【ダンガンロンパ】苗木「ボクの恋人は>>2」 (205)

安価で今回は苗木君と誰かをらーぶらーぶでえーろえーろさせるだけのスレです。でも今回はノーマルとホモ一回ずつやったら終わらせる予定です。短い。



※ネタバレ?キャラによればあると思います。
※1.2、ゼロのキャラからお願いします。
※相手が同性だと全員、異性だと一部の
キャラには、苗木君の受け攻めの判定コンマ有り。偶数で受け、奇数で攻め。キャラ安価のコンマで判定。エロで反映します。
※地の文有りで進行
※安価の時以外はsageでひっそりやります。



苗木 「ボクの恋人は>>2で、きっかけは>>4

SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1403887631

学園長

運命

相手は仁さんで、苗木君受け。きっかけは運命。

今スレは流れでそのままエロ書くので、リクエストありましたら、良さげなのを組み合わせたりします。
適度にリクエストが集まりましたら締め切ります。

恋人はセレスさんで、きっかけはギャンプルで勝った でお願いします

この流れは何だw
エロの内容安価だと書き忘れた自分がいけないんだけどさ!申し訳ない!
せっかくなんで、お詫びをかねて、いつもおまけ書くんで、そのおまけの時に>>9書きます。

リクエストありがとうございます!では締め切ります!

ボクには恋人がいる。名前は霧切 仁。ボク達の性別と、学園の生徒と学園長という、それぞれの肩書きを聞けば、許されない恋であることは明白だ。
それでも、出会って惹かれたということは、止めようのない、起こるべく、成るべくして成ったモノなのだと、そう断言できる。なぜならボクは本来ならば、才能を持つ者だけがスカウトされ入学できるという、特殊なこの学園に“一般からひとり選ばれる幸運の枠”がなければ、入ることができない人間だったのだから。


―――――――――


仁 「やあ、苗木君。待っていたよ。掛けてくれ」

普段ならば生徒は立ち入らせてくれない教職員棟。さらに余程のことがない限り、生徒に立ち入りの許可なんておりない学園長室に、ボクは呼び出され、足を踏み入れている。
爽やかに笑う学園長に反して、ボクはガチガチに緊張してしまって、脂汗まで滲む有様だ。

苗木 「あの……ボク、何かしましたか?」

掛けてくれと促されたにも関わらず、ボクはとにかく、何故ここへ呼ばれたのかと、気が気でなかった。そのせいで第一声はかなり不躾なモノになる。

仁 「そんなに緊張しなくていいよ。私は君と話をしてみたいだけだから」

ボクの様子を愉快そうに笑う。そうは言われても無理だろ。普通。
そこで深呼吸を一度して、心を落ち着けてから一礼する。

苗木 「失礼します」

ようやく腰を落ち着ける。さすが学園長室にあるソファだけあって、ふかふかで体が深く沈み込んでいく。
対面した学園長がにこりと笑う。ボクの緊張を和らげるためなのか、これから話す内容に含みを持たせるためなのか、判断のつかない笑顔に、心臓が痛いくらい大きく脈打ち、汗は新たに吹き出した。

苗木 「……それで…話はというのは……?」

おずおずと切り出すと、学園長の顔つきが一変して凛とする。その様変わりがさらにボクをドキリとさせる。

仁 「君は“希望”とは、何だと考える?」

苗木 「……」

思いもよらない質問に、閉口してしまった。
“希望”がどんなモノか? 一言に希望と言っても、やっぱり人によって形は違うだろう。

苗木 「諦めないで、前に進むこと……でしょうか」

これがボクなりの答えだ。
諦めないで、進んで進んで手を伸ばす先に、それはあるのではないかと、ボクは思う。決して簡単ではないけれど、だからこそ人が焦がれ目指すモノ。
ボクの答えに、学園長は頬を緩める。今ので良かったのか?

仁 「毎年選ぶ幸運という才能はね“希望”に一番近い存在だと思うんだ」

ひとり納得して満足気に頷く学園長に、ボクはお手上げ状態で、さらに困窮を極めた。

苗木 「あの……」

学園長の御機嫌なところに水を刺してしまうけど、口を挟んだ。でないとボクは理解しないまま置いてけぼりだ。呼ばれた意味も理由も解らない。
けれど、それもまた無視して学園長は話を進めた。

仁 「“諦めないで、前に進むこと”という意見、私も賛成だよ。私は周りを押し切り、諦めずに君たち幸運を選出してきたのだからね」

仁 「君が選ばれたのはやはり運命かも知れないな」

学園長は嬉しそうにボクを見つめて、さらに笑った。学園長という座に就く人にしては若いのだけど、ボクに笑いかけた際の顔は、好奇心に満ちた幼さがあるように思えた。
なんか調子が狂うな。振り回されすぎて緊張感が飛んでしまった。

仁 「もっと君と話してみたいと思うのだけど、何か話題はないかな?」

苗木 「えええっ!?」

無茶振りだろ…。一体何なんだこれは? もしかして学園長の暇つぶしで呼ばれたんだろうか? 忙しいものだと思っていたんだけど、そうでもないのか?

仁 「じゃあ、君は小5までオネショしていたらしいけど」

はっ!?

苗木 「ちょっ!? なんで知ってるんですか!!」

仁 「企業秘密だよ」

満面の笑みを咲かせる学園長の胸ぐらに掴みかかりたい衝動に駆られる。
どういうことだよ! この学園は何を調べてるんだよ!
恥ずかしさに頭を抱えながら時間を過ごした。


―――――――――


普段なら生徒は立ち入れないはずの教職員棟。そう、立ち入れない“はず”の教職員棟。さらには学園長室に、ここ最近は頻繁に訪れている。向こうが呼び出すのだから、問題はないんだろうけど……本当にいいのか? 当たり前のようになっていて、感覚が麻痺してしまいそうだ。
ネームプレートに『学園長』と書かれた扉をノックすると、間を置かずに「どうぞ」と返事が返ってくる。

苗木 「失礼します」

仁 「いらっしゃい。苗木君」

扉を開けると、この部屋の主にいつもの様に迎えられ、ソファに腰掛ける。

苗木 「あの……ボク、頻繁にここを出入りしてますけど、大丈夫なんですか?」

気になって仕方ないことを、この際だから訊ねてみる。

仁 「大丈夫だよ。私が呼びつけてるのだからね」

ボクの質問に、学園長は特に気にした様子もなく明るい調子で答える。

苗木 「ボクと話をして、楽しいですか? ボクは学園長を楽しませる程、大した話題を提供できてるように思えません。有益な話題や話術に長けた人は、もっと他にいると思いますけど」

ボクが出せる話題なんて面白味のない、なんてことないことばかりだ。この学園だったら、お喋りに長けた才能、ネタに事欠かない才能のある人材が揃っているにも関わらず、何故ボクを選ぶのか。

仁 「私はとても楽しいよ。君は楽しくないかな。無理に付き合わせて悪いね」

苗木 「ちち違います!! そうじゃないです!!!」

苦く笑う学園長に焦って、身振り手振りも加えて首を振る。

苗木 「ただ単に“何故ボクなんだろう”って、思ってるだけなんです!」

ボクの言葉に、学園長はキョトンとした。

仁 「仲良くしたい人間と交流したいと思うのは当然じゃないかな?」

苗木 「え?」

学園の中では生徒と学園長ではなく、友達的な感覚で面会しているということなのか?
益々この人がよく解らない、と思うと同時に、悩むのがバカらしくなってきた。

仁 「それにね、以前にも言ったように感じるんだ」

勿体をつける様に、含みを持たせて、ボクを見据えながら言った。言葉の続きを待ち受けるように、気が張りつめてか、自然と背筋が伸びる。

仁 「君からは運命をね」

彼の口から聞いた、二度目の“運命”というワード。それをボクから感じるというのは、どういうことだろうか?

仁 「才能のない、一般からの抽選で選んだだけの君だけど、何故か人を寄せる力がある。それがなんなのか知りたくて呼んでいた訳だけど」

仁 「今、私はまた違う形で君に惹かれているみたいだ」

その一言の後、ボクに向けた視線には、背筋をぞくっとさせる怪しい光を宿していた。
空気が冷たく、重くなったような錯覚を覚える。ここに居てはいけない予感と、その先を聞いてはいけない予感で、脈が早くなる。

仁 「同性だからピンとこないかも知れないけれど、私は君に、異性間の好意を抱いているようだ」

気休めでも、耳を塞げばよかった。それを聞かされたところで、ボクはどう答えたらいいんだ?

苗木 「……」

仁 「困って当然だ。済まないね、変な話をして……このままでは何も話せないだろうから、今日はもう戻っていいよ」

優しい声色の中に、寂しさが覗いている気がして、しばらく動くことを躊躇った。

ボクは男で、生徒で――
彼も男で、学園長で――

運命と言われればそうかも知れない。本来ならば、ボクはここにいないはずの人間。特別な枠があるからこそ、この学園にいることを許されている人間。
出会うはずのない人間。でもだからといって、ボクはそれに安易に応えられない。学園長のことを、最近知るようになったばかりで――
まて、こんなことを考えているということは――学園長と少なからず、そういう関係になっても構わないと思っているということなのか?考えが纏まらない。こんがらがってきた。

深みにハマる前に退室しようと、席を立つ。

苗木 「……失礼します」

ボクの様子に、それを予測していたといった表情で、学園長は肩を竦めた。

仁 「明日、差し支えなければ来てくれるかな?」

苗木 「……解らないです」

仁 「そうか」

背後の声だけで表情は解らなかったけれど、ここで振り向けばそれが答えになる気がして、扉を開いて足速に学園長室から出た。


―――――――――


ボクの性分だからなのか、結局は学園長の言葉に自分の中で決着をつけないまま、今日も学園長室の扉の前まで来てしまった。

苗木 「来なきゃいいのに、バカだよな…ボク」

最初に呼び出された時とはまた違う緊張感に胸が痛くなって来た。一度深呼吸をしてから、扉をノックした。

仁 「はい」

短い返事。ノブに手を掛けるのに躊躇ってしまう。ノックしてしまったけど、引き返してしまおうか?
ピンポンダッシュのようなマネを、よりにもよって学園長相手にやらかそうと思案しだすところで、予想外に目の前の扉が開いた。
ゴンッという音が頭の中で響いて、同時に額に痛みが走る。

苗木 「うがっ!?」

仁 「なかなか入らないから、どうしたのかと思って……大丈夫?」

焦った顔を扉から覗かせながら、ボクの安否を訊ねる。とりあえず、大丈夫だ。

苗木 「だ、大丈夫です」

仁 「……申し訳ない」

バツが悪そうにしながら、ボクの肩にに手が添えられた。

苗木 「!」

仁 「え?」

苗木 「えっと…ごめんなさい」

意識し過ぎだとは解っていても、体が過剰に反応して跳ねてしまう。拒否をしている訳ではない。だから思わず謝ってしまう。

仁 「……それもそうだ。重ね重ね、軽率なマネをして申し訳ない」

苗木 「いえ」

仁 「……」

苗木 「……」

空気が重い。互いにどうしたらいいのか悩んで、ふたりして扉の前で立ち尽くしてしまう。その沈黙を破ったのは学園長だった。

仁 「入るのやめるかい?」

苗木 「いえ……あ」

反射的に返事をしてから、さっきのが最後のチャンスだったことに気付く。しかし、最初にここに来ているんだ。入って話をすればいいじゃないか。

仁 「いらっしゃい」

にこりと笑う学園長は、心なしか嬉しそうに見える。学園長は指導者だ。男子生徒相手に、そんな間違いに手を出すことはないはず。そう、思うことにした。
でないと、ボクは拒みきる自信がない。

>>1様大体の更新時間教えてください靴とか舐めますんで何卒何卒お願いします

これには超高校級の探偵でも助走なしで絶望堕ち不可避www

a

そういえば今更なんだけど>>2のいう学園長がもしかしてモノクマを指してた可能性もあったり……?

>>36すまないが獣姦はNG
霧切さん自分の父親がクラスの男子といちゃいちゃしてると知ったらどうなるんだろう

ウザいと思いますが、全レス失礼!

>>33
ある程度できたら投下って感じなので、時間は決まってないです、ごめんなさい!
靴は舐めないでください、お願いします。

>>34>>37
後味悪くなるよなーっと思って、霧切ちゃんについては話題に出さないことにしました。あまりにもドロドロはちょっと躊躇う。

>>35
なんてことを…

>>36
その可能性を考えて聞こうかなって思ったけど、そもそもモノクマに穴ってあるんですかねハァ…ハァ…

需要何処にあんの?

>>40
誰かの萌えは誰かの萎え
誰かの萎えは誰かの萌え
ひとりでも需要があるかもしれないならば…!

でも問題は>>1の質の悪さ
申し訳ないです。やる気だけはあるんです。

仁 「今日は趣向を変えて花札でもしようか」

苗木 「花札ですか」

また何故花札なんだろうか。昨日の話の続きにならなかっただけマシだけど。気負っていた分、気が抜ける。

仁 「ルールは解るかな?」

苗木 「ギャンブラーのセレスさんに教わったことがあります」

仁 「なるほど」

うんうんと学園長は頷いた。

仁 「今日は君の勝率を見せてもらおうと思うんだ」

苗木 「はあ…」

つまりはボクの運を測りたいわけか。でも、ボクの幸運とは名ばかりで、そんなに勝ち続けられるとは思えない。きっとがっかりな結果になるだろう。

苗木 「賭けるんですか?」

仁 「生徒から金を巻き上げたりしないよ」

セレスさんだったら間違いなく罰ゲームがあるんだけど、賭けるモノがないのは助かる。
というか、セレスさんの所為で、ゲーム=罰ゲーム有りという刷り込みをされているな……ギャンブラー怖い。

苗木 「親は?」

仁 「君でいいよ」

学園長はボクに札を渡す。それを受け取って、顔を顰めてしまう。

苗木 「あまり期待しない方がいいですよ。誰とやっても、大抵ボクが負けますから」

仁 「構わないよ。気兼ねなく遊ぼう」

さっきまで考えていたような問題なんて、何も起こらなかった。それに安堵しつつ、失礼なことを考えていたことを反省する。
それでも、もやもやとした気持ちは晴れず、まだ蟠っている。

花札をしていると気は紛れたけれど、ふとぶり返す。それを繰り返す間に、何度目かの勝負で勝敗は着いた。

苗木 「学園長……弱いですね」

五回勝負のうち、ボクが四勝、学園長は一勝のみという、意外な結果に驚きを隠せない。普段ボクは負けることの方が多いのに……なんだこの現象は?

