずつ頑張れば良いんだよ。頑張ってる姿、きっとお母さんだって見てくれるさ」

僕「本当?」

キリト「ああ、本当だとも…お母さんはな。お前に期待してるんだよ。きっと将来後悔してほしくないから…だからお前に頑張って欲しい。そう願ってるんだ」

僕「そっか・・・僕頑張るよ!家庭教師の先生の言う事も聞く!だから…僕の事嫌いにならないでね?」

キリト「馬鹿、当然だろう。お前は俺とお母さんの大事な子供なんだから」

ワシワシとやさしく頭を撫でてくれるお父さん。
僕はそんな優しいお父さんに甘えるのが大好きだ

そう。お母さんに喜んで欲しい。だから僕も頑張らなきゃ。

でも…

アスナ「本当にちゃんと頑張ってるの…?私ね…担任の先生に成績の事色々言われちゃったの。お母さん悲しいよ…?」

僕「ごめん…お母さん」

アスナ「もう…どうして謝ってばかりなの…?ちゃんと真面目に勉強すればもっともっと成績良くなるのよ貴方は!」

お母さんに睨み付けられ怖くて思わずその場で立ち尽くす事しかできなかった。

僕「でもね、お母さん!今日、お父さんとお母さんに喜んでほしくて、図工の授業でお父さんとお母さんの似顔絵描いたの!だから」

アスナ「今はそんな事どうだっていいの!お母さんの言うことを聞いてよ…!」

渡そうとした似顔絵…怒ったお母さんに弾かれ地面に落ちちゃった…

僕ってやっぱりお母さんに嫌われてるのかな…
すごく厳しくて…怖くて…でも僕が頑張ればきっと優しいお母さんになってくれる。
そう思っていた…だけど…僕じゃだめなのかな…お母さんを喜ばせる事ができなくて…
頼りなくて…涙が止まらなくなってきた

僕「頑張っても…旨くいかないの…お母さんやお父さんに喜んでほしいのに…僕…グス」

アスナ「だったらもっと頑張ろうよ!お母さんはね…」

僕「僕…お父さんやお母さんみたいに頭よくなくて…本当はお父さんとお母さんの子じゃないんじゃ」

パシン!

痛かった。一瞬意識がとんでぼーっとした

お母さんに打たれちゃった。
僕がいけないんだ…勉強できなくて、とろくて…いつもお父さんやお母さん困らせて…
僕なんか生まれてこなければ良かったんだ…本当にそう思った。

