モバP「のあさんがなんか近い……」 (77)

P「……」カチャカチャ

のあ「……」

P「……」カチャカチャ

のあ「……」

P「……」カチャカチャ ピタッ

のあ「……」

P「あのー……のあさん?」

のあ「……何?」

SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1404727621

P「いや、えっと……何か用ですか?」

のあ「………………別に」

P「えっと、それでしたらなんで俺の側に……ていうかこれもはや密着する勢いです」

のあ「……」

P「えっと……ちひろさん俺何かしましたか?」ヒソヒソ

ちひろ「知りませんよ。プロデューサーさんが来る前からもうプロデューサーさんのデスクの前で待機してたんですから」ヒソヒソ

P「マジですか……俺何かしたのかなぁ……」ヒソヒソ

ちひろ「それこそ聞いてみたらどうです?」

P「そうしますけど……まったく心当たりがないんだけどなぁ……」ヒソヒソ

ちひろ「と・に・か・く。のあさんのプレッシャーが凄まじいのでさっさと何とかしてください!」ヒソヒソ

P「はい……」クルッ

のあ「……内緒話は終わった?」

P「えーっとですね……のあさん、もしかして俺、なにかしちゃいましたか?」

のあ「……いいえ、あなたはいつも通りよ。ただ、私を高みへと連れて行くだけ……」

P「そ、そうですか。は、はは、なら俺がんばっちゃいますよー……」クルッ

のあ「……」

P「だめでした」ヒソヒソ

ちひろ「……ここはとりあえず時間をおきましょう。プロデューサーさんも、何かしらの理由を思い出すかも知れませんし」ヒソヒソ

P「はい……」ヒソヒソ

のあ「……」ジー……

―次の日―



P(結局、昨日はのあさんが仕事に行くまでくっつかれたままだったな……

  それにしても、いったい何なんだろう。あれか、俺のプロデュースに対する無言の抗議か?……いや、最近のあさんは忙しくなってきたけど、

その分アイドルとしての人気もどんどん上がってるからアイドル業に対する不満じゃ無いと思うけど……)

P「やっぱりちゃんと聞かないといけないのかなぁ。でも、のあさんは何でもないっていうし……」ガチャ

みく「にゃ?Pチャンおはようにゃ!」

P「ああ、みく。おはよう」

のあ「……」

P「うおおおおお!!?のあさん!?いきなり背後に立たないでくださいよ!!?」

のあ「P……おはよう」

P「へ?あ、はい、おはようございます」

のあ「……」

P「えっと……」

みく「もう、Pチャン!なにのあにゃんと見つめあってるの!!」ギュッ

P「おっと、おいみく急に抱きつくなよ」

みく「にゃー!にゃー!かまってにゃー!!」スリスリ

P「今日はこれから仕事だろ。ほら、俺も行くんだからさっさと準備しろ」

みく「むー……Pチャンは猫への愛情が足りないにゃ!!」

P「はいはい、かわいいかわいい」ナデナデ

みく「にゃあー!」

P「ほら、さっさと準備する。あ、そうだのあさん」

のあ「……何?」

P「今日の雑誌のモデル頑張ってください!!大手誌なんできっとのあさんの人気向上に繋がりますから!!」

のあ「…………ええ、わかっているわ」


みく「Pチャン、準備できたよ?」

P「ああ、わかった。それじゃあ行くか」

みく「Pチャン、みくもだいぶお仕事慣れてきたから一人でも大丈夫だよ?」

P「そういうのはのあさんぐらいになってからいいなさい。お前はまだまだなんだから。見てないと危なっかしくてしょうがない」

みく「むー。……まぁ、Pチャンが一緒ならいいかにゃ?」

P「はいはい。手のかかる猫ですねー」

みく「にゃー!!」







のあ「……」ジー

―次の日―




P「おはようございまー……な゛っ!!?」




のあ「…………にゃん」





P(ネ、ネコミミメイドだと!!?)

