アニ「三毛猫、らいにゃー・ぶらうん」(51)


・徹頭徹尾コメディ、なのでキャラ崩壊注意

・ネタバレあり


――昼間、食堂

ミカサ「エレン、話がある」

アルミン「待って待って待ってミカサ。それ僕も一緒に聞いていいかな。だいたいそういう切り出し方ってろくなことにならないから」

ミカサ「もちろん。アルミンにも聞いてほしい」

エレン「なんだよ、まだ起きたばっかりで眠いんだよ……」ウツラウツラ




ミカサ「グリシャおじさんから小包が届いた」




エレン「……は……? え……!?」

アルミン「そ、それ本当……!?」

ミカサ「私は嘘を(あまり)吐かない」

エレン「おいミカサ、どこから届いたんだその小包!?」

アルミン「カッコの中は気になるけど置いておくとして、一体何が届いたの!? 争いの火種!?」

ミカサ「順番に答える。まず、発送元は黒く塗りつぶされていてわからない」

ミカサ「ので、グリシャおじさんが今どこにいるかはわからない」

エレン「なんだ……そっか……」ガックリ

ミカサ「エレン、そう気を落とさないで」

ミカサ「次に、何が届いたのかということだけれど」

ミカサ「簡潔に言うと一筆箋と小瓶が入っていた」キュッキュッ

アルミン「一筆箋……手紙か。それと小瓶っていうことは何かの薬かな」

ミカサ「エレンを完全に支配下に置く薬らしい」ドボドボ

アルミン「ちくしょう! ホントにあの人ろくなことしないな!!」

ミカサ「さあエレン、このグラスの中の液体を飲んで」ソッ...

エレン「今の説明聞いて俺がそれを飲むと思うか?」

ミカサ「好き嫌いはダメ」グイッ

アルミン「どう考えても好き嫌いの問題じゃないよね、うん」

エレン「やーめーろー!!」イヤイヤ バシッ

ミカサ「あっ」






ひゅるるるるる.... がしゃーん!

アルミン「ああっ、グラスがライナーの頭に……!」ガタッ

ベルトルト「ライナー、大丈夫かい?」オロオロ

ライナー「おい、お前ら……これは何の真似だ……?」ポタ...ポタ...

エレン「ライナーすまん! おいミカサも謝れ!」オロオロ

ミカサ「ごめんなさいライナー、そんなつもりじゃ……」オロオロ

ライナー「というかこれ水じゃないよな、どうも目に染みるんだが……」



アルミン「あっ、ライナー血が出てるよ! 大丈夫? グラスで額が切れたのかも……!」



ベルトルト・アニ「!?」ガタッ

ベルトルト・アニ(やばい……!!)




\カッ!/

エレン「うわっ、なんだ!?」

ミカサ「爆発……!?」

アルミン「すごい嫌な予感がする!!」

ベルトルト・アニ(やばいやばいやばいやばい!!!)



シュー....



ライナーの服「」



ベルトルト・アニ「!?」

エレン「そ、そんな、嘘だろ……?」

アルミン「ライナーが……消えた……!?」

ミカサ「待って、服の下に妙な膨らみがある……!」



ライナーの服「」モゾモゾ...



三毛猫「にゃー」ヒョコッ



エレン「」

ミカサ「」

アルミン「」

ベルトルト「」

アニ「」

以下食堂にいた面々「」

エレン「~~~!! な、なんだアレは……!? 見たことがない生き物だ……!」

ミカサ「エレン離れて! 危険な生物かもしれない!!」フォーク×2 ジャキン!!

アルミン「なんてことだ……! あれは……イエネコだ……!」

エレン「イエネコ? イエネコってなんだよ!?」

アルミン「昔……壁の外で住んでいた人々が飼育していた愛玩動物……つまりペットだよ……!」

ミカサ「つまりグリシャおじさんはエレンをペットにしてもいいという許可を出したということ!? やった!!」ギラッ!!