仁 「はは。まさかここまでコテンパンにやられるとは思わなかったな」

苗木 「済みません。ボクも稀なことで、あまりにも嬉しくて頬が緩みっぱなしです」

落ち込んで肩を落とす学園長には申し訳ないけれど、笑ってしまう。

仁 「まあ、楽しんでもらえたみたいだし、君の才能を見れた訳だし、良しとしよう」

苗木 「才能は関係ない気がしますが」

ボクの一言に学園長は力なく苦く笑うと、ソファの背もたれに背中を預けた。

仁 「何故そんなに自分の才能に自信がないのかな? 私は不確定で捉えどころのないモノであっても、ここでは立派な才能として迎えている」

仁 「私を信用する気持ちで、自信を持って胸を張って欲しいところだね」

苗木 「……」

間違いなく、学園長は指導者で、自分の信念の元、才能を導こうとしているのだと理解する。
しかしそう言われても、幸運と呼ばれる程の幸運を、味わったことがない。自信を持てとか、胸を張れと言われても、実感がないのだから無理な話だ。

仁 「私にとっては幸運だったのだけどね。君と出会えたことが」

苗木 「……本気ですか?」

仁 「至極真面目だよ」

学園長の口元が薄く弧を描く。いわゆる、色香という奴だろうか? 口元の動きにドキッとしてしまう。
視線を下げて、まともに学園長を見ないようにした。自分の中で、ある感情が動き出していることを理解してしまったからだ。

不安で、落ち着かなくて、くらくらしてしまうような感覚。

苗木 「どうしてボクなんですか?」

仁 「解らないな。感覚的なモノだから」

そうだよな。説明しろと言われたところで、ボクだって答えなんて出せないだろう。学園長が指導者だからと言って、あらゆる全ての事柄の答えを明確に知っている訳ではないんだ。
下げていた視線を上げると、学園長と眼が合う。動き出した感情は、さらに騒ぎ立ててボクにそれを、もう偽れない程、逃げられない程に理解させる。

苗木 「……確かめ、ても……いい…ですか?」

緊張感で、舌がもつれそうになりながら、蚊の鳴くような声で訊ねる。

仁 「……何を?」

苗木 「ボクが……学園長を……どう…思っているのか……」

本当は自分でも、もう気付いて解っている癖に、白々しいにも程がある。

仁 「どうやって?」

俯き加減のボクの顔を覗き込むように、学園長の
顔が近づく。
熱が顔に集まるのが解る。体がガチガチで動かない。それでも、精一杯なんとか腕を動かして、学園長の首筋に腕を回して抱きつく。
学園長の体温を感じて、鼓動は心停止しそうな程早鐘を打っているのに、どこか満たされたように安心した。

自分からこんなことしてしまうのが信じられないけど……だからこそ、やっぱりそうなんだと実感する。間違っているのは、むしろボクの方なんだということも。

仁 「苗木君」

耳元で学園長の声がする。その吐息に背筋がゾクゾクした。

仁 「私は指導者失格だ」

その言葉の後、ボクの腰に腕が回され、耳に生暖かくて柔らかい感触がした。

苗木 「っ!?」

呟きながらも、片腕は腰に回したままで、反対の腕はボクの制服を脱がし始める。

苗木 「学え……んぅっ!?」

驚いて声をあげようとした口を塞がれ、学園長の舌が絡み、咥内をくまなく弄られる。初めてのキスの過激さに、翻弄されながらも、ふわふわとした気持ちよさが生まれる。
そうする内にも、学園長の制服を脱がせる手は止まることなく、ボクの肌を露わにしていく。

苗木 「んん、んっ!」

呼吸ができずに息苦しくなって、学園長の肩を押して抵抗する頃、ようやく唇は解放される。

苗木 「はっ……」

蒸気し、息が上がって頭がぼんやりとする。だらしなく口が開いたまま塞がらない。

仁 「そんなそそる顔されたら困るな」

ボクの頭を学園長の大きな手が、優しい手つきで撫でる。

仁 「ここまでしておいてなんだけど……今ならまだギリギリ止められそうだから……嫌なら言ってくれ」

自分も学園長を好きなのだと理解しただけで、その先の整理がついていないのに、ボクは無意識に緩慢ながら首筋を横に振っていた。

仁 「……私は意地悪だから、君を傷つけて泣かせてしまうようなことをしたくて、仕方なくなる。……先に謝っておくよ。御免」

苗木 「……え?」

まともに働かない頭で、学園長の言葉を理解できる前に、ボクの体が突然浮き上がる。

苗木 「わっ!?」

突然、浮き上がった訳ではなく、学園長がボクの体を抱え上げたからだ。体格差があり過ぎてか、なんの苦もなさそうにボクを抱えていた。

仁 「暴れないでくれよ? 落としてしまうかも知れないからね」

暴れるなんて恐ろしいことはしない。この態勢で落ちたりしたら、腰を思いきり打ち付けてしまう。

仁 「君は昨日、ここに来るか解らないなと答えたけど、私には解っていたよ。君は高い確率でここを訪れるとね」

ボクを見透かしていると、口振りや見下ろす眼が語っている。学園長はときおり、観察するような眼で人を見る。観察眼というやつか?

苗木 「……何故ですか?」

仁 「私は君が断らない性分であることを利用したんだ……つくづく悪い大人だね、私は」

学園長は自分を皮肉るように笑って、肩を竦めてみせた。
ボクを抱えたまま、窓の前で止まった。まさかとは思うけど……。

苗木 「学園長……?」

仁 「君が察している通りだよ」

ボクを窓に向かわせて降ろすと、逃がすまいと、脚の間に学園長の脚が差し入れられ、ボクの身体は窓にぴたりと張り付けられてしまう。
窓の外は人影がちらほらと見える。窓の冷たさと、血の気が引いて冷たくなる感覚に身震いする。

苗木 「こんなの……」

仁 「君の恥ずかしい姿がみんなに見えてしまうかも知れないね? 綱渡りのようで興奮してこないかい?」

苗木 「~~っ!!」

信じられないくらい、楽しそうな声音で耳元で囁かれ、焦らすような動きで指先が胸を愛撫する。

こんなことをして、本当に誰かに見られでもしたら、ボクだけではない。学園長の方が大きな損害が出るはず。わざわざこんなリスクの高い行為に及ぶ心理が理解できずに動揺と困惑に脚が震える。

苗木 「っ…誰かに見られたら……ひっ!?」

首筋を甘噛みされ、肩から頭に掛けて、そわそわする感覚が這う。

仁 「観てもらえばいい。外の人間は観客だ。存分に乱れてしまいなさい」

ボクの今の状況と、外の何事もない様子はまるで違う世界のようで、余計に背徳感に苛まれる。

誰もこっちを見ませんように……眼が合いませんように……クラスの誰かに見つかったら……迷わず死ねる。

どうしてそんなに余裕があるのか不思議なくらい、学園長は行為の手を緩めない。

苗木 「くぅっ…んゃ」

重点的に胸を攻められ、段々と敏感になっていくのが解る。それに合わせて身体は火照り、汗ばんでいく。

仁 「良くなってきてるようだね」

学園長の手が下へ下へと巡る。

苗木 「っ!」

仁 「窮屈そうだから、楽にしてあげよう」

ボクに屹立していることを態とらしく囁いて、確認させるようにズボン越しに摩られ、ファスナーを下ろされる。
どうして自分の意思に関係なく反応してしまうのだろうか? 人間の生理現象が恨めしい。

苗木 「これ以上は…もう…耐えられないです……」

羞恥と恐怖に耐えられない。涙が出そうで、声が掠れる。

仁 「私とこんなことしていることが周囲に知れるかもしれないのが怖い?」

その問い掛けに何度も頷く。

仁 「当たり前だ…まだこんな子供相手に……人間として失格だ」

独白のような呟きと共に、後ろから抱き締められる。行為を止めてくれるのかと安心した――手前で、腕の力が強まった。

>>1さんの意気込みが半端ない件について

主人公苗木君って決まっているわけだけど、もしこれが葉隠×山田とかの濃厚ホモでも
これくらい頑張れるのかもしれないと思うと正直尊敬する

あとこれはこれで楽しいし、苗木×セレスにも期待が掛かるな

首を振るが首筋を振るになっている…

>>49
やる気だけはあるんです!

>>50
葉隠×山田問題ないです!全力投球!
山田スタートにすればできますね!おまけで苗セレの後、山田安価もやりますか!?誰もみてなくてもひとりでダンシングしときますから安心して下さい!

すいません勘弁してください
普通に日向君とかでお願いします

>>52 日向君は前作でやっちゃった(相手は狛枝)んだよね
次はヒロインの霧切・七海あたり? 面白いから、やる気あるならこのシリーズ続けてほしい

朝日奈ちゃんでもええんやで

明日の投下は無理かも知れないことを御報告いたします。明後日はいけるかも?程度で…

>>52
遠慮はいりませんよ!

>>53
日苗か苗日という意味だと思ったのですが、違うのでしょうか?
これが終わって、書き溜めで行き詰まったら、今度はヒロインやります!

>>54
安価で行動系で、朝日奈ちゃんと舞園ちゃんを考えてます!多分こっちやってから↑やると思います。

本気出してやがるぜ…っ!!
この>>1…恐ろしい子…ッ

日苗は是非見たい

日向×苗木でも葉隠×山田でも舞園×朝日奈でもなんでもいい
>>1が書きたいように書いてくれたらそれが一番面白い

ワイは>>1のSS好きやで、期待してる

花村×山田

>>56
コワクナイヨ、ダイジョウブダヨ

>>57
何か機会がありましたらば、是非やりたい!

>>58
雑食なので、何でもいけます!
うっきゃー!好きだなんてありがとう御座います!!めちゃ嬉しいです!!

>>59

花村 「せっかく触れ合える身体があるのに、二次元女子だけなんてもったいないよ!」

山田 「は、はあ……?」

花村 「そりゃあ、女の子はいいよ! でも、男もいいものだよ?」

山田 「あのぅ、花村先輩? おっしゃってる意味が我輩には解らんのですが……」

花村 「男の味をぼくがじっくり煮詰めるように教え込んであげるよ! って話だよ!」

山田 「ブヒィィィィ!?」


って感じのを想像しました。でも、山田君が受けになると、あの巨体に苦もなくズニュウできるのは、弐大さんくらいしかいない……。

苗木 「?!」

仁 「先に宣言した通り、止めないよ。泣かせて、鳴かせて、鳴き疲れて果てるまで」

苗木 「っ! うぁあっ!」

学園長の掌が、ボクの亀頭を摩擦し、その度に先走りでくちゅくちゅと水音がする。恥ずかしさが増して、下半身がそわそわして自然と爪先立ちになってしまう。

苗木 「ふぅ、う…っ…そこ、ばっかり……」

仁 「物足りないということかな?」

敏感な部分を刺激され続けるのが辛いという意味だったのに……多分、というより解っていて惚けている。ボクの言葉で、学園長は亀頭だけでなく、親指で裏筋を擦り始める。

苗木 「そうじゃ…あっ!! あっ、ゃあっ、も…イク! イっちゃ…ぁああっ!!」

痺れるような感覚が下半身に巡った瞬間、ボクの熱は窓に放たれた。白濁とした体液が窓を汚し、下へ伝って落ちる様は、自分の痴態を否応なく知らしめる。

異常な状況の中で感じて、さらには射精までしてしまった自己嫌悪と、それを外から見られてしまうかも知れない恐怖と羞恥心は限界に達し、塞き止めていた涙が溢れてきた。

苗木 「もう……やめてください……」

心からの懇願だった。

仁 「こんなに扇情的な君の姿や光景を前にしては、無理な相談だよ」

意地悪な声。学園長の手が、再びボクの亀頭を容赦なく扱く。

苗木 「いやだっ! やだっ! あうっ! いっ、ああっ!?」

射精後の敏感になっているところに亀頭ばかり攻められ、痛みが勝るむず痒さ、に身悶えて、涙はさらに流れて、喘ぎより悲鳴に近い声をあげてしまう。
それに構わず、学園長はボクの首筋や背中に口付けながら、空いた手は胸や脇腹の愛撫を始めた。
快感なのか苦痛なのか、頭が訳の解らなさでぐちゃぐちゃで、外のことも、後ろめたさも消えて、されて感じるままに喘ぎ続けた。

される内に、何かいつもと違う感覚が登ってくる。射精感よりも尿意に近いけど、それとも違うような、曖昧な感覚。

苗木 「がく…んあっ!…えんちょおっ…おしっこでそ…ぁ、やめてください……っ」

学園長の前で放尿なんて死んでしまいたくなる。

仁 「私は一向に構わないよ?」

苗木 「!? 」

信じられない一言の後、学園長の手の動きは激しさを増し、限界がくる。

苗木 「あぁあああぁああっ!!」

勢い良く飛沫があがる。自分から出たモノがやはり精子ではなかったことに愕然とする。やってしまった……。立ち直れそうにないくらい、心が折れてしまいそうだった。

苗木 「ふぅう……」

何故か学園長の手の動きに合わせてまだそれは出てくる。正気を保てなくなって、ついには声をあげて泣いてしまう。

苗木 「ううううっ」

仁 「虐め過ぎたかな。大丈夫、これは潮噴きだから……尿に近いみたいだけど……まあ、私が無理に誘発させたのだし、気に病むことはない」

苗木 「がくえんちょうのへんたいっ!!! きちくっ!!! えろおやじっ!!!」

仁 「おおぅ…激しいね……頭をぶつけるのはやめなさい…」

もう学園長相手だろうとなんだろうと、怒りが優先的に働いて、泣きながら罵倒して窓に頭を打ち付けた。こんなプレイをされた身にもなって欲しい。

仁 「嫌われたかな……それはもっともだけどね」

ボクの頭を撫でながら、ため息を吐いたのが解る。

苗木 「……」

苗木 「嫌いには……なってないです」

仁 「おやおや」

こんなリスキーで酷いことをされたにも関わらず、自分でも信じられないけれど、嫌いだとかは思っていない。言葉で抵抗して、さっきは罵倒までした相手なのに、気付いたばかりの感情の方が上回っているらしい。
“運命”という言葉に絆されてしまっているのだと思う。バカだと思う。

仁 「身も心も傷付けたのに?」

苗木 「……はい」

仁 「なら、我儘をいうけど、私を名前呼んではくれないか?」

苗木 「……仁、さん」

霧切 仁。それが学園長の名前。ボクは逡巡した後、下の名前を口にした。

仁 「断らないなあ、君は」

呆れている、面白いといった意味合いを含ませた調子で言われてしまった。
その後、学園長がボクの身体を向き直らせ、数分振りに対面する。

仁 「今度は私の眼を見ながらもう一度」

そんな期待に満ちた表情されたら、言わないのは気が引ける。ズルい人だなあ……これも計算の内なんだろうな。

苗木 「仁さん……」

仁 「私の名前を呼ぶだけでそんな真っ赤になるなんて、初々しいな」

悪巧みするような顔つきで、自分とボクの鼻先を触れさせてから、初めのキスとは違って、ボクに手解きするような、柔らかく優しいキスを交わす。
緊張感ではなく、心地良く胸が高鳴る。

仁 「あれだと、あまり気持ち良くはなかっただろうから、最後は気持ち良くイかせてあげよう」

仁 「可愛く鳴く君を見たいしね」

苗木 「そういうの言わないで下さい」

キツ目の語調ではっきり言うと、学園長は薄く笑ってから、ボクのモノを手淫する。
手加減のない攻めとは違い、緩急をつけて刺激される。快感による昂ぶりに身を捩らせてしまう。

苗木 「んん、ふぅ…じん、さん……きもちい、い…」

仁 「自分から身体を摺り寄せるくらい?」

苗木 「さっきの、より…すき…です……」

仁 「実に好ましいね。可愛いよ、誠君」

苗木 「なまえ…? いっ、あ!? はげし……んぅうっ!」

下の名前を呼ばれて驚く隙に、行為の手は速められ、程なく終わりを学園長の手の中で迎えた。
射精と潮吹きの後のためか、さほどの量は無かった。今ボクの精巣は空っぽなんじゃないだろうか。
心身共に疲れ果てて、肩で息をしながら学園長へ倒れ込む。

苗木 「つかれました……やすませて…ください……」

仁 「ゆっくり休むといい。お休み」

ボクの髪をやんわりとした所作で梳いた後、ふわりと身体が浮かび上がって、暖かく包まれる心地の中で、眠りに就いた。

苗木 「なんで窓の前だというのに、気にも留めずに事に及んだんですか?」

目が覚めると服を着せられていて、汚れた窓も綺麗になっていた。やっぱり学園長が全て片付けたのだろうか? それ以外だとしたら恐ろしいもんな……。

そして今は学園長に、あんな無茶なマネをするのに、余裕綽々だった理由を供述させようとしていた。それに対して、学園長は“ああ”と、特に何事もないような素振りで答える。

仁 「室内に電気でも点けない限り、外からは中が見えない仕組みになっているからだよ」

苗木 「えっ!?」

何だよそれ! それなら学園長の大胆不敵さにも納得はいくけどさ!!

