八幡「やはり俺の学園都市生活は間違っている」 (88)

※気づいたら深夜のが落ちたからこっちでやる
※いわゆるクロス物、どっちの作品も知っている人におすすめする
※最初は落ちた分のから投下していく

SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1394998330

---学園都市

東京西部に位置し、東京都のほか神奈川県・埼玉県・山梨県に面する完全な円形の都市。
総面積は東京都の3分の1を占める広さを持つ。
総人口は約230万人で、その8割は学生。それぞれ特色のある23の学区から構成されており、それぞれの学区で独自の条例が、学園都市の法律とは別に制定されている。
~wikiコピペ


俺はそんなwikiに書かれちゃうようなすごい街に住んでいる

受験当時、厨二真っ只中な俺は"超能力"と言う厨二な響きに誘われ、まんまと誘い込まれたわけだ。あっ、ところで""で囲むのかっこいいよね!

当時の俺をぶん殴りたい…。そんな無意味な事を考えながら、俺は学園都市の現状を憂う。

学生「いたッ!」

右隣の学生が注射をうたれ、大袈裟に反応する。

学生2「ははっ、こんなもん痛いのかよww」

さらに俺が挟まれる形で、左隣の学生が学生をからかう。

学生「うっ、うっせえな!」

な、なにこれ…。複雑な三角関係…?

看護師「打ちますよー」

八幡「あ、はい」

こんなナースプレイ続行中だが、これは立派な能力開発だ。
これも立派な授業、薬をうたれたり変なビデオを見せられるだけで一時間が終わるのだから良いものだ。

学生「あー、痛かった」

学生2「wwwwww」

八幡「…」スッ


授業が終わり、残りの時間で俺は腕を支えにして寝る。
あえて顔をすこし露出させるのがコツだ。
べっ、別に対応できないからふて寝してるとかじゃないんだからねっ!

キンコーン

八幡「…」スッ


授業終了の合図が鳴り、それと同時に立ち上がる。
ちなみに、この授業終了の合図の音、昔は違ったけど戦後、空襲を思い出すような音だったから、現在の音に変えたんだって。
しかも学園都市でも使われちゃうんだよ?
すごいよね。興味ない?ごめんね!

鞄に荷物を詰める。その早さ、まるで行為が終わったあとのウインドウを閉じる男性をも凌駕する

八幡「…」ヒュン


即座に能力を使い学校の屋上に出る。風を切る音が響き、視界は青空に広がる。

マジ便利この能力。ぼっちのためにある能力なんじゃないの?
最近思ってきたが、能力って言うのは心の奥底にある願望を外に現しているのかも知れないと思う。

あれぇ……?そうすると俺なにから逃げたいの……?現実ですね。


俺の能力は空間移動(テレポート)。

ちなみに、この能力は学園都市に58人しかいないと言う。あと「ちなみに」から始まった言葉は大抵自慢。これ豆知識な

飛距離は100m程度と長いが、重さは80kgくらいしか無理。太ったらアウトだし、重い荷物を持ってもアウトだ

つまり太らないようにしよう。と言う事です。でもテレポート使うと動かないから逆に太っちゃうと言う矛盾マジ勘弁

八幡「…」ヒュン

テレポートを永遠と繰り返し、自宅の寮へ帰ってくる。

学園都市の学生は寮生活だ。
当然1人で使うわけだから、部屋模様は荒れ放題の散らかり放題

テストの前は片付けるんだが…。

こういう時に触らないと能力が使えないって言うのは不便だ
噂では座標移動(ムーブポイント)なる能力があるらしい。触れないものも移動できるといういわゆる空間移動の上位召喚的な存在だ。
くださいその能力…

八幡「ハァ…」

…。おめでとう!、今日三回目の言葉だ。


一回目、うーん(背伸び)

二回目、あっ、はい(ナースへの言葉)

三回目、ハァ…(ため息)←new!!!


