梓「私あてに大量の牛丼が届いてる?」 (49)

梓「って、どういう事でしょうか?」

さわ子「梓ちゃん宛に牛丼が送られてきたのよ。ムギちゃんから」

梓「ムギ先輩から?」

さわ子「ええ、何か聞いてはいないかしら?」

梓「特には・・・」

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さわ子「ま、いいわ。梓ちゃん宛に届いた物だし、食べちゃいなさい」

梓「はいっ、いただきます!牛丼大好きなんですよ!」

さわ子「それは良かったわ。たくさんあるからがんばってね」

梓(がんばってね?)
梓「あ、えっと、その牛丼は何盛りでしょうか?て言うか、どれくらいの量が届いたんですか?」

さわ子「・・・60人前よ」

梓「えっ?」

さわ子「牛丼、60人前よ!」

梓「・・・え?」

【少し前・大学】

紬「みんな聞いてっ!梓ちゃんにプレゼントを届けてみたの!」ふんすっ

澪「梓に?」

律「おー、なんだか久しぶりだな梓の名前聞くのも」

晶「誰?」

唯「後輩のあずにゃんだよ!ちっちゃくて可愛いんだ~」

律「そんで、どうして突然プレゼントなんて?」

紬「それがね、梓ちゃんって牛丼好きじゃない?」

唯「うん。ちっちゃいのによくアタマの大盛りで食べてたね」

紬「先日、父のお友達で牛丼屋さんに勤めてらっしゃる方とお会いした時に、後輩に牛丼好きの子がいる話をしたの」

律(勤めているって言ってもたぶん役員とかそんななんだろーな)

