【艦これ】提督「――夏休みを、与える!」 (104)


提督「……ふう、ようやく書類が一段落した」

金剛「Oh、お疲れサマですヨー提督」

提督「お前の方は」

金剛「あとこれだけデース」

提督「そうか。……しかし、最近この鎮守府も落ち着いてきたな。
   お前を事務方に据えても問題なく仕事が回るとは」

金剛「テートクー!?それどういうイミですカー!?」

提督「はは、冗談だ。人員も充実し、お前たち一人ひとりの練度向上ぶりもめざましい。
   それに何より、この近海における深海棲艦の襲撃もかなり減ったことだしな」

金剛「最近はアフタヌーンティーを基地で楽しめてますからネー」

提督「これならば、もうまもなく発令される大規模作戦に対してもかなりの者を送れるだろう」

金剛「Yeah、一ヶ月後に行われるアレですネー。もちろん準備バンタンですヨー!
   みんなはりきって準備してるネ、提督。いいとこ魅せるから、楽しみにしててヨー!」

提督「……。ふむ、そうだな。おい金剛」

金剛「イエッサー?」



提督「お前、夏休みはほしくないか」



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金剛「夏休み? ……Summer Vacation!?ワオ!!ぜひプリーズ、提督ー!」

提督「まぁ、先ほど言ったように大規模作戦前だ。与えるとしても人員をグループ分けして、
   それぞれの休暇をずらして配置し、3日から1週間……といったところだが」

金剛「Hmm。それでもそれだけあれば、ちょっとしたトラベルだってポッシブルねー!」

提督「はは、ずいぶんと乗り気じゃないか、金剛。
   トラベルはいいが、トラブルだけは間違っても起こしてくれるなよ」

金剛「オウイエーッス!!」

提督「そうか、お前がそこまで乗り気なら本格的に検討するとしようか。
   そうだな、仕事が終わったらほかの者達にも伝えておいてくれないか?
   グループ分けのほうも、お前たちの希望にできるだけ沿うようにしようじゃないか」

金剛「オッケーイ!じゃ、この書類を……こうやって、こうネー!」シュババッ

提督「おい!大事な書類だぞ、適当にやっつけるな!」

金剛「ダイジョブダイジョブー!じゃ、テートクそゆことデー!シーユー!」バタン

提督「全く……。……む、ちゃんと処理されてるな」



提督(……思えば奴らに長期休暇など、与えたことがなかったな)


提督(これが、大規模作戦前に俺がしてやれる精一杯だからな)

提督(来月は間違いなく過酷な作戦になる……。全員が無事で済む保証などない。
   いや、無事で済まないからこその『大規模』作戦なのだ。
   損耗を物量で押し切らねばならない地獄を、奴らは味わうことになる)

提督(……逆に、休暇を与えることで奴らに恨まれる覚悟も必要かもしれんな。
   "やさしく楽しい思い出"を抱えさせて死地へ送り出すなど……まさに鬼畜の所業だ)

チラッ

提督(……そういえば、俺も久しく実家に顔など出していなかったな)

提督(もうすぐ盆か……。たまには親と先祖に孝行しておかんといかんかな)



提督「……はてさて、どうしたものか」ボソッ


゚・:,。゚・:,。★゚・:,。゚・:,。☆゚・:,。゚・:,。★゚・:,。゚・:,。☆


金剛「……と、いうわけデース。みなさんオッケー?」

大井「……北上さん、一緒に休暇取りましょう。さあ取りましょう、それ取りましょう」フンス

北上「ちょ、鼻息荒いよ大井っちー!ストップストップ、わかったから!」

赤城「お休みですか……。加賀さんはいかがされます?」

加賀「……そうですね。一計はあります」

赤城「あら、どんなプランですか?」

那珂「おやすみかー!ふふっ、那珂ちゃんが日頃あたためていたあのプロジェクト、
   いよいよ始動する日が来たってことだね……!」キラーン

神通「ふふ……。那珂がこんなに楽しそうにしているの、久しぶりに見ますね」

長門「……休暇か。さて、どうしたものかな」

夕張「急に言われても……どうしたらいいかなぁ。何も希望とかないですよー」

弥生「……。お休み……ですか……」

卯月「司令官もなかなか粋だねっ!うーちゃん、嬉しいぴょん♪」



金剛「あ、お休みのグループ分け希望は明日まで聞きますからネー。
   決めた人からそこの黒板に名前を書いといてくだサーイ!!」

「「「「「りょうかーい」」」」」


―― 二日後


金剛「……というわけで、これがみんなの希望日程デース」パサッ

提督「預かろう。……ふむ、お前たち姉妹は揃っての休暇希望か」

金剛「ふふ。みんなでジャパニーズ・オンセーンに行くつもりなのデスよー!
   どうデスか?提督もご一緒しても私たちはぜんぜんオッケーですヨー?」

提督「魅力的なお誘いだが……今回はパスだ」

金剛「Why!?私たちより優先すべき約束があるとデモ!?」

提督「俺は今回、盆に合わせて帰省するつもりなんだ。
   今年は正月にも戻ってないからな。そろそろ顔を出さんとマズい」

金剛「……オウ。それなら残念ですが仕方ないネー。
   でも!次のお休みはゼッタイご一緒ですヨー!?提督、ユビキリね!」シュバッ

提督「はは、わかったわかった。次の機会は楽しみにしておく」ユビキリ

金剛「オウイエ!」ニパー

提督「……ふむ。これならばおおよそ皆の希望通りにいきそうだな。
   この日程で調整をかけておくから、みなにそう伝えておいてくれ」

金剛「イエッサ!……っと、それでは出撃の時間なので、失礼しますネー!」ビシッ

提督「ああ、いってこい」ビシッ



提督(……さて。誰に声をかけたものかな)