エレン「ミカサ落ち着け! 落ち着け!! お前は混乱している!!」

アルミン「現存する個体は極めて少なく、壁の中には数匹しかいないって話だったけど……!」

アルミン「まさか、この目で本物を見ることができるなんて……!」チラッ

三毛の雄か

よし、売ろう



三毛猫「にゃっ」カオゴシゴシ


一同(…………かわいい…………)キュンッ...


ミーナ「何あの子、すっごいかわいいんだけど……! 抱きしめたい……!」キュンッ...

ジャン「おい……今度はあいつら何をやらかしやがったんだ……?」

マルコ「僕が知るわけないじゃないか……!」

ベルトルト(何故巨人化しなかったんだ……?)

アニ(ねこたんきゃわわ)

コニー「おっ、ヤマネコじゃん。珍しいなーこんなところで」モグモグ


ガララッ


サシャ「おはようございまーす」

クリスタ「おはよう……」コシコシ

ユミル「ふわぁ……なんだなんだ、みんな立ち上がって。なんかあったのか?」



三毛猫「にゃー」シッポフリフリ


ユミル「おわっ、なんだあれ!? 生き物!?」ビクッ!!

サシャ「おや、ネコですか。山で見るよりちっちゃいですね」

クリスタ「きゃ~! かわいいー!!」

クリスタ「おいでおいで! ネコさんこっちおいでー?」テマネキ

三毛猫「にゃー」トコトコ

クリスタ「かわいいいいい!! ねえねえどこから入ってきたの?」グイッ

三毛猫「にゃっ?」

クリスタ「あっ、この子オスだ! すごーい!」股間ガン見

男子一同(!? 躊躇いもなく確認しただと!?)

ユミル「何がすごいんだよ、たかが動物だろ?」

クリスタ「だってだって、三毛猫のオスは珍しいんだよ?」

サシャ「そうですよ。オスはエモノを仕留めるためにたくさん運動してますから、ほどよく筋肉が締まっていておいしいんですよ?」

クリスタ「……え? サシャ?」

サシャ「あはは、みなまで言わずともわかっていますよ。クリスタ」


サシャ「……食べましょう。鍋で。」ニッコリ


クリスタ「ダメー!! 何言ってるの! めっ! サシャ、めっ!」


三毛猫「」ガタガタガタガタ


男子一同(怒ってる天使かわいい……)

クリスタ「それで、この子はどこの子なの? 誰が連れてきたの?」


一同(うっ……) チラッ


アルミン(こ、この視線は……!)

アルミン(ぼ、僕に説明しろって言うのか……!?)

アルミン(どうしようエレン、ミカサ……!)チラッ

エレン(大丈夫だアルミン、俺たちがついてる!)サムズアップ

ミカサ(アルミン。あなたは賢い。やればできる子) グッ

アルミン(でも丸投げなんでしょ! 僕に丸投げなんでしょ! いいよもう!)

アルミン「あ、あのねクリスタ……それはライナーなんだ」

クリスタ「ソレハライナー? この子の名前? 変わってるね!」

アルミン「そうじゃなくて……その猫は、ライナーなんだよ」

クリスタ「……? あの、アルミン、言ってる意味がよく……?」

アルミン「だからね、ライナーなんだよ……それ」

クリスタ「ライナー……なの……?」

アルミン「そうなんだよ……」

クリスタ「そう……そうなの……」

クリスタ「……」チラッ



三毛猫「にゃー?」



クリスタ「――まあいいや♪」

一同(いいんだ……)

エレン「おい、ところであれって本当にライナーなのか……?」

ミカサ「わからない。でも、ライナーが消えたのは事実」

アルミン「状況から見れば、あの猫がライナーだとしか考えられないんだけど……」

コニー「あれがライナー? ……なぁ、意味がわからないのは俺が馬鹿だからじゃないよな? な?」

ジャン「安心しろ。俺もわからねえ」

マルコ「どうするんだ、これから……」

ミーナ「ねえねえアニ、あの子寮で飼うのかな? どうするのかな?」ワクワク

アニ「そうだね。首輪は鈴付きのほうがいいよ。音でどこにいるかわかるし」

ベルトルト「もしもしアニ? 何を言ってるの?」

アルミン「とにかく、教官に説明しに行かないとね。ライナーが脱走兵扱いされたらかわいそうだし」

ミカサ「責任を持って私が説明しに行こう」

アルミン「ダメ。ミカサはダメ」

ミカサ「どうして?」クビカシゲ

アルミン「じゃあちょっと聞くけど、なんて言うつもり?」

ミカサ「言葉は私には必要ない。説得(物理)するだけ」 フォーク×2 ジャキン!!

