オナニーマスター比企谷 (44)

俺の"秘密基地"は第一校舎の三階にある。


八幡「はぁ……はぁ……うっ……」


息苦しい学校生活と、抑制されたぼっち生活で集約された性欲が俺のイチモツに滾る。

その日も俺は、女子トイレで自慰に浸っていた。


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ふぅ……。また今日もイってしまった。
熱い息を吐き出しながら俺はそう考えた。

今日のおかずは斜め前に座っていた海老名姫菜の真剣に授業を受けている横顔だ。
普段とは全く違う様子で授業を受けていて、普段も魅力なのだが愛らしい顔がギャップで更に愛らしくなっていた。


そ い つ に あ り っ た け の 精 液 を ぶ っ か け て や る の だ !!



女子トイレの個室の壁についた自分自身の精液をポケットティッシュで拭き取りながらこれまでの習慣を振り返る。

俺のこの習慣は2年生に進級した春からずっと続いている。
6時間目の授業が終わると同時に俺は別棟の図書館で身を潜める。
そこで1時間弱時間を潰し、校舎から人が居なくなるのを見計らって行動を開始する。

第一校舎には特別教室がないから、文化系の部活で使われることもないし。
運動部はウォータークーラーの設置されていない第一校舎にはまず立ち寄らない。

放課後の第一校舎三階女子トイレはこの俺のために用意されたステージなのだ。


と、もはや習慣となった行動パターンを思い出しながら俺はティッシュを便器に投げ入れ、足でレバーを押した。

証拠隠滅は完璧に、それが俺の正義(ジャスティス)。


八幡「さて……」


女子トイレの個室の壁に寄りかかり、誰もいない事を確認する。
べ、べつにビビってるってわけじゃないんだからね!


八幡「よしっ!」カチャリ


進路経路オールグリーン。安全だ。


……!!!!!


結論から言うと、それは俺の人生の中で1、2を争う大失敗だった。

目の前には同じ制服を羽織った女子生徒。


女「あっ、あの。ひっ……」


言葉に詰まっている。何を言えばいいのかわからないのだろう。
そりゃあ見かけたこともないぼっちが女子トイレから出てきたのだ。
悲鳴を上げても可笑しくない。


八幡「あ……、えっと…」


すごい美人な子だな……。
……ってそんなこと考えている場合じゃない。


膝丈より短いスカート
緩くカーブの掛かった茶色の髪。
薄い化粧。


一目で理解した。彼女は俺とは全く異なる人種。

自己主張が得意で、"目立つ生徒"なのだ。
所謂ビッチだ。


これはまずい。だがこのまま押し黙って居ては警察の仕事を増やすだけだ。
落ち着け、こんな時のために中2の時にひっそりと書いた厨二ノートばりに慎重に、かつ真剣に考えた対策言論を読みあげればいいだけだ。


八幡「え、えと。これはせんしぇ…、先生に掃除用具の入れ替えを頼まれただけでな。そ、そういうことなんで。か、勘違いするなよ…?」


決して良く出来た言い訳とは言えないが、頭の足りないビッチを納得させるには十分なはずだ。


女「う、うん……」タッタッタッ

……。
おそらく、あの様子ならまぁ、大丈夫だろう。

出会い頭は流石に肝が冷えたが……。

この程度のハプニングは予想していたことだが、一つ懸念があるとすればあの女がおそらく学校カースト上位に位置するであろうことか。
……大丈夫だ。取るに足らない。彼らはこんな事象よりもっと面白いことに目を向けてくれるだろう。