今日はここまで

そんなこんなで、艦娘たちの楽しい休日を思いつくだけ書いていくつもりです
出演予定艦娘は未定ですが、上で名前を出した子は今後確実に出します

ちょっとあやしげなアトモスフィアがありますが、欝も胸糞も18禁もありません
それでも読んでいただけたら、それはとっても嬉しいなって

前作
【艦これ】提督「――奴が、来る!」
【艦これ】提督「――奴が、来る!」 - SSまとめ速報
(ttp://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1401450374/)

58「それマジでち?」

>>8
マジでち

ゴーヤちゃん、一番手でお休みあげるね

唐突ですが
書き上がっちゃったので投下します



【 伊 5 8 の 休 日 】


58「ああ……また朝日が昇ってきてしまったでち……。
  今日もゴーヤのお仕事がはじまるんでち……」

58「今日の行き先は……聞かなくてもわかってるでち……どうせオリョールでしょ……」

58「今日も敵戦艦と空母をこっそり雷撃しながら、資材を集めるお仕事でち……」

58「ゴーヤはもうこんなお仕事イヤなんでち……休ませてほしいんでち……」

58「鎮守府とオリョールをピストン輸送し続ける毎日は……もう……もう……」

⌒丶、_ノ⌒丶、_ノ⌒丶、_ノ⌒丶、_ノ⌒丶、_ノ⌒丶、_ノ⌒丶、_ノ
             ○
           о
          。

58「……ンッハァァ!!??」ガバッ

19「んぅ~……?どしたのね、ゴーヤ……?」

58「お……おそろしい夢を見たでち……。すごく生々しくて……つらくて……。
   まるで……違う世界線のゴーヤが体験しているかのような……リアルな夢だったでち……」

19「……ゴーヤの言ってることがさっぱりなの。あふぅ……まだ夜明け前なのね」

58「わ……悪かったでち、イク」

19「どうせ、今日からのお休みでワクワクしすぎてただけなのね。
   さ、朝ごはんまでもう一眠りなの……グゥ」

58「……。なんか、寝るのが怖いでち……」


―― 朝


19「というわけで、おはようなのね!」

58「お、おはようでち……。結局あれから一睡もできなかったでち……」ゲッソリ

19「ゴーヤってばおかしなこと言うの!
   そんなんじゃ、今から待ってるハッピーホリデーを満喫できないのね!」

168「そうよ、しっかりしなきゃゴーヤ!ほら、朝ご飯食べにいきましょ!」

58「イクもイムヤも元気でちねー……。ふぁぁ~、眠たいでち」

19「イムヤ、電車は何時発だったっけ?」

168「最寄り駅をヒトマル時。ごはん食べたらすぐに外出手続きに行かなくっちゃね。
    イク、荷物はもうまとめてあるわよね?」

19「バッチリなのね!」

58「昨日の夜からやかましく言って、しっかりやらせた成果でち」

168「オッケー、それじゃあ迅速に行動しましょ!さっ、ごはんごはん!」

19「なのねー!」


58「ふぅ、まんぷくまんぷく」

168「ふふっ、なんだかんだ言ってしっかり食べたじゃない」

58「怖い夢は、いっぱい食べて忘れるに限るでち!」

19「そして、楽しい思い出で上書きするのが一番なのね!
   そういえばイク、鎮守府から離れて遠くへ遊びに行くのって初めてなの!」ワクワク

168「あ、そうだっけ?あたしは一度遊びに行ったことあるけどね。
    といっても、日帰りで隣の街までお買い物してきただけなんだけど」

58「ゴーヤも実は遠出、初めてなんでち。イムヤ、頼りにしてるでちよ」

168「んっ、このイムヤさんに任せときなさい!」ドン!

58「じゃ、各自荷物を取ってきたら、鎮守府入り口で落ち合うでち」

19「オッケーなの!」

168「了解っ!」


―― 鎮守府入口


門番「……はい、これで外出・外泊の手続きは完了です。
   最後にみなさんの艦装展開機能を凍結しますので、こちらに一列で並んでください」

168「これこれ。めんどくさいのよねー、こちとら潜水艦だってのに」

門番「我々人間が市街に武器を携行しちゃいけないのと同じですからね。我慢して下さい」

58「へー。艦娘が外出するときにはこんなことをするんでちね」

19「んっ……あんまりイクのヘンなところ触っちゃダメなのっ……」ウルウル

58「イク、色仕掛けしてもムダでちよ」

19「ちぇー、なの」

門番「……はい、これで完了です。今の皆さんは艦装の展開機能が使えないだけでなく、
   運動能力も外見相応まで下がってますからね。くれぐれも無茶はしないように!」