のあ「なにをしてるの。……はやく入ってきなさい」

P「は、はい……」

ちひろ「プロデューサーさん、プロデューサーさん」チョイチョイ

P「あ、ちひろさんおはようございます」

ちひろ「おはようございます。……それで、のあさんのことなんですけど」

P「ネコミミメイドですね……」

ちひろ「ええ、今までもたまにメイド服は着ていましたけど猫耳とは……」

P「いったい何が……」

prrr



P「あ、俺の携帯ですね。……もしもし?」

みく『あ、Pチャン?今事務所の近くにいるんだけど』

P「ああ、みくか。どうした?」

みく『えっとね、昨日事務所のテーブルにみくのネコ耳おいてきちゃったんだにゃ』

P「ネコ耳……」







のあ「……」コト

ちひろ「あ……お茶ありがとうございます」

のあ「…………にゃん」

ちひろ「にゃ、にゃん……」






P「たぶんあれだな」

みく『やっぱり事務所に忘れてたにゃ。じゃあ、今から取りに行くにゃ』

P「ああ、早く取りに来い。ネコミミメイドが待ってるぞ」

みく『にゃにそれ!?』

pi!

P「さて……」

のあ「みくから……?」

P「ええ、そのネコ耳みくのですよね?」

のあ「ええ……少し、気まぐれが過ぎたかしら」

P「まぁ、事務所に置きっぱなしにしたみくも悪いですし、何よりも似合ってて可愛いですからいいですよ」

のあ「…………そう」

P「そうですよ。……ってのあさん近いです。もはや抱きつく勢いです」

のあ「……にゃん」

P「いや、にゃんじゃなくて……」

ガチャ


聖來「Pさん、おはよう!!」

P「聖來さん?今日はオフですよね。どうしたんですか?」

聖來「わんこのお散歩で事務所の前通ったからちょっと顔見せにきたの」

P「ああ、それはわざわざどうも。それにしても、暑い中大変ですね」

聖來「わんこが元気でしょうがなくてねー。散歩連れてけってうるさくて。今も事務所の裏に繋げるのに苦労したの」

P「それはそれは……」

ハッハッハッハッ



P「ん?何の音だ?」

バンッ

わんこ「バウッ!!」バッ

P「うおおおお!?わ、わんこ!?」

ちひろ「ちょ!?聖來さん!?事務所にわんちゃん連れてこないでくださいよ!?」

聖來「え!?なんで!?ちゃんと繋げたはずなのに……ってリード切れてる!?古かったのかな?」

わんこ「ハッハッハッハッ」フリフリ

P「お前どんだけ遊びたいんだよ……」

聖來「わんこ、Pさんのこと覚えてたんだねー」

P「いや、のんきなこと言ってないでどかしてもらえません?結構ピンチなんですけど……」

聖來「わかった、ほら!わんこ、こっちおいで!」

わんこ「バウッ!!」

P「……どきませんね」

聖來「言うこと聞いてー!!」

のあ「……」

わんこ「バウッ!!」ペロペロ

P「うおー!?やめてー!!顔舐めないでー!!?」

のあ「……」

わんこ「ハッハッハッハッ」ペロペロ

P「も、もうだめだ……好きにしろ……」グター

聖來「Pさーん!!?」

のあ「…………わん」

わんこ「バウッ?バウッ!!」ダッ

わんこ「ハッハッハッ」フリフリ

のあ「そう……あなたもまた、共に歩むものがいるのね……」

わんこ「バウッ!!」

のあ「……ええ。きっとそれは幸せなことよ」







P「何してんだのあさん……?」

聖來「わんこー……戻っておいで―」

わんこ「ハッハッハッ」ジー

のあ「……?」

わんこ「バウッ!」

のあ「……あなたは、己のアイデンティティを塗り替えることを恐れないの……?」

わんこ「バウッ!!」

のあ「……そうね。自己とは姿形に囚われるものではない。

   己の意思、それこそが自己を自己にしているのね……」