上記の事からわかる事が1つある。

理解できただろうか?正解を発表しよう。俺はぼっちだ。

隠す暇もなく、余す暇もなく、もてあそぶ暇もなくぼっちである。

まあ…。色々な要素が重なってそうなったわけだが…、俺は特にその事については後悔してはいない。

俺はこの都市で"力"を得た。当然この都市にくる人たちは、そういう"力"を求めにくるわけだが…、"力"を求めても与えられなかった人々がいる。

武装無能力集団(スキルアウト)だ。
要は不良だ。
盗みや暴力、強姦から果ては能力者達への集団暴行など。
要は「質より量」を命がけで実現しているような連中だ。中国かよ

弱者たちは集まり、群れて、強者に勝つ。
もはや強大な数と言う力を持った彼らは、時には能力者よりも強い。
その力をもって襲いかかる。
それは力を持たざるもの達の必然の流れであり、動物たちが群れで行動するのと同じだ。

なぜそんな話を始め出したか、というと窓の外からこんな声が聞こえてきたからだ。

男1「へへっ…。姉ちゃん…可愛いね…。俺たちと遊ばない?」

女「ひっ…」

男2「怖がんないでよぉ…。ねえ…、ちょっときもちよくなるだけだからさぁ…」

男3「ひっひっ…」

女「い、いや」

男1「ああんっ!?」

男3「…まぁ…いいか…」

女「え……?」

男1・2・3「無理矢理やるのも楽しいからなぁ!!」ガバッ

女「い、いやぁぁっ!!!!!」

何と言う典型的なスキルアウトだろうか……。

このようにスキルアウトは意味のない能力開発へのストレスや現状を変えようとしない学園都市への怒りを弱者にぶつけるのだ

力を持つものと力を持つものの差は、"能力"と言う一文字で表される。
たった二文字のその言葉は空よりも遠く、崖よりも深い溝を作り出す

学園都市の230万人の学生達は、ほぼ何らかの能力に全員目覚めてはいるが、そのうちの六割弱は無能力者(レベル0)なのだ。

それは能力者は約四割にすぎないと言う事を意味する。さらに半数以上が日常生活に役に立たないと感じるほどの低能力者(レベル1)か、異能力者(レベル2)だろう。

おそらく反撃しないと言う事は、あの女生徒はおそらく無能力者(レベル0)か、低能力者(レベル1)、それか事務系の異能力者(レベル2)なのだろう。

数と言う力を持った無能力者がただの無能力者に危害を与えるならばそれはほぼ能力者が無能力者に危害を与えるのと、なんら変わらない。


八幡「はぁ…」


ため息をつく。
これから"仕事"があるって言うのに…。めんどくせえ…

散らかった机をひっくり返し"それ"を探す。見つけた…

見つけた"それ"を腕に付ける

風切り音が響き、視界に衣服の乱れた女生徒と不良3人組が映り込む。





八幡「ジャッジメントだ、拘束する」

――風紀委員活動第一七七支部、JUDGMENT 177 BRANCH OFFICE

その支部には伝説がある――


何故か、学園都市に58人しかいない空間移動系が何故か2人も集まり…

しかも1人は― 捕まったが最後、心も体も切り刻んで、再起不能にする、最悪の腹黒テレポーター……
さらにもう一人は― 何故か誰も姿や顔を覚えていないという…、謎のテレポーター……


という噂が流れるほどこの支部はネットの隅の隅で話題だ。無論本当の話だ
ちなみに俺の方の伝説を紐解くと、ただぼっちってだけですごめんなさいすいません

それと、統括理事会はマジで一回解体したほうがいいと思う。だって戦力分散するだろ普通

小学生が水ポケモン集めてみますた!って言ってるのと変わりないだろ……。

固法「……で、佐天さんを助けた、と」


俺に視線をむけて固法先輩が尋ねた


佐天「そうなんですよー!!いやぁーほんとあの時はどうなるかと…」


いや、佐天さん…。あんな目にあったのにそんな調子でいいんすか……
このひとのコミュ力測定したらスカウター爆発するんじゃないの?


固法「じゃ、始末書ね」ペラッ


哀れみの目を携えた固法先輩が地獄への片道切符を俺に渡す


八幡「はい…」


心底嫌そうな顔をして、切符を受け取った俺はひたすら書き続けた

ま、まあ…。白井よりはマシだよな?白井なんて一日に5回は書いてるしな…。

初春「それにしても、人を助けた人が始末書を書かなくちゃ行けないなんてやっぱりおかしいですよねー」ポリポリ


い、いや初春…。ポテトチャップス(30%増量)食べながらそんなこと言っても全く信用ないっすよ…。


佐天「あー!初春!!あたしにも頂戴!!」

初春「あっ!もう!!佐天さん!!」


こんな花畑に近い楽園の横で俺はひたすら始末書を書いているのである。
え?なにリア充?
俺ここに来てから「はい…」しか発言してないんですが


白井「遅れましたの」シュン


白井黒子の登場だ。
オセロみたいな名前をした人物だが、実力と信念は折り紙つき…。
と、締めくくりたいところだがこいつには一つ、見過ごせないところがある。

初春「白井さぁーん!!佐天さんがぁ!!」

佐天「うっへっへ…」パリパリ

白井「はぁ…、そこら辺で買って来ればいいですの…」


御坂「どるーん。ちょっと来たわよ」


白井「オネエサマアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアうがおくぇkがけえあが愛ようぃ;jが:わせrftgyふいj」