168「了解ッ!」

19「なの!」

58「でち!」

門番「それでは、よい休日を!」ビシッ


―― 電車内


ガタンゴトン… ガタンゴトン…

168「……はい!じゃあビデオカメラ回すわよイク」ガサゴソ

19「お、早くもなの?んふふ、ピースピース」ニコニコ

58「え、ビデオカメラ?イムヤ、いつの間にそんなもの買ったんでちか」

168「青葉にアドバイスしてもらって、通販でね!……はい、もう回ってるわよー」

19「いひひっ、かわいく撮ってねイムヤ!」

58「えへへ、ゴーヤもお願いでち!」

168「そうそう、それでこそ旅よ!風情よ!情緒よ!」

58「……そういえば、そろそろ教えてほしいでちイムヤ。
   今回の旅行はどこに行くんでちか?ずっとナイショにされてて気になってたでち」

168「はい、それではイクさんの方から発表をお願いします」

19「んふふ……ジャーンっ!」バッ

58「なんでちか?……あ、おやつでちか。いただくでち」


19「ゴーヤはキャラメル好きなの?」

58「甘いモノは大好物でち!」

19「そうなの~!それはよかったの~!」ニヤニヤ

58「……なんでちか?その生暖かい笑顔は」

168「ゴーヤ。今渡してもらったおやつの大事なところは、中身じゃないの」

58「へ?」

168「外箱が大事なのよ、外箱が」

58「外箱って……これでち?ただのサイコロキャラメルでちよ?」

19「それがゴーヤの今後の運命を決めるサイコロなのね!!」

58「はい?」

168「それではこちらをご覧ください」バッ

58「なんでち、このテレビ番組のフリップボードみたいなものh……なっ!?」


58「『伊号潜水艦 サイコロの旅』……!?なんでちか、このフリップタイトル!?」

19「そう!これからのイクたちの行き先は、ゴーヤの持ってるサイコロで決めるの!」

58「丸っきり某旅番組のパクリでちね!?」ガビーン

168「これがやってみたくてカメラまで買ったのよ!フンス

58「イムヤの憧れる対象がおかしいでち!」

19「まぁまぁそう言わず。あの番組と違って、サイコロは最初の1回だけなの。
   ここで決めた目的地で、しっかり2泊3日のバカンスをするのね!」

168「ただただ移動するだけじゃ疲れちゃうものね、それじゃ休暇にならないじゃない?」

58「う゛~……。ま、まぁそれなら……いいでちよ」

19「ゴーヤのオッケーが出たの!」

168「それじゃあ、改めてフリップどん!!」バッ

19「それでは①から発表していくの~!シールめくっていくのね!」


19「①!『鎮守府に戻ってのんびり引きこもり!』」ペリッ

58「いきなり"旅"の根幹を覆す暴挙でちね!?」

168「お金かからないしね。このまま買い出しツアーにして、部屋でのんびり。
   そういう休日も悪くないんじゃない?」

58「……でも、せっかくだからゴーヤは旅行がしたいでち」

19「それなら次なのね!②!『海は見飽きた!山間の温泉旅館に2泊3日』!」ペリッ

58「おっ、おおおっ!?これこれ、こういうのがいいんでちよ♪」

19「行き先はアリーマー温泉!実はちょうど金剛姉妹も行くらしいの!
   みんなで温泉に浸かって卓球して、マッサージチェアに座るのね!」

168「イクが考えたにしてはいいチョイスよね」

19「いひひ!惚れなおして見直すがいいの!」

58「こうなると俄然残りの選択肢が気になってくるでち!」


19「んっふ!それでは③!『遊園地へ行こう!リゾートホテルで2泊3日』!」ベリッ

58「ふぉぉぉ!?いい!それいいでちよイク!!」

19「東京デスティニーリゾートホテルに、鎮守府名義で予約してる枠があるらしいの!」

168「慰安用サービスにこんなところを選ぶなんて、軍もセンスあるわよね」

58「そんな選択肢もあるなんて……!ゴーヤ、艦娘に生まれてよかったでち!」

19「まだまだいくの!④、『海女さん体験ツアー!海の幸食べ放題のペンションで2泊3日』!」ペリッ

58「おお!?それもまた魅力でちね……」

168「漁だけじゃなくて、スキューバダイビングなんかも楽しめるらしいわ」

19「イクたち潜水艦娘にはぴったりのツアーなのね!」

58「そうでちね……。のんびりまったり海に潜るなんて、なかなかできないでちからね」

168「さて……ここから先の選択肢はちょっと遠出になるわよ」

19「ふっふっふ……見るのね!このステキツアーを!!」


19「⑤!『母なる北の大地へ!酪農グルメと北海グルメ食い倒れ2泊3日』!」ペリッ

58「な、なんと!?」

168「山の幸も海の幸も両方楽しむにはこれしかないわ!」

19「飛行機に乗ることになるけど……それでもここは抑えておくべきだと思ったのね!」

58「ゴーヤ、素敵な思い出のためなら飛行機くらいいくらでも乗るでち!」

19「そして最後の選択肢なの……!」

168「これはさすがのゴーヤも予測できないでしょうね……!」

58「な、なんでちか……!?そんなにすごい選択肢なんでちか……!?」

19「ふふ……刮目するの!!」ベリッ



19「⑥!『南国リゾート体験!オリョール海クルージングツアー2泊3日』!!!」



58「」


58「オリョー……る……ッ!?オリョール……おりょーる……」

19「ふふ、あまりのサプライズにゴーヤが言葉を失ってるのね!」

168「まさか海外旅行が選択肢にあるなんて思わなかったでしょ!」

58「……ッ!そ、そうでち!海外はまずいでちよ!」

19「どうしてなの?」

58「だ、だって、その……そ、そうだ!ゴーヤのパスポートは鎮守府預りでち!
   このまま行っても出入国管理局で門前払いにされるのがオチでち!!」

168「はい」ヒラッ

58「なんでイムヤがゴーヤのパスポート持ってるんでち!?」ガビーン

19「提督に二人でお願いしたら快く渡してくれたのね!」

58「クソ提督おぼえとけでち!!!帰ったら(ピー)に魚雷突っ込んでやるでち!!!」

168「ちょ、ちょっとゴーヤ!公衆の門前でなんてこと言うのよ!///」

19「さすがのイクもちょっと引くのね……」


58「と、とりあえず、その、ね?二人共ちょっと⑥は考えなおさないでちか?」アセアセ

168「なんで?いいじゃない南国リゾート!」

19「お仕事のときに横を通るだけで、ずっと気になってたスポットなの!」

58「……」ダラダラダラダラ

58(ダメでち……『今朝見た夢が怖かったから』なんて理由を口走ろうものなら、
   一笑に付されて終わっちゃいそうな雰囲気でち……)

58(それでも……ゴーヤのゴーストが囁くんでち……⑥だけはダメでち……!)