わんこ「バウバウッ!!」フリフリ

のあ「ならば、その果てを私が見届けるわ……」スッ

わんこ「バウッ!!」スチャ

ガチャ


みく「Pチャン、ネコ耳取りに来たにゃあ」

P「あ、みく」

聖來「みくちゃん、おはよう」

みく「にゃ?なんで聖來チャンが来てるにゃ?」

聖來「ちょっと散歩ついでに挨拶しにきたの」

みく「そうなんだー。あ、Pチャンみくのネコ耳どこにある?」

P「ネコ耳なら……」スッ

わんこ(ネコミミ)「バウッ!バウッ!!」フリフリ

のあ「……そう、新たな自己を確立できたのね……」





みく「なんでや!?」

P「いや、知らん」

聖來「わんこー……」

みく「ちょっとのあにゃん!?何わんこチャンにネコ耳つけてるにゃ!?」

のあ「みく、勝手にあなたのネコ耳を使ったのは謝るわ……」

わんこ(PUT ネコミミ)「バウッバウッ!!」フリフリ

のあ(NO ネコミミ)「けれど、それによって新たな自己を発見することができたのよ……」

みく(STOP THE FAN)「いや知らないにゃ!?ほら!みくのネコ耳返すにゃ!!」

わんこ「ハッハッハッ……ワオォオオン!!」ダッ

みく「あ!!逃げるにゃ!!?」

のあ「変革の昂揚を抑えきれないようね……」

みく「何言ってるにゃ!?ちょ、待って!!わんこにゃん、みくのネコ耳返して―!!?」ダッ

聖來「わんこ……にゃん?」

P「この場合は正しいかもしれないな……」

聖來「……って、わんこ外出ちゃった!?まって!わんこー!!」ダッ

バタン


P「……嵐のようだったな」

ちひろ「プロデューサーさんも追ってあげないんですか?」

P「俺スーツですよ?無茶言わないでください。それに、聖來さんが追いましたからすぐに捕まりますよ」

ちひろ「はぁ、そうなんですか?」

P「わんこは聖來さん大好きですからね。事務所まで入ってきちゃったのもそれが理由だと思いますし」

ちひろ「なるほど。……そういえばプロデューサーさんは犬派ですか?猫派ですか?」

P「いきなりですね。んー……どっちかっていうと犬派かなぁ?」





のあ「……」ピク

ちひろ「あら?意外ですね。みくちゃんと仲がいいからてっきり猫派かと思ってました」

P「いや、猫も猫で大好きですよ?ただ、聖來さんとわんこみたいに、

 仲のいいパートナーみたいなのがちょっとうらやましいなーって思いまして」

ちひろ「へー。プロデューサーさんは犬のどういうとこが好きなんですか?」

P「そうですねー遊んであげるととっても喜んでしっぽ振ってくれるとこですかね?

  そういうのを見てるとこっちまで楽しくなりますからね。後は、一緒に散歩いけたら楽しそうだなぁって」

ちひろ「なるほど。じゃあ犬を飼いたいって思わないんですか?」

P「そりゃあ思いますけど。俺一人暮らしですし、帰りが遅くなることも結構ありますしね。ほったらかしになっちゃうので……」

ちひろ「あー。そうですねぇ」





のあ「…………」ジー


―次の日―



P「あ、そうですか。ちゃんとわんこ捕まったんですね。はい、今度は切れないように丈夫なリードにしてくださいね」

pi!



ガチャ


P「おはようございます。ちひろさん、今聖來さんから電話があって、わんこはちゃんと……」

のあ「……」

P「……またネコミミメイドですか……」

のあ「いえ、違うわ……」

P「え?だってその耳って……」ジー

のあ「……」

P(ん?昨日付けてたのとは違う?それに……)

のあ「……」フリフリ

P(あれ、尻尾だよな……?それに耳……ってことは)

P「イヌミミメイドですか」

のあ「……」ブンブン

P(なんかめっちゃ尻尾ふってるけどあれどうなってんだ……)