仁 「怒ってる?」

苗木 「当然です」

ボクだけあんな思いをしてたなんて不公平だ。どれだけ不安で恐怖したことか。

仁 「でも私は君が好きだから、虐めたくて仕方がないんだ」

苗木 「好きは構いませんが、虐められるのは迷惑です」

仁 「じゃあ、付き合おう」

苗木 「何に対しての“じゃあ”なんですか? 人の話聞いてましたか?」

この人には本当に困らされてばかりだな。学園長なのに、行動原理が小、中学生みたいだ。呆れてしまう。

“付き合おう”と簡単に言うけれど、そもそも本当ならば、学園長と生徒という、知られれば糾弾されてしまうタブーだ。……戻るに戻れない微妙なところまで、ボクも進んでしまっているのだけれど……。

苗木 「もしバレたら大変、どころではないですよ?」

仁 「君を置いては逃げないよ」

にこりと軽い調子で笑う。この人はブレないな。ボクはやれやれと、肩を竦めてから答える。

苗木 「何で面倒くさそうな人、好きになったんだろ」

仁 「運命だからだよ」

その一言で全てが解決するとでもいうような口振りで、学園長は答えた。

苗木 「そうかも知れません」

ボクは本来、この学園に特別な枠がなければ存在しなかった人間で――
学園長と出会うこともなかったはずで――
でもこうしてボクはここにいて、この人はいて――

苗木 「よろしくお願いします」

仁 「喜んで」

自分の信念を貫こうとする大人でありながら、生徒であるボクより子供っぽいことをしたがるような、そんな人が、ボクの恋人になった。
普通よりも道は険しいけれど、それをどうにかできてこそボクらは“運命”なのだろうと、思う。

学園長×苗木編終了!
BLだと受け側の女々しさが……どうにかならんかな。


今度はノーマルのターン!

次の相手を安価下で指定 (女子のみ)
しかし、おまけでセレスさんは確定しているので、除外。

お相手戦刃ちゃん

きっかけを2つ下

まさかのきっかけ!!
しかし一向に構わんよ!前のこれ系のスレで、江ノ島×小泉編がセフレな感じで、罪木ちゃんを>>1が勝手に巻き添えにさせちゃったようなのもあるからね!


こんなえーろえーろ見たいなーってのがありましたら、良さげなのを組み合わせて書きます。全てが反映される訳ではないので、悪しからず。
適度にリクエストが集まりましたら締め切ります!

あ、複数人のプレイのリクエストあっても、今回の巻き添えは腐川ちゃんだけになります。ごっちゃりしちゃうので

命を狙われてた西園寺が超高校級の幸運に助けられて以来、狛枝を超高校級ロリベドにするため誘惑し続け、周りにロリコン疑惑を持たれて焦るんだけど、最終的には誘惑に負けロリ騎乗でアヘ顔ダブルピースする狛枝が見たい

苗木関係ないから辞めろってなら諦める!

ところでおまけのセレスさんて、2,3レスくらいで終わる本当におまけ的なものなの?
それともちゃんとプレイ安価も取って量的にも同等のやつを期待していいの?

>>74
なぜ、そこまで詳細を書き込むのに、ご自身で書かないのか!?
見たいのでスレ立てて下さい!立てたら是非ここでアナウンスお願いします!

>>78
ちゃんと安価とりますよ!苗木君で終わる予定だったから、おまけと称しているだけです!ご安心を!!

最後に一回上げますね。22時あたりに締め切ります。

リクエストありがとうございます!では締め切ります!

全角スペースを拾ったので、実験的に段落頭にスペースを入れてみました。
有と無しでは、どちらが読み易いか、是非教えて頂けたらと思います。

無しが良ければ、苗セレの時にスペースは入れません。

ボクには恋人が、ふたりいる。ふたりとはどういうことかと思うだろうけれど、初めて付き合いだした相手は腐川 冬子さん。彼女と身体を重ねていたら、ふたり目の恋人の戦刃 むくろさんに見られていたようで “愛人にして欲しい”と懇願され、ボクが折れたことに始まる。
 愛人というのも嫌で、恋人はふたり、とボクはしている。


―――――――――


腐川 「なえ、ぎ……そこ、だめっ!…やぁあっ!!」

苗木 「腐川さん……綺麗だよ」

 月の光だけで薄暗がりな教室内。ボクと恋人の腐川さんは、一糸纏わぬ姿で高め合っていた。
 彼女の闇に溶け込むような黒髪、それとは真逆に、日頃日を浴びておらず不健康に白い素肌が、今は熱を帯びて赤らんでいる。ボクはその光景に欲情する。

腐川 「あっ! ひ、ぁあっ! くぅっ、あ!」

 ボクが動けば机が音を立てて揺れ、腐川さんもその華奢な身体を捩らせる。

 こんなことをした翌日に、何もない素振りで変わらない日常を、ボクたちはこの教室で過ごすのだ。
 普段学び舎として、クラスメイトと共有し過ごすこの教室を、逢瀬の場として、ましてや行為の場てして利用するのは後ろめたさの中に、興奮を覚えてしまう。

 過去の対人的なトラウマから、話しかけると被害妄想を膨らませて喚き散らしたり、扱いに困った彼女。しかも、ボクと恋仲になる以前は別の人に行為を寄せていた腐川さん。
 自分に腐川さんを貶めたりする意思はないと、毎日少しずつ距離を詰めていくうちに、ボクは腐川さんを好きになっていた。だからボクから腐川さんに告白した。もちろんその時は断られた。それでも変わらず話しかけるうちに、今度は腐川さんから告白された。

 ボクが告白してから彼女が答えてくれるまでは長かったけど、付き合い始めてから一線を越えるまではそう時間は掛からなかった。求めてきたのは彼女だった。
 繋がりがないと不安で仕方ないと言う彼女。ボクは初めはやんわりと、もう少し先にしようと提案した。それに癇癪を起こした腐川さんに情けなくも押し倒されてなすがまま、されるままに受け入れてしまった。自分は理性を保てない男なんだと、その後ものスゴくヘコんだ。
 今は頻繁に彼女から誘われては、こうして結びついてしまう。終わった後、幸せそうな表情で笑うものだから……解っていながら結局はそうなってしまうのだから、やっぱりボクはダメな男だ。

 次に活かすこともない無意味な反省をしたところで、腐川さんとひとつになるようなつもりで、奥へ、深くへと突き上げ、ゴムの中に欲を吐き出す。

腐川 「きっ……!~~~~っ!!」

 腐川さんの背が仰け反り、絶頂で彼女の膣内が狭まるのを感じた後、声にならない声を漏らしながら彼女も果てた。

 暫く腐川さんと繋がったまま、ボクは上がった息を整える。しかし、腐川さんを見ると、ぴくりとも動かない。

苗木 「腐川さん、大丈夫?」

 心配になって声を掛けても、返事がない。まさか気絶……? それはマズい。次に目が覚めるのは腐川さんではなく、あいつだから……!
とりあえず、あまり腐川さんの身体を揺すらないように努めて、収まっているモノを引き抜こうとした、その時――

ジェノ 「んんんー? まーくん? なぁ~んですっぽんぽんでアタシの前にいんの? アタシをそのモヤシバディで誘ってるワケェ? ゲラゲラゲラゲラっ!!」

苗木 「ジェノサイダー……」

 目覚めたばかりの彼女の別人格は、今自分がどんな状況にいるのか理解していないみたいだ。そういえば、最近、変わる頻度が落ちていて、ジェノサイダーはボクと腐川さんが付き合っていることをまだ知らないんだった。

 今の状況っ……殺されるかも知れない。
 彼女の別人格であるジェノサイダー翔は、巷を賑わせた殺人鬼だからだ。腐川さんの左の太腿にはジェノサイダーが殺した人間の数を表す『正』の文字が逆さに、刃物で痛々しく刻まれている。
 ボクはジェノサイダーの言う“萌える男子”には含まれていないけれど、今なら関係なく殺されてしまう気がする。

ジェノ 「つかさびィ!! なんか寒いんデスけど!!……あらあらあらあらあらあらあらあらあらららら~ん?」

ついにジェノサイダーが自分の姿と状況に気付く。

ジェノ 「まーくんってば、根暗を襲っちゃったワケ?」

 何事もないように、ジェノサイダーはいつもの調子で訊ねてくる。この先が怖い。

苗木 「いや、付き合ってるんだけど……」

ジェノ 「ハァ? あの根暗ってば白夜様から、こーんなアンテナ以外特徴のない男に乗り換えたワケ? んなワケねーじゃん!?」

苗木 「いや、本当に腐川さんと…… 」

ジェノ 「あー? メンドクセーから殺していーい? アタシとあいつの純を奪っちったんだからぁ、報いを受けてねん☆」

 ボクが説明している途中で、面倒臭そうに言い放った。ダメだ、理解する気ゼロだ。

苗木 「いい訳ないだろ!!」

ジェノ 「つかハサミがねェし! おい! お前どこやった!!」

 いつも太腿に装着しているハサミのホルスターがないことに気付いて、ボクに掴み掛かろうとする。それをとっさに肩を掴んで机に押さえ付けた。

ジェノ 「モヤシの癖に、アタシに勝てると思っちゃってるんじゃねーだろーな?」

苗木 「ゴメン、腐川さん!!」

 眠っている主人格である腐川さんに謝る。上手くいくかは解らないけど、もう一度気絶させれば……!

ジェノ 「何する気……うあっ!?」

 繋がったままの身体を、ボクはもう一度必死に動かした。

ジェノ 「や、やめ…あんんっ!……はぁあっ!」

 人格は違っても、身体は同じ。腐川さんが感じる場所が、ジェノの感じる場所でもあるはず。

ジェノ 「まー、くんの…ぁっ…! 癖にぃ! 気持ちいいぃぃ!!」

 ジェノサイダーは快感に脚を浮かし、腰を自ら動かし始める。ボクの肩に腕を伸ばして掴んで、爪を食い込ませる。爪が痛いけど、そんなの気にしていられない。
胸も一緒に攻めて、追い詰めにかかる。

ジェノ 「っ!? 最高ぉに殺したいぃ! んああっ! 殺させろぉおお!! きぃっ! ああああああっ!!!」

苗木 「っ!」

 ボクの肩を地が滲む程、爪を深く食い込ませ、肢体を痙攣させながら、ジェノサイダーも意識を失ってしまう。

苗木 「……疲れた……」

 二度目の射精と、暴れるジェノサイダー相手の後で、身体が重く感じる。ボクはまたぼんやりとしながら、今度こそ腐川さんから身体を離して、別にまた処理するためにゴムを外してから、彼女の衣服を拾い上げる。

 その時、教室の扉の開く音がした。心臓が跳ね上がり、弾かれたように扉を振り返る。姿を現したのは――

苗木 「い、戦刃……さん」

戦刃 「こんばんは、苗木くん」

 何故か彼女の第一声は挨拶だった。驚いて脂汗を流すボクとは対象的に、戦刃さんは冷静な顔つきのまま、ボクと気絶している腐川さんを見つめていた。

苗木 「あの……これは……」

 いい訳しようと頭をフルに回転させてはみても、この状況を乗り切れるいい訳なんて無理な話。ボクは二の句を継げずに口を引き結ぶ。

戦刃 「……観てた。だから、ふたりが何をしていたか……知ってる」

苗木 「えっ!??」

 まさかの一言だった。

苗木 「ど、どこから!?」

戦刃 「うーん? 全部?」

 首を傾げながら戦刃さんは答えた。嘘だろ?

苗木 「あの…」

 どうしていいのか解らないけれど、このことを公にしないようにお願いして、土下座でもするべきか?いや、戦刃さんは言いふらすとか、そんな俗っぽいことはしないだろう……。

ボクの頭の中ではパニックを起こしていた。

戦刃 「苗木くん」

 やはりそんなボクとは対象的な戦刃さんは、一歩ボクに近付いた。

苗木 「な、何?」

 泳ぎそうになる眼を必死に戦刃さんに向けながら、裏返る声で訊ねた。

戦刃 「黙っていてあげるから……私をあなたの愛人にして欲しい」

苗木 「……は?」

 予想もできない戦刃さんの言葉に、一瞬頭が停止して、間抜けな声が出てしまう。

戦刃 「私も、苗木くんに……その…腐川さんみたいに…して欲しくて……」

 思考が停止した。

苗木 「……」

戦刃 「……」

苗木 「いや……ボクには腐川さんがいるから」

戦刃 「うん。だから、愛人」

苗木 「だから、無理なんだ」

戦刃 「お願い」

苗木 「……なんで?」

戦刃 「さっきの苗木くん、男らしくてカッコ良かった」

戦刃 「だから」

苗木 「……」

 え!? どうしたらいいんだこれ?! ループしそうだぞ!??

腐川 「んん……」

 待て! このタイミングで起きるのか!?

腐川 「苗木……? どこにいっ……いいいい戦刃 むくろぉ!?」

戦刃 「こんばんは」

 金切り声をあげる腐川さんと、やっぱり挨拶する戦刃さん。それに挟まれるボク。
 これって……修羅場?