58「……」グッ

168「さ、ゴーヤ。サイコロを振ってちょうだい!しっかりその映像は撮っとくから!」

19「んっふっふ!さぁ、なにが出るなの♪なにが出るなの♪」

58(この脳天気娘たちめぇぇぇっ……!!)

58「な、なにが出ても知らないでちよ!?それぇぇぇっ!!!」


フワッ…


58(ああ……羅針盤の行方だって、これほど真剣に見つめたことはなかったでち……)


カタッ…


58(⑥だけは……オリョールだけはやめてくだち……オリョールはダメッ……)


コロコロコロ…


58(やめてッ……⑥だけは出ないでぇ……っ!!)


コロコロ…


58(オリョールはイヤオリョールはイヤオリョールはイヤオリョールはイヤオリョールはイヤ
   オリョールはイヤオリョールはイヤオリョールはイヤオリョールはイヤオリョールはイヤ
   オリョールはイヤオリョールはイヤオリョールはイヤオリョールはイヤオリョールはイヤ
   オリョールはイヤオリョールはイヤオリョールはイヤオリョールはイヤオリョールはイヤ)



コロン…


19「出た目は……④?海女さん体験ツアーなのね!!」

168「へぇ、一番無難なところ出たわね。でもよかった、①じゃなくって!」

19「そうなの!"敢えてハズレも入れる"方が絵的には面白いけど、やっぱり出たら
   それはそれでつまんないのね!ゴーヤ、ナイスサイコロだったの!」

58「」

19「……ゴーヤ?」

168「ちょ、ちょっとゴーヤ?どうしたのよ?」



58「」ブクブク…



19「し、死んでる……」

168「なわけないでしょ!?ちょっとゴーヤ!しっかりして!!」

58「オリョールはイヤ……オリョールはイヤ……」ブツブツ

今回はここまで
ね、鬱展開はないでしょう?

え、休暇の描写もなかったって?

次の休暇は弥生とうーちゃんのコンビにあげることにしました
なお、更に数人巻き添えになる模様

土日のどちらかに投下予定です

土日のどちらかに投下すると言ったな
すまん、ありゃ嘘だった

半分しかできてないので
21時頃から前編として投下します

それでは始めます



【 弥 生 の 休 日 ・ 前 編 】


弥生「……」ペラッ

卯月「おっはよー弥生っ!今日も元気ぴょーん?」

弥生「……おはよ、うーちゃん。うん……元気……」ペラッ

卯月「えへへぇ、今日も弥生の『うーちゃん』が聞けてしあわせだぴょん!」

弥生「……そう」ペラッ

卯月「ところで、何してるんだぴょん?」

弥生「……えっと……新聞の、広告……読んでた」

卯月「そっかぁー。面白い広告はあったぴょん?」

弥生「……特に、何も」ペラッ

卯月「そっかぁ!まぁ、新聞広告に期待しすぎちゃダメだねぇ!
   さ、うーちゃんたちのお休みもあと2日!今日ものんびりゴロゴロするんだぴょん!」

弥生「……。……あっ」ピクッ

卯月「どうしたぴょん?」

弥生「うーちゃん……これ」

卯月「え、なになに?……"納涼花火大会のお知らせ"?」


弥生「"夜店に盆踊り・20時からはカラオケ大会も行います"……だって……」

卯月「へーっ!こんなイベントが近くであるなんて知らなかったぴょん!
   うーん、うーちゃんのリサーチ能力もまだまだってとこかなっ。広告も侮れないぴょん!」

弥生「……」

卯月「弥生?」

弥生「行ってみたい……」フルフル

卯月(……!! ふ、普段は自分からわがままを言い出さない弥生がッ……!)