…、と言う具合にクレイジーサイコレズということでした。本当にありがとうございました。



御坂「ツ!」ビリビリ

白井「アッ…アアアアアン…ビリビリキモティ…」ビクビクバタッ

白井がとても人様に見せられないような恍惚とした表情をして、プスプスと煙を上げながらビクンビクンと震えていた。
おいおい…、レベル5の電撃をまともに食らってこれなんだから真性のレズは怖いですね。

俺はふと天井を見上げた。白い天井。いつまでもこんな日々が続いていくのだろうと思い、すこし表情を緩ませた。
ゆるゆると日常は流れ、俺は始末書を書き書きしていたのであった。



 ―完―

おおっと、あまりにカオスすぎて物語が終わるかと思った…。
収拾がつかなくなったら最終回に持ち込むラノベマジでやめて欲しい。

婚后「な、なんですの!?」

御坂「…まったく…。で、今日がこの婚后さんが悩んでるらしくて連れてきたのよ」


はぁ…?風紀委員はお悩み相談室じゃねーぞ……


初春「御坂さん?風紀委員はお悩み相談室じゃないんですよ?」


おおっ!!俺が言いたいことはすべて初春が言った!!もっと言え!!初春!!


初春「で?なんですか婚后さん」キリッ


甘い…甘すぎるぞ初春!!初春はデキる子だって信じてたのに…。


婚后「実は…あの…、私にお慕いするお人があらわれまして…」


頬を赤らめて衝撃の事実を発表する彼女はまさに恋する乙女と言ったところだろう。おう、爆発しろ

佐天「へぇ!!婚后さんに!??一体どんな人なんですか!?!?」


カッと机越しに佐天さんが詰め寄る。その表情は興味津々と言う様子だった。
いやあの胸揺れてます


婚后「じっ、実は…、お名前もまだ分からなくて…」

八幡「は?」


おっと…、思わず声が出てしまった…。
あれ?なにその顔。

え?今俺の存在に気づいた?てかその顔、俺がなんでここにいるのかも分からない?
思えば今日来てから「はい…」としか言ってないような気がする…。気がしたんじゃなくて事実でした。


佐天「へぇへぇ!!ということは一目惚れですか!?」

婚后「は、はい…」


…、帰りたい…。俺は早くもそう思っていた。
なぜなら人と関わることを良しとしない人間は、自然に惚れた腫れたなどの話は億劫になるものだ。
それにそれは本当の恋なのだろうか?単に恋に恋()してると言う状況ではないのだろうか?


初春「ほえー、じゃあどういう出会い方をしたんですか?」

婚后「じ、実は…」


――所謂回想――

男「へっへっ…。姉ちゃん…。胸大きくて可愛いね…。俺たちと遊ばない?」

婚后「は、はぁ?」

男2「そんなに怖がんないでよぉ…。ねえ…、ちょっときもちよくなるだけだからさぁ…」

婚后「…。貴方、それはこの私を常盤台の婚后光子と知っての狼藉ですの?」

男3「制服みりゃぁわかるって…。それより…」

男「ふへっへっ…」ヨダレダラダラ

婚后「私、貴方がたみたいな人たちを相手にしているほどお暇を持て余してはいませんので」

男2「ああんっ!?下手に出てりゃあ…」ガシッ

婚后「はぁ…。致し方がありませんね…能力を」


?「おー!いたいた、こんな所にいたのか!!」

婚后「へ?」

?「まったく…。いやぁ…。俺の連れがご迷惑をお掛けしましたねーそれじゃ」

婚后「わ、私、貴方なんてしりません」

?「ばっ!話あわせ…」

男達「…」ジー

?「あっ、はは…。そんじゃ…、さようならぁ!!!」グイッ

婚后「(あっ…、手を…)」

男達「まてやゴラァァァァァァ!!!!!!」ダッダッダッ

?「ふ、不幸だああああああああああああああ」ダッダッダッ

――所謂回想終了――

婚后「…、と言うことがありまして…」

…。いや、驚かない、驚かないぞ俺。男慣れしていない常盤台のお嬢様だ。そんなことがあっても驚かない。
あれ?男慣れしていないのに、俺に流暢に説明できるって……。眼中にない宣言ありがとうございます。