アルミン「うん、よくわかったよ。君には必要なくても他の人には言葉が必要だから、それは最後の手段にしようね」

エレン「俺も行くぜアルミン!」ハイッ

コニー「俺も行きたいアルミン!」ハイッ

アルミン「気持ちは嬉しいけど、エレンとコニーはもっとダメ」

サシャ「私は食べたい!」ハイッ

クリスタ「サシャは絶対ダメ!!」

アルミン「……マルコ、悪いけどついてきて。僕たち二人がかりならなんとかなると思うから」

マルコ「あ、ああ、いいけど……」

アルミン(その後、僕とマルコの二人がかりの説得により)

アルミン(なんとか三毛猫=ライナーとして認めてもらった)

アルミン(まあ、最終的には乱入したミカサが説得(物理)したけれど、それは置いておく)

アルミン(教官に勧められて、猫化したライナーを医務官に見せにいったところ)

アルミン(「俺動物アレルギーなんだよねw」と軽くあしらわれた)

アルミン(そして当面は、ライナーを宿舎内で飼育することになった)

アルミン(飼育当番は日替わりで、比較的余裕のある成績上位者を中心に割り振られた)

アルミン(因みにジャンやマルコは当番を辞退、コニーとサシャの当番は全力で阻止した)

アルミン(教官からもらった期限は一週間……それまでに戻らなければ、ライナーは……)

サシャ「私のご飯になりますっ!」ハイッ

アルミン「違うからね?」

【一日目 当番:ベルトルト】

三毛猫「にゃー」シッポフリフリ

ベルトルト「ああ、ライナー……どうしてこんなことに……」グスッ

アニ「ベルトルト。ライナーの調子はどう?」

ベルトルト「ああアニ。ご覧の通りさ……元に戻る様子は今のところはないよ」

アニ「そう……なら、急いでこれを」ソッ...