卯月「弥生っ!!」ガシッ

弥生「うっ。……ど、どうしたの、うーちゃん」

卯月「行こう!花火大会行こう!うーちゃんと一緒に!!」

弥生「……、い、いいの?……うーちゃん、さっきは、ゴロゴロしようって」

卯月「その予定は取りやめだぴょん!こんな心がぴょんぴょんするイベントをスルーしたら、
   後で絶対に悔いが残るぴょん!ぷっぷくぷぅ~!!」

弥生「……。……うーちゃん」



??「ねぇねぇ!ちょっと今、"カラオケ大会"って言った!?」


卯月「え、そうぴょん。盆踊りとカラオケ大会が……って、」

那珂「ホントにー!?やったー!!ね、会場はどこどこっ!?」

卯月「那珂ちゃん!」

弥生「……ここ……です」ペラッ

那珂「ありがと!電話番号は……これか!よーし、早速アポ取っちゃうよっ!!」ピポパ

卯月「那珂ちゃん……自分から仕事を取りに行くスタイルなんだぴょん……」

弥生「……カラオケ大会、は……ちょと、恥ずかしい、かな……」

卯月「あー……簡単に想像つくぴょん。大勢の人の前に立って、
   真っ赤になって声が出なくなっちゃう弥生……」

弥生「……」ポカッ

卯月「いたっ。あはは、ごめんごめんぴょん」

那珂「……オッケー!カラオケ大会、エントリーかんりょー!」

弥生「……那珂さん。その……がんばって、ください」

那珂「うん、那珂ちゃんがんばっちゃうよ!さーて、衣装はどうしよっかな!
   こないだつくったフリフリの奴もいいけど……盆踊りなら、やっぱ浴衣がマストかな~♪」

弥生「!!」

那珂「うん、たしかタンスにしまってあったよね!それじゃ、ありがとね~!」タタタッ


弥生「……」ソワソワ

卯月「弥生?どーしたぴょん」

弥生「うーちゃん……。うーちゃんは、その……浴衣って、持って、る?」

卯月「ふぇ、浴衣?ううん、持ってないし、そもそも着方も知らないぴょん」

弥生「……。……そう……」ショボン

卯月「ど、どしたの弥生!?うーちゃんわかるよ、弥生が表情を変えてないけど
   今すごく落ち込んでることくらいは!!」

弥生「……え、うん……だい、じょぶ……」ショボーン

卯月「その顔は大丈夫じゃないぴょん!!ほら、うーちゃんに言ってごらん!?」

弥生「……盆踊りって……浴衣、着なくちゃ……いけないの……?」

卯月「……ぴょん?」

弥生「浴衣……弥生も、持って、ない……から……」

卯月「……う、ううん?多分、普通のお洋服でも大丈b……ハッ!?」

弥生「……?」

卯月(これは、もしかして転がし方次第で……?)


卯月「うわっちゃあー!しまったぴょん!そういえば花火大会は浴衣着用が義務だったぴょん!
   いやーうっかりしてたわー、うーちゃん超うっかりしてたわー!!」

弥生「……。やっぱり……そうなん、だ……」ズーン

卯月「でも弥生!大丈夫だよ、うーちゃんに任せるぴょん!」ドン

弥生「……えっ」

卯月「まだ朝だよ、花火大会はほら、夕方からっ!今から浴衣を買いに行けば、
   余裕のよっちゃんで間に合うぴょん!!」

弥生「え、で、でも、お買い物、って……それに、着方だって……」アワアワ

卯月「大丈夫!うーちゃんたちのお給料、だいぶ貯まってたはずだぴょん!
   それに浴衣の着付けだったら、空母の誰かに訊けばいいんだぴょん!
   よし、そうと決まれば善は急げだぴょん!さっそく司令官にクルマを出させるぴょん!」

弥生「えっ……えっ……?」

卯月「ほら、弥生も来るぴょん!」ブンブン

弥生「……あ……う、うん……」


゚・:,。゚・:,。★゚・:,。゚・:,。☆゚・:,。゚・:,。★゚・:,。゚・:,。☆


―― 司令室

提督「……。話はわかった」

卯月「さっすが司令官!話せる男だぴょーん!」

提督「そして言っておこうか。俺は勤務中だ」

卯月「……ンッハァッ!?そ、そうだったぴょん!」

弥生「……司令官のお休みは……もうちょっと、後……ですね……」

提督「だもんで、俺がクルマを出すことはできんな。悪いが他を当たれ」

卯月「ぷっぷくぷぅ~……。ちなみに、司令官的には誰に頼めばいいと思うぴょん?」

提督「誰にって……そ、そうだな……?」


提督(駆逐艦の保護者といえば天龍は……ダメだな、あいつがクルマの免許持ってるわけがない。
   免許持ちといえば……霧島は持っていたか。……いや、あいつは今旅行中だったか。
   しかし、基地に残っていて、休暇中で、クルマの免許持ってる奴……?)


提督「……あ。いたな、あいつが」

卯月「思いついたぴょん!?」

提督「ああ、一人心当たりがあるが……どうにも気が進まないな」

弥生「……?」


陸奥「……で、私というわけ?」

提督「そうだ。頼めないか、陸奥」

陸奥「私は暇だったしちっとも構わないけど……。姉さんが知ったらなんて言うかしら」

提督「仕方ないだろう。あいつは何故か運転免許持ってないんだから」

陸奥「ていうか、今日は基地にもいないわね。いったいどこ行っちゃったのかしら」

卯月「む、陸奥さんにわざわざクルマを出してもらうなんてっ……!」

陸奥「なーにを畏まってるのよ。お姉さんにどーんとお任せなさい」

提督「おい卯月、俺に頼むときと比べて随分態度が違うようだが?」

卯月「なんのことぴょん?うーちゃんわっかんな~い♪」

弥生「……すいません、陸奥さん。よろしく……お願い、します……」

陸奥「ふふ、こちらこそ。さ、姉さんにバレないうちに出かけちゃいましょ」



長門「へっくしょ!! ……なんだ?誰か噂でもしてるのか?」ズビ

長門「あ、これのLあります?」


―― 街へ向かう道


ブロロロロ…

陸奥「ごめんねー、基地で貸してくれるクルマってこんな可愛くない奴ばっかりなのよね。
   一応、家族連れが乗っててもおかしくないような車種のワゴンを選んだつもりなんだけど」

弥生「いえ……そんなこと……」

卯月「うーん、でもたしかにごっついクルマばっかりだったぴょん。
   でもまぁ、シャコ高のジープとかよりはぜーんぜんマシだぴょん!」

陸奥「あはは、確かに!あんなゴツゴツしたクルマに美女が三人だなんて、
   さすがにミスマッチすぎて笑っちゃうわよね!」

弥生「……び、美女……?」

卯月「う、うーちゃん、『可愛い』って言われることはあるけど、『美女』は初めてだぴょん……!」

陸奥「あはは、あなたたちも何年か経てばすぐに綺麗になるわよ。お姉さんが保証するわ。
   それより、私自身を『美女』にカウントしたことに対するツッコミはまだかしら?」