お母さんは僕を打った後その日、口を利いてくれなくなった。
本当に見捨てられたんだな。そう思ったんだ。

僕は黙って家を飛び出した。

僕なんて居なくなれば良いんだ。そう思った

行く場所もなく、ただ唖然と方針状態のまま、僕は外を歩いていた。
ぼーっと歩いているとコンビニにたどり着いた。

ぐー

僕「お腹がすいた…」

財布の中をがさごそ…

僕「400円しかないや…」

コンビ二で食べ物を買っちゃったらそれだけでお金がなくなっちゃう…
取り合えず駐車場で少しだけお座りして休もう。

僕はコンビ二の駐車場の端っこで座って休む事にした。

ぐ~

僕「お腹すいた」

書き溜めてあります。
なので割りとすぐ終わるかも

家に帰ってもお母さんはきっと怒ってるだろうし、お父さんも帰りは遅い。ご飯食べれないだろうし…

僕「うー…」

???「坊主、どうしたんや?」

いがぐりみたいな髪型のおじさんに話しかけられた。服装を見たらどうやらここのコンビ二の店員みたい

僕「え?あ…その…散歩しててその…疲れたら休憩してたの…」

???「ほー?泣きべそかいてなんや?家出でもしたんか?」

からかうように僕を見下ろすいがぐり。

僕「そんなんじゃないもん…僕…僕はただ…」

???「ただなんや?」

僕「グス…ヒグ」

何も言い返せずただ涙があふれてきた

???「ったくしょうがない坊主やな。ちょっとまっとけ」

いがぐり頭の店員さんはいったん店に戻って行った。

と思ったら直ぐにもどってきた

???「ほれ、食え」

目の前に渡されたパンとジュース

僕「え…?これを僕に?」

???「そや。お前を見てるとな、昔のワイを思い出すんや。家族や友達、誰からも相手にされなくてな、家出したり引きこもってネットゲームしたりな」

僕「ねっとげーむ…?」

たしかお母さんの部屋に張ってあった写真…若いお父さんとお母さんが剣士みたいな格好で写真に写ってた…そのことかな?少し聞いたこともあるけどよくわかんないや

???「坊主にゃ難しすぎるかもな。ただな、世間がどんなに厳しくても、人間死に物狂いであがけば人並みに生活してけるもんや」

僕「いがぐりのおじさんも人並みに生活してるの?」

キバオウ「いがぐりやない。ワイはキバオウや!こう見えても結婚しとるんやで?しかもこの店のオーナーや!」

びしっとポーズを決め、僕に笑顔で迫ってくるいがぐ…ううんキバオウのおじさん

キバオウ「今は親に甘えておけばええんや、親に叱られることなんてそりゃ山ほどある。でもな、大好きな人間ほど気にかけてもらえるもんや!お前だってきっと親に愛されてるんとちゃうか?」

僕「お母さんは僕が勉強できないせいですごく怖いの…お父さんはね、帰りが遅いけどちゃんとお母さんや僕を大事にしてくれてる」

キバオウ「そか。なんや、お前は自分の幸せに気づいてないだけやな。子供は深く考えず怒られようと前にすすまなかあかん。お前が前に進むすがたを親が見れば、自然と親も安心するもんやで?」

よくわからないけどキバオウのおじさんが格好良い事いってる…

キバオウ「坊主、もし良かったら家まで送ったるで?」

僕「ううん!自分で歩いてかえる!家に帰ってお母さんとお父さんにもう一回謝るよ!パンとジュースありがとう!」

僕はおじさんに頭を下げると自分の家まで走って帰る事にした

でも…

道に迷っちゃった

僕「あれ…真っ暗だ…」

気づけばもう夜。自分が歩いてる道も忘れちゃって…どうしよう。

夜の建物の明かりがたくさん光ってて。昼間と世界が違ってるように見えて…

自分がどこにいるかもわからなかった

僕「早く帰らないと…お母さん心配しちゃうよね…」

     アスナ「どうしてちゃんとお母さんの言うこと聞いてくれないの!!!」

お母さんのその一言が僕の胸にぐさりと刺さった

僕「きっと今でも怒ってるよね…だから帰って謝らなきゃ。勉強もっともっと頑張るから…だから…」

僕「うわっ!?」

夜道で足元を見失って土手道から落ちちゃった。

僕「いたた…」

手足を擦りむいてどろだらけ…血も沢山でちゃった。

僕「早く家まで帰らなきゃ…お母さん心配しちゃう…」

林の中を嗅ぎ分けて歩くけど…進めば進むほど真っ暗…お家に帰れるのかな…

キバオウのおじさんからもらったパンを食べただけで、動きまわったらまたお腹がすいてきちゃった

僕「お母さん…お父さん…ごめんね…僕が生まれつき頭が悪いせいで…いつも悲しい思いをさせちゃって…」

その場で涙が止まらなかった…僕はなにしてるんだろう…

こんな何もない林で…勝手に家出して勝手に泣いて…きっとお母さんも呆れて僕の事なんて嫌いになってるよ…

それならいっそ…いなくなったほうが…

ワオーン!