腐川 「ななな、何で戦刃がいいいいるのよぉー!!」

戦刃 「全部観てたから」

腐川 「はあああああっ!?」

 静と動のぶつかり合い。どうしたらいいか解らず、ふたりのやり取りを眺めるしかなかった。

腐川 「ま、まさか、あたし達を、お、脅そうっていうんじゃななないでしょうね?!」

戦刃 「そんなつもりはないんだけど……苗木くんの答えによったら……そうするかも?」

 どういうことかと、腐川さんがボクに鋭い視線を向けてくる。

苗木 「戦刃さんが、ボクの愛人にしてくれって言って来て、ボクには腐川さんがいるからって断ってたところなんだ」

腐川 「はあああああ??! 何よそれ!?」

戦刃 「だって…私も苗木くんと……したい」

腐川 「身体だけってことぉ?」

戦刃 「ううん……苗木君のこと、好きだよ」

戦刃 「でも、苗木くんは腐川さんが好きだから」

腐川 「……前々から思ってはいたけど、訳解んない女ね」

腐川 「あんたなら苗木くらい組み敷けるでしょうに」

戦刃 「無理やりは怖い」

腐川 「はあ? あんたがってこと?」

戦刃 「だって、嫌われる」

腐川 「……あんたって、つくづく残念ね」

戦刃 「盾子ちゃん以外に言われるのは何か嫌だなぁ」

 重かった空気が、戦刃さんのどこか緩い返しのせいか、緩和されていく。

腐川 「でも苗木が断ってるのに、まだ粘ってるんじゃ、無理やりと変わんないわよ」

戦刃 「あ……そうか……」

 腐川さんの言葉に、戦刃さんは、はっとしたように眼を見開いた。その後、何かを考えているのか“うーん”と唸っている。そして、それに答えを見出したのか、戦刃さんの目付きや顔つきは軍人のそれに変わっていた。嫌な予感がする。

戦刃 「だったら、無理やりでもいいや。苗木くんが“いいよ”って言ってくれるだけでも」

苗木 「何を……っ!!?」

 ボクが言葉を発した直後、真横で風が吹き抜けた。

苗木 「え?」

腐川 「は?」

 後ろを振り向くと、戦刃さんはボクの衣服を手にして立っていた。さすがは軍人。身のこなしが常人離れしている。

戦刃 「服がないと苗木くん、ここから出られないよね?」

マズい……まさかの人質……じゃないけど、交換材料に服を盗られてしまった。

腐川 「ちょっと、あああんた、いい加減にしなさいよ!!」

 ボクより先に腐川さんが声を荒げる。

戦刃 「お願い。苗木くん、腐川さん。我儘も意地悪もして……でも、私……好きな人がいいから」

戦刃 「二番目…ううん…好きじゃなくてもいい……苗木くんが欲しい」

苗木 「……」

腐川 「……」

 自分の気持ちを言葉にするのが苦手な戦刃さんが頑張ったんだろうけど……二番目だとか、好きじゃなくてもいいだなんて……やっぱり残念な人だなぁ。

腐川 「あ、あんたバカなの? 残念にもほ、程があるわよ!」

……だよね。

 戦刃さんは悪い人ではないし、そこまで思ってくれるのは嬉しいけど、やっぱりボクには腐川さん以外の人と関係を持つなんて考えられない。この際、服は諦めてはっきりと断って――

腐川 「解ったわ」

苗木 「え?」

戦刃 「!!」

 ボクが断るより先に腐川さんが答えた。今“解った”って言ったよな? それは戦刃さんを、ボクの愛人にしてもいいって了承だよな? ボクの意思は!?

苗木 「腐川さん、ちょっと待ってよ!」

腐川 「ただし!」

戦刃 「!」

 慌てて抗議しようとしたところで、腐川さんが戦刃さんに向けて警告するように指を指す。

腐川 「苗木にキスするのは禁止よ!!」

戦刃 「! それでいいの?!」

苗木 「えええ!?」

戦刃さんは声を弾ませ、身体まで揺らして喜んでいる。
 一応、というか、当事者であるボクが蚊帳の外なんだけど! 勝手に女子ふたりで話して解決している?! ボクの意見も聞いて欲しいんだけど……!!

苗木 「ちょっとふたり共……」

腐川 「苗木! 戦刃にキスしたら殺すわよ!!」

苗木 「え?……はい」

 え? もう決定事項なの? 反論すらさせてもらえないんですか?
 腐川さんはこういうの絶対許さないと思っていたんだけど……。

苗木 「何で、許可したの?」

腐川 「そりゃあ、い、嫌よ。好きな男が他の女とつつ、繋がり合うのなんて……でも、戦刃の諦めきれない気持ちも……解っちゃたから…よ」

戦刃 「ありがとう腐川さん!!」

 戦刃さんは、今まで見たことないくらいの満面の笑顔を咲かせながら、腐川さんの手を取りはしゃいだ。

腐川 「さ、触らないで! 離しなさいよ!」

戦刃 「あ、ご、ゴメンね? 」

腐川 「後、苗木に服返しなさいよ」

戦刃 「そうだった。苗木くんもゴメンね」

 戦刃さんは振り返ると、ボクの衣服をようやく返してくれた。

 まさかこんな展開になるだなんて、思いもよらなかった。誰も考えないよな、普通。
 恋人ととの情事を第三者が観ていて、その第三者が自分の愛人にしてくれと頼み込んできて、さらには恋人はそれを、自分の意見はまる無視して承諾してしまうだなんて……昼ドラかよ。

戦刃 「私ともよろしくね、苗木くん」

苗木 「……はい」

 そして、ボクは考えることを放棄した。

 状況的には血を見てもおかしくはない場面なのに、どこか間の抜けるやり取りの末、問題は収束した。とはいえ、人に言えない秘密が増えてしまった訳だが……。

苗木 「不安だ……」

 流され続ける自分の不甲斐なさに、重いため息を吐いた。

 これが、腐川 冬子、戦刃 むくろ、ふたりの恋人ができた経緯だ。

苗木 「おはよう」

石丸 「おはようございます!」

朝日奈 「おはよー! 苗木!」

大神 「おはよう」

舞園 「おはようございます、苗木君」

 まだ人数の揃っていない朝の教室。ボクはいつもと変わらない挨拶をして入ると、すでに来ている人達が返してくれる。
 昨夜、ここで修羅場が繰り広げられていたなんて思えない程、なんとも平和的な風景だ。

 昨夜の痕跡は残していないし、普段ボクと腐川さんは会話はするけれど、他の人と変わらない程度の接触しかしていない。
 付き合っていること自体は別に知られてもいいんだけど……身体の関係はちょっとマズいよな。特に石丸クンに知れたら劣化の如く説教されそうだ。
 誰にも知られることはないと思っていたのに――ボクは静かにこちらを見ている戦刃さんに目を向けて、彼女にも挨拶をする。

苗木 「おはよう」

戦刃 「お、おはよう!」

 普段とは違い頬を染めながら、テンション高めに戦刃さんは応えた。この彼女の大きな変化はちょっとマズい気がする。

朝日奈 「あれー? 今日は戦刃ちゃんスッゴいご機嫌だね! なんかいいことあったの?」

 それに即座に気づいた朝日奈さんが、ボク達の側まで駆け寄る。朝日奈さんが色恋に疎いとはいえ、戦刃さんの変化にボクに“片想いしている”くらいは思うかも知れない。

戦刃 「うん。……ちょっとね」

 戦刃さんは照れ臭そうにはにかんで答える。いつも無表情を貫く彼女も、これ程に乙女な一面をみせるのかと、驚くくらい珍しい表情だ。正直、可愛いと思う。もっと今みたいに笑うようになったら、クラスにもっと馴染めるのに。

朝日奈 「なになにー? 戦刃ちゃんがそんなにご機嫌になるいいこと知りたい!」

戦刃 「……秘密」

朝日奈 「えー! ケチんぼー!!」

苗木 「ははっ」

 ボクはいつものように振舞っているけど、戦刃さんがチラチラと目線を寄越してくるのが空気で解る。綱渡りのようで、危なっかしい。秘密は作るもんじゃないな。

腐川 「おはよう……」

苗木 「おはよう、腐川さん」

朝日奈 「おはよー!」

戦刃 「おはよう」

 少しして、腐川さんもやって来て、ボク達を一瞥した後、何もない素振りで席に着いた。腐川さんは変わりなく、いつも通りだ。

朝日奈 「そういえば最近、腐川ちゃん十神追いかけなくなったね。しかも、雰囲気柔らかくなったみたいで、近付き難い感じと被害妄想が無くなっていい感じだよね!」

戦刃 「それは、苗木くんが……」

苗木 「!!」

 戦刃さんは言いかけてから、直ぐに口を噤んだ。軍人なのに迂闊過ぎるよ……戦刃さん。

朝日奈 「ん? 苗木が関係あるの?」

戦刃 「えっと……ほら、苗木くんが毎日話しかけてるから、大分人と接することに慣れた……みたいな? 私みたいに」

朝日奈 「あー! なるほどねー!!」

 朝日奈さんは掌を合わせて納得といった様子で頷いてくれる。

朝日奈 「苗木って、たらしだよねー。男女関係なく攻略してるもんね」

苗木 「攻略? そんなつもりはないんだけど」

戦刃 「朝日奈さんまでたらし込まれたら……勝てない。困る」

朝日奈 「どういうこと?」

苗木 「もういいよ、その話は! ほらほら、席に着こう!」

慌てて話を中断させる。前半はまだいいとして、その後はダメ! 心臓に悪すぎる!

朝日奈 「えー? まだ時間あるよ?」

苗木 「いいの!」

朝日奈 「苗木が怖いよー」

 不服そうに唇を尖らせる朝日奈さんの背を押してから、自分の席へ逃げようとしたところで、手に何かが差し入れられた。

苗木 「?」

 手を見ると、何かの正体は紙だった。横に立つ戦刃さんを見てみると、こちらをみていたから、多分彼女からのメモだろう。席に着いてそれを開く。

『一時限目の後、購買に来て下さい』

 戦刃さんはボクがメモを読んだことを確認した後、彼女も席へと移動した。
 昨日のことについてだろうか? 何を話すか解らないけど、行くしかないよな。

 一時限目はモヤモヤとしつつ、いつにも増して授業に身が入らず過ごした。

新しいスレあったんだ
この>>1の書く文章好きだから楽しみ

>>99
おおおう!ありがとうございます!
でも無学なもので、語彙や表現力、他諸々が乏しくてマンネリしてるのが気になります。

 一時限目が終わり、自由時間。ボクは指定された通りに購買に来た。ここはいつ来ても物に溢れてるな。日常に必要な物から、用途がまるで不明な物まで、品揃えが謎けど、仕入れている人間の趣味が入っている気がする。
 しかし、こんなところで何の用だろうか? 手近にあるものを物色しながら、戦刃さんが来るのを待った。

戦刃 「苗木くん」

 扉が開く音と、戦刃さんの声に振り向く。表情はいつもの彼女だ。

苗木 「何か話があるの?」

戦刃 「うん。今日、私の部屋に来てもらってもいい? 腐川さんと一緒に」

苗木 「腐川さんも?」

戦刃 「やっぱり、いきなりふたりでって、腐川さんに悪いから……交ぜてもらう形ならどうかなって、思ったから」

苗木 「積極的っていうか、大胆だね……」

戦刃 「えへへ」

 褒めてる訳ではないんだけど、まあ、戦刃さんらしい気はする。昨日から唐突に、戦刃さんの感情表現が豊かになったな。ちょっとそれを見るのは楽しい。
 それにしても、本気でそういう関係を結びたいんだな…戦刃さん。腐川さんが了承してるとはいえ、やっぱり抵抗がある。ひとりを大事にしたいというのが、ボクの中であるからだ。戦刃さんの今の様子だと、思い直してはくれないだろうけど。
 
昨日の今日か……三人ってハードル高いし、ボクの体力が危ういな。

苗木 「で、ここには何か買いに?」

戦刃 「やっぱり色々と用意しないといけないんじゃないかと思って」

 流れからしたら、そうだよな。

苗木 「ここ、学校だよ? さすがにその手のは扱って……まあ、うん…ないよね」

……こけし以外は。

戦刃 「え? そ、そうなの?」

苗木 「戦刃さんが用意しなくても、今日使う分ならまだあるから大丈夫だよ」

戦刃 「ゴメンなさい」

 しゅんとする戦刃さんは、無傷で戦場を生き抜いてきた軍人だとは思えないくらい、普通の少女だ。

苗木 「謝ることはないよ」

苗木 「でもなんで、その……ボクとすることにこだわるの?」

 今のボクには腐川さんがいるし、戦刃さんにはもっと彼女を理解して、もっと大事にしてくれる人がいるはずだ。言動からして、彼女に経験はまだなくて、ボクで処女を捨てる気らしいけど、ここで無理に捨てるのは早計だと思う。

 戦刃さんはボクの質問に、困ったように笑った。

戦刃 「……戦場では感情を殺せって言われてきた。それ以外のところでは普通に過ごせる。でも私は不器用だから……ずっと感情を殺して、人となるべくは接さなかった」

戦刃 「みんないい人達。私のことを理解し過ぎて、説明下手の私の言葉を汲んで代わりに説明してくれる人もいたくらい」

戦刃 「でも、我儘なのは解ってるんだけど……自分の言葉で、全部話したい」

戦刃 「苗木くんは、待ってくれる。私の言葉を、疲れた顔しないで最後まで聞いてくれる 」

戦刃「盾子ちゃんもたまに私の言葉を遮っちゃう……だからなのか…解らないけど……苗木くんに、甘えたくなった。それが始りだと、思う」

戦刃 「一度動いた気持ちって、止まらない……苗木くんもそうじゃないの?」

 付き合う前の腐川さんのことか。確かに、一度ボクは振られていて、変わってないつもりでも……諦めきれないで話し掛けていたのかも知れない。

苗木 「……そうだね。うん、なるほど」

 戦刃さんの気持ちを少し理解した。なおさら愛人だなんて扱いは嫌だ。

苗木 「戦刃さんはふたり目の恋人」

戦刃 「え?」

苗木 「ボクも決心が着いたよ、だから」

戦刃 「……うん」

苗木 「今夜は……よろしく」

戦刃 「うん」

 その後ボク達は一緒に購買から出て、なんてことない話をしながら教室に戻った。

>>100 自分はマンネリとは感じないけど、今までの主人公(日向・小泉・苗木)がみんな常識人っていうのが
一人称の地の文が似ていて>>1がマンネリだと思う原因?
罪木とか終里みたいな思考がぶっ飛んだのが主人公だとまた違うんだろうけど(書くの大変そう)

>>103
思考がぶっ飛んだのなら江ノ島とか狛枝とかじゃねえの
罪木や終里はふつうやろ

マンネリ感じないけどなぁ…主人公は常識人じゃなくてもいいと思うけど個性がありすぎるのもって感じかね
霧切や七海や舞園らへん好き(自己中並の感想)

日寄子か澪田辺りが最低限の常識を持ちつつ遊べるんじゃないかと思った

>>103>>105
文体一緒やなー、語彙少ねーなー、見直すと文法おかしくね?ってなったりするのですが、自分が思うだけでそうでもないのでしょうか?
エロの文体はともかく、内容に関してはみなさんのリクエストのお陰で、バリエーション豊かで助かります!
みなさんのエロリクエストを活かせるように頑張ります!