のあ「……P」スッ

P「え?なんですかこれ?紐?」

のあ「……持ってて」

P「は、はぁ。っていうかこれリード……?」

のあ「……」スチャ

P「の、のあさん?なぜ首輪を?このリードその首輪に繋がってるんですけど……」


ガチャ


ちひろ「おはようございまーす。すいませんちょっと遅れ…………うわっ」

P「ち、ちひろさん?ち、違っ」

ちひろ「昨日犬が好きって言ってましたけどそういう意味だったんですか……」

P「ち、違います!?こ、これはのあさんが!!?」

のあ「……P、これが貴方の望み……?」

ちひろ「うわぁああ……事務所にアイドルをペットにしようと目論む変態がいただなんて……」

P「違いますよ!?ちょ、のあさんも変なこと言わないでください!?」

のあ「…………わん」フリフリ

ちひろ「ごめんなさい、ちょっとこれはドン引きです……」ダッ

P「ちひろさん!?どこ行くんですか!?待って!!話を聞いて!?」ダッ

ちひろ「きゃあああ!?追ってきた!?私までペットにするつもりですか!?」

P「違いますって!!話を聞いてください!!」

ちひろ「嫌あああ!!?調教されるぅううう!!犬として主従の関係を結ばされるぅぅぅぅ!!」

P「叫ばないでぇぇぇぇぇ!!?」



バタン




のあ「……」シュン

ガチャ


のあ「……」ピク




菜々「ウッサミーン!!おはようございますプロデューサー!!」

のあ「……」シュン

菜々「ってあれ?のあちゃんだけですか?プロデューサーたちは……」

のあ「Pたちなら、いずれ戻るわ……」

菜々「そうですかぁ。それにしても、のあちゃん今日はイヌミミメイドですか?なかなかツボをついてきますね!!」

のあ「……」シュン

菜々「な、なんか落ち込んでますね?表情はぜんぜん変わってませんけど」

のあ「……猫でも犬でも届かないの……?」

菜々「んー何があったかは知りませんが、そうですねぇ、とりあえず犬がダメだったのなら別のにすればいいんじゃないですか?」

のあ「別の……?」

菜々「とりあえずこれどうぞ!ナナが予備で持ってたものです!」

のあ「これは……」

菜々「押してダメならもっと押せ!!インパクトで行きましょう!!」

のあ「……ええ」ブンブン

菜々「……その尻尾どうやって動いているんですか?」

―次の日―


P「昨日はマジで通報されるところだったわ……」

ガチャ


P「あー……おはようございま゛っ!?」

のあ「……P、おはよう」

P「な、ななななんでバニーガールなんですか!?」

のあ「…………ぴょん」

P「いやぴょんじゃなくて!?」

ちひろ「……変態」ボソッ

P「ちょっ、ちひろさんなんですかその目、違いますからね!?俺は知らないですから!!」

のあ「…………P、どう?」

P「う……えっと、その……目のやり場に困ります……」ジー


ちひろ「そういいながらしっかりのあさんの胸元見ちゃってるじゃないですかー!!」バンバン

P「ち、違っ!?こ、これはですね!?」

のあ「…………P、」

ちひろ「プロデューサーさんの変態ー!!コスプレマニアー!!」バンバン

P「やめて!?大声出さないで、机叩かないで!?」

のあ「……P、私は」


ガチャ


聖來「Pさん、おはよう!今日もお仕事がんばろうね?」

P「おお!聖來さんおはようございます!!さぁ、仕事に行きましょう!!」

聖來「え?でも、まだ時間あるよ?」

P「早めに行って挨拶回りしないといけないからな!!」

聖來「なるほど、それじゃあ行こっか」

P「よし!!じゃあ、行ってきます!!」

バタン



のあ「あ……」

ちひろ「ちょうど良いところに聖來さんが来ちゃいましたねー」

のあ「……」ジー

ちひろ「ん?どうかしましたか?」

のあ「……」ゴゴゴゴゴ

ちひろ「えっ?ちょっなんで怒ってるんですか……?」

のあ「……」ゴゴゴゴゴゴ

ちひろ「す、すいません。よくわからないですけど謝りますから無表情でプレッシャーかけないでください……」

のあ「……」ゴゴゴゴゴゴ

ちひろ「ご、ごめんなさいぃぃぃ……」

―次の日―




ちひろ「プロデューサーさん、今日はのあさんいませんね」