ベルトルト「アニ、姿を見ないと思ったらもしかして……ライナーのために? ありがとう……!?」



   『らいにゃー』



ベルトルト「」

ベルトルト「……ナニコレ?」

アニ「わっ……私が……自分で、作ったんだ……///」カアアアアア

ベルトルト「」

アニ「こういうのは勝手がわからなくてね……クリスタにアドバイスしてもらったんだけど……」

アニ「どうか……付けてあげてほしい……////」テレテレ

ベルトルト「」

ベルトルト「アニ、君はライナーを何だと思ってるんだ!? 仲間にこんなのつけられるわけないだろ!?」

アニ「……おやおやベルトルト。わからないのかい? ――仲間だから、だよ」フッ

ベルトルト「どういう意味だよ! わかるわけないだろ!」

アニ「いい? ライナーは今、猫化しているんだ。私たち人間よりもずっと弱い存在になってしまった。つまり、弱っている状態だ」

アニ「それを放っておけっていうのか? だとしたら、あんたは随分冷たい奴だねベルトルト」ジロッ

ベルトルト「……っ、僕は、そんなつもりじゃ……っ!」

アニ「ま、わかってるさ。あんたがそこまで薄情者じゃないことはね」

アニ「とにかくこれがあれば、歩く度に音が鳴るから――」チラッ


三毛猫「にゃっ!」シッポフリフリ

アニ「……///」


アニ「――簡単に位置が確認できるだろ?」

ベルトルト「……どうしてだろうアニ。僕は今ちょっとだけ君の発言に不自然な点があった気がするんだけど」

アニ「変な勘ぐりはやめなよベルトルト。自分がかわいくないからってらいにゃーにあたるのはかっこ悪いよ」ギロッ

ベルトルト「」



【改名:三毛猫→らいにゃー】
【装備:アニお手製の鈴付き首輪(赤)】

【二日目 当番:アニ】

らいにゃー「にゃーん♪」チリンッ

アニ「……」キョロキョロ

アニ「……よし」スッ  【装備:猫じゃらし(高級品)】

アニ「……」

アニ「しゅっ! しゅっ!」フリフリ

らいにゃー「にゃーっ! にゃっ!」ねこぱんちっ

アニ「///」

【三日目 当番:エレン with ミカサ】

エレン「よーしらいにゃー、遊んでやるぞー!」

らいにゃー「にゃっ!」シッポフリフリ

エレン「とはいってもなー、どうしたもんかな」キョロキョロ

エレン「おっ、いいもん生えてるじゃん」ブチッ

【装備:エノコログサ(俗称:ネコジャラシ)】

エレン「ほれほれー」フリフリ

らいにゃー「にゃーっ! にゃっ! にゃっ!」ねこぱんちっ



ミカサ(……らいにゃーばかりずるい……! エレンは私にああいうことしてくれないのに……!!)ゴゴゴゴゴゴゴゴゴ....

ミカサ「エレン!!」グイッ

エレン「おおミカサ、お前もやるか……ってうわっ!」

らいにゃー「にゃっ!?」ビクッ

エレン「ミカサ服引っ張るなよ、破けちゃうだろ!」

ミカサ「エレン、私がわからないの!? 私はミカサ!! あなたの家族!!」グイグイ

エレン「顔の前で叫ばなくてもわかってるっての!! ちょっと邪魔! らいにゃーが見えん!!」グイグイ

ミカサ「あなたはそのネコジャラシで、私の相手をしなくてはならない!!」クワッ!!

エレン「落ちつけってば! ていうかお前猫じゃねーだろ!」


らいにゃー「にゃー……」トコトコ


エレン「ああっ! 待ってくれらいにゃー! らいにゃあああああああああ!!」

アニwwww

アニ「ベルトルト、お金貸してくれない?」

ベルトルト「……一応聞くけど何に使うの、アニ」

アニ「……」


アニ「……猫タワー、作ろうと思って///」テレッ


ベルトルト「アニイイイイイイ!!!!」





アルミン(……とまあ、こんな感じで、成績上位者はらいにゃーの世話に勤しんだわけだけど)

アルミン(結局、らいにゃーがライナーに戻る気配はなかった)

アルミン(事態が動いたのは、ライナーがらいにゃーになってから四日経った日のこと)

アルミン(その日はクリスタが当番だった)

【四日目 当番:クリスタ with ユミル+アニ+ミーナ】

――昼間、女子寮

クリスタ「おいでらいにゃー♪」テマネキ

らいにゃー「にゃー♪」スリスリ

クリスタ「えへへ、らいにゃーはかわいいなぁ」ニコニコ

ユミル「クリスタは天使だなぁ」ニマニマ

アニ「違うよ。天使はらいにゃーだ」キリッ

ミーナ(クリスタもユミルもアニもらいにゃーもみんなかわいい)デレデレ

クリスタ「そういえば、らいにゃーのツメ結構伸びてるね」

クリスタ「壁とか床で爪研ぎしないように切ってあげるね?」ヒザノセ

ユミル「猫用の爪切りなんてここにはないぞ?」

クリスタ「人間用で大丈夫だよ。はーいらいにゃー暴れないでねー」パチンッ

ミーナ「それにしてもクリスタ、猫のことよく知ってるね! 三毛猫のオスの話とか、爪の手入れのこともどこで聞いたの?」

クリスタ「えっ? ええ~っと、その……本で読んだからだよ! うん!」アタフタ


クリスタ(お屋敷で飼ってたからとは言えない……)

アニ「……」ジーッ

クリスタ「それにしてもらいにゃーはおりこうさんだねぇ、ちっとも暴れないなんて」

らいにゃー「にゃー」

アニ「……」ウズウズ

ミーナ「……アニ? どうしたの?」

アニ「あ……えっと……///」ビクッ

アニ「……クリスタ、あの……私も、それやってみたい」ワクワク

クリスタ「そうだね、じゃあ左足はアニに切ってもらおう。らいにゃー、わかった?」

らいにゃー「にゃっ!」フリフリ

アニ(やった……!)グッ

ミーナ(アニ、小動物好きそうだもんねぇ)ホンワカ



――バチンッ!