>>104
罪狛で狛枝の一人称をしましたが、めっちゃ普通になりました……

>>106
次のこれ系はヒロインでって思っていたけど、思い返せば、小泉ちゃんで大苦戦していたことを忘れていました。
女性らしく、ソフトな表現!って考えて、頭がこんがらがりながら書いてました。女子視点って難しい。

澪田ちゃんはバランスとるの難しそうだ……個人的に、一番性的なことに結びつかない感じがするんで余計に

腐川 「お、お邪魔、します」

苗木 「遅かったね」

 緊張した腐川さんの声に、先に戦刃さんの部屋に来ていたボクが迎えた。

腐川 「さ、三人でなんて、はははじ、初めてだから……足が進んでく、くれなくて」

苗木 「震えてない?! 大丈夫?」

腐川 「解らない……」

苗木 「やめた方がよくない?」

腐川 「そ、その内なな、慣れる、わよ……自分で許可出したけど……やっぱり、ふ、ふたりきりなんて……」

腐川 「……い、戦刃は?」

 部屋を見渡した腐川さんが、部屋の主である戦刃さんがいないことに気付いた。

苗木 「シャワー室にいるよ」

腐川 「そう……」

苗木 「何だか戦刃さん、ボクが体臭フェチなんじゃないかって勘違いしてて、昨日からシャワー浴びてないって言ってたから、どうなるかと思ったよ」

腐川 「こういう時はあたしだってちゃんと風呂に入るわよ! 失礼な女ね!!」

 そうは言うけど、仕方ないんじゃないかな……日頃の行いってヤツだよね。

 戦刃さんの部屋は、机に見ちゃいけない危険なモノがある以外は簡素だ。というか、机の上のモノ……この学園どうなってるの?
 とりあえず、ベッドに掛けてくれと言われていたから、ベッドにふたりで腰掛けて、戦刃さんが出るのを待つ。

腐川 「見事になにもない部屋ね」

苗木 「そうだね」

腐川 「……」

苗木 「……」

 他人の部屋で、これからしようとしていることを考えると、どうしても無言になってしまう。話題を探したいけど、段々と心臓の脈が早くなって邪魔をしてくる。

腐川 「後悔してるわ……なんで戦刃をあんたの愛人にしてもいいなんて言っちゃったのか」

苗木 「え?」

腐川 「今朝、あんた達が一緒にいるところ見て、嫌だったわ。そのままあんたがあいつに乗り換えるんじゃないか、あたしを捨てるんじゃないかって……早々に考えたわ」

苗木 「あははっ。良かった」

 不安に思っていたことが、解消された。

腐川 「な、何笑ってんのよぉ! こっちは真剣なんだからねぇ!!」

苗木 「妬いてくれてたんだ」

腐川 「あ…当たり前でしょ……あんたはあたしの……彼氏なんだから」

 思うより腐川さんはボクを好きではないんじゃないかって、気になっていたから、そうじゃなかったんだって解ってよかった。

苗木 「腐川さん可愛い」

腐川 「うるさいわね」

 悪態を吐きながらも、気恥ずかしそうに目を逸らす腐川さんが余計に可愛くて、頭を撫でる。ボクのその手を腐川さんが取って、愛おしそうに頬ずりして、掌にキスをする。

腐川 「この手があいつにも触れるのね」

 そう呟きながら、自分のモノだという刻印をするように、ボクの手に口付けを施していく。こんなことされたら……堪らない。押し倒してしまいたくなる。

苗木 「腐川さん」

 呼び掛けると、くすぐったそうに笑う。華奢な彼女の身体を抱きしめた。

腐川 「苗木…」

 腐川さんの腕がボクの背中に回ったその時――

戦刃 「……あれ? もう始めてる?」

 シャワー室から出てきた戦刃さんが、抱き合うボク達をみて狼狽えていた。

苗木 「あ……ゴメン」

戦刃 「ううん。いいよ。しばらく見学してからにしようと思ってたから……」

腐川 「け、見学ぅ?」

 見学という単語が意味すること……観られるのか。昨日も観られてはいたんだけど、やっぱり視線を意識するのとしないのとでは、緊張するしないも変わってくる。

戦刃 「自分ならどうされたいかなって、考えたいと思って……」

腐川 「……熱心ね」

 呆れた、といったため息を漏らしてから、腐川さんはボクに向き直る。その時、腐川さんの眼がキッと鋭くなった。

苗木 「え?」

腐川 「だったら……見せつけてやるわ」

 腐川さんが、まさかのやる気!? 対抗心で燃えている!!

 腐川さんは眼鏡を外すと、ボクの首に腕を回して唇を重ねてきた。突然始まって一瞬戸惑ったけど、腐川さんに応えるべく、ボクも抱きしめた腕に力を込めて、口付けを深くして、舌を触れ合わせ、絡ませる。

腐川 「ん…ん、ふ」

 時折聞こえる彼女の吐息に、気持ちが昂ぶってくる。貪りつくすつもりで角度を変えて、夢中で咥内を侵していく。

戦刃 「やっぱりいいな……キス」

苗木 「!」

 ぽつりと戦刃さんの呟きが聞こえてきて、観られていることを思い出す。

腐川 「雑音なんて……気にしてないで、あ、あたしだけ見てなさいよ」

 上目でボクを睨みながら、腐川さんはボクの服に手を伸ばし、脱がしに掛かる。ダメだ衝動が抑えられない。

苗木 「……そんなこと言われたら、燃えるよね」

 腐川さんがある程度脱がしてくれたところで、残りを自分で脱ぎ捨てる。あまり男らしいとはいえないボクの身体に、腐川さんの細い指が這う。そわそわとした感覚を楽しみながら、ボクも腐川さんのブラウスに手を掛ける。

腐川さんはおしゃれに興味がないのか、制服の姿しか見たことがない。今度服をプレゼントしてみよう。
 そんなことを思案しながら、ボタンをひとつひとつ外す度に、ブラウスは肌を隠す役割を失っていく。そして、上半身を隠す布はブラだけ。背中に腕を回してホックを外し、女性の象徴を暴く。

 それほど大きくはないけれど、形が綺麗だと思う。その形の良い胸を、ボクの手で崩してしまう。

腐川 「っ……」

 手で覆うようにしながら揉み込んでいくと、腐川さんが首をゆるゆると振って、ボクに縋りつく。感度の上昇を示すように、胸の飾りは膨らみ、硬くなっていく。もっと刺激を求めて誘われているようで、片側を手で、もう片側は堪らず舌で愛撫する。

腐川 「あっ…うぅっ」

 ボクの頭を抱えるように身悶えて、声も漏れはじめる。それを見計らって、下腹部の辺りも焦らすように指先で愛撫する。

苗木 「腐川さん、スカート脱いで」

 下から顔を覗きこんでみると、普段とはまるで違う、匂い立つような、少女の顔ではない彼女がいた。

舞園ちゃん誕生日おめでとう!
一本書きたかったな

まさか反応があるとは……!
書いてもいいとのことなので、エロはなしの短い苗舞書きたいと思ってたので、七夕も誕生日も関係ない日になってしまいますが、最後に書こうと思います!!

 興奮でぞくりとする。

腐川 「何笑ってんのよ」

 どうやらボクは自然と笑っていたらしい。でも、そういう腐川さんだって――

苗木 「お互い様だね」

腐川 「ふん…」

 腐川さんがスカートを脱ぐ間にも愛撫する手を休めず、胸の飾りを思いきり吸い上げる。

腐川 「ぁっ…んゃ、あっ……」

 微かに聞こえていた程度の声がはっきりとした喘ぎに変わっていき、身体が汗ばんできている。

 スカートが下ろされ、その先を隠すモノは下着一枚になる。下腹部から、さらに下へと手を進め、下着を下ろして、露わになる腐川さんの秘部へと指を潜らせる。

腐川 「~~~~っ!」

 もう少し準備が必要かな? ゆっくりと、彼女の濡れはじめた花弁を擦りあげ、程なくして分け入り指を進めていく。
 最近は腐川さんが悦ぶ場所を的確につけるようになった。そこを擦ると、蜜が溢れる。

腐川 「なえぎ……っ」

 腐川さんの手が昂ぶっているボクのモノに触れる。

苗木 「いけそう?」

 ボクの問い掛けに、腐川さんは頷く。

腐川 「あたしが着けるわ」

用意していたゴムに手を伸ばした時――

戦刃 「私も交ざりたい」

苗・腐 「あ……」

 見学していた戦刃さんが、直ぐ横に音もなく来ていた。すっかり没頭していて、申し訳ないけど、戦刃さんを忘れていた。

苗木 「えっと……どうしよう?」

三人でする勝手が解らず、戸惑っていると、戦刃さんが手を挙げる。

戦刃 「苗木くんに相手してもらうんじゃなくて……腐川さんに私もしてあげたいと思う」

腐川 「は?」

戦刃 「これで」

 言うや戦刃さんは、男のモノを象った玩具をボク達に見せた。

苗木 「バイブ?」

腐川 「あ、あんたが使ってるヤツでなんか嫌よ!!」

戦刃 「大丈夫、未使用。盾子ちゃんから貰ってたけど、使い道なくて……」

 えええ!? 江ノ島さん何をプレゼントしてるんだ?!

腐川 「……使わないなら捨てなさいよ」

戦刃 「盾子ちゃんから貰った物、捨てられない」

腐川 「使うったって……まさか……」

戦刃 「お尻の方に」

腐川 「いいいい嫌よぉ!!」

戦刃 「腐川さんが気持ち良さそうにしてるところ観てたら、可愛くて……私も気持ち良くしてあげたくなって……」

戦刃 「ダメ?」

 声を荒げる腐川さんに対して、いつもと変わらない、淡々としている戦刃さん。腐川さんは眼をキョロキョロさせて、動揺しているようだ。

腐川 「だって……そんな……」

戦刃 「今日は苗木くんとするの我慢するから」

腐川 「ぐぎぎぎぎ」

 ついには頭を抱えて腐川さんは呻きだした。昨日のように、ボクは蚊帳の外。とりあえず、ふたりがどう決断するのか見守ることにする。……今の内にゴム着けとこうかな。

戦刃 「頑張って気持ち良くする」

腐川 「ぬぐぐぐぐ」

腐川 「……こ、今回だけだからね!

戦刃 「何だかんだで、腐川さん押しに弱いね」

腐川 「ぎいいいい! うるさいわねー!! 自分が嫌になるわよもおおおおっ!!」

苗木 「終わった?」

戦刃 「うん。私もこれで交ざることになりました」

 そう言いながら、戦刃さんはバイブのスイッチを一度入れる。低い振動音をさせながら、ソレは震えだす。
 二穴攻めか……なかなかハードだけど、腐川さん大丈夫かな?昨日みたいに気絶でもしたら大変だ。

戦刃 「ローションと、手に着けるゴム借りるね」

苗木 「いいよ。バイブもゴム着けとこうか」

戦刃 「ありがとう」

腐川 「なんであたしなの?」

戦刃 「まあまあ」

 とりあえず、戦刃さんを交えての準備をして、ボクは仰向けに寝転んで、両腕を腐川さんに差し出した。

苗木 「腐川さん、おいで」

腐川 「……」

 何かを言いたそうにしながらも、ボクの上に素直に股がってくる。

腐川 「ま、まさか後ろまで挿れられるなんて、お、思わなかったわ……」

苗木 「腐川さんには悪いけど……ちょっと興奮してきた」

腐川 「……変態」

戦刃 「解してくよ」

腐川 「……っ」

 戦刃さんが呼び掛けて、腐川さんの蕾に触れたらしい時、腐川さんの顔は火が出る勢いで赤くなる。

腐川 「や、だ……周り撫でられてる…だけなのに……」

戦刃 「気持ち良い?」

腐川 「き、聴かないで!!」

 ボクからはどうなっているのか解らないけれど、腐川さんの言葉と表情からして、感じているようだ。腐川さんはそっちの才能もあるのか……今度頼み込んでみようかな……。

腐川 「うぐっ!! あっ……い、いきなり指、挿れな……はぐっぅ!」

戦刃 「深呼吸して落ち着いて」

腐川 「ふ、ぅう」

 ビクビクと腐川さんの身体が小刻みに震えて、ボクと眼が合うと、泣きそうな顔をする。

腐川 「み、みないでよぉ!」

 そんなことを言われても……。

苗木 「後ろが気持ち良いの、恥ずかしいから?」

腐川 「ん、くっ……そ、そう…よぉ!」

苗木 「可愛いのになぁ」

戦刃 「そろそろ……かな?」

腐川 「んんんっ!!」

 頃合いとみた戦刃さんが指を引き抜くと、腐川さんの身体が跳ねる。初めてでこれだけ感じるって、スゴいんじゃないかな。

苗木 「じゃあ、腐川さん、きて」

ボクは寝ているから、先ず騎乗位で腐川さんから挿入してもらう必要がある。

腐川 「もう、自棄よ……」

涙を眼に貯めながら、ボクのモノに手を添えると、腐川さんは腰を沈めていく。

腐川 「ん……っ!」

 既に出来上がっているのか、挿入しただけなのに、腐川さんの膣内が締め付けてくる。

苗木 「後ろも気持ち良さそうだったもんね」

腐川 「なによう」

ボクのからかう一言に、腐川さんが睨む。でも、そんな余裕、今だけだよ、腐川さん。

戦刃 「こっちもいくよ」

腐川 「いっ!……う、ふっぅ、う!」

 指とは違うだろう質量のモノが挿入され、脂汗を流しながらも、腐川さんはそれを受け入れる。

戦刃 「ゆっくり、いくね」

苗木 「腐川さんも動いてね」

腐川 「ん……」

 腐川さんがゆっくりと身体を揺らし始める。ボクのモノは摩擦され、快感が昇ってくる。

腐川 「く、ぁっ! あ…っ!」

 同時にふたつもの異物が挿入されて苦しいのか、腐川さんの顔が苦痛に歪んでいる。

苗木 「苦しい?」

腐川 「あ、たりまえでしょ……?」

戦刃 「でも、さっきの様子だと、時期に良くなるかも」

 戦刃さんの声色は楽し気だ。苦しいなら、それを軽減させてあげればいい。
 腐川さんの肉尻を持ち上げて、下から上へと突き上げる。

腐川 「ひああっ!!」

 一際甲高い嬌声を上げて、腐川さんは背を仰け反らせる。目の前で扇情的に身悶える腐川さんの姿に、身体が熱くなる。それをぶつけるように、同じように突き上げる。

腐川 「うああ! くるし、のにぃぃ…っ! うしろ…きもち……あひゃま、おかひく…んゃあああっ!!」

戦刃 「もっと腐川さんの可愛い声、聴きたい」

 カチッという音が聞こえて、微かに振動音も聞こえてきた。

腐川 「いやぁああぁあああっ!!」

苗木 「っ! スゴい……腐川さん……」

腐川さんから迸る嬌声と同時に、膣内が蠢いてキツく締め付けてくる。ボクも彼女も、そろそろ限界が近いようだ。

腐川 「やだあぁあ! あぁあっ! ひぃ、やぅうっ!! も、あっ!! なえぎぃ……っ」

 涙を流して、唾液が顎を伝う。それ程に腐川さんは冷静さを欠いて、与えられる快感と、誤魔化しきれないだろう苦痛の中に溺れて、乱れ、喘いだ。

腐川 「イくぅっ!! あああっ!」

苗木 「腐川さんっ!!」

腐川 「~~~~っ!!」

 腐川さんが達した後を追うように、ボクも直ぐに達する。

戦刃 「終わった?」

 肩で息をするボク達と違って、穏やかな声の戦刃さん。結局ボクとは何もしなかったな。

腐川 「も……動けない」

 気怠そうに腐川さんがボクの胸に倒れこむ。その頭を労わる意味も込めて撫でる。

戦刃 「腐川さん、きもち良かった?」

 腐川さんの顔を覗き込むように、戦刃さんがベッドの横に移動してきた。腐川さんからの返事を期待してなのか、どこか興奮している様子だ。

腐川 「…………きもち……よかった」

 ぼそりと呟くと、戦刃さんとは反対の方へ顔を反らせてしまう。恥ずかしがってる腐川さん可愛い過ぎ。

戦刃 「良かった!」

 ニコニコと嬉しそうに、戦刃さんも腐川さんの頭を撫でた。この光景、なんかいいなぁ。さっきまでの淫らな雰囲気から一転して和やかな空気に変わったな。そんなことを考えていると、戦刃さんがボクを見つめているのに気付いた。

戦刃 「今日は無理だったけど……今度こそ……」

苗木 「うん」

 さっきの行為で、三人でも上手くやれそうで、安心した。大変なきっかけで恋人がふたりになってしまったけれど、どちらも泣かせる気はない。今後はどうなるかは解らない。それでも、ボクは彼女達がボクを振らない限り、全力で大切にしようと、決意する。

戦刃 「苗木くん」

苗木 「あ、戦刃さん」

戦刃 「どこか行くの?」

 腐川さんへのプレゼントの服を買いに行こうとして、戦刃さんと出くわした。

苗木 「ちょっと腐川さんへのプレゼントをね。戦刃さんは?」

戦刃 「特に……ないかな」

苗木 「じゃあ、一緒に出掛けない?」

戦刃 「いいの?」

苗木 「もちろんだよ」

 腐川さんだけというのもなんだし、どうせなら一緒に出掛けて、戦刃さんへのプレゼントも買ってあげたいところだ。

苗木 「戦刃さんは、何か欲しい物ない?」

戦刃 「……苗木くん」

……ブレないなあ。

苗木 「それは、また今度ね」

戦刃 「……なら、手を繋ぎたい」

苗木 「それでいいの?」

戦刃 「うん」

 強欲なのか、無欲なのか、解らないなぁ……戦刃さん。

 戦刃さんが手を差し出す。ボクはその手を取る。武器を手にしることが常だからか、腐川さんと違って皮が厚くなっている彼女の手。握力もあって、負けじと強めにしっかりと握って繋ぐ。

苗木 「行こうか」

戦刃 「うん」

 誰にも言えない秘密の関係。危ない綱渡りだけれど、彼女達の手をを離すことなく渡りきれたらと、そんなことを考えながら、もう一度戦刃さんの手を握り直した。

戦刃、腐川編終了!!
戦刃ちゃんが恋人のはずが、腐川ちゃんメインに……>>1の技量の無さ

人数多いと、描写より会話優先にしてしまう……。それでも戦刃ちゃん目立たない……!!なしてや!!
色々と反省点が多い内容です。申し訳ないです。


おまけの苗セレいきます!!
きっかけは>>9で決まっているので、見たいえーろえーろ内容をお願いします。
良さ気なのを組み合わせて書きますので、全部が反映される訳ではないので、悪しからず。
適度にリクエストが集まりましたら締め切ります。

二度目なのか
一回目ってどこかで見れる?