御坂「そ、そそそそそ…、それって…」ブルブルビリビリ

佐天「な、なんかその男の人達…」

初春「へぇー、王子様みたいな人ですねぇ…」


多種多様な反応があるようだ。
しかし手握られただけで惚れるって……。チョロすぎだろ…。
まあ、修学旅行の焚き火の周りで踊るダンスで手握った後に告白して見事に振られた奴がいるらしいけど俺はしらん。


白井「で、具体的に何をして欲しいんですの?」


もうする気は満々なんですか…。ここはそんな、人の悩みを解決するような奉仕精神溢れた場所じゃないと八幡は思います。
奉仕部…?別世界から声が聞こえたような…。


婚后「そ、それがでして…、さっきも言ったとおりお名前も聞いてないんですわ…。だから書庫を少し…」

八幡「ダメだ」


恋愛話で和気あいあいとしていた雰囲気がピタりと止まる。


八幡「書庫っていうのは個人が個人の私用のために使っていいものじゃない、それが他人の情報なら尚更だ」


当然、書庫には能力や人柄、人相など様々な事が記されている。それを盗み見るというのは勝手に他人の心の中を盗み見るのと同意義だ。
そんな力を使って築いた関係は、欺瞞が皮を被った、慣れ合いと変わらない。
それは最も俺が嫌悪する人間関係だ。



御坂「あんたって…。時々流暢に話すわね」


佐天「おおっ!比企谷さんがしゃべったー!」


初春「相変わらず比企谷さんですね」


白井「あれ?居たんですの?」


固法「比企谷くん?コーヒー淹れてくれない?」




俺の風紀委員での立場、分かったかな?

そもそも風紀委員には入りたくて入ったわけではない。
担任の小萌先生というロリっ子先生が俺のぼっち生活を見かねて風紀委員に届け出を出したのだ。
勿論、風紀委員には試験があるし、何より研修がある。それに放課後には行かなければならない。
そんなめんどくさい場所に俺が進んで行くか、答えは否である。
当初の俺は試験をすっぽかして、わざと不合格になるつもりだった。

しかし、何故か統括理事会から俺の風紀委員としての推薦状が届いたのだ。

統括理事会という大きな名目により無試験、無研修で入った。

しかも何故か統括理事会の要求は続いた。


『第一七七支部へ配置せよ』


これにより学園都市に19人しかいない空間移動(テレポート)の内、2人が集まる言う奇妙な事になる。

マジで統括理事会なに考えてんの…。最初も言ったけど、マジで一回解体したほうがいいと思う。いや、むしろ解体しろ。

ぼっちに面倒を押し付けた罪は深い。偉い人にはそれがわからんのですよ。



八幡「とにかく駄目だ、そんなもん」


顔を引きつりながら口を開いた。婚后さんがゴミを見るような目で俺を見ているのは気のせいだ。


初春「そういうとこだけ固いですよね、比企谷さんって」

白井「まあ、あまりいいこととはいえないですの」

婚后「う…。わ、私は…」


雰囲気から皆に責められる形になった婚后さんが言葉に詰まる。

佐天「みんなで探せばいいじゃないですか!!」


その声により陰険とした雰囲気は破られる。さすがコミュ力MAX。
中学校ではどんなキモオタにでも話しかけれる女神として君臨していると言う。


しかし、それはあまり良いこととは俺は思わない。
人の事に顔を突っ込むということは何より人の好意を集めるが、軽い行動によって生まれた軽い好意はそれが
明確に拒絶された時に思い悪意や敵意に転移することが多々ある。
それは、あまり好意を直接受けたことが無い人々に大きく由来する。野良犬に餌を与えるのは良くないのと同じだ。