クリスタ「あっ!」

らいにゃー「み゛ゃっ!?」ビクッ!!




ミーナ「えっ、どうしたの今の音?」

アニ「!?」

クリスタ「どうしよう、指切っちゃったみたい、血が出ちゃった……!」アタフタ

クリスタ「ごめんねらいにゃー、痛かった? ごめんね?」ウルウル

ユミル「ちょっと、そいつ血が出てるんじゃ――」




         \カッ!/


クリスタ「きゃっ……」

ユミル「クリスタ!?」

ミーナ「眩しい……っ!」



アニ(!? なんで……!!)

アニ(そうか、みんならいにゃーが怪我しないように気を配ってたから……盲点だった!)

アニ(ということは元に……戻る……!?)




シュー....



全裸ライナー「……」 チリンッ

【装備:アニお手製の鈴付き首輪(赤) のみ 】

【体勢:四つん這い】





クリスタ「……」

ユミル「……」

アニ「……」

ミーナ「……」

ライナー(どこだここは……)

ライナー(確か、食堂で……エレンとミカサに、水をかけられたはずじゃ……?)

ライナー(そもそも……俺はどうして、アニやミーナに見下ろされてるんだ……?)

ライナー(というか、ここは女子寮か……?)チラッ

アニ「――待った。動くんじゃないよ、ライナー」

ライナー「っ、……?」

ライナー(声が出ない……! 首が絞まっているのか……?)ゴホッ

ミーナ「」ビクッ!!

アニ「ライナー、動くなって言っただろう……声も出すな。咳払いもやめろ」

アニ「今のあんたの体勢が……今の私たちがギリギリ妥協できるラインだ……!」

アニ「立ち上がってみろ……後ろのそばかす女に八つ裂きにされるよ……!」



ライナー(アニは何を言ってるんだ……? ……ん?)ヒヤッ

ライナー(な、なんだ……!? 何故俺は全裸なんだ……?)

ライナー(しかも身体が動かん! 何が起こっている……!?)

ライナー(立ち上がろうにも立ち上がれん……つまり俺は……)

ライナー(女子寮で……全裸で四つん這いになってるのか……!?)



ばさっ


ライナー(!? なんだこれは……シーツか?)

ユミル「ラァイナァアアァァー……そのまま動くんじゃねえぞ……!!」

クリスタ「ま、待ってユミル! ライナーは悪くないでしょ!」

ユミル「ああ、わかってるさ……これが最大限の譲歩だ。――ミーナ、ベルトルト呼んで服持って来させろ! 今すぐ!」

ミーナ「う、うん……!」ダダッ バタンッ

ユミル「さーって……アニ、ライナーが何か変な動き見せたら遠慮せずに蹴りを叩き込めよ」

ユミル「正直同情してやりたいところだが、格好だけならそいつは立派な変態だからな」

アニ「……わかってるよ」



ライナー(ここは……黙っていた方が良さそうだな)

ライナー(ベルトルト……頼むから早く来てくれ……!)

クリスタ「あっ、そうだライナー、爪は大丈夫? 怪我してない?」

ユミル「クリスタ、そういうことは後にしな」

ライナー(爪……? それに怪我だと……?)

ライナー(なんともないが……返事をしたらアニに蹴られるだろうな……)

アニ(そうだよ……そういえば……!)



アニ(結局らいにゃーの爪……切れなかった……!)ギリッ



ライナー(!? なんだ、アニの方から殺気だと!?)ゾクッ

ユミル(うおっ、アニったらやる気満々だな)ゾクッ



バタバタバタ....


ベルトルト「ライナーが戻ったって本当!?」バタンッ!!