リクエストありがとうございます!
それでは締め切ります!
腐川ちゃん好評のようで、何よりです!い、戦刃ちゃん……

>>128
苗セレというより、TSのセレ苗ですが
最後の方にあります。

前回の恋人スレ
【ダンガンロンパ】日向「俺の恋人は>>2」 - SSまとめ速報
(http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1397476340/)

 ボクには恋人がいる。名前はセレスティア・ルーデンベルク。《超高校級のギャンブラー》で、彼女と付き合うきっかけは、無敗を誇る彼女から奇跡の勝ちをあげたからだ。
 《超高校級の幸運》とは名ばかりのボクがそれを成せたのは、まさしく幸運だったといえる。


―――――――――


苗木 「……賭けるのやめない? ボクがセレスさんに勝てる訳ないんだし……目に見えてる勝負をするのは……」

セレス 「目に見えているつもりになっているだけですわ。勝負は技量も勿論必要ですが、大きいのは運」

セレス 「この目にも見えず不確かで、技量にも左右されない運を味方につけてしまえば良いのです。始めから勝利を諦めるだなんて、ナンセンスですわ」

 にこりと笑うセレスさんは、まるで悪魔のようだった。

 今現在、ボクはセレスさんの暇つぶしに誘われて、ゲームを始めようとしていた。しかし、セレスさんとゲームをすると、賭けることが絶対になっている。まあ、《賭け事師:ギャンブラー》なのだから、賭けるのは前提なのかも知れないけど……。

セレス 「ならば、完全に運が勝敗を決める、おみくじで勝負するのはどうです?」

苗木 「確かに、それなら運だけだけど……」

 そうなると、用意するのがセレスさんだった場合……。

セレス 「何か不満ですか?」

苗木 「用意はボクがしていい?」

セレス 「なるほど、わたくしがイカサマをするのではという疑いを掛けているのですね 」

 鋭くボクを睨みつけて、しばらく無言の圧を掛けてくる。すると思われているのが気に食わないくて怒ってるんだろうな……。でも、念には念を、だ。

セレス「いいでしょう。そのようなことをするつもりは元よりありませんが、信用ないのが悲しいですが……苗木君のなさりたいようにどうぞ」

 語調にも棘がある! 怖いよ! 負けるのは解りきってはいるけど、せめてもの抵抗だ。ここはボクが用意する。

苗木 「じゃあ、割り箸取ってくるから待っててよ」

セレス 「解りましたわ」

 最後に、にこりと笑うセレスさんから、オーラが見えるのではと思うくらい、怒りに満ちていた。居心地の悪さで、そそくさと娯楽室から退散した。

苗木 「ただいま」

セレス 「お帰りなさい」

 食堂から何本かもらった割り箸と、購買で買ったマジックペンを手に、娯楽室に戻って来た。

苗木 「ここで印つけた方が、ボクがイカサマをしていない証明になるよね」

セレス 「では、裏と表で別の印にしましょう」

 セレスさんが提案したことなら、より強固な証拠になるよな。

苗木 「そうだね。何描こうかな」

セレス 「適当にどうぞ」

苗木 「マルとバツでいいかな」

 印を決めて、割り箸にマルとバツを描き込んで、何も描いていない割り箸に混ぜてしまう。

苗木 「先にさっきの割り箸を取った方が勝ちってことでいいかな?」

セレス 「いいですわ」

 優雅に、にこりとセレスさんが笑う。

セレス 「わたくしが先行でよろしくて?」

苗木 「かまわないよ」

セレス 「では」

 セレスさんの指先が、割り箸に伸びる。その内の一本を迷いなく、躊躇なく引き抜いた。その先には何も描かれてはいない。

セレス 「……どうぞ」

 促され、緊張しながら指を伸ばし、掴んで引き抜く。

苗木 「ダメか。どうぞ」

 交互に引き合うことを何度か行うと、ようやく残りは二本になる。つまりは、次にセレスさんがハズレを引けば、ボクの……勝利!
 勝てるわけないと思っていたけど、これは期待に胸が熱くなる展開だ!

苗木 「……」

セレス 「……」

 セレスさんは表情ひとつ変えずに、勝敗をわける最後の一本に手を伸ばした。ボクは固唾を飲んで、その先端が現れるまで注視し、見守る。

セレス 「……」

苗木 「あっ」

 印が……ない!!

苗木 「か、かった? ボクが勝ったのっ!?」

 歓喜と驚きに心が踊りだす。
 あのセレスさんに勝った! 夢にも思わなかった!! まさか……夢じゃ……ない!!
 もしかしたら夢オチかも知れないと、頬を思い切り抓って、今の状況が現実かを確かめる。

苗木 「いひゃい!」

 抓った頬のヒリヒリとした痛みは、まさしく現実のモノだった。セレスさんを見てみると、食い入るように割り箸を見つめていた。

苗木 「セレスさん?」

セレス 「負け……ましましたのね……」

 ぼそりと、自分に失望しているような、思いつめた響きの声色で、セレスさんは呟いた。

セレス 「いつ以来でしょうか」

 負けたことがないと語っていたはずのセレスさんが“いつ以来”とはどういうことだろうか?自称の経歴、嘘やハッタリを交えることを得意、堂々とする彼女のことだ。実際は過去に負けを味わっているのかも知れない。

 悲哀に染まっていた瞳を一度伏せ、再び開けて顔を上げると、そこには先程の悲哀は消えて、まるで幻だったかのように、いつもの感情の読みにくい、ポーカーフェイスに挿げ替わる。

セレス 「敗者は勝者に従います。さあ、命令を」

ごめんなさい、今ちょっとスランプみたいです。もうしばしお待ち下さいますと幸いです。次の投下はageてお知らせします。

ごめんなさい。見てる方は居られるでしょうか?
あまりにも書けないので、気晴らしにエロ禁止で安価行動スレ立てようと思うのですが、行動キャラは男子と女子、どちらが良いでしょうか?
男子だと、日向君、狛枝君で、女子だと、上で出てた、朝日奈ちゃん、舞園ちゃんです。
大事なことなのでもう一度、エロは禁止です。御意見を是非お聞かせ下さい。

苗セレをずっと待ち続けてるのでエタらないでほしい

安価行動なら朝日奈かな
苗木狛枝や舞園さんは他でも見掛けるので

お疲れ様 こっちのスレも気長に待ってるねあんまり気負わないように

>>143
>>145
エタることはないので、ご安心下さい。こんな>>1ですが、終わりまでお付き合いお願い致します。

御意見ありがとうございます!女子でスレ立てします!
帰宅後になるので、19時以降か、もっと遅いかも知れません。こちらでアナウンス致します。

【ダンガンロンパ】朝日奈 「安価で!」舞園 「行動します!」
【ダンガンロンパ】朝日奈 「安価で!」舞園 「行動します!」 - SSまとめ速報
(http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1406545499/)

立てました。是非御参加下さい!

いきました!

最後の書き込みから、もう一ヶ月!?申し訳ないです。
エロ前まで投下しようかとも思いましたが、1レス分しか無かった…どんだけ書けてないのよって自分に絶望
>>148
ありがとうございます!あちらも止まってしまって申し訳ない
文章考えるの自体、今は無理なのかも知れないですね

気長に待つ

>>152
ありがとうございます。一度エロ部分リセットしてるので、まだ掛かりますけど、頑張ります。

まだかね

>>155
一時書けそう!っと、思ったのですが、無理でした。
書けば書くほどドツボにハマっていて、抜け出せなくなっています。
でもエタりたくないので、保守はしておきます。保守だけで御免なさい。
次は書けたぜ!って言いたいです。

とっくに過ぎちゃってるけど、セレスちゃん、誕生日おめでとう!
差分や書き直しのファイルが増殖するばかりで書けなくてごめんねセレスちゃん
短いスパンと勢いでエロ書き過ぎて賢者タイムなのかな…今回も保守だけです。

 感情を隠した瞳がボクを真っ直ぐ見据える。
 そんな勝敗を真摯に受け取った彼女に、ボクは命令を下すのだ。この機会を逃すまいと、邪で、卑怯な、胸に溜めていた想いを詰めた命令を……。

苗木 「ボクの恋人になって欲しい」

セレス 「……」

 数秒の沈黙が降りた。

セレス 「……意外ですわ」

 戻したばかりのポーカーフェイスが、また崩れる。セレスさんは素の表情で驚いている。

セレス 「あなたもそのような俗な命令をするのですね」

苗木 「こんなことでもない限り、セレスさんがボクと付き合うなんて、してくれなさそうだから」

 肩を竦めて苦く笑う。普通に告白したところで、セレスさんは一蹴してしまうことだろう。

苗木 「呆れるよね。振られるのが怖くて、こんなマネするようなヤツ、本当なら願い下げだろうけど……」

セレス 「いいえ。寧ろそれで好いですわ」

苗木 「え? 何で?」

 思いもよらないセレスさんの返答に目を白黒させてしまう。

セレス 「あなたはその様な手段を取る人間だと思っていませんでした。ですが、わたくしを手に入れる為に、あなたはその手段を選んだ」

セレス 「わたくしの予測に収まらない行動を起こしたあなたは、大変好ましいですわ。何より、このわたくしに黒星を付けたことは大きい……」

セレス 「本日より、わたくしはあなたの恋人です」

 舞台を演じている役者のように、彼女は優雅に微笑んだ。その微笑は、ボクに本心を隠しているように見えた。

 ボクとのことは本意ではない。そんな気がしてならなかった。


―――――――――


苗木 「セレスさん」

セレス 「はい」

苗木 「どこか行きたいところはない?」

 紅茶を飲みながら、ボクは尋ねてみる。もちろん、質問の意味するところは、デート先のつもりだ。

セレス 「デートのお誘いですか? でしたら、苗木君が自分でプランを立て、エスコートをし、わたくしを満足させるなどして欲しいですわね」

 セレスさんはボクが予測していたように呆れた眼差しを向け、言うや紅茶に口をつける。紅茶はボクが彼女とのゲームに負けて用意したものだ。あれから一度も勝っていない。
 あの時のボクはどれだけツイていたんだろうか。

苗木 「それは考えたんだけど…やっぱりセレスさんを満足させられるプランはボクには難しくて…。選んではずれるよりは、セレスさんの行きたいところに出かけた方がまだいいかと思って」

 あまり騒がしい場所を好まなそうだし、定番のデートスポットもありきたりだと切り捨てられてしまいそうなのだから、難しい。

セレス 「ふう。一応考えた結果の上での結論なのでしたら、今回だけは許しましょう」

苗木 「あはは…」

 ため息を吐く彼女に、乾いた笑いで返す。

セレス 「明日ご予定は?」

苗木 「え? 明日?」

セレス 「明日です」

苗木 「特にないよ、大丈夫」

 一日遊べる日でなく、授業がある明日の予定を尋ねられるとは…。
 でもまてよ…つまりは放課後デートか……いいな。青春って感じがする。

セレス 「でしたら、わたくし行きつけの喫茶店を御紹介します」

苗木 「喫茶店? セレスさん行きつけなんて、雰囲気良さそうだね」

セレス 「もちろんですわ。茶葉やミルク、淹れ方にもこだわりのある最高のお店ですわ」

セレス 「紅茶の淹れ方で味が格段に変わるということを学んで頂きます」

 それはつまり、ボクが淹れる紅茶へのダメ出しですね。
 でも、好きな人の好みを把握して、それを目指すのは悪くない。

苗木 「…励みます」

セレス 「今の未熟な紅茶も、嫌いではないですけれど」

苗木 「え?」

 聞こえてない訳ではないけれど、耳を疑ってつい短い疑問符をもらしてしまう。そんなボクにセレスさんは顔を逸らして、また紅茶に口をつける。
 さっきの言葉は好意的な意味にとれるのだけど、訊き返したら怒られる気がする。自信はないから少しモヤモヤとした気持ちが残る。
 どうしよう……気になる。

苗木 「明日楽しみにしてるよ」

 ……なんで切り上げてるんだ。自分のグダグダさに肩を落としてうな垂れそうになる。

セレス 「ええ、ごきげんよう」

 いつもの一見優雅だけれど、作られていると解る笑顔に見送られながら、娯楽室から出た。

 うん。でも、一応デートの約束はできたんだ。良かった。
 セレスさんのボクに対する気持ちは解らない。きっかけがきっかけだから、恋仲として心が通うことはないかもしれない。でもこれから先、あの言葉の意味が理解できるくらいの友好さは築けたらいいと、思う。
 そう意気揚々としていたところに、ふと、疑問と不安が寄せてきた。

 ……そもそも、そんな日はくるのか?

―あなたがそのような手段を取る人間だと思っていませんでした―

 セレスさんはボクに言ったあの言葉。少なからずの信頼はされていたんだろう。知らないこととはいえ、裏切ったことになる。
 そもそも感じていたはずだ。当たり前だけれどセレスさんは本意でないだろうと。
 あの命令を無効にしない自分はズルい。勝ったことを利用して、了承されたからと、そのまま彼女を繋ごうとしている自分の矮小さに歯噛みする。

苗木 「……」

 今戻って言うのは無理だけど、明日セレスさんにきちんと謝ろう。数週間だけ、そう呼べなくても一応のセレスさんの“恋人”となれたのだし……。
 嬉しかった。本当に。

苗木 「ボクなんかに振り回されて、怒る…それどころの話じゃないか。許してはもらえないだろうな」

 そうボクは覚悟を決めて、娯楽室の前を離れた。

大変ながらくおまたせ致しました!ほんの少しですが、進みました。
やっと2レス分…
書きたい流れは固まりましたが、如何せん文の進め方がまだ難ありです。
続きはもう少しお待ち下さい。

みなさん、ありがとうございます!
キャラがうまく書けてるって言われるのはスゴく嬉しいです!