あれだ。つまりモテない男は根に持ちやすい。ソースは俺。

そんな事を考えてるといつの間にか話が進んでいたようだ。こんな声が耳に届いた。


白井「…、で。その殿方に心当たりがある人はいますの?先程からお姉さまが青い顔をしてらっしゃるようですが…」


チラリと白井が見た先には御坂、プルプルビリビリと体を震わせている。


御坂「あ、あああいつ!!!」プルプルビリビリ


その顔は、怒っているかというよりは嫉妬しているかのような顔だ。
人間をよく観察してきた俺だからわかる表情の機微だ。盗み見じゃないよ。勘弁して下さい。


白井「ハッ!!ま、またあの類人類ですの!???!?!???きいいいいいいいいい!!!」シュン


風を切る音が聞こえて白井が視界から掻き消える。おそらくテレポートしたのだろう。
なんだなんだ、何が起きているんだ。今どき魔法少女アニメでもこんな超展開は起こらん。わけがわからないよ。


御坂「……!」ダッダッ


レベル5に追いかけられるなんて…。さようなら見知らぬリア充。お前のことは忘れるまで忘れないよ。
ハハッワロス、メシウマ。

八幡「…」

初春「…」

佐天「…」

婚后「…」


嵐が吹き荒れた後のように静寂に包まれた。なんてこったい。固法先輩?シラネ


初春「じゃ、じゃあ。書庫を使いますか」

八幡「そうだな…」

今まで渋っていた俺があっさりと承諾する様子は滑稽に写っただろう。
だって、探すのめんどくさいんだもんキャピ☆

さすが八幡、乗り換えに定評がある。
ちなみに今、八幡に乗り換えすると素敵な専業主夫が付いてくるというキャッシュバックがついてきます。


佐天「え、ええ!?八幡さんさっきすごい反対してたじゃないですか!!」

八幡「俺は自分の足で探すなんてごめんなんだよ…。なら書庫を使うしか無い。それに初春が必要最低限な
情報だけ見ればいいしな」


スラスラと言葉を出し、自分がやりたくないということを最低限に留め方法を語る。
要は本心に理屈をつけて肉付けしていくようなもんだ、難しいことじゃない。なにこれ欠陥住宅?


佐天「そ、それならいいんですけど…」ジトー


や、やめてくれ。そんな屑を見るような目で見られたら…、溶けちゃう…。


婚后「ま、私のためなら当然ですわね」

初春「うーん…、一応書庫で婚后さんの特徴を入れたんですけど…」カタカタカターン


さすが初春である。このタイピングをLは見習うべき。



佐天「あれ?他の人はいろんな情報があるのに…、名前だけじゃん」ズイ


異変を察しその場の全員が顔を画面の前に持っていく。あっ、いい匂いする。
なんで女の子ってこんないい匂いするの?下手したら匂いだけで惚れちゃうんですけどいいんですか?だめですか。そうですか。


婚后「わ、私の記憶が間違っているはずはありませんわ!ツンツン頭の…」


慌てた様子で婚后さんがもう一度情報を伝え、初春が打ち込む。


もう一度制服の特徴と身体的特徴を入れてみても『上条当麻』と言う名前しか出てこない。



八幡「…。」


考えられることは3つ。


・レベル5級の能力を持つ人間


・学園都市の闇と関わる人間


・すでに死亡している


いや、真ん中なんて厨二病丸出しだし、書庫では死んだ人間も表示される。

と、するとこの中では一番上が現実的かもしれない。
学園都市という特異な街では、人間兵器が服を着て歩いているのと変わらない。
それはそのまま通りすがった人間が、学園都市に7人しかいないレベル5であるということもありえる。

…。いや、本当にそうだろうか?
御坂美琴と言うレベル5と知り合いだということで感覚が麻痺しては居ないだろうか?
実際レベル5などという例外的な天才と知り合いだということは正直、特異だ。

もう一度考えを推敲する。
レベル5とは、有り体に言えば人格破綻者だ。レベル4の俺でも、こんなに破綻しているのに。
強すぎる『自分だけの現実』は、もはや現実世界に侵食する力から違う。

―そんな人間が、不良から女の子を助け、さらに反撃もせずに逃げるだろうか?