ミーナ「ちょっ……ベルトルト、足速すぎ……」ゼエゼエ

ユミル「待ってたよベルトルさん。こいつの服は?」

ベルトルト「ああ、持ってきたけど……あれ、ライナーは?」

ユミル「そこのシーツの下にいる。四つん這いでな」

ユミル「私らは外に出てるから、早く着替えさせてそいつ持っていってくれ」

ユミル「教官への言い訳はアルミン辺りにでも頼みな。――さっ、とっとと私たちは出るぞ」

クリスタ「で、でも……」チラッ

アニ「……私はこのまま二人を見張るよ。物色でもされたら嫌だからね」

ユミル「襲われたら叫べよ?」

アニ「ライナーはともかく、ベルトルトにそんな度胸はないよ」

ユミル「それもそうだな」

ベルトルト「うっ……」

ベルトルト(……ここで否定したら修羅場になりそうだな、黙っておこう)

ユミル「じゃあ私たちは出る。アニ、あとは任せた」



スタスタ...バタンッ

ベルトルト「ライナー! 大丈夫!?」バサッ

ライナー「あ、ああ……ベル……トルト」

ライナー「それよりも、首が……痛くて、呼吸が……しづらいんだが……」ゴホッ

ベルトルト「首が痛いって……あっ」

ベルトルト(首輪がついたままじゃないか! しかも首に食いこんでる……)

ベルトルト「待っててライナー、今……」

アニ「……ストップ、ベルトルト。私が取る」スッ



【装備:アニお手製の鈴付き首輪(赤) →   な    し   】

完全に被害者

アニ「……取れたよ」チリンッ

ライナー「ああ……ありがとな、アニ」

アニ「大したことないさ。それより早く服を着なよ」

ベルトルト「そうだよライナー、そのままじゃ寒いだろ? 服も持ってきたから着替えよう」

ライナー「そうしたいのは山々なんだが……体中が痛くてな」ギシギシ

ライナー「なんだか、ひどい筋肉痛になってるみたいだ……」

アニ「……巨人化した時とはまた違う疲れなの?」ボソボソ

ライナー「? どういう意味だ? 巨人化が関係あるのか?」ボソボソ

ベルトルト「ライナー、君はどこまで覚えてる? 食堂で薬品を被ったところまでかい?」

ライナー「あ、ああ……そうだ。気づいたらここにいた」

アニ「信じられないかもしれないけどね。あんたは今まで巨人化じゃなくて猫化してたんだよ」ボソボソ

ライナー「ね……ねこ……? ねこってなんだ……?」

アニ「きゃわたん」ボソッ

ライナー「は?」

ベルトルト「猫が何かは後で説明するよ。僕が手伝うから取り敢えず着替えよう」

ライナー「そうだな……このままじゃ風邪を引きそうだ」ブルッ

アルミン(こうして、ライナーは猫から人間の姿に戻った)

アルミン(原因はグリシャおじさんのくれた薬であることは明白だけど)

アルミン(何がどうなって猫になったのか誰もわかるはずもなく)

アルミン(この事件は無事に終わった)

アルミン(僕とマルコがなんやかんやで教官を説得したことや)

アルミン(ライナーが人間に戻ったことで、かなりの人間が落胆したこと)

アルミン(その他もろもろは、蛇足にしか過ぎないから省略させてもらう)

アルミン(……でも最後に、これだけは書いておくことにする)

アニ「……」ウロウロ

ライナー「? ――どうしたアニ、爪切りなんか持って」

アニ「」ビクッ

アニ「……い、いや、なんでもないよ? うん」シドロモドロ

アニ「……」




アニ(わかってるよ、わかってるんだけどさ……)



アニ(…………らいにゃーに会いたい)クスン




おわり

終わりです。今回は「女子寮で意図せず素っ裸になるライナー」が書きたかっただけです。
読んでくださった方、レスしてくださった方ありがとうございました!

というか巨人化はともかく、全身丸ごと変身するのって内臓とか筋肉にめちゃくちゃ負荷かかりそうなのに、どうしてコナンは平気そうなんでしょうね



首輪が柔軟だったのか、周径にそんなに差がなかったのか

乙乙
アニかわいいよアニ

>>48
やわらか素材で伸びたんじゃないの?

それでも限界あるだろうからキュッと締まったライナー想像してワロタw



猫化してアニに爪切らせてあげてくださいよォー!

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