セレスさんに連れられ、訪れた喫茶店は西洋アンティークの調度品で統一された内装で、紅茶の香りも手伝い雰囲気がとても良い。日常では浮きがちなセレスさんの服装も、この店ではなんとなく正装であるかのように見える。

 運ばれた綺麗なティーカップから、茶葉とミルクが合わさった甘い香りに鼻孔を擽られる。しかし、紅茶ひとつとはいえ、こんないいお値段のしそうなお店で飲むのは少し緊張してしまう。

セレス 「どうぞ」

苗木 「うん」

 ちょっと凝視し過ぎたかな。セレスさんに促されてようやくカップを手にする。

苗木 「いただきます」

 ひとこと添えてから口をつける。

苗木 「調和のとれたミルクのなめらかさ、香りと風味の広がり…っ! 紅茶ってこんなにも美味しいモノだったんだね」

セレス 「おわかりになるでしょう? これこそが紅茶ですわ」

 感嘆するボクの様子に、セレスさんは満足そうに頷く。
 セレスさんがダメ出しするのも当然だと感じるほど紅茶は素晴らしく、自分が淹れた紅茶の不出来さを理解した。簡単に考えていたけど、これを目指すのは難しいだろうな。
 ……それをすることが、今後ないだろうけど。

 一度目を瞑って心を落ち着ける。

苗木 「セレスさん」

セレス 「なんですか? えらく改まってますが」

苗木 「あの時の命令で、君はボクの恋人になってくれた訳だけど」

セレス 「ええ。そうですわね」

苗木 「命令も、あの勝負も、なかったことにしたいんだ」

セレス 「は?」

 セレスさんの短いながらも、冷たい声が返って来る。

苗木 「だって、嫌でしょ? 負けたからって好きでもない相手の恋人になるって」

セレス 「何を今さら…ならば、はじめから言わなければ良い話ではありませんか」

 これ以上ないんじゃないかって位、セレスさんの声は先程より冷たく、硬くなる。怒ってる。
 それも当たり前だ。セレスさんはプライドが高い人だ。ボクなんかに振り回されては堪らないだろう。

苗木 「嬉しさが勝ってて、君の気持ちを考えてなかったんだ…だか…」

セレス 「苗木君」

苗木 「え? 何?」

 名前を呼ばれ、言葉を遮られてしまった。

セレス 「勝負をしましょう」

苗木 「え?」

 まだボクが話してるこのタイミングで?

セレス 「もちろん、敗者は勝者のいうことをきくという条件付きで」

苗木 「話が逸れてるけど…?」

セレス 「ジョーカーとAがあります」

苗木 「そうだね。解ってたよ。無視されるの」

 慣れてるってのが切ないな。

セレス 「ジョーカーを引いたほうが勝ち。単純なルールですわ」

 そう言いながら、手品のように二枚のカードが手から消え、その手を今度は机に翳すようにしてスライドさせると、裏返した二枚のカードが綺麗に並んだ。感嘆するほど鮮やかな手つきだ。

セレス 「お先に選んでください。しかし、見せるのは同時に」

苗木 「……解ったよ」

 とりあえず、セレスさんに従ってカードを一枚、机に伏せたまま自分の方へ引き寄せた。

セレス 「でしたら、わたくしはこちらのカードですわね」

 セレスさんも同じように自分の方へカードを引き寄せる。

セレス 「では、ご一緒に…せーの」

 セレスさんの合図でカードを開示する。
 ボクのカードはA。セレスさんのカードにはジョーカーが描かれていた。

セレス 「わたくしの勝ち…ですわ」

苗木 「うん。そうだね」

 何故始めたのか不明なゲームはすぐに終わった。ボクは話の腰を折られて、勝負を挑まれ、負けて、セレスさんのいうことを聞かなくちゃならなくなった訳だけど……。続きを話せる感じではなくなったな…完全に。

 セレスさんが机の上で、さきほどのように手を翳してスライドさせると、今度はカードが消えてしまう。カードを片付けるとセレスさんは立ち上がった。

苗木 「セレスさん?」

セレス 「苗木君のお部屋にお邪魔をしてもよろしいですか?」

苗木 「え? ……いいけど…なんで?」

セレス 「口答えするおつもりですか? 帰って命令するからに決まっています」

苗木 「わざわざボクの部屋でなくたって…」

セレス 「行きますわよ」

苗木 「ちょっと待って!」

 せっかくの紅茶を一気に飲み干して、バタバタと慌しく会計を済ませてセレスさんの背を追った。


―――――――――

 
苗木 「どうぞ」

セレス 「お邪魔します」

 喫茶店を出て、真っ直ぐ学園に戻ると、本当にそのままの足でセレスさんはボクの部屋を目指した。展開が早くてついていけないけど、とりあえずセレスさんを部屋に通す。
……散らかってなくて良かった。

 ズンズンと部屋へ進んだセレスさんがベッドの前で止まると、こちらを振り返る。

セレス 「苗木君、こちらへ」

 まるで自分の部屋であるかのような振る舞いだけど、ボクの部屋だ。しかし、何も言わずにセレスさんの元まで向う。

セレス 「あなたは、このわたくしを手に入れたというのに、不満があるようですわね?」

 怒気が滲んだ声で言い放った。今まで何度かセレスさんが怒る姿はみているけど、今回のは今までのが優しく感じるくらいの怒り具合だ。

苗木 「いや、不満じゃなくて、セレスさんがボクのこと好きじゃないんじゃないかって思って……」

セレス 「本当にそう思っているのですか?」

苗木 「え? うん。…え?」

 何か間違っているんだろうか? ボクが気にするほど、セレスさんは気にしてない…というより、興味ないとかか? 嫌われるより悲しいな、それはそれで。

セレス 「そんな考えはお捨てなさい」

苗木 「どういうこと?」

セレス 「わたくしの命令で、あなたへの気持ちの答えは出ます」

苗木 「ボクへの気持ち?」

 命令でボクへの気持ちが解るとはどういうことだろう? あ、でもボクがしたのもセレスさんへの気持ちを伝えるみたいなモノだったから、そんな感じか?
 などと頭で色々と巡らせながら、セレスさんの命令を待った。
 数秒の沈黙。ようやくセレスさんの唇が動く。



セレス 「あなたの子をわたくしに授けること。それが命令です」



苗木 「……えっ!??」

お腹の子はあなたの子、が現実になる時が来たのか

ベタなカップルだけど、>>1の書く文章で苗木×霧切が見たいな

ホモなら、苗木×日向が斬新?あんま見たことないので見たい

>>175
あなたの子じゃなく、あなたの子供が欲しい!ですけど、良かったですかね?

>>176
苗霧は恋人妄想が自分的に難しいです…良き相棒、もしくは霧→苗を匂わすくらいが理想的過ぎて…
霧切ちゃんは舞霧とか、霧セレとか、百合妄想のが美味しいからかも知れないです。

苗日は斬新なんですか?恋人っていうか、めっちゃほのぼのしそうな感じはします。自分も見てみたい…!

苗木 「ごめん…もう一回…」

 セレスさんの言葉に動揺を隠せず、念のために確認しようと尋ねる。狼狽するボクに、セレスさんはにこりと涼やかな笑顔を向けながら言い放つ。

セレス 「耳の穴かっぽじってお聞きなさい」

セレス 「あなたの子供が欲しい」

セレス 「お解りになりまして?」

 解るけど、解ったけど。

苗木 「無理だよ!!」

 叫ばずにはいられず、大声で叫んでしまう。だって、子供が欲しいって、つまりはそういうことでしょ?!


セレス 「敗者が勝者の命令を無効にできるとでも?」

苗木 「うう…」

セレス 「わたくしもあなたの命令に従いましたのに」

苗木 「っ!! それはそうだけど、ボク達まだ学生だよ?!」

 言うのは簡単だけど、実際にことを起こせば退学だ。それに、育てることの責任だとか、今は負いきる自信も力もない。ボクひとりじゃない、セレスさんの未来に大きく関わる話だ。

セレス 「つまり、あなたはわたくしより、この学園を選ぶということですわね?」

 選ぶ選ばないと言われても…。簡単に答えを出すべき問題ではないと考えるボクは言葉を詰まらせる。

セレス 「わたくしが今、あなたにこうして自分の気持ちと決意を表すことに、どれだけプライドを捨てているのか解らないのでしょうね」

 セレスさんの表情に怒りが滲んだ。いつものはったりを利かせたわざとらしい怒りとはちがう。それを抑え込もうとしているのか、拳を固く握りしめている。
 はじめて見るその表情が、ボクに対する感情で動いているのだということに驚く。彼女らしくない彼女の姿に、胸が狭まるように苦しくなる。

セレス 「あなたはそれを汲み取れる人物だと思っていましたが」

セレス 「幻滅ですわ。見込み違いだったようですわね」

セレス 「先ほどのあなたからの申し出、良いですわ。受け入れてさしあげ……」

苗木 「待って!」

 ボクの横を抜けて、部屋を出ようとするセレスさんの腕を取って引き留める。

苗木 「どうしても今なの?」

セレス 「あなたがそうさせたのです。あの命令を無効にすると言い出すから」

苗木 「それは…ごめんなさい」

苗木 「まさかセレスさんがボクを…その…」

セレス 「ええ、好きですよ」

苗木 「!!」

 ボクが聴きたかった言葉。彼女の口から聴きたかった一番の言葉。苦しかった胸が、今度は跳ね上がり、体温と感情を上昇させていく。

苗木 「それならそうと、言ってくれないと解らないよ」

苗木 「ただでさえ、ボクは君によくない手段で恋人になってもらったんだから…不安なんだよ」

セレス 「わたくしの気持ちを察するのも、彼氏の務めでは?」

 語調や表情がいつもと比べると大分感情的になっている。こんな時だけど、ちょっと嬉しく思う自分がいる。

苗木 「察っしたいけど、セレスさんは出さな過ぎだよ…もう少し解り易く表情とか態度に表して欲しいな」

 掴んでいた腕を離しながら、今まで蟠っていた不安を打ち明けると、セレスさんは瞳を伏せて顔を反らせてしまう。

セレス 「……バカを言わないで」

セレス 「恥ずかしくてできるわけがありませんわ……」

 なにこれ可愛い……っ!

苗木 「……子供が欲しいって言う方が恥ずかしくない?」

セレス 「わたくしにとっては、そちらの方が何倍もマシですわ」

その感覚はイマイチボクには解らないんだけど。でも、そうだったのか。セレスさんもボクを好きで……

苗木 「……待って。セレスさんはいつからボクを好きなの?」

セレス 「は?」

苗木 「あの日以降? それより前?」

セレス 「いつだかは関係ないでしょう」

苗木 「そうなんだけど、気になるっていうか…」

セレス 「…………聴きたいのでしたら……」


 肩に衝撃を感じた一瞬、今度は背中に柔らかい衝撃を受けた。驚きと困惑で慌てて目を開けるとセレスさんの顔を仰いでいた。

セレス 「引き出してみせてはいかがですか?」

 ベッドの上で、ボクはセレスさんに押し倒されていた。

苗木 「……もう見限られたと思ったけど……」

 喫茶店であの話を切り出してからのセレスさんの怒り具合で、許してもらえないだろうと思っていたのに、まさかこんな展開になるなんて想像もつかない。いや、つくはずもないんだけど…。

セレス 「ええ、もう、幻滅も幻滅で幻滅しました」

苗木 「うぅ…」

 刺すような冷ややかな目で射抜かれ、情けない声を漏らしてしまう。
 それにセレスさんは以外にも柔らかく口許に弧を描いた。

セレス 「わたくしにとってみれば、この学園の在学など、元々それほど重要ではありません。出ていけと言われれば、すぐにでも出て行きますわ」

セレス 「それほどに、わたくしはあなたが欲しい……なぜでしょうね 」

 自嘲するように呟いて、ボクの頬を愛おしそうに撫でた。
 今までなかったセレスさんの言動の数々に戸惑っているけれど、普段作っていた自分を捨ててまでボクのことを本気で、真剣に想ってくれているんだということを理解した。
 なら、それにボクも応えないといけない。

苗木 「本気…なんだね?」

セレス 「はい」

苗木 「セレスさんは…その……」

セレス 「……あなたが初めてのお相手ですわ」

苗木 「ボクなんかで……大事なこと……」

セレス 「あなただからこそ、捧げるのです」

苗木 「本当にいいの?」

セレス 「しつこいのは嫌いです」

 薔薇の香りと唇に柔らかな感触。

苗木 「!」

セレス 「わたくしは、あなただけのモノ」

一ヶ月経ってしまった。保守だけしておきます。
後、せっかくリクエストを頂きましたが、今回あまり反映できなさそうです。申し訳ありません

別スレでも報告したのですが、書き溜めが消えました。書き直し頑張ります

トリップをスレタイで大公開やっちゃったので、またトリップが変わります。申し訳ないです…
書き直しは詰まりながらも進んでいます。自分的にイチャ度増した気がするので、消えて良かったかもしれません

やっぱりリクエストと関係ない内容になってしまいました。予め謝罪致します。申し訳ありません。

 セレスさんの言葉に、胸の辺りから血が沸くように全身が熱くなる。これが滾るって感覚なんだろう。その勢いでボクはセレスさんを抱き締めた。

セレス 「ようやく、その気になりまして?」

苗木 「セレスさんが、そこまでボクを望んでくれているなら…応えないとって、思ったから」

苗木 「……自信はないけど」

セレス 「このような行いに自信満々な苗木君なんて、想像もつきませんわ」

 くすくすと笑いながらセレスさんは再び、ボクに顔を寄せ、今度は耳元で囁く。

セレス 「決意を固めたのでしたら、あなたの手で、わたくしを暴いてください」

 その言葉に導かれるように、少し身体を起こしてセレスさんの服に手をかける。緊張で手が震える。ネクタイや上着は楽に脱がせられたけど、ブラウスのボタンがなかなか外せない。セレスさんを焦れさせているのではと思い、顔色を伺ってみると、セレスさんの方も緊張しているのか、不安気に眉尻がたれ、唇を少し引き結んでいる。
 こんな時にその表情は反則過ぎだよ…! 今日はセレスさんの色んな表情や感情を目にしている。少し不思議な感じだ。

セレス 「何ですか? 笑っていないで早くしてください」

苗木 「本当に初めてなんだなぁって…緊張してるセレスさんが可愛くて」

 セレスさんも不安と緊張を抱いているんだと思うと、ちょっと気持ちが楽になった気がする。

セレス 「……わたくし、この先あなたに対して以前のように振舞えるか、不安になってきました」

苗木 「ボクはその方が嬉しいな。嘘のないボクだけが知ってるセレスさんそのものの姿なんだもん……それって彼氏の特権…だよね?」

 自分で“彼氏の特権”とか言ってしまって恥ずかしいけど、でもそれを声に出したことで、セレスさんの恋人だと思っていいんだと、ようやく自信を持てた。

セレス 「……さきほどから生意気ですわよ」

 微かに頬を染めながら顔を反らせるセレスさんに、今度はボクがその頬に手を添えて、先ほど触れ合わせた唇にもう一度触れ合わせた。
 ドキドキする。でも、緊張は幾分飛んでいる。先ほどよりも柔らかな感触と暖かさをしっかりと感じて、また高揚する。