しかし、何事にも例外はある。俺がぼっちなように…。


思考の迷宮に落ちかけそうになっていた俺を、明るい声が吹きばす。


佐天「じゃ、地道に探すしかないなー。ま、いいんじゃない?」

初春「そうですね。頑張りましょう」

婚后「今更諦めるわけには…」


え?え?何この感じ。やめてくださいよ。
小学校の時「八幡くんに悪口いわれました」って帰りの会に言われて、周りの雰囲気から謝るしかなかったこと思い出すんですが。


八幡「はぁ…、分かったよ」


所詮、少数派になった時点で負けだ。素直に従っていくほうが、余程楽に事が進む。
コレって仕事も同じだよね。何も考えないで従うっと…。はい、働きたくないです。


俺は基本的に顔を覚えるのが得意だった…。そう過去形だ。
中学生まではぼっちの基本スキルとして備わっていた顔覚えだが、高校生として超能力を覚えてからは演算系にリソースを割きすぎた。
要はぼっちスキルを犠牲にして超能力を手に入れた。…、と言うのは冗談だが、顔を覚える暇があったら演算練習ということである。
つまり、俺はクラスメイトの顔を覚えていない。

なにが言いたいのかと、このぼっちは何を言いたいのかと思ったそこのあなた!

婚后さんが制服の特徴を正確に言い、それを初春がデータにして入れられたのは何故なのかを考えると早い。

つまり『上条当麻』は同じ学校に居る可能性があるのだ。…と言うかそうじゃなきゃマジで不可能なんで勘弁して下さい。


「なんだこの無能…。自分の学校の生徒も覚えられないのか…」


そんな視線をひしひしと感じ俺はテレポートを何度もして学校にやってきたわけだ。

八幡「まさか一日に二度学校に来るとは……」


独り言をつぶやき校内を歩く。ぼっちになると独り言を言えるわけではない。
ぼっちは基本的に友達と「うわぁ…めんどくせえ…」とか「あーだりぃなぁ」とか言う相手が居ないため、一人で片付けてしまうのだ。
なんでも一人でできるようにならないとね!!


小萌「あ!!比企谷ちゃん!!」

八幡「う…」


ああ…。他の教師に聞こうかと思ったのに…。

何を隠そうこのロリっ子合法ロリ正義のロリロリの殿堂こと月詠小萌がわたくし比企谷八幡の担任なのです。
学園都市の七不思議に指定されたり、ジェットコースターの身長制限に引っかかったりなど様々な伝説を残すロリっ子である。
なんとこの教師、こんなロリボディの癖に年齢はyうわなにをするやめ


小萌「比企谷ちゃんは国語の点数は良い癖に数学はだめなんですから!」

八幡「あー、えっと。今風紀委員の職務中でして…」


本当はサービス残業みたいなもんだが、まあ嘘は言ってない。
あれだ、類似項目はまとめてしまおうって奴だ。


小萌「本当ですかー?まあいいですけど、何をしにきたんですか?先生協力しますよ」

八幡「えーと、ある生徒を探してまして…『上条当麻』って学生なんですが」

小萌「なにをいってるんです?上条ちゃんなら同じクラスじゃないですか」

八幡「………、マジすか…」


え?嘘でしょ?知らない人が居るとかどこのAnotherだよ。あ、でも他の人たちからしたら俺が知らない人っすか。はは笑える。

小萌「で、上条ちゃんになにか?」

八幡「いや、少し聞くことがありまして……」

小萌「それならできないのですよー」

八幡「は?」

小萌「上条ちゃんは入院常習犯ですから…、今も入院してますよー」


おいおい…、何か雲行きが怪しくなってきたぞ…。
そもそも、書庫にデータが無くて更に入院を繰り返すとか尋常じゃない。
俺の下校の早さも尋常じゃないし、能力を持っててもぼっちなのも尋常じゃない。更に風紀委員なのにぼっちなのも…、やめよう。

八幡「…、その。何かの能力者なんすか?」


ここで俺が一番欲しい情報をぶつけてみる。
学園都市において、能力というものはその人物の立場を表していると言っても過言ではない。
高位能力者や珍しい能力者なら、トラブルに巻き込まれやすいだろうし、入院常習犯の理由も推測できるようになる。


小萌「上条ちゃんは無能力者なのですよー…」

八幡「そう…、なんですか」


俺は能力で立場や状況を推測することはしても、能力で人自体を測ったり決めたりするのは嫌いだ。
こんなことを高位能力者に言われても腹が立つだけかもしれないが、能力と言うものは過信できない。
そもそも、能力という事象や薬やら催眠とやらが確認できているだけで、原理の原理…つまり大原則…、因果律がすっぽり抜け落ちているのだ
それは、学園都市から実験動物として力を貰っているだけとも言える。
往々にして、俺が空間移動と言う能力を手にしている裏には苦悩を抱えている人物が居るものだ。
所詮、俺という人物が確立的に当たったにすぎない。

