絵里「衝撃的な引っ越し」 (25)

絵里「ええと、このダンボールは…冬物の衣類ね」

にこ「ふぅふぅ、よし、このダンボールはこの辺に置いとくわよ」ヨイショ

絵里「ちょっと!大丈夫!?そのダンボール、にこの身体半分くらいあるわよ?おろせる?」

にこ「ニコはパワー系アイドルも視野に入れてるから大丈夫ニコ」ヨッコラショ

絵里「そ、そう…」

にこ「よし!これで荷物は全部運んだわね」

絵里「これで引っ越し終わり!?」

にこ「ええ。絵里の一人暮らしは今始まったのよ」

絵里「一人暮らし!」

にこ「おめでと」


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にこ「はい、プレゼント」

絵里「ええっ?どうして?」

にこ「引っ越し祝いよ」

絵里「あら、お花ね。花瓶入りの」

にこ「アイドルにはお花ニコ」

絵里「自立おめでとう私!踊りましょう!」

にこ「絶対に嫌よ」

絵里「どうしてにこはテンション低いの?」

にこ「引っ越しを手伝っただけで、私には関係ないからよ」

絵里「何も言ってないのに手伝ってくれたくせに…」

にこ「暇だったからよ」

絵里「ありがとね」

にこ「うん」


にこ「なかなかいい部屋ね」

絵里「これで月6万8千円。すごいでしょ?風呂トイレ別だし」

にこ「へえ、やったじゃない」

絵里「そうでしょ?それにワンルームだけど、踊れるくらいに広いし」

にこ「確かに大分広いわね」

絵里「踊る?」

にこ「いや、お隣さんに迷惑でしょ?」

絵里「防音完璧らしいのよ。大家さんにも確認取ったわ」

にこ「…ちょっとだけよ?」

30分後

にこ「思ったより盛り上がったわね…」

絵里「一人暮らし楽しい…」

にこ「ちょっとトイレ行ってきていい?」

絵里「駄目」

にこ「は?」

絵里「この家は私の物よ。何でも最初に私が使いたいでしょ?」

にこ「まあ…分からなくもないわ」

絵里「だから駄目よ」

にこ「もう!じゃあ、先に行ってきてよ!」

絵里「今もよおしてないし…」

にこ「じゃあ先に水だけ流させてあげるから!ほら行くわよ!」

絵里「しょうがないわね…」

3分後

絵里「……」

にこ「……」

絵里「……」

にこ「水弱くない?何もしなくて助かったわ」

絵里「よ、弱くないわよ…」

にこ「紙とか流れずにクルクル回るだけよ!あの勢いじゃ…」

絵里「何回も流せばいいでしょ!」

にこ「この分だとシャワーも駄目なんじゃないの?」

絵里「大丈夫よ!」

にこ「見てくるわ!」ダッ

絵里「ちょっと待ってよ!」ダダッ

3分後

絵里「……」

にこ「……」

絵里「……」

にこ「袖びしょびしょなんだけど」

絵里「ごめんなさい」

にこ「いや、絵里ちゃんじゃなくて…

   柄を伝って100%の水がこっちに来るシャワーの水圧が悪いのよ」

絵里「新居の悪口はやめて!」

にこ「使いづらくて仕方ないわよあんなの!」

ピンポーン

にこ「誰かきたわよ」

絵里「…新聞屋かしら。今優しくされたらとっちゃうかも」

にこ「とればいいじゃない」

絵里「一緒にいきましょ?」

にこ「仕方ないわね…」

絵里「速攻で断ってやるわ!」

にこ「軽い八つ当たりじゃない…」

3分後

絵里「……」

にこ「……」

絵里「……」

にこ「まあ、お隣さんもあんなに怒らなくても、いいわよね」

絵里「防音がトイレだけなんて聞いてなかったわ…」

にこ「トイレを防音にする意味がわからないわね。

  ていうか防音にする前に水量を改善しなさいよ」

絵里「改善なんて必要ないわよ」

にこ「なんでそこで意地張るの…。

   次はシンクの水量を確かめるわよ!」

絵里「粗探ししないでよ!」

3分後

絵里「……」

にこ「……」

絵里「……」

にこ「上半身びしょびしょになっちゃった…」

絵里「あの水の勢い、ウォーターカッターかと思ったわ…」

にこ「あれ、食器なんか吹っ飛ぶわよ…

   この家の水圧は0か100か、なの?」

絵里「こ、こんなハズじゃないのに…」

にこ「あれ?何だか臭わない?」

絵里「…下水みたいな臭いね」

にこ「この家の水回りはどうなってるのよ…

   今の処悪い事しかないわ!」

絵里「本当にごめんなさい…」

にこ「全く…窓開けるわよ?」