セレス 「ふふっ」

 顔をあげると、頬を紅潮させて笑うセレスさんがいた。ズルいなあ…。
 緊張が幾分和らいでが落ち着いてきたところで、止まっていた手の動きを再開させる。ブラウスのボタンを外していくと、三つ目を外した辺りで、血が抜けているんじゃないかというほどに白い肌と、それとは正反対に黒いレースの下着を身につけた胸元が覗く。

苗木 「セレスさん…その髪、ウィッグだよね?」

セレス 「ええ」

苗木 「ボクが外すと、変にセレスさんの自前の髪に絡まったりしたらいけないから、外してくれる?」

セレス 「解りました」

 セレスさんは慣れた手付きでウィッグを取り外す。体育の時間でしかお目に掛けなかった短い髪のセレスさん。この髪型のセレスさんもやっぱり可愛い。でも、セレスさんはこだわりが強いためか、なるべくなら素の状態でいたくはないらしい。けれど今、ボクの目の前にいるのは、ギャンブラーでも、作られても演じてもいない姿のセレスさんだ。これもボクだけの特権。

 ちょっとした優越感に浸りながら、ようやくボクの方もボタンを外し終える。一度生唾を飲み込んでから、ブラウスをセレスさんの肌からするりと離す。

苗木 「っ」

セレス 「緊張している場合じゃありませんわよ?」

セレス 「まだ、わたくしを半ばまでしか暴いていないのですから」

 暗に急かされてしまい、スカートに手を掛け、それもセレスさんから剥ぎ取ると、セレスさんの肌を隠すモノが下着と靴下だけになる。
 ヤバい…ボクは変態かも知れない。今のセレスさんの姿に興奮してしまっている。

苗木 「セレスさん…」

セレス 「っ!」

 セレスさんの身体を抱き寄せて、太腿と呼ぶには細いその腿を撫でながら、靴下をするすると脱がせる。セレスさんの肩がぴくりと反応したのが解る。
 その流れで、今度は下から上へと横腹や背中を撫でながらブラのホックを外す。案外簡単に外れてくれて安心する。最後の一枚であるショーツもボクの手で下ろす。

 抜けるような白い肌、女性らしいたおやかさ…何も身につけていないセレスさんの生まれたままの肉体が、全てがボクの前で露わになる。

苗木 「スゴく綺麗だ…セレスさん」

 感嘆混じりに思わず口を突いて出てしまった言葉に、何を言っているんだと恥ずかしくなる。

セレス 「ありきたり過ぎますわ。さすがは歩く平凡の苗木君」

苗木 「ええー……」

 咄嗟の感想ですらダメだしされてしまうとは…余計に恥ずかしくなる。どうせボクは何をしても平凡だよ。解ってるよ。

セレス 「そういうところが、大変好ましいのですけれど」

 セレスさんの顔が近づく。三度目のキス。今度はどちらともなく、舌を触れあわせる。呼吸が難しくて、ぎこちない動きだけれど、ぬるりと絡みあう感覚は、セレスさんとひとつになっているようで心地良い。

セレス 「ふ…っ…んん…」

苗木 「っ……ふ…」

 互いの唾液や吐息が交じり合う音や声は
ボクを刺激して、ボクの手をセレスさんの胸へと向かわせる。

セレス 「っ」

 セレスさんの胸をやんわりと包むように愛撫する。小振りだけれど、それでも女性的な柔らかさをしっかりと感じる。
 ほどなくすると、掌に何かが触れる。セレスさんの胸の飾りが硬く膨らみ、主張している。それを指の腹で押してみる。

セレス 「~~っ」

 セレスさんの肩がぴくりと動いたのが解る。感じてる? それを確かめるために、摘まんでみる。

セレス 「ん…ッ!」

 先ほどより身体が確かな反応をみせて、セレスさんから小さく声が漏れる。

苗木 「胸、感じるの?」

セレス 「……言わせないで」

 赤くなりながらも睨むセレスさんが可愛い。もう少しそんなセレスさんの反応がみたくて、胸を攻める。

セレス 「あっ…んっ」

ボクが何かする度に、くぐもった声を漏らしながらボクに縋りついて、ゆるゆると首を振って背中をわずかに反らせるセレスさんの様子に、だんだんと理性が薄れていく。
 こうしたことには消極的だと思っていたから、自分の隠れた一面に自分で驚きながらも、行為を進める手はとまらない。片方で腰の辺りを撫で、手を下げ桃尻も揉むように触っていると、セレスさんの腰がもどかしそうに揺れる。

セレス 「苗木君…」

 呼ばれてセレスさんを見ると、余裕のない潤んだ瞳で見つめられ、ボクの手を取りそのまま――

苗木 「!」

セレス 「わたくしの身体が、あなたを欲っして待ちきれないように、甘く疼くのです…」

 導かれた先は既に濡れた秘部。ぬるりとしたそこを、確かめるように指先で優しくなぞる。

セレス 「っぅ…ゃ…っ」

 艶っぽい吐息と、艶かしく揺れるセレスさんの姿に――

苗木 「ボクも、早くセレスさんとひとつになりたい」

セレス 「あっ!」

 ゆっくりと指を潜らせると、セレスさんの身体が小さく跳ねた。

苗木 「ボクを受け入れて欲しい」

 ぬるりとして、暖かくて、蠢いているのが解る。これが女性の身体なのかと感嘆する。セレスさんの膣内をゆっくりと探るようにしながら解していく。スゴく不思議な感覚だ。

セレス 「ふふっ」

 薄く笑いながら、セレスさんはボクのズボンに手を掛けて、屹立しているボクのモノを晒した。

苗木 「セレスさん……」

セレス 「でしたら、苗木君にも準備が必要ですわね」

 ボクのモノに手を添え、手淫される。

苗木 「っ……!」

 セレスさんの手でされているということもあってか、自分でするのとは違い、違う快感が巡る。張り詰めると先走りが溢れ、それはセレスさんの手を濡らした。

セレス 「あッ…ん、んぅ……ひぁ…っ」

 ボクの指の動きに合わせて、セレスさんから乱れた声が上がり、身体が火照り赤らんでいく。

苗木 「ふっ……っ」

 互いに昇めあって熱に浮かされる頃、前戯も充分だと思い、指を引き抜く。

苗木 「……大丈夫…かな?」

セレス 「ええ…」

 セレスさんは脚を開け広げ、見せつけボクを誘うように、自分で花弁を指で拡げた。その先は妖しく濡れそぼり、物欲しそうにひくひくと痙攣している。

セレス 「さあ、わたくしの中に新しい命を授けてください」

 セレスさんは慈しむような微笑を向けながら、ボクの頭を優しく撫でる。その所作は慈愛に満ちていて、セレスさんはまるで聖母のようだ。

苗木 「好きだよ。セレスさん」

 その言葉を合図に、ボクはセレスさんの身体をベッドへと倒し、セレスさんを満たす為に、ボクは自身を、セレスさんが求めているそこへ充てがった。

セレス 「っ…ふ…っ」

 セレスさんの中へゆっくりと入っていく。彼女とひとつになれるのだという歓喜と興奮が胸に湧く。

セレス 「ぃっ……き、ぁっ…!!」

 まだ半ばほどの内に、息を吐き出ながらの苦しそうな声と、苦悶に歪むセレスさんの様子で動きをとめる。

苗木 「痛い? 苦しい?」

 心配するボクに、セレスさんは首を横にふる。

セレス 「いいえ、大丈夫ですわ…腹部に慣れない圧迫感があるだけで、痛むワケではありませんわ」

セレス 「ですから…」

 ボクが続けるべきか悩んでいるのを察してか、セレスさんはボクの身体を引き寄せて、甘えるように頬ずりをする。それは行為を続けて欲しいという意味なんだろう。
 そんなふうにお願いされたら止められるワケがないじゃないか。

苗木 「大丈夫だよ。キミの望みを叶えるまでやめないから」

 やめる意思はないことを笑って示して、セレスさんの額に口付ける。それに安心したように、余裕のなかったセレスさんの表情が柔らかくなる。もう愛おしくて堪らない。
 とめていた動きを再開させる。けれど先ほどよりもっと時間をかけて慣らすように少しずつ進めていく。

苗木 「……大丈夫?」

セレス 「ええ…」

 ようやくセレスさんの中にボクのモノが全て収まる。何もしていないけれど、膣肉が吸いついてボクを刺激してくる。
 ここまできたんだ…今、セレスさんを直に感じている。

セレス 「しっかりと感じますわ。苗木君の熱と鼓動…心地良い…なんだか安心しますわ」

苗木 「ボクもだよ…スゴく幸せな気分だ……もっとキミを感じたい」

セレス 「くふっ…ぅん…っ!」

 彼女を傷つけないよう緩慢に律動をはじめ、彼女の華奢な身体を揺り動かす。

セレス 「はぁッ…んゃあ…っ! んんっ…」

 行為を続ける内、血が巡り灼けるように全身が熱くなり、互いの境をなくして融け合っているような、自分が曖昧になる心地よい快楽を得る。
 接合部からは擦れ合う度に水音がし、セレスさんが身を捩らせせるたび嬌声が耳に届く。それらは間違いなくボク達の身体が繋がりあっていることを認識させる。
 
セレス 「なえぎ…く、ん……ひ、んぅっ…! …もっと…わたくしの…っ…おくま、で……っ!」

 ボクを求め、せがむ声は甘く艶かしい。自ら腰を浮かせて快楽に溺れる淫靡な姿。セレスさんがボクにしか見せていない姿。今、彼女の全てがボクのモノ。ボクだけのモノ。そう思うと昂ぶり自然と口元に笑みが浮かぶ。
 セレスさんの手と自分の手を重ね、指を絡ませる。そしてセレスさんが望むように、ボクはさらに奥へと突き入れる。

セレス 「はぅっん! あァっ、アっ! んはッ! あァあッ!」

 涙を滲ませた余裕のない表情と喘ぎに伴って、セレスさんの膣肉が絡みついて締めつけてくる。セレスさんが全身でボクを求めているようで、堪らない愛おしさが溢れてくる。けれど、ほどなくして限界に近いことを感じる。

苗木 「セレスさん、愛してる」

セレス 「っ……なえぎくん…ンっ…わたくし…も……っ!!」

 行為の終わりを告げるように唇を重ねると、彼女の身体は大きくびくりと跳ね、絶頂する。

セレス 「あっ…! ぁああぁあっ!!」

苗木 「っ!!」

 一際キツい搾り上げるような圧迫感に堪らず、セレスさんの後を追うように彼女が望む種を落としこみ、ボクも果てた。

セレス 「わたくしがあなたを好きになったのは、あの勝負より前ですわ」

苗木 「そうだったんだ…」

 行為の後少し時間をおいて服を着て、紅茶を淹れた。今はそれを飲みながらセレスさんの話を聴いている。ボクのことをいつから好きだったのか。その答えを。

セレス 「はじめはただの時間潰しの相手にしか思っていませんでした。眼中にありません」

苗木 「そうだろうね……」

 それは解ってた。ボクのことは取るに足らない人間くらいにしか思われていないってことは。その自覚があるってのが切ないよな。

セレス 「ですが、あなたと勝負をして過ごす毎に、その時間が大切なモノのように思えてきて…あなたを想うことが増えました」

苗木 「何だか嬉しいなぁ。そう聞くと」

 あの勝負がなければ、ボクがセレスさんに告白することなんてなかったし、セレスさんの気持ちも知らないままになっていたのだろうなと考えると…本当にあの時のボクは幸運だったんだなと改めて思う。

セレス 「負けたことはショックですが、あなたに恋人になって欲しいと言われたとき、大変嬉しかったのですよ?」

セレス 「それだというのに…わたくしの気持ちを察することもできず、なかったことにしようだなんて愚かですわ」

苗木 「……ごめん」

 少しはデレがあれば、ボクだって気づく…と、思う…よ? でも、ボクだって色々考えた結果だったんだけどな……。

苗木 「でも今回のことでセレスさんの気持ちが知れて良かった。子供が欲しいって言われたのには驚いたけど…」

セレス 「そうでも言わなければ、あなたのような思慮の浅い鈍感な人間には伝わらないと思いましたので」

 あれ? おかしいな……ツンが戻ってきてるぞ?

セレス 「まあ、予定が早まっただけです。あなたの子を宿したいという願望は強くありましたので」

苗木 「そこまで想ってくれてるとは思わなかったよ……身体大丈夫?」

 互いにはじめてのことで無理をしていたりしたら大変だ。さっきまでのことを思い出して恥ずかしくなりながら、セレスさんの体調を伺う。

セレス 「ふふっ。心配には及びませんわ」

セレス 「あなたはわたくしへの気持ちを示し、残してくれたのですから」

 セレスさんはお腹に手を充てながら嬉しそうに笑った。今まで見てきた作られた笑顔ではなく、心からの笑顔。本当のセレスさんだと感じた。
 バカだな…ボク。こんなに想ってくれているセレスさんの気持ちに気づけなかったなんて。

苗木 「これからはキミの気持ちを汲めるように頑張るよ」

セレス 「ええ。そうしてください」

 さっきまでの笑顔が幻だったかのように消え、いつものポーカーフェイスに戻り、優雅に紅茶を口にしている。
 なんだか惜しいけど…でも、ボクがセレスさんの恋人である限り、またあの笑顔をみる機会はあるだろう……ある…よね?

苗木 「でも子供か……どうしたらいいのかな…この学園にいられるかって問題だけど…残れても大変だけど、残れなかった場合の生活はもっと大変だよなぁ……」

 これからのことを考えると、やっぱり不安はある。子供はいい。大歓迎だ。けど生活というか、生活費に関しては……バイトもしたことないボクが大黒柱にならなければならない。支えていけるだろうか? 今回ので妊娠するとも限らないけど……。

セレス 「あら。わたくしとの経緯を詳細に話せばよろしいではありませんか」

苗木 「んぇ?!」

セレス 「あなたは《超高校級の幸運》なのですから、わたくしとの勝負に幸運で勝ち、交際によりわたくしは幸運にも子を授かった…これは自分の才能によるモノだと言い張れば良いのですわ」

苗木 「……通用するかな……いくら才能を重視している学園とはいえ……」

セレス 「通用せずとも、期間はありますから。その間にわたくしがカモから巻き上げていけば」

 口の端を釣り上げて悪魔の様にセレスさんは笑う。

セレス 「生活は安泰ですわ」

苗木 「ははっ……心強いよ…」

セレス 「主夫、よろしくお願いしますわね」

苗木 「ああ…だよね……」

 素顔をみせず、人を振り回すような困った人ではあるけれど、これから先、彼女のことをもっと深く理解していければと思う。
 ボクと彼女の間にできるかもしれない命との未来のためにも頑張ろう。前向きなのがボクの取り柄だ。なんとかしてみせるぞ。

セレス 「苗木君。勝負をしましょう」

苗木 「いいよ。何をするの?」

 とりあえず今は、彼女との時間に集中しよう。《超高校級の幸運》なんて名ばかりな不運寄りのボクが手に入れた幸運…セレスさんを手放さないように。

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