そう、自分に言い聞かせて俺は帰路についた。


それが俺と彼女の出会い。
季節は冬で、もう少しで高校2年の3学期が終わろうとしていた。


平塚「春休みだからといってハメを外しすぎるなよー。では解散」


終業式の後の担任の挨拶は拍子抜けするほどあっさりとしたものだった。
一年間クラスを受け持った愛着みたいなものがこの人にはないのだろうか。

まぁ、この人は新婚生活に忙しいようだし、幸せそうでなによりだがな。




戸部「葉山くんとカラオケいくやつこいやー!!」

生徒a「戸部くん俺もー!!」

生徒b「行く行くー!!」


ふん。何が「行く行くー!」だ。
ギャーギャー鶏みたいにうるさいんだよ。こいつらは。
せいぜい戯れてろ有象無象どもめ。
俺はこの後女子トイレでお楽しみの「イくイくー!」だ。

材木座「おぉー!八幡ではないか!!我が軍とともにカラオケへ行こうぞ!」


クラスのオタク集団のリーダー。材木座義輝。

愛らしい厨二キャラがドハマリし、一躍オタク集団のリーダーに踊りでた男だ。


材木座「どうかな八幡んん!!春休み突入記念にパーティーと洒落込もうぞ!!」


この性格と、本人の希望から人々から「将軍」と呼ばれている。

材木座はことあるごとに俺に話しかけてくる。
クラスでのはぐれもの同士仲良くやろうという事なのだろうが……。

八幡「いや、気持ちは嬉しいがな今日はちょっと妹と用事がな……」


あいにくこっちは同類となんて思っていない。
学校の外に出てまでヲタ連中に付き合われるのはゴメンだ。
勿論、俺に妹との用事などない。受験生だしな。


材木座「うぅーむ。八幡とは中々遊べる暇が作れんな……」

八幡「すまんな」

材木座「それなら致し方あるまい。それではまたの機会に!」

八幡「あ、あぁ」


残念だが材木座。
またの機会なんてないよ。

今日は終業式ということで、午前中に授業が終わった。
俺はいつもより三時間早い、二時に行動を開始する。


八幡「……!」

掃除のバァさん「よっこいしょ……」


掃除のバァさんか…、用具からすると三階の女子トイレを清掃していたのだろう。
少し早い時間に日課をしていれば、アウトだった。

冷や汗をかきながら、俺は女子トイレへ忍びこみ、個室の鍵をかけた。

さて……。2年生最後の日課を始めるとするか……。

俺はニヤニヤと笑みを浮かべながらズボンのベルトに手を掛けた。

今日の「お相手」はテニス部所属の美"少女"。
戸塚彩加だ。

"彼女"は昨年の体育祭の時、あと一歩という所でサーブミスを犯し、優勝を逃した。

その後彼女は人目を気にせず泣いた。可愛い顔をグチャグチャにして……。


あ の 顔 は 何 度 思 い 出 し て も 最 高 だ ! !

泣きじゃくりながら俺のイチモツを咥え込む彼女……!!

咥え込み、むせ返る彼女……!!!


そんな姿を想像しながら俺は……。


八幡「うっ……くっ…!!」


果てた。


いつもと同じようにポケットティッシュで個室の壁についた自分自身の子種を拭き取り、便器に捨て、流した。


八幡「今日もいいマスかいたぜ……」


それにしても、冬のトイレは寒い。こんな場所に長居して風邪をひいてしまっては小町に心配をかけてしまう。早く出よう。

そして俺は個室の壁に寄りかかり、外の具合確かめる。
この瞬間が大切だ。

ぼっち特有の陰口センサーを活用し、周囲を聴覚だけで把握する


脱室経路オールグリーン!