P「ああ、のあさんは今日は朝から撮影が入ってるんですよ」

ちひろ「あーそうでしたね。プロデューサーさんはついて行かなかったんですか?」

P「レギュラー番組の撮影ですし、今更俺がついて行かなくてものあさんなら大丈夫ですよ」

ちひろ「そうですか……」

P「それに、今日はこのあと菜々さんの撮影について行かないといけませんし」

ちひろ「それにしても、最近ののあさんはやたらとエキセントリックですね」

P「そうですねぇ……なにか、不満でもあるのかな……」

ちひろ「結局心当たりはなかったんですか?」

P「これといって特には……前からのあさんは俺の考えの及ばない時がありましたからね……」

ガチャ


菜々「ウッサミーン!!プロデューサー、ちひろさん、おはようございます!!」

ちひろ「菜々さんおはようございます」

P「おはようございます。菜々さん」

菜々「プロデューサー!今日もお仕事頑張りましょうね!!」

P「はい、それじゃあちひろさん、行ってきますね」

ちひろ「はい、いってらっしゃい」





P「菜々さん、今日はおつかれさまでした」

菜々「こちらこそ、送ってもらってすいません」

P「まだ夕方ですけど、女性を一人で帰らせるには不安ですからね」

菜々「ありがとうございます……ところで、今日はのあちゃんと会いましたか?」

P「いえ?今日はのあさん朝から撮影でしたので……」

菜々「……プロデューサー。プロデューサーから見て、のあちゃんはどんな人ですか?」

P「どうしたんですか急に?そうですねぇ……たまに突飛なことをしますけど綺麗で、仕事ができて……なんていうか、信頼してます」

菜々「んーそうですか。プロデューサー、のあちゃんは確かに仕事も出来て、なんでも一人でこなしちゃう感じがして、

   一人で大丈夫だって任せちゃう気持ちはわかりますけど、のあちゃんも女の子なんです」

P「それって……」

菜々「ちゃんと言葉にしないのあちゃんも悪いですけど、あれだけわかりやすいヒントで気づかないプロデューサーもプロデューサーです

   ……Pさんは、プロデューサーなんですから。ちゃんと、気づいてあげてくださいね?」

P「……」

菜々「ナナから言えるのはここまでです。あとは、プロデューサーが考えてください」

P「……はい」

菜々「ならいいです。……たぶんのあちゃんは今日も事務所にいますから」

P「わかりました。……ありがとうございます」

菜々「はい、それじゃあまた明日」

P「ええ、また明日」





P「ただいま戻りました―」ガチャ

ちひろ「おかえりなさい」

P「ちひろさん、のあさんいますか?」

ちひろ「ええ、応接室で本読んでますけど」

P「ありがとうございます」

ちひろ「理由、わかったんですか?」

P「ええ、まぁ、たぶんですけど」

ちひろ「そうですか。……がんばってくださいね?」

P「はい」

P「……のあさん」

のあ「……」

P「えっと……あの……のあさん」

のあ「……何?」

P「そのですね……もし間違ってたらすみません。えっと……もしかしてのあさん……」

のあ「……」

P「その……寂しかったんですか?」

のあ「……………………」プイ

P「あ、正解でしたか」

のあ「……」

P「……最近は、のあさんと一緒に仕事してませんでしたね」

のあ「……今まで孤独を恐怖に感じたことはなかったわ……それは今でも変わらない」

P「……」

のあ「けれど……そのかわり、違和感を感じるようになったわ……自分の隣に誰も居ないことに」

P「のあさん……」

のあ「それを払拭するために……いえ、そんな取り繕ったものじゃないわね……」

P「この間からのあさんが色々してたのって……」

のあ「子供じみた真似だとは思ったわ……けれど、そう。私は……貴方に気にかけて欲しかったのよ……」

P「……」


のあ「感謝も、信頼も言葉で伝えてきた……けれど、私の弱さだけは貴方に伝えることができなかった……」

P「弱さなんかじゃありませんよ」

のあ「……」

P「えっとですね、気づかなかった俺が言うのかって話ですけど……その、俺は嬉しいですよ?