卯月「……え、それボケだったぴょん……?」

弥生「陸奥さんは、普通に……美人さん、ですよ……?」

陸奥「あ、あら……あらあらあら?う、嬉しいこと言ってくれるわね……」


陸奥「この戦争が終わったらさー、自分のクルマを買いたいわね。
   今のあなたたちみたいな、ちっちゃくって可愛いやつ」

卯月「陸奥さん、それ死亡フラグってゆーんだぴょん」

陸奥「ははは、そうねぇ。でも、戦後への希望をもたないと戦争なんてやってられないじゃない。
   この休暇だって、そういう意図も籠められてるんじゃないかしら?私はそう思うわ」

弥生「戦後への……希望……?」

陸奥「そ。……今日行くお祭りだって、戦前と比べると全然小規模なイベントになっちゃったのよ。
   "開催しない"って選択肢だってあった。むしろそっちの方がラクだったでしょうね。
   それをみんなで頑張って、なんとか開催にこぎつけたの。……どうしてだか、わかる?」

卯月「……わかんないぴょん。それが、"戦後への希望"ぴょん?」

陸奥「そっか。ま、現地へ行けばきっとわかるわ。
   さ、もうすぐ百貨店に着くわよ。降りる準備しておきなさいね」

卯月「りょーかいぴょん!」

弥生「わかり、ました……」


―― 百貨店 呉服屋


弥生「……!!」

卯月「おおっ……!かわいい浴衣がいっぱいだぴょん!」

陸奥「すいません、ちょっと浴衣を見せてもらってもいいかしら?」

店員A「はいはいどうぞー。あら、かわいい子ねー。妹さんですか?」ニコニコ

陸奥「い、妹……?」

陸奥(私の姉妹艦は姉さんだけだけど……同じ"艦娘"の括りで言うなら)

陸奥「そうですね、そんなようなもの……かしら?」

弥生「……弥生、陸奥さんの、妹……なんですか?」

卯月「……陸奥おねーちゃん?」キャルッ

陸奥「ぅはぁっ!?///」


陸奥(な、なにこのときめき!?これが……"お姉さん"の気持ち!?)ドキドキ

卯月「おお?なんだかすごい反応だぴょん。ほら、弥生も呼んであげるぴょん」

弥生「……えっと、うん……陸奥、お姉さま……?」クリッ

陸奥「ッ~~!!///」バンバンバン

卯月「どうしたぴょん、陸奥おねーちゃん」

弥生「大丈夫……?陸奥お姉さま……」

陸奥「わかった!!わかったから、ちょっとやめて!!死んじゃう!私死んじゃうから!」ゼェハァ

陸奥(だ、ダメだ……私も姉さんを笑えないじゃない、これぇッ……!)

卯月「陸奥おねーちゃんもかわいいとこあるぴょん♪」

弥生「……? うん、よく、わからないけど……そう、なの……?」


陸奥「と、とにかく! まずは色柄から合わせてみましょ、二人とも!」

卯月「はいはーい。うーん、うーちゃんどれにしよっかなぁ?」

弥生「……弥生、こういうの選ぶの、初めてで……どうしたら、いいのか……」

陸奥「そうねぇ……。二人とも綺麗な髪してるから、それに合わせたいところではあるわね」

卯月「うーん、たとえば?」

陸奥「同系色で合わせてもいいし、逆に薄めの反対色にしてもいいわね。
   卯月ならたとえばこの白地にピンクの浴衣が同系色系、あそこの薄黄緑色が反対色系」

卯月「なるほどだぴょん!」

弥生「弥生の、反対色……って?」

陸奥「紫色の反対は黄色やオレンジね、あそこのクリーム色の生地のやつとか。
   ああ、でもこっちの藤色の浴衣もステキねぇ。ううーん……悩ましいわぁ」


陸奥「そういえば弥生、制服の紺色のイメージが強いわね。どうしてかしら」

弥生「あんまり、この服以外……着たこと、ないから……」

卯月「そうそう、弥生はお休みの日だって、いつもこればっかり着てるんだぴょん。
   うーちゃんの服ならいつでも貸してあげるよ、って言ってるのにー」

弥生「うーちゃんの服は……うーちゃんの、だから……」

陸奥「ふーむ……。でも今回の買い物はお洋服じゃなくて浴衣ですものね。
   冒険しすぎて気に入らなくて、結局一度しか着なかった、なんてもったいないし……」

卯月「でも、紺色の浴衣はちょっと渋すぎないぴょん?」

陸奥「そうなのよねぇ……弥生の年頃だと、ねぇ」

弥生「……だったら……これ、がいい、です」スッ

陸奥「白地に藤色?あら、ちっちゃな朝顔の柄がかわいいわね」

卯月「おお、これいいぴょん!涼しそうだしかわいいし、弥生の髪にも合ってるぴょん!」

弥生「そ、そう?……うーちゃん、ありが、と」


卯月「はいはいはい!じゃあうーちゃんはこれ!これがいいな!」ピョンピョン

陸奥「あら、さっきの薄黄緑色?柄とかついてないけど、いいの?地味じゃない?」

卯月「こっちの方が帯や髪で遊べるぴょん!うーちゃん、服より顔で勝負するタイプだしぃ~!」

陸奥「あらあら、小さいのにカッコいい哲学持ってるじゃないの」

弥生「……弥生、これ……うーちゃんに似合うと、思う」

卯月「……! えへへ、ありがとだぴょん!」ニコニコ

陸奥「そうね、じゃあ浴衣はこれで決まりにして、次は帯ね。えーと、どれどれ……」




長門「すいません、これお会計お願いします」ドサッ

店員B「はーい、ただいまー」


゚・:,。゚・:,。★゚・:,。゚・:,。☆゚・:,。゚・:,。★゚・:,。゚・:,。☆


陸奥「ふぅ、既成品だとお仕立ての時間がないからラクでいいわねー」

卯月「そうでないと今日着ていけないぴょん!」

弥生「……嬉しい」ギュ

陸奥「ふふ、基地に帰ったらさっそく着替えましょうか。……さて、まだ時間はあるわね。
   お昼ごはん、上のレストランで食べていかない?もちろんお姉さんのオ・ゴ・リ♪」