八幡「よし……!」ガチャ

トイレ女「キャハハハハハハハ!!!!」

八幡「!?」

じょ、女子の声!?ま、まずい!!トイレに入ってきている……。

どうした……。落ち着け、俺。鍵さえ掛けていれば大丈夫なはず……。


トイレ女a「……。誰か入ってるし」

トイレ女b「ホントだ」

トイレ女a「もしもしー誰ですかー」コンコン


やばい……! 声を掛けられた……! 落ち着け、落ち着け……!! 冷静になれ……!!!
そうだ深呼吸だ。ひっひっふーひっひっふー。

トイレ女b「……なんか応えろよ」


応えようにも答えるはずがない。

ここは苦渋を飲んでやり過ごすしか、俺の生きる道はない。


トイレ女a「……答えろって言ってんじゃん…」ドンッ

トイレ女b「もういいよ。ほっとこ」

間一髪、助かったようだ。

冷や汗と心臓の鼓動が凄まじい。

隣の個室に入ったな…。……? カチッという音が聞こえた…。

トイレ女a「ホントうざいわあのオバサン」

トイレ女b「でもこんな寒い時期にトイレ掃除なんてご苦労様だよねー」

トイレ女a「あーうんうん」

言葉遣いからしても、あまり品の良い連中ではなさそうだ。
全く、うちの小町を見習えってんだ。
うちの小町はなぁ……、お兄ちゃんを大切にしてくれてなぁ……、毎日毎日おいしいご飯を作ってくれてだなぁ……。


……ん? この臭い……。


……ああ。なるほど。全て理解した。

彼女たちはいつも教師の目を盗んで、二階のトイレでタバコを吸っているのだ。
だが、今日は二階のトイレに掃除のおばさんがいたので仕方なく三階のこのトイレに来たということだ。

タバコくらい、なにも学校で吸わなくてもいいのに……。

そこまで考えてからふと笑いがこみ上げてきた。

いや、それは俺も同じ事か……。

恐らく彼女たちはタバコを楽しんでいるのではなく、学校でタバコを吸うということ自体を楽しんでいるのだ。

トイレ女a「でもさー。三年になったら由比ヶ浜と違うクラスになるかもしれねーよね」

トイレ女b「あははそれはやだね」

トイレ女a「あーし、あいつがいないとクラスの楽しみが半減するし」

トイレ女a「まぁ居てもあーし、その内登校拒否に追い込むけど!!」

トイレ女's「ギャハハハはははは!!!!!」

何だこいつら……。いじめとかやってんのか、最低な連中だな。

しかし……、このままだと彼女らの雑談はしばらく続きそうだ。
脱出するなら今のうちか……。

不審に思われないように出来るだけ音を殺しながら……。

急いで出口に向かう……!


トイレ女a「ちくんなよー」

八幡「!」


背後から聞こえた釘を刺す声に、俺は無言で応えた。

ふぅ……。ヤレヤレ……。
どうにか何とかなったか……。

それにしても昨日のビッチ女といい、ついさっきの不良トイレ女といい。

こうも立て続けに肝を冷やす事が発生すると、そろそろこの日課も潮時なのではないかと思えてくる。



……なんて…

嘘だけどな。



まだまだやる気だけどな俺は。



この程度のハプニングで、あの快感! あの感動を!!! 諦められるわけがない……。

それに、春休みが終われば新しいクラスでの新しい生活が始まる……。

今度はどんな女子に、どんな仕打ちをしてやろうか……!!

春休みはたった二週間。
それが終われば楽しい日々の始まりだ!!



けれど…、楽しい時間はいつまでも続かない。

そんな当たり前の事を、ぼっちの俺は知らなかった。

と、導入部終了。
気付いてる人は気づいてると思うパロ。

このSSでは比企谷八幡が人に恵まれなかった場合のifを取り扱う。

それじゃ、また何時間後に。

パロってかまんまパクリじゃん

>>35
最初だけだから許してよ(´・ω・`)

このSSまとめへのコメント

1 :  SS好きの774さん   2014年06月01日 (日) 18:27:01   ID: eSVPCT1N

これ材木座がリア充になれちゃうのん?

2 :  クリボー   2014年06月04日 (水) 20:59:51   ID: rV8bzMn9

ふふっ、オナニー↑マンさ

3 :  SS好きの774さん   2014年06月04日 (水) 21:35:22   ID: hfNIVvjn

八幡が輝いてる、ぼかあ気づいたね。

4 :  SS好きの774さん   2014年08月04日 (月) 12:20:52   ID: o_OL-3ks

この発想はなかった

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