  あなたに、側に居て欲しいと思ってもらっていたことが」

のあ「……」

P「それにですね、俺だって一人は寂しいです。みんなそうです。誰かに気にかけてもらいたい……それは当然のことです。

 だから、弱さなんかじゃありません。むしろ、誰かと繋がろうとする気持ちは強さです」

のあ「……そう」

P「はい、だからですね」

ギュ



のあ「……」

P「あ、あの……のあさん?」

のあ「弱さじゃないのなら……ためらわないわ」

P「い、いやですね?たしかにそう言いましたけど……」

のあ「P、貴方は私を高みへと登らせてくれた。それはきっと私一人では叶わなかったことよ……」

P「は、はい。ありがとうございます」

のあ「けれど……私の手を離すにはまだ早いわ……」

P「……」

のあ「P。貴方は、私の隣で、私をしっかりと見ていなさい……」

P「……はい」

のあ「猫も、犬も、兎も……寂しさを感じるのだから……」

P「……はい、すみませんでした」

―次の日―


みく「PチャンPチャン今日もお仕事がんばるにゃあ!」

P「ああ、みく。今日の仕事なんだけどな」

のあ「みく……悪いけれどPは私の仕事に付き添うわ」

みく「え?だってPチャンのあにゃんなら一人で大丈夫だって……」

P「まぁ、そうだけどさ。それでもたまには見ておきたいんだよ」

みく「むー……猫は気ままだけど、ほったらかしはダメなんだにゃ!!」

P「ああ、それはもう充分わかってるよ……」

のあ「……安心しなさい。繋がりを求める強さがあるなら……彼はちゃんと見ててくれるわ……」

みく「……どういう意味にゃ?」

P「別にお前をほったらかしにするわけじゃないってことだよ。……ただ、今日はのあさんの番ってだけだ」

みく「……なら、しかたないにゃ。でも、Pチャンちゃーんとみくのことも見ててね?」

P「はいはい。わかってるよ」

みく「にゃー!!」

聖來「なら、アタシのこともちゃんとみてて欲しいわんっ!」

菜々「ナナのことも忘れちゃだめだぴょんっ♪」

みく「にゃ!?いつの間に!?」

P「あれ?二人は今日現場に直接行くって言ってませんでした?」

聖來「そう思ったんだけどね。それだと今日一度もPさんに会えないなーって思って」

菜々「ナナも同じく!」

P「は、はぁ……それで、なんで二人はイヌ耳ウサ耳つけてるんですか?」

聖來「ん?ふふー構って欲しいからだわん!」

菜々「兎は寂しいと死んじゃいますからねー!ちゃんと構ってくださいだぴょん♪」

のあ「……ダメよ。今日、彼が見るのは私」ギュッ

P「あの……」

菜々「……のあちゃん、ちゃんと言えたんですね?」

のあ「…………ええ」

P「あの……そろそろ仕事に……」

みく「にゃー!」ダキッ

P「みく……お前もか……」

みく「ネコ耳つけたみくはもう無敵にゃ!構って構ってー!!」

のあ「みく……あとで鯖缶あげるからここは譲りなさい……」

みく「譲るから鯖缶は勘弁にゃ……」スッ

のあ「……ありがとう。あとで箱で送っておくわ」

みく「にゃあああああああああ!?」

聖來「わんわん!!」

菜々「ぴょんぴょん♪」

みく「にゃー!!にゃー!!」

のあ「………………ふっ」

P「ああもうっ!もうほったらかしになんかしませんから離れてくださいー!!」








ちひろ「……さっさと仕事行ってくださいよー……」



―終―

なんだかんだで気にかけてくれる人がいるのは嬉しいものです。

読んでくれた方ありがとうございました。

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