卯月「うっぴょん!!いいの!?いいの!?」

陸奥「もっちろ~ん。ついでにデザートも許す!」

卯月「やった~!陸奥おねえちゃん大好きぴょん!」

弥生「……ありがとう、陸奥お姉さま」

陸奥「くっ……!この胸に芽生える感情ッ……いいわッ……!」ボソッ

卯月「よーし、いっくよ~やよい~!ぴょんぴょ~んの、ぴょ~ん!」タタタ

弥生「あっ……待って、うーちゃん……」パタパタ


店員C「ご注文をおうかがいします」

卯月「えっとね、うーちゃんはハンバーグ定食!あと、デザートにプリン・ア・ラ・モード!」

弥生「……冷やしぶっかけうどん、海老天のセット、で」

陸奥「私は昼和食膳を」

店員C「かしこまりました。デザートは後ほどお持ちいたしますね、ごゆっくりどうぞ!」

陸奥「よかったの、弥生?デザート頼んでなかったけど」

弥生「……いい、んです。お祭りで、かき氷とか……食べる、から」

卯月「あ、そっかー!うーちゃんもりんごあめとか食べたいぴょん!」

弥生「……わたあめ、も」

卯月「お、いいねいいね!バクダンキャンデーとかもあるかなぁー?」



店員C「こちら一名様ですね、ご注文をおうかがいします」

「そうだな……昼和食膳、あとデザートにチョコパフェとアイスコーヒーを」

店員C「かしこまりましたー」


卯月「ん~、おいしいぴょん!鳳翔さんのとはまた違った味付けで……」

弥生「……。おいしい、です……」

陸奥「ふふ、たーんとおあがんなさいね……って、え?」


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陸奥「な、何!?この艦娘特有のキラ付けオーラは……!?」

卯月「う、うーちゃん出してないぴょんよ!?」

弥生「……や、弥生も……」

陸奥「……ま、まさか!?」ガバッ



長門「んー♪ チョコパフェ……うまいっ!!」

陸奥「ねぇぇぇさぁぁぁぁぁん!!!何してんだあんたはァァァァ!!!」

今日はここまで

※ キラ付けオーラが見えるのは訓練された艦娘だけです

あ、生きてますよ(広島市在住

今週は投下できるかちっと微妙な感じです
無理そうだったらまたお知らせします

お知らせします

無理そうですorz

明日の投稿も無理そうです…すまぬ…すまぬ…
来週は絶対書くから!約束な!

天気が悪いのがいけない

今日の21時頃に続き投下します

ほかの書き物にかまけて全然書けてなくって
今日でも終わらないのが自分でもつらいです

では、続き



【 弥 生 の 休 日 ・ 中 編 】


長門「んごっ!?は、ごほっ、ゲホッ!!」

陸奥「ちょ、ちょっと姉さん!?大丈夫!?」

長門「ゴホッ、ッ、……うぅ。ビックリしてむせた……。お前たちか……」

卯月「な、長門さんだぴょん……」

弥生「……びっくり、した」

陸奥「あんなにキラ付けオーラなんて飛ばして!姉さんったら何してたのよ!」

長門「え、あ、いや、これはその」シドモド

弥生「……チョコ、パフェ」

長門「あっ……!!!し、しまっ……!!!」

卯月「なーがーとー、さん?」ニコッ

長門「~~~~ッ!!!」///


長門「……はいそうです。ここなら誰にも見つかる心配がないと思っていました。
   だからみんなには黙っていてください。お願いします……お願いします……」

卯月「ううーん?どうしよっかにゃー?せっかくの長門さんのカワイイ一面、
   青葉さんあたりにでもリークしたら……」

弥生「うーちゃん」ジトー

卯月「うっ……。わ、わかったぴょん。喋らない、喋らないって……。
   とほほ、弥生のジト目は効くぴょん……」

弥生「……弥生も、しゃべりません、よ。でも、そのかわりに」

長門「そ、そのかわりに……!?」ビクビク

弥生「今日の、お祭り……。一緒に、どう、ですか」

卯月「あ、それいいぴょん!うーちゃん、りんごあめ奢ってもらったら完全黙秘するぴょん!」

弥生「……わたあめ、で……手を、打ちます」

長門「そ、そんなことか!よし、任せてくれ!」ホッ

陸奥「……そしてそもそも私が喋るわけないでしょ。もともと知ってることなのに」


陸奥「そんなことより私としては、姉さんの横に積まれてる紙袋の山が気になるんだけどー?」

長門「こ、これか?いや、これはなんだ、あれだよあれ。
   そう、最近訓練着用の衣類のストックが足りなくなってきていてな、ほら、Tシャツ」バサッ

陸奥「……今広げたウニクロの袋の中身はそれでいいとして、
   その奥にある袋の中身についても説明してくれるのかしら?
   どう見てもあの高級な感じは、安物じゃないわねぇ?」ニヤニヤ