動物の無く声が聞こえてきた…

僕…食べられちゃうのかな…でも自業自得だよね…お母さんやお父さんに迷惑かけたんだから…

体力が無くなって意識が遠くなってきた

どんどん動物の声が近くなってきてる…

僕「僕なんて食べても…美味しくないんだから…」

もう立てないよ…その場にへたり込んだその時

警官「僕、だいじょうぶかい!?」

駆け寄ってきたおまわりさんと犬

怖い動物じゃなくて立派でかっこいい犬さんだった

僕を見たとたん犬は吼えなくなりその場に座った

警官「林で迷った子供の身柄を確保!これから戻ります!」

とおまわりさんは通信機でだれかと話していた。

警官「よかった。もう大丈夫だからね?」

僕は助かった嬉しさと安心感で体の力が一気に抜けてしまった。

そしておまわりさんに連れられ、僕は自分の家に戻る事となった。

でも正直怖かった。これだけ迷惑をかけたんだ
きっともうお母さんもお父さんも…僕を完全に見放すだろう。
そう思った。

でも

アスナ「ひぐ…ぐす…よかった…本当によかった…ごめんね…私が全部悪かったの…もう絶対離さないから…!」

気づけば痛いくらい強い力でお母さんに抱きしめられていた

僕「ぐす…勉強…頑張るから…僕の事嫌いにならないで…」

アスナ「ううん、いいの…そんな事はもうどうでも…貴方はお父さんとお母さんの宝物だよ…なのに私…本当にごめんね…!」

子供みたいに大声で泣いて…こんなお母さんを見たのは初めてだった…僕を想ってくれて泣いてくれてる。
そんなお母さんの前で僕も大声で泣いた。

アスナ「お母さんね、ただ貴方に強くなって欲しかっただけなの…それなのに沢山追い詰めちゃったね…」

僕「ううん…僕も…お母さんとお父さんの事が大好きだよ…だから…僕もっと強くなる」

アスナ「私たちだって大好きよ…この似顔絵…もう一番の宝物にするからね…!」

僕が書いた似顔絵…お母さんに見せられた途端さらに大声で泣いてしまった…

お父さんも良かった…と涙を流していた…

ごめんね。お父さん、お母さん。僕…もっと強くならなきゃ…


そして時は流れ

ALOにて

アスナ「ほらほら、もっと強くならないとお父さんとお母さんに追いつけないわよ~?」

俺「ったく、いい歳してネトゲーでイチャイチャしてんじゃねーよっ」

キリト「なんだ?母親と父親にやきもちかっ?」

俺「んなわきゃねーだろ。自分の子供の前でそんな恥しいことするなっての。二人きりの時にしろって」

ったく、高校生の子持ちの親がしてネトゲーでイチャイチャして…見てるこっちの身にもなれっての…

俺「親父はプレイする専門じゃなくて開発する専門だろ?良いのかよこんな所でのんびりしちまって」

キリト「ああ、俺はお母さんと二人でいちゃくためにこの場にいるからな」

母親に膝枕されながら余裕そうに答える親父

俺「まあ程々にな…俺はテスト勉強があるからそろそろログアウトするよ」

アスナ「もう、ネトゲーでも家族団欒したっていいじゃないの?もう少しいようよ?それともあんたも膝枕する?」

俺「やだよみっともない」

ったく。教育熱心になるかと思いきやそうでなくなったり。わかんねーな、親ってさ

アスナ「ねえ、今度あんたの彼女も一緒に連れてきなさいよ!母さんあんたの彼女見て見たいわ」

誰が連れてくるかよ!!

親は相変わらずこんなだけど。

まあこれはこれでいいかなって思った。

過疎が進んで人もだいぶ少ないが母さんや父さんはALOを楽しんでる。子供みたいに…

そして実子である俺もつき合わされてるわけだが、最近は父親と母親の知り合いであるシノンさん(おばさん)に進められてFPSをやろうかと悩んでる。

婚活が旨くいってないらしく君を打ち抜くぞ?とかからかわれてるのでいまいち乗り気がしない…

俺をやたらと口説くシノンおばさんだが実際すごく綺麗で可愛らしい。

母さんによく釘を刺されてるらしいが…

無論俺も交際してる女性がいるのでそれはパスだ…

こんな感じで…桐ヶ谷家はあわただしくも平和です

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