紬「それで、梓ちゃんに牛丼をプレゼントしたら喜ぶんじゃないかなって思ってお願いしてみたの!」

唯「あずにゃんきっと喜ぶよ~」

澪「それで、その牛丼はもう梓に?」

紬「ええ。直接渡したかったんだけど、賞味期限があるものだから店舗の方から直に学校まで送ってもらったの」

唯「今頃あずにゃん食べてるかな?」

律「速攻食いついてんだろうな」

澪「それで結構あっという間に平らげるんだよな。梓は小柄なのに牛丼はたくさん食べるから」

紬「ううん。今回のはあっという間に食べ切るって事は無いと思うわ」

律「んー?」

澪(まさか・・・!)
澪「ムギ、梓の所にどれくらい牛丼送ったんだ?」

紬「60人前よ!」どやっ

唯澪律「・・・えっ?」

紬「牛丼60人前贈ってみましたっ!」ふんすっ

唯澪律「えーーっ!?」

【桜高軽音部】


梓「む、ムギ先輩・・・」


牛丼『どーーん!』


梓「本当に60人前はある・・・!」

梓「ど、どうしようこれ!?」

梓「えっと、んと、と、とりあえずまず一口」

ぱくっ

梓「・・・おいしい」もぐもぐ

梓「って一人で食べてる場合じゃないよっ!」

梓「ムギ先輩!嬉しいけど多すぎますからっ!」

梓「一旦落ち着こう」パクパク

梓「メールで純と憂呼んで一緒に食べてもらおう」もぐもぐ

梓(それでも一人頭20人前・・・)パクパク

梓「菫と直とさわ子先生で割っても10人前。こ、これ食べ切れないんじゃないの!?」もぐもぐ

純「うっわ、すごい量の牛丼!」

憂「部室がなんだか良い匂いに・・・」

菫「お姉ちゃん、限度があるよぉ」

直「写メ撮っときません?」

梓「あ、ごめん。もうちょっと端っこ食べちゃった」

純「この量見ても怯まず食いつくとはさすが梓だよね~」

梓「そんなんじゃないしっ」

憂「ともかく、どうにか賞味期限以内に食べ切る方法考えようよ」

直「賞味期限は今日の夜0時まで、ですね」

憂「一応お昼、晩ご飯、夜食で3食食べられそうだけど・・・」

純「3連続牛丼はキツイ!」

梓「そうだね。カロリー的にいっぱいいっぱいだもんね」

純「逆に梓の中では3連続牛丼はカロリーしか問題無いの?」

菫「牛丼が60人前で、5人いて、3回食べて、あ、さわ子先生もいるから・・・えっと?」

直「食べ切れない」

梓「どうしたもんかなぁ」

【N女子大】


律「どうすんだよ60人前って・・・」

紬「うう、いっぱいあった方が喜ぶかと思って。
最大60人前まで作れるって言われたから、じゃあそれでお願いしますって言っちゃったの」

澪「今頃梓は狂喜乱舞だろうな。いろんな意味で」

紬「冷静に考えると多すぎるわよね、60人前なんて。かえって迷惑かけちゃったわよね」しゅん

唯「でもあずにゃん喜んでると思うよ?」

紬「そうかしら?」

律「うん。喜んでるのは間違いないと思うわ」

紬「ならちょっとだけ安心。あとは食べ切れば良いんだものね」

律「その食べ切る方法が問題なんだろ?」

紬「それなら良い考えがあるわ!」

唯「どうするのムギちゃん?」

紬「私たちが桜高まで行って、一緒に食べればいいのよ!」ふんす!