俺が、能力を得たと言う裏で涙を飲んでいる人々が居ることを忘れてはいけない。

俺は、何度も涙を飲んだことがあるから。


テレポートでさっさと病院に入る。まったく…、なんていい能力なんだ。


八幡「あの…、上条当麻って人に会いたいんですが…」

受付「あー…、当麻さんですね。ちょっと待っててください」


不審人物を見るような目で俺を見るな。全然不審じゃないだろ。俺の目をよく見ろ。


カエル顔の医者「ん?上条君のお見舞いって、君かね?」

八幡「あ…、はい」

カエル顔の医者「まぁ…、本当はだめなんだけど…。見てみるといいね」

八幡「はぁ…」


つれてこられた病室の前で立ち止まる。

ノックをして病室を開ける。

最初に目に入ったのはボロボロになった少年。見ていて痛々しいほどだ。だが、どこか誇らしげでもある。

そばには怪我をした少年に寄り添って寝る純白のシスターがいた。
実に献身的。一目見てそれが感じられた。


――ああ、そうか


人間関係に強くない俺でもわかる。いや、人間関係に強くない俺だから分かる。

この二人は、完成しているのだ。

がっしりと握られた手からそれを感じられた。


柄にもなく、羨ましいと思った。

俺が何処まで行っても手に入らない『それ』が目の前にあったのだから。



―――― ――――


婚后「うっ…」シクシク

白井「ああ…!もう!泣かれると張り合いがないですの!!!あんな類人類に断られたからってどうでもいいですの!!」

初春「婚后さんは頑張りましたよ」

佐天「うんうん、すごくすっぱりしてたしね」

御坂「もう…、あんなやつのかわりなんて他にいるわよ…、それに頑張ったんだからいいじゃない?」

婚后「み、御坂さぁん…!」ダキッ

御坂「ちょ、ちょっと!」

八幡「…」

初春「もう…!比企谷さんもなんか言ってくださいよ!!」


ちょ…、俺に回さないで…。
逆に中学校の時にみんなで回し合っていたプロフィールの紙を俺にだけ回さないのもやめて…。


八幡「まぁ…、いいんじゃねぇの…、世の中の人も経験しろ経験しろ言ってるじゃねぇか。それが失敗の経験で何が悪い」

御坂「ちょ…、あんた言葉選びなさいよ!!」


ええ…、精一杯の言葉選びだったんですが…。


白井「ふん…、この殿方は譲歩ができないんですの」

八幡「なんだよせっかくフォローしたのに…。それに譲歩だったらいつもしてるぞ…。いつも人の一歩後ろ歩いてるし、道は譲るしな。これ譲歩だろ」

初春「はぁ…、比企谷さんはかわりませんねぇ~」

白井「むしろ哀れですの」


なんだよこいつら俺の心をフルボッコにするんじゃねぇ…。


まぁ、結果はご察しの通り見事に振られたのだった。
まぁ…、恋愛事にコレはつきものだ。
俺も良く振られたしな…。あっ、良くじゃなくて全部でした。

しかし、冴えない顔をしていたが、モテそうなオーラが漂っていたなぁ…。
見るに、そこの第三位さんもホの字のようだしな。
今回の事件から思ったことはひとつ、リア充爆発しろ。である。


八幡「じゃ…、俺帰るぞ…」

初春「お疲れ様でーす」


一瞬にして俺は体を移転させる。それを何度も何度も繰り返してビルの上に立った。

星は綺麗に輝いていて、それでいて変わらない。
人があんなにも綺麗で、そして変わらないのならどんなに楽だろうか。

結局、俺は風紀委員になって何かが変わっただろうか。
いや、変わらない。一つ仕事が増えただけで何一つ俺は変わっていないのだ。
それは俺の望む所であり目指す所でもある。

しかしこうやって過ごす日々は、少なくとも悪いものとは思えなかった。

とりあえず終了

それと訂正
>>31
訂正

?  これにより学園都市に19人しかいない空間移動(テレポート)の内、2人が集まる言う奇妙な事になる。
○ これにより学園都市に56人しかいない空間移動(テレポート)の内、2人が集まる言う奇妙な事になる。

じゃ、また明日

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