長門「……ば、バカ!そこに触れたらお前……!」

卯月「おおっ!あのブランドロゴは……!」

弥生「……弥生も、知ってる」

長門「~~~~~ッ!」///

陸奥「……大方、アレね。今度のデートの準備でしょ、姉さん」

長門「ばっ、バカッ!!!なんでそれを喋っちゃうんだ陸奥!!!」アワアワ

陸奥「フフーン、だ」ベー

卯月「デート!?デートって、長門さんが!?誰と!?」

弥生「デート……!!」


長門「いやっ、それはっ、なんだ、うん、……頼む!!勘弁してくれ!!」

卯月「タコ焼き!」ニコニコ

弥生「……カルメ焼き」ジー

長門「ガメついんだか、欲がないんだか……。わかった!買わせていただく!」ペコペコ

卯月「うっぴょーん!やったね♪」

弥生「……うーちゃん、もう長門さんをいじめるの、やめだよ」

卯月「わかってるわかってる♪」

長門「……陸奥ぅ~!!」ジトー

陸奥「姉さんだけいい思いをするんですもの、これくらい許されるんじゃなくって?」ニヤニヤ

長門「なんて奴だ……」


゚・:,。゚・:,。★゚・:,。゚・:,。☆゚・:,。゚・:,。★゚・:,。゚・:,。☆


―― 帰り道

長門「すまないな陸奥。荷物が多いからクルマがあって助かった」

陸奥「わざわざタクシーでこんなとこに来るのは姉さんくらいよ」

長門「ははは。私も早く免許を取らないとな……」

卯月「なんで長門さんは運転免許を取ってないんだぴょん?」

長門「陸(おか)で遠出をする機会なんてそうそうないからな。自家用車を持っても置物にしてしまうし。
   なら、戦争が終わるまでは必要ないかと思って、それっきりだ」

弥生「……でも、陸奥さんは、持ってます、よね」

陸奥「私は……。まぁ、持ってたほうが何かとね、って思って」

長門「……」

陸奥「もう!いいじゃない、こうして役に立ってるんだから!ほら、もうすぐ着くわよ」

長門「あ、ああ」

弥生「……そういえば、着付け。誰かに、教えてもらわない、と」

卯月「あ、それがあったぴょん。着付けに詳しそうな人といえば……」


卯月「鳳翔さーん!!」トトト

鳳翔「あら、卯月ちゃんに弥生ちゃん」

卯月「今、忙しいぴょん?」

鳳翔「いいえー。今日はお夕飯の当番の日ではないので」

卯月「よかった!あのね、うーちゃん弥生と一緒に浴衣を買ってきたんだけど、
   どうやって着ればいいのかわかんないんだぴょん……」

鳳翔「あらあら。……で、私の出番というわけね?」

弥生「……お願い、できます、か」

鳳翔「まかせなさい!……ふふっ、こういうのもいいものですね」

卯月「ありがとだぴょん、鳳翔さん!」ピョコン

弥生「ありがと、ございます」ピョコン


鳳翔「そうそう、まずは袖口を持って、真横にピーンと引っ張って――」


鳳翔「おくみ線を足の指に合わせて……そうそう、これくらいね――」


鳳翔「腰紐はしっかり縛ってね。じゃないとすぐに着崩れてブラジャー見えちゃうから――」


鳳翔「はい、襟を合わせますよ。……ん、これでいいわ――」


鳳翔「最後に伊達締めを結んで……よし、これで完成!」


卯月「おおおお……!!」キラキラ

弥生「……!!」キラキラ

卯月「弥生、超かわいいぴょん……!」

弥生「うーちゃん、も……似合ってる、よ」

卯月「ホント!?ありがと、弥生!!」ピョンコピョンコ

鳳翔「ふふふ、二人ともかわいいですよ」ニコニコ


コンコン

卯月「あ、はーい?」

陸奥「私よ。準備はどうかしら?入ってもいい?」

卯月「あ、今着付けが終わったところだぴょん!!どうぞどうぞ!!」

陸奥「はーい、じゃあちょっとお邪魔するわy……あら。あらあらあら」

鳳翔「かわいいでしょう?陸奥さん」

陸奥「そ、そうね……。これはその、なんというか、予想以上だわ」

卯月「エスコートお願いしますぴょん、陸奥おねえちゃん!」ニコッ

弥生「お願い、します……陸奥お姉さま……」

陸奥「ちょ、バカ!!鳳翔さんの前で何言ってるのよあなたたち!!」アセアセ

鳳翔「まぁ。陸奥さんったら、すっかり懐かれて」ニコニコ

陸奥「うぅ~っ……!!」///

今日はここまで

次回でやっとお祭りです
それはさておき、むっちゃんをいじるの超楽しいですね…

更新がすっかり滞ってますが
今週もできそうにないです

ごめんなさい…

来週の週中に一度投稿できそうです
もうちょっと待っててね

(モンハンに夢中になってたとか言えない空気である)

(い、E-1は突破しましたし!!)(震え声)

ちっとタチの悪い風邪を引いてしまって
あんまり元気じゃないんですが
モンハンもある程度区切りをつけたので
またこっちの活動も再開するつもりです

休みすぎててアレなので
今晩、ちょっと前に書き溜めた話で
単発スレ立ててリハビリしてきます

イベント終わっちゃったね…
終わっちゃったね…


現実逃避なのかは知らないけど
今日もなんか勇者・魔王系の方に筆が乗っちゃったよ
みんなすまん…すまん…

うん
リハビリはもういいや

次はこれに本腰入れます、年内には決着したいね!

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