律「マジか」

澪「牛丼食べに母校に帰るのか・・・」

紬「えっと、みんなは行くの・・・嫌?」

唯「もちろん行くよぉ」

澪「ああ。久しぶりに梓の顔も見たいしな」

律「付き合うに決まってんだろムギ~?」

紬「ふふっ♪ありがとみんな!」

律「つーわけで晶ぁ!車出してくれー!」

晶「いや何がというわけだよ!私関係ねえじゃねーか!」

律「牛丼食い放題だからさ。お前も私らについて来いって!」

唯「そうだよ晶ちゃん!あずにゃん紹介するから~」

晶「せんでいいわっ!そもそも車も免許も持ってねーよ」

律「あれ、そうなの?じゃあ恩那組って普段どうやって移動してんの?」

晶「・・・幸が車持ってんだよ」

律「ムギ!幸に電話だ!」

紬「了解っ!」

晶「あ~~っもう!またこいつらに巻き込まれちまった!」

唯「えへへ~。晶ちゃんは面倒見が良いよねぇ」にへー

晶「うっせ!」

菖「いいじゃん晶。行ってあげれば」

晶「あん?いつからいたんだよ菖」

菖「つい今。事情は澪からだいたい聞いたよ。ムギがやらかしたって?」

紬「やっちゃいました~♪」

晶「なんでちょっとごきげんなんだよ・・・」

菖「タダで牛丼食い放題ってんならむしろ歓迎だし?いいじゃん、行こうよ」

晶「・・・どっちにしろこの人数じゃ幸の車にゃ乗れねぇよ」

唯「うーむ。どうしたものですかな」

幸「分乗、すれば良いと思う」

紬「あ、幸ちゃん!今回はよろしくね」

幸「まかせて」

晶「もう協力は決定なのかよ・・・。そんで、分乗ってのは誰の車にだよ?」

幸「先輩に頼めば、車出してくれないかな」

菖「先輩?誰か協力してくれそうな人いるかな?」

幸「牛丼が好きそうで、車を持ってる先輩を誘えば」

晶「そりゃどんな先輩だよ・・・」

澪「あっ」

律「心当たりあるのか澪?つーか、曽我部先輩か?」

澪「いや、曽我部先輩が免許持ってるかは知らないんだ。でもたぶん頼めば手伝ってくれそうな人なら心当たりがあるんだ」

紬「誰?」

澪「吉井部長」

律「部長?」

吉井「ぜひ協力させていただくわっ!」ふんすっ

律「おー!よくわからないけど車2台目ゲーット!!」

唯「澪ちゃんよく部長さんなら手伝ってくれるってわかったね~」

澪「ああ。ちょっとな」

紬「?」


吉井「ふふっ、現役女子高生制服ガールズバンドを紹介してもらえるチャンスなんて!絶対逃すわけがないわっ!」キラン

廣瀬「動機が不純っ!?」

【桜高軽音部】


梓「ハフッ!ハフハフッ!」もぐもぐ

純「うー、満腹」

憂「いっぱい食べたねぇ」

直「でも全然無くなりませんね」

純「本当だよ。牛丼の賞味期限が一ヶ月あれば良いんだけどねー」

さわ子「さすがに限界だわ。菫ちゃん、お茶お願いしていい?」

菫「あ、はい。今淹れますね」

純「緑茶かほうじ茶がいいなー。牛丼に合うようなの!」

菫「はいっ、探してみます」

憂「あ、私も手伝うね」

梓「ハフハフッ!」もぐもぐ

♪ ナニカラハナセバッイイノッカーナスーキカラハジメテイイカナ

梓「ん?」ぴたっ

純「あ、梓が食べるのをやめた」

憂「電話だね」

梓「律先輩からだ」

さわ子「あの子たち、いったいどうして急にこんなに牛丼送ってきたのかしら?」

梓「聞いてみますか」

ピッ

梓「もしもし、梓です」

律『あー梓か?食ってる?』

梓「ええ、みんなで食べてますよ。急にどうしたんですか?確かに牛丼は大好きだから嬉しいんですけど」

律『あはは、やっぱり喜んでたかっ!』

梓「喜んでるは喜んでるんですが、私たちだけでは食べ切れませんよ」

律『やっぱりなぁ。なんかムギが無茶したみたいでさー』ケラケラ

紬『ごめんねー梓ちゃん』

梓「あ、ムギ先輩そこにいらっしゃるんですか?」

律『いるぞー首謀者が』

梓「ありがとうございますムギ先輩!私こんなに大きい牛丼初めて見ましたよ!」

紬『インパクトを重視してみましたっ!』ふんすっ

律『そんでもって食べ切れるかどうかは考えなかったってのが事の顛末ってわけだよん』

梓「だいたいそんな感じだと思ってました。
でも、この牛丼どうしたらいいんですかね?小分けにして冷凍すれば食べられない事もないかとは思うんですが」

律『いや、大丈夫。今から行くから』

梓「・・・はい?」

律『今からバンド部の先輩とかいろいろ引き連れて、牛丼食べに行くから』

梓「はいっ!?」

律『じゃなー。あ、椅子だけ10個20個用意しといてよ』

梓「ちょ、ちょっ!?」

ピッ

梓「あ、切りやがったあのデコっ!」

さわ子「あのデコって・・・」

純「なんて言ってたの?」

梓「・・・今から皆さん、桜高に来るそうです」

純「へっ?」

憂「お姉ちゃん帰ってくるの!?」ガタッ

梓「そうらしい・・・牛丼食べに」

さわ子「あははっ、あの子たちらしいわね」

菫「と言うことはお姉ちゃんも!?」

直「・・・。」カタカタカタカタ

菫「うん、直ちゃんにも私のお姉ちゃんを紹介するね」

直「・・・。」カタカタカタカタ

菫「大丈夫だよ~。知らない人たちが大勢来るけど、きっとみんな良い人たちだよっ」

純「ねえ梓!澪先輩も来る?澪先輩も来る!?」

梓「律先輩が来るなら来るでしょ。て言うか、他のバンド部の人たちも呼んでるらしいんだ」

さわ子「えっ!?それはまた急ね」

憂「何か用意した方がいいのかな?」

梓「椅子だけでいいとか言ってたけど、飲み物とか箸とか器とか要るよね?」

純「じゃあ買い出し行って来ないとっ!」

菫「私、体育館からパイプ椅子持って来ますっ」タッ

直「私もいってきます」

梓「うん、お願い二人とも」

純「私紙コップとか買ってくる!」

憂「じゃあ私も行くね」

さわ子「車で送ってあげたいとこだけど、部外者が来るみたいだから職員室に話通してこないとだから」

梓「お願いします」

さわ子「まったくもう、急なんだから!何から何までサプライズ過ぎよ!」

梓「私はもう一回電話してみます!」

ピッ


♪ デーモネーアエータヨーステーキナーテンーシニー

唯「あ、あずにゃんから電話だっ!」

唯「もしもーしあずにゃ~ん!」

梓『唯先輩、急過ぎです』

唯「えへへーみんなで桜高に帰ろうっていうのはムギちゃんのアイディアなんだよ~」

梓『えっそうなんですか?てっきり唯先輩かと思ったんですが』

唯「ふふー。あずにゃんそんなに私に会いたかったんだねぇ」

梓『そんなんじゃないですっ』

唯「私もあずにゃんに会いたかったよ~!」

梓『だからそんなんじゃないですって!』

梓『まあいいや、それより唯先輩。先輩たち意外にも大勢来られるような話なんですが・・・』

唯「うん。晶ちゃんたちと行くよー。恩那組でねー、ギターの可愛い子だよ!」

晶「いや、そんな紹介されてもわからんだろ」

梓『ああ、だいたいわかりました。唯先輩のお世話してる方ですね?』

唯「すっごーいあずにゃん!大正解だよ~!」

晶「わかっちゃった!いやいや!世話とかじゃねーし!」

梓『ともかく、何人くらい来るんですか?』

唯「んっとねー。今は10人くらいかな?」

梓『・・・今は?』

唯「ブラックフリルの二人がね、もしかしたら来れるかもって言ってた!」

梓『えっ?』

澪「あ、あとラブクライシスも来てくれるってさ。今メール来た」

梓『んんっ!?』
梓(どんどん大事になっていってるー!?)

