犬のおまわりさん(5)

夏休みの間両親が海外へ出張するとの事で、僕は田舎の父方の祖父母の家に預けられることになった。

都会に比べるとものが少ないけど、空気はおいしいし、景色も最高だ。

とは言っても今まで何度も来ているから、そんなに新鮮に思うことはないだろうと思っていた矢先の話なんだけど……



犬婦警「わふぅ!おはようございます!」ビシッ


まさか犬の獣人(?)が警察の服を来ているとは思ってもみなかった。

犬婦警「おや、見かけない方ですね?どちらから来ましたか?」

男「いや、あの、僕東京から来た男と言います。家の都合で祖父母という二人の家に預けられることになりまして……」

犬婦警「クンクン……確かに祖父母夫妻の匂いがしますね。これは失礼しました」

男「あ、いえいえ……匂いですか?」

犬婦警「はい。私犬なんで、この村に住んでる人の匂いはだいたい覚えてるんですよ」

男「マジですか……」

男「というか、誰も何も言わないいんですか?」

犬婦警「何がですか?」

男(誰も村の交番の警官が犬であることにツッコまないんだろうか……?)

犬婦警「あ、確かこの村にしばらく滞在されるんですよね?ここは何も無いですけど、ゆっくりしていって下さいね」

男「ど、どうもありがとうございます」

犬婦警「ちゃんと男さんの匂いも覚えましたんで、あまり悪さをしちゃだめですよ?」

男(嘘、覚えんの早っ!?)

犬は好きだし、撫でまわしたいし、モフりたいけど、あの犬婦警さんにそれをしたら速攻で逮捕されるんだろうな……。

というか犬婦警さんの謎は深まったばかりだけど、この村での僕と犬婦警さんの一か月ほどの交流は始まったのだ。


あ、でも逮捕されるプレイもいいなぁと妄想が蔓延ってしまったのはここだけの内緒だ。

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