絵里「うん」


絵里「……」

にこ「……」

絵里「……」

にこ「窓の先が墓場ってどういうことなの…?」

絵里「し、知らなかった…」

にこ「ええ!?それは駄目よ!」

絵里「だって、見に来たのは夜だけだったからわからなかったのよ!」

にこ「絵里ちゃんが悪いんじゃなくて、こういうのは業者に伝える義務があるの。

   にこが電話して直談判してあげるわ」

絵里「い、いいわよ。余計な事しなくて!たまには近い家もあるわよ!」

にこ「大丈夫じゃないわよ!『佐々木家』にさわれるのよ、この近さだと!」

にこ「こういう事はバシッといった方がいいんだって!

   他の事も改善するかもよ?」

絵里「じゃあ、お願いするわ…」

絵里「……」

にこ「……」

絵里「どうしたの?」

にこ「圏外…」

絵里「ええっ!?ああ、私のもだ…」

にこ「今の社会で自宅圏外って終わってるわよ…」

絵里「洗面所とかは違うかも…試してくる」

3分後

絵里「……」

にこ「……」

絵里「……」

にこ「どうしたの?」

絵里「壁と洗面台の間に、隙間があって…」

にこ「あれ?携帯は?」

絵里「その隙間に…」

にこ「落としたの!?」

かしこくなさ過ぎだろ

ポンコツチカ

にこ「本当にこの家は駄目ね!」

絵里「駄目とか言わないでよ!私ここに住むんだから!」

にこ「なんでそんなところに隙間があるのよ」

絵里「隙間くらい問題ないでしょ!」

にこ「携帯落としてるじゃない!もう問題おきてるでしょ!」

絵里「た、確かに…」

絵里「あ!」

にこ「また悪い事?」

絵里「違うわ!いい事よ。カーペットの隙間に100円挟まってた!」

にこ「そんな事…?」

絵里「いや、まだあるみたいよ?」

にこ「そもそも、ちゃんと管理人の掃除が行き届いてない証拠じゃない…」

絵里「あ、ほら、500円玉!しかも2枚!」

にこ「ちょっとしたバイトの自給ね」

絵里「これで100万円くらい出てきたらどうする?」

にこ「引越せば?」

絵里「うん。
   …いや、住むの!」

にこ「物件選びに失敗した事を認めなさいよ…」

絵里「せーの、ペラッ」

にこ「……」

絵里「……」

にこ「血…」

絵里「そ、そんな訳ないでしょ!ケチャップか何かよ!」

にこ「いやいやいや!手のひらベタッズルッってやった血の跡があるじゃない!

   何者かから命からがら逃れようとした証でしょこれは!」

絵里「もういや…」

事故物件wwwwwwww

prrrrr!!

絵里「あ!洗面所の私の携帯が鳴ってる!見てくる!」

にこ「……」

にこ「…圏外じゃなかったの?」ゾワッ


絵里「ええ、じゃあまたね……」ピッ

にこ「何その暗い顔…」

絵里「振動で隙間から携帯が出てきたの」

にこ「いや、それはいいけど、何の電話だったの?」

絵里「別に……」

にこ「はっきりしなさいよ」

絵里「希からだったわ」

にこ「何だ…。じゃあどうして暗い顔なの?」

絵里「聞いちゃう?」

にこ「早く」

絵里「希がね、その…何かを、感じたから……私が大丈夫かな、って心配の電話してきたの…」

にこ「何かって何よ!もう!」

1回目の引っ越しを思い出す

にこ「そうだ!とりあえず希にこの状況をどうしたらいいか聞くのよ!」

絵里「もう圏外よ」

にこ「……」

絵里「……」


にこ「……あれ?これって」

絵里「何?」

にこ「カーペットの隙間から何か見えてるわ…引っ張ってみるわね」グイッペラッ

絵里「……」

にこ「……」

絵里「……」

にこ「御札…」

絵里「……」

にこ「……」

絵里「……」

にこ「引っ越し祝いの……花……ここに置いとくわ……」

絵里「……ええ」

にこ「……」

絵里「……」

にこ「じゃあ、私帰るわ」

絵里「ええ!?待ってよ!泊って行ってよ!」

にこ「絶対に嫌よ」

絵里「じゃあにこの家に泊めてよ!」

にこ「そうしましょう!」

-fin


バナナマンの昔のコントが元ネタです。
しっかりしたニコニーが書きたかっっただけです。

HTML化おねがいします。

霊的なものもにこえりをのぞんでいた……?

バナナマンのこのコント面白いよな

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