唯「桜が丘近隣のガールズバンド大集合だね!」

梓『いやいや!なんでそんなに牛丼食べるために集めてるんですかっ!』

澪「もういっそのことミニライブみたいにしようかと思ってさ。かたっぱしから声かけてみてるんだよ」

梓『・・・澪先輩まで何言ってるんですかっ!許可とかはどうすればいいんですか!?』

澪「それは任せるよ、梓部長」

梓『ああっ、もうっ!』

ピッ

梓「さわ子先生に報告しないと!」ガタッ

梓「もうっ!許可下りなかったらどうする気なの先輩たちは~っ!」バタバタ




唯「着いたー!!」

晶「はぁ、これが唯たちの母校ねぇ」

吉井「ふふ、ふふふっ!制服女子高生がいっぱい・・・ふへへ」じゅるり

廣瀬「ちょっと香奈?変な犯罪とか起こさないでよ?」

律「うーし、そんじゃ部室行くからついてきてくださーい」

菖「うっわー可愛い学校!なんか小学校みたいだね」

紬「木造だから、初めて来る人でもなんとなく懐かしい感じになるのよね」

幸「なんとなくわかる」

晶「しっかし良いのか?私らも勝手に入って」


さわ子「許可なら取ったわよ。まったくもう!」


律「さわちゃーん!」

唯「わ~っ!さわ子先生だあ!」

紬「すみません、私が原因なんです~」ペコペコ

澪「そんなわけで、まさかの牛丼を食べに帰ってきました」

さわ子「本当に急になんだから。おかえりなさい」ぎゅっ

4人「ただいまー♪」

吉井「あ、顧問の先生でしょうか?私、バンド部部長の吉井と申します。このたびは急な来訪まことに申し訳ありませんでした」

さわ子「いえいえ良いのよ。こちらこそ協力していただく側なんだから!」

さわ子「ぜひゆっくりしていってね」

吉井「はい、勉強させていただきます。女子高生の制服ガールズバンド、とても興味深いです!」

さわ子「・・・あなた、趣味が合いそうね」キラン

吉井「なんとなく同じ匂いを感じました!」キラン

廣瀬「まさかの同類・・・」

唯「みんなー早く部室行こうよ~」

澪「そうだな。早く梓にも会いた


梓「おかえりなさい先輩方っ!」

俺の手元の資料に「唯たちが所属するバンド部」みたいな記述があったんだが、間違ってたようだ

唯「あっっずにゃぁーーんっ!!」ばっ

梓「あっ」さっ

唯「あれっ?」すかっ

唯「あずにゃん?私だよ?唯先輩だよー?」

梓「ええ、それはわかっていますが?」

唯「そう?じゃあ改めて・・・あっずにゃーん♪」ばっ

梓「おっと」ささっ

唯「あれっ?」すかっ

唯「あれれ?あずにゃんあずにゃん。そんな風に逃げられたら私あずにゃん分補給できないよ?」

梓「しなくていいですよっ」

律「なんだー梓?遠慮する事ねーぞ今さら」

梓「別に遠慮してないですっ!」

梓「ただ・・・今私ちょっと牛丼臭いっていいますか///」

純「どこで照れてんのさアンタ」

唯「私は気にしないのに~!あずにゃんのいけず!」

梓「私は気になるんですっ!」

唯「むぅ、これではあずにゃん分を補給できませんな」

梓「私からじゃなくて、もっとサプリメント的な物で補給してくださいよ。そのあずにゃん分とやら」

唯「あずにゃん分のサプリはあずにゃんだけだよぉ」


憂「お姉ちゃあああああんっ!」ばっ

唯「おわっ!うい~~っ!」ぎゅっ


純「おー、こっちは姉妹の感動の対面だー」

このSSまとめへのコメント

1 :  SS好きの774さん   2015年10月27日 (火) 20:54:56   ID: WAEGPYl7

終